(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ヒューズ部および前記第2ヒューズ部のそれぞれは、前記第1ヒューズ部および前記第2ヒューズ部のそれぞれの中央に形成されるヒューズホールを含むことを特徴とする、請求項4に記載の二次電池。
前記第1ヒューズ部および前記第2ヒューズ部のそれぞれは、前記第1ヒューズ部および前記第2ヒューズ部のそれぞれの側面に形成される1つ以上のヒューズ溝を含むことを特徴とする、請求項4に記載の二次電池。
前記連結部材を構成する物質の単位当たりの抵抗と、前記第1端子を構成する物質の単位当たりの抵抗とが等しい時、前記連結部材の大きさは、前記第1端子の大きさより小さいことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、金属などの材質からなるケースを有する二次電池の内部で異常反応が起こって圧力が上昇すると、二次電池が破損するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、短絡時にヒューズ部を容易に溶融させて破損を回避することが可能な、新規かつ改良された二次電池および電池モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1電極および第2電極を含む電極アセンブリと、電極アセンブリが収容されるケースと、ケースの開口を密閉するキャッププレートと、ケースの外側に突出し、第1電極と電気的に連結される第1端子と、ケースの外側に突出し、第2電極と電気的に連結される第2端子と、互いに間隔をおいて位置する第1ヒューズ部および第2ヒューズ部であって、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部の周辺の部分よりも小さい断面積を有する第1ヒューズ部および第2ヒューズ部を含み、前記第1電極に電気的に連結される集電部材と、第1ヒューズ部と第2ヒューズ部との間において集電部材に結合され、キャッププレートおよび集電部材に電気的に連結され、第1端子の抵抗より小さい抵抗を有する連結部材とを含む二次電池が提供される。
【0008】
また、集電部材は、第1電極に結合される集電片と、第1端子に結合される結合ホールを含む上板とを含むことができ、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部は、集電片と結合ホールとの間に位置することができる。
【0009】
また、集電部材は、上板から折り曲げられる側板をさらに含むことができる。
【0010】
また、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部は、上板に形成されてよい。
【0011】
また、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部のそれぞれは、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部のそれぞれの中央に形成されるヒューズホールを含むことができる。
【0012】
また、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部のそれぞれは、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部のそれぞれの側面に形成される1つ以上のヒューズ溝を含むことができる。
【0013】
また、連結部材は、連結タブと、連結タブの一側から折り曲げられて形成される第1接合部と、連結タブの一側の反対側に位置した他側から折り曲げられて形成される第2接合部とを含むことができる。
【0014】
また、第1ヒューズ部は、上板に形成され、第2ヒューズ部は、側板に形成されてよい。
【0015】
また、第1ヒューズ部は、第1ヒューズ部の中央に形成されたヒューズホールを有することができ、第2ヒューズ部は、第2ヒューズ部の側面に形成されるヒューズ溝を有することができ、第2ヒューズ部の断面積は、第1ヒューズ部の断面積より小さくてよい。
【0016】
また、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部を通過する短絡電流を発生させる短絡部材をさらに含むことができる。
【0017】
また、第1ヒューズ部および第2ヒューズ部のそれぞれは、短絡部材が溶融する前に溶融できる。
【0018】
また、連結部材を構成する物質の単位当たりの抵抗と、第1端子を構成する物質の単位当たりの抵抗とが等しい時、連結部材の大きさは、第1端子の大きさより小さくてよい。
【0019】
また、第1端子とキャッププレートとは、端子絶縁部材によって電気的に絶縁されてよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、二次電池および他の少なくとも1つの二次電池を含む電池モジュールにおいて、複数の二次電池は、電気的に並列に連結されており、第1電極および第2電極が短絡によって電気的に連結される時、短絡電流の第1部分が、第1電極から第2電極に連結部材を経由して流れ、短絡電流の第2部分が、第1電極から第2電極に連結部材と第1ヒューズ部を経由して流れ、短絡電流の第2部分は、短絡電流の第1部分より大きい電池モジュールが提供される。
【0021】
二次電池および他の少なくとも1つの二次電池を含む電池モジュールにおいて、複数の二次電池は、電気的に直列に連結されてよい。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、短絡時にヒューズ部を容易に溶融させて破損を回避することができる二次電池および電池モジュールを提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる二次電池を示した斜視図であり、
図2は、
図1におけるII−II線に沿った断面図である。
【0026】
図1および
図2を参照して説明すれば、本第1実施形態にかかる二次電池101は、正極(第1電極)11と負極(第2電極)12との間にセパレータ13を介在させて巻き取られた電極アセンブリ10と、電極アセンブリ10が内蔵されるケース26と、ケース26の開口に結合されたキャップアセンブリ30とを含む。
【0027】
本第1実施形態にかかる二次電池101は、リチウムイオン二次電池であって、角形のものを例として説明する。ただし、本発明がこれに制限されるわけではなく、本発明は、リチウムポリマー電池または円筒形電池など、多様な形態の電池に適用可能である。
【0028】
正極11および負極12は、薄板の金属箔で形成された集電体に活物質が塗布された領域のコーティング部と、活物質がコーティングされていない領域の無地部11a、12aとを含む。正極無地部11aは、正極11の長さ方向に沿って正極11の一方の側端に形成され、負極無地部12aは、負極12の長さ方向に沿って負極12の他方の側端に形成される。そして、正極11および負極12は、絶縁体のセパレータ13を間に介在させた後巻き取られる。
【0029】
ただし、本発明がこれに制限されるわけではなく、前記電極アセンブリ10は、複数のシート(sheet)からなる正極と負極がセパレータを挟んで積層された構造からなってもよい。
【0030】
ケース26は、略直方体からなり、一面には開放された開口が形成される。ケース26は、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属からなってよい。
【0031】
キャップアセンブリ30は、ケース26の開口を覆うキャッププレート31と、キャッププレート31の外側に突出し、正極11と電気的に連結された第1端子21と、キャッププレート31の外側に突出し、負極12と電気的に連結された第2端子22とを含む。
【0032】
キャッププレート31は、一方向に延びた長めの板状からなり、ケース26の開口に結合される。キャッププレート31には、電解液注入口32に設けられた密封キャップ38と、ベントホール34に設けられ、設定された圧力で開放できるように切欠39aが形成されたベントプレート39とが設けられる。第1端子21および第2端子22は、キャッププレート31の上部に突出するように設けられる。
【0033】
第1端子21は、第1集電部材41を介して正極11と電気的に連結され、第2端子22は、第2集電部材42を介して負極12と電気的に連結される。ただし、本発明がこれに制限されるわけではなく、第1端子21が負極と電気的に連結され、第2端子22が正極と電気的に連結されてもよい。
【0034】
第1端子21は、長方形の板状からなる。第1端子21は、第1集電部材41に接合された連結端子25を介して正極11と電気的に連結される。第1端子21に結合された連結端子25と、第2端子22に結合された連結端子25は、同一の構造からなる。
【0035】
第1端子21とキャッププレート31との間には、密封のためのシーリングガスケット59が連結端子25の貫通するホールに挿入設置され、キャッププレート31の下には、第1端子21および第1集電部材41をキャッププレート31から絶縁する下部絶縁部材45が設けられる。
【0036】
第1端子21の下部には、第1端子21とキャッププレート31とを電気的に絶縁する端子絶縁部材58が設けられる。また、キャッププレート31は、第1集電部材41に接合された連結部材46を介して第1集電部材41と電気的に連結される。連結部材46は、板状からなり、連結部材46の下端が第1集電部材41に溶接され、連結部材46の上端がキャッププレート31に溶接される。
【0037】
これにより、第1端子21およびキャッププレート31とも第1集電部材41と電気的に連結されるが、第1端子21とキャッププレート31とが直接連結されることはない。つまり、第1端子21は、連結端子25を介して第1集電部材41と電気的に連結され、キャッププレート31は、連結部材46を介して第1集電部材41と電気的に連結される。
【0038】
第2端子22は、長方形の板状からなる。第2端子22は、第2集電部材42に接合された連結端子25を介して負極12と電気的に連結される。連結端子25は、キャッププレート31および第2端子22を貫通して上端が第2端子22に固定される。
【0039】
第2端子22とキャッププレート31との間には、密封のためのシーリングガスケット55が連結端子25の貫通するホールに挿入設置され、キャッププレート31の下には、第2端子22および第2集電部材42をキャッププレート31から絶縁する下部絶縁部材45が設けられる。
【0040】
一方、第2端子22の下部には、短絡ホール37に向かって突出した短絡突起22aが形成される。第2端子22は、短絡ホール37を覆うように一方向に長く延びて形成される。第2端子22とキャッププレート31との間には、第2端子22とキャッププレート31とを電気的に絶縁する上部絶縁部材54が設けられる。
【0041】
キャップアセンブリ30は、正極11と負極12とを短絡させる短絡部材56を含み、短絡部材56は、キャッププレート31と電気的に連結され、二次電池101の内部圧力が上昇する時、変形して第2端子22に連結される。
【0042】
キャッププレート31には短絡ホール37が形成され、短絡部材56は、短絡ホール37において上部絶縁部材54とキャッププレート31との間に配置される。短絡部材56は、下方に凸に弧状に屈曲した湾曲部56aと、湾曲部56aの外側に形成され、キャッププレート31に固定された周縁部56bとを含む。
【0043】
二次電池の内部で異常反応によってガスが発生すると、二次電池の内部圧力が上昇する。二次電池の内部圧力が予め設定された圧力より高くなると、湾曲部56aが上部に凸に変形し、この時、短絡突起22aと短絡部材56とが当接して短絡を誘発する。
【0044】
図3は、本発明の第1実施形態にかかる第1集電部材41と連結部材46を示した分解斜視図である。
【0045】
図3を参照して説明すれば、第1集電部材41は、連結端子25に接合された上板41aと、上板41aから折り曲げられて電極アセンブリ10に向かって下方に延びた側板41bと、側板41bに連結形成されて電極アセンブリ10に接合される2つの集電片41cとを含む。
【0046】
上板41aは、四角形の板状からなり、連結端子25の下部に溶接で固定される。上板41aには結合ホール41dが形成され、この結合ホール41dに連結端子25の下部に形成された突起が嵌合された状態で連結端子25と上板41aとが溶接される。これにより、結合ホール41dが第1端子21と電気的に連結される端子接合部となる。
【0047】
側板41bは、上板の一側端部からケース26の底に向かって下部に折り曲げ形成される。2つの集電片41cは、側板41bの両側端から折り曲げ形成され、正極11の無地部11aと平行に配置された状態で正極11に溶接で接合される。これにより、集電片41cが正極11と電気的に連結される電極接合部となる。ケース26内には2つの電極アセンブリ10が配置され、それぞれの集電片41cは、互いに異なる電極アセンブリ10の正極無地部11aに接合される。
【0048】
上板41aには、周辺より小さい断面積を有する第1ヒューズ部41eおよび第2ヒューズ部41fが形成される。第1ヒューズ部41eおよび第2ヒューズ部41fは、端子接合部と電極接合部との間に配置される。第1ヒューズ部41eにはヒューズホール41gが形成され、第1ヒューズ部41eは、第1ヒューズ部41eの周辺の縦断面積より小さい縦断面積を有する。ヒューズホール41gは、第1ヒューズ部41eの中央に位置し、ヒューズホール41gの両側端に第1ヒューズ部41eが連結形成されている。
【0049】
また、第2ヒューズ部41fにもヒューズホール41hが形成され、第2ヒューズ部41fは、第2ヒューズ部41fの周辺の縦断面積より小さい縦断面積を有する。ヒューズホール41hは、第2ヒューズ部41fの中央に位置し、ヒューズホール41hの両側端に第2ヒューズ部41fが連結形成されている。
【0050】
第1ヒューズ部41eと第2ヒューズ部41fとは離隔配置され、第1ヒューズ部41eと第2ヒューズ部41fとの間において連結部材46が第1集電部材41に溶接で接合される。第1ヒューズ部41eは、結合ホール41dと連結部材46との間に位置し、第2ヒューズ部41fは、集電片41cと連結部材46との間に位置する。これにより、電流は、集電片41cと、第2ヒューズ部41f、連結部材46を順に経てキャッププレート31に伝達される。また、電流は、集電片41cと、第2ヒューズ部41f、第1ヒューズ部41eを順に経て第1端子21に伝達される。
【0051】
図4Aは、従来の二次電池が並列に連結された状態を示した回路図であり、
図4Bは、従来の二次電池が並列に連結された状態で短絡が発生したことを示した回路図である。
【0052】
図4Aおよび
図4Bを参照して説明すれば、従来の二次電池は、正極210および負極220と、正極210と電気的に連結された正極端子230と、負極220と電気的に連結された負極端子240とを含む。また、正極端子230と負極端子240との間には、変形によって正極210と負極220とを電気的に連結する短絡部材250が設けられる。正極210と正極端子230との間には、過電流が流れる時、溶融して電流を遮断するヒューズ部260が形成される。
【0053】
短絡部材250が変形して正極端子230と負極端子240とが電気的に連結されると、短絡電流は、正極端子230を通して各二次電池に分散して流れる。これにより、ヒューズ部260には、1つの二次電池に流れる短絡電流に比べてより小さい短絡電流が流れるようになる。
【0054】
図5は、電流の大きさに応じて短絡部材の溶融する時間とヒューズ部の溶融する時間を示したグラフである。
【0055】
図5に示されているように、短絡電流A1が1つのヒューズ部260に沿って流れると、ヒューズ部260の溶融する時間はT2となり、短絡部材250の溶融する時間はT1となる。短絡部材250が短絡を誘発すると、短絡部材250にも過度の電流が流れるようになり、これにより、ヒューズ部260だけでなく、短絡部材250も溶融する。
【0056】
T1とT2との時間差が大きいため、ヒューズ部260が溶融した後、短絡状態が解消され、二次電池が安定した状態を維持することができる。T1とT2との差が小さければ、ヒューズ部260が溶融する前に短絡部材250が溶融する恐れがある。短絡部材250が先に溶融すればヒューズ部260が溶融できず、二次電池を電気的に遮断できなかった状態で短絡が解消され、二次電池が引き続き危険な状態に置かれてしまう。
【0057】
二次電池を並列に連結すると、短絡電流が分散してヒューズ部260にはより少量の短絡電流A2が流れ、この場合、短絡部材250の溶融する時間T1とヒューズ部260の溶融する時間T3との差は減少する。これは、短絡部材250には多量の短絡電流A1が流れるのに対し、ヒューズ部260にはこれよりも少ない量の短絡電流A2が流れるからである。このように二次電池が並列に連結されると、T1とT3との差が減少するため、ヒューズ部260が溶融する前に短絡部材250が溶融する危険性が大きくなる。
【0058】
図6Aは、本発明の第1実施形態にかかる二次電池の回路図であり、
図6Bは、本発明の第1実施形態にかかる二次電池で短絡が発生したことを示した回路図である。
【0059】
図6Aおよび
図6Bを参照して説明すれば、本実施形態によれば、第1端子21と短絡部材56とが直接連結されず、短絡部材56は、第1ヒューズ部41eを介して第1端子21と電気的に連結される。また、短絡部材56は、第2ヒューズ部41fを介して正極11と電気的に連結される。
【0060】
これにより、短絡部材56が反転変形すると、短絡電流は、第1ヒューズ部41eを経て第1端子21に移動し、第2ヒューズ部41fを経て正極11に移動する。
【0061】
より詳細には、正極(第1電極)11および負極(第2電極)12が短絡によって電気的に連結される時、短絡電流の第1部分は、負極12から正極11にに連結部材46と第2ヒューズ部41fを経由して流れ、短絡電流の第2部分は、負極12から第1の端子21に連結部材46と第1ヒューズ部41eを経由して流れ、短絡電流の第2部分は、短絡電流の第1部分より大きい。
【0062】
例えば、3つの二次電池が並列に連結されると、第2ヒューズ部41fに短絡電流の1/3が流れ、第1ヒューズ部41eに短絡電流の2/3が流れる。第1ヒューズ部41eにより多くの電流が流れるため、第1ヒューズ部41eが先に溶融し、第1ヒューズ部41eが溶融すれば、短絡電流がすべて第2ヒューズ部41fに移動するため、第2ヒューズ部41fが溶融する。
【0063】
N個の二次電池が並列に連結された場合には、短絡電流の(N−1)/Nが第1ヒューズ部41eに流れることから、並列に連結された二次電池の個数が多いほど、第1ヒューズ部41eが容易に溶融できる。しかし、従来の二次電池は、N個の二次電池が並列に連結された場合、ヒューズ部に短絡電流の1/Nが流れるため、ヒューズ部が容易に溶融しない。2つの二次電池が並列に連結された場合には、第1ヒューズ部41eと第2ヒューズ部41fに同量の電流が流れ、これにより、第1ヒューズ部41eと第2ヒューズ部41fは同時に溶融できる。
【0064】
前記のように、本第1実施形態によれば、第1端子21は、キャッププレート31と絶縁され、第1端子21と連結部材46との間に第1ヒューズ部41eが位置し、連結部材46と電極アセンブリ10との間に第2ヒューズ部41fが位置するため、短絡発生時に第1ヒューズ部41eおよび第2ヒューズ部41fが容易に溶融できる。また、第2ヒューズ部41fが第1ヒューズ部41eより遅く溶融するとしても、従来のヒューズ部に比べて短時間内により多くの短絡電流が流れるため、従来よりヒューズ部の溶融時間が短縮される。
【0065】
したがって、本実施形態にかかる二次電池101に短絡が発生すると、短絡電流は、キャッププレート31、連結部材46、第2ヒューズ部41fを経由して正極(第1電極)11に伝達され、正極(第1電極)11と負極(第2電極)12との間に短絡電流パスが形成される。
【0066】
また、本実施形態によれば、連結部材46の抵抗は、第1端子21の抵抗より小さくてよい。
【0067】
つまり、本実施形態によれば、連結部材46は、第1端子21を構成する物質より低い単位当たりの抵抗を有する物質からなってよい。
【0068】
また、連結部材46を構成する物質の単位当たりの抵抗と、第1端子21を構成する物質の単位あたりの抵抗とが等しければ、連結部材46の大きさを第1端子21の大きさより小さくすることで、連結部材46の抵抗を第1端子21の抵抗より小さくすることができる。
【0069】
第1端子21とキャッププレート31とが電気的に絶縁されなければ、短絡電流は、キャッププレート31および第1端子21を通過して第2ヒューズ部41fに流れるはずである。
【0070】
しかし、本実施形態によれば、第1端子21とキャッププレート31とは端子絶縁部材58によって電気的に絶縁されているため、短絡電流がキャッププレート31から第1端子21を通過せず、連結部材46および第2ヒューズ部41fを通過して正極(第1電極)11に流れることができる。
【0071】
ここで、本実施形態によれば、連結部材46の抵抗が第1端子21の抵抗より小さいため、連結部材46により多くの電流が流れることができる。
【0072】
したがって、本実施形態によれば、キャッププレート31および集電部材41が連結部材46によって電気的に連結され、ケース26の内部に短絡が発生する時、第2ヒューズ部41fを通過する前に消耗する短絡電流の量が減少し、第2ヒューズ部41fを通過する短絡電流の量が増加するため、第2ヒューズ部41fは、短絡部材56が溶融する前に溶融できる。
【0073】
また、N個の二次電池を電気的に並列に連結し、二次電池の内部で短絡が発生すると、短絡電流は、キャッププレート31から連結部材46を経由して集電部材41に流れる。
【0074】
この時、短絡電流の1/Nは、第2ヒューズ部41fを経由して正極(第1電極)11に流れ、短絡電流の(N−1)/Nは、第1ヒューズ部41eを通して第1端子21および電気的に並列に連結された隣接する他の二次電池に流れて、2つの短絡電流パスが形成される。
【0075】
本実施形態によれば、電気的に並列に連結された二次電池の内部で短絡が発生する時と、1つの二次電池の内部で短絡が発生する時とでは、下記の違いがある。
【0076】
つまり、1つの二次電池の内部で短絡が発生すると、1つの短絡電流パスが形成されるが、電気的に並列に連結された二次電池のうちの1つの二次電池の内部で短絡が発生すると、短絡電流の1/Nだけが短絡の発生した二次電池の内部で短絡電流パスを形成し、短絡電流の(N−1)/Nは、第1ヒューズ部41eを通過して隣接する二次電池で短絡電流パスを形成する。
【0077】
したがって、本実施形態によれば、電気的に並列に連結された二次電池のうちの1つの二次電池の内部で短絡が発生すると、第1ヒューズ部41eは、短絡部材56が溶融する前に溶融できる。
【0078】
これをまとめてみれば、本実施形態によれば、電気的に並列に連結された二次電池のうちの1つの二次電池の内部で短絡が発生したり、1つの二次電池の内部で短絡が発生しても、第1ヒューズ部41eまたは第2ヒューズ部41fは、短絡部材56が溶融する前に先に溶融できる。
【0079】
ここで、本実施形態にかかる二次電池101は、電気的に並列に連結されて電池モジュールをなすことに限定されず、電気的に直列に連結されて電池モジュールをなしてもよい。
【0080】
第1ヒューズ部と第2ヒューズ部との間に連結部材が設けられるため、二次電池が並列または直列に連結されても、短絡発生時に分散する電流を用いてヒューズ部を容易に溶融させることができる。
【0081】
また、電池モジュールは、1つの二次電池からなってもよい。
【0082】
図7は、本発明の第2実施形態にかかる二次電池の一部を示した断面図であり、
図8は、本発明の第2実施形態にかかる二次電池の集電部材と連結部材を示した分解斜視図である。
【0083】
図7および
図8を参照して説明すれば、本第2実施形態にかかる二次電池102は、第1集電部材60と連結部材70の構造を除いては、前記第1実施形態にかかる二次電池と同一の構造からなるので、同一の構造に関する重複説明は省略する。
【0084】
第1集電部材60は、電極アセンブリ10の正極11と電気的に連結され、第1集電部材60には連結端子25と連結部材70が固定設置される。連結端子25は、第1集電部材60と第1端子21とを電気的に連結し、連結部材70は、第1集電部材60とキャッププレート31とを電気的に連結する。第1端子21とキャッププレート31との間には端子絶縁部材58が設けられ、第1端子21とキャッププレート31とは直接連結されない。
【0085】
連結部材70は、板状からなり、連結部材70の下端が第1集電部材60に溶接され、連結部材70の上端がキャッププレート31に溶接される。連結部材70は、第1集電部材60からキャッププレート31に向かう方向に延びた連結タブ71と、連結タブ71の一側端部から折り曲げ形成された第1接合部72と、連結タブ71の一側端部の反対側に位置した他側端部から折り曲げ形成された第2接合部73とを含む。
【0086】
第1接合部72は、キャッププレート31に溶接で接合され、第2接合部73は、第1集電部材60に溶接で接合される。本実施形態のように第1接合部72と第2接合部73が形成されると、連結部材70が第1集電部材60およびキャッププレート31に安定的に固定できる。
【0087】
第1集電部材60は、連結端子25に接合された上板61と、上板61から折り曲げられて電極アセンブリ10に向かって下方に延びた側板62と、側板62に連結形成されて電極アセンブリ10に接合される2つの集電片63とを含む。
【0088】
上板61は、四角形の板状からなり、連結端子25の下部に溶接で固定される。上板61には結合ホール68が形成され、この結合ホール68に連結端子25の下部に形成された突起が嵌合された状態で連結端子25と上板61とが溶接される。これにより、結合ホール68が第1端子21と電気的に連結される端子接合部となる。
【0089】
側板62は、上板61の一側端部からケース26の底に向かって下部に折り曲げ形成される。側板62には2つの集電片63が連結形成されるが、集電片63は、側板62の両側端から折り曲げ形成され、正極11の無地部と平行に配置された状態で正極11に溶接で接合される。これにより、集電片63が正極11と電気的に連結される電極接合部となる。ケース26内には2つの電極アセンブリ10が配置され、それぞれの集電片63は、互いに異なる電極アセンブリ10の正極無地部11aに接合される。
【0090】
上板61には、周辺より小さい断面積を有する第1ヒューズ部64および第2ヒューズ部65が形成される。第1ヒューズ部64および第2ヒューズ部65は、端子接合部と電極接合部との間に配置される。第1ヒューズ部64には1つ以上のヒューズ溝66が形成され、第1ヒューズ部64は、第1ヒューズ部64の周辺の縦断面積より小さい縦断面積を有する。ヒューズ溝66は、上板61の側端から内側に延びて形成される。
【0091】
例えば、ヒューズ溝66は、第1ヒューズ部64の両端に連結形成され、ヒューズ溝66の間に第1ヒューズ部64が位置することができる。
【0092】
また、第2ヒューズ部65にはヒューズ溝67が形成され、第2ヒューズ部65は、第2ヒューズ部65の周辺の縦断面積より小さい縦断面積を有する。ヒューズ溝67は、上板61の側端から内側に延びて形成される。ヒューズ溝67は、第2ヒューズ部65の両端に連結形成され、ヒューズ溝67の間に第2ヒューズ部65が位置する。
【0093】
第1ヒューズ部64と第2ヒューズ部65とは離隔配置され、第1ヒューズ部64と第2ヒューズ部65との間において連結部材70が第1集電部材60に溶接で接合される。第1ヒューズ部64は、結合ホール68と連結部材70の接合された部分との間に位置し、第2ヒューズ部65は、集電片63と連結部材70の接合された部分との間に位置する。これにより、第1端子21は、第1ヒューズ部64を介して連結部材70と電気的に連結され、電極アセンブリ10は、第2ヒューズ部65を介して連結部材70と電気的に連結される。
【0094】
図9は、本発明の第3実施形態にかかる二次電池の一部を示した断面図であり、
図10は、本発明の第3実施形態にかかる集電部材と連結部材を示した分解斜視図である。
【0095】
図9および
図10を参照して説明すれば、本第3実施形態にかかる二次電池103は、第1集電部材80と連結部材90の構造を除いては、前記第1実施形態にかかる二次電池と同一の構造からなるので、同一の構造に関する重複説明は省略する。
【0096】
第1集電部材80は、電極アセンブリ10の正極11と電気的に連結され、第1集電部材80には連結端子25と連結部材90が固定設置される。連結端子25は、第1集電部材80と第1端子21とを電気的に連結し、連結部材90は、第1集電部材80とキャッププレート31とを電気的に連結する。第1端子21とキャッププレート31との間には端子絶縁部材58が設けられ、第1端子21とキャッププレート31とは直接連結されない。
【0097】
連結部材90は、板状からなり、連結部材90の下端が第1集電部材80に溶接され、連結部材90の上端がキャッププレート31に溶接される。連結部材90は、第1集電部材80からキャッププレート31に向かう方向に延びた連結タブ91と、連結タブ91の一側端部から側方向に突出形成された第1フランジ部92と、連結タブ91の他側端部から側方向に突出形成された第2フランジ部93とを含む。
【0098】
第1フランジ部92は、キャッププレート31に溶接で接合され、第2フランジ部93は、第1集電部材80に溶接で接合される。本実施形態のように連結部材90に第1フランジ部92および第2フランジ部93が形成されると、連結部材90が第1集電部材80およびキャッププレート31に安定的に固定できる。
【0099】
第1集電部材80は、連結端子25に接合された上板81と、上板81から折り曲げられて電極アセンブリ10に向かって下方に延びた側板82と、側板82に連結形成されて電極アセンブリ10に接合される2つの集電片83とを含む。
【0100】
上板81は、四角形の板状からなり、連結端子25の下部に溶接で固定される。上板81には結合ホール88が形成され、この結合ホール88に連結端子25の下部に形成された突起が嵌合された状態で連結端子25と上板81とが溶接される。これにより、結合ホール88が第1端子21と電気的に連結される端子接合部となる。
【0101】
側板82は、上板81の一側端部からケース26の底に向かって下部に折り曲げ形成される。側板82には2つの集電片83が連結形成されるが、集電片83は、側板82の両側端から折り曲げ形成され、正極11の無地部と平行に配置された状態で正極11に溶接で接合される。これにより、集電片83が正極11と電気的に連結される電極接合部となる。ケース26内には2つの電極アセンブリ10が配置され、それぞれの集電片83は、互いに異なる電極アセンブリ10の正極無地部11aに接合される。
【0102】
上板81には、周辺より小さい断面積を有する第1ヒューズ部84が形成され、側板82には、周辺より小さい断面積を有する第2ヒューズ部85が形成される。第1ヒューズ部84および第2ヒューズ部85は、端子接合部と電極接合部との間に配置され、第1ヒューズ部84は、第2ヒューズ部85に比べて第1端子21により近く配置される。
【0103】
第1ヒューズ部84にはヒューズホール87が形成され、第1ヒューズ部84は、第1ヒューズ部84の周辺の縦断面積より小さい縦断面積を有する。ヒューズホール87は、第1ヒューズ部84の中央に配置され、ヒューズホール87の両側端に第1ヒューズ部84が連結形成される。
【0104】
第2ヒューズ部85にはヒューズ溝86が形成され、第2ヒューズ部85は、第2ヒューズ部85の周辺の縦断面積より小さい縦断面積を有する。ヒューズ溝86は、側板82の側端から内側に延びて形成される。ヒューズ溝86は、第2ヒューズ部85の両端に連結形成され、ヒューズ溝86の間に第2ヒューズ部85が位置する。また、第2ヒューズ部85は、第1ヒューズ部84よりも下方に位置し、第1ヒューズ部84に比べてより小さい断面積を有する。
【0105】
第1ヒューズ部84と第2ヒューズ部85とは離隔配置され、第1ヒューズ部84と第2ヒューズ部85との間において連結部材90が第1集電部材80に溶接で接合される。第1ヒューズ部84は、結合ホール88と連結部材90の接合された部分との間に位置し、第2ヒューズ部85は、集電片83と連結部材90の接合された部分との間に位置する。これにより、第1端子21は、第1ヒューズ部84を介して連結部材90と電気的に連結され、電極アセンブリ10は、第2ヒューズ部85を介して連結部材90と電気的に連結される。
【0106】
3つ以上の二次電池が並列に連結されると、第1ヒューズ部84により多くの短絡電流が流れて第1ヒューズ部84が溶融した後に、第2ヒューズ部85に短絡電流が集中して第2ヒューズ部85が溶融する。また、本第3実施形態によれば、第2ヒューズ部85は、第1ヒューズ部84よりも小さい断面積を有するが、これにより、第1ヒューズ部84の溶融する時間と第2ヒューズ部85の溶融する時間との間の間隔を最少化することができる。これにより、第2ヒューズ部85は、短絡部材が溶融する前に安定的に溶融できる。
【0107】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。