【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した従来の両面構造の導電シートに対する問題は、基板の両面それぞれに配線を形成することにある。導電シートにとって、基板はシート全体の厚みを規定する最も厚い部材だからである。従って、曲げ変形時の配線が受ける変形率(曲率)の差をなくすためには、基板の片面に双方の配線を形成して2層構造にすることが考えられる。
【0012】
ここで、従来から知られている金属配線の形成方法としては、フォトリソグラフィ法があるが、この方法はレジストの塗布及び除去の工程が必要となる。レジストの除去工程は、レジストを溶液で溶解する処理であるので、1つの基板上に2層の金属配線を形成することは不可能である。そのため、フォトリソグラフィ法の適用を考慮する場合、
図1のように、1つの基板に1つの金属配線を形成した導電シートを2枚積層すれば、形式上2層構造の金属配線を形成できる。このような構成であれば、それぞれの導電シートの金属配線に反射防止の処理ができるので、両面構造の問題点の一部は解決できる。尚、このように1つの基板に1つの金属配線有する導電シートを2枚積層する構造について、「積層構造」と称することがある。
【0013】
但し、かかる積層構造の導電シートは、曲げ変形における配線損傷の問題の解決にはならない。即ち、上層の基板を基準としてみれば、各金属配線の配置関係は、両面構造のそれと同じだからである。また、このような積層構造は、基板を2枚使用するので、導電シート全体の厚みを厚くする。更に、2枚の導電シートを製造する分、コストアップも懸念される。
【0014】
そこで、本発明者等は、更なる検討を行ったところ、上記した本願出願人による、所定のフッ素樹脂及び金属インクを適用した金属配線の形成方法(特許文献1)を応用することに想到した。そして、この方法で形成される金属配線を含む電極層を、基板の片面に複数積層させることで、好適な導電シートを得ることができるとして本発明に想到した。
【0015】
即ち、本発明は、基板と、前記基板の片面側に形成された電極層とを有する導電シートであって、前記電極層は、第1の電極層と第2の電極層とを含み、前記基板上に、第1の電極層、第2の電極層がこの順で積層されており、前記第1の電極層は、フッ素樹脂からなる第1の下地層と、前記第1の下地層表面に形成された第1の金属配線とからなり、前記第2の電極層は、フッ素樹脂からなる第2の下地層と、前記第2の下地層表面に形成された第2の金属配線とからなる、導電シートである。以下、本発明に係る導電シートについて、その構成を詳細に説明する。
【0016】
(I)本発明に係る導電シートの構成
上記のとおり、本発明は、基板と基板片面側に形成された電極層とからなる。そして、この電極層は、第1の電極層と第2の電極層とを積層させて構成される。本発明の導電シートにおける必要最小限の構造は、
図2のようになる。以下、各構成について説明する。尚、本願明細書においては、本発明に係る導電シートの構造について、必要に応じて「片面2層構造」と称するときがある。
【0017】
(A)基板
本発明の片面2層構造の導電シートに適用される基板は、特に限定する必要はなく、金属、セラミックからなる基板が適用でき、更に、樹脂、プラスチック製の基板も適用可能である。また、重量の制限がなければガラスを使用することも可能である。但し、基板は透明体からなるものが好ましい。本発明は、タッチパネル、ディスプレイ等の表示装置に好適に使用されるものだからである。
【0018】
(B)電極層
本発明に係る導電シートは、上記で説明した基板の片面に2層の電極層が形成されてなる。これら電極層の構成としては、基板に対して、第1の電極層、第2の電極層がこの順で積層されている。以下、各電極層の構成について説明する。
【0019】
(B−1)第1の電極層
第1の電極層は、基板表面上に形成され、フッ素樹脂からなる第1の下地層と、その表面上に形成される第1の金属配線とからなる。
【0020】
(B−1−1)第1の下地層
第1の下地層は、以下で詳細に説明するように、本発明の導電シートを製造する上で主要な役割を有する。このフッ素樹脂からなる第1の下地層においては、所望の配線パターンで所定の処理により官能基が形成され、そこに金属配線の前駆体である金属粒子が固定される。そして、固定された金属粒子が金属配線となる。この下地層を形成するフッ素樹脂には、配線パターン以外の部位に金属粒子が固定されないようにするための撥液性、及び、所定の処理により官能基を生成するための反応性が要求される。また、タッチパネル等への適用を考慮すると、透明性を有することが好ましい。
【0021】
本発明で下地層となるフッ素樹脂は、その構造式において、炭素(C)、フッ素(F)を含む樹脂材料からなる。具体的には、フッ素含有単量体に基づく繰り返し単位であって、フッ素原子数と炭素原子数との比(F/C)が1.0以上である繰り返し単位を少なくとも1種有する重合体が好ましい。本発明のフッ素樹脂を構成する重合体の繰り返し単位について、フッ素原子数と炭素原子数との比(F/C)を1.0以上とするのは、下地層に金属配線形成の際に要求される撥液性を具備させるためである。このF/Cの数値は、1.5以上であるものがより好ましい。尚、F/Cの上限については、撥液性、入手容易性の理由からF/Cは2.0を上限とするのが好ましい。
【0022】
本発明におけるフッ素樹脂は、上記のフッ素含有単量体に基づく繰り返し単位を少なくとも1種を含むこが好ましい。この条件を具備すれば、本発明のフッ素樹脂は、F/Cが1.0未満のフッ素含有単量体に基づく繰り返し単位を含んでもよく、更に、フッ素原子を含まないフッ素非含有単量体に基づく繰り返し単位を含んでいても良い。また、フッ素樹脂は、フッ素含有単量体に基づく繰り返し単位の一部に、酸素、窒素、塩素等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0023】
このような構成元素及びF/Cの条件を満足し得るフッ素樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体(TFE/PDD)、環状パーフルオロアルキル構造又は環状パーフルオロアルキルエーテル構造を有するフッ素樹脂等が挙げられる。
【0024】
また、撥液性を担保するためのフッ素の含有量に関する条件に加えて、他の特性を考慮して好適なフッ素樹脂を選択することも好ましい。例えば、基板に塗布する際の溶媒への可溶性を考慮して、主鎖に環状構造を有するパーフルオロ樹脂をフッ素樹脂とするのが好ましい。また、フッ素樹脂に透明性を要求するときには、非晶質のパーフルオロ樹脂を適用するのがより好ましい。
【0025】
そして、下地層となるフッ素樹脂として特に好ましいのは、重合体を構成するフッ素含有単量体に基づく繰り返し単位に、少なくとも1つの酸素原子(O)を含むフッ素樹脂である。かかるフッ素樹脂を特に好ましいとするのは、下地層表面に金属配線を形成する際、容易且つ好適に官能基を形成できるからである。尚、この繰返し単位中の酸素原子の数は、3を上限とするものが好ましい。
【0026】
これらの点を考慮したときに好ましいフッ素樹脂としては、パーフルオロブテニルビニルエーテル重合体(CYTOP(登録商標):旭硝子株式会社)、テトラフルオロエチレンーパーフルオロジオキソール共重合体(TFE−PDD)、テフロン(登録商標)AF:三井・デュポン フロロケミカル株式会社)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、パーフルオロアルコキシ重合体(アルゴフロン(登録商標):ソルベイジャパン株式会社)等が挙げられる。
【0027】
以上説明したフッ素樹脂からなる、第1の下地層の厚さは、0.01μm以上5μm以下とするのが好ましい。0.01μm未満では発液性が発揮され難くなる。また、下地層の透明性を維持するためには5μm程度を上限とするのが好ましい。この第1の下地層の厚さとは、下地層と基板との界面から下地層の最表面までの厚さであり、平均値を採用するのが好ましい。
【0028】
本発明に係る導電シートについて、以上説明したフッ素樹脂からなる下地層は、各種の分析手段によりその存在が確認できる。分析手段としては、SIMS(2次イオン質量分析)、XPS(X線光電子分光分析)、EPMA(電子線プローブマイクロ分析)、EDX(エネルギー分散型X線分析)等が適用できる。例えば、SIMSにより、導電シート断面における下地層或いは下地層の表面を対象として、任意箇所において炭素(C)、フッ素(F)の元素分析を行い、各元素の検出強度を測定して強度比(F/C)を算出し、フッ素樹脂の構成を推定することができる。このとき、フッ素の検出強度と炭素の検出強度との比(F/C)が1.0以上であるとき、上記した好適なフッ素樹脂(フッ素原子数と炭素原子数との比(F/C)が1.0以上である繰り返し単位を少なくとも1種有する重合体)と判定することができる。尚、このような分析では、複数箇所の分析を行って、強度比の平均値を採用するのが好ましい。
【0029】
(B−1−2)第1の金属配線
以上説明したフッ素樹脂からなる下地層の上に、第1の金属配線が形成されて第1の電極層となる。ここで、第1の金属配線は、その構成材料として銀、金、白金、パラジウム、銅、ニッケルの少なくともいずれかよりなるものが好ましい。これらの金属は、導電性に優れ配線材料として有用である。特に、導電線の観点から銀を適用するのが好ましい。
【0030】
第1の金属配線は、上記した金属のうち、1種の金属のみよりなるものの他、各金属が固溶した合金や各金属の混合体であっても良い。また、金属配線は、単層構造であっても良いが、多層構造を有するものでも良い。多層構造とするとき、同種金属で形成しても良いし、異種金属で形成しても良い。
【0031】
更に、第1の金属配線は、その表面上に反射防止のために他の金属、化合物を備えていても良い。この反射防止のための金属、化合物は、層を形成していても良いし、粒子状で分散していても良い。また、第1の金属配線は、その表面状態を安定化するためにチオール化合物、脂肪酸等の単分子膜が形成されていても良い。
【0032】
第1の金属配線の寸法(厚さ、線幅)は限定されることはない。また、配線パターンの形状も特に限定されることはない。尚、タッチパネル等の用途を考慮し、可視領域を超えたミクロンオーダーの細線が好ましことから、金属配線の幅は、0.5μm以上8.0μm以下のものが好ましい。また、金属配線の厚さは、0.1μm以上1.0μm以下とするのが好ましい。多層構造の金属配線を形成するときは、合計の厚さを前記範囲にするのが好ましい。金属配線の幅、厚さは、平均値により規定するのが好ましい。
【0033】
尚、本発明における金属配線は、上記した本願出願人による金属配線の形成方法(特許文献1)により形成されたものが好ましい。この方法では、金属粒子が溶媒に分散したインクを塗布後、金属粒子同士を焼結させることで金属配線が形成される。この金属配線は、金属の粒子を前駆体としつつも、焼結により空隙のない緻密なバルク状の薄膜からなる。このとき、金属配線を構成する金属(銀及び銅)の純度は、99質量%以上である。
【0034】
(B−2)第2の電極層
本発明に係る導電シートの特徴は、上記第1の電極層の上に第2の電極層を積層し、片面2層構造を形成している点にある。この第2の電極層は、第2の電極層と同様の構成を有し、フッ素樹脂からなる第2の下地層と第2の金属配線とを含む。
【0035】
(B−2−1)第2の下地層
第2の電極層の第2の下地層となるフッ素樹脂の構成は、基本的に第1の下地層と同様である。即ち、炭素(C)、フッ素(F)を含み、フッ素含有単量体に基づく繰り返し単位であって、フッ素原子数と炭素原子数との比(F/C)が1.0以上である繰り返し単位を少なくとも1種有する重合体が好ましい。また、このフッ素含有単量体に基づく繰り返し単位には、少なくとも1つの酸素原子(O)を含むものが好ましい。この第2の下地層に適用されるフッ素樹脂の好ましい具体例も、第1の下地層と同じである。
【0036】
尚、第2の下地層のフッ素樹脂は、第1の下地層と同じフッ素樹脂と同じであっても良い。また、上記の好ましい構成を具備するフッ素樹脂であれば、第2の下地層のフッ素樹脂は、第1の下地層とは相違するフッ素樹脂であっても良い。
【0037】
第2の下地層について、第1の下地層との関連で重要な事項として、その厚さが挙げられる。第2の下地層は、第1の下地層と同じ厚さとしても良いが、0.04μm以上1μm以下とするのがより好ましい。つまり、第2の下地層の厚さの好適範囲は、第1の電極層の下地層の厚さの好適範囲よりも狭くなっている。
【0038】
上記のように、第2の下地層の厚さの下限値(0.04μm)は、第1の下地層の厚さの下限値(0.01μm)よりも厚いことが好ましい。これは、第2の下地層が薄すぎると、その上に形成される金属配線(第2の金属配線)が設計通りの線幅とならないときがある。具体的に説明すると、第2の金属配線形成の際には、第2の下地層表面に官能基形成のために露光処理を行うこととなる。このとき、第2の下地層が薄すぎると、露光処理のためのフォトマスクとの密着が不十分になることがあり、所望の線幅の露光パターンが形成されないことがある。その結果、全体的或いは部分的に、第2の配線の線幅が太くなることがある。また、このような金属配線の品質の問題に加えて、第2の下地層が薄すぎると、導電シートが曲げ変形を受けたときに下地層付近に破れが生じる可能性がある。以上のような理由により、第2の下地層厚さの下限値を設定している。
【0039】
一方、第2の下地層の厚さの上限値(1μm)は、第1の下地層の厚さの上限値(5μm)よりも薄いことが好ましい。これは、第2の下地層が過度に厚くなると、導電シート変形時の金属配線の変形率(曲率)の差異が大きくなり、導電シートの曲げ強度が確保し難くなるからである。また、第2の下地層が過度に厚いと、透明性確保にも支障が生じる。このように、本発明では、第1、第2の電極層を積層させているが、単純に積層させるのではなく、第2の下地層による影響を考慮した条件設定を行うことが好ましい。
【0040】
第2の下地層の厚さとは、第2の下地層と第1の金属配線との界面、若しくは、後述する中間層が適用される場合には第2の下地層と中間層との界面を起点とし、この起点から第2の下地層の最表面までの距離とする。この第2の下地層の厚さも、複数個所の平均値を採用するのが好ましい。
【0041】
(B−2−2)第2の金属配線
第2の金属配線についても、第1の金属の配線と同様の構成を適用することが好ましい。即ち、第2の金属配線は、銀、金、白金、パラジウム、銅、ニッケルの少なくともいずれかよりなるものが好ましい。第2の金属配線は、これらの1種の金属のみからなるものでも良いし、合金・混合体であっても良い。また、単層構造又は多層構造をとることができる。更に、金属配線の上に他の金属、化合物を備えていても良い。
【0042】
また、第2の金属配線の寸法、形状も限定されることはない。よって、第2の金属配線の幅についても、0.5μm以上8.0μm以下のものが好ましい。また、第2の金属配線の厚さとしては、0.1μm以上1.0μm以下とするのが好ましい。
【0043】
第2の金属配線は、第1の金属配線と同じ金属で構成されても良いが、異なる金属を適用しても良い。例えば、第1の金属配線で銀を適用しつつ、第2の金属配線で銅を適用しても良い。尚、金属配線のパターン形状も制約を受けないが、第1の金属配線と、第2の金属配線とが交差してメッシュパターンを形成するようにするのが一般的である。
【0044】
ここで、第1の電極層との関連における第2の電極層の好ましい形態としては、それらの層間距離を1.2μm以上4.5μm以下することが好ましい。この層間距離とは、第1の金属配線の底面と第2の金属配線の底面との距離である。このように第1の電極層と第2の電極層との層間距離を規定するのは、層間距離が小さすぎる場合、導電シートの静電容量が過大になる箇所が局所的に発生し、面内でセンサー感度の差異が生じて誤作動を起こす可能性があるからである。本件においては、片面2層構造を採用しつつ、第1、第2下地層としてフッ素樹脂からなる層が形成されている。それら各構成の影響を考慮しつつ、静電容量の面内の安定性確保のため、層間距離の下限値を上記のように設定した。
【0045】
一方、層間距離の上限値を上記のように設定したのは、層間距離が過大となると、曲げ変形による第2の金属配線の断線のおそれが生じる。また、導電シートの低背化に反するからである。
【0046】
(B−4)電極層の任意的構成
上記のとおり、本発明の電極層は、第1の電極層と第2の電極層の2層を基本的構成とする。但し、本発明では、これらに加え、任意的に他の構成の存在を許容する。具体的には、第1電極層と第2電極層との間における中間層と、第2電極層上のコーティング層が挙げられる。
【0047】
(B−4−1)中間層
本発明の導電シートは、第1の電極層と第2の電極層との間に、誘電体又は絶縁体からなる中間層を少なくとも1層含むことができる。この中間層は、第1の電極層の第1の金属配線について、マイグレーション防止、防湿・酸化防止、剥離防止等を目的として形成される。また、中間層の適用は、前記した各種機能と同時に、第2の電極層(第2の下地層)を形成する際の、平滑性を確保するために適用されることがある。また、第1の電極層の上に中間層を適用することで、第2の下地層を形成する面を平坦にして、下地層を均等に形成することができる。第2の下地層を平坦にするためには、第1の電極層の上に第2の下地層となるフッ素樹脂を厚塗りしても良い。但し、この場合、第2の下地層が過度に厚くなる可能性がある。また、本発明で下地層として好適とされるフッ素樹脂は高価なものが多い。中間層は、第2の下地層の平坦性を確保しつつ、導電シートの製造コストを調整する作用も有する。
【0048】
上記機能を発揮する中間層の材質としては、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂等の樹脂が挙げられる。特に、マイグレーション防止のための中間層を適用することが好ましい。このマイグレーション防止剤の具体例として、DURASURF(株式会社ハーベス製)、KP−911(信越化学工業株式会社製)、METAX(カントーカセイ株式会社製)等の商品名のフッ素樹脂が挙げられる。また、メタンチオール、エタンチオール、チオフェノール、システイン、グルタチオン、デカンチオール、オクタデカンチオール、トリアジンチオール等の硫黄化合物を配合したマイグレーション防止剤も知られている。
【0049】
中間層は、上記のような多用な機能を有し、1種類の材料を単独で使用して複数の機能を発揮する場合がある。中間層は、単層で形成されていても良いが、複数種類を組み合わせて適用しても良い。中間層の厚さは、合計で1μm以上3μm以下とするのが好ましい。中間層が1μm未満であると、特に、導電シートを曲げ変形したときに、第1の金属配線と第2の金属配線が繋がるおそれがある。また、中間層の厚さは、層間距離(第1の金属配線の底面と第2の金属配線の底面との距離)に影響を与えるので、この点も考慮すると、中間層の厚さは1μm以上とするのが好ましい。
【0050】
一方、中間層の厚さが大きくなると、曲げ変形時の第2の金属配線の断線が懸念される。また、中間層は、適用する材料によっては塗布後に焼成処理が必要なものある。このとき、中間層の厚さが過剰であると焼成時の収縮量が大きくなってしまい、その下の第1電極層を変形させて断線を生じさせることがある。このことから、中間層の厚さは3μmを上限とするのが好ましい。尚、中間層の厚さとは、中間層と第1の金属配線との界面と、中間層の最表面との間の距離とする。この厚さも複数個所の平均値を採用するのが好ましい。
【0051】
(B−4−2)コーティング層
本発明に係る導電シートの電極層は、上記した中間層に加えて、第2の電極層の表面上に、少なくとも1層のコーティング層を含むことができる。このコーティング層も、中間層と同様の機能を有し、第2の電極層の第2の金属配線について、マイグレーション防止、防湿・酸化防止、剥離防止等を目的として形成される。従って、中間層と同様の材料を適用することができる。また、コーティング層は、中間層とは相違し、導電シートの最表面に近いので、傷防止、他フィルムとの接着等のための比較的硬質のトップコートを適用することがある。トップコートの材質としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。
【0052】
コーティング層も単層で形成されていても良いし、複数種類を組み合わせて適用しても良い。コーティング層の厚さについては、その用途及び使用材料によって調整可能であるが、合計で1μm以上3μm以下とするのが好ましい。例えば、第2の電極層の傷防止のために前記範囲とすることが好ましい。尚、コーティング層の厚さとは、コーティング層と第2の金属配線との界面と、コーティング層の最表面との間の距離とする。この厚さも複数個所の平均値を採用するのが好ましい。
【0053】
以上説明した、中間層及びコーティング層を含む本発明の導電シート構成例を
図3に示す。この図では、中間層及びコーティング層の厚さの意義について、それらの理解を補助するための説明も付加している。
【0054】
(II)本発明に係る導電シートの特性と利用態様
以上説明した本発明に係る導電シートは、基材、電極層(第1、第2の下地層、金属配線、中間層、コーティング層)の各構成の材質、厚さを的確にすることで、透明性を有するものが好ましい。具体的な基準としては、第2の電極層側から入射したときのJIS K7361−1に基づく全光線透過率が85%以上である。この透過率は、濁度計(曇り度計)を用いて、第2の電極層側から光を入射させて測定し、複数測定した平均値を採用するのが好ましい。
【0055】
以上説明した本発明に係る導電シートの特に好適な利用態様は、タッチパネルの構成部材である。例えば、本発明に係る導電シートに、カバーガラスや保護フィルムを貼り合せると共に、接続コネクタ(FPCコネクタ等)を接合し、更に、外部コントローラーICに接続することで、タッチパネルを形成することができる。
図4に、本発明に係る導電シートから、タッチパネルを構成する過程の一例を説明する。本発明の導電シートを含むタッチパネルは、曲げ変形による電極の損傷に対する耐性に優れ、また、各層の厚さを最適化することで薄型化にも対応できる。
【0056】
(III)本発明に係る導電シートの製造方法
次に、本発明に係る導電シートの製造方法について説明する。これまで述べたように、本発明に係る導電シートは、上記した本願出願人による金属配線の形成方法(特許文献1)を応用して、基板の片面に第1、第2の電極層を順次積層することで製造される。即ち、本発明に係る導電シートの製造方法は、基板の片面に、第1の電極層と第2の電極層とをこの順で形成する工程を含み、第1及び第2の電極層を、下記の(a)〜(c)の工程を含む方法で形成して導電シートを製造する方法である。
【0057】
(a)基板にフッ素樹脂を塗布して下地層を形成する工程。
(b)前記下地層の金属配線を形成する部位に官能基を形成する工程。
(c)アミン化合物からなる保護剤A、及び、脂肪酸からなる保護剤Bにより保護された金属微粒子が溶媒に分散してなる金属インクを、前記基板表面に塗布し、前記金属微粒子を下地層に固定することで金属配線を形成する工程。
【0058】
ここで、本発明の方法に関し、(a)〜(c)の第1、第2の電極層の形成工程について詳細に説明する。各電極層の形成にあたっては、まず、基板にフッ素樹脂を塗布して下地層を形成する((a)工程)。基板及びフッ素樹脂の材質等については、上述のとおりである。
【0059】
フッ素樹脂の塗布の際、フッ素樹脂を適宜の溶媒に溶解させたものを塗布することで対応できる。塗布後は焼成することでフッ素樹脂からなる下地層が形成される。フッ素樹脂の塗布方法としては、ディッピング、スピンコート、ロールコーター等特に限定されない。フッ素樹脂を塗布した後は、適宜の後処理(乾燥処理、焼成処理)を行い、下地層を形成する。以上のフッ素樹脂の塗布は、少なくとも金属配線を形成する領域において行うこととし、必ずしも基板全面に塗布する必要はない。
【0060】
次に、下地層であるフッ素樹脂表面に官能基を形成する((b)工程)。この官能基とは、フッ素樹脂の共有結合を切断することで形成される官能基である。具体的には、カルボキシ基、ヒドロキシ基、カルボニル基が形成される。
【0061】
フッ素樹脂表面への官能基形成の処理方法としては、紫外線照射、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、エキシマレーザー照射による。これらの処理は、フッ素樹脂表面に光化学反応を生じさせて共有結合を切断するものであり、適度なエネルギーの印加処理であることが必要である。パターン形成部に対する印加エネルギー量は、1mJ/cm
2以上4000mJ/cm
2以下を目安とするのが好ましい。例えば、紫外線照射による場合、波長が10nm以上380nm以下の範囲の紫外線照射が好ましく、特に好ましくは、波長が100nm以上200nm以下の範囲の紫外線を照射する。
【0062】
フッ素樹脂表面への紫外線照射等においては、一般にフォトマスク(レチクル)を使用した露光処理がなされる。本発明では露光方式に関しては、非接触の露光方式(プロキシミティ露光、プロジェクション露光)と接触の露光方式(コンタクト露光)のいずれも適用できる。プロキシミティ露光においては、マスクとフッ素樹脂表面との間隔は、10μm以下とするのが好ましく、3μm以下とするのがより好ましい。
【0063】
以上のようにして、基板にフッ素樹脂からなる下地層を形成し、金属配線形成部に対する官能基形成処理を行った後、この基板を金属インクに接触させて金属配線を形成する((c)工程)。金属インクとは、所定の保護剤と結合状態にある金属粒子を溶剤に分散させて構成された金属粒子分散液である。本発明において金属配線の形成を適切に行うため、好適な金属インクの構成とは以下のようなものである。
【0064】
金属インクにおいて、分散する金属粒子は、上記のとおり、銀、金、白金、パラジウム、銅の少なくともいずれかの金属よりなる。金属粒子は、平均粒径が0.005μm(5nm)以上0.1μm(100nm以下)のものが好ましい。微細な配線パターンを形成するためには0.03μm(30nm)以下の粒径とすることが好ましい。一方、過度に微細な金属粒子は凝集し易く取り扱い性に劣ることとなる。
【0065】
金属インクで使用される保護剤とは、金属粒子の凝集・粗大化を抑制し、分散状態を安定させるための添加物である。金属粒子の凝集・粗大化は、分散液の保管や使用時の金属の沈殿の要因になるばかりでなく、基板に接合させた後の焼結特性に影響を及ぼすことから回避されなければならない。また、本発明においては、保護剤は、基板上のフッ素樹脂からなる下地層表面の官能基と置換することで金属を固定するためのマーカーとしての作用も有する。
【0066】
ここで、本発明で使用する金属インクの保護剤は、基本構造の相違する2系統の化合物を複合的に使用することが好ましい。具体的には、保護剤Aと保護剤Bの2種の保護剤を使用することとし、保護剤Aとしてアミンを、保護剤Bとして脂肪酸を適用するのが好ましい。
【0067】
保護剤Aであるアミン化合物は、その炭素数の総和が4以上12以下であるものが好ましい。これは、アミンの炭素数が金属粒子の安定性、パターン形成時の焼結特性に影響を及ぼすからである。
【0068】
また、アミン化合物中のアミノ基の数としては、アミノ基が1つである(モノ)アミンや、アミノ基を2つ有するジアミンを適用できる。また、アミノ基に結合する炭化水素基の数は、1つ又は2つが好ましく、すなわち、1級アミン(RNH
2)、又は2級アミン(R
2NH)が好ましい。そして、保護剤としてジアミンを適用する場合、少なくとも1以上のアミノ基が1級アミン又は2級アミンのものが好ましい。アミノ基に結合する炭化水素基は、直鎖構造又は分枝構造を有する鎖式炭化水素の他、環状構造の炭化水素基であっても良い。また、一部に酸素を含んでいても良い。
【0069】
本発明で保護剤として適用されるアミン化合物の具体例としては、ブチルアミン(炭素数4)、1,4−ジアミノブタン(炭素数4)、3−メトキシプロピルアミン(炭素数4)、ペンチルアミン(炭素数5)、2,2−ジメチルプロピルアミン(炭素数5)、3−エトキシプロピルアミン(炭素数5)、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン(炭素数5)、ヘキシルアミン(炭素数6)、ヘプチルアミン(炭素数7)、ベンジルアミン(炭素数7)、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン(炭素数7)、オクチルアミン(炭素数8)、2−エチルヘキシルアミン(炭素数8)、ノニルアミン(炭素数9)、デシルアミン(炭素数10)、ジアミノデカン(炭素数10)、ウンデシルアミン(炭素数11)、ドデシルアミン(炭素数12)、ジアミノドデカン(炭素数12)等が挙げられる。尚、保護剤Aであるアミン化合物は、分散液中での金属粒子の分散性や低温焼結性を調節する目的で複数種のアミン化合物を混合・組合せて使用しても良い。また、炭素数の総和が4以上12以下のアミン化合物を少なくとも1種含んでいればよく、そうであれば当該範囲外の炭素数のアミン化合物が存在していても良い。
【0070】
一方、保護剤Bとして適用される脂肪酸は、分散液中ではアミン化合物の補助的な保護剤として作用し金属粒子の安定性を高める。そして、脂肪酸の作用が明確に現れるのは、金属粒子を基板に塗布した後であり、脂肪酸を添加することで均一な膜厚の金属パターンを形成することができる。この作用は脂肪酸の無い金属粒子を塗布した場合と対比することで顕著に理解でき、脂肪酸の無い金属粒子では安定した金属パターンを形成することができない。
【0071】
脂肪酸は、好ましくは、炭素数4以上26以下の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸が好ましい。好ましい脂肪酸としては、具体的には、ブタン酸(炭素数4)、ペンタン酸(炭素数5)、ヘキサン酸(炭素数6)、ヘプタン酸(炭素数7)、オクタン酸(炭素数8)、ノナン酸(炭素数9)、デカン酸(別名:カプリン酸、炭素数10)、ウンデカン酸(別名:ウンデシル酸、炭素数11)、ドデカンサン酸(別名:ラウリン酸、炭素数12)、トリデカン酸(別名:トリデシル酸、炭素数13)、テトラデカン酸(別名:ミリスチン酸、炭素数14)、ペンタデカン酸(別名:ペンタデシル酸、炭素数15)、ヘキサデカン酸(別名:パルミチン酸、炭素数16)、ヘプタデカン酸(別名:マルガリン酸、炭素数17)、オクタデカン酸(別名:ステアリン酸、炭素数18)、ノナデカン酸(別名:ノナデシル酸、炭素数19)、エイコサン酸(別名:アラキジン酸、炭素数20)、ベヘン酸(別名:ドコサン酸、炭素数22)、リグノセリン酸(別名:テトラコサン酸、炭素数24)、ヘキサコサン酸(別名:セロチン酸、炭素数26)等の飽和脂肪酸、パルミトレイン酸(炭素数16)、オレイン酸(炭素数18)、リノール酸(炭素数18)、リノレン酸(炭素数18)、アラキドン酸(炭素数20)、エルカ酸(炭素数22)、ネルボン酸(別名:cis−15−テトラコセン酸、炭素数24)等の不飽和脂肪酸が挙げられる。特に好ましいのは、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ブタン酸、エルカ酸である。尚、以上説明した保護剤Bとなる脂肪酸に関しても、複数種のものを組合せて使用しても良い。また、炭素数が4以上24以下の不飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸を少なくとも1種含んでいればよく、そうであればそれ以外の脂肪酸が存在していても良い。
【0072】
上記した保護剤A及び保護剤Bにより保護された金属粒子を、溶媒に分散することで金属インクが構成される。ここで適用可能な溶媒は、有機溶媒であり、例えば、アルコール、ベンゼン、トルエン、アルカン等である。これらを混合しても良い。好ましい溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等のアルコールであり、より好ましくは、これらの中から選択される1種又は2種以上のアルコールと1種又は2種以上のアルカンとの混合溶媒である。
【0073】
金属インク中の金属粒子の含有量は、液質量に対する金属質量で20質量%以上60質量%以下とするのが好ましい。金属粒子の含有量が20%未満の場合は、パターン形成部に、十分な導電性を確保するための均一な膜厚の金属パターンを形成することができず、金属パターンの抵抗値が高くなる。金属粒子の含有量が60%を超える場合は、金属粒子の凝集・肥大化により安定した金属パターンを形成することが困難となる。
【0074】
金属インクの保護剤の含有量は、金属インク中の金属の質量基準で規定することが好ましい。そして、保護剤Aであるアミン化合物については、金属質量基準で0.08mmol/g以上3.0mmol/g以下とするのが好ましい。また、保護剤Bである脂肪酸の含有量は、金属質量基準で0.008mmol/g以上0.5mmol/g以下とするのが好ましい。金属インク中の保護剤の含有量は、上記好適範囲を超えても金属粒子の分散性には影響が生じないが、過剰な保護剤は、金属粒子の低温焼結性や形成される金属パターンの抵抗値に影響を及ぼすことから上記範囲にするのが好ましい。尚、上記の保護剤のモル数については、複数種のアミン化合物、脂肪酸を使用する場合には、それぞれ、合計モル数を適用する。
【0075】
金属配線の形成工程においては、以上で説明した金属インクを、露光等の処理を行った基板に塗布する。インクの塗布法は、ディッピング、スピンコート、ロールコーターが適用できるが、ブレード、スキージ、ヘラのような塗布部材を用いて、インクを滴下して塗り広げても良い。本発明は、予めパターン形成部に金属粒子を選択的に固定するための官能基が形成されており、一気に分散液を塗り広げることでパターン形成ができ効率的である。
【0076】
金属インクは、官能基が存在しないフッ素樹脂の素地面ではその撥液性により弾かれる。ブレード等の塗布部材を使用した場合、弾かれた分散液は基板表面から除去される。一方、官能基が形成されたパターン形成部では、金属粒子の保護剤と官能基との置換反応が生じ、第1金属粒子が基板に固定される。その後、分散液の溶剤が揮発すると共に、基板上の第1金属粒子同士が自己焼結して金属膜となり金属パターンが形成される。
【0077】
この自己焼結は室温であっても生じる現象であるので、金属パターン形成に際して基板の加熱は必須の工程ではない。但し、自己焼結後の金属パターンを焼成することで、金属膜中に残存する保護剤(アミン化合物、脂肪酸)を完全に除去することができ、これにより抵抗値の低減を図ることができる。この焼成処理は、40℃以上250℃で行うことが好ましい。40℃未満では保護剤の脱離や揮発に長時間を要するため好ましくない。また、250℃を超えると樹脂基板等について変形の要因となる。焼成時間は、3分以上120分以下が好ましい。尚、焼成工程は、大気雰囲気で行っても良いし、真空雰囲気でも良い。
【0078】
上記のような金属インクの塗布及び金属粒子の焼結・結合により、金属配線が形成され第1の電極層が形成される。
【0079】
第1の電極層を形成した後、上記と同様の(a)〜(c)の工程を行うことで第2の電極層を形成することができる。
【0080】
ここで、第2の電極層形成に際しては、第1の金属配線の表面を処理する必要がある場合、例えば、金属配線の反射防止のため、金属配線表面の粗さ調整や化合物形成といった処理を行う場合、第2の電極層を形成する前に処理を行う。
【0081】
また、中間層を設定する場合も、第2の電極層を形成する前にその中間層を形成する。中間層は、上記のとおり、第1の金属配線のマイグレーション防止等を目的とした誘電体又は絶縁体であり、それぞれの材質に応じて塗布する。また、中間層は、第1の電極層表面を被覆して、第2の下地層の平坦化にも寄与することができる。
【0082】
必要に応じて第1の金属配線の表面処理や中間層の形成処理を行った後、上記(a)〜(c)の工程により第2の電極層を形成する。ここでの、フッ素樹脂の塗布((a)工程)、官能基形成処理((b)工程)、金属インクの塗布・焼結((c)工程)の内容は第2の電極層でも同じ条件が適用される。
【0083】
但し、第2の下地層に関しては、上記のとおり、第1の下地層よりも好適な厚さの範囲が限定的であるので、塗布量を調整することが好ましい。また、第2の下地層は平坦性が良好であることが好ましい。この点、中間層を適用・形成するとき、第2の下地層の平坦性は、中間層の厚さムラや表面状態の影響を受ける。そこで、中間層の表面を除電器(イオナイザー)で除電し、その後、第2の下地層となるフッ素樹脂を塗布することが好ましい。下地層のフッ素樹脂は、静電気を帯びやすいので、塗布面を除電することで均一な塗布層を形成することができる。この除電処理は、1sec以上120sec以下で行うことが好ましい。また、中間層を形成することなく、第2の下地層を厚めに塗布しても良いが、この場合、フッ素樹脂を塗布した後、一定時間(5sec以上)放置して、塗膜の均質化してから、その後の(b)工程を行うことが好ましい。
【0084】
第2の下地層の形成((a)工程)後の、第1の電極層と同様にして、官能基形成処理((b)工程)、金属インクの塗布・焼結((c)工程)を行うことで、第2の電極層が形成され、本発明に係る導電シートが製造される。尚、第2の電極層の形成後に、第2の金属配線の表面処理(反射防止処理等)、コーティング層の形成処理を適宜に行うことができる