特許第6494940号(P6494940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6494940異なるサイズのフィーチャへのボイドフリータングステン充填
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494940
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】異なるサイズのフィーチャへのボイドフリータングステン充填
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/768 20060101AFI20190325BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20190325BHJP
   C23C 16/14 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   H01L21/90 B
   C23C16/14
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2014-150275(P2014-150275)
(22)【出願日】2014年7月24日
(65)【公開番号】特開2015-29097(P2015-29097A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2017年7月19日
(31)【優先権主張番号】61/858,114
(32)【優先日】2013年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アナンド・チャンドラシェカー
(72)【発明者】
【氏名】ラシーナ・フマユン
【審査官】 佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第08124531(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0130002(US,A1)
【文献】 特開平10−144688(JP,A)
【文献】 特開平08−031935(JP,A)
【文献】 特開平10−256187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/768
C23C 16/14
H01L 23/522
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を処理する方法であって、
(i)第1のフィーチャおよび第2のフーチャを含む異なるサイズの開口部を有するフィーチャを備える基板を準備し、前記第1のフィーチャは前記第2のフィーチャとは別体であり、前記第2のフィーチャから離間し、前記第1のフィーチャは前記第2のフィーチャよりも小さな開口部を有し、
(ii)第1のバルクタングステン層を前記フィーチャ内に蒸着して、前記フィーチャを部分的に充填し、
(iii)前記第1のバルクタングステン層の非共形エッチングを実行して、エッチングされたタングステン層を前記フィーチャ内に残すことであって、前記第1のフィーチャの内部よりも多くのタングステンを前記第1のフィーチャの上部から除去することを含み、
(iv)前記エッチングされたタングステン層上に第2のバルクタングステン層を蒸着すること、
(v)前記第1のフィーチャがタングステンにより完全に充填された後であって、前記第2のフィーチャがタングステンにより完全に充填される前に、前記第2のバルクタングステン層の表面を処理すること
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第2のバルクタングステン層の表面の処理は、前記基板を還元剤に暴露することを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記還元剤は、ボラン、シラン、および、水素からなる群より選択される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記第2のバルクタングステン層の表面の処理は、前記基板を窒素に暴露することを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記第2のバルクタングステン層の表面の処理は、前記基板をアニーリングすることを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記第2のバルクタングステン層の表面の処理は、前記基板上にバリア層を蒸着することを含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記バリア層は窒化タングステンを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記異なるサイズの開口部は、約1nmから約1ミクロンの間の開口部を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記フィーチャは、約20の異なるサイズの開口部を有するフィーチャを含む、方法。
【請求項10】
半導体基板を処理する方法であって、
(i)少なくとも1つの小フィーチャグループと、少なくとも1つの大フィーチャグループとを含むフィーチャを備える基板を準備し、前記小フィーチャは前記大フィーチャとは別体であり、前記大フィーチャから離間し
(ii)第1のバルクタングステン層を前記フィーチャ内に蒸着し、
(iii)第1の温度で前記第1のバルクタングステン層の一部をエッチングしてエッチングされた前記第1のバルクタングステン層を残し、
(iv)前記エッチングされた第1のバルクタングステン層上に第2のバルクタングステン層を蒸着して、前記小フィーチャグループの内の少なくとも1グループを充填すると共に前記大フィーチャグループの内の少なくとも1グループを少なくとも部分的に充填し、
(v)第2の温度で前記第2のバルクタングステン層の一部をエッチングしてエッチングされた前記第2のバルクタングステン層を残し、
(vi)前記エッチングされた第2のタングステン層上に第3のバルクタングステン層を蒸着して、前記大フィーチャグループの内の少なくとも1グループを充填すること、
を備える、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記第1の温度は、前記第2の温度より低い、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、前記第1の温度は、前記第2の温度より高い、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、前記少なくとも1つの小フィーチャグループおよび前記少なくとも1つの大フィーチャグループの各々は、少なくとも1つのフィーチャサイズを有するフィーチャを含む、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、前記少なくとも1つの小フィーチャグループの各々は1つのフィーチャを含み、前記少なくとも1つの大フィーチャグループの各々は1つのフィーチャを含む、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、前記少なくとも1つの小フィーチャグループは、約1nmから約2nmの間の開口部を有するフィーチャを含む、方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法であって、前記少なくとも1つの大フィーチャグループは、約100nmから約1ミクロンの間の開口部を有するフィーチャを含む、方法。
【請求項17】
請求項10に記載の方法であって、前記少なくとも1つの大フィーチャグループの中で最大のフィーチャが、前記少なくとも1つの小フィーチャグループの中で最大のフィーチャのクリティカルディメンションの少なくとも5倍のクリティカルディメンションを有する、方法。
【請求項18】
半導体基板を処理するための装置であって、
シャワーヘッドおよび基板支持体を備えた処理チャンバと、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、
前記メモリは、マシン読み取り可能な命令を格納し、前記マシン読み取り可能な命令は、
第1のバルクタングステン層を蒸着するために、タングステン含有前駆体および還元剤を前記処理チャンバに導入するための命令と、
前記第1のバルクタングステン層の一部をエッチングして基板のフィーチャ内にエッチングされた第1のバルクタングステン層を残すために、フッ素含有エッチャントを前記処理チャンバに導入するための命令と、
第2のバルクタングステン層を部分的に蒸着するために、前記タングステン含有前駆体および前記還元剤を前記処理チャンバに導入するための命令と、
所定の時間に前記第2のバルクタングステン層の蒸着を一時的に停止するための命令と、
処理剤を前記処理チャンバに導入するための命令と、
前記処理チャンバへの前記処理剤の導入を一時的に停止するための命令と、
残りの前記第2のバルクタングステン層を蒸着するために、前記タングステン含有前駆体および前記還元剤の前記処理チャンバへの導入を再開するための命令と、
を含む、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記処理剤は、ボラン、シラン、および、水素からなる群より選択される、装置。
【請求項20】
請求項18に記載の装置であって、前記所定の時間は、前記基板上の小さいフィーチャが充填される時間である、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
化学蒸着(CVD)技術を用いたタングステン含有材料の蒸着は、多くの半導体加工処理の不可欠な部分である。これらの材料は、水平方向の相互接続、隣接する金属層の間のビア、シリコン基板上の第1の金属層およびデバイスの間のコンタクト、ならびに、高アスペクト比フィーチャに利用されうる。従来の蒸着処理では、基板が蒸着チャンバ内で所定の処理温度に加熱され、シード層または核形成層として機能するタングステン含有材料の薄層が蒸着される。その後、タングステン含有材料(バルク層)の残りが、核形成層上に蒸着される。従来、タングステン含有材料は、水素(H)での六フッ化タングステン(WF)の還元によって形成される。タングステン含有材料は、フィーチャおよびフィールド領域を含む基板の露出表面領域全体に蒸着される。
【0002】
小さい高アスペクト比のフィーチャにタングステン含有材料を蒸着すると、充填されたフィーチャ内にシームおよびボイドの形成が起こりうる。大きいシームは、高い抵抗、汚染、充填された材料の喪失、および、それ以外の集積回路の性能低下につながりうる。例えば、シームは、充填処理後にフィールド領域の近くに伸び、化学機械平坦化中に開きうる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、異なるサイズのフィーチャ内にタングステンを蒸着する方法が提供されている。一態様は、以下によって半導体基板を処理する方法に関する。(i)異なるサイズの開口部を有するフィーチャを備える基板を準備し、(ii)第1のバルクタングステン層をフィーチャ内に蒸着して、フィーチャを部分的に充填し、(iii)第1のバルクタングステン層の非共形エッチングを実行して、エッチングされたタングステン層をフィーチャ内に残すことであって、フィーチャの内部よりも多くのタングステンをフィーチャの上部から除去することを含み(iv)エッチングされたタングステン層上に第2のバルクタングステン層を蒸着すること。ここで、第2のバルクタングステン層の蒸着は、より小さいフィーチャが充填された時に、エッチングされたタングステン層を処理するために中断される。
【0004】
いくつかの実施形態において、基板の処理は、基板を還元剤に暴露させることを含む。還元剤は、ボラン、シラン、および、水素からなる群より選択されてよい。いくつかの実施形態において、基板の処理は、基板を窒素に暴露させること、基板をアニーリングすること、および/または、基板上にバリア層を蒸着することを含む。バリア層は、例えば、窒化タングステンであってよい。
【0005】
様々な実施形態において、フィーチャは、約1nmから約1ミクロンの間の開口部を有する。いくつかの実施形態において、フィーチャは、約20の異なるサイズの開口部を有する。
【0006】
別の態様は、以下によって半導体基板を処理する方法に関する。(i)少なくとも1つの小フィーチャグループと、少なくとも1つの大フィーチャグループとを含むフィーチャを備える基板を準備し、(ii)タングステンすなわち第1のバルクタングステン層をフィーチャ内に蒸着し、(iii)第1の温度で第1のバルクタングステン層の一部をエッチングし、(iv)エッチングされた第1のタングステン層上に第2のバルクタングステン層を蒸着して、少なくとも1つの小フィーチャグループの内の1グループを充填すると共にそれ以外のフィーチャを少なくとも部分的に充填し、(v)第2の温度で第2のバルクタングステン層の一部をエッチングし、(vi)エッチングされた第2のタングステン層上に第3のバルクタングステン層を蒸着して、少なくとも1つの大フィーチャグループの内の1グループを充填すること。
【0007】
いくつかの実施形態において、第1の温度は、第2の温度より低い。いくつかの実施形態において、第1の温度は、第2の温度より高い。
【0008】
様々な実施形態において、少なくとも1つの小フィーチャグループおよび少なくとも1つの大フィーチャグループの各々は、少なくとも1つのフィーチャサイズを有するフィーチャを含む。少なくとも1つの小フィーチャグループの各々は1つのフィーチャを含んでよく、少なくとも1つの大フィーチャグループの各々は1つのフィーチャを含んでよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの小フィーチャグループは、約1nmから約2nmの間の開口部を有するフィーチャを含む。
【0009】
様々な実施形態において、少なくとも1つの大フィーチャグループ内のフィーチャは、約100nmから約1ミクロンの間の開口部を有する。いくつかの実施形態において、最大のフィーチャを含むグループの中で最大のフィーチャが、最小のフィーチャを含むグループの中で最大のフィーチャのクリティカルディメンションの少なくとも5倍のクリティカルディメンションを有する。
【0010】
別の態様は、半導体基板を処理するための装置に関し、その装置は、シャワーヘッドおよび基板支持体を備えた処理チャンバと、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、を備え、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリは、互いに通信可能に接続され、少なくとも1つのプロセッサは、流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、メモリは、マシン読み取り可能な命令を格納しており、マシン読み取り可能な命令は、タングステン含有前駆体および還元剤をチャンバに導入するための命令と、第1のバルクタングステン層の一部をエッチングしてフィーチャ内にエッチングされたタングステン層を残すために、フッ素含有エッチャントをチャンバに導入するための命令と、第2のバルクタングステン層を蒸着するために、タングステン含有前駆体および還元剤をチャンバに導入するための命令と、所定の時間に第2のバルクタングステン層の蒸着を一時的に停止するための命令と、処理剤をチャンバに導入するための命令と、チャンバへの処理剤の導入を終了させるための命令と、第2のバルクタングステン層を蒸着するために、タングステン含有前駆体および還元剤のチャンバへの導入を再開するための命令と、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、処理剤は、ボラン、シラン、および、水素からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、所定の時間は、小さいフィーチャが充填される時間である。
【0012】
これらの態様および他の態様について、図面を参照しつつ以下でさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】蒸着およびエッチングの様々な段階の小さいフィーチャおよび大きいフィーチャを示す概略図。
【0014】
図2】フィーチャ内にタングステンを蒸着する方法の処理フローチャート。
【0015】
図3】開示の実施形態に従って方法を実施するための処理フローチャート。
図4】開示の実施形態に従って方法を実施するための処理フローチャート。
【0016】
図5】エッチング共形性の調節を示すエッチングの様々な段階のフィーチャの概略図。
【0017】
図6】異なるエッチャント流量についてエッチング温度の関数としてタングステンエッチング速度を示すグラフ。
【0018】
図7】開示の実施形態を用いたフィーチャ充填の様々な段階での小さいフィーチャを示す概略図。
【0019】
図8】開示の実施形態を用いたフィーチャ充填の様々な段階での大きいフィーチャを示す概略図。
【0020】
図9】開示の実施形態に従って方法を実行するためのチャンバの概略図。
【0021】
図10A】開示の実施形態に従って方法を実行するためのマルチチャンバ装置の概略図。
図10B】開示の実施形態に従って方法を実行するためのマルチチャンバ装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明では、提示した実施形態の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。開示された実施形態は、これらの具体的な詳細事項の一部またはすべてがなくとも実施可能である。また、開示した実施形態が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略した。開示した実施形態は、具体的な実施形態に関連して説明されているが、開示した実施形態を限定する意図はないことを理解されたい。
【0023】
本明細書には、タングステンでフィーチャを充填する方法ならびに関連システムおよび装置について記載されている。用途の例は、論理回路およびメモリのコンタクト充填、DRAMの埋め込みワードライン充填、垂直集積メモリのゲート/ワードライン充填、および、シリコン貫通ビア(TSV:through−silicon via)による三次元集積化を含む。本明細書に記載の方法は、タングステンビアなどの垂直フィーチャ、および、垂直NAND(VNAND)ワードラインなどの水平フィーチャを充填するために利用できる。方法は、FinFET構造の加工にも利用できる。基板に形成されるフィーチャは、狭いおよび/またはリエントラント型(re−entrant)の開口部、フィーチャ内の狭窄部、ならびに、高アスペクト比の内の1または複数によって特徴付けることができる。基板は、シリコンウエハ、例えば、200mmウエハ、300mmウエハ、または、450mmウエハであってよく、誘電材料、導電材料、または、半導体材料などの1または複数の材料層を上に蒸着されたウエハを含みうる。
【0024】
フィーチャが、これらの層の内の1または複数に形成されうる。例えば、フィーチャが、少なくとも部分的に誘電体層の中に形成されうる。本明細書に記載のように、単一の基板が、単一のウエハ上に、異なるサイズのフィーチャ、すなわち、20まで(いくつかの実施形態では20超)の異なるサイズのフィーチャを有する。フィーチャホールも、約1nmから1ミクロンの間(例えば、約25nmから300nmの間)の開口部に近い寸法(例えば、開口直径またはライン幅)を有しうる。「小さい」フィーチャとは、相対的に「大きい」フィーチャよりも小さい開口直径またはライン幅を有するフィーチャとして定義できる。大きいフィーチャは、小さいフィーチャのクリティカルディメンションの少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または、10倍超の開口直径またはクリティカルディメンションを有しうる。「小さい」フィーチャの例は、約1nmから約2nmの間の開口直径を有するフィーチャを含む。「大きい」フィーチャの例は、数百ナノメートルから約1ミクロンのオーダーの開口直径を有するフィーチャを含む。フィーチャホールは、未充填のフィーチャまたは単にフィーチャと呼んでもよい。いくつかの実装例において、フィーチャホールは、少なくとも約2:1、少なくとも約4:1、少なくとも約6:1、または、それより高いアスペクト比を有しうる。
【0025】
基板上の単一サイズのフィーチャを充填する際、フィーチャを部分的に充填するためにフィーチャ内にタングステン層を蒸着した後に、開口部付近の蒸着層の平均厚さの減少がフィーチャ内の蒸着層の平均厚さの減少よりも大きくなるように、蒸着されたタングステンの一部を除去することにより、ボイドフリーフィーチャ充填を実現できる。しかしながら、幅広い範囲のフィーチャサイズが充填される場合、このアプローチは、最大の充填向上の利益を提供しえない。
【0026】
これは図1に示されており、図1は、基板上の小さいクリティカルディメンション(CD)のフィーチャ102および大きいCDのフィーチャ104を示す。かかるフィーチャは、フィーチャ内にタングステンの第1のバルク層を蒸着し、第1のバルク層をエッチングし、フィーチャの残りを充填するために第2のバルク層を蒸着することによって充填されてよい。このスキームは、本明細書では「蒸着−エッチング−蒸着」と記載されうる。第1のバルク蒸着(例えば、「蒸着−エッチング−蒸着」の第1の「蒸着」すなわち「蒸着1」)は、小さいCDのフィーチャ102を部分的に充填して、120で示す部分的に充填された小さいCDのフィーチャを生み出す。フィーチャは、リエントラント型のプロファイル、すなわち、フィーチャ開口部に向かって狭くなるプロファイルを有するので、蒸着がフィーチャ開口部をピンチオフ(閉塞)させるピンチオフポイントがある。この第1のバルク蒸着は、大きいCDのフィーチャ104を部分的に充填して、140に示すように部分的に充填された大きいCDのフィーチャも生み出す。タングステンエッチング(例えば、「蒸着−エッチング−蒸着」の「エッチング」)は、122に示すように、小さいCDのフィーチャ104のフィーチャ開口部付近のタングステンを選択的に除去しうる。なお、フィーチャの開口部が小さいため、フィーチャの側壁上ではタングステンがほとんどまたは全くエッチングされない。これは、フィーチャプロファイルを再形成し、ピンチオフを起こすことなしに、次の蒸着(例えば、「蒸着−エッチング−蒸着」の第2の「蒸着」すなわち「蒸着2」)(図示せず)でのボイドフリーの充填を可能にする。しかしながら、大きいCDのフィーチャ104では、フィーチャ104の上部の開口部が大きいため、142に示すように、フィーチャプロファイルの再形成の恩恵がなく、タングステンは、フィーチャの上部および深部で同様にエッチングされる。
【0027】
フィーチャサイズおよびフィーチャ密度の違いから生じるウエハにわたるタングステン充填の変動は、パターン負荷効果(pattern loading effect)と呼ばれる。このようなフィーチャの充填は、複数のフィーチャサイズを有する基板上での不均一で粗いタングステンの成長につながる。大きいフィーチャは、タングステンの第2のバルク蒸着を用いて主に充填され、パターン負荷効果によって大きいフィーチャ内でタングステンの粒子が大きく粗くなる。
【0028】
本明細書では、より滑らかなタングステンで基板上の異なるサイズのフィーチャを充填する方法が提供されており、パターン負荷効果を低減する。方法は、垂直および水平方向を含む任意の方向のフィーチャのフィーチャ充填に利用できる。いくつかの実装例において、方法は、基板の平面に関して傾斜した方向を有するフィーチャを充填するために利用されてよい。いくつかの実装例において、方法は、複数の方向を有するフィーチャを充填するために用いられてよい。かかるフィーチャの例には、蒸着ガスが垂直および横方向にフィーチャに入りうる3−Dフィーチャが含まれる。本明細書に記載の方法は、異なるサイズを有するフィーチャを備えた基板上へのタングステンの蒸着を伴うFinFETの加工に特に適用可能である。
【0029】
方法のいくつかの実装例は、第2のバルク蒸着を中断して、蒸着されたタングステンの表面を処理し、その後、第2のバルク蒸着を再開することにより、より小さい粒子が、処理済みの表面上で再成長して、より滑らかな蒸着タングステンでフィーチャの残り部分を充填することを可能にすることを含む。方法のいくつかの実装例は、フィーチャサイズを小フィーチャサイズグループおよび大フィーチャサイズグループにグループ分けし、第1の蒸着、エッチング、および、第2の蒸着を含むシーケンスを複数サイクル実行しつつ、最小から最大までのフィーチャサイズのグループを各サイクルの標的とし、標的となったフィーチャサイズグループをエッチングするために各エッチング剤を選択することを含む。
【0030】
以下の説明ではタングステンフィーチャ充填に焦点を置くが、本開示の態様は、他の材料でのフィーチャの充填で実施されてもよい。例えば、本明細書に記載の1または複数の技術を用いたフィーチャ充填は、他のタングステン含有材料(例えば、窒化タングステン(WN)および炭化タングステン(WC))、チタン含有材料(例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、ケイ化チタン(TiSi)、炭化チタン(TiC)、および、チタンアルミナイド(TiAl))、タンタル含有材料(例えば、タンタル(Ta)および窒化タンタル(TaN))、ならびに、ニッケル含有材料(例えば、ニッケル(Ni)およびケイ化ニッケル(NiSi))など、他の材料でフィーチャを充填するために用いられてもよい。
【0031】
図2は、第1のバルクタングステンの蒸着、第1のバルクタングステンのエッチング、および、第2のバルクタングステンの蒸着によるフィーチャ充填方法の特定の動作を示す処理フローチャートである。方法は、動作211でフィーチャを部分的に充填するようにフィーチャ内にタングステンを蒸着することから開始してよい。いくつかの実施形態において、タングステンは、共形に蒸着される。いくつかの実装例において、動作211は、タングステン核形成層の蒸着、および、その後のバルク蒸着を含みうる。タングステン核形成層蒸着およびバルク蒸着の技術について、以下で詳述する。いくつかの実施形態において、タングステン核形成層は、タングステン含有前駆体ならびに1または複数の還元剤を順次パルス供給して、原子層蒸着(ALD)またはパルス核形成層(PNL)処理によってタングステン核形成層を形成することによって蒸着される。いくつかの実装例において、動作211は、例えば、フィーチャがタングステン蒸着を支持する下層を含む場合には、バルク蒸着だけを含んでもよい。バルク蒸着は、化学蒸着によって蒸着されてよく、以下で詳述する。
【0032】
狭窄部を含むか、または、それ以外の理由でピンチオフの起こりやすいフィーチャにおいて、動作211は、少なくともフィーチャでピンチオフが起きるまで実行されうる。異なるサイズを有するフィーチャは、異なる時間にピンチオフしうる。共形蒸着では、蒸着が、各表面から始まり、表面に略垂直な成長を進行させる。フィーチャ内でのタングステン成長は、各側壁から始まり、成長がフィーチャをピンチオフさせるまで進行する。いくつかの実装例において、動作211で蒸着されたタングステンの量は、最も狭いフィーチャ寸法に基づいて決定できる。例えば、最も狭い寸法が50nmであった場合、動作211でのCVD反応が、各表面上に25nm蒸着させるほど十分長く続くことを許容された可能性があり、その時点で、蒸着されたタングステンがフィーチャへのさらなる反応物質の拡散を妨げる。これは、一般に、反応速度論、タングステン核形成層の厚さなどに基づいて、反応前に決定することができる。いくつかの実装例において、動作211は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8,124,531号に記載のように、単一のフィーチャに対して複数回の蒸着−エッチング−蒸着サイクルを行うことができる。いくつかの実装例において、動作211は、任意のエッチング動作を含まず、少なくともフィーチャがピンチオフされるまで蒸着だけを行ってもよい。動作211は、単一のチャンバ、マルチステーションまたは単一ステーションチャンバの単一のステーション、マルチステーション装置の複数のステーション、もしくは、複数のチャンバ内で実行されてよい。例えば、動作211は、チャンバの1つのステーション内でタングステン核形成層蒸着を行った後に、チャンバの別のステーション内でバルク蒸着を行ってよい。動作211中、多くの小さいフィーチャがほぼ充填されうるが、大きいフィーチャは、蒸着されたタングステンのより薄い層を有するだけでありうる。
【0033】
処理は、動作213でタングステンの部分エッチングに続きうる。フィーチャにはいくらかのタングステンが残っているが、エッチングは、フィーチャの側壁の少なくとも一部からタングステンを除去する。より小さいフィーチャのエッチングは、基板表面付近のフィーチャの上部のみをエッチングしうるが、より大きいフィーチャのエッチングは、エッチャント種がフィーチャを掘り下げ、フィーチャの側壁にまでエッチングを行う結果になりうる。動作213は、一般に、例えば、フッ素含有種またはその他のエッチャント種を用いた化学エッチングを含む。いくつかの実装例において、活性種が用いられてよい。活性種は、原子種、ラジカル種、および、イオン種を含みうる。本願の目的のために、活性種は、再結合種、および、プラズマ発生器に最初に供給されるガスとは区別される。例えば、蒸着されたタングステンの部分エッチングは、遠隔またはその場プラズマ発生器で生成されたエッチャント種への暴露を含みうる。いくつかの実装例において、遠隔で生成されたプラズマ種およびその場で生成されたプラズマ種の両方が、順次または同時に用いられてもよい。いくつかの実装例において、F、CFCl、または、その他のエッチャント剤を用いた非プラズマ化学エッチングが用いられてもよい。動作213は、動作210と同じチャンバで実行されてもよいし、別のチャンバで実行されてもよい。フィーチャ内のタングステンをエッチングする方法について、以下で詳述する。フィーチャアーキテクチャに応じて、エッチングは、共形または非共形であってよい。エッチングの共形性について、以下で詳述する。エッチバックは、一般に、横方向(フィーチャ軸と直交した方向)および/または垂直方向(フィーチャ軸に沿った方向)に進行しうる。
【0034】
様々な実装例によると、エッチングは、下層に対して選択的または非選択的であってよい。例えば、エッチングは、Wに対して選択的であってよく、例えば、TiまたはTiNの下層が、エッチストップとして機能する。いくつかの実装例において、エッチングは、Wと、TiまたはTiNとをエッチングしてもよく、下層の誘電体が、エッチストップとして機能する。
【0035】
このレジームにおいて、フィーチャ内での除去速度は、フィーチャ内に拡散する様々なエッチング剤成分(例えば、初期エッチャント剤、活性化エッチング種、および、再結合エッチング種)の量および/または相対組成によって制限される。特定の例において、エッチング速度は、フィーチャ内の異なる位置における様々なエッチャント成分の濃度に依存する。「エッチング」および「除去」という用語は、本書では交換可能に用いられることに注意されたい。選択的除去は、エッチングおよびその他の技術を含む任意の除去技術を用いて実行できることを理解されたい。
【0036】
次いで、処理は、第2のバルクタングステンがフィーチャ内に蒸着されるように、残ったタングステン上への蒸着を行う動作215に進む。後続のタングステン蒸着が、既存のタングステン層上のビア内でのタングステン再成長を可能にし、同時に、フィールドにおける大幅な成長の遅延が、最終的なビア充填でのピンチオフおよびボイドを防止する。上述のように、大幅な成長の遅延は、少なくとも部分的には、タングステン成長を支援する表面の除去に起因しうる。いくつかの実施形態において、第2のバルクタングステン蒸着は、CVDによって別のバルク層を蒸着するために、タングステン含有前駆体および還元剤を同時に導入することによって実行されてよい。いくつかの実装例において、蒸着処理は、タングステン表面上への蒸着よりも遅い成長速度ではあるが、側壁面上に少量のタングステンを蒸着しうる。例えば、成長速度および蒸着厚さは、タングステン表面上に比べて側壁面上ではおよそ半分になりうる。いくつかの実装例では、10分の1または100分の1にもなりうる。いくつかの実施形態において、蒸着処理は、同じ成長速度でフィーチャのすべての表面上にタングステンを蒸着しうる。
【0037】
いくつかの実装例において、動作215は、核形成層の蒸着なしに開始してもよい。これは、フィーチャ内に残ったタングステン上だけに蒸着することを許容しうる。多くの実装例において、動作211は、共形蒸着を達成するために核形成層の蒸着を含むが、動作215は、中間核形成層の蒸着なしにエッチング済みのタングステン層上への蒸着を進める。いくつかの実装例において、少なくとも、さらなる成長を施したいフィーチャの部分上に、核形成層が蒸着されてもよい。後続の蒸着を施したくない側壁上またはその他の表面上などに動作215で核形成層が蒸着された場合、それらの表面上でのタングステン核形成を選択的に阻害できる。フィーチャ内でのタングステン核形成の阻害方法は、米国特許出願第13/774,350号に記載されており、その出願は、参照により本明細書に組み込まれる。蒸着−エッチング−蒸着スキームのさらなる説明が、米国特許出願第13/851,885号に記載されており、その出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
いくつかの実施形態において、方法は、タングステン前駆体から蒸着タングステンへの変換の反応速度を低下させることによって「速度制限」レジームを開始することを含む1または複数の蒸着動作を備える。これは、図2に関して上述したように、第2のバルクタングステン蒸着中(動作215中など)にタングステン前駆体の分圧を高めることによって実施されてよい。
【0039】
速度制限レジームにおいて、蒸着速度は、基板に供給されるタングステン含有前駆体(六フッ化タングステン(WF)など)の量によって制限される。特定の例において、フィーチャへの蒸着速度は、タングステン含有前駆体の分圧に依存しうる。これは、高い反応速度(例えば、低温)を維持しつつ処理チャンバ内のタングステン含有前駆体の分圧を(例えば、低流量を用いて)高めることによって達成されうる。
【0040】
速度制限条件は、全体のタングステン含有前駆体の濃度変動、処理温度、また、処理圧力によって部分的に特徴付けられうる。特定の実施形態において、タングステン含有前駆体の濃度は、大きいフィーチャ内よりも小さいフィーチャ内で低い。異なるサイズのフィーチャ内への蒸着は、基板のフィーチャ密度に依存する。例えば、基板表面の任意の1領域において、その領域が多くのより小さいフィーチャを有する場合、フィーチャの側壁および底面の総表面積が、1または2つの大きいフィーチャを有する同じサイズの基板領域よりも大きいことから、前者の領域のフィーチャの表面上に蒸着を行うのに、より多くのタングステンが必要になる。これが、ひいては、特に小さいフィーチャにおいて、パターン負荷効果につながる。
【0041】
速度制限レジームにおけるタングステン蒸着は、大きいフィーチャよりも小さいフィーチャにおいて負荷効果が高いことから、より小さいフィーチャにわたってより均一にタングステンを蒸着することを可能にする。速度制限処理条件は、大きいサイズまたは小さいサイズのフィーチャの選択されたグループにタングステンを蒸着するために、処理チャンバ内に所定の量のタングステン含有前駆体を供給する(例えば、空洞のプロファイルおよび寸法に対して低いタングステン含有前駆体の流量を用いる)ことによって達成されうる。
【0042】
蒸着中の所定の温度または圧力は、フィーチャ表面上へのタングステン蒸着を引き起こすだけでなく、反応速度の制御も行うように選択されてよい。概して、基板温度は、化学組成、所望の蒸着速度、タングステン含有前駆体の所望の濃度分布、ならびに、その他の材料およびプロセスパラメータに基づいて選択されてよい。
【0043】
中断蒸着スキーム
第2のバルクタングステン蒸着処理が所定の段階で中断されるようにタングステンを蒸着するために、中断蒸着スキームが用いられてよい。かかる方法を実施することにより、より困難な小さいCDのフィーチャを充填することを可能にしつつ、より単純で大きいCDのフィーチャを後で充填することを可能にする。例えば、処理は以下を含んでよい。
・蒸着1(小さいCDのフィーチャを標的とする)
・選択的エッチング
・短い蒸着2(大きいCDのフィーチャを開いたまま、小さいCDのフィーチャの充填を完了するため)
・処理(例えば、B、SiH浸漬)
・蒸着2の継続
【0044】
図3は、開示された実施形態に従って、基板上の異なるサイズのフィーチャ内にタングステンを蒸着する方法を示す処理フローチャートである。動作310で、タングステンが、異なるサイズのフィーチャを有する基板のフィーチャ内に蒸着される。タングステンは、図2の動作211に関して上述した任意の技術を用いて蒸着されてよい。例えば、様々な実施形態において、タングステン核形成層が蒸着され、その後、タングステンの第1のバルク層が蒸着される。
【0045】
動作312で、蒸着されたタングステンは、部分的にエッチングされる。条件および方法は、図2の動作213に関して上述したものの内のいずれであってもよい。エッチング条件についても、以下で詳述する。小さいフィーチャは、基板表面付近のフィーチャの上部だけがエッチングされ、高アスペクト比の狭い開口部に起因するフィーチャのピンチオフ位置でエッチングが停止するようにエッチングされてよい。しかしながら、大きいフィーチャについては、エッチングがフィーチャ内まで施され、共形エッチングで側壁もエッチングしてよい。
【0046】
動作314で、タングステンが、第2のバルクタングステン蒸着でフィーチャ内に蒸着されるが、蒸着は所定の時間に中断される。所定の時間は、基板上の小さいフィーチャがタングステンで完全に充填される時間であってよい。所定の時間に、第2のバルクタングステン蒸着が一時的に停止される。
【0047】
図に示すように、動作314は、最初に動作314aで小さいフィーチャを完全に充填することに集中して、基板上に残りのタングステンを蒸着すること、次いで、動作314bで基板の表面を処理することによって、小さいフィーチャが充填された時に蒸着を中断すること、および、動作314cで大きいフィーチャを充填するために残りのタングステンを蒸着することを含みうる。タングステンバルク蒸着の中断は、1または複数のメカニズムによって、大きいフィーチャの後続の充填を容易にしうる。いくつかの実装例において、以前のエッチング動作は、大きいフィーチャの充填で核形成の遅延を引き起こす偶発的な不動態化効果を有しうる。例えば、窒素含有エッチャントへの暴露が、蒸着面の一部を不動態化しうる。処理は、不動態化をなくし、核形成の遅延を低減しうる。いくつかの実装例では、大きいフィーチャを処理することによって、大きいフィーチャ内に、より滑らかな粒子を形成する。
【0048】
様々な実施形態において、動作314a〜314cは、同じチャンバで実行され、流れが、動作314aおよび314bの間ならびに動作314bおよび314cの間で迂回および/または変更される。いくつかの実施形態において、動作314は、一旦中断される。いくつかの実施形態において、動作314は、フィーチャが完全に充填されるまで動作314a〜314cが繰り返されるように、2回、3回、または、4回以上中断される。
【0049】
基板は、様々な方法によって動作314bで処理されてよい。いくつかの実施形態において、基板は、基板表面(ひいては、蒸着されたタングステン)を還元剤に暴露させることによって実行されうる還元剤浸漬によって処理される。還元剤の例としては、ボラン(例えば、B)、シラン(例えば、SiH)、および、水素(H)が挙げられる。基板は、還元剤で約2秒から約10秒間処理されてよい。処理は、熱浸漬であってよく、約200℃から約500℃の範囲の温度で実行されうる。様々な実施形態によると、Hまたはその他の還元剤の分圧は、少なくとも約15Torr、少なくとも約20Torr、少なくとも約30Torr、少なくとも約40Torr、少なくとも約50Torr、少なくとも約60Torr、少なくとも約70Torr、または、少なくとも約80Torrであってよい。
【0050】
いくつかの実装例において、還元剤浸漬は、バルク蒸着が再開された時に蒸着されるタングステンの粗さを低減する。一例において、動作314は、タングステン含有前駆体および還元剤の流れに基板を暴露させること(314a)、還元剤または処理剤がタングステン含有前駆体なしに流れることを可能にするために、或る期間中、タングステン含有前駆体の流れを停止または迂回させること(314b)、処理剤の流れを停止すること、ならびに、中断されたバルク蒸着を継続するために、タングステン含有前駆体の流れを再開すること(314c)を含んでよい。別の実施形態において、動作314bは、バルク蒸着で用いられる還元剤に加えてまたはその代わりに、異なる還元剤(例えば、ジボランまたはシラン)に基板を暴露させることを含んでもよい。
【0051】
動作314bの処理は、基板をパルスまたは連続的な窒素(N)ガスに暴露させることを含んでもよい。基板を窒素のパルスに暴露させると、粒子の粗さを低減するのに役立つ。窒素のパルスに基板を暴露させることについての議論が、米国特許第8,511,885号および米国特許出願第13/633,798号に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、動作314bの処理は、例えば約200℃から約600℃の間の温度で、基板をアニーリングすることを含む。基板のアニーリングは、粗さを低減し、後続の処理工程でタングステン粒子が成長するための滑らかな表面を提供しうる。いくつかの実施形態において、動作314bの処理は、フッ素を含まないWN層などのバリア層を基板上に蒸着することを含む。バリア層は、約10Åから500Åの間の厚さであってよく、より具体的な実施形態においては、約25Åから200Åの厚さであってもよい。バリア層は、原子層蒸着(ALD)によって蒸着されてよい。バリア層は、後続のタングステン粒子が蒸着するための新たな表面を提供することにより、より小さいタングステン粒子をフィーチャ内に形成しうる。
【0052】
いくつかの実施形態において、動作314bの処理は、フッ素を含まないタングステン前駆体をチャンバ内に流すことを含む。フッ素を含まないタングステン前駆体の例は、六塩化タングステン(WCl)、MDNOW(メチルシクロペンタジエニル−ジカルボニルニトロシル−タングステン)、および、EDNOW(エチルシクロペンタジエニル−ジカルボニルニトロシル−タングステン)を含む。いくつかの実施形態において、これらの混合が処理中に実行されてよい。例えば、処理は、フッ素を含まない窒化タングステンを最初に蒸着し、次いで、フッ素を含まない窒化タングステンがフィーチャ内でフッ素を含まないタングステンに転換されるように基板をアニーリングすることを含んでよい。
【0053】
複数回の蒸着−エッチング−蒸着スキーム
異なるサイズのフィーチャが、複数回の蒸着−エッチング−蒸着サイクルを用いてタングステンで充填されてよく、各サイクルは、同様のサイズのフィーチャのグループを充填するよう適合される。サイクルの一例を図2に関して上述した。サイクルは、前のサイクルの第2の蒸着が同時に次のサイクルの第1の蒸着になるように繰り返される。例えば、「蒸着−エッチング−蒸着−エッチング−蒸着−エッチング−蒸着」のシーケンスは、合計で3サイクルを含む。
【0054】
フィーチャのグループは、同じまたは同様のサイズを有する1、2、3、4、5、または、6以上の異なるフィーチャを含みうる。例えば、フィーチャのグループは、1nmから2nmの間の開口部を各々有する3つのフィーチャを含んでよい。1つのグループが最も小さいフィーチャを含み、次のグループが次に小さいフィーチャを含み、以下同様にして、最後のグループが最大のフィーチャを含むように、ウエハ上の全フィーチャが、グループに分けられてよい。各グループは、最小のフィーチャを有するグループから最大のフィーチャを有するグループまで、各蒸着−エッチング−蒸着サイクルに適合されてよい。例えば、第1の蒸着−エッチング−蒸着サイクルでは、最小のフィーチャを含むグループが標的になり、次の蒸着−エッチング−蒸着サイクルでは、2番目に小さいフィーチャを含むグループが標的になり、以下同様に続いて、最後の蒸着−エッチング−蒸着サイクルでは、最大のフィーチャを含むグループが標的になる。
【0055】
「標的になる」という用語は、各対応するサイクルで用いられるエッチング剤および処理条件を記述するために用いられうる。例えば、最小のフィーチャを含むグループを標的にする第1の蒸着−エッチング−蒸着サイクルは、最小のフィーチャをエッチングするよう特に適合されたエッチング処理を含みうる。これは、より短いエッチャントへの暴露時間、より低いエッチャント流量、または、エッチング動作の他の調節を含みうる。参照によって本明細書にその全体が組み込まれる米国特許出願第13/851,885号に記載の技術が、開示された実施形態に従って任意の特定のグループのフィーチャを充填するために用いられてよい。
【0056】
エッチングサイクル中、任意の1サイクル内の第2の蒸着が、そのサイクルで標的となるより小さいフィーチャを完全に充填するが、より大きいフィーチャがピンチオフされる前に終了する。次のサイクルにおいて、より大きいフィーチャは、対応するサイクル内の第2の蒸着中に完全に蒸着されるように標的となるが、蒸着は、さらに大きいフィーチャがピンチオフされる前に終了する。より小さいCDのフィーチャが、第2の蒸着中に充填されるが、この動作は、大きいCDのフィーチャがピンチオフされる前に終了される。次いで、別の選択的エッチングが、より大きいCDのフィーチャでの充填の改善のために実行され、その後、バルクタングステンの第3の蒸着が行われる。小さいCDはすでに充填されているので、これらのフィーチャは影響を受けない。例えば、処理は以下を含んでよい。
・蒸着1(小さいCDのフィーチャを標的とする)
・選択的エッチング
・短い蒸着2(大きいCDのフィーチャを開いたまま、小さいCDのフィーチャの充填を完了するため)
・選択的エッチング(大きいCDのフィーチャにおける非共形エッチング、小さいCDのフィーチャは充填されたままで影響を受けない)
・蒸着3(大きいCDのフィーチャの充填)
【0057】
複数回の蒸着−エッチング−蒸着サイクルを実行することにより、比較的小さいフィーチャが最初に充填され、最大のフィーチャが最後に充填される。このスキームでは、エッチング動作が後続の処理サイクルで実行されるが、比較的小さいフィーチャは、それぞれの蒸着−エッチング−蒸着サイクルによってすでに完全に充填されているので影響を受けない。したがって、基板上のすべてのフィーチャが、サイズにかかわらず、最終的には、ボイドフリーで高品質のタングステン薄膜で充填される。
【0058】
図4は、開示された実施形態の方法を実行するための動作の例を示す処理フローチャートである。動作401で、タングステンが最小フィーチャの第1のグループを標的にすることによって蒸着される。最小フィーチャの第1のグループが標的になっているが、他のフィーチャ内にもタングステンが蒸着されうることを理解されたい。蒸着の条件および方法は、図2に関して動作211で上述したものの内のいずれであってもよい。例えば、基板は、化学蒸着によってタングステンを蒸着するために、WFおよびHに暴露されてよい。いくつかの実施形態では、タングステン核形成層が蒸着され、次いで、タングステンの第1のバルク層が蒸着される。
【0059】
動作403で、フィーチャ内に蒸着された第1のバルクタングステンが部分的にエッチングされる。エッチング条件は、最小フィーチャのグループ内のフィーチャの具体的なサイズに合わせて調整されうる。例えば、約1nmから約2nmの間の開口部を有するフィーチャが第1のグループの標的になっている場合、エッチング条件は、これらのフィーチャの上部のタングステンが次の蒸着に向けてフィーチャを開くのにちょうど十分なだけエッチングされるように選択される。一般に、エッチング条件は、図2の動作213に関して上述したものの内のいずれであってもよい。エッチング処理についても、以下で詳述する。
【0060】
動作405で、タングステンがフィーチャ内に蒸着される。蒸着の条件および技術は、図2に関して動作213で上述したものの内のいずれであってもよい。この動作中、タングステンは、標的となったすなわち選択されたグループのフィーチャを完全に充填するが、次に最小のサイズのフィーチャを有する第2すなわち次の標的グループのフィーチャには部分的に蒸着を行う。蒸着速度、温度、および、タングステン含有前駆体の圧力などの蒸着条件は、反応速度が比較的小さいフィーチャへのタングステンの蒸着に依存するように速度制限されてよい。上述のように、基板の所与の面積に含まれる比較的小さいフィーチャのより大きい表面積の方が、基板の同じサイズの面積に含まれる比較的大きいフィーチャの表面積よりも、蒸着されるタングステンが多くなるので、速度制限レジームは、多くの小さいフィーチャが存在する基板に対するパターン負荷効果の低減に役立つ。動作405は、次の標的グループのフィーチャにおけるピンチオフの前に終了されてよい。
【0061】
動作407で、蒸着されたタングステンは、第2の標的グループのフィーチャ内のタングステンを部分的にエッチングするよう適合された条件を用いて、部分的にエッチングされる。各エッチングは、フィーチャの各グループをエッチングするよう特に適合されるので、動作407中のエッチング剤および条件は、動作403のとは異なりうる。特定の実装例において、大きいCDのフィーチャにおけるディープエッチングを防ぐために、より非共形の(または、フィーチャによっては、より非共形でない)エッチングが用いられる。例えば、動作407は、温度が動作403中の温度よりも低くなるように実行されてよい。いくつかの実施形態において、動作407は、温度が動作403中の温度よりも高くなるように実行されてもよい。
【0062】
非共形エッチングの態様が、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8,435,894号に記載されており、ビアが、タングステンで部分的に充填され、次いで、フィーチャ内深くよりも開口部付近で多くのタングステンをエッチングするようにタングステンのフッ素ベースエッチングが実行される。これに続いて、フィーチャを充填するためにタングステン蒸着が行われてよい。(米国特許第8,435,894号における非共形エッチングは、フィーチャの特定の場所で他の場所よりも多くの材料が除去されるという事実により、「選択的除去」とも呼ばれることに注意されたい。そこで記載された選択的除去は、或る材料を別の材料よりも多くエッチングする選択的エッチングとは区別される)。開示された実施形態の文脈での非共形エッチングは、優先的エッチング(preferential etch)または低ステップカバレッジエッチング(low−step coverage etch)を指す。優先的(または、低ステップカバレッジ)エッチングを実現するために、エッチング処理条件が注意深く設計される。適切なエッチング温度、エッチャント流量、および、エッチング圧力の組み合わせが、所望の共形性を達成するのに役立ちうる。エッチング共形性がリエントラント型の構造の各タイプに対して適切に調整されないと、蒸着−エッチング−蒸着シーケンス後でも不十分な充填につながりうる。
【0063】
ステップカバレッジは、(反応に利用可能な反応種)/(反応速度)に比例する。基本のエッチャントがフッ素原子である本明細書に記載のフィーチャエッチングのいくつかの実装例について、これは以下のように単純化できる。
Wステップカバレッジ∝(F原子濃度)/(エッチング速度)
【0064】
したがって、特定のタングステンエッチングステップカバレッジ(もしくは、所望のエッチング共形性またはエッチング非共形性)を達成するには、NF流量(または、その他のF含有エッチャント流量)およびエッチング温度が、フッ素原子濃度およびエッチング速度に直接影響するので、重要なパラメータになる。エッチング圧力および搬送ガス流量のような他の変数も、重要である。
【0065】
より高温では、流入するフッ素原子が、フィーチャ入り口で容易に反応してエッチングし、より非共形のエッチングにつながる。より低温では、流入するフッ素原子が、フィーチャ内深くに拡散してエッチングしうるため、より共形のエッチングにつながる。エッチャント流量が高いと、生成されるフッ素原子が多くなり、より多くのフッ素原子がフィーチャ内深くに拡散してエッチングし、より共形のエッチングにつながる。エッチャント流量が低いと、生成されるフッ素原子が少なくなり、フィーチャ入り口で反応してエッチングする傾向があり、より非共形のエッチングにつながる。圧力が高いと、フッ素ラジカルの再結合が多くなり、フッ素分子が形成される。フッ素分子は、フッ素ラジカルよりも低い付着係数を有するため、タングステンをエッチングする前により容易にフィーチャ内に拡散し、より共形のエッチングにつながる。
【0066】
図5は、異なるプロファイルを有するフィーチャ501および502における部分的な蒸着およびエッチングを示す概略断面図である。フィーチャ501は、フィーチャの中間に狭窄部551を備えており、フィーチャ502は、フィーチャ開口部付近にオーバーハング515を備える。標準的なCVC−Wでは、それぞれ狭窄部551およびオーバーハング515によるピンチオフからフィーチャ内にボイドを引き起こす。フィーチャ501のエッチングは、より低い温度および/またはより多くのエッチャント種(この例では、フッ素ラジカル(F*))での、より共形のエッチングであり、エッチャント種がフィーチャ内にさらに拡散することを可能にする。フィーチャ502のエッチングは、より高い温度および/またはより低いエッチャント濃度での、より非共形のエッチングである。
【0067】
図6は、異なるNF流量についてエッチング温度の関数としてエッチング速度を示したグラフである。エッチングの共形性は、高NF流量での低エッチング速度の処理を考案することによって増大されうる。一例において、「高い選択性かつ高い共形性のエッチング」と示した領域は、エッチングが(TiまたはTiNよりもWに対して)選択的であると共にフィーチャ全体にわたって高度に共形性になる処理条件を示す。試験された最も低いエッチング温度および最も高いNF流量は、それぞれ、25℃および100sccmであるが、反応速度制限レジームを達成するために、エッチング温度を低下させると共にNF流量を増大させる(F原子ラジカルを増やす)ことにより、さらに高い共形性を達成できる。逆に、エッチングの非共形性は、高エッチング速度が低NF流量(より少ないF原子ラジカル)で達成される物質移行制限レジームで動作することによって高くすることができる。例えば、「中程度の選択性かつ高い非共形性のエッチング」と示された領域を参照されたい。
【0068】
いくつかの実装例において、共形エッチングは、以下の処理条件の内の1または複数を含んでよい。約25℃未満の温度、約50sccmより高いエッチャント流量、および、約0.5Torrより高い圧力。いくつかの実装例において、非共形エッチングは、以下の処理条件の内の1つを含んでよい。約25℃より高い温度、約50sccmより低いエッチャント流量、および、約2Torrより高い圧力。所望のレベルのステップカバレッジ(例えば、60%のステップカバレッジ)の実現は、これらの処理条件の内の1または複数を調整して、処理の共形性を増減させることを含みうる。
【0069】
図4に戻ると、動作409では、第2のグループのフィーチャが完全に充填され、さらに大きいフィーチャサイズを有する第3のグループのフィーチャが部分的に充填されるように、タングステンがフィーチャに蒸着される。蒸着速度、温度、および、タングステン含有前駆体の圧力などの蒸着条件は、上述のように速度制限されてよい。動作409は、次のグループすなわち第3のグループのフィーチャ内でピンチオフが起きる前に終了される。動作411で、第3のグループをエッチングするよう調整されたエッチング剤を用いて、タングステンがエッチングされる。より小さいフィーチャはすでに完全に充填されているため、エッチング剤は、第1または第2のグループのフィーチャには影響しないことに注意されたい。エッチング剤は、フィーチャの表面上または上部付近のいくらかのタングステンをエッチングしうるが、より小さいフィーチャ内にボイドを作るほどではなく、後続のタングステン蒸着でも、ボイドフリーの滑らかなタングステン充填を実現するように、これらの表面への蒸着を再開することが可能でありうる。これらの蒸着−エッチング−蒸着サイクルは、各グループのフィーチャが、最小のフィーチャを含むグループから最大のフィーチャを含むグループまで順番に充填されるように繰り返されてよい。
【0070】
図4に示したように、動作413で、最終的に、タングステンが、2番目に大きいフィーチャのグループに蒸着され、完全にそれらのフィーチャを充填するが、最大のフィーチャのグループには部分的にタングステンを充填する。動作415で、タングステンは、2番目に大きいフィーチャのグループのタングステンをエッチングするよう適合された条件でエッチングされる。最後に、動作417で、残りの最大のフィーチャがタングステンで充填される。
【0071】
図7および図8は、複数回蒸着−エッチング−蒸着シーケンスの2サイクルを受けた単一の基板上の小さいCDのフィーチャ(図7)および大きいCDのフィーチャ(図8)の例を示す。図に示すように、図7701および図8の801は、図4の動作401に対応する。タングステンが小さいCDのフィーチャおよび大きいフィーチャに蒸着されており、両方とも、フィーチャの表面に共形の成長を示している。図4の動作403において、蒸着されたタングステンは、図7の703で小さいフィーチャをエッチングするよう適合されたエッチング剤を用いてエッチングされ、同時に、図8の803で大きいフィーチャ内に蒸着されたタングステンもエッチングされる。エッチャント種は、803の大きいフィーチャ内に入って、そのフィーチャの側壁を、703の小さいフィーチャよりも実質的に多くエッチングしうることに注意されたい。図4の動作405で、タングステンがフィーチャ内に蒸着され、705に示すように最小のフィーチャを充填する。同時に、805に示すように、大きいフィーチャにもタングステンが蒸着されるが、その蒸着は、より大きいフィーチャがピンチオフされる前に終了されることに注意されたい。図4の動作407で、より大きいフィーチャは、807で示すように、より大きいフィーチャに適合されたエッチング剤でエッチングされる。エッチング剤が含まれているが、エッチャントは、707で、より小さいフィーチャ内の充填済みのタングステンには影響しないため、より小さいフィーチャ内でギャップまたはボイドが生じる懸念はほとんどない。図4の動作409で、タングステンが蒸着され、809に示すように、より大きいフィーチャを充填する。同時に、より小さいフィーチャは、709に示すように影響を受けず、さらなるタングステンが、基板の表面上に蒸着されるだけである。図7および図8に示した例では、複数回の蒸着−エッチング−蒸着サイクルの可能な一例を示すために、2つのフィーチャサイズだけが図示されている。基板は、20以上のフィーチャサイズなど、多くのサイズを有するフィーチャを有しうること、エッチング剤は、サイズで分類されたグループ内のフィーチャに適合されうること、そして、グループは、1つのフィーチャサイズ、または、2つのフィーチャサイズ、または、より多くのフィーチャサイズ(5つのフィーチャサイズなど)を1つのグループ内に含みうることを理解されたい。例えば、より大きいフィーチャを有するグループ内の大きいフィーチャの最大CDが、より小さいフィーチャを有するグループ内の小さいフィーチャの最大CDの1.5倍、2倍、5倍、10倍、10倍超のサイズを有してよい。
【0072】
核形成層蒸着
いくつかの実装例において、本明細書に記載の方法は、バルク層の蒸着の前にタングステン核形成層の蒸着を含む。核形成層は、通例、薄い共形層であり、後にバルクタングステン含有材料をその上に蒸着するのを容易にする。様々な実装例によると、核形成層は、フィーチャの任意の充填の前、および/またはフィーチャの充填中の後の時点に蒸着されてよい。例えば、いくつかの実装例において、核形成層は、フィーチャ内のタングステンのエッチング後に蒸着されてよい。
【0073】
特定の実装例において、核形成層は、パルス核形成層(PNL)技術を用いて蒸着される。PNL技術では、還元剤、任意選択的なパージガス、および、タングステン含有前駆体のパルスが、順次、チャンバ内に注入され、そこからパージされる。処理は、所望の厚さが達成されるまで、循環的に繰り返される。PNLは、概して、原子層蒸着(ALD)技術など、半導体基板上での反応のために順次反応物質を追加する任意の循環処理を具体化する。タングステン核形成層を蒸着するためのPNL技術については、米国特許第6,635,965;7,005,372;7,141,494;7,589,017;7,772,114;7,955,972;8,058,170;および8,623,733に記載されており、これらの特許はすべて、参照により全体が本明細書に組み込まれる。核形成層の厚さは、核形成層蒸着方法と、バルク蒸着の所望の質に依存しうる。一般に、核形成層の厚さは、質の高い均一なバルク蒸着を支援するのに十分である。厚さの例は、約10Å〜100Åの範囲でありうる。
【0074】
PNLの例が上で挙げられているが、本明細書に記載の方法は、特定のタングステン核形成層蒸着方法に限定されず、PNL、ALD、CVD、および、物理蒸着(PVD)を含む任意の方法によって形成されたタングステン核形成層上にバルクタングステン膜を蒸着することを含む。さらに、特定の実装例において、バルクタングステンは、核形成層を利用することなしに、フィーチャ内に直接蒸着されてもよい。例えば、いくつかの実装例において、フィーチャ表面および/または蒸着済みの下層が、バルクタングステン蒸着を支援する。いくつかの実装例において、核形成層を利用しないバルクタングステン蒸着処理が実行されてもよい。例えば、2012年7月27日出願の米国特許出願第13/560,688号に、核形成層を用いないタングステンバルク層の蒸着が記載されており、その出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
様々な実装例において、タングステン核形成層の蒸着は、六フッ化タングステン(WF)、六塩化タングステン(WCl)、および、タングステンヘキサカルボニル(W(CO))など、タングステン含有前駆体への暴露を含んでよい。特定の実装例において、タングステン含有前駆体は、WFなどのハロゲン含有化合物である。有機金属前駆体、ならびに、MDNOW(メチルシクロペンタジエニル−ジカルボニルニトロシル−タングステン)およびEDNOW(エチルシクロペンタジエニル−ジカルボニルニトロシル−タングステン)など、フッ素を含まない前駆体が用いられてもよい。
【0076】
還元剤の例は、ジボラン(B)およびその他のジボランなど、ホウ素含有還元剤、シラン(SiH)およびその他のシランなど、シリコン含有還元剤、ヒドラジン、ならびに、ゲルマンを含みうる。いくつかの実装例において、タングステン含有前駆体のパルスが、1または複数の還元剤のパルスと交互に供給されてよく(例えば、S/W/S/W/B/Wなど)、ここで、Wはタングステン含有前駆体を示し、Sはシリコン含有還元剤を示し、Bはホウ素含有還元剤を示す。いくつかの実装例において、別個の還元剤が用いられなくてもよく、例えば、タングステン含有前駆体が、熱分解またはプラズマ支援分解を受けてもよい。
【0077】
様々な実施形態によると、水素が、バックグラウンドで流されても流されなくてもよい。さらに、いくつかの実装例において、タングステン核形成層の蒸着に続いて、タングステンバルク蒸着の前に、1または複数の処理動作が実行されてもよい。抵抗を下げるために蒸着済みのタングステン核形成層を処理することが、例えば、米国特許第7,772,114;8,058,170;および8,623,733に記載されており、それらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
バルク蒸着
多くの実装例において、タングステンバルク蒸着は、還元剤およびタングステン含有前駆体が蒸着チャンバ内に流されてフィーチャ内にバルク充填層を蒸着するCVD処理によって実行されうる。不活性の搬送ガスが、反応物質流(予混合されていても予混合されていなくてもよい)の内の1または複数を供給するために用いられてよい。PNLまたはALD処理と異なり、この動作は、一般に、所望の量が蒸着されるまで、連続的に反応物質を流すことを含む。特定の実装例において、CVD動作は、複数の段階で実行されてよく、反応物質が連続的かつ同時に流れる複数の期間が、1または複数の反応物質の流れが迂回される期間で隔てられる。
【0079】
WF、WCl、および、W(CO)を含むがこれらに限定されない様々なタングステン含有ガスが、タングステン含有前駆体として用いられてよい。特定の実装例において、タングステン含有前駆体は、WFなどのハロゲン含有化合物である。特定の実装例において、還元剤は水素ガスであるが、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、ヒドラジン(N)、ジボラン(B)、および、ゲルマン(GeH)など、他の還元剤が用いられてもよい。多くの実装例において、水素ガスが、CVD処理で還元剤として用いられる。いくつかの他の実装例において、分解してバルクタングステン層を形成しうるタングステン前駆体が用いられてもよい。バルク蒸着は、ALD処理など、他のタイプの処理を用いても起こりうる。
【0080】
温度の例は、約200℃から約500℃までの範囲であってよい。様々な実装例によると、本明細書のCVD−W(タングステン化学蒸着)動作はいずれも、低温のCVD−W充填(例えば、250℃〜350℃または300℃)を利用しうる。
【0081】
蒸着は、様々な実装例によると、特定のフィーチャプロファイルが達成される、および/または、特定の量のタングステンが蒸着されるまで進みうる。いくつかの実装例において、蒸着時間およびその他の関連パラメータは、モデリングおよび/またはトライアンドエラーによって決定されてよい。例えば、タングステンがピンチオフまでフィーチャ内に共形に蒸着されうるインサイドアウト充填処理(inside out fill process)の最初の蒸着については、フィーチャの寸法に基づいて、ピンチオフに至るタングステン厚さおよび対応する蒸着時間を決定することが容易でありうる。いくつかの実装例において、蒸着動作の終点検出のためのその場測定を実行するために、様々なセンサを処理チャンバに備えてもよい。その場測定の例は、蒸着済み薄膜の厚さを決定するための光学顕微鏡法および蛍光X線分析法(XRF)を含む。
【0082】
本明細書に記載のタングステン薄膜は、用いられる特定の前駆体および処理によっては、窒素、炭素、酸素、ホウ素、リン、硫黄、シリコン、ゲルマニウムなど、いくらかの量の他の化合物、ドーパント、および/または、不純物を含みうることを理解されたい。薄膜中のタングステン含有量は、約20%から約100%の範囲の(原子)タグステンでありうる。多くの実装例において、薄膜は、タングステンリッチであり、少なくとも約50%の(原子)タングステン、もしくは、少なくとも約60%、75%、90%、または、99%の(原子)タングステンを有する。いくつかの実装例において、薄膜は、金属または元素タングステン(W)と、他のタングステン含有化合物(炭化タングステン(WC)、窒化タングステン(WN)など)との混合物であってよい。
【0083】
これらの材料のCVDおよびALDは、任意の適切な前駆体の利用を含みうる。例えば、窒化タングステンのCVDおよびALD蒸着は、以下で詳述するように、ハロゲン含有化合物、ハロゲン非含有タングステン含有化合物、および、窒素含有化合物の利用を含みうる。チタン含有層のCVDおよびALD蒸着は、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)および塩化チタン(TiCl)などのチタン含有前駆体と、適切であれば1または複数の反応物質とを利用することを含みうる。タンタル含有層のCVDおよびALD蒸着は、ペンタキス−ジメチルアミノタンタル(PDMAT)およびTaFなどの前駆体と、適切であれば1または複数の共反応物質とを利用することを含みうる。コバルト含有層のCVDおよびALD蒸着は、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)コバルト、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト、および、ジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレンなどの前駆体と、1または複数の共反応物質とを利用することを含みうる。ニッケル含有層のCVDおよびALD蒸着は、シクロペンタジエニルアリルニッケル(CpAllylNi)およびMeCpNiなどの前駆体を用いることを含みうる。共反応物質の例は、N、NH、N、N、SiH、Si、B、H、および、AlClを含みうる。
【0084】
タングステンエッチング
タングステンのエッチングは、タングステンと反応しうる1または複数のエッチャント種にタングステンを暴露させることによって実行されうる。エッチャント種の例は、ハロゲン種およびハロゲン含有種を含む。タングステン含有材料の除去に利用できる初期エッチャント剤の例は、三フッ化窒素(NF)、テトラフルオロメタン(CF)、テトラフルオロエチレン(C)、ヘキサフルオロエタン(C)、オクタフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン(CHF)、クロロトリフルオロメタン(CFCl)、六フッ化硫黄(SF)、および、分子フッ素(F)を含む。いくつかの実装例において、化学種は、活性化され、ラジカルおよび/またはイオンを含みうる。例えば、初期エッチャント剤は、遠隔プラズマ発生器を通して流されてよい、および/または、その場プラズマに曝されてよい。いくつかの実装例において、タングステンは、非プラズマエッチャント蒸気に暴露されてもよい。
【0085】
上記の例に加えて、任意の周知のエッチャント剤が、タングステン非含有薄膜およびタングステン含有薄膜のエッチングに用いられてよい。例えば、フッ素含有化合物(NFなど)が、チタン含有化合物(TiNおよびTiCなど)に利用されてもよい。いくつかの実装例において、例えば、TiAl、TiAlN、ニッケル含有化合物、および、コバルト含有化合物をエッチングするために。塩素含有化合物(ClおよびBClなど)が利用されてもよい。さらに、以下では、エッチングについては主に、プラズマおよび/または非プラズマ気相エッチングに言及するが、いくつかの実装例において、方法は、ウェットエッチング技術と共に実施されてもよい。
【0086】
いくつかの実装例において、遠隔で生成されたプラズマが用いられてよい。初期エッチャント剤、および、特定の実装例における不活性ガス(アルゴン、ヘリウムなど)は、任意の適切な遠隔プラズマ発生器に供給されうる。例えば、いずれもマサチューセッツ州アンドーバーのMKS Instruments社から入手できるASTRON(登録商標)i Type AX7670、ASTRON(登録商標)e Type AX7680、ASTRON(登録商標)ex Type AX7685、ASTRON(登録商標)hf−s Type AX7645など、遠隔プラズマユニットが用いられてよい。遠隔プラズマユニットは、通例、供給されたエッチャントを用いて弱電離プラズマを生成する自立型装置である。いくつかの実装例では、高電力高周波(RF)発生器が、プラズマ内の電子にエネルギを供給する。次いで、このエネルギは、中性のエッチャント分子に伝達されて、約2000Kの温度を引き起こし、これらの分子を熱解離させる。遠隔プラズマユニットは、その高RFエネルギおよび流路形状により、このエネルギのほとんどをエッチャントに吸収させるので、入ってくるエッチャント分子の60%超を解離させうる。
【0087】
いくつかの実装例において、エッチングが実行されるチャンバに供給される遠隔プラズマユニットからの活性種は、ラジカルであり、実質的にイオン種を含まない。当業者であれば、エッチングに寄与しないいくらかの少数のイオン種が存在しうることがわかる。この量は、検出できないほど少ない量でありうる。いくつかの実装例において、チャンバに供給される遠隔プラズマユニットからの活性種は、ラジカル種に加えて、実質的な数のイオン種を含んでもよい。
【0088】
いくつかの実装例において、エッチング動作は、遠隔で生成されたプラズマに加えてまたはその代わりに、タングステンが直流プラズマに暴露されるように、基板を収容するチャンバ内でその場生成されたプラズマを用いてもよい。いくつかの実装例において、チャンバの2つの電極間でプラズマを生成するために、高周波(RF)プラズマ発生器が用いられてよい。電極の例は、例えば、シャワーヘッドおよびペデスタルを含む。一例では、約1MHzから100MHzの間の周波数で約0Wから10,000Wの間の電力を供給できる高周波(HF)発生器が利用されてよい。より具体的な実装例では、HF発生器は、約13.56MHzで約0Wから5,000Wの間の電力を供給してよい。いくつかの実装例において、約100kHzから2MHzの間または約100kHzから1MHzの間(例えば、400kHz)の周波数で約0から10,000Wの間の電力を供給できる低周波(LF)発生器が用いられてもよい。
【0089】
プラズマ発生器は、容量結合プラズマ(CCP)発生器、誘導結合プラズマ(ICP)発生器、トランス結合プラズマ(TCP)発生器、電子サイクロトロン共鳴(ECR)発生器、または、ヘリコンプラズマ発生器であってよい。RF源に加えて、マイクロ波源が用いられてもよい。
【0090】
様々な実装例によると、エッチング動作の一部または全部が、蒸着および/または処理動作など他の動作が実行されるのと同じチャンバで実行されてもよいし、専用のエッチングチャンバで実行されてもよい。専用のエッチングチャンバが用いられる場合、そのチャンバは、1または複数の他の処理チャンバと同じ真空環境に結合されてもよいし、別個の真空環境の一部であってもよい。例えば、カリフォルニア州フレモントのLam Research社製のKiyo(登録商標)導体エッチングモジュールなどのTCPエッチングモジュールが、いくつかの実装例で用いられてよい。かかるモジュールと共に利用されうるエッチャントの例は、NF、CF、SF、CHF、CH、および、CFを含む。動作圧の例は、約30mTorrから約100mTorrの範囲でありうる。温度の例は、約30℃から約120℃の範囲でありうる。
【0091】
様々な実装例において、蒸着されたタングステンの特定の特徴が除去されるまで、または、特定のプロファイルが達成されるまで、エッチングが実行される。例えば、エッチングは、ピンチオフされたタングステンが除去されるまで、または、シームが除去されるまで進行しうる。いくつかの実装例において、特定のエッチングプロセスパラメータに対するエッチング終点は、特定のフィーチャ形状ならびにエッチングされる蒸着済みタングステンのプロファイルおよび量についてモデリングおよび/またはトライアンドエラーを行うことによって決定されてよい。いくつかの実装例において、除去の程度を特定するためのその場測定を実行するために、様々なセンサを処理チャンバに備えてもよい。その場測定の例は、薄膜の厚さを決定するための光学顕微鏡法およびXRFを含む。さらに、エッチング中に生成されたフッ化タングステン(WF)またはその他の副生成物の量を検出するために、赤外線(IR)分光法が用いられてもよい。いくつかの実装例において、下層が、エッチング停止層として用いられてもよい。エッチングを監視するために、発光分光法(OES)が用いられてもよい。
【0092】
また、様々な実装例によると、エッチング動作の共形性は調節可能である。共形エッチングは、フィーチャにわたって均一に材料が除去されるエッチングである。エッチングの共形性を調節する方法について、以下で説明する。いくつかの実装例において、エッチング共形性の調節は、物質移行制限レジームで動作させること、または、動作させないことを含みうる。かかるレジームにおいて、フィーチャ内での除去速度は、フィーチャ内に拡散する様々なエッチング剤成分(例えば、初期エッチャント剤、活性化エッチング種、および、再結合エッチング種)の量および/または相対組成によって制限される。特定の例において、エッチング速度は、フィーチャ内の異なる位置における様々なエッチャント成分の濃度に依存する。「エッチング」および「除去」という用語は、本書では交換可能に用いられることに注意されたい。
【0093】
いくつかの実装例において、凹部エッチングが、1、2、または、3以上のエッチング動作で実行されてよい。例えば、第1の動作で、フィールド領域のタングステンを除去するための高速の処理が実行され、その後に、エッチングを行って凹部の深さを制御するためのより微調整された処理が実行される。一例において、より高速の処理は、より高い温度、より高いエッチャント流量、および、より高いプラズマ出力(プラズマエッチングの場合)を用いて実行されうる。エッチング速度の例は、より高速のエッチングについては、約10Å/秒から約50Å/秒の間であってよい。より遅く、より制御された処理は、より低いエッチャント流量およびより低いプラズマ出力(プラズマエッチングの場合)を用いて実行されうる。下層に関する所望のエッチング選択性に応じて、温度は、より速いエッチング中よりも、制御されたエッチング中に低くてもよいし低くなくてもよい。エッチング速度の例は、制御されたエッチングについては、約3Å/秒から約20Å/秒の間、または、約3Å/秒から約10Å/秒の間であってよい。
【0094】
装置
この新規の方法を実施するために、任意の適切なチャンバが用いられてよい。蒸着装置の例としては、例えば、カリフォルニア州フレモントのLam Research社製のALTUSおよびALTUS Max、もしくは、様々な他の市販の処理システムのいずれかなど、様々なシステムが挙げられる。
【0095】
図9は、特定の実施形態に従って、半導体基板を処理するための装置900を示す概略図である。装置900は、ペデスタル920と、シャワーヘッド914と、その場プラズマ発生器916とを備えたチャンバ918を備える。装置900は、さらに、入力を受信するおよび/または様々な装置への制御信号を供給するためのシステムコントローラ922を備える。
【0096】
エッチャントと、特定の実施形態における不活性ガス(アルゴン、ヘリウムなど)が、貯蔵タンクであってよい供給源902から遠隔プラズマ発生器906に供給される。エッチャントをチャンバ918に導入する前に活性化するために、任意の適切な遠隔プラズマ発生器が用いられてよい。例えば、いずれもマサチューセッツ州アンドーバーのMKS Instruments社から入手できるASTRON(登録商標)i Type AX7670、ASTRON(登録商標)e Type AX7680、ASTRON(登録商標)ex Type AX7685、ASTRON(登録商標)hf−s Type AX7645など、遠隔プラズマ洗浄(RPC)ユニットが用いられてよい。RPCユニットは、通例、供給されたエッチャントを用いて弱電離プラズマを生成する自立型装置である。RPCユニットに組み込まれた高電力RF発生器が、プラズマ内の電子にエネルギを供給する。次いで、このエネルギは、中性のエッチャント分子に伝達されて、約2000Kの温度を引き起こし、これらの分子を熱解離させる。RPCユニットは、その高RFエネルギおよび流路形状により、このエネルギのほとんどをエッチャントに吸収させるので、入ってくるエッチャント分子の60%超を解離させうる。
【0097】
特定の実施形態において、エッチャントが、遠隔プラズマ発生器906から接続ライン908を通してチャンバ918に流され、混合物が、シャワーヘッド914を通して分配される。別の実施形態では、エッチャントが、遠隔プラズマ発生器906を完全に迂回する(例えば、システム900がかかる発生器を備えない)ことによって、チャンバ918内に流される。あるいは、遠隔プラズマ発生器906は、例えば、エッチャントの活性化が必要ないために、エッチャントをチャンバ918に流す間、オフにされてもよい。
【0098】
シャワーヘッド914またはペデスタル920には、通例、内部プラズマ発生器916が取り付けられうる。一例では、発生器916は、約1MHzから100MHzの間の周波数で約0Wから10,000Wの間の電力を供給できる高周波(HF)発生器である。より具体的な実施形態では、HF発生器は、約13.56MHzで約0Wから5,000Wの間の電力を供給してよい。RF発生器916は、最初のタングステン層の除去を強化するために、その場プラズマを生成しうる。特定の実施形態において、RF発生器916は、処理の除去動作中には利用されない。
【0099】
チャンバ918は、蒸着およびエッチングの程度、濃度、圧力、温度など、様々なプロセスパラメータを検知するためのセンサ924を備えてよい。センサ924は、処理中のチャンバ条件に関する情報をシステムコントローラ922に提供しうる。センサ924の例は、マスフローコントローラ、圧力センサ、熱電対などを含む。センサ924は、チャンバおよび制御手段内のガスの存在を監視するための赤外線検出器または光学検出器を備えてもよい。
【0100】
蒸着動作および選択的除去動作が、チャンバ918から排出される様々な揮発種を生成する。さらに、処理は、チャンバ918で特定の所定の圧力レベルで実行される。これらの機能の両方は、真空ポンプであってよい真空流出口926によって達成される。
【0101】
タングステン含有前駆体および処理剤は、ペデスタル920上の基板が様々な実施形態中に前駆体または処理剤に暴露されるように、シャワーヘッド914からチャンバに入りうる。
【0102】
特定の実施形態において、システムコントローラ922は、プロセスパラメータを制御するために用いられる。システムコントローラ922は、通例、1または複数のメモリデバイスと、1または複数のプロセッサとを備える。プロセッサは、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入力/出力接続、ステッパモータコントローラボードなどを備えてよい。通例は、システムコントローラ922に関連したユーザインターフェースが存在する。ユーザインターフェースは、表示スクリーン(装置および/または処理条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ)と、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクなどのユーザ入力デバイスと、を備えてよい。
【0103】
特定の実施形態において、システムコントローラ922は、基板温度、エッチャント流量、遠隔プラズマ発生器906の出力、チャンバ918内の圧力、処理還元剤流量、アニール温度、処理剤をチャンバ内に流すための第2のバルクタングステン蒸着の中断、および、その他のプロセスパラメータを制御する。コントローラのパラメータは、例えば、各動作のタイミング、チャンバ内の圧力、基板温度、エッチャント流量などの処理条件に関する。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供され、ユーザインターフェースを用いて入力されうる。処理を監視するための信号が、システムコントローラ922のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてよい。処理を制御するための信号が、装置900のアナログおよびデジタル出力接続で出力される。
【0104】
システムコントローラ922は、タイミング、ガスの混合、チャンバ圧力、チャンバ温度、および、特定の処理の他のパラメータを制御するための一連の命令など、システム制御ソフトウェアを実行する。コントローラに関連するメモリデバイスに格納された他のコンピュータプログラムが、いくつかの実施形態において用いられてもよい。あるいは、制御ロジックはコントローラにハードコードされてもよい。これらの目的で、特定用途向け集積回路、プログラム可能論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイすなわちFPGA)などが用いられてもよい。以下では、「ソフトウェア」または「コード」が利用される場合、機能的に同等のハードコードされたロジックが代わりに利用されうる。
【0105】
処理手順内の処理を制御するためのコンピュータプログラムコードは、例えば、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートランなど、任意の従来のコンピュータ読み取り可能なプログラミング言語で書かれうる。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトが、プラグラム内に特定されたタスクを実行するために、プロセッサによって実行される。システムソフトウェアは、多くの異なる方法で設計または構成されうる。例えば、記載された処理を実行するために必要なチャンバ構成要素の動作を制御するために、様々なチャンバ構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトが書かれてよい。このためのプログラムまたはプログラムセクションの例は、処理ガス制御コード、圧力制御コード、および、プラズマ制御コードを含む。システム制御ロジックは、任意の適切な方法で構成されてよい。一般に、ロジックは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで設計または構成されうる。駆動回路を制御するための命令は、ハードコードされてもよいし、ソフトウェアとして提供されてもよい。命令は、「プログラミング」によって提供されうる。かかるプログラミングは、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、および、ハードウェアとして実装された特定のアルゴリズムを有する他のデバイス内にハードコードされたロジックなど、任意の形態のロジックを含むと理解される。また、プログラミングは、汎用プロセッサ上で実行できるソフトウェア命令またはファームウェア命令を含むと理解される。システム制御ソフトウェアは、任意の適切なコンピュータ読み取り可能プログラム言語でコードされてよい。
【0106】
図10Aは、マルチステーション装置1000の一例を示す図である。装置1000は、処理チャンバ1001と、処理される基板および処理済みの基板を保持するための1または複数のカセット1003(例えば、前開き一体型ポッド)と、を備える。チャンバ1001は、例えば、2つのステーション、3つのステーション、4つのステーション、5つのステーション、6つのステーション、7つのステーション、8つのステーション、10のステーション、または、任意の他の数のステーションなど、複数のステーションを有してよい。ステーションの数は、通例、処理動作の複雑さと、共有環境で実行できるこれらの動作の数とによって決定される。図10Aは、6つのステーション1011〜1016を備える処理チャンバ1001を示している。1つの処理チャンバ1001を備えたマルチステーション装置1000の全ステーションが、同じ圧力環境に曝される。しかしながら、エッチングステーションは、専用プラズマ発生器およびペデスタル(図9に示したものなど)によって達成される指定の反応物質分配システム条件および局所プラズマ条件および加熱条件を有してもよい。
【0107】
処理される基板は、カセット1003の1つからロードロック1005を通してステーション1011内にロードされる。外部ロボット1007が、基板をカセット1003からロードロック1005内に移すために用いられてよい。図の実施形態では、2つの別個のロードロック1005が存在する。これらには、通例、(圧力が、処理チャンバ1003の内部環境に対応するレベルと平衡になった後に)基板をロードロック1005からステーション1011内に移動させると共に、処理チャンバ1003から除去するためにステーション1016からロードロック1005に戻すために、基板移動装置が備えられている。以下で説明するように、処理ステーション1011〜1016の間で基板を搬送すると共に処理中に基板のいくつかを支持するために、メカニズム1009が利用される。
【0108】
特定の実施形態において、1または複数のステーションが、基板の加熱のために準備されてもよい。かかるステーションは、基板の上方に配置された加熱ランプ(図示せず)および/または図9に示したものと同様の基板を支持する加熱ペデスタルを有してよい。例えば、ステーション1011が、ロードロックから基板を受け入れて、さらなる処理の前に基板を予熱するために用いられてよい。他のステーションは、蒸着およびエッチング動作を含む高アスペクト比フィーチャの充填に用いられてよい。
【0109】
基板は、ステーション1011で加熱またはその他の処理を施された後、続いて、処理ステーション1012、1013、1014、1015、および、1016(連続的に配列されてもされなくてもよい)に移動される。マルチステーション装置1000は、全ステーションが同じ圧力環境に曝されるように構成されている。それにより、基板は、ロードロックなどの移送ポートを必要とせずに、チャンバ1001内でステーション1011から他のステーションに移動される。
【0110】
特定の実施形態において、タングステン含有材料でフィーチャを充填するために、1または複数のステーションが用いられてよい。例えば、ステーション1012が、最初の蒸着動作に用いられてよく、ステーション1013が、対応する選択的除去動作に用いられてよい。蒸着−除去サイクルが繰り返される実施形態では、ステーション1014が、別の蒸着動作に用いられてよく、ステーション1015が、別の部分除去動作に用いられてよい。セクション1016は、最後の充填動作に用いられてよい。具体的な処理(加熱、充填、および、除去)に対する任意の構成のステーションの指定が用いられてよいことを理解されたい。いくつかの実施形態において、1つのステーションが、タングステンの蒸着に用いられてよいが、他のステーションは、複数回蒸着−エッチング−蒸着スキームで標的となるフィーチャサイズの各グループのために構成されたエッチング動作に用いられる。いくつかの実施形態において、1つのステーションが第1のバルクタングステン層の蒸着に用いられ、別のステーションがエッチング動作に用いられ、第3のステーションが第2のバルク蒸着および処理に用いられてよく、その結果、ウエハは、第2のバルク蒸着および処理の間、1つのステーション内にある。
【0111】
上述のマルチステーション装置の代わりに、方法は、単一基板チャンバ、または、バッチモード(すなわち、非逐次的なモード)で単一の処理ステーション内で1または複数の基板を処理するマルチステーションチャンバで実施されてもよい。この態様では、基板は、チャンバ内にロードされ、単一の処理ステーションのペデスタル上に載置される(1つしか処理ステーションを持たない装置であっても、バッチモードで動作する複数のステーションを持つ装置であっても)。次いで、基板は加熱されてよく、蒸着動作が実行されてよい。次いで、チャンバ内の処理条件が調整され、その後、蒸着された層の選択的除去が実行される。処理は、1または複数回の蒸着−除去サイクル、そして、最後の充填動作を続けてよく、それらの動作はすべて、同じステーションで実行される。あるいは、単一ステーション装置が、この新規の方法の動作(例えば、蒸着、選択的除去、処理、最終充填)の1つのみを複数のウエハに実行するために最初に用いられてよく、その後、基板は、残りの動作の内の1または複数を実行するために、同じステーションに戻されてもよいし、(例えば、別の装置の)別のステーションに移動されてもよい。
【0112】
図10Aは、さらに、処理ツール1000の処理条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ1050の一実施形態を示す。システムコントローラ1050は、1または複数のメモリデバイス1056と、1または複数のマスストレージデバイス1054と、1または複数のプロセッサ1052と、を備えてよい。プロセッサ1052は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入力/出力接続、ステッパモータコントローラボードなどを備えてよい。
【0113】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ1050は、処理ツール1000の動作すべてを制御する。システムコントローラ1050は、マスストレージデバイス1054に格納され、メモリデバイス1056にロードされて、プロセッサ1052で実行されるシステム制御ソフトウェア1058を実行する。あるいは、制御ロジックがコントローラ1050にハードコードされてもよい。これらの目的で、特定用途向け集積回路、プログラム可能論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイすなわちFPGA)などが用いられてもよい。以下では、「ソフトウェア」または「コード」が利用される場合、機能的に同等のハードコードされたロジックが代わりに利用されうる。システム制御ソフトウェア1058は、タイミング、ガスの混合、亜飽和ガス流の量、チャンバおよび/またはステーションの圧力、チャンバおよび/またはステーションの温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板ペデスタル、チャック、および/または、サセプタの位置、処理剤、フィーチャサイズの各グループのためのエッチング剤、ならびに、処理ツール1000によって実行される特定の処理の他のパラメータを制御するための命令を備えてよい。システム制御ソフトウェア1058は、任意の適切な方法で構成されてよい。例えば、様々な処理ツールの処理を実行するために必要な処理ツール構成要素の動作を制御するために、様々な処理ツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトが書かれてよい。システム制御ソフトウェア1058は、任意の適切なコンピュータ読み取り可能プログラム言語でコードされてよい。
【0114】
いくつかの実施形態において、システム制御ソフトウェア1058は、上述の様々なパラメータを制御するための入力/出力制御(IOC)シーケンス命令を備えてよい。システムコントローラ1050に関連付けられたマスストレージデバイス1054および/またはメモリデバイス1056に格納された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが、いくつかの実施形態において用いられてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムセクションの例は、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、および、プラズマ制御プログラムを含む。
【0115】
基板位置決めプログラムは、基板をペデスタル1001上にロードすると共に基板と処理ツール1000の他の部品との間の間隔を制御するために用いられる処理ツール構成要素のためのプログラムコードを備えてよい。
【0116】
プロセスガス制御プログラムは、ガス組成(例えば、本明細書に記載のように、TMA、アンモニア、および、パージガス)および流量を制御するため、ならびに、任意選択的に、処理ステーション内の圧力を安定させるために蒸着の前に1または複数の処理ステーション内にガスを流すためのコードを備えてよい。圧力制御プログラムは、例えば、処理ステーションの排気システムのスロットルバルブ、処理ステーションへのガス流量などを調節することにより、処理ステーション内の圧力を制御するためのコードを備えてよい。
【0117】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために用いられる加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを備えてよい。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝導ガス(ヘリウムなど)の供給を制御してもよい。
【0118】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施形態に従って、1または複数の処理ステーション内の処理電極に印加されるRF電力レベルを設定するためのコードを備えてよい。
【0119】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施形態に従って、反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを備えてよい。
【0120】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ1050に関連したユーザインターフェースがあってよい。ユーザインターフェースは、表示スクリーン(装置および/または処理条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ)と、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクなどのユーザ入力デバイスと、を備えてよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ1050によって調整されるパラメータは、処理条件に関してよい。非限定的な例として、プロセスガスの組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RRFバイアス電力レベルなど)、圧力、温度などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてよく、ユーザインターフェースを用いて入力されうる。
【0122】
処理を監視するための信号が、様々な処理ツールセンサから、システムコントローラ1050のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてよい。処理を制御するための信号は、処理ツール1000のアナログおよびデジタル出力接続で出力されてよい。監視されうる処理ツールセンサの非限定的な例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などを含む。適切にプログラムされたフィードバックアルゴリズムおよび制御アルゴリズムが、処理条件を維持するためにこれらのセンサからのデータと共に用いられてよい。
【0123】
システムコントローラ1050は、上述の蒸着処理を実施するためのプログラム命令を提供しうる。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度など、様々なプロセスパラメータを制御しうる。命令は、本明細書に記載の様々な実施形態に従って薄膜スタックのその場蒸着を動作させるためにパラメータを制御しうる。
【0124】
システムコントローラは、通例、1または複数のメモリデバイスと、装置が開示の実施形態に従って方法を実行するように命令を実行するよう構成された1または複数のプロセッサと、を備える。開示の実施形態に従った処理動作を制御するための命令を含むマシン読み取り可能な媒体が、システムコントローラに接続されてよい。
【0125】
上述の装置/処理は、例えば、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、光起電力パネルなどの加工または製造のために、リソグラフィパターニングツールまたは処理と共に用いられてもよい。通例、必ずしもそうとは限らないが、かかるツール/処理は、共通の製造施設で一緒に利用または実行されている。薄膜のリソグラフィパターニングは、通例、以下の工程の一部または全部を含み、各工程は、複数の可能なツールで実現される。(1)スピンオンまたはスプレーオンツールを用いて、ワークピース(すなわち、基板)上にフォトレジストを塗布する工程、(2)ホットプレートまたは炉またはUV硬化ツールを用いて、フォトレジストを硬化させる工程、(3)ウエハステッパなどのツールで可視光またはUVまたはX線にフォトレジストを暴露させる工程、(4)ウェットベンチなどのツールを用いて、選択的にレジストを除去することによってパターニングするためにレジストを現像する工程、(5)ドライエッチングツールまたはプラズマ支援エッチングツールを用いて、下層の膜またはワークピースにレジストパターンを転写する工程、ならびに、(6)RFプラズマまたはマイクロ波プラズマレジストストリッパなどのツールを用いて、レジストを除去する工程。
【0126】
図10Bは、特定の実施形態に従って利用できるマルチチャンバ装置1020を示す概略図である。図に示すように、装置1020は、3つの別個のチャンバ1021、1023、および、1025を備える。これらのチャンバの各々は、図によると、2つのペデスタルを備える。装置は、任意の数(例えば、1、2、3、4、5、6など)のチャンバを備えてよく、各チャンバは、任意の数(例えば、1、2、3、4、5、6など)のペデスタルを備えてよいことを理解されたい。各チャンバ1021〜1025は、自身の圧力環境を有しており、圧力環境は、チャンバ間で共有されない。各チャンバは、1または複数の対応する移送ポート(例えば、ロードロック)を有してよい。装置は、さらに、移送ポートと1または複数のカセット1029との間で基板を移動させるための共通の基板ハンドリングロボット1027を有してよい。
【0127】
上述のように、別個のチャンバは、タングステン含有材料の蒸着のため、および、後の動作でのこれらの蒸着材料の選択的除去のために利用されてよい。これら2つの動作を異なるチャンバに振り分けることは、各チャンバで同じ環境条件を維持することにより、処理速度を実質的に向上させる助けとなりうる。換言すると、チャンバは、その環境を、蒸着に用いられる条件から選択的除去に用いられる条件に変更して、さらに変更し直す必要がない(条件は、異なる前駆体、異なる処理剤、異なる温度、圧力、および、他のプロセスパラメータを含みうる)。特定の実施形態において、これらのチャンバの環境条件を変更するよりも、2以上の異なるチャンバ間で部分的に加工された半導体基板を移動させる方が高速である。
【0128】
結論
理解を深めるために、本実施形態について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更および変形を行ってもよいことは明らかである。本発明の処理、システム、および、装置を実施する多くの他の方法が存在することに注意されたい。したがって、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、実施形態は、本明細書に示した詳細に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B