(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
行列状に配置された複数の薄型パネル状の光電変換モジュールと、前記光電変換モジュールを列方向に機械的かつ電気的に連結する第1連結部材と、前記光電変換モジュールを行方向に機械的に連結する第2連結部材と、を備え、隣り合う前記光電変換モジュールの間で折り畳み可能な光電変換モジュール連結体と、
前記光電変換モジュール連結体の列方向端部に配置された複数の前記光電変換モジュールと機械的かつ電気的に接続するインタフェースを備える本体と、
を備え、
前記光電変換モジュール連結体は、行方向に隣り合う前記光電変換モジュールの間における前記第2連結部材の長さをwとし、前記光電変換モジュールの上下方向における厚みをaとし、前記第2連結部材の上下方向における厚みをbとし、前記光電変換モジュールの列方向の個数をnとするとき、w<(2n−1)a+2nbの関係を満たすように構成される、
光電変換装置。
前記第2連結部材は、行方向に隣り合う前記光電変換モジュールの上下方向中心より上方に設けられる上方第2連結部材、又は、行方向に隣り合う前記光電変換モジュールの上下方向中心より下方に設けられる下方第2連結部材であり、
前記上方第2連結部材及び前記下方第2連結部材は、行方向及び列方向に交互に配置される、
請求項1に記載の光電変換装置。
前記第2連結部材は、蛇腹状に形成され、又はゴム若しくは伸縮性素材の布で形成されることで、少なくとも前記光電変換モジュールとの連結方向に伸縮性を有する、請求項3に記載の光電変換装置。
前記ロック機構は、隣り合う前記剛性部材同士が折り畳まれた状態で当接する箇所、又は隣り合う前記剛性部材同士が直線状に広げられた状態で当接する箇所に、磁石を設けて形成される、請求項7に記載の光電変換装置。
前記光電変換モジュールは、前記第1連結部材を介した当該光電変換モジュールの折り畳みを表側又は裏側の何れか一方に制限する逆折れ防止機構を備える、請求項1から8の何れか一項に記載の光電変換装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
なお、本明細書において、上下方向とは、
図5(a)などの光電変換装置の上面図の紙面に垂直な方向を意味し、上方は、同図における紙面手前方向、下方はその反対方向を意味するものとする。また、表側とは、光電変換装置の使用状態において上方に面する側、裏側とは、その反対側を意味するものとする。
【0021】
(第1の実施形態)
以下、
図1〜
図10を参照して、本発明の第1の実施形態に係る光電変換装置1について詳細に例示説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光電変換装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施形態に係る光電変換装置1は、光電変換モジュール連結体10と、本体20とを備える。なお、光電変換装置1は、商用電源からACアダプター30を介して電力供給を受けることができる。ACアダプター30は、コンセント31とAC/DC変換器32とを備える。交流電圧が商用電源からコンセント31を介してAC/DC変換器32に入力され、AC/DC変換器32は、入力された交流電圧を直流電圧に変換して、本体20に供給する。
【0023】
光電変換モジュール連結体10は、複数の光電変換モジュール群11で構成され、各光電変換モジュール群11は、電気的に連結した複数の光電変換モジュールPと、これらの光電変換モジュールPと本体20とを電気的に接続する光電変換モジュールインタフェース(IF)12とを備える。なお、詳細は後述するが、
図2Aに示すように、光電変換モジュール群11を構成する各光電変換モジュールPは、第1連結部材13を介して相互に機械的かつ電気的に連結する。また、隣り合う光電変換モジュール群11間の各光電変換モジュールPは、第2連結部材Qを介して機械的に連結する。
【0024】
光電変換モジュールPは、太陽電池パネル14を備える。太陽電池パネル14は、太陽光、室内光などの入射光を光電変換して電力を出力する太陽電池で構成されたパネル状の部材である。また、光電変換モジュールPは、他に、太陽電池パネル14を支持する基材(図示省略)や、太陽電池パネル14により発電された電力を取り出す取り出し配線(図示省略)などを備える。
【0025】
太陽電池パネル14を構成する太陽電池の種類としては、大別して、無機系材料を用いた無機系太陽電池と、有機系材料を用いた有機系太陽電池とが挙げられる。無機系太陽電池としては、シリコン(Si)を用いたSi系、化合物を用いた化合物系などが挙げられる。また、有機系太陽電池としては、有機顔料を用いた低分子蒸着系、導電性高分子を用いた高分子塗布系、変換型半導体を用いた塗布変換系などの薄膜系、チタニア、有機色素および電解質から成る色素増感系などが挙げられる。また、太陽電池パネル14を構成する太陽電池には、有機無機ハイブリッド太陽電池、ペロブスカイト系化合物を用いた太陽電池も含めることができる。本発明においては、薄型パネル状の太陽電池パネル14が用いられ、プラスチックフィルム等に作製された色素増感太陽電池が好適である。なお、薄型パネル状の太陽電池パネル14は、上記プラスチックフィルム等に作製されたものに限定されるものでなく、同様の薄型であれば方式を問わないことは言うまでもない。
【0026】
光電変換モジュールIF12は、光電変換モジュール群11を機械的かつ電気的に本体20に接続するためのインタフェースである。光電変換モジュールIF12の詳細については後述する。
【0027】
本体20は、インタフェース21と、昇圧回路部22と、光電変換モジュール電圧検出部23と、ACアダプター電圧検出部24と、充電池25と、外部インタフェース(IF)26と、充放電制御回路27と、コントローラ28とを備える。
【0028】
インタフェース21は、光電変換モジュール群11を本体20に機械的かつ電気的に接続するためのインタフェースである。インタフェース21は、接続された光電変換モジュール群11から、光電変換モジュールIF12を介して供給された電力を、昇圧回路部22に出力する。
【0029】
昇圧回路部22は、光電変換モジュール群11からインタフェース21を介して供給された電力の電圧を、充電池25の充電に必要な所定電圧まで昇圧して、充放電制御回路27に出力する。
【0030】
光電変換モジュール電圧検出部23は、本体20のインタフェース21に接続された光電変換モジュール群11から、インタフェース21を介して昇圧回路部22に供給される電圧(光電変換モジュール電圧)を検出し、検出結果をコントローラ28に出力する。
【0031】
ACアダプター電圧検出部24は、ACアダプター30から充放電制御回路27に供給される電圧(ACアダプター電圧)を検出し、検出結果をコントローラ28に出力する。
【0032】
充電池25は、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池などの充放電が可能な電池である。
【0033】
外部インタフェース(IF)26は、外部機器を接続して、接続された外部機器に電力を供給することが可能なインタフェースである。外部IF26は、特に限定されるものではないが、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを用いたコネクタ(USBコネクタ)や、先端にコネクタを有するケーブルなどであり、外部機器と接続して、例えば外部機器からの充電要求を受けて外部機器に電力を供給する。光電変換装置1は、この外部IF26を介して、種々の被充電デバイス、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット型デバイス、パーソナルコンピュータといったデバイスに機械的かつ電気的に脱着することができる。
【0034】
充放電制御回路27は、昇圧回路部22と、ACアダプター30と、充電池25と、外部IF26を介して接続された外部機器との間で充放電制御を行う。
【0035】
コントローラ28は、本体20の各部の動作を制御する。例えば、コントローラ28は、光電変換モジュール電圧検出部23の検出結果や、ACアダプター電圧検出部24の検出結果や、充電池25の充電量などに基づき、充放電制御回路27を通じて、充放電のためのパスを制御する。また、コントローラ28は、例えば、昇圧回路部22による昇圧動作を制御する。
【0036】
次に、光電変換装置1の構成について、
図2A及び
図2Bを参照してより詳細に説明する。それぞれ、
図2Aは使用状態、
図2Bは収納状態における、本実施形態に係る光電変換装置1の斜視図である。ここで、使用状態とは、光電変換装置1の使用時に発電するために、各光電変換モジュールPが互いに重ならないように広げられ、光電変換モジュール連結体10全体が平面状をなした状態をいい、収納状態とは、光電変換装置1の非使用時に収納するために、各光電変換モジュールPが折り畳まれ、全ての光電変換モジュールPが上下方向に重ねられた状態をいう。なお、使用状態及び収納状態は、光電変換装置1の形態を説明するために便宜上定義したものであり、光電変換装置1は、各光電変換モジュールPのうちの一部が折り畳まれた状態で発電に使用されてもよいし、各光電変換モジュールPのうちの一部が折り畳まれていない状態で収納されてもよい。なお、本体20のうちインタフェース21以外の構成については、外観上特に限定されないため、破線で示す。
【0037】
図2Aに示すように、光電変換モジュール連結体10は、使用状態においては、各光電変換モジュールPが行列状に配置される。各光電変換モジュールPは、第1連結部材13によって列方向に機械的かつ電気的に連結され、光電変換モジュール群11を構成する。また、各光電変換モジュールPは、第2連結部材Qによって行方向にも機械的に連結する。そして、光電変換モジュール連結体10の列方向端部に配置された複数の光電変換モジュールP、ここでは1行目に配置された3つの光電変換モジュールP(P11,P12,P13)は、光電変換モジュールIF12を介して機械的かつ電気的にインタフェース21に接続される。
【0038】
光電変換モジュールPは薄型パネル状であり、また、本例では上面図において矩形状である。光電変換モジュールPの上下方向における厚みは、光電変換モジュールPが後述する外装材やフレームを備える場合には、それらの厚みも含めた最も厚みのある部分の厚みを指すこととし、例えば製造技術面から3mm以下が好適である。また、光電変換モジュールPの厚みの下限としては10μm程度が好適である。光電変換モジュールPに耐環境性を付与するための外装材で被覆することもできる。また、光電変換モジュールPは、可撓性を有することが好ましい。さらに、光電変換モジュールPは、外周を剛性部材であるフレームで覆うことが好ましい。これにより、例えば収納状態時等に第1連結部材13や第2連結部材Qから発生する応力による光電変換モジュールPの撓み変形を抑制することができる。
【0039】
光電変換モジュールPは、太陽電池パネル14を上方からの入射光を受光できるように設けている。光電変換モジュールPは、太陽電池パネル14に接続して光電変換モジュールPの側面上に延出した取り出し配線を備え、太陽電池パネル14により発電された電力を取り出し配線を介して取り出し、第1連結部材13や他の光電変換モジュールPを経て、インタフェース21に出力する。なお、光電変換モジュールPが備える太陽電池パネル14は、上方以外の方向、例えば下方からの入射光を受光可能に設けられていてもよい。
【0040】
第1連結部材13は、可撓性の導電部材(例えば、導電ケーブルやフレキシブル基板)であり、光電変換モジュールPを列方向に機械的かつ電気的に連結する。また、第1連結部材13は、導電部材を保護及び/又は補強するための被覆部材を含んでもよい。第1連結部材13は、光電変換モジュールPよりも上下方向における厚みが小さく、列方向に隣り合う光電変換モジュールPの対向する側面上の任意の箇所、例えば上下方向中心付近に接続する。
【0041】
第1連結部材13は、第1連結部材13を介して連結した光電変換モジュールPを折り畳み可能に構成される。第1連結部材13は、折り畳み容易性の観点で、光電変換モジュールPよりも高い可撓性を有することが好ましい。なお、
図2Aでは、第1連結部材13が各光電変換モジュールPを2箇所ずつで連結するが、このような構成には限定されず、1箇所で連結してもよいし、3箇所以上で連結してもよい。また、列方向に隣り合う光電変換モジュールPの間における第1連結部材13の長さは、隣り合う光電変換モジュールP同士が折り畳み可能な長さ以上であれば特に限定されないが、審美性の観点から、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの間における第2連結部材Qの長さと略同じであることが好ましい。
【0042】
第2連結部材Qは、可撓性の部材であり、光電変換モジュールPを行方向に機械的に連結する。第2連結部材Qは、光電変換モジュールPよりも上下方向における厚みが小さく、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの対向する側面上に接続する。より詳細には、第2連結部材Qは、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの対向する側面上の上下方向中心より上方に設けられる上方第2連結部材Qu、又は、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの対向する側面上の上下方向中心より下方に設けられる下方第2連結部材Qdであり、上方第2連結部材Qu及び下方第2連結部材Qdは、行方向及び列方向にそれぞれ交互に配置される。
【0043】
第2連結部材Qは、第2連結部材Qを介して連結した光電変換モジュールPを折り畳み可能に構成される。第2連結部材Qは、折り畳み容易性の観点で、光電変換モジュールPよりも高い可撓性を有することが好ましい。なお、
図2Aでは、第2連結部材Qが各光電変換モジュールPを1箇所ずつで連結するが、このような構成には限定されず、2箇所以上で連結してもよい。
【0044】
光電変換モジュールIF12は、導電部材(例えば、導電ケーブルやフレキシブル基板)であり、光電変換モジュール群11と本体20のインタフェース21とを列方向に機械的かつ電気的に連結する。また、光電変換モジュールIF12は、導電部材を保護及び/又は補強するための被覆部材を含んでもよい。
【0045】
光電変換装置1は、光電変換モジュールIF12を光電変換モジュール連結体10と本体20との間に備えることで、光電変換モジュール連結体10又は本体20に印加される応力が相互に伝わりにくくすることができる。なお、光電変換モジュールIF12は、可撓性を有さなくてもよいが、印加される応力をより低減することができる点で可撓性を有することが好ましい。
【0046】
インタフェース21は、複数の剛性部材211を連結部216を介して連結して構成される。各剛性部材211には、光電変換モジュール連結体10の列方向端部に配置された光電変換モジュールPが1つずつ機械的かつ電気的に接続される。インタフェース21は、連結部216を介して剛性部材211を折り畳むことで、光電変換モジュールPの行方向の幅に対応する幅で折り畳み可能である。また、その折り畳みの方向は、表側又は裏側の何れか一方に誘導されていることが好ましい。
【0047】
ここで、光電変換モジュールPの行方向の幅に対応する幅とは、光電変換モジュールPの行方向の幅に略等しい幅であり、光電変換モジュールPが第2連結部材Qを介して折り畳むことができる範囲で任意の幅とすることができる。インタフェース21を光電変換モジュールPの行方向の幅に対応する幅で折り畳むことで、光電変換モジュールPも連動させて行方向に折り畳むことができる。
【0048】
各剛性部材211は、上下方向において、列方向に接続される全ての光電変換モジュールPの合計の厚み以上の厚みを有し、好ましくは当該合計の厚みと略同一の厚みを有する。これにより、収納状態においてインタフェース21によって光電変換モジュールPを保護することができる。
【0049】
具体的には、インタフェース21は、本例では3つの剛性部材211(211a,211b,211c)と2つの連結部216(216a,216b)とを備える。剛性部材211aと剛性部材211bとは、連結部216aを介して表側に折り畳み可能に(開閉可能に)接続されている。また、剛性部材211bと剛性部材211cとは、連結部216bを介して裏側に開閉可能に接続されている。
【0050】
ここで、
図3、
図4を参照して、インタフェース21の構成について詳細に説明する。
【0051】
連結部216aは、剛性部材211aと剛性部材211bとを機械的に接続するヒンジと、剛性部材211aと剛性部材211bとを電気的に接続する可撓性の導電部材(導電ケーブルやフレキシブル基板)とからなる。連結部216bは、剛性部材211bと剛性部材211cとを機械的に接続するヒンジと、剛性部材211bと剛性部材211cとを電気的に接続する可撓性の導電性部材とからなる。
【0052】
このように、本実施形態においては、1つのヒンジにより2つの剛性部材211が接続されている。なお、ヒンジおよび導電部材を用いて、2つの筐体を開閉可能に機械的かつ電気的に接続するための構成としては種々のものがあり、当業者によく知られているため、説明を省略する。
【0053】
このように、インタフェース21は、隣り合う剛性部材211が連結部216により、開閉可能に機械的に接続され、かつ、電気的にも接続されている。そのため、インタフェース21は、
図2Bや
図4に示すように、剛性部材211単位で折り畳むことが可能である。また、インタフェース21は、
図2Aに示すように、直線状に広げることが可能である。
【0054】
また、インタフェース21は、各剛性部材211が折り畳まれた状態を保持するためのロック機構を設けてもよい。例えば、
図3に示すように、剛性部材211aと剛性部材211bとが折り畳まれた状態で当接する箇所、及び剛性部材211bと剛性部材211cとが折り畳まれた状態で当接する箇所にそれぞれ磁石Mを設けることで、各剛性部材211が折り畳まれた状態を保持するようにしてもよい。
【0055】
また、例えば、剛性部材211aと剛性部材211bとが折り畳まれた状態で当接する箇所、及び剛性部材211bと剛性部材211cとが折り畳まれた状態で当接する箇所にそれぞれ係合機構(例えば爪と爪係合部)を設けることで、各剛性部材211が折り畳まれた状態を保持するようにしてもよい。
【0056】
さらに、インタフェース21は、各剛性部材211が直線状に広げられた状態を保持するためのロック機構を設けてもよい。例えば、上述した各剛性部材211が折り畳まれた状態を保持するためのロック機構と同様に、各剛性部材211が直線状に広げられた状態で相互に当接する箇所に、磁石Mを設けたり、係合機構を設けたりすることで、各剛性部材211が直線状に広げられた状態を保持するようにしてもよい。
【0057】
このように、インタフェース21にロック機構を設けることで、各剛性部材211が折り畳まれた状態又は直線状に広げられた状態が、使用者の意図に反して解除されてしまうことを防ぐことができる。
【0058】
次に、
図5から
図7を参照して、本実施形態に係る光電変換装置1が、使用状態から折り畳まれて収納状態となる過程について、説明する。
【0059】
図5(a)は、本実施形態に係る光電変換装置1の使用状態における上面図である。また、
図5(b)は、
図5(a)における光電変換装置1の1行目の光電変換モジュールP(P11,P12,P13)の列方向中心を通るX1−X1線に沿う断面図であり、
図5(c)は、
図5(a)における光電変換装置1の2行目の光電変換モジュールP(P21,P22,P23)の列方向中心を通るX2−X2線に沿う断面図であり、
図5(d)は、
図5(a)における光電変換装置1の3行目の光電変換モジュールP(P31,P32,P33)の列方向中心を通るX3−X3線に沿う断面図である。
【0060】
図5(b)に示すように、1行目の第2連結部材Q(Q11,Q12)のうち、1列目の第2連結部材Q11が上方第2連結部材Qu、2列目の第2連結部材Q12が下方第2連結部材Qdである。また、
図5(c)に示すように、2行目の第2連結部材Q(Q21,Q22)のうち、1列目の第2連結部材Q21が下方第2連結部材Qd、2列目の第2連結部材Q22が上方第2連結部材Quである。また、
図5(d)に示すように、3行目の第2連結部材Q(Q31,Q32)のうち、1列目の第2連結部材Q31が上方第2連結部材Qu、2列目の第2連結部材Q32が下方第2連結部材Qdである。
【0061】
このように、第2連結部材Qは、上方第2連結部材Qu及び下方第2連結部材Qdが、行方向及び列方向に交互に配置される。
【0062】
図6(a)は、本実施形態に係る光電変換装置1の列方向折り畳み状態における上面図であり、
図6(b)は、本実施形態に係る光電変換装置1の列方向折り畳み状態における正面図である。
【0063】
ここで、光電変換装置1の列方向折り畳み状態とは、光電変換装置1を、
図5に示した使用状態から、各行の光電変換モジュールPをまとめて列方向に互い違いに折り畳み、全ての行の光電変換モジュールPをインタフェース21に接続された行の光電変換モジュールPに重ね合わせた状態をいう。本例では、3行目の光電変換モジュールP(P31,P32,P33)を2行目の光電変換モジュールP(P21,P22,P23)の裏側に重なるように折り畳み、これらをまとめて1行目の光電変換モジュールP(P11,P12,P13)の表側に重なるように折り畳んだ状態である。
【0064】
このように折り畳むことで、光電変換装置1の列方向折り畳み状態においては、上下方向に重なり合った第2連結部材Qが、全て上方又は全て下方に揃って配置され、それらが行方向に交互に配置される。本例では、1行目及び3行目の第2連結部材Q(Q11,Q12,Q31,Q32)は使用状態と同じ上下配置であるのに対し、2行目の第2連結部材Q(Q21,Q22)は使用状態とは上下反転しているため、1列目の第2連結部材Q(Q11,Q21,Q31)は全て上方に配置され、2列目の第2連結部材Q(Q12,Q22,Q32)は全て下方に配置されている。
【0065】
図7(a)は、本実施形態に係る光電変換装置1の収納状態における上面図である。また、
図7(b)は、本実施形態に係る光電変換装置1の収納状態における正面図である。
【0066】
ここで、光電変換装置1の収納状態とは、光電変換装置1を、
図6に示した列方向折り畳み状態から、各列の光電変換モジュールPをインタフェース21と共に行方向に互い違いに折り畳み、全ての光電変換モジュールPを重ね合わせた状態をいう。本例では、まず、インタフェース21の連結部216bの折り畳みに連動して、上下方向に重なった3列目の光電変換モジュールP(P13,P23,P33)を上下方向に重なった2列目の光電変換モジュールP(P12,P22,P32)全体の裏側に重なるように折り畳む。そして、インタフェース21の連結部216aの折り畳みに連動して、上下方向に重なった2列目の光電変換モジュールP(P12,P13,P22,P23,P32,P33)をまとめて1列目の光電変換モジュールP(P11,P21,P31)全体の表側に重なるように折り畳んだ状態である。
【0067】
このように折り畳むことで、光電変換装置1の列方向折り畳み状態で上方に揃って配置された第2連結部材Qの箇所では表側から折り畳まれ、下方に揃って配置された第2連結部材Qの箇所では裏側から折り畳まれる。これにより、例えば第2連結部材Qを光電変換モジュールPの対向する側面上の上下方向中心に設けた場合よりも、第2連結部材Qの長さを短くすることができる。
【0068】
具体的には、仮に、第2連結部材Qを光電変換モジュールPの対向する側面上の上下方向中心に設けた場合、収納状態を形成するためには、光電変換モジュールPの上下方向における厚みをaとし、第2連結部材Qの上下方向における厚みをbとし、光電変換モジュールPの列方向の個数をnとするとき、第2連結部材Qの長さは、最も長さが必要となる箇所(本例では第2連結部材Q11,Q32)においては、
図8(a)に示すように、(2n−1)a+2nb以上であることが必要となる。一方、本実施形態に係る光電変換装置1によれば、
図8(b)に示すように、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの間における第2連結部材Qの長さwは、
[式1] w<(2n−1)a+2nb
とすることができる。
【0069】
このように、本実施形態に係る光電変換装置1によると、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの間における第2連結部材Qの長さを、(2n−1)a+2nb未満と小さくすることができるので、使用状態における光電変換装置1全体の小型化を図ることができ、また、収納状態においても第2連結部材Qの突出を最小限に抑えて収納性の向上及び小型化を図ることができる。
【0070】
また、光電変換装置1の列方向折り畳み状態において、第2連結部材Qは上方又は下方の何れか一方に揃って配置されるため、各第2連結部材Qの間には、
図6(b)に示すように、上下方向に等間隔の隙間が生じる。従って、折り畳む際に第2連結部材Q同士が接触して折り畳みが妨げられることを抑制できる。
【0071】
なお、第2連結部材Qが光電変換モジュールPとの連結方向に伸縮性を有さない場合、収納状態を形成するためには、
図8(b)に示すように、
[式2] w≧(2n−2)a+2nb=2(n−1)a+2nb
を満たすことが必要である。
【0072】
光電変換装置1は、
図9に示す逆折れ防止機構Rを備えてもよい。
【0073】
逆折れ防止機構Rは、第1連結部材13が連結する光電変換モジュールPの側面上に設けられる剛性部材である。逆折れ防止機構Rにより、光電変換モジュールPを想定される向きと逆側に折り畳むことが抑制される。即ち、逆折れ防止機構Rにより、第1連結部材13を介した光電変換モジュールPの折り畳みが、表側又は裏側の何れか一方のみに制限される。
【0074】
具体的には、1行目及び2行目の光電変換モジュールPの間(P11−P21間、P12−P22間、P13−P23間)に設けられる逆折れ防止機構Rは、裏側への折り畳みを抑制する。また、2行目及び3行目の光電変換モジュールPの間(P21−P31間、P22−P32間、P23−P33間)に設けられる逆折れ防止機構Rは、表側への折り畳みを抑制する。
【0075】
このように、逆折れ防止機構Rを用いることで、光電変換装置1を使用状態から列方向折り畳み状態とする際に、各光電変換モジュールPを正しい向きに折り畳むように誘導することができる。
【0076】
また、光電変換装置1を使用状態から収納状態とする際に、ユーザが誤って列方向折り畳み状態を経ずに行方向に各光電変換モジュールPを折り畳んだ場合には、
図9の右に示すように、2列目の光電変換モジュールPが1,3列目の光電変換モジュールPに対して反転して重なり合う。そのため、重なり合う各列の逆折れ防止機構Rのうち、2列目の光電変換モジュールPに設けられた逆折れ防止機構Rが、1,3列目の光電変換モジュールPに設けられた逆折れ防止機構Rと反対側への折り畳みを抑制することとなり、表側にも裏側にも列方向に折り畳むことができなくなる。よって、正しい折り畳み方ではないことをユーザに認識させることができる。
【0077】
なお、逆折れ防止機構Rとしては、
図9に示したものの他、表側又は裏側への折り畳みを抑制することができる周知の機構を採用することができる。
【0078】
次に、本実施形態に係る光電変換装置1の使用例について説明する。
【0079】
光電変換装置1は、光電変換装置1を支持する支持部301を備えてもよい。これにより、例えば
図10に示すように、使用者の在宅時には、光電変換装置1は、支持部301を介して窓302の近傍に使用状態で設置される。光電変換モジュール連結体10を、例えば、机の上などに平面状に広げて使用する場合、光電変換モジュール連結体10が場所をとってしまう。そこで、
図10に示すように、光電変換装置1(光電変換モジュール連結体10)を吊り下げて支持することで、設置時の省スペース化を図ることができる。
【0080】
次に、本実施形態に係る光電変換装置1の変形例について説明する。
【0081】
光電変換装置1が備える光電変換モジュールPは、上面図において矩形状であるとして説明したが、このような形状には限定されず、例えば六角形等の多角形や、
図11に示すような円形であってもよい。なお、この場合、上述した行方向に隣り合う光電変換モジュールPの間における第2連結部材Qの長さwは、使用状態において隣り合う光電変換モジュールPが最近接した箇所における長さ、即ち、隣り合う光電変換モジュールPの最短距離に等しい。
【0082】
また、光電変換装置1が備える光電変換モジュール連結体10と本体20とは、光電変換モジュールIF12とインタフェース21とを介して互いに脱着可能に構成されていてもよい。脱着の機構は特に限定されないが、例えば、光電変換モジュールIF12が、
図12に示すように、ガイド121と、ガイド121の先端部に設けられたコネクタ122とを有し、インタフェース21が、
図13に示すように、ガイド121を一方向のみの移動に規制する形状を有するガイドレール212と、コネクタ122を接続可能な本体側コネクタ213とを有してもよい。
【0083】
この場合、光電変換モジュールIF12のガイド121を、インタフェース21のガイドレール212に嵌った状態でスライドさせて挿入することで、光電変換モジュールIF12のコネクタ122とインタフェース21の本体側コネクタ213とが接続される。これにより、光電変換モジュールIF12とインタフェース21とは、ガイド121とガイドレール212との間で物理的に接続され、コネクタ122と本体側コネクタ213との間で電気的に接続されることになる。
【0084】
また、光電変換装置1は、
図14及び
図15に示すように、列方向端部に配置された光電変換モジュールPが光電変換モジュールIF12を介さずにインタフェース21に直接接続していてもよい。このとき、例えば
図14に示すように、収納状態において2行目及び3行目の光電変換モジュールP間における第1連結部材13がインタフェース21に接触することを避けるために、1行目の光電変換モジュールP(P11,P12,P13)を他の光電変換モジュールPよりも列方向に長い構成としてもよい。このように光電変換モジュールPをインタフェース21に直接接続することにより、光電変換モジュールPとインタフェース21との間でねじれが生じることを抑制できる。
【0085】
また、例えば
図15に示すように、収納状態において2行目及び3行目の光電変換モジュールP間における第1連結部材13がインタフェース21に接触することを避けるために、インタフェース21の一部に第1連結部材13を収納するための凹みを形成してもよい。これにより、光電変換モジュールPとインタフェース21との間でねじれが生じることを抑制できることに加え、光電変換装置1の更なる小型化を図ることができる。
【0086】
さらに、光電変換装置1は、第2連結部材Qを、必ずしも行方向に隣り合う全ての光電変換モジュールPの間に備えなくてもよい。これにより、収納状態において、嵩張りを抑制し、小型化及び軽量化を図ることができる。
【0087】
(第2の実施形態)
以下、
図16を参照して、本発明の第2の実施形態に係る光電変換装置1’について詳細に例示説明する。なお、光電変換装置1’の概略構成は、
図1に示す光電変換装置1の概略構成と同様であるので説明を省略する。
【0088】
図16は、本実施形態に係る光電変換装置1’の使用状態における斜視図である。なお、本体20のうちインタフェース21以外の構成については、外観上特に限定されないため、破線で示す。
【0089】
光電変換装置1’は、第2連結部材Qに代えて、第2連結部材Q’を備える。第2連結部材Q’は、各光電変換モジュールPを、行方向に機械的に連結する。第2連結部材Q’は、可撓性を有するとともに、光電変換モジュールPとの連結方向に伸縮性を有する。具体的には、第2連結部材Q’は、例えば、蛇腹状に形成され、ゴム若しくは伸縮性素材の布等で形成され、又はこれらの組み合わせで形成されることで、伸縮性を有する。ここで、第2連結部材Q’が蛇腹状に形成されるとは、第2連結部材Q’が光電変換モジュールPの連結方向に蛇腹状に折り畳まれて形成されることを意味する。
【0090】
第2連結部材Q’は、光電変換モジュールPよりも上下方向における厚みが小さく、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの対向する側面上の任意の箇所、例えば上下方向中心付近に接続する。
【0091】
第2連結部材Q’は、第2連結部材Q’を介して連結した光電変換モジュールPを折り畳み可能に構成される。第2連結部材Q’は、折り畳み容易性の観点から、光電変換モジュールPよりも高い可撓性を有することが好ましい。なお、
図16では、第2連結部材Q’が各光電変換モジュールPを1箇所ずつで連結するが、このような構成には限定されず、2箇所以上で連結してもよい。
【0092】
光電変換装置1’は、第2連結部材Q’以外の構成については、第1の実施形態に係る光電変換装置1と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
光電変換装置1’が使用状態から折り畳まれて収納状態となる過程についても、光電変換装置1について
図5から
図7に示したのと同様である。ここで、光電変換装置1’においては、第2連結部材Q’が伸縮性を有するため、光電変換装置1の第2連結部材Qのように上方第2連結部材Qu及び下方第2連結部材Qdが行方向及び列方向に交互に配置された構成としなくても、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの間における第2連結部材Q’の長さw’を[式1]を満たすように構成することができる。また、第2連結部材Q’の伸縮性により、w’は[式2]を満たす必要がない。なお、第2連結部材Q’におけるw’は、使用状態の光電変換装置1’における、行方向に隣り合う光電変換モジュールPの間の最短距離に等しい。
【0094】
また、第2連結部材Q’は、特に収納状態においては、光電変換モジュールPの連結方向に引き伸ばされるため、圧縮しようとする力(圧縮応力)が発生する。従って、w’は、この圧縮応力によって収納状態が解除されない程度の長さを有することが好ましい。
【0095】
なお、光電変換装置1’は、光電変換装置1と同様、インタフェース21が
図3に示すロック機構を設けてもよい。これにより、光電変換装置1における効果に加えて、第2連結部材Q’の圧縮応力による収納状態の解除を抑制することもできる。
【0096】
また、光電変換装置1’は、光電変換装置1と同様、例えば
図9に示す逆折れ防止機構Rを備えてもよい。これにより、光電変換装置1における効果と同様の効果を得ることができる。
【0097】
また、光電変換装置1’は、光電変換装置1と同様の使用例に従って使用することができ、光電変換装置1における効果と同様の効果を得ることができる。
【0098】
また、光電変換装置1’は、光電変換装置1の各変形例と同様の変形例を採用することができ、光電変換装置1における効果と同様の効果を得ることができる。
【0099】
さらに、光電変換装置1’は、更なる変形例として、
図17に示すように、第2連結部材Q’を、光電変換モジュール連結体10の裏側全面を覆う伸縮性シートとして形成してもよい。このように形成することで、光電変換モジュール連結体10の一体性、取り扱い性、耐衝撃性を向上させることができる。なお、第2連結部材Q’を、光電変換モジュール連結体10の表側全面を覆う伸縮性シートとして形成してもよいし、光電変換モジュール連結体10の表側及び裏側の全面を覆う伸縮性シートとして形成してもよい。
【0100】
前述したところは本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。例えば、各光電変換モジュールPや第2連結部材Q,Q’等の配置について、行や列を用いて説明したが、行と列は説明の便宜上規定したものであり、これらを相互に入れ替えてもよい。また、光電変換モジュールPを3行3列の配置とした光電変換モジュール連結体10を用いて説明したが、光電変換モジュールPの行数及び列数は、それぞれ任意の2以上の整数とすることができる。