(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仕切部は、一対の前記平面部の内面同士を接続している接続部と、一対の前記平面部の各々の内面に貼り付けられて、前記把持部の内側の層を形成している内層構成部と、によって形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に提案されている包装容器は、接合部を取手部として形成しているので、包装容器を手で掴んだときの感触が悪くなる。また、接合部に把持用孔を設けて取手部を形成しているため、広い幅の接合部を形成することが必要になる。その結果、表体と裏体とを広い範囲にわたって熱融着することが必要になり、接合部を形成する際の製造コストが高くなる。
【0007】
一方、特許文献2に提案されている包装容器は、包装容器の上部に設けられているので、取っ手部を手で掴んで包装容器を傾けて収容された水を注出することが困難である。また、この包装容器においては、取っ手部を構成している2枚のシート部が分離されているので、取っ手部の剛性及び強度が低い。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高い剛性と強度を有すると共に手で掴んだときの感触がよい把持部を有し、把持部を手で掴んで包装容器を容易に傾けて内容物を注出することができる包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る包装容器は、内容物を収容するための収容部と、前記収容部の一方側の側方に設けられた、手で掴むための把持部と、前記収容部と前記把持部とを分けている仕切部と、を備え、前記収容部は、相互に対向する一対の平面部と、該平面部の下部に設けられ
て前記前後方向の中心で折り畳むことができる底面部と、前記仕切部と、
前記仕切部によって構成された側面部とは逆側の側端縁側に設けられている内容物注出用の注出部と、によって構成され、前記把持部は、一対の前記平面部により構成され、
該平面部の前記一方側の側端縁同士がシールされた側縁シール部と、前記仕切部との間に設けられ、前記仕切部は、一対の前記平面部における幅方向の中間位置にて一対の前記平面部の間に
、上下方向に細長い長方形のフィルム材が折り込まれて設けられることによって、前記収容部の前記一方側の側面部として構成され
、前記底面部は、前記収容部と前記把持部とを跨いで配置されており、前記底面部における当該包装容器の前部側の端縁部及び後部側の端縁部が、一対の前記平面部の幅方向の全域で一対の前記平面部の下端部の内面にそれぞれシールされとともに、前記側縁シール部に連続する下部シール部を有する、ことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、仕切部を設けて収容部と把持部とを構成しているので、把持部を構成するための部材を、収容部を構成するための部材とは別に設けることなく包装容器を形成することができる。また、一対の平面部がそれぞれ一部材であるため、収容部と把持部とが別部材で構成されている場合よりも、接続部と把持部との境界部分の強度を高くすることができる。また、把持部は、上記のように、一対の平面部における一方側の側端縁同士がシールされたシール部を備えているので、把持部の剛性及び強度を高くすることができる。そのため、把持部を手で掴んで包装容器を持ち上げて把持部に負荷が作用した場合でも、把持部が変形したり破損したりすることを防止することができる。
下部シール部は、平面部と底面部とがヒートシールされることによって構成されているので、高い剛性と高い強度を有している。そのため、下部シール部は、包装容器を直立に立たせるための脚部として機能する。底面部は、収容部と把持部とを跨いで配置されており、上記のように底面部と平面部とが包装容器の幅方向の全域にわたってシールされているので、底面部は、補強部材として機能し、包装容器の剛性及び強度を向上させることができる。仕切部によって構成された側面部とは逆側の側端縁側に設けられている内容物注出用の注出部を有するので、包装容器を傾けて収容部に収容された内容物を注出する場合、内容物を円滑に注出させることができる。
【0011】
本発明に係る包装容器において、前記把持部は、
前記側縁シール部と前記仕切部との間で、前記平面部に把持用穴を形成するための切り込みと、を有し、前記切り込みの内側と前記平面部とは、前記一方側の側端縁側でつながれていることを特徴する。
【0012】
この発明によれば、把持部が、側縁シール部と仕切部との間で、平面部に把持用穴を形成するための切り込みとを有しているので、把持用穴に指を入れて包装容器を掴むことができる。また、切り込みの内側と平面部とは、一方側の側端縁側でつながれているので、切り込みの内側が上記の側縁シール部の周囲に巻かれた形態で把持部を掴むことができ、把持部の剛性及び強度を高めることができる。また、切り込みの内側が上記の側縁シール部の周囲に巻かれた形態で把持部を掴むことができるため、手で掴んだときの感触をよくすることができる。
【0013】
本発明に係る包装容器において、
前記仕切部は、一対の前記平面部の内面にシールされると共に、前記底面部の内面にシールされていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば
、上記のように仕切部がシールされているので、仕切部が補強部材として機能し、包装容器の剛性及び強度を高めることができる。
【0015】
本発明に係る包装容器において、前記仕切部は、一対の前記平面部の内面同士を接続している接続部と、一対の前記平面部の各々の内面に貼り付けられて、前記把持部の内側の層を形成している内層構成部と、によって形成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、平面部における把持部の領域が2層構造になるので、把持部の剛性及び強度を高くすることができる。その結果、把持部を手で掴んで包容容器を持ち上げたとき、把持部の形状を崩すことなく維持させることができる。
【0019】
本発明に係る包装容器において、前記底面部の前部側の端縁部及び後部側の端縁部を一対の平面部の下端部にそれぞれシールしたシール部が、下方に延びる脚部として構成されていることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、底面部の前部側の端縁部及び後部側の端縁部を一対の平面部の下端部にシールしたシール部が、下方に延びる脚部として構成されているので、包装容器を直立に立たせておくことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る包装容器によれば、把持部の剛性及び強度を高くすることができると共に手で掴んだときの感触をよくすることができ、把持部を手で掴んで包装容器を容易に傾けて内容物を注出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面にのみ限定されるものではない。
【0024】
[基本構成]
本発明に係る包装容器1は、
図1に示すように、内容物を収容するための収容部20と、収容部20の一方側の側方に設けられた、手で掴むための把持部40と、収容部20と把持部40とを分けている仕切部13と、を備えている。なお、本明細書では、
図1に示すように、包装容器1の幅方向を符号「X」を用いて「幅方向X」とし、包装容器1の上下方向を符号「Y」を用いて「上下方向Y」とし、包装容器1の前後方向を符号「Z」を用いて、「前後方向Z」として説明する。また、包装容器1の幅方向Xにおいて、把持部側の側端縁側を符号「S」を用いて「一方側S」とし、収容部側の側端縁側を符号「T」を用いて「他方側T」として説明する。
【0025】
収容部20は、相互に対向する一対の平面部11と、平面部11の下部に設けられた底面部12と、仕切部13と、によって構成されている。収容部20を構成する仕切部13は、一対の平面部11における幅方向Xの中間位置にて一対の平面部11の間に設けられることによって、収容部20の一方側Sの側面部として構成される。なお、「平面部11における幅方向Xの中間位置」とは、平面部11の一方の側縁と他方の側縁との間における幅方向Xのいずれかの位置を意味しており、中心部には限定されない。
【0026】
また、把持部40は、一対の平面部11における一方側Sの側端縁同士がシールされた側縁シール部16と、この側縁シール部16と仕切部13との間で、平面部11に把持用穴41を形成するための切り込み45とを有している。この切り込み45の内側と平面部11とは、一方側Sの側端縁側でつながれている。
【0027】
この基本構成を有する包装容器1によれば、把持部40の剛性及び強度を高くすることができると共に手で掴んだときの感触をよくすることができ、把持部40を手で掴んで包装容器1を容易に傾けて内容物を注出することができるという特有の効果を奏することができる。
【0028】
以下、包装容器1の具体的な構成について適宜に図面を参照しつつ説明する。
【0029】
〈収容部〉
収容部20は、一対の平面部11と、平面部11の下部に設けられた底面部12と、収容部20と把持部40とを分けている仕切部13とによって構成されている。この収容部20に収容される内容物の種類は、特に限定が無い。収容部20には、液体、粘度の高い流動体、粉末などが収容される。
【0030】
(平面部)
平面部11は、包装容器1の前後方向Zで相互に対向しており、包装容器1の前面と背面とを構成している。この平面部11は、矩形状のフィルム材によって形成されている。一対の平面部11は、その幅方向Xの両側にて、対向している側端縁同士がヒートシールされている。以下、平面部11の側端縁同士がヒートシールされた各シール部を「側縁シール部15,16」という。
図1の左側に位置する他方側Tの側縁シール部15は、収容部20の一部を構成している。これに対し、
図1の右側に位置する一方側Sの側縁シール部16は、後に説明する把持部40の一部を構成している。
【0031】
また、一対の平面部11の相互に対向している上端縁同士は、ヒートシールされている。平面部11の上端縁同士がヒートシールされている領域は、包装容器1の幅方向Xにおいて、収容部20の領域である。すなわち、平面部11の上端縁は、収容部20の領域のみでヒートシールされている一方で、把持部40の領域ではヒートシールされていない。以下、平面部11の上端縁同士がヒートシールされたシール部を「上部シール部17」という。
【0032】
この収容部20は、上部シール部17と側縁シール部15とが交わる角の位置に内容物を注出するための注出部30を備えている。
【0033】
(注出部)
注出部30は、収容部20における仕切部13とは逆側の側端縁側に設けられている。すなわち、注出部30は、他方側Tの側端縁側に設けられている。この注出部30は、上部シール部17と側縁シール部15とが交わる角の位置に設けられた開封機構と、平面部11同士をヒートシールした斜めシール部33と、この斜めシール部33に形成された注出通路34とにより構成されている。
【0034】
開封機構は、収容部20の上部シール部17及び側縁シール部15にそれぞれ形成されたノッチ31と、平面部11を斜めに横切る開封用溝32とにより構成されている。ノッチ31は、上部シール部17及び側縁シール部15にそれぞれ形成された「V」字又は「U」字の切り込みである。このノッチ31は、収容部20の角の部分を切り裂いて、開封するための切り始めの部分である。
【0035】
ただし、開封するための切り始めの部分は、ノッチに代えて、上部シール部17及び側縁シール部15に複数の細かい窪みを形成してなる粗面部を設けてもよい。
【0036】
開封用溝32は、一対の平面部11の外面又は内面を厚さ方向に窪ませた溝であり、上部シール部17及び側縁シール部15にそれぞれ形成されたノッチ31同士を結んでいる。
【0037】
斜めシール部33は、上部シール部17と側縁シール部15とを結ぶようにして、対向する平面部11同士をヒートシールした部位である。この斜めシール部33は、開封用溝32の位置よりも収容部20の内側の位置で、開封用溝32に対して平行をなしている。この斜めシール部33は、この斜めシール部33が延びている方向の中間部に平面部11同士をシールしていない非シール部を備えている。この非シール部は、収容部20の斜めシール部33よりも内側の領域と外側の領域とをつないでいる。すなわち、非シール部は、収容部20に収容された内容物を注出するための注出通路34として構成されている。
【0038】
なお、注出部は、上記の構成に代えて、
図2に示すように構成することもできる。
図2に示す注出部50は、収容部20の端縁にシールされる被シール部51と、被シール部51から収容部20の外側に向けて延び、収容部20の内側と外側とを連絡する筒体52と、筒体52を開閉するための蓋55とにより構成されている。
【0039】
被シール部51は、両側の側面が円弧状をなし、舟に似た形状をなしている。この被シール部51は、収容部20の隅に位置する斜めに延びる端縁に挟み込まれることにより、収容部20にシールされている。その際、円弧状の側面が平面部11の内面にそれぞれシールされる。なお、この被シール部51の中央部分は、空洞になっている。
【0040】
筒体52は、収容部20における斜めの端縁のから外側に向けて突出している。この筒体52の外周面には、図示しない螺旋状をなす雄ねじが形成されている。また、筒体52の内部は空洞である。この筒体52の内部の空洞は、被シール部51の中央に形成された空洞につながれている。収容部20の内部は、被シール部51の空洞と筒体52の空洞を介して外部に連絡されている。
【0041】
蓋55は、円盤状の端部56と、端部56の周囲に設けられた周壁部57とによって構成されている。周壁部57の内周面には、図示しない螺旋状をなす雌ねじが形成されている。この蓋55は、周壁部57の雌ねじを筒体52の雄ねじに係り合わせ、蓋55を筒体52に対して回転させることによって、筒体52に取り付けたり、筒体52から取り外したりできるように構成されている。
【0042】
なお、注出部30や注出部50は、他方側Tの側縁の上部に設けることには限定されず、収容部20の上端縁のいずれかの位置に設けることができる。ただし、注出部30を収容部20の幅方向Xの中央の位置に設けるか、又は、側縁シール部15と収容部20の幅方向Xの中央の位置との間の領域に設けた場合、内容物を円滑に注出させることができる。
【0043】
(底面部)
次に、
図3から
図5を参照して底面部12について説明する。なお、
図3は、
図1のI−I断面を示す断面図であり、
図4は、包装容器1の底部を説明するために、平面部11を切断した形態を示した包装容器1の斜視図である。また、
図5は、
図1のII−II断面を示す断面図である。
【0044】
底面部12は、包装容器1の底部を構成している。底面部12は、矩形状のフィルム材である。この底面部12の幅方向Xの長さは、平面部11の幅方向Xの長さに一致している。底面部12は、前後方向Zにおける前部側の端縁部と後部側の端縁部とが各平面部11の下端部の内面にヒートシールされ、包装容器1の底部の全体を閉じている。以下、底面部12と平面部11とがヒートシールされたシール部を「下部シール部18」という。また、底面部12は、前後方向Zの中心で折り畳むことができるように、折り線12aを備えている。
【0045】
なお、上述した平面部11の幅方向Xの両側では、一対の平面部11が底面部12を挟み込んだ形態でヒートシールされている。そのため、底面部12は、
図3に示すように、幅方向Xの両側が折り畳まれ、幅方向Xの中央の領域が前後方向Zに広げられた形態で、一対の平面部11にヒートシールされている。
【0046】
下部シール部18は、
図4に示すように、包装容器1の幅方向Xの中央の領域では、一定の幅をなし、直線状に形成されている。これに対し、下部シール部18は、包装容器1の幅方向Xの両側の領域では、シール幅が側端縁に向かうにしたがって、徐々に広くなるように形成されている。
【0047】
この下部シール部18は、
図5に示すように、包装容器1の下方に向けて延びている。下部シール部18は、平面部11と底面部12とがヒートシールされることによって構成されているので、高い剛性と高い強度を有している。そのため、下部シール部18は、包装容器1を直立に立たせるための脚部として機能する。
【0048】
なお、下部シール部18は、包装容器1の幅方向Xの全範囲にわたって、一定のシール幅になるように形成してもよい。また、下部シール部18は、収容部20を構成している他方側Tの側端縁側だけシール幅が他方側Tの側端縁に向かうにしたがって、徐々に広くなるように形成したり、把持部40を構成している一方側Sの側端縁側だけシール幅が一方側Sの側端縁に向かうにしたがって、徐々に広くなるように形成したりしてもよい。
【0049】
底面部12は、収容部20と把持部40とを跨いで配置されており、上記のように底面部12と平面部11とが包装容器1の幅方向Xの全域にわたってシールされているので、底面部12は、補強部材として機能し、包装容器の剛性及び強度を向上させることができる。
【0050】
(仕切部)
仕切部13は、収容部20と把持部40とを分ける共に、収容部20の一方側Sの側面部を構成している。仕切部13は、フィルム材によって構成されている。この仕切部13は、一対の平面部11における幅方向Xの中間位置にて、一対の平面部11の間に配置され、一対の平面部11の内面にシールされると共に、底面部12の内面にシールされている。なお、「平面部11における幅方向Xの中間位置」とは、平面部11の一方の側縁と他方の側縁との間における幅方向Xのいずれかの位置を意味する。
図1において、側縁シール部15と側縁シール部16との間における幅方向Xのいずれかの位置である。側縁シール部15と側縁シール部16との間の中心部に限定することではない。
【0051】
仕切部13の形状について、
図6を参照して説明する。なお、
図6(A)は、仕切部13を、仕切部13自体の側方(包装容器1における平面部11側)から見た斜視図であり、
図6(B)は、仕切部13を、仕切部13自体の背面側(包装容器における把持部40側)から見た斜視図である。
【0052】
仕切部13は、
図6(A)及び
図6(B)に示すように、細長い長方形のフィルム材を折り込むことにより形成されている。仕切部13は、仕切部13自体の幅方向(包装容器1の前後方向)の中心に折り線14を有しており、この折り線14の位置で二つ折りにされている。また、仕切部13の下部は、折り線14のある点Pと仕切部13の下側の2箇所の頂部Q,Qとを結ぶ線が外側に向けて折り込まれている。そのため、仕切部13の下部には三角形の底部13aが形成されている。
【0053】
この仕切部13において、仕切部自体の両側縁13bが、一対の平面部11の内面にそれぞれシールされる。また、仕切部13の底部13aにおいて、裏側の面の端縁13cが底面部12にシールされる。仕切部13は、このようにシールされることによって、
図3及び
図4に示すように、折り線14が包装容器1の収容部20側に向けられて、一対の平面部11の間に設けられている。仕切部13は、折り線14の位置が折り畳まれることにより、包装容器1をその前後方向Zにおいて平坦にすることができる。
【0054】
なお、この仕切部13は、上記のように、平面部11及び底面部12の両方にシールされているので、仕切部13が補強部材として機能し、包装容器1の剛性及び強度を高めることができる。
【0055】
仕切部は、
図7(A)及び
図7(B)に示すように筒状に形成したものを用いてもよい。この仕切部130は、細長い長方形のフィルム材が折り込まれることによって形成されている。この仕切部130は、内部が空洞の四角柱をなす本体部131と仕切部130の下部で水平に広がる底部132とを有している。
【0056】
仕切部130の底部132は、対角をなす位置に配置されている一対の辺133,134上のある点Rと、辺133,134とは別の対角をなす位置に配置されている一対の辺135,136上の下端に位置する2箇所の点U,Uとを結ぶ線が外側に向けて折り込まれていることにより形成されている。そのため、底部132は、辺135側において外側に向けて三角形状に張り出すと共に、辺136側において外側に向けて三角形状に張り出している。そして、端縁137と端縁138とが、底部132の裏側で対向されている。
【0057】
この仕切部130は、本体部131の領域にて一対の辺135,136の位置で、一対の平面部11の内面にそれぞれシールされる。また、仕切部130は底部132において、裏側の面の端縁137と端縁138とが底面部12にシールされる。この筒状の仕切部130は、このようにシールされることによって、一対の平面部11の間に設けられ、辺133と辺134が折り線として構成される。その場合、例えば、辺133が包装容器1の収容部20側に向けられる一方で、辺134が把持部40側に向けられる。仕切部130は、折り線として構成される辺133,134の位置が折り畳まれることにより、包装容器1をその前後方向Zにおいて平坦にすることができる。
【0058】
〈把持部〉
把持部40は、仕切部13よりも一方の側端縁側の平面部11の領域を利用して構成されている。この把持部40は、側縁シール部16を備えている。なお、側縁シール部16は、上述したように、一対の平面部11における一方側Sの側端縁同士がヒートシールされた部位である。また、把持部40は、側縁シール部16の位置(一対の平面部11における一方側Sの側端縁)と仕切部13との間で、平面部11に把持用穴41を形成するための切り込み45を備えている。切り込み45の内側は、一方側Sの側端縁側で平面部11につながれている。
【0059】
切り込み45は、一方の側端縁と平行をなす直線部46と、直線部46の上端と下端とにそれぞれつながれた円弧部47,48とにより構成されている。直線部46は、側縁シール部16と一定の距離を空けた位置にて上下に延びている。直線部46の上端につながれている円弧部47は、包装容器1の上側に向けて凸をなし、直線部46から側縁シール部16側に向けて湾曲している。また、直線部46の下端につながれている円弧部48は、包装容器1の下側に向けて凸をなし、直線部46から側縁シール部16側に向けて湾曲している。直線部46及び円弧部47,48からなる切り込み45は、平面部11に指を挿入するための把持用穴41を形成する。
【0060】
上側の円弧部47の先端47aと下側の円弧部48の先端48aとの間は、切り込み45を有しない領域である。切り込み45の内側の領域は、上側円弧部47の先端47aと下側の円弧部48の先端48aとの間で平面部11につながれている。
【0061】
なお、
図1に示した把持部40では、切り込み45が、直線部46と、直線部46の上端と下端とにそれぞれつながれた円弧部47,48とにより構成されている場合を一例として示している。しかしながら、切り込み45の形状は、
図1に示した形状には限定されず、様々な形状を採用することができる。例えば、切り込みは、
図8に示すように形成することもできる。
図8に示す切り込み45aは、直線部46と直線部46の上端と下端とにそれぞれつながれた円弧部47a,48aとにより構成されている。円弧部47aは、2つの円弧が並べられることにより形成されている。同様に、円弧部48aは、2つの円弧が並べられることにより形成されている。
【0062】
(仕切部)
仕切部13は、
図3及び
図4を参照して説明したように、フィルム材で構成されており、包装容器1を上述した収容部20とこの把持部40とに分けている。
図3及び
図4に示した仕切部13は、平面状のフィルム材により構成された形態を1つの例として示したものである。ただし、仕切部は、
図9に示すように、仕切部の一定部分を利用して把持部40の内層を構成するように形成することもできる。
【0063】
図9に示した仕切部60は、筒状のフィルム材により形成されている。この仕切部60は、一対の平面部11の内面同士を接続している接続部61と、一対の平面部11の各々の内面に貼り付けられた内層構成部63とにより構成されている。
【0064】
接続部61は、筒状の仕切部60における周方向の一定の領域を、平面部11の幅方向Xの中間部分で包装容器1の前後方向Zに向け、一対の平面部11同士を接続している。この接続部61は、包装容器1の前後方向Zにおける中央の位置に折り線62を有している。この折り線62は、接続部61を折り線62の位置で折り畳ませている。
【0065】
内層構成部63は、筒状の仕切部60の周方向において、接続部61を除いた領域により構成されている。この内層構成部63は、接続部61の位置から一方側Sの側縁シール部16の位置までの領域で、仕切部60を一対の平面部11の内面に接着することによって構成されている。また、内層構成部63には、平面部11の切り込み45が形成された位置に対応する位置に、切り込み65が形成される。
【0066】
筒状の仕切部60を用いた場合、平面部11における把持部40の領域が2層構造になるので、把持部40の剛性及び強度を高くすることができる。その結果、把持部40を手で掴んで包容容器を持ち上げたとき、把持部40の形状が崩れることなく維持される。
【0067】
なお、把持部40の領域を2層構造にする場合、
図9に示した筒状の仕切部60を用いることには限定されない。把持部40の構造は、例えば、
図3及び
図4を参照して説明した仕切部13のように、仕切部13自体を平面状のフィルム材を用いて構成し、内層構成部63を仕切部13とは別のフィルム材を用い、把持部40の領域で平面部11の内側に貼り付けることによって構成することもできる。
【0068】
〈包装容器を構成する材料〉
包装容器1を構成している平面部11、底面部12及び仕切部13に用いられるフィルム材としては、ヒートシールが可能なフィルム材が用いられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系フィルム等を挙げることができる。これらのフィルムは、単一のフィルムからなる単層フィルムであってもよいし、同種又は異種のフィルムを積層した積層フィルムであってもよいし、基材フィルムの表面にヒートシール性を有するシーラント層を積層した複合フィルムであってもよい。
【0069】
なお、上記したポリエチレンフィルムは、低密度ポリエチレンフィルムであっても、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであっても、これら以外のポリエチレンフィルムであってもよい。また、上記した複合フィルムを構成する基材フィルムとしては、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム又はエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等を挙げることができる。これらのフィルムとしては、二軸延伸フィルムが好ましく用いられる。また、上記したシーラント層を構成する樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はポリプロピレン等のオレフィン系の熱接着樹脂等を挙げることができる。
【0070】
また、フィルムには、さらに酸化ケイ素膜や酸化アルミニウム膜等を積層してもよいし、滑剤や紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤等の各種の添加剤が配合されていてもよい。
【0071】
ただし、包装容器1を構成している平面部11、底面部12及び仕切部13に用いられるフィルム材としては、上記の材料を用いることには限定されず、様々な材料を用いることができる。例えば、複数の層により構成された積層フィルムを用いることもできる。
【0072】
以上の構成を有する包装容器1は、
図10に示すように、収容部20に収容された内容物を注出部30から注出するときに、把持部40を手で掴んで容易に包装容器1を持ち上げると共に傾けることができる。特に、この包装容器1の把持部40は、一対の平面部11における一方側Sの側端縁と仕切部13との間で、平面部11に把持用穴を形成するための切り込み45とを有しているので、把持用穴41に指を入れて包装容器1を掴むことができる。
【0073】
その際、切り込み45の内側の部分は、
図11に示すように、側縁シール部16の周りに巻き込まれる。また、仕切部60を構成している内層構成部63の切り込み65の内側の部分も、同様に、側縁シール部16の周りに巻き込まれる。そのため、包装容器1の一方側Sの側端縁の剛性及び強度を向上させることができる。また、切り込みの内側が上記の側縁シール部16の周囲に巻かれた形態で掴むことができるため、手で掴んだときの感触をよくすることができる。
【0074】
なお、
図11に示す把持部40は、
図9を参照して説明した筒状をなした仕切部60で構成された場合を例に示している。また、
図11において、前面側の平面部11に形成された切り込み45の内側の部分が前面側に折り込まれ、背面側の平面部11に形成された切り込み45の内側の部分が背面側に折り込まれて、切り込み45の内側の部分が側縁シール部16の周りに巻き込まれている。しかし、前面側の平面部11に形成された切り込み45の内側の部分及び背面側の平面部11に形成された切り込み45の内側の部分の両方を前面側又は背面側に折り込むようにして、切り込み45の内側の部分を側縁シール部16の周りに巻き込んでもよい。
【0075】
なお、
図1から
図5に示す形態の包装容器1に関しても、切り込み45の内側の部分は、側縁シール部16の周りに巻き込まれる。例えば、
図12に示すように、切り込み45の内側の部分は、前面側又は背面側の一方の平面部11側に折り込むようにして側縁シール部16の周りに巻き込まれる。ただし、前面側の平面部11に形成された切り込み45の内側の部分が前面側に折り込まれ、背面側の平面部11に形成された切り込み45の内側の部分が背面側に折り込まれて、切り込み45の内側の部分が、側縁シール部16の周りに巻き込まれるように構成することもできる。
【0076】
以上の構成を備えた包装容器1は、包装容器1の形状を維持したまま包装容器1を持ち上げることができる。特に、この包装容器1の把持部40は、一対の平面部11における一方側Sの側端縁同士がシールされたシール部を有しているので、把持部40の剛性と強度が高い。そのため、把持部40を手で掴んで包装容器1を持ち上げて、把持部40に負荷が作用しても、把持部40が変形したり破損したりすることが防止される。