(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(メタ)アクリル酸化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、スチレン化合物及びビニルアミド(イミド)化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載のビニルモノマー。
【背景技術】
【0002】
希土類元素は、蓄電池や発光ダイオード、磁石などのエレクトロニクス製品の性能向上に必要不可欠な材料であり、広範な工業分野で利用される。希土類元素の供給の現状は、産出国がほぼ限定されていること、価格の安定性を欠くこと、更には、近い将来需要が供給を上回るとも予想されることから、資源的な危機が叫ばれている。そのため、現在、それらに用いられている希土類元素使用量の削減及びその代替開発に関して様々な取組みがなされている。同時に、低品位の天然鉱物資源からの希土類元素の回収や、製品の生産時に発生する工程内スクラップや市中より回収された電子・電気製品等の廃棄物からの希土類元素の再生(リサイクル)が求められている。
【0003】
低品位の天然鉱物資源や廃棄物からの希土類元素の回収工程においては、ベースメタルなどの金属イオンが高い濃度で含有している水溶液から希薄な希土類元素イオンを選択的に分離・回収する方法がある。
希土類元素イオンの分離・回収方法として、抽出剤等を用いる溶媒抽出法(液−液抽出法)やイオン交換樹脂等を用いるカラム抽出法(固−液抽出法)等が知られている。ここで、溶媒抽出法とは、分離対象の金属元素を含む水溶液からなる水相と、特定の金属元素を抽出する抽出剤及びそれを希釈するための有機溶媒からなる有機相を接触させることで、特定の金属元素を抽出剤に抽出させることで分離する方法である。
【0004】
このような溶媒抽出法やカラム抽出法では、希土類元素イオンの吸着能に優れた吸着剤が用いられ、希土類元素イオンを選択的に吸着させる。
希土類元素イオンの吸着には、カルボキシル基を含むジグリコールアミド酸(DGAA)の骨格(>N−CO−CH
2−O−CH
2−COOH、−NH−CO−CH
2−O−CH
2−COOH)が多座配位子として有効であることが知られており、その骨格を有する抽出剤による溶媒抽出法や粒状吸着材によるカラム抽出法が研究されている。溶媒抽出法では、例えば、特定の化学式で表されるジグリコールアミド酸が抽出剤として溶解した溶液を用いて希土類元素を抽出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、カラム抽出法では、例えば、特定のジグリコールアミド型配位子をシリカゲル表面に導入した吸着材を用いてカラム吸着により希土類元素を分離する技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明のビニルモノマーは、下記一般式(1)で表されるジグリコールアミド酸型配位子を有するビニルモノマー(以下、単に「本発明のビニルモノマーともいう」)である。
【0016】
(式(1)中、R
1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
1が水素原子のとき、Xは単結合又は炭素数2〜7の置換基を有していてもよい2価の有機基であり、R
1が炭素数1〜3のアルキル基のとき、Xは単結合又は炭素数1〜7の置換基を有していてもよい2価の有機基である。nは0又は1であり、nが0のとき、R
2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜2のアシル基又はアルデヒド基であり、nが1のとき、R
2は炭素数1〜3のアルキレン基である。)
【0017】
一般式(1)において、R
1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。当該アルキル基の炭素数は1〜2が好ましく、1がより好ましい。R
1における炭素数1〜3のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
R
1は、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であることが好ましく、本発明のビニルモノマーの疎水化を避けるという観点から、R
1は水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
【0018】
一般式(1)において、Xは本発明のビニルモノマーの連鎖重合反応性と親疎水性に影響を与える。
【0019】
R
1が水素原子のとき、Xは単結合又は炭素数2〜7の置換基を有していてもよい2価の有機基である。当該有機基の炭素数は2〜5好ましく、2〜4がより好ましい。
置換基を有していてもよい2価の有機基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、−O−、−C(=O)−、−NH−又はこれらが組み合わされた基等が挙げられる。
【0020】
置換基を有していてもよいアルキレン基のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリーレン基のアリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基等が挙げられる。
【0021】
前記アルキレン基の置換基としては、例えば、水酸基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
前記アリーレン基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基が挙げられる。
これらの置換基は、アルキレン基及びアリーレン基の基において任意の位置に結合していてよく、同一若しくは相異なって複数個が結合していてもよい。
【0022】
R
1が水素原子のとき、Xは単結合又は炭素数2〜5の置換基を有していてもよい2価の有機基であることが好ましく、単結合又は炭素数2〜4の置換基を有していてもよい2価の有機基であることがより好ましい。本発明のビニルモノマーに親水性と連鎖重合反応性を与えるという観点から、R
1が水素原子のとき、Xは単結合、−C(=O)−、−C(=O)−O−(CH
2)
2−、−C(=O)−O−CH
2−CH(OH)−CH
2−、−C(=O)−NH−(CH
2)
3等であることが特に好ましい。
【0023】
R
1が炭素数1〜3のアルキル基のとき、Xは単結合又は炭素数1〜7の置換基を有していてもよい2価の有機基である。当該有機基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。
置換基を有していてもよい2価の有機基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、−O−、−C(=O)−、−NH−又はこれらが組み合わされた基等が挙げられる。
【0024】
置換基を有していてもよいアルキレン基のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリーレン基のアリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基等が挙げられる。
【0025】
前記アルキレン基、アリーレン基の置換基としては、前記したものが挙げられる。
置換基は、アルキレン基及びアリーレン基等の基において任意の位置に結合していてよく、同一若しくは相異なって複数個が結合していてもよい。
【0026】
R
1が炭素数1〜3のアルキル基のとき、Xは単結合又は炭素数1〜5の置換基を有していてもよい2価の有機基であることが好ましく、単結合又は炭素数1〜4の置換基を有していてもよい2価の有機基であることがより好ましい。本発明のビニルモノマーに親水性と連鎖重合反応性を与えるという観点から、R
1が炭素数1〜3のアルキル基のとき、Xは−C(=O)−、−C(=O)−O−(CH
2)
2−、−C(=O)−O−CH
2−CH(OH)−CH
2−、−C(=O)−NH−(CH
2)
3等であることが特に好ましい。
【0027】
上記一般式(1)において、nは0又は1である。
【0028】
nが0のとき、R
2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜2のアシル基又はアルデヒド基である。当該アルキル基の炭素数は1〜2が好ましく、1がより好ましい。アシル基の炭素数は2がより好ましい。
R
2における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基が挙げられる。
R
2における炭素数1〜2のアシル基としては、例えば、アセチル基等が挙げられる。
R
2におけるアルデヒド基としては、例えば、ホルミル基を挙げることができる。
【0029】
nが0のとき、R
2は、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2のアシル基が好ましく、水素原子、メチル基、アセチル基がより好ましい。
【0030】
nが1のとき、R
2は炭素数1〜3のアルキレン基である。当該アルキレン基の炭素数は1〜2がより好ましい。
R
2における炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
【0031】
一般式(1)で表されるジグリコールアミド酸型配位子を有するビニルモノマーは、(メタ)アクリル酸化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、スチレン化合物及びビニルアミド(イミド)化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
【0032】
一般式(1)で表されるジグリコールアミド酸型配位子を有するビニルモノマーの具体例としては、例えば、下記式で表される化合物(a1)〜(a7)を挙げることができる。
【0034】
次に、本発明のビニルモノマーの製造方法について説明する。
本発明のビニルモノマーは、少なくとも1つ以上の1、2級アミンを有するビニルモノマーとジグリコール酸との縮合反応により製造することができる。活性化した酸成分として酸無水物の無水ジグリコール酸を用いる。また、対称酸無水物を用いれば、酸の半分はアミンと反応しない利点もある。
縮合反応について、DGAAを有するスチレンモノマー(DGAAスチレンモノマー)を製造する場合を例に説明する。
【0036】
例えば、4アミノスチレンとジグリコール酸無水物を、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン等の不活性溶媒中にて、撹拌下、反応させて反応液を得る。
得られた反応液を濾過し、濾液を濃縮、ヘキサン、ヘプタン等の有機溶媒を加え晶折させる。析出した結晶を濾取して、ヘプタン洗浄、乾燥を行うことによって、DGAAスチレンモノマーが得られる。
【0037】
本発明のビニルモノマーは、希土類元素の吸着分離材の製造に好適に用いられる。
吸着分離材としては、特に限定されないが、例えば、ラジカル重合またはイオン重合による単独重合体と共重合体が挙げられ、既存の形状の担体基材に、本発明のビニルモノマーを使用したグラフト重合によりグラフト鎖を形成させて吸着分離材を製造することが好ましい。
【0038】
担体基材を構成する材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、非水溶性ビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、担体基材としてはこれらの樹脂から形成された不織布、織布、無孔フィルム(シート)、多孔フィルム(シート)、中空糸膜、糸又はビーズ等が挙げられる。
【0039】
担体基材にグラフト鎖を形成させるためのグラフト重合法としては、特に限定されないが、例えば、過酸化物などの熱重合性の開始剤を用いるケミカルグラフト重合法、プラズマを用いるグラフト重合法、光開始グラフト重合法、放射線グラフト重合法等が挙げられる。中でも、反応条件が緩和であり、担体基材の特性を損なうことなくグラフト鎖を基材に形成させることができることから、開始剤が不要で処理の浸透深さが深い放射線グラフト重合法が好ましい。
【0040】
放射線グラフト重合法としては、例えば、担体基材(高分子基材)に放射線を照射してフリーラジカル(反応開始点)を生成させた後、担体基材とモノマー組成物と接触させて該フリーラジカルを起点としてグラフト重合させる方法(前照射法)や、担体基材とモノマー組成物を共存させた状態で放射線を照射してグラフト重合させる方法(同時照射法)が挙げられる。同時照射法ではグラフト重合と同時にモノマーの単独重合が生成しやすいことから、前照射法を用いることが好ましい。
【0041】
上記前照射法としては、不活性ガス中で放射線を照射し重合するポリマーラジカル法を用いてもよく、酸素存在下で放射線を照射し重合するパーオキサイド法を用いてもよい。
【0042】
放射線グラフト重合に使用する放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、電子線、加速電子線、X線などが挙げられ、放射線を照射する担体の素材、形状、厚みなどに応じて適宜決定すればよいが、本発明においては、通常、γ線、電子線を使用する。
γ線源としては、コバルト、セシウム、ストロンチウムなどが挙げられる。コバルトのγ線源は、透過深度が大きいため、電子線を用いる場合に比べて被照射体の厚みを厚くすることができるので、長尺物をロール状にしてバッチ法で照射する方法において好適に使用することができる。
【0043】
電子線源としては、バンデグラフ、ライナック、サイクロトロンなどの加速器が用いられる。また、電子線源は照射線量率がγ線源の300〜1000倍と高く短時間照射が可能であるが、透過深度が小さいため、搬送装置を用いて薄層物を連続的に照射する場合に好適に使用することができる。また、加速電子線の透過深度は加速電圧に依存するので、被照射体の厚みや照射規模によって加速電圧を適宜設定することができる。
放射線の照射線量は一般的に10〜500kGy、好ましくは15〜200kGyである。
また、放射線照射は、通常、室温(10〜40℃)で行うが、生成ラジカルの減衰を抑制するため、必要に応じて不活性ガス(例えば、窒素、アルゴンなど)中で行うことができる。
【0044】
本発明のビニルモノマーを含有する溶液に使用する溶媒としては、水、メタノール等のアルコール類、非プロトン性の極性溶媒であるジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド、エーテル類、又はそれらの混合液を使用することができる。また、該溶液中の本発明のビニルモノマーの濃度は、通常、10〜80重量%、好ましくは20〜50重量%である。
【0045】
グラフト重合反応工程における反応温度および反応時間としては、特に限定されず、担体基材におけるラジカル生成度合い、使用するビニルモノマー、所望するグラフト率などを考慮して適宜設定すればよいが、通常、室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃の温度で、通常、0.5〜180分、好ましくは1〜60分で行うことができる。
【0046】
なお、吸着分離材におけるグラフト重合の度合いを示す重量グラフト率は、以下の式により求めることができる。
重量グラフト率(wt%)=(グラフト重合後の基材の重量−グラフト重合前の基材の重量)/(グラフト重合前の基材の重量)×100
【0047】
また、本発明において、一般式(1)で表されるジグリコールアミド酸型配位子を有するビニルモノマーは、当該ビニルモノマーからなる単独重合体、当該ビニルモノマーと他のモノマーとの共重合体とすることができる。
【0048】
本発明のビニルモノマーと共重合させることのできるモノマーは、(メタ)アクリル酸化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルアミド(イミド)化合物、又はこれらの混合物からなる群から選択される親水性ビニルモノマーである。希土類元素を含む溶液に対する当該ビニルモノマーの相溶性や親和性が乏しい場合に、親水性モノマーとの共重合により溶媒和を向上させることができる。また、当該ビニルモノマー自体が疎水性である場合や反応性が不充分である場合には、共重合成分として親水性ビニルモノマーを用いることにより、親和性が向上し、共重合モノマーの反応に誘導されて連鎖的に反応が進むことから好ましい。
【0049】
本発明において、一般式(1)で表されるジグリコールアミド酸型配位子を有するビニルモノマーを含有する(共)重合体は、希土類元素の吸着分離材として好適に用いることができる。
希土類元素の吸着分離材として用いる場合、当該(共)重合体は粒子状の形態で用いることができる。
【0050】
上記したように、本発明のビニルモノマーは希土類元素イオンの吸着に有効なジグリコールアミド酸型配位子を有しているので、本発明のビニルモノマーを担体基材に導入させて得られた吸着分離材、本発明のビニルモノマーを(共)重合させて得られた(共)重合体を用いることにより、低品位の天然鉱物資源や廃棄物からの希土類元素を選択的に分離・回収することができる。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0052】
<吸着分離材における重量グラフト率の求め方>
重量グラフト率は以下の式により求めた。
重量グラフト率(wt%)=(グラフト重合後の基材の重量−グラフト重合前の基材の重量)/(グラフト重合前の基材の重量)×100
【0053】
<吸着分離材におけるDGAAの導入量の測定>
DGAA導入反応前後の基材の質量変化をWとし、以下の式により求めた。
DGAA導入量(mmol/g)=(W(mg)/反応基質の分子量(mg/mmol))/反応後の基材質量(g)
【0054】
(合成例1)
<DGAA−ビニルモノマーの合成>
【0055】
【化5】
【0056】
メタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩16.5g(0.1mol)をTHF120mLに溶解させ、氷冷下でTEA15.2g(0.15mol)を注入した。ここへ、ジグリコール酸無水物11.6g(0.1mol)のTHF溶液80mLを10℃以下に保ちながら滴下した後、室温まで戻して一晩(約12時間)撹拌を続けた。
反応液を濾過し、濾液をそのままシリカゲルカラムに通液し、THFを溶離液として流し、溶出したフラクションを濃縮した。得られた濃縮液にトルエンを加えて晶析させ、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をトルエンで洗浄した後、乾燥を行うことによって、DGAA−メタクリレート11.24g(収率45.7%)を得た。
【0057】
(作製例1)
<吸着分離材の作製>
高分子基材としてビニロン不織布を用い、モノマー溶液として合成例1で得られたDGAA−メタクリレートの50wt%水溶液を使用した。モノマー溶液の溶存酸素を除去するため、窒素ガスで1時間バブリングした。
高分子基材に電子線を90kGy照射し、照射後の高分子基材を速やかにモノマー溶液に浸漬させた。高分子基材とモノマー溶液を50℃で15分間反応させ、高分子基材にグラフト鎖を導入した。次いで、純水で十分洗浄した後、40℃で1時間以上で乾燥させ、吸着分離材を得た。
重量グラフト率は136wt%であり、DGAAの導入量は2.35mmol/gであった。
【0058】
(試験例1)
<希土類元素の吸着試験>
希土類元素としてジスプロシウムの塩化物塩とネオジムの塩化物塩、ベースメタルとして銅、鉄(III)及び亜鉛の塩化物塩をそれぞれ1mMになるように蒸留水に溶解し、塩酸でpHを1、2に調整したものを吸着試験水溶液とした。
吸着試験水溶液に作製例1で作製した吸着分離材を加え、振とうしながら約25℃で1日間吸着試験を行った。
吸着試験後、溶液を採取し、0.20μmのメンブレンフィルターで濾過し、ICP発光分析装置(島津製作所製「ICPE−9000」)により水溶液中の金属イオン濃度を測定し、マスバランスから金属イオンの吸着量を算出した。
結果を、
図1に示す。
【0059】
図1の結果より、各pHにおいて本発明のビニルモノマーを用いた吸着分離材にジスプロシウムとネオジムが吸着されており、希土類元素を選択的に吸着せることができた。