(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
照明系の入射瞳アパーチャは、照明系の入射瞳アパーチャの4つの象限のうち少なくとも2つで光を遮断するよう構成される空間フィルタを備えることを特徴とする請求項3に記載のスキャトロメータ。
OPS系は、第1および第2サブビームが互いに対して光軸回りに180°回転するように、第2サブビームを回転させるよう構成されることを特徴とする請求項1に記載のスキャトロメータ。
OPS系はさらに、第1および第2サブビームが光軸周りに互いに90°回転するように、第1および第2サブビームを回転させるよう構成されることを特徴とする請求項6に記載のスキャトロメータ。
OPS系は、複数の隣接するプリズムを備え、各サブビームの光路は、各界面において各プリズム面に対して実質的に垂直であることを特徴とする請求項1に記載のスキャトロメータ。
第1および第2像回転光学系はそれぞれ7側面のプリズムを備え、各7側面のプリズムは第1または第2ビームスプリッタプリズムに隣接する側面を有することを特徴とする請求項11に記載のスキャトロメータ。
第1および第2像回転プリズム系はそれぞれ、第1または第2サブビームを全反射により少なくとも2回反射するよう構成される2つのウェッジプリズムを備えることを特徴とする請求項11に記載のスキャトロメータ。
OPS系は、第1および第2サブビームが互いに対して光軸回りに180°回転するように、第2サブビームを回転させるよう構成されることを特徴とする請求項15に記載のリソグラフィ装置。
OPS系はさらに、第1および第2サブビームが光軸周りに互いに90°回転するように、第1および第2サブビームを回転させるよう構成されることを特徴とする請求項15に記載のリソグラフィ装置。
OPS系は、複数の隣接するプリズムを備え、各サブビームの光路は、各界面において各プリズム面に対して実質的に垂直であることを特徴とする請求項15に記載のリソグラフィ装置。
第1および第2像回転光学系はそれぞれ7側面のプリズムを備え、各7側面のプリズムは第1または第2ビームスプリッタプリズムに隣接する側面を有することを特徴とする請求項26に記載のリソグラフィ装置。
第1および第2像回転プリズム系はそれぞれ、第1または第2サブビームを全反射により少なくとも2回反射するよう構成される2つのウェッジプリズムを備えることを特徴とする請求項26に記載のリソグラフィ装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書は、請求される発明の特徴を組み込んだ一つ以上の実施形態を開示している。開示された実施形態は、単に請求される発明の例示に過ぎない。請求される発明の範囲は、開示された実施形態に限られない。請求される発明は、この文書に添付された特許請求の範囲だけによって定義される。
【0031】
本明細書において「一実施形態」、「実施形態の一実施例」等は、説明した実施形態が特定のフィーチャ、構造、または特徴を含んでいてもよいことを表すが、すべての実施形態がその特定のフィーチャ、構造、または特徴を必ずしも含んでいるわけではない。さらにまた、上記のフレーズは必ずしも同じ実施形態を指すものではない。さらに、特定のフィーチャ、構造、または特徴を一実施形態に関して説明するとき、明示的に説明しようがしまいが、他の実施形態に関してそのような特定のフィーチャ、構造、または特徴を作用させることは、当業者の知識の範囲内であるとして理解すべきである。
【0032】
しかしながら、このような実施形態をより詳細に説明する前に、請求される発明の実施形態を実装可能である例示的な環境を提示することが有益である。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係るソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置LAを模式的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばEUV放射)を調整するよう構成された照明系(照明器)ILと、パターニングデバイス(例えばマスクまたはレチクル)MAを支持するよう構成され、パターニングデバイスを正確に位置決めするよう構成された第1位置決め装置PMに接続されている支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストでコーティングされたウェハ)Wを保持し、基板を正確に位置決めするよう構成された第2位置決め装置PWに接続されている基板テーブル(例えばウェハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するよう構成されている投影系(例えば反射型投影系)PSと、を備える。
【0034】
照明系は、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、またはこれらの組合せを含み得るものであり、放射の向きや形状を整え、あるいは放射を制御するためのものである。
【0035】
支持構造は、パターニングデバイスを支持する、すなわちパターニングデバイスの重みを支える。支持構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、およびパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否か等のその他の条件に応じた方式でパターニングデバイスを保持する。支持構造は、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスを保持するその他の固定技術を用いてもよい。支持構造は、例えばフレームまたはテーブルであってもよく、これらは固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影系に対して所望の位置にあることを保証してもよい。本明細書における「レチクル」または「マスク」なる用語の使用は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同じ意味と見なしてよい。
【0036】
本明細書において「パターニングデバイス」なる用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するために放射ビーム断面にパターンを与えるのに使用される何らかのデバイスについて言及するものとして広義に解釈される。放射ビームに付与されたパターンは、基板のターゲット部分に望まれるパターンに厳密に一致していなくてもよい。例えば、位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャがパターンに含まれていてもよい。一般に、放射ビームに付与されたパターンは、ターゲット部分に生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応する。
【0037】
パターニングデバイスは透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、例えばマスクやプログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルなどがある。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッド型マスクが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるというものがある。これらの傾斜ミラーにより、マトリックス状ミラーで反射された放射ビームにパターンが付与されることになる。
【0038】
本明細書で使用される「投影系」という用語は、使用される露光光あるいは液浸や真空の利用などの他の要因に関して適切とされるいかなる投影系をも包含するよう広く解釈されるべきである。投影系には例えば屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、磁気的光学系、電磁気的光学系、静電的光学系、またはこれらの任意の組み合わせなどが含まれる。以下では「投影レンズ」という用語は、より一般的な用語である「投影系」と同義に用いられ得る。
【0039】
ここに図示されるのは、(例えば透過型マスクを用いる)透過型のリソグラフィ装置である。これに代えて、(例えば上述のようなプログラマブルミラーアレイまたは反射型マスクを用いる)反射型のリソグラフィ装置を用いることもできる。
【0040】
リソグラフィ装置は2つ以上(2つの場合にはデュアルステージと呼ばれる)の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を備えるタイプのものであってもよい。このような「多重ステージ型」の装置においては追加されたテーブルは並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルで露光が行われている間に他の1以上のテーブルで準備工程を実行するようにしてもよい。
【0041】
また、リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が比較的屈折率の高い液体、たとえば水で覆われ、それにより投影系と基板との間の空間が充填されるタイプの装置であってもよい。液浸液は例えばマスクと投影系との間などの、リソグラフィ装置の他の空間に与えられてもよい。液浸技術は、投影系の開口数を大きくするため技術として周知である。本明細書で使用される「液浸(immersion)」という用語は、基板などの構造が液体の中に沈められなければならないことを意味するものではなく、むしろ露光中投影系と基板との間に液体がある程度のことを意味するものである。
【0042】
図1に示されるように、照明器ILは放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば光源がエキシマレーザである場合には、光源とリソグラフィ装置とは別体であってもよい。この場合、光源はリソグラフィ装置の一部を構成しているとはみなされなく、放射ビームは光源SOから照明器ILへとビーム搬送系BDを介して受け渡される。ビーム搬送系BDは例えば適当な方向変更用のミラーおよび/またはビームエキスパンダを備える。あるいは光源が例えば水銀ランプである場合には、光源はリソグラフィ装置に一体に構成されていてもよい。光源SOと照明器ILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射系と総称される。
【0043】
照明器ILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを備えてもよい。一般には、照明器の瞳面における強度分布の少なくとも半径方向外径および/または内径の大きさ(通常それぞれ「シグマ−アウタ(σ−outer)」、「シグマ−インナ(σ−inner)」と呼ばれる)が調整される。加えて照明器ILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの種々の他の要素を備えてもよい。照明器はビーム断面における所望の均一性および強度分布を得るべく放射ビームを調整するために用いられる。
【0044】
放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されるパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射して、当該パターニングデバイスによりパターンが付与される。マスクMAを通過した放射ビームBは投影系PLに進入する。投影系PLはそのビームを基板Wのターゲット部分Cに集束する。第2の位置決め装置PWおよび位置センサIF(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ、静電容量センサなど)により基板テーブルWTを正確に移動させることができる。基板テーブルWTは例えば放射ビームBの経路上に異なるターゲット部分Cを位置決めするように移動される。同様に、第1の位置決め装置PMおよび他の位置センサ(
図1には明示せず)は、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めするのに使用されうる。この位置決めは例えばマスクライブラリからのマスクの機械検索後や走査中に行われる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1の位置決め装置PMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗い位置決め用)およびショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により実現されうる。同様に基板テーブルWTの移動は、第2の位置決め装置PWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現されうる。ステッパでは(スキャナとは異なり)、マスクテーブルMTは、ショートストロークのアクチュエータにのみ接続されているか、あるいは固定されていてもよい。マスクMAと基板Wとは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。図においては基板アライメントマークが専用のターゲット部分を占拠しているが、アライメントマークはターゲット部分間のスペースに配置されてもよい(これはスクライブレーン・アライメントマークとして公知である)。同様に、マスクMAに複数のダイがある場合にはマスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0045】
図示の装置は以下のモードのうち少なくとも1つで使用することができる。
【0046】
1.ステップモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンの全体が1回の照射で1つの目標部分Cに投影される間、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動されて、異なる目標部分Cが露光される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズは、1回の静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズを制限する。
【0047】
2.スキャンモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影系PLの拡大(縮小)特性および像反転特性により定められてもよい。スキャンモードでは露光フィールドの最大サイズが単一動的露光でのターゲット部分の(非走査方向の)幅を制限し、走査移動距離がターゲット部分の(走査方向の)長さを決定する。
【0048】
3.別のモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、マスクテーブルMTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTは移動又は走査される。このモードでは一般にパルス放射源が用いられ、プログラマブルパターニングデバイスは走査中に基板テーブルWTが移動するたびに、又は連続する放射パルスと放射パルスの間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上述のタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用可能である。
【0049】
上記で記載した使用モードを組み合わせて動作させてもよいし、各モードに変更を加えて動作させてもよいし、さらに全く別の使用モードでリソグラフィ装置を使用してもよい。
【0050】
図2に示すように、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィセルLCの一部を形成している。リソグラフィセルは、リソセル(lithocell)またはクラスタ(cluster)とも称され、基板に露光前プロセスおよび露光後プロセスを実行する装置も含む。従来、これらは、レジスト層を堆積させるスピンコータSC、露光されたレジストを現像するディベロッパDE、チルプレートCH、およびベークプレートBKを含む。基板ハンドラー、つまりロボットROは、入力/出力ポートIO1,IO2から基板を持ち上げ、これを異なるプロセス装置間で移動させ、これをリソグラフィ装置のローディングベイLBへと送出する。これらの装置は、往々にしてまとめてトラックと呼ばれ、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。トラック制御ユニットTCU自体は、監視制御系SCSにより制御される。監視制御系SCSは、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。したがって、様々な装置を操作して、スループットおよび処理効率を最大限にすることができる。
【0051】
リソグラフィ装置によって露光される基板が正確にかつ一貫して露光されるように、露光済み基板を検査して、後続の層との間のオーバーレイエラー、ライン幅、クリティカルディメンション(CD)等といった特性を測定することが望ましい。エラーが検出された場合、後続の基板の露光に対して、特に検査がすぐにかつ十分に高速に行うことが可能であれば同じバッチの他の基板がまだ露光されていない場合に、調整が行われる。さらに、既に露光された基板は、歩留まりを上げるために取り除かれても再加工されても、或いは廃棄されてもよく、それにより、欠陥があると分かっている基板に対して露光を行うことが回避できる。基板の一部のターゲット部分のみに欠陥がある場合、追加の露光は、欠陥のないターゲット部分に対してのみ行うことができる。
【0052】
検査装置を用いて、基板の特性、特に、様々な基板又は同じ基板の様々な層の特性がどのように変化するのかを判定する。この検査装置は、リソグラフィ装置LA又はリソセルLCと一体にされても、又は、スタンドアローンデバイスであってもよい。最速の測定を可能とするために、検査装置は、露光直後の露光済みレジスト層における特性を測定することが望ましい。しかし、レジストにおける潜像はコントラストが非常に低い。放射に露光されたレジストの部分とそうではない部分との間には非常に小さい屈折率の差しかない。すべての検査装置がこの潜像の有用な測定を行えるほどの十分な感度を有するわけではない。したがって、測定は、ポストベーク(PEB)ステップ後に行われうる。このステップは、習慣的に、露光済み基板に最初に行われるステップであり、レジストの露光済み部分と未露光部分とのコントラストを増加する。この段階では、レジスト内の像は、半潜像と呼ばれうる。レジストの露光済み又は未露光の部分は除去されている時点か、又は、エッチングといったパターン転写ステップ後において、現像済みのレジスト像を測定することも可能である。この後者の可能性は、欠陥のある基板の再加工の可能性を制限するが、依然として有用な情報を提供しうる。
【0053】
図3は、検査装置として使用しうる一般的なスキャトロメータを示す。このスキャトロメータは、基板W上に放射を投影する広帯域(例えば400〜905nm)照明光源302を備える。このスキャトロメータはさらに、基板Wから鏡面反射した放射スペクトル309(波長の関数としての強度)を測定するスペクトロメータ検出器304を備える。このデータから、検出されたスペクトラムを生じさせる構造又はプロファイルが、処理ユニットPUによって(例えば厳密結合波解析及び非線形回帰によって、又は、
図3の下部に示されるようなシミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較によって)再構成されうる。一般に、再構成のためには、構造の大体の形態が既知であり、いくつかのパラメータがその構造が作られたプロセスの知識から推測され、それにより、スキャトロメトリデータから判定される構造のパラメータはほんの幾つかでよい。このようなスキャトロメータは、法線入射スキャトロメータ、又は斜入射スキャトロメータとして構成されうる。
【0054】
スキャトロメータの別の態様を
図4に示す。このスキャトロメータでは、広帯域照明光源402によって放出された放射は、コリメートレンズ系412を用いてコリメートされ、フィルタ413及びポラライザ417を透過し、部分反射面416によって反射されて、高い開口数(NA)、好適には少なくとも0.9、より好適には少なくとも0.95を有する顕微鏡対物レンズ415を介して基板W上にその焦点が合わされる。浸漬スキャトロメータであれば、1を超える開口数を有するレンズを有してもよい。反射された放射は、散乱スペクトルが検出されるよう部分反射面416を介してディテクタ18へ通過する。検出器404は、レンズ系415の焦点長さにある後方投影される瞳面411に配置されうる。あるいは、瞳面411は、代わりに補助光学装置(図示せず)で検出器404上に再結像されてもよい。瞳面は、放射の半径位置が入射角度を画定し、かつ角度位置が放射の方位角度を画定する面である。検出器404は、基板ターゲット403の2次元角度散乱スペクトルを測定できるように2次元ディテクタであることが好適である。検出器404は、例えばCCD又はCMOSセンサのアレイであってよく、また例えばフレーム当たり40ミリ秒の積分時間を使用しうる。しかしながら、他の適切なセンサを用いてもよい。
【0055】
基準ビームが、例えば入射放射の強度を測定するために使用されてもよい。これを達成するために、ビームスプリッタ416に入射する照明ビームは部分的に基準ミラー414に向かって基準ビームとしてビームスプリッタ416を通過する。基準ビームは、次に検出器404の異なる部分、或いは異なる検出器(図示せず)上に投影される。
【0056】
フィルタ413は、例えば400〜905nmのスペクトル範囲からの10nm帯域幅など所望の波長または波長帯を選択するために、一組の干渉フィルタを備えてもよい。フィルタ413は、一組の異なるフィルタを備えるのではなく、調整可能であってもよい。格子を、干渉フィルタの代わりに用いてもよい。
【0057】
検出器404は、散乱光の強度を、単一波長(又は狭波長範囲)で、複数の波長で別々に、又は波長範囲にわたって積分して測定しうる。さらに、検出器404は、TM偏光及びTE偏光の強度、及び/又は、TM偏光とTE偏光との位相差を別々に測定しうる。
【0058】
照明光源402は、大きいエタンデュ(etendue)を与え、複数波長の混合を可能にする広帯域光源(すなわち、広い範囲の光周波数又は波長、したがって広い範囲の色を有する光源)であってよい。広帯域内の複数の波長は、それぞれ、Δλの帯域幅及び少なくとも2Δλの間隔(すなわち、波長の2倍)を有してもよい。帯域幅Δλは、例えば10nmであってよい。いくつかの放射「源」は、ファイバ束を使用して分離される拡張された放射源の異なる部分であってよい。ファイバ束は空間的に分離されているが、出力される照明ビームは、照明系を介して並列に誘導されてもよい。このように、角度分解された散乱スペクトルは、複数の波長で、並列に測定されることが可能である。2Dスペクトルより多くの情報を含む3Dスペクトル(波長及び2つの異なる角度)を測定してもよい。より多くの情報を測定できるようにすることにより、メトロロジプロセスのロバスト性が増大する。これは、参照することによりその全体を本明細書に組み込む欧州特許出願公開第EP1628164A号により詳細に記載される。
【0059】
基板W上のターゲット403は、1D格子であってよく、この格子は、現像後にバーが中実レジストラインから形成されるようにプリントされる。ターゲット403は、中実のレジストピラー又はレジスト内のビアから形成される2D格子であってもよい。或いは、バー、ピラー、又はビアは、基板内にエッチングされてもよい。このパターンは、投影系PLにおける色収差、及び照明対称性に敏感であり、そのような収差の存在は、プリントされた格子における変動という形で現れる。したがって、プリントされた格子のスキャトロメトリデータは、格子を再構成するために使用される。ライン幅及び形状といった1D格子のパラメータ、又は、ピラー又はビア幅又は長さ或いは形状といった2D格子のパラメータは、プリンティングステップの知識から処理ユニットPUによって行われる再構成プロセス及び/又は他のスキャトロメトリプロセスに入力されうる。
【0060】
図5は、OPS510を含む検査装置をより詳細に示す。
図5に示すように、広帯域光源502は、複数の波長の放射、例えば波長λ
1,λ
2,λ
3,λ
4を提供する。限定されない実施例では、複数の波長λ
1,λ
2,λ
3,λ
4は、装置により高速測定のために同時に提供される。別の実施形態では、波長可変光源が異なる時間に異なる波長を提供する。光源502は、例えば、複数の波長λ
1,λ
2,λ
3,λ
4に分離される白色光レーザまたはキセノンランプを含んでもよい。複数のファイバからの光を照明光路につなぐためにビーム誘導装置520が使用されてよい。照明を照明光路の特定の象限に限定するために空間フィルタ522が仕様されてもよい。照明器の出口における照明瞳506は、照明瞳506の1つの象限を通過する1つの照明ビーム508を有する。しかしながら、象限の任意の組み合わせが同時にまたは連続的に用いられてもよい。例えば、空間フィルタ505は、照明系の入射瞳アパーチャの4つの象限のうち少なくとも2つで光を遮断するよう構成されてもよい。
【0061】
照明ビーム508は、OPS510を通して送られる。OPS510は、ビームスプリッタによって照明ビーム508をサブビーム508a,508bに分割する。例えば、照明ビーム508の強度の50%が第1分岐に沿い、残りの50%が第2分岐に沿って誘導されるよう分割するために、非偏光ハーフミラーが用いられてもよい。OPS510は、光軸に関して対称な2つのサブビームを形成する。OPS510は、サブビーム508a,508bの一方又は両方を反転してもよい。例えば、サブビーム508a,508bを形成するために、以下に記載されるプリズムインバータ系が用いられてもよい。
図6および
図7は、OPS510の別の概略的な実施形態を示す。対称的なサブビーム508a,508bの結果として、照明瞳面524は今、起源(origin)に対して鏡像である(且つ実質的にゼロ空間周波数を有する)2つのサブビーム508a,508bで照明される。
【0062】
OPS510は、照明ビームの時間的コヒーレンス長Lよりも大きいが、検査装置の対物系の瞳面における焦点深度未満であるサブビーム508a,508b間の光路差(OPD)を生じさせる。時間的コヒーレンス長Lは、以下の式で与えられてよい。
【0064】
ここで、λは照明の波長であり、nは媒質の屈折率であり、Δλは照明の帯域幅(すなわちスペクトル幅)である。例えば、OPDは、400nmから905nmのスペクトル範囲および10nmの帯域幅に対して50μmから100μmの範囲内であってよい。一実施例が下記の表1に挙げられている。
【表1】
【0065】
OPS510は、サブビーム間の干渉をもたらすことなく、OV測定の精度を向上させる。OPS510は、放射が偏光か非偏光かにかかわらず、広帯域放射で用いられてよい。
【0066】
図5はさらに、照明瞳514を高NA(開口数)レンズL3の瞳面PP中に結像するダブルテレセントリック系を形成するレンズL1およびL2を示す。この対物レンズL3は、ターゲット503を照射する。ターゲット503は、未知の製品パターンにより囲まれた小格子であってよい。入射瞳アパーチャ506は、対物光学系の瞳アパーチャと共役であり、リレー光学素子L1およびL2は、照明光源の中間像を形成し、基板での結像のために中間像を対物光学系に中継する。レンズL1,L2およびL3はしたがって、対物によってターゲットを照射する光学系を形成する。ウェハ上の照明スポットは、通常、格子よりもずっと大きいものが選択される。標準値は、例えば、ウェハ上に投影されるスポット径30μmおよび格子サイズ10×10μm
2である。照明スポットが格子よりも小さいときも、例えばスクライブレーン中で相対的に大きい格子とともに、本実施形態は使える。
【0067】
ターゲット格子503および周囲の製品領域で散乱される照明光は、レンズL3により平行光とされ、ダブルテレセントリック系L3およびL4は、格子および製品周囲の拡大像を視野絞りFS上に形成する。視野絞りFSは、対物レンズL3およびL4から成るリレーにより形成される像平面に配置される。視野絞りFSの目的は、中間像の空間的範囲を制限して、検出光学素子中の迷光を抑制することである。空間フィルタは従って、ターゲットにより散乱された放射を選択するために、ターゲットに隣接する基板の表面から散乱される放射を空間的にフィルタリングする。
【0068】
レンズL4およびL5は、対物瞳面PPを直交位相ウェッジ(quadrature wedge)QW上に再結像する。この瞳面の像526は、基板格子で0,−1,0’および+1’次に回折された光の4つの成分を有する。直交位相ウェッジQWは、光を瞳面526の4象限に4方にリダイレクトする。従って、直交位相ウェッジQWは、基板から散乱される放射の異なる次数を別々にリダイレクトするよう構成された光学装置である。直交位相ウェッジQWは、4つのウェッジを備えてもよい。直交位相ウェッジQWの結果として、レンズL6は、像平面IP中に、視野絞りFSを通過した光の4つの空間的に分離したサブ像を生成する。白色光が用いられるとき、ウェッジの色収差が低減されるので、直交位相ウェッジはアクロマティックにできる。アクロマティックウェッジは、透過型とすることができるが、反射型ウェッジもまた本質的にアクロマティックなので適切である。ウェッジ角は、は、4つのサブ像の完全な分離を可能とするほど十分に大きい。分離が小さすぎる場合、像がオーバーラップして製品領域から格子領域中にクロストークを生じさせる。
【0069】
センサ504(例えば電荷結合素子)により、1つの所与の入射角に対して4つの信号が測定される。当業者であれば、照明瞳面中で照明スポットの位置を変えることにより、多くの入射角に対してこれを繰り返すことができることが分かるであろう。測定されたスペクトルの組は直ぐに、ターゲット格子の非対称特性を計算するために処理ユニットPUで用いることができる。(多量の2つ以上の重ね合わせた格子を伴うオーバーレイターゲットに関する)計算されたオーバーレイエラーおよび(単一格子に関する)非対称などの非対称特性は、回折に基づくオーバーレイ方式などで測定された+1’および−1次スペクトルを比較することにより決定することができる。
【0070】
本明細書に記載されたOPSの各実施形態は、上述のスキャトロメータとともに用いられてよい。本明細書に記載された全てのOPSの実施形態は、第1サブビームと第2サブビームが少なくとも1つの光源のコヒーレンス長より大きく且つ対物光学系の焦点深度未満のOPDを有するように、サブビーム間の光路差(OPD)を生じさせる。さらに、本明細書に開示された各OPSは、複数の隣接するプリズムから成るモノリシックプリズム系として構成されてよく、各サブビームの光路は、各界面において各プリズム面に対して実質的に垂直(すなわち、垂直から約1度)である。従って、OPSの入射面および出射面は、ゴースト像を低減するためにわずかに傾斜している。さらに、OPSの各ビームスプリッタは、非偏光ビームスプリッタ、例えばハーフミラーであってよい。開示された実施形態は通常、1つの照明ビーム経路と2つのサブビーム経路を示すが、当業者であれば、複数の照明ビームがこれらのOPSの実施例とともに用いられてよいことが分かるであろう。
【0071】
図6は、単一のビームスプリッタを利用することによりOPSがどのように構成されるかを示す実施例である。OPS610は、ビームスプリッタ641と、再帰反射器630
x,630
yとを含む。一つの典型的な実施形態では、ビームスプリッタ641は、照明ビーム608をそれぞれ入射照明ビームの約50%の強度である2つのサブビームに分割する非偏光ハーフミラーであってよい。さらに、再帰反射器630
x,630
yは、非偏光ハーフミラーを含むビームスプリッタキューブの隣接側面に配置されるポロプリズムであってよい。各ポロプリズムは、入射照明ビームをビームスプリッタ641に戻るように反射するので、入射ビームをそれぞれx軸またはy軸周りに反転する。従って、ビームが再結合されるとき、それぞれが異なる軸周りに反転する。
【0072】
図7は、2つのビームスプリッタを利用したOPSの別の構成を示す。OPS710は、照明ビーム708を分割する第1ビームスプリッタ741と、照明サブビームを再結合する第2ビームスプリッタ745とを含む。一つの典型的な実施形態では、第1ビームスプリッタ741は、照明ビーム708をそれぞれ入射照明ビームの約50%の強度である2つのサブビームに分割する非偏光ハーフミラーであってよい。第1ビームスプリッタ741を通過した照明ビーム708の一部は、サブビーム708aを形成する。サブビーム708aは、サブビーム708aをx軸周りに回転させる第1像回転機732
xを通って誘導される。サブビーム708aは、次に、折り曲げミラー744によって第2ビームスプリッタ745に向かって反射する。第1ビームスプリッタ741によって反射した照明ビーム708の一部は、サブビーム708bを形成する。サブビーム708bは、折り曲げミラー742によって、サブビーム708bをy軸周りに回転させる第2像回転機732
yに向かって反射する。サブビーム708bは、次に、第2ビームスプリッタ745に向かって出力される。第1ビームスプリッタ741と同様に、第2ビームスプリッタ745は、照明サブビームを再結合する非偏光ハーフミラーであってよい。この構成は、それぞれ入射照明ビームの50%の強度である2つの出力ビーム(一方のみが図示されているが)をもたらす。
【0073】
第1および第2像回転器は、様々な構成を有してよい。像反転器の典型的な実施形態を以下に説明する。さらに、OPS510,610,710は、物理的に分かれた構成要素から成る必要はないが、単一のモノリシックユニットであってもよい。また、入力および出力ビームの方向は、これは選択できことであるため、開示された実施形態に限定されない。しかしながら、特に、以下に開示されたOPSの典型的な実施形態は、プリズムの透過界面が光軸に対して実質的に垂直に配置されるよう特別に設計されている。本明細書に記載された典型的な実施形態は、透過を最大化し且つ分散およびフレアを最小化する。
【0074】
図8Aは、2つのビームスプリッタ841,845を備えるOPS810の第1の典型的なモノリシックプリズム系を示す。OPS710と同じように、OPS810は、ビームスプリッタ841,845と、ビームスプリッタ間の像回転系832
x,832
yを含む。像回転系832
x,832
yは、それぞれの入射サブビームを3回反射し、それによりサブビームの像を互いに対して180度回転させる。このような像回転系832
x,832
yの更なる詳細は、
図9Aおよび9Bに見ることができる。
【0075】
図8Bは、モノリシックプリズムOPS810の典型的な実施形態を示す。モノリシックプリズム810は、8つの隣接するピース、すなわち、2つの折り曲げプリズム(90°反射)、2つのビームスプリッタプリズム(ハーフミラーを含む)、および4つの内部反射ウェッジプリズム(2つの像回転系を形成する)を含む。従って、
図8Bは、
図8Aと類似しているが、入力Iおよび出力O
1に45度の折り曲げプリズムを備える。第1折り曲げプリズムは、入射する入力照明ビームを第1ビームスプリッタプリズムに対して垂直に反射する。照明ビームの一部(例えば50%)は、次に、第1ビームスプリッタ841’により第1分岐に沿って反射し、第1サブビーム808aを形成する。残りの部分は、第2分岐に沿って第1ビームスプリッタ841’を通過し、第2サブビーム808bを形成する。第1サブビーム808aおよび第2サブビーム808bは、それぞれ、各サブビームを実質的に垂直な軸周りに3度反射する像回転器に入射する。ビームスプリッタ845’は、サブビーム808a,808bを再結合した後、出力O
1を形成する。これに代えて又は加えて、プリズム系は出力O
2を利用するよう構成されうる。
【0076】
図示のOPS810は、光学的に結合された複数のプリズムを有する。特に、プリズム系は、サブビームが入射面に実質的に垂直な各界面入射するように構成される。この構成は、そうでなければ生じるはずの色収差を最小化する。
【0077】
側面図である
図9Aは、3つの異なる破線で特定される3つの異なるビーム光線908は、ビームスプリッタプリズム940の第1平面に対して実質的に垂直なプリズム系に入射する光ビームの一部の経路をトレースしている。ビームスプリッタ941は、入射ビーム908をサブビーム908a,908bに分割する。簡単にするために、光線908aのみがトレースされている。しかしながら、当業者であれば、このような光線がサブビーム908bに関しても同様にトレースされることが分かるであろう。サブビーム908aは、面961で第1反射プリズム960に入射する。第1反射プリズム960は、平面962でサブビーム908aを反射する。平面962は、サブビーム908aの光線が平面962で全反射(TIR)し、且つ平面964に向かって反射するように角度付けされている。平面964は、サブビーム908aの光線を平面972に反射する。入射のビーム角が全反射に必要とされる臨界角未満となる場合に、面964からの反射を増加させるために、面964をコーティングすることができる。平面972は、サブビーム908aの光線が再びTIRして、平面973に対して実質的に垂直な第2反射プリズム970から出射されるように、角度付けされる。サブビーム908aの光線は奇数回反射しているので、サブビーム908aは、サブビーム908aの光線の入射配光に対して反転して第2反射プリズム970から出射する。
【0078】
サブビーム908bは、第1反射プリズム980および第2反射プリズム990を通る類似の経路をたどる。2つのサブビーム908aおよび908bは、第2ビームスプリッタ945で収束する。
図9Bは、第1および第2反射プリズム960,970の斜視図を示す。
【0079】
別の典型的な実施形態では、
図10のOPSは、2つのビームスプリッタを備える光学瞳シンメトライザ(対称化器)の第3の典型的なモノリシックプリズム系を示す。
【0080】
さらに別の典型的な実施形態では、OPSは修正されたポロアッベ(Porro-Abbe)プリズム系を含んでよい。
図11に示すように、照明ビームは、非偏光ビームスプリッタNPBS
1により分割される。通過したサブビームは、像回転器として機能する修正されたポロアッベプリズムに入射する。修正されたポロアッベプリズムは、第2非偏光ビームスプリッタNPBS
2が最後の反射面を置換しているので、従来のポロアッベプリズムと異なる。
【0081】
第1非偏光ビームスプリッタNPBS
1によって反射した照明ビームの一部は、反射サブビームを形成する。反射サブビームは、次々に、ポロアッベプリズムに向かって折り曲げプリズムにより反射する。光学スラブを通過後、2つのサブビームは第2ビームスプリッタキューブにより再結合される。出力ビームは平行であるが、入力ビームと比較して「水平に」シフトしている。(「水平に」という用語は、示された図面そのままの方向を反映することを意図しており、実際の実装状態における方向ではない。)
【0082】
図11に図示された典型的な実施形態の修正版では、OPSは、折り曲げプリズムおよび光学スラブに代えて、3回反射のポロプリズムを有してよい。
図12Aに示すように、照明を分割後、照明ビームの反射部分は7側面のポロプリズムの1側面に入射する。サブビームは次に、3つの隣接する面で3回反射した後、出射され、従って、反射サブビームの像を回転させる。反射サブビームは、
図11に関して上述した修正されたポロアッベプリズムにより回転された透過サブビームと再結合される。
【0083】
図12Bは、
図12Aに示す光学瞳シンメトライザの典型的な実施形態の第1変形例を示す。
図12Bの実施形態は、出力ビームの光軸が入力ビームに対して実質的に垂直である点で
図12Aの実施形態と異なる。
【0084】
図12Cは、
図12Aに示す光学瞳シンメトライザの典型的な実施形態の第2変形例を示す。
図12Aの実施形態と同様に、出力ビームは入力ビームと平行である。しかしながら、
図12Cの出力ビームは、垂直方向および水平方向にシフトしている。菱形プリズムは、この垂直シフトを達成するために第2ビームスプリッタキューブに組み込まれている。
【0085】
さらに別の典型的な実施形態では、照明ビームの一部を回転させるために別の修正されたポロアッベプリズムが用いられてよい。
図13に示すように、第1非偏光ビームスプリッタNPBS
1は、照明ビームを反射サブビームと透過サブビームに分割しうる。反射サブビームは、ポロアッベプリズムを通って誘導された後、第2非偏光ビームスプリッタNPBS
2に入射する。透過サブビームは、切頂ポロプリズムまたはダブプリズムに誘導される。切頂ポロプリズムまたはダブプリズムは、第2非偏光ビームスプリッタNPBS
2に到達する前に、透過サブビームを2回反射する。サブビームは次に、上述したように再結合されてよい。
【0086】
最後の典型的な実施形態では、照明ビームの分割および再結合の両方を行うために、1つの非偏光ビームスプリッタNPBS
1が用いられる。
図14に示すように、非偏光ビームスプリッタNPBS
1は、照明ビームを透過サブビームと反射サブビームに分割する。透過サブビームは、ビームスプリッタプリズムの2つの角度付けされた側面により内側で反射される。透過サブビームは、次に、非偏光ビームスプリッタNPBS
1によってレンズL3に向かって反射する。反射サブビームは、第1折り曲げプリズム(90°反射)、ポロプリズム(2回90°反射)、第2折り曲げプリズム、第3折り曲げプリズム(90°反射)、および第4プリズム(90°反射)によって順番に反射される。これらの反射の後、非偏光ビームスプリッタNPBS
1によって反射した照明ビームの一部は、次に非偏光ビームスプリッタNPBS
1を通過してよく、その結果、最初に非偏光ビームスプリッタNPBS1を透過したサブビームの少なくとも一部と再結合する。
【0087】
光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、又はそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
【0088】
本明細書で使用する「放射」および「ビーム」という用語は、イオンビームあるいは電子ビームといったような粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nmまたは126nmの波長を有する)および極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を包含する。上述したように、駆動系との関係において放射という用語は、マイクロ波放射を含んでもよい。
【0089】
「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気および静電気光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか、またはその組合せを指してもよい。
【0090】
特定の実施形態についての上記説明は発明の一般的性質を完全に公開しており、したがって、当分野の能力に含まれる知識を適用することによって、過度の実験をすることなく、および本発明の一般概念から逸脱することなく、種々の応用に対してそのような特定の実施形態を直ちに修正しおよび/または適応させることができる。したがって、そのような適応および修正は、本明細書に提示された教示および助言に基づき、開示された実施形態の意義および等価物の範囲内であると意図されている。本明細書の表現または専門用語は例示による説明を目的としており限定のためではなく、本明細書の専門用語または表現は教示および助言を考慮して当業者によって解釈されるべきものであることを理解されたい。
【0091】
本発明の広さおよび範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物にしたがってのみ規定されるべきである。
【0092】
「課題を解決する手段」および「要約書」の項ではなく「発明の詳細な説明」の項が請求項を解釈するのに使用されるように意図されていることを理解されたい。「課題を解決する手段」および「要約書」の欄は本発明者が考えた本発明の実施例の1つ以上を示すものであるが、すべてを説明するものではない。よって、本発明および請求項をいかなる形にも限定するものではない。
【0093】
特定の機能および関係の実現を例証する機能的な構成要素の助けを用いて本発明を説明してきた。これらの機能的な構成要素の境界は、説明の便宜上、適宜定義されている。それらの特別な機能および関係が適切に実行される限り、別の境界も定義することができる。
【0094】
特定の実施形態についての上記説明は発明の一般的性質を完全に公開しており、したがって、当分野の能力に含まれる知識を適用することによって、過度の実験をすることなく、および本発明の一般概念から逸脱することなく、種々の応用に対してそのような特定の実施形態を直ちに修正しおよび/または適応させることができる。したがって、そのような適応および修正は、本明細書に提示された教示および助言に基づき、開示された実施形態の意義および等価物の範囲内であると意図されている。本明細書の表現または専門用語は説明を目的としており限定のためではなく、本明細書の専門用語または表現は教示および助言を考慮して当業者によって解釈されるべきものであることを理解されたい。