(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496622
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】セラミックス配線基板及び電子部品収納用パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20190325BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20190325BHJP
H01L 23/08 20060101ALI20190325BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20190325BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20190325BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
H01L23/12 D
H01L23/12 N
H01L23/12 301C
H01L23/02 H
H01L23/08 C
H05K1/11 C
H05K3/40 C
H05K3/00 N
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-137405(P2015-137405)
(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公開番号】特開2017-22217(P2017-22217A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2018年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】391039896
【氏名又は名称】NGKエレクトロデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大西 篤
【審査官】
黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平6−196588(JP,A)
【文献】
特開2001−237519(JP,A)
【文献】
特開平9−260565(JP,A)
【文献】
特開2006−86372(JP,A)
【文献】
特開2012−243836(JP,A)
【文献】
特表2014−524671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/02
H01L 23/08
H01L 23/50
H05K 1/11
H05K 3/00
H05K 3/40
H05K 3/10−3/26
H05K 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のセラミックスの積層焼成体からなる絶縁基板にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、該回路配線の一方の端部と接続して前記絶縁基板の上面の少なくとも一つの辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出する前記メタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、該外部接続用端子パッドの先端と接続して更に前記辺の外縁に対して直角方向に延出する前記外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は前記外部接続用端子パッド幅より狭小幅の前記メタライズ膜からなる繋ぎ配線と、該繋ぎ配線のそれぞれの先端と接続して横断しながら前記辺の外縁に対して平行して延出し前記繋ぎ配線のそれぞれを短絡させる前記メタライズ膜からなる連結配線とを設け、前記絶縁基板の外部に露出する前記メタライズ膜上面に電解めっき被膜を設けると共に、前記絶縁基板の前記繋ぎ配線、及び前記連結配線が設けられていた部位に前記電解めっき被膜、及び前記メタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有することを特徴とするセラミックス配線基板。
【請求項2】
複数枚のセラミックスの積層焼成体からなる絶縁基板にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、該回路配線の一方の端部と接続して前記絶縁基板の上面の少なくとも一つの辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出する前記メタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、該外部接続用端子パッドの先端と接続して更に前記辺の外縁に対して直角方向に延出する前記外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は前記外部接続用端子パッド幅より狭小幅の前記メタライズ膜からなる繋ぎ配線と、該繋ぎ配線のそれぞれの先端と接続して横断しながら前記辺の外縁に対して平行して延出し前記繋ぎ配線のそれぞれを短絡させる前記メタライズ膜からなる連結配線と、該連結配線の上面を覆うように前記絶縁基板と同じセラミックスからなるセラミックス膜とを設け、前記絶縁基板の外部に露出する前記メタライズ膜上面に電解めっき被膜を設けると共に、前記絶縁基板の前記繋ぎ配線が設けられていた部位に前記電解めっき被膜、及び前記メタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有することを特徴とするセラミックス配線基板。
【請求項3】
上面に電子部品を載置するための底板体と、該底板体の外周部上面に前記電子部品を囲繞するための枠体とからなる基体と、該基体に組み込まれてなり、対向する先端部のそれぞれを前記枠体の内側と外側に突出する複数枚のセラミックスの積層焼成体からなるセラミックス配線基板を備え、該セラミックス配線基板の上面にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、該回路配線の一方の端部と接続して前記枠体の外側の前記セラミックス配線基板の前記先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出する前記メタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、該外部接続用端子パッドの先端と接続して更に前記先端部外縁に対して直角方向に延出する前記外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は前記外部接続用端子パッド幅より狭小幅の前記メタライズ膜からなる繋ぎ配線と、それぞれの前記繋ぎ配線の先端と接続しながら複数本を横断接続してそれぞれの前記繋ぎ配線を短絡させて前記先端部外縁と平行する前記メタライズ膜からなる連結配線とを設け、前記セラミックス配線基板の外部に露出する前記メタライズ膜上面を含む前記基体の外部に露出する金属部分に電解めっき被膜を設けると共に、前記セラミックス配線基板の前記繋ぎ配線、及び前記連結配線が設けられていた部位に前記電解めっき被膜、及び前記メタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有することを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
【請求項4】
上面に電子部品を載置するための底板体と、該底板体の外周部上面に前記電子部品を囲繞するための枠体とからなる基体と、該基体に組み込まれてなり、対向する先端部のそれぞれを前記枠体の内側と外側に突出する複数枚のセラミックスの積層焼成体からなるセラミックス配線基板を備え、該セラミックス配線基板の上面にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、該回路配線の一方の端部と接続して前記枠体の外側の前記セラミックス配線基板の前記先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出する前記メタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、該外部接続用端子パッドの先端と接続して更に前記先端部外縁に対して直角方向に延出する前記外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は前記外部接続用端子パッド幅より狭小幅の前記メタライズ膜からなる繋ぎ配線と、それぞれの前記繋ぎ配線の先端と接続しながら複数本を横断接続してそれぞれの前記繋ぎ配線を短絡させて前記先端部外縁と平行する前記メタライズ膜からなる連結配線と、該連結配線の上面に前記セラミックス配線基板のセラミックスと同じセラミックスからなるセラミックス膜とを設け、前記セラミックス配線基板の外部に露出する前記メタライズ膜上面を含む前記基体の外部に露出する金属部分に電解めっき被膜が設けられた前記セラミックス配線基板の前記繋ぎ配線が設けられていた部位に前記電解めっき被膜、及び前記メタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有することを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部との電気的導通を図るためのセラミックス配線基板の外部接続用端子パッドに金属板のタイバーを備えるリード端子が取り付けられないリードレスのセラミックス配線基板、及び基体及び/又は枠体にリードレスのセラミックス配線基板を用いてなる電子部品収納用パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセラミックス配線基板は、通常、外部接続用端子パッドを構成するメタライズ膜を含むセラミックス配線基板の外部に露出している回路配線等のメタライズ膜上に無電界めっき手法で後述するリード端子のろう付け接合のための第1のNiめっき被膜を形成している。あるいは、従来のセラミックス配線基板は、大型基板に個片体のセラミックス配線基板が複数個配列する多数個取り基板として形成する場合には、大型基板の外周辺部からそれぞれの個片体までめっき用引き回し配線を介しての電界めっき手法で第1のNiめっき被膜を形成した後、個片体に分割することもできる。このセラミックス配線基板には、メタライズ膜上に第1のNiめっき被膜が形成された外部接続用端子パッド上にAgCuろう等のろう材を介して金属板のタイバーを備える複数のリード端子の先端部分をバタフライ型に当接し、加熱することでろう付け接合している。この金属板のタイバーを備えるリード端子は、熱膨張係数がセラミックスと近似するFe−Ni−Co系や、Fe−Ni系等の合金金属板が用いられている。
【0003】
上記のセラミックス配線基板は、外部に露出している回路配線等のメタライズ膜上の第1のNiめっき被膜上に、リード端子の金属板のタイバーを介して電界めっき手法で第2のNiめっき被膜及びこの上にAuめっき被膜を形成している。更に、このセラミックス配線基板は、金属板のタイバーをリード端子から切断除去することで、それぞれのリード端子を介してそれぞれの回路配線が独立して外部と電気的導通が形成できるようにしている。上記の電界めっき手法は、形成されるめっき被膜の厚みバラツキが小さく、安定した所望厚みのめっき被膜を形成できるので、タイバーを介しての回路配線等への電界めっきはセラミックス配線基板にとって非常に重要な手法となっている。上記のようなセラミックス配線基板は、半導体素子等の電子部品を搭載させ様々な電子装置に組み込んで用いられている。また、上記のようなセラミックス配線基板は、後述する電子部品収納用パッケージを構成するための一部材として、他の部材と組み合わせて用いられている。
【0004】
上記のセラミックス配線基板を組み込んで用いる電子部品収納用パッケージは、セラミックス配線基板と金属部材との組み合わせであるので、セラミックス配線基板の外部に露出しているメタライズ膜部分に無電界めっき手法で金属製のリード端子を含む金属部材をろう付け接合のための第1のNiめっき被膜を形成している。そして、セラミックス配線基板は、メタライズ膜上に設ける第1のNiめっき被膜上にAgCuろう等のろう材を介して金属製のリード端子を含む金属部材を当接し加熱してろう付け接合することで電子部品収納用パッケージを形成している。更に、この電子部品収納用パッケージは、パッケージの外部に露出している金属部分に、金属製のリード端子のタイバーを介して電界めっき手法で第2のNiめっき被膜及びこの上にAuめっき被膜を形成した後、タイバーをリード端子から切断除去することで、それぞれのリード端子と接続するそれぞれの回路配線を独立状態としている。
【0005】
このセラミックス配線基板を組み込んで用いる電子部品収納用パッケージは、基体に電子部品を搭載すると共に、電子部品とセラミックス配線基板に設ける回路配線の内部接続用端子パッドをボンディングワイヤ等で接続することで、電子部品とリード端子との電気的導通状態を形成している。このような電子部品収納用パッケージは、これを用いる近年の様々な用途の電子機器の小型化に伴い、外形形状の小型化が求められている。特に、通信用の送受信レーザーモジュール用としてセラミックス配線基板を組み込んで形成する電子部品収納用パッケージには、セラミックス配線基板に取り付けられるリード端子がバタフライ型からSFP(Small Form−factor Pluggable)、XFP(10Gigabit Small Form−factor Pluggable)といった規格準拠のセラミックス配線基板の一方方向のみに金属製のリード端子を取り付けた小型で、光通信の伝送スピードを10Gbit/sec程度に対応できるパッケージが既に用いられている。更には、ここ最近では、電子部品収納用パッケージには、光通信の伝送スピードを100Gbit/sec程度に対応できるCFP(100Gigabit Small Form−factor Pluggable)規格に準拠できる集積モジュールの開発も進んできている。
【0006】
上記の送受信レーザーモジュール用としての電子部品収納用パッケージは、電子部品収納用パッケージに組み込まれているセラミックス配線基板の外形形状の小型化の対応が急務となっている。これに対応するために、電子部品収納用パッケージは、セラミックス配線基板の外形形状の小型化により、隣接する外部接続用端子パッド間のピッチ、外部接続用端子パッドの幅を小さくすると共に、金属製のリード端子幅、リード端子間ピッチを小さくしている。しかしながら、金属製のリード端子幅の狭小化には、金属強度の問題から限界があり、パッケージの外形形状の小型化に限界をもたらしている。また、電子部品収納用パッケージには、外部接続用端子パッドとの接続にFPC(Flexible Printed Circuit)基板を用い、第2のNiめっき被膜及びこの上にAuめっき被膜が施された外部接続用端子パッドに半田付け接合することがでてきている。このような場合の電子部品収納用パッケージは、金属板のタイバーを備えるリード端子が存在せず、タイバーを介しての電界めっき手法による第2のNiめっき被膜及びこの上にAuめっき被膜を形成することができない形態となって、FPC基板の半田付け接合ができない状態となっている。従って、リード端子が接合されていない電子部品収納用パッケージの場合には、基体、枠体、及びセラミックス配線基板の外部に露出している金属部分に、無電解めっき手法で第2のNiめっき被膜、更にこの上に無電解めっき手法でAuめっき被膜を形成している。
【0007】
従来の電子部品収納用パッケージには、上面に半導体素子を搭載する搭載領域を有する基体と、搭載領域を囲むように基体の上面に設けられた枠状部および枠状部の内側から枠状部の外側までを貫通する開口部を有する枠体と、開口部に設けられ、枠体の内側から枠体の外側にまで延在された平板状の絶縁部材と、絶縁部材の上面に設けられ、枠体の内側から枠体の外側にまで延在された複数の配線導体と、絶縁部材の上面であって枠体の外側に設けられ、複数の配線導体を取り囲む連続した金属膜と、を備えるのが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この電子部品収納用パッケージは、絶縁部材の上面に設けられる複数の配線導体にリード端子を接合しなくてもよい電子部品収納用パッケージが提供できるとしている。
【0008】
従来のめっき処理用タイバーには、複数個のキャビティ部間に多数配線されているセラミックス基板の内部配線の露出部を接続しておくためのめっき処理用タイバーにおいて、各内部配線に対する接続部の幅を内部配線の幅よりも小さく設定するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このめっき処理用タイバーは、電解めっき処理を終えた後、各内部配線をレーザトリミングにより切断してタイバーと切り離す際、レーザトリミングにより内部配線の一部が滓として流出又は飛散し、この滓に起因して内部配線同士や内部配線とタイバーとの絶縁性が不良となるのを防止できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5537736号公報
【特許文献2】特開平9−260565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前述したような従来のセラミックス配線基板及び電子部品収納用パッケージは、次のような問題がある。
(1)セラミックス配線基板及び電子部品収納用パッケージが外部接続用端子パッドに金属製のタイバーを備えたリード端子を接合しないリードレスのセラミックス配線基板及び電子部品収納用パッケージの場合には、それぞれの外部接続用端子パッドを電気的に導通状態とすることができるタイバーを介しての電解めっき手法を用いることができず、無電解めっき手法でNiや、Auめっき被膜を形成しているので、メタライズ膜を含む金属部材へのめっき被膜の密着強度が低下したり、めっき被膜厚みバラツキが増大したりしてめっき被膜状態が不安定となり、FPC基板の半田付け接合、半導体素子等の電子部品の接合、ボンディングワイヤの接合等の接合信頼性が低いという問題が発生している。また、無電解めっき手法は、設備費用、ランニングコスト、メンテナンスコスト等が高く掛かり、セラミックス配線基板及び電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。
(2)特許第5537736号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、セラミックス配線基板に設ける複数の配線導体を取り囲む連続した連結配線の金属膜が表面にむき出し状態となっているので、リード端子が連結配線に接触してショートする可能性がある。
(3)特開平9−260565号公報で開示されるようなめっき処理用タイバーは、回路配線から延出する繋ぎ配線部で切り離した連結配線が表面にむき出し状態となっているので、リード端子が連結配線に接触して電気的な短絡を起こす可能性がある。
【0011】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、めっき被膜状態を安定化でき、連結配線での電気的な短絡を防止する安価なリードレスのセラミックス配線基板及び電子部品収納用パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的に沿う本発明に係るセラミックス配線基板は、複数枚のセラミックスの積層焼成体からなる絶縁基板にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、回路配線の一方の端部と接続して絶縁基板の上面の少なくとも一つの辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出するメタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、外部接続用端子パッドの先端と接続して更に辺の外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド幅より狭小幅の前記メタライズ膜からなる繋ぎ配線と、繋ぎ配線のそれぞれの先端と接続して横断しながら辺の外縁に対して平行して延出し繋ぎ配線のそれぞれを短絡させるメタライズ膜からなる連結配線とを設け、絶縁基板の外部に露出するメタライズ膜上面に電解めっき被膜を設けると共に、絶縁基板の繋ぎ配線、及び連結配線が設けられていた部位に電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有する。
【0013】
前記目的に沿う本発明に係る他のセラミックス配線基板は、複数枚のセラミックスの積層焼成体からなる絶縁基板にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、回路配線の一方の端部と接続して絶縁基板の上面の少なくとも一つの辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出するメタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、外部接続用端子パッドの先端と接続して更に辺の外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線と、繋ぎ配線のそれぞれの先端と接続して横断しながら辺の外縁に対して平行して延出し繋ぎ配線のそれぞれを短絡させるメタライズ膜からなる連結配線と、連結配線の上面を覆うように絶縁基板と同じセラミックスからなるセラミックス膜とを設け、絶縁基板の外部に露出するメタライズ膜上面に電解めっき被膜を設けると共に、絶縁基板の繋ぎ配線が設けられていた部位に電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有する。
【0014】
前記目的に沿う本発明に係る電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品を載置するための底板体と、底板体の外周部上面に電子部品を囲繞するための枠体とからなる基体と、基体に組み込まれてなり、対向する先端部のそれぞれを枠体の内側と外側に突出する複数枚のセラミックスの積層焼成体からなるセラミックス配線基板を備え、セラミックス配線基板の上面にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、回路配線の一方の端部と接続して枠体の外側のセラミックス配線基板の先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出するメタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、外部接続用端子パッドの先端と接続して更に先端部外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線と、それぞれの繋ぎ配線の先端と接続しながら複数本を横断接続してそれぞれの繋ぎ配線を短絡させて先端部外縁と平行するメタライズ膜からなる連結配線とを設け、セラミックス配線基板の外部に露出するメタライズ膜上面を含む基体の外部に露出する金属部分に電解めっき被膜を設けると共に、セラミックス配線基板の繋ぎ配線、及び連結配線が設けられていた部位に電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有する。
【0015】
前記目的に沿う本発明に係る他の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品を載置するための底板体と、底板体の外周部上面に電子部品を囲繞するための枠体とからなる基体と、基体に組み込まれてなり、対向する先端部のそれぞれを枠体の内側と外側に突出する複数枚のセラミックスの積層焼成体からなるセラミックス配線基板を備え、セラミックス配線基板の上面にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、回路配線の一方の端部と接続して枠体の外側のセラミックス配線基板の先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出するメタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、外部接続用端子パッドの先端と接続して更に先端部外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線と、それぞれの繋ぎ配線の先端と接続しながら複数本を横断接続してそれぞれの繋ぎ配線を短絡させて先端部外縁と平行するメタライズ膜からなる連結配線と、連結配線の上面にセラミックス配線基板のセラミックスと同じセラミックスからなるセラミックス膜とを設け、セラミックス配線基板の外部に露出するメタライズ膜上面を含む基体の外部に露出する金属部分に電解めっき被膜が設けられたセラミックス配線基板の繋ぎ配線が設けられていた部位に電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有する。
【発明の効果】
【0016】
上記のセラミックス配線基板は、複数枚のセラミックスの積層焼成体からなる絶縁基板にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、回路配線の一方の端部と接続して絶縁基板の上面の少なくとも一つの辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出するメタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、外部接続用端子パッドの先端と接続して更に辺の外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド幅より狭小幅の前記メタライズ膜からなる繋ぎ配線と、繋ぎ配線のそれぞれの先端と接続して横断しながら辺の外縁に対して平行して延出し繋ぎ配線のそれぞれを短絡させるメタライズ膜からなる連結配線とを設け、絶縁基板の外部に露出するメタライズ膜上面に電解めっき被膜を設けると共に、絶縁基板の繋ぎ配線、及び連結配線が設けられていた部位に電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有するので、レーザースクライブ痕を設ける前の連結配線によって回路配線、外部接続用端子パッド、及び繋ぎ配線の全てが電気的に導通状態となり、絶縁基板の外部に露出する何れかの部位のメタライズ膜に電界めっき用の通電用端子を当接させることで絶縁基板の外部に露出するメタライズ膜上面を電解めっき手法で安価でバラツキの少ない安定した厚みのめっき被膜とすることができる。また、このセラミックス配線基板は、外部接続用端子パッドにFPC基板を接合させる場合には、繋ぎ配線、及び連結配線が設けられていた部位がレーザースクライブ痕によってセラミックスの絶縁状態となっているので、連結配線に接触しての配線間での電気的な短絡を防止することができる。
【0017】
上記の他のセラミックス配線基板は、複数枚のセラミックスの積層焼成体からなる絶縁基板にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、回路配線の一方の端部と接続して絶縁基板の上面の少なくとも一つの辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出するメタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、外部接続用端子パッドの先端と接続して更に辺の外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線と、繋ぎ配線のそれぞれの先端と接続して横断しながら辺の外縁に対して平行して延出し繋ぎ配線のそれぞれを短絡させるメタライズ膜からなる連結配線と、連結配線の上面を覆うように絶縁基板と同じセラミックスからなるセラミックス膜とを設け、絶縁基板の外部に露出するメタライズ膜上面に電解めっき被膜を設けると共に、絶縁基板の繋ぎ配線が設けられていた部位に電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有するので、レーザースクライブ痕を設ける前の連結配線によって回路配線、外部接続用端子パッド、及び繋ぎ配線の全てが電気的に導通状態となり、絶縁基板の外部に露出する何れかの部位のメタライズ膜に電界めっき用の通電用端子を当接させることで絶縁基板の外部に露出するメタライズ膜上面を電解めっき手法で安価でバラツキの少ない安定した厚みのめっき被膜とすることができる。また、このセラミックス配線基板は、外部接続用端子パッドにFPC基板を接合させる場合には、繋ぎ配線が設けられていた部位がレーザースクライブ痕によってセラミックスの絶縁状態となっていると共に、連結配線の上面にセラミックス膜を設けているので、連結配線に接触しての配線間での電気的な短絡を防止することができる。
【0018】
上記の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品を載置するための底板体と、底板体の外周部上面に電子部品を囲繞するための枠体とからなる基体と、基体に組み込まれてなり、対向する先端部のそれぞれを枠体の内側と外側に突出する複数枚のセラミックスの積層焼成体からなるセラミックス配線基板を備え、セラミックス配線基板の上面にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、回路配線の一方の端部と接続して枠体の外側のセラミックス配線基板の先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出するメタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、外部接続用端子パッドの先端と接続して更に先端部外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線と、それぞれの繋ぎ配線の先端と接続しながら複数本を横断接続してそれぞれの繋ぎ配線を短絡させて先端部外縁と平行するメタライズ膜からなる連結配線とを設け、セラミックス配線基板の外部に露出するメタライズ膜上面を含む基体の外部に露出する金属部分に電解めっき被膜を設けると共に、セラミックス配線基板の繋ぎ配線、及び連結配線が設けられていた部位に電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有するので、セラミックス配線基板にレーザースクライブ痕を設ける前の連結配線によって回路配線、外部接続用端子パッド、及び繋ぎ配線の全てが電気的に導通状態となり、セラミックス配線基板の外部に露出する何れかの部位の金属部分と、基体が金属製からなる場合にはこれに電界めっき用の通電用端子を当接させることで基体、及びセラミックス配線基板の外部に露出する金属部分の上面を電解めっき手法で安価でバラツキの少ない安定した厚みのめっき被膜とすることができる。また、この電子部品収納用パッケージは、セラミックス配線基板の外部接続用端子パッドにFPC基板を接合させる場合には、繋ぎ配線、及び連結配線が設けられていた部位がレーザースクライブ痕によってセラミックスの絶縁状態となっており、連結配線に接触しての配線間での電気的な短絡を防止することができる。
【0019】
上記の他の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品を載置するための底板体と、底板体の外周部上面に電子部品を囲繞するための枠体とからなる基体と、基体に組み込まれてなり、対向する先端部のそれぞれを枠体の内側と外側に突出する複数枚のセラミックスの積層焼成体からなるセラミックス配線基板を備え、セラミックス配線基板の上面にメタライズ膜からなる複数本の回路配線と、回路配線の一方の端部と接続して枠体の外側のセラミックス配線基板の先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出するメタライズ膜からなる外部接続用端子パッドとを有し、外部接続用端子パッドの先端と接続して更に先端部外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線と、それぞれの繋ぎ配線の先端と接続しながら複数本を横断接続してそれぞれの繋ぎ配線を短絡させて先端部外縁と平行するメタライズ膜からなる連結配線と、連結配線の上面にセラミックス配線基板のセラミックスと同じセラミックスからなるセラミックス膜とを設け、セラミックス配線基板の外部に露出するメタライズ膜上面を含む基体の外部に露出する金属部分に電解めっき被膜が設けられたセラミックス配線基板の繋ぎ配線が設けられていた部位に電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕を有するので、セラミックス配線基板にレーザースクライブ痕を設ける前の連結配線によって回路配線、外部接続用端子パッド、及び繋ぎ配線の全てが電気的に導通状態となり、セラミックス配線基板の外部に露出する何れかの部位の金属部分と、基体が金属製からなる場合にはこれに電界めっき用の通電用端子を当接させることで基体、及びセラミックス配線基板の外部に露出する金属部分の上面を電解めっき手法で安価でバラツキの少ない安定した厚みのめっき被膜とすることができる。また、この電子部品収納用パッケージは、セラミックス配線基板の外部接続用端子パッドにFPC基板を接合させる場合には、繋ぎ配線が設けられていた部位がレーザースクライブ痕によってセラミックスの絶縁状態となっていると共に、連結配線の上面にセラミックス膜を設けていることで絶縁状態となっており、連結配線に接触しての配線間での電気的な短絡を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るセラミックス配線基板の平面図、A−A’線縦断面図である。
【
図2】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る他のセラミックス配線基板の平面図、B−B’線縦断面図である。
【
図3】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用パッケージの平面図、C−C’線縦断面図である。
【
図4】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る他の電子部品収納用パッケージの平面図、D−D’線縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミックス配線基板10は、複数枚のセラミックスの積層焼成体からなる絶縁基板で構成されている。このセラミックス配線基板10は、絶縁基板の上面にメタライズ膜からなる複数本の回路配線11と、この回路配線11の一方の端部と接続して矩形状の絶縁基板の上面の少なくとも一つの辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出する上記と同じメタライズ膜からなる外部接続用端子パッド12とを有している。このセラミックス配線基板10には、外部接続用端子パッド12の先端と接続して上記の辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して更に延出する外部接続用端子パッド12幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド12幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線13を設けている。更に、このセラミックス配線基板10には、繋ぎ配線13のそれぞれの先端と接続して横断しながら上記の辺の外縁に対して平行して延出し複数本の繋ぎ配線13のそれぞれを短絡させるメタライズ膜からなる連結配線14を設けている。セラミックス配線基板10は、この連結配線14によって、複数本の全ての回路配線11、外部接続用端子パッド12、及び繋ぎ配線13が電気的に導通状態となっている。
【0022】
上記のセラミックス配線基板10は、絶縁基板の外部に露出する回路配線11、外部接続用端子パッド12、繋ぎ配線13、連結配線14のメタライズ膜上面に電解めっき手法で電界めっき被膜を設けている。これと共に、めっき被膜が形成されたセラミックス配線基板10は、絶縁基板の繋ぎ配線13、及び連結配線14が設けられていた部位に絶縁基板から電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除して絶縁基板にまで食い込まれたレーザースクライブ痕15を有している。このセラミックス配線基板10は、このレーザースクライブ痕15によって複数本の全ての回路配線11、及び外部接続用端子パッド12が互いに電気的に断線状態となっている。上記のセラミックス配線基板10は、絶縁基板の外部に露出する外部接続用端子パッド12を含む全ての回路配線11のメタライズ膜上面のめっき被膜が電解めっき手法で形成されているので、めっき被膜の厚みバラツキの少ない安定しためっき被膜となっている。
【0023】
上記のセラミックス配線基板10の作製では、通常、絶縁基板に複数枚のアルミナ(Al
2O
3)等のセラミックスからなるセラミックグリーンシートを用いている。セラミックグリーンシートのそれぞれの所定位置には、図示しないが、上、下層で電気的導通を形成するためのビア用貫通孔や、場合によっては半導体素子等の電子部品を収納させるためのキャビティ部用の矩形状貫通孔、上、下層を段差状とするための切り欠き等を形成している。次に、それぞれのセラミックグリーンシートには、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなるメタライズペーストを用いるスクリーン印刷でビア用の貫通孔に孔埋め印刷や、それぞれのセラミックグリーンシートの表面にメタライズ膜用のパターン印刷を行っている。このメタライズ膜用のパターン印刷では、上面が外部に露出するセラミックグリーンシートに、前記の回路配線11、これと接続する外部接続用端子パッド12、繋ぎ配線13、及び連結配線14用のパターン印刷を行っている。また、このメタライズ膜用のパターン印刷では、中、下層用のセラミックグリーンシートにも、上記のビアを介して電気的導通ができる回路配線11用のパターン印刷を行っている。そして、それぞれのセラミックグリーンシートは、重ね合わせて温度と、圧力を掛けて積層して積層体にした後、還元性雰囲気中でメタライズと同時焼成してメタライズ膜を設けた絶縁基板を作製している。
【0024】
次に、セラミックス配線基板10の作製では、絶縁基板の外部に露出する回路配線11、外部接続用端子パッド12、繋ぎ配線13、連結配線14のメタライズ膜上面の何れか1、又は複数箇所に電界めっき用の通電用端子を当接させた状態で、電界めっき浴中で通電する電解めっき手法で絶縁基板の外部に露出するメタライズ膜上面にNiや、Au等のめっき被膜を設けている。そして、めっき被膜が形成された絶縁基板には、繋ぎ配線13、及び連結配線14が設けられていた部位の電解めっき被膜、及びメタライズ膜をYAGレーザーや、CO
2レーザー等で削除するレーザースクライブ痕15を設けることで、セラミックス配線基板10を作製している。
【0025】
図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る他のセラミックス配線基板10aは、前記のセラミックス配線基板10の場合と同様に、複数枚のセラミックスの積層焼成体からなる絶縁基板で構成されている。このセラミックス配線基板10aは、セラミックス配線基板10の場合と同様に、絶縁基板の上面にメタライズ膜からなる複数本の回路配線11と、この回路配線11の一方の端部と接続して矩形状の絶縁基板の上面の少なくとも一つの辺の外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出する上記と同じメタライズ膜からなる外部接続用端子パッド12とを有している。このセラミックス配線基板10aには、外部接続用端子パッド12の先端と接続して更に辺の外縁に対して直角方向に延出する外部接続用端子パッド12幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド12幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線13を設けている。また、このセラミックス配線基板10aには、繋ぎ配線13のそれぞれの先端と接続して横断しながら上記の辺の外縁に対して平行して延出し繋ぎ配線13のそれぞれを短絡させるメタライズ膜からなる連結配線14を設けている。更には、このセラミックス配線基板10aには、連結配線14の上面を覆うようにして絶縁基板と同じセラミックスからなるセラミックス膜16を設けている。セラミックス配線基板10aは、連結配線14によって、複数本の全ての回路配線11、外部接続用端子パッド12、及び繋ぎ配線13が電気的に導通状態となっている。
【0026】
上記のセラミックス配線基板10aは、絶縁基板の外部に露出する回路配線11、外部接続用端子パッド12、及び繋ぎ配線13のメタライズ膜上面に電解めっき手法で電界めっき被膜を設けると共に、絶縁基板の繋ぎ配線13が設けられていた部位に絶縁基板から電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除して絶縁基板にまで食い込まれたレーザースクライブ痕15を有している。セラミックス配線基板10aは、このレーザースクライブ痕15によって複数本の全ての回路配線11、及び外部接続用端子パッド12が互いに電気的に断線状態となっている。また、上記のセラミックス配線基板10aは、絶縁基板の外部に露出する外部接続用端子パッド12を含む全ての回路配線11のメタライズ膜上面のめっき被膜が電解めっき手法で形成されているので、めっき被膜の厚みバラツキの少ない安定しためっき被膜となっている。
【0027】
上記のセラミックス配線基板10aの作製では、前記のセラミックス配線基板10の作製の場合と同様に、通常、絶縁基板に複数枚のアルミナ等のセラミックスからなるセラミックグリーンシートを用いている。セラミックグリーンシートのそれぞれの所定位置には、セラミックス配線基板10の作製の場合と同様に、上、下層で電気的導通を形成するためのビア用貫通孔や、場合によっては半導体素子等の電子部品を収納させるためのキャビティ部用の矩形状貫通孔、上、下層を段差状とするための切り欠き等を形成している。次に、それぞれのセラミックグリーンシートには、タングステンや、モリブデン等の高融点金属からなるメタライズペーストを用いるスクリーン印刷でビア用の貫通孔に孔埋め印刷や、それぞれのセラミックグリーンシートの表面にメタライズ膜用のパターン印刷を行っている。このメタライズ膜用のパターン印刷では、上面が外部に露出するセラミックグリーンシートに、前記の回路配線11、これと接続する外部接続用端子パッド12、繋ぎ配線13、及び連結配線14用のパターン印刷を行っている。また、このメタライズ膜用のパターン印刷では、中、下層用のセラミックグリーンシートにも、上記のビアを介して電気的導通ができる回路配線11用のパターン印刷を行っている。更には、連結配線14の上面には、連結配線14の全てが覆い隠すことができる絶縁基板と同じセラミックスのセラミックスペーストを用いるスクリーン印刷でセラミックス膜16用のパターン印刷を行っている。そして、それぞれのセラミックグリーンシートは、重ね合わせて温度と、圧力を掛けて積層して積層体にした後、還元性雰囲気中でメタライズと同時焼成してメタライズ膜と、セラミックス膜16を設けた絶縁基板を作製している。
【0028】
このセラミックス配線基板10aの作製では、次に、絶縁基板の外部に露出する回路配線11、外部接続用端子パッド12、繋ぎ配線13のメタライズ膜上面の何れか1、又は複数箇所に電界めっき用の通電用端子を当接させた状態で、電界めっき浴中で通電する電解めっき手法で絶縁基板の外部に露出するメタライズ膜上面にNiや、Au等のめっき被膜を設けている。そして、めっき被膜が形成された絶縁基板には、繋ぎ配線13が設けられていた部位の電解めっき被膜、及びメタライズ膜をYAGレーザーや、CO
2レーザー等で削除するレーザースクライブ痕15を設けることで、セラミックス配線基板10aを作製している。
【0029】
なお、上記のセラミックス配線基板10、10aは、通常、外部接続用端子パッド12に金属製のリード端子がろう付け接合されないリードレスの基板として使用している。また、上記のセラミックス配線基板10、10aは、外部接続用端子パッド12にFPC(Flexible Printed Circuit)基板を半田接合して使用する場合が生じたしても、流れ出る半田が外部接続用端子パッド12と接合する以外は接合するところが存在せず、外部接続用端子パッド12を含む回路配線11のそれぞれが独立した電気的導通状態を確保することができる。
【0030】
次に、
図3(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用パッケージを説明する。
図3(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用パッケージ20は、上面に電子部品を載置させるための搭載部を有する底板体21と、底板体21の外周部上面に電子部品を囲繞するための枠体22とからなる基体23と、この基体23に組み込まれてなり、対向する先端部のそれぞれを枠体22の内側と外側に突出する複数枚のセラミックスの積層焼成体からなるセラミックス配線基板30を備えている。
【0031】
このセラミックス配線基板30を備える電子部品収納用パッケージ20は、これを構成する形態を特に限定するものではないが、通常、基体23がセラミックスと熱膨張係数が近似するFe−Ni−Co系合金や、Fe−Ni系合金等からなる金属製、セラミックス配線基板30がアルミナ等からなるセラミックス製で構成されている。この金属製の基体23と、セラミックス配線基板30で構成する電子部品収納用パッケージ20は、セラミックス配線基板30の高い寸法精度が必要であると共に、セラミックス配線基板30の外形形状を寸法精度の高い金属製の基体23に追随させる必要があるので、積層焼成体のセラミックス配線基板30を切削加工することによって形成している。なお、ここで用いるセラミックス配線基板30は、対向する先端部のそれぞれを枠体22の内側と外側に突出させて金属製の基体23にろう付け接合させる必要があるので、後述する回路配線31が直接金属製の枠体22に接触するのを回避する必要があり、回路配線31を横断するようにしてセラミックス製の土手32を設けている。
【0032】
そして、セラミックス配線基板30と金属製の基体23を接合させるには、基体23と当接する部分のセラミックス配線基板30のメタライズ膜部分を含む回路配線31等の外部に露出している全てのメタライズ膜部分に無電界めっき手法で第1のNiめっき被膜を設けている。次いで、セラミックス配線基板30と基体23は、底板体21と枠体22が直接当接する部分と、基体23とセラミックス配線基板30が直接当接する部分である上面に第1のNiめっき被膜が施されたメタライズ膜部分と、の間にAgCuろう等のろう材を設けて加熱することでろう付け接合することで接合体を形成している。そして、この接合体には、基体23、及びセラミックス配線基板30の外部に露出している金属部分に、電界めっき用の通電用端子を当接させた状態で電界めっき浴中で通電する電解めっき手法で、第2のNiめっき被膜及びこの上にAuめっき被膜が設けることで電子部品収納用パッケージ20を形成している。
【0033】
上記の電子部品収納用パッケージ20は、基体23が金属製、セラミックス配線基板30がセラミックス製で構成されるもので説明したが、これ以外に、基体23を含めて全てがセラミックス配線基板30で構成されるものであってもよい。この場合には、電子部品収納用パッケージ20は、セラミックス製の底板体21の裏面に金属製のヒートシンク板を貼り付ける形態となっている。あるいは、電子部品収納用パッケージ20は、底板体21の一部に開口部を設け、底板体21の裏面に金属製のヒートシンク板を貼り付ける形態となっている。
【0034】
上記の電子部品収納用パッケージ20は、枠体22の内側に設けるセラミックス配線基板30にタングステンや、モリブデン等の高融点金属のメタライズ膜からなる複数本の回路配線31と、この回路配線31の一方の端部と接続して枠体22の外側に設けるセラミックス配線基板30の先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出する上記と同じメタライズ膜からなる外部接続用端子パッド33とを有している。この電子部品収納用パッケージ20には、外部接続用端子パッド33の先端と接続して更に上記の枠体22の外側に設けるセラミックス配線基板30の先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して更に延出する外部接続用端子パッド33幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド33幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線34を設けている。更に、この電子部品収納用パッケージ20には、それぞれの繋ぎ配線34の先端と接続しながら複数本を横断接続してそれぞれの繋ぎ配線34を短絡させて枠体22の外側に設けるセラミックス配線基板30の先端部外縁と平行する上記のメタライズ膜と同じメタライズ膜からなる連結配線35を設けている。電子部品収納用パッケージ20に用いるセラミックス配線基板30は、この連結配線35によって、複数本の全ての回路配線31、外部接続用端子パッド33、及び繋ぎ配線34が電気的に導通状態となっている。
【0035】
上記の電子部品収納用パッケージ20は、セラミックス配線基板30の外部に露出する回路配線31、外部接続用端子パッド33、繋ぎ配線34、連結配線35のメタライズ膜上面を含む基体23の外部に露出する金属部分に電解めっき手法で第2のNi、この上面にAuの電界めっき被膜を設けている。この電解めっき手法による電界めっき被膜は、セラミックス配線基板30の外部に露出する回路配線31、外部接続用端子パッド33、繋ぎ配線34、連結配線35のメタライズ膜上面の何れか1、又は複数箇所、及び基体23の何れかの部位に電界めっき用の通電用端子を当接させた状態で、電界めっき浴中で通電することで設けている。この電界めっき手法による第2のNiめっき被膜、この上面のAuめっき被膜の形成と共に、電子部品収納用パッケージ20は、めっき被膜が形成されたセラミックス配線基板30の繋ぎ配線34、及び連結配線35が設けられていた部位のAuめっき被膜、この下面の第2のNiめっき被膜、及び第2のNiめっき被膜の下面のメタライズ膜の全てをYAGレーザーや、CO
2レーザー等で削除してセラミックス配線基板30の内部にまで食い込まれたレーザースクライブ痕36を有している。この電子部品収納用パッケージ20は、セラミックス配線基板30に設けたレーザースクライブ痕36によって回路配線31、及びこれに繋がっている外部接続用端子パッド33の複数本の全てが電気的に独立状態となっている。上記の電子部品収納用パッケージ20は、セラミックス配線基板30の外部に露出する外部接続用端子パッド33を含む全ての回路配線31のメタライズ膜上面のめっき被膜、及び基体23に設けるめっき被膜が電解めっき手法で形成されているので、外部に露出する金属部分へのめっき被膜の密着強度が高く、めっき被膜の厚みバラツキの少ない安定しためっき被膜となっている。
【0036】
上記の電子部品収納用パッケージ20は、基体23の底板体21に電子部品を搭載すると共に、電子部品とセラミックス配線基板30に設ける回路配線31の内部接続用端子パッドをボンディングワイヤ等で接続することで、電子部品と外部接続用端子パッド33との電気的導通状態を形成している。このような電子部品収納用パッケージ20は、これを用いる近年の様々な用途の電子機器の小型化に伴い、外形形状の小型化が求められているが金属製のリード端子を用いることでリード端子幅、リード端子間ピッチの制約から小型化に限界があった。しかしながら、この電子部品収納用パッケージ20は、外部接続用端子パッド33との接続をFPC基板を用いることで、金属製のリード端子の必要がなくなり、外部接続用端子パッド33幅、及びパッド間のピッチを狭くでき、セラミックス配線基板30の外形形状を小さくしてパッケージの外形形状の小型化に対応できる。また、この電子部品収納用パッケージ20は、セラミックス配線基板30の繋ぎ配線34、及び連結配線35が設けられていた部位の電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕36によって、外部接続用端子パッド33にFPC基板を半田付け接合するときの溶融した半田の流れ出しを外部接続用端子パッド33内で止めることができる。
【0037】
この電子部品収納用パッケージ20には、基体23を構成する底板体21の上面に、図示しないが、励起光源用のレーザーダイオードと、光検出用のフォトダイオードの電子部品が搭載されると共に、この電子部品と、基体23内のセラミックス配線基板30に設ける回路配線31の内部接続用端子パッドとの間をボンディングワイヤ等で接続することで、電子部品と、外部接続用端子パッド33、更に、FPC基板との間に電気的な導通状態が形成されるようになっている。これと併せて、この電子部品収納用パッケージ20には、図示しないが、枠体22の壁面に設ける貫通孔に、中心部にレンズを嵌め込んだ筒状の金属製固定部材がAu−Sn等の低温ろう材で接合され、この金属製固定部材にレーザー装置の先端部をレーザー光と光半導体素子との軸線を正確に合わせながらYAG等のレーザーでスポット溶接して取り付けている。そして、この電子部品収納用パッケージ20は、レーザー光で送信されてくる光信号をフォトダイオードで受信して正確に電気信号に変換してボンディングワイヤ、及びFPC基板を介して装置に送ったり、装置から出た電気信号をFPC基板、及びボンディングワイヤを介してレーザーダイオードで受信して正確にレーザー光に変換して筒状の金属製固定部材を介してレーザー装置に送ったりする、主に、光通信用途に使用される送受信レーザーモジュールとして用いられている。
【0038】
この送受信レーザーモジュール用としてセラミックス配線基板30を組み込んで形成する電子部品収納用パッケージ20には、従来のセラミックス配線基板の一方方向のみに金属製のリード端子を取り付けた小型で10Gbit/sec程度の伝送スピードに対応できるXFP、SFPといった規格準拠のパッケージから一方方向のみにFPC基板を取り付けた小型の光通信の伝送スピードを100Gbit/sec程度に対応できるCFP(100Gigabit Small Form−factor Pluggable)規格準拠のパッケージとして用いることができる。
【0039】
なお、電子部品収納用パッケージ20は、図示しないが、枠体22がセラミックス製からなる場合には、通常、金属製蓋体を接合させて基体23内を気密にするときの気密信頼性を確実にするために、枠体22上面に形成するメタライズ膜上の第1のNiめっき被膜上にAgCuろう等のろう材を介してFe−Ni−Co系合金や、Fe−Ni系合金等の金属製のシールリングがろう付け接合されている。
【0040】
次いで、
図4(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る他の電子部品収納用パッケージを説明する。
図4(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る他の電子部品収納用パッケージ20aは、前述の電子部品収納用パッケージ20の場合と同様に、上面に電子部品を載置させるための搭載部を有する底板体21と、底板体21の外周部上面に電子部品を囲繞するための枠体22とからなる基体23と、この基体23に組み込まれてなり、対向する先端部のそれぞれを枠体22の内側と外側に突出する複数枚のセラミックスの積層焼成体からなるセラミックス配線基板30aを備えている。
【0041】
このセラミックス配線基板30aを備える電子部品収納用パッケージ20aは、電子部品収納用パッケージ20の場合と同様に、これを構成する形態を特に限定するものではないが、通常、基体23がFe−Ni−Co系合金や、Fe−Ni系合金等からなる金属製、セラミックス配線基板30aがアルミナ等からなるセラミックス製で構成されている。この電子部品収納用パッケージ20aは、セラミックス配線基板30aの高い寸法精度が必要であると共に、セラミックス配線基板30aの外形形状を寸法精度の高い金属製の基体23に追随させる必要があるので、積層焼成体のセラミックス配線基板30aを切削加工することによって形成している。なお、ここで用いるセラミックス配線基板30aは、対向する先端部のそれぞれを枠体22の内側と外側に突出させて金属製の基体23にろう付け接合させる必要があるので、後述する回路配線31が直接金属製の枠体22に接触するのを回避する必要があり、回路配線31を横断するようにしてセラミックス製の土手32を設けている。
【0042】
そして、セラミックス配線基板30aと金属製の基体23を接合させるには、前記のセラミックス配線基板30の場合と同様に、基体23と当接する部分のセラミックス配線基板30aのメタライズ膜部分を含む回路配線31等の外部に露出している全てのメタライズ膜部分に無電界めっき手法で第1のNiめっき被膜を設けている。次いで、セラミックス配線基板30aと基体23は、底板体21と枠体22が直接当接する部分と、基体23とセラミックス配線基板30aが直接当接する部分である上面に第1のNiめっき被膜が施されたメタライズ膜部分と、の間にAgCuろう等のろう材を設けて加熱することでろう付け接合することで接合体を形成している。そして、この接合体には、基体23、及びセラミックス配線基板30aの外部に露出している金属部分に、電界めっき用の通電用端子を当接させた状態で電界めっき浴中で通電する電解めっき手法で、第2のNiめっき被膜及びこの上にAuめっき被膜が設けることで電子部品収納用パッケージ20aを形成している。
【0043】
上記の電子部品収納用パッケージ20aは、電子部品収納用パッケージ20の場合と同様に、基体23が金属製、セラミックス配線基板30aがセラミックス製で構成されるもの以外に、基体23を含めて全てがセラミックス配線基板30aで構成されるものであってもよい。この場合には、電子部品収納用パッケージ20aは、セラミックス製の底板体21の裏面に金属製のヒートシンク板を貼り付ける形態となっている。あるいは、電子部品収納用パッケージ20aは、底板体21の一部に開口部を設け、底板体21の裏面に金属製のヒートシンク板を貼り付ける形態となっている。
【0044】
上記の電子部品収納用パッケージ20aは、電子部品収納用パッケージ20の場合と同様に、枠体22の内側に設けるセラミックス配線基板30aにタングステンや、モリブデン等の高融点金属のメタライズ膜からなる複数本の回路配線31と、この回路配線31の一方の端部と接続して枠体22の外側に設けるセラミックス配線基板30aの先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して延出する上記と同じメタライズ膜からなる外部接続用端子パッド33とを有している。この電子部品収納用パッケージ20aには、外部接続用端子パッド33の先端と接続して更に上記の枠体22の外側に設けるセラミックス配線基板30aの先端部外縁に対して直角方向に複数本が並列して更に延出する外部接続用端子パッド33幅と同等幅、又は外部接続用端子パッド33幅より狭小幅のメタライズ膜からなる繋ぎ配線34を設けている。更に、この電子部品収納用パッケージ20aには、それぞれの繋ぎ配線34の先端と接続しながら複数本を横断接続してそれぞれの繋ぎ配線34を短絡させて枠体22の外側に設けるセラミックス配線基板30aの先端部外縁と平行する上記のメタライズ膜と同じメタライズ膜からなる連結配線35と、この連結配線35の上面にセラミックス配線基板30aのセラミックスと同じセラミックスからなるセラミックス膜37とを設けている。電子部品収納用パッケージ20aに用いるセラミックス配線基板30aは、この連結配線35によって、複数本の全ての回路配線31、外部接続用端子パッド33、及び繋ぎ配線34が電気的に導通状態となっている。なお、上記のセラミックス膜37は、通常のスクリーン印刷方式を用い、セラミックスペーストでパターンを形成し、セラミックグリーンシート、メタライズとの同時焼成で形成することができる。
【0045】
上記の電子部品収納用パッケージ20aは、セラミックス配線基板30aの外部に露出する回路配線31、外部接続用端子パッド33、繋ぎ配線34のメタライズ膜上面を含む基体23の外部に露出する金属部分に電解めっき手法で第2のNi、この上面にAuの電界めっき被膜を設けている。この電解めっき手法による電界めっき被膜は、セラミックス配線基板30aの外部に露出する回路配線31、外部接続用端子パッド33、繋ぎ配線34のメタライズ膜上面の何れか1、又は複数箇所、及び基体23の何れかの部位に電界めっき用の通電用端子を当接させた状態で、電界めっき浴中で通電することで設けている。この電界めっき手法による第2のNiめっき被膜、この上面のAuめっき被膜の形成と共に、電子部品収納用パッケージ20aは、めっき被膜が形成されたセラミックス配線基板30aの繋ぎ配線34が設けられていた部位のAuめっき被膜、この下面の第2のNiめっき被膜、及び第2のNiめっき被膜の下面のメタライズ膜の全てをYAGレーザーや、CO
2レーザー等で削除してセラミックス配線基板30の内部にまで食い込まれたレーザースクライブ痕36を有している。この電子部品収納用パッケージ20aは、セラミックス配線基板30aに設けたレーザースクライブ痕36によって回路配線31、及びこれに繋がっている外部接続用端子パッド33の複数本の全てが電気的に独立状態となっている。上記の電子部品収納用パッケージ20aは、セラミックス配線基板30aの外部に露出する外部接続用端子パッド33を含む全ての回路配線31のメタライズ膜上面のめっき被膜、及び基体23に設けるめっき被膜が電解めっき手法で形成されているので、外部に露出する金属部分へのめっき被膜の密着強度が高く、めっき被膜の厚みバラツキの少ない安定しためっき被膜となっている。
【0046】
上記の電子部品収納用パッケージ20aは、電子部品収納用パッケージ20の場合と同様に、外部接続用端子パッド33との接続をFPC基板を用いることで、外部接続用端子パッド33幅、及びパッド間のピッチを狭くでき、セラミックス配線基板30aの外形形状を小さくしてパッケージの外形形状の小型化に対応できる。また、この電子部品収納用パッケージ20aは、セラミックス配線基板30aの繋ぎ配線34が設けられていた部位の電解めっき被膜、及びメタライズ膜を削除したレーザースクライブ痕36と、連結配線35の上面に設けられているセラミックス膜37によって、外部接続用端子パッド33にFPC基板を半田付け接合するときの溶融した半田の流れ出しを外部接続用端子パッド33内で止めることができる。
【0047】
電子部品収納用パッケージ20aは、電子部品収納用パッケージ20と同様に、レーザー光で送信されてくる光信号をフォトダイオードで受信して正確に電気信号に変換して装置に送ったり、装置から出た電気信号をレーザーダイオードで受信して正確にレーザー光に変換してレーザー装置に送ったりする、主に、光通信用途に使用される送受信レーザーモジュールとして用いられている。この送受信レーザーモジュール用としてセラミックス配線基板30aを組み込んで形成する電子部品収納用パッケージ20aは、電子部品収納用パッケージ20の場合と同様に、伝送速度が10Gbit/secを超え、100Gbit/sec程度の高速で大容量の光通信をできる。
【0048】
なお、電子部品収納用パッケージ20aは、電子部品収納用パッケージ20と同様に、図示しないが、枠体22をセラミックス製とした場合に、枠体22上面に形成するメタライズ膜上の第1のNiめっき被膜上にAgCuろう等のろう材を介してFe−Ni−Co系合金や、Fe−Ni系合金等の金属製のシールリングをろう付け接合することで、シールリングに金属製蓋体を溶接接合させて基体23内を気密にするときの気密信頼性を確実にしている。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のセラミックス配線基板及び電子部品収納用パッケージは、基板や、パッケージに金属製のリード端子が取り付けられないリードレスのセラミックス配線基板及び電子部品収納用パッケージとして用いることができ、特に、光通信ネットワークの幹線系の受信用として光半導体素子や、アンプ等の多数の電子部品を収納して、100Gbit/sec程度の高速で大容量の光通信が期待できるパッケージとして用いることができる。
【符号の説明】
【0050】
10、10a:セラミックス配線基板、11:回路配線、12:外部接続用端子パッド、13:繋ぎ配線、14:連結配線、15:レーザースクライブ痕、16:セラミックス膜、20、20a:電子部品収納用パッケージ、21:底板体、22:枠体、23:基体、30、30a:セラミックス配線基板、31:回路配線、32:土手、33:外部接続用端子パッド、34:繋ぎ配線、35:連結配線、36:レーザースクライブ痕、37:セラミックス膜