特許第6494557号(P6494557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494557
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】小物品の容器への連続貼着装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/20 20060101AFI20190325BHJP
【FI】
   B65B61/20
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-69296(P2016-69296)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-178386(P2017-178386A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】日比 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】安田 茂
(72)【発明者】
【氏名】早川 光治
(72)【発明者】
【氏名】西迫 慎弥
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 美紀
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−302110(JP,A)
【文献】 特開2001−293794(JP,A)
【文献】 特開2010−132333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/20
B65B 61/00
B65D 77/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定容器の胴部に小物品を連続して貼着させるための貼着装置であって、
1)前記容器の位置を規定するホルダーを、所定間隔をおいて連続してコンベアに連結し前記容器を順次搬送可能とした第一コンベア装置と、
2)前記第一コンベア装置の複数のホルダーに隣接する位置に配置され、前記小物品を載置し前記ホルダー側に回転可能な回転部材を、所定間隔をおいて連続してコンベアに連結し前記小物品を順次搬送可能とした第二コンベア装置と、
3)前記小物品又は容器胴部に接着性を付与する機構と
4)当該回転部材を前記ホルダー側に回転させる方向に付勢する付勢機構と、
を備えた容器胴部への小物品の連続貼着装置。
【請求項2】
前記容器胴部への小物品の連続貼着装置において、さらに、4)の機構に加えて、
5)ホルダー側に回転した回転部材につき、その位置を保持及び解除できる保持・解除機構、を備えた請求項1に記載の容器胴部への小物品の連続貼着装置。
【請求項3】
前記4)の機構において、回転部材を前記ホルダー側に回転させる方向に付勢する付勢機構が気流の供給によって行われる請求項1又は2に記載の容器胴部への小物品の連続貼着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に所定の容器の胴部に小物品を貼着するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の容器に付属品をその胴部に貼着することが必要な場合がある。例えば、カップ麺や容器入りのスナック菓子等に包装されたフォークや箸を貼着させることが必要な場合がある。また、飲料に対してはストローを本体容器に貼着させる必要のある場合も多い。
このような場合においては、人手で小物品を順次容器に貼着させる作業を行うことも可能であるが、効率性や経費面から自動化することが好ましい。また、一部を人手で実施するとしても、可能な限り自動化することが好ましい。
例えば、このように容器に対して小物品の貼着を行う装置が開示されている。例えば、関連する先行技術として特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4294156号 上記特許文献は、ストローを貼着させるのに優れた装置である。一方、当該装置では、ストロー等を円形のドラムの周上に脱着可能に装着させる方法を採用している。この場合、当該ストロー以外の物品に適用しようとしても困難なことが予想される。ストローに限られず、種々の形状を有する物品についても、迅速に適用できる貼着装置を開発することが、応用範囲の可能性等を考慮する上でも有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明者らは、即席麺や菓子又は飲料等の容器の胴部にフォークやストロー等の小物品を連続的に貼着させる新たな装置を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らの鋭意研究の結果、所定の容器の胴部に粘着性を有する小物品を連続して貼着させるための貼着装置として、まず、当該容器の位置を規定するホルダーであって、当該ホルダーを連続してコンベアチェーンに連結し、前記容器を順次搬送可能とした第一コンベア装置を設け、
次に、前記ホルダーに隣接する位置に配置され、前記小物品を載置し前記ホルダー側に回転可能な回転部材であって、当該回転部材を連続してコンベアチェーンに繋げ、小物品を順次搬送可能とした第二コンベア装置を設置し、
第二コンベアに載置された小物品に接着剤を付加した状態で、第一コンベア装置と第二コンベア装置の速度を一致させて搬送させながら、当該回転部材を前記ホルダー側に回転させる方向に付勢する付勢機構を設けることで、前記小物品を容器胴部に所定時間貼着させる機構を備えた装置が好適であることを見出した。
【0006】
すなわち、本願第一の発明は、
「所定容器の胴部に小物品を連続して貼着させるための貼着装置であって、
1)前記容器の位置を規定するホルダーを、所定間隔をおいて連続してコンベアに連結し前記容器を順次搬送可能とした第一コンベア装置と、
2)前記第一コンベア装置の複数のホルダーに隣接する位置に配置され、前記小物品を載置し前記ホルダー側に回転可能な回転部材を、所定間隔をおいて連続してコンベアに連結し前記小物品を順次搬送可能とした第二コンベア装置と、
3)前記小物品又は容器胴部に接着性を付与する機構と
4)当該回転部材を前記ホルダー側に回転させる方向に付勢する付勢機構と、
を備えた容器胴部への小物品の連続貼着装置。」、である。
【0007】
さらに、請求項1に記載の容器胴部への小物品の連続貼着装置においては、前記4)の機構に加えて、前記回転部材を容器側に回転させることによって前記小物品を容器に所定時間貼着させてその位置を保持した後、解除して小物品を容器に貼着させる方法が有効であることを見出した。
すなわち、本願第二の発明は、
「前記容器胴部への小物品の連続貼着装置において、さらに、4)の機構に加えて、
5)ホルダー側に回転した回転部材につき、その位置を保持及び解除できる保持・解除機構、を備えた請求項1に記載の容器胴部への小物品の連続貼着装置。」、である。
【0008】
次に、上記の小物品の連続貼着装置において当該回転部材を前記ホルダー側に回転させる方向に付勢する付勢機構については、気流の供給によって回転部材を付勢する方法が有効であることを見出した。
すなわち、本願第三の発明は、
「前記4)の機構において、回転部材を前記ホルダー側に回転させる方向に付勢する付勢機構が気流の供給によって行われる請求項1又は2に記載の容器胴部への小物品の連続貼着装置。」、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の小物品の容器への連続貼着装置を用いることで、即席麺や菓子又は飲料等の容器の胴部等の種々の小物品を容器に迅速かつ連続的に小物品を順次貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願第一の実施態様の小物品の容器への貼着装置の平面の全体構成を示した全体の平面模式図である(コンベアチェーンの一部は記載を省略している)。
図2図1の本発明の第一の実施態様の貼着装置を矢印方向から見た全体の正面模式図である。
図3】第一の実施態様についてコンベア搬送方向に垂直な方向から見た回転部材の全体の動きの概略図である。
図4】第一の実施態様についてコンベア搬送方向に垂直な方向から見た各工程における回転部材の動きを示した概略図である。
図5】本発明の第一の実施態様の回転部材の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0011】
1 容器ホルダー
3 第一コンベアのコンベアチェーン
5 第一コンベア装置
7 第二コンベア装置
9 回転部材
11 回転中心軸
13 回転子
15 反転コンベア(第三コンベア)
17 押圧バー
19 枠体
21 固定枠
23 第二コンベアのコンベアチェーン
25 支持棒
27 収納部
29 錘部
31 固定カム
33 カム受
34 気流供給
35 接着剤(ホットメルト等)
37 マグネット
39 第三コンベアの搬送ベルト
41 ガイド
43 櫛歯状のスロープ
S 小物品
C 容器
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の第一の実施形態について説明する。但し、本発明は以下の第一の実施形態に限定されるものではない。
図1及び図2は、本発明の第一の実施態様の小物品の貼着装置の主要な構成と、当該主要構成の機能について説明した平面及び正面模式図である。
本発明の小物品Sの貼着装置は、所定のカップ状容器Cの胴部に粘着性を有する小物品Sを連続して貼着させるための貼着装置であり、まず、カップ容器Cの位置を規定するホルダー1であって、当該ホルダー1を連続してコンベアチェーン3に連結した第一コンベア装置5が設置されている。本第一コンベア装置5によってカップ状の容器Cを順次搬送可能としている。
【0013】
次に、当該第一コンベア装置5の進行方向とその一部の領域と隣接して並列に第二コンベア装置7が配置されている。当該第二コンベア装置7には、略直方体状の回転部材9がコンベア進行方向と垂直な方向な位置に連続してコンベアチェーン11に連結されている。当該回転部材9については、それぞれ第一コンベア5側に回転中心を有しており、当該回転中心軸11は、図1図3図4に示すようにコンベアの進行方向と平行に配置されている。また、当該回転部材9の中の回転子13は、第一コンベア側5に回転できるように構成されている。
また、本発明の第一の実施態様においては、図1及び図2に示すように小物品Sの供給のために第三コンベア(反転コンベア)15が第二コンベア7の上部に配置されている。以下に各構成についてさらに詳細に説明する。

1.第一コンベア装置(容器の搬送用)
【0014】
本第一コンベア装置5には、複数のカップ容器Cを保持するカップ容器ホルダー1が所定間隔を経てコンベア装置に連結されており、当該容器Cが所定方向に搬送される構成を有している。
本発明の第一の実施態様においては、図3図4に示すようにカップ容器ホルダーの下方部にはコンベアチェーン5が連結されており、当該コンベアチェーン5の搬送に沿って容器ホルダー1も順次搬送される構成を採用している。尚、図3及び図4には後述する押圧バー17の記載を一部省略している。
第一コンベア装置における搬送方法としては、スプロケットによりコンベアチェーンを巻き掛けて搬送するタイプや、プーリやローラによってベルトを搬送するタイプの種々のタイプを利用可能である。
【0015】
本発明にいう所定の容器とは、一般的な胴部を有するすべての容器を含むものとする。具体的には、上部開口タイプの容器を始め種々のタイプの容器が含まれる。また、容器の形状もカップや円形タイプに限定されず、直方体状、四角形、五角形、六角形等の多角形を始めとして、胴部を有するあらゆる形状を含むものとする。
また、本発明にいう容器の材質についても限定されず、金属、プラスチック、木材、紙等のあらゆる素材を含む。
剛性の高い包材のみならず軟包材も含むことも可能である。また、当該容器がプラスチック製のフィルム等によって包装されている場合も含むことは勿論である。
例えば、即席麺等のカップ容器に内容物が充填されたものをプラスチック製のフィルムで包装した包装カップ麺等にフォークや箸を添付する場合等に好適に利用することができる。
【0016】
本第一のコンベア装置5の容器ホルダー1は、対象とする容器Cを収納して当該容器の位置を規定しつつ搬送するために用いられる。本発明の第一の実施態様においては、カップ状の容器の下方部を保持するタイプが記載されているが、これに限定されず胴部又は上部等のいかなる位置を規定するものでよいことは勿論である。
また、容器自体の動きを規制してコンベアの進行とともに容器が搬送されるのであれば、種々の態様が可能である。また、本発明の第一コンベア装置についての搬送タイプは、種々のタイプを選択することができる。すなわち、無端状であってもよいし、平面上を循環するタイプであってもよい。
本発明においては、小物品の容器への貼着後において必要に応じて、種々の工程に移送される。

2.第二コンベア装置(回転部材の搬送用)
【0017】
本発明においては、前記第一コンベア装置5に隣接して第二コンベア装置7が設置される。当該第二コンベア装置7には、複数の回転部材9が所定間隔を経てコンベア装置に連結されており、当該回転部材9は、第一コンベア装置のカップ状容器側に回転する所定領域においては前記第一コンベアと隣接してカップと平行に搬送されるとともに、その搬送速度は当該所定領域において一致するように構成されている。すなわち、本発明の第一の実施態様においては、第一コンベア5の搬送速度は第二コンベア7の上部搬送経路における搬送速度と一致するような構成を有している。
尚、コンベアの搬送方法としては、スプロケットによりコンベアチェーンを巻き掛けて搬送するタイプや、プーリやローラによってベルトを搬送するタイプの種々のタイプを利用可能である。
【0018】
次に、回転部材9について説明する。本発明の第一の実施態様における第二コンベア7に装着される回転部材9は、回転子13を含み、小物品Sを収納するとともに、当該回転子13をカップ容器側に回転可能な構成を有している。本発明の第一の実施態様における回転部材9は、図5に示すように一辺が開放され略長方形状に屈曲した帯状の枠体19中に、細長の小物品Sを収納可能な回転子13が、当該帯状枠体19の開放部において幅方向に設けられた回転軸11を挿通するように装着されている。さらに当該枠体19の外側には、同じく前記回転軸11が挿通された固定枠21が装着されている。当該固定枠21はコンベアチェーン23に連結されているとともに、当該固定枠21に対して前記回転子13及び枠体19が回転可能となるように構成されている。
【0019】
尚、回転部材9の上記構成についてはこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能であることは勿論である。
また、当該回転子13は、通常の状態であると回転軸11を支点とする回転子13の重量バランスから略水平状態となり、幅方向に渡って架橋された支持棒25の上に載置された状態となっている。
【0020】
また、当該回転子13には、小物品Sの収納部27とともに回転軸11を隔ててスチール製の錘部29を有している。さらに、回転子13を含んだ回転部材9全体の水平方向の傾斜角度を変えるために、コンベア搬送路に固定されたカム31を固定しておくことができる。カム31が固定された領域を、回転部材9が通過すると、回転部材9の底面側に設けられたカム受33が前述の固定カム31に摺接しながら、その水平位置の傾斜を調整できることが可能となる。尚、回転子13には、小物品を載置できる凹部を有しており、小物品を収納し、その位置を概ね規定している。
また、回転子13は、当該回転軸11を中心として、第一コンベア5側に起立できるように構成されている。第一コンベア5側に起立した際に、第一コンベア5上の容器Cの胴部に接近することなり、回転子13に載置された小物品Sが容器Cの胴部に接触することができる。
【0021】
小物品Sとしては、本発明の第一の実施態様においては包装されたフォークSを例示しているが、特に限定されず種々の物品が可能であることは勿論である。例えば、本発明の第一の実施態様で示す包装済のフォークの他、包装済のストロー、包装されたスープ又は具材の小袋等が考えられる。さらに、これらに限定されず、その他、各種物品を想定することができる。
尚、本発明の第一の実施態様においては、後述するように押圧バー17が回転部材の枠体のコンベア進行方向の後部側において起立している。

3.付勢機構
【0022】
前記回転部材9は通常の状態では、収納された小物品Sを略水平状態に載置できるように位置しており、必要に応じて、回転軸11の中心として容器Cの側への回転方向に付勢させることで、回転部材9が容器Cの胴部に対して接近できる位置を採ることができるように構成されている。当該回転方向へ付勢する方法については種々の選択が可能である。本発明の第一の実施態様では、図4に示すようにエアー噴射34による圧力を加えることで容器側に回転させることができるように構成されている。
本付勢力によって、回転部材9に収納した小物品Sを、搬送されている容器Cの胴部に接触させることができ、当該小物品Cに粘着性を付加させた状態で、容器胴部に接触させることで当該小物品Sを容器胴部Cに貼着することを可能とする。
尚、付勢機構については、上記の方法に限定されることなく、図4図5に記載されている固定カム31を積極的に利用して、当該カムのサイズを大とすることで、回転部材9をカップ側に接近させることができる。
【0023】
また、本実施態様では、図4(2)に示すように単発的な空気噴射34を行う前に、枠体19を含む回転部材9全体を傾斜させた状態とし、その後にパルスでの空気噴射34を行っている。回転部材9全体を傾斜させる方法としては、本第一の実施態様に示すようにコンベアの進行方向に向かって上方に伸びる平板上の固定カム31を設け、当該カム31に前記固定部材25の底部のカム受33が摺接することで、回転部材9の傾斜を調整している。

4.前記小物品又は容器胴部に接着性を付与する機構
【0024】
前記小物品又は容器胴部に接着性を付与する機構を付加する。この場合における接着性とは、前述の付勢機構によって小物品と容器の胴部が接触した場合において、小物品Sが容器Cの胴部に貼着させるために必要となる。従って、当該粘着性の付与は、小物品側に施しても、カップ胴部側に施してもよいことは勿論である。
本発明にいう粘着性を付与するとは、当該小物品Sに対してホットメルト等の接着材を付与された場合が主として挙げられる。但し、これに限定されず、小物品Sをプラスチック製の軟包材に収納し、当該軟包材を熱等で軟化して接着させる方法等の種々の方法も考えられる。
【0025】
また、小物品Sの搬送前に粘着性を付加させてよいことは勿論である。すなわち、本“前記小物品又は容器胴部に接着性を付与する機構”については、当該小物品Sの搬送中の状態で粘着性を付与することに限定されるものではなく、搬送前や当該小物品自体が粘着性を有しており、前記付勢機構によって、当該小物品が容器Cの胴部に接触した場合に、容器胴部に粘着することができればよい。

5.保持・解除機構
【0026】
本発明の小物品貼着装置には、その回転部材9の収納部27に貼着する小物品Sを載置する。そして、当該小物品Sに接着剤等を添付した状態で容器C側に付勢させることによって、収納部27中の小物品Sを容器胴部に接触させることになるが、当該接触した状態を必要に応じて所定時間、保持することによって小物品を容器胴部への貼着性を高める方法を採ることが好ましい。
本発明の第一の実施態様においては、これを第二コンベア装置7上に固定されたマグネット37と回転子13の端部に設けられたスチール製の錘部29により実現している。すなわち、回転部材9中の回転子13の回転軸11を隔てた下方側には、スチール製の錘部29を有している。
そして、回転子13がカップ容器C側に回転した状態でマグネット37が固定された領域を通過するように構成されている。このようにマグネット37をスチール製の錘部29に近接させることによって、マグネット37によって回転子13がカップ側に回転した状態を保持する。
【0027】
すなわち、図4(3)に示すようにマグネット37に近接していると、磁力によって回転子13が起立した状態を保持できるため、接着性を付与された小物品Sがカップ容器の胴部に接触する状態を長く保持することができる。そして、マグネット領域37を通過すると、当該状態が解除され回転子13は、水平状態に移行するが、小物品3は容器胴部に貼着された状態のまま搬送される。

6.第三コンベア装置
【0028】
本発明の第一の実施態様においては、第一コンベア装置5及び第二コンベア装置7に加えて、第二コンベア装置の上方に第三コンベア装置15を設置した態様を示している。本発明の第一の実施態様においては、第二コンベア7に小物品である包装フォークSを供給するために第三コンベア装置15が設置されている。
本第一の実施態様における第三コンベア装置15は、小物品Sの各一個ごとに区分けされた無端状の搬送ベルト39が循環するように構成されている。また、図2に示すようにコンベアの反転に伴い物品Sも反転し、ガイド41に沿って反転した物品Sは、櫛歯状のスロープ43上を滑降しつつ、搬送される回転部材9から起立した押圧バー17によってキャッチされ、櫛歯状のスロープを経て、回転部材に収容される構成を採用している。

6.本貼着装置における小物品の動き
【0029】
以下に、本発明の第一の実施態様の小物品の連続貼着装置について、カップ状容器Cと物品の第一〜第三コンベア及び小物品の貼着の動作について再度説明する。図1から図2には、即席麺のカップ容器に個包装されたフォークを連続的に順次貼着していく小物品Sの連続貼着装置について示している。
図1及び図2に示すように、本発明の第一の実施態様の小物品の連続貼着装置においては、第一コンベア5においてカップ状の容器Cが連続的に搬送されている。
一方、当該容器に貼着させる小物品のフォークSを供給するために第三コンベア15が設けられており、当該第三コンベア15の上部側の搬送経路に包装済のフォークが順次供給されている。尚、当該供給には、公知の供給機構を用いればよい。また、人手Mで供給を実施してもよいことは勿論である。
【0030】
第三コンベア15に供給されたフォークは、上部側の搬送経路から下方に反転し、櫛歯状のスロープ43を滑降する。フォークは当該スロープ43を滑降する途中において、第二コンベア7において連結された回転部材9の搬送方向後方側に起立した押圧バー17が櫛歯スロープ43間を挿通しながら搬送することによって、スロープ上で回転部材9によってキャッチされる。当該回転部材9の進行に伴ってフォークも櫛歯スロープ43上で移動するが、スロープの終端部でフォークSは回転部材9の回転子13の収納部27に落下し収納が完了する。
【0031】
ここで、第一コンベア5と第二コンベア7の搬送速度は一致しており、カップ状容器と回転部材9は、隣合う状態で、かつ同速度でそれぞれのコンベア上を搬送する。第二コンベア7の搬送中の回転部材9に収納されたフォークSに対してホットメルト35が上部より付加された後、第二コンベア7の回転部材9は固定カム31領域に入り全体がカップ側へ傾斜した姿勢となる(図4(2))。当該傾斜した回転部材9の下方部よりパルスで気流34が供給され、当該気流の圧力により回転子13がカップ容器C側に大きく回転し(図4(3))、収納部のホットメルト35が付加されたフォークSがカップ容器Cの胴部に接触する。
当該状態で第二コンベア7の搬送路に固定されているマグネット領域37に入り(図4(3))、回転子13のスチール製の錘部分29がマグネット(磁力)によって引かれるため、回転部材の回転子13がカップ側に回転した状態を保持した状態でコンベア上の搬送が継続する。
【0032】
マグネット領域37を通過すると、磁力が無くなるため、保持は解除されて回転子13はカップ容器Cから離れ、水平状態に向かおうとする(図4(4)及び(5))。一方、ホットメルト35が付加されたフォークSが所定時間、カップ容器Cに押し付けられていたため、回転子13が離れてもフォークSはカップ容器Cの胴部に貼着したままとなり貼着が完了する。フォークが添付されたカップ状容器はそのまま搬送され他の工程に移行する。
一方、フォークSを添付した後の回転部材9は第二コンベア7の上部搬送経路の終端で反転して、下部の搬送経路を移送され再度反転して上部搬送経路に移る(図2)。本工程が繰り返し行われる。
図1
図2
図3
図4
図5