特許第6500787号(P6500787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6500787
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】リチャージ管ストッカー
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/06 20060101AFI20190408BHJP
   C30B 15/02 20060101ALI20190408BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20190408BHJP
【FI】
   C30B29/06 502A
   C30B15/02
   B65G1/00 531
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-671(P2016-671)
(22)【出願日】2016年1月5日
(65)【公開番号】特開2017-122017(P2017-122017A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2017年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】矢島 渉
【審査官】 村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−095306(JP,A)
【文献】 特開2007−253651(JP,A)
【文献】 特開平09−227271(JP,A)
【文献】 特開平05−278617(JP,A)
【文献】 特開2001−075610(JP,A)
【文献】 特開2002−020194(JP,A)
【文献】 長田 善雄, 菊池 淳一郎,多品種少容量秤量システムの構築事例とそのポイント,計装,日本,工業技術社,1994 Vol.37 No.7,46-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 1/00−35/00
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶引上装置で用いられるリチャージ管の保管及び管理するためのリチャージ管ストッカーであって、
リチャージ管ストッカー内へのリチャージ管の入庫及び前記リチャージ管ストッカー内からの前記リチャージ管の出庫を行う入出庫部と、前記リチャージ管を保管する保管手段と、前記リチャージ管内に原料を充填する原料充填手段と、前記リチャージ管内に充填した前記原料の重量を秤量する秤量手段と、前記入出庫部から入庫した前記リチャージ管を前記入出庫部、前記原料充填手段及び前記保管手段の間で搬送可能とする搬送手段と、前記保管手段で保管する前記リチャージ管の保管情報を一括して管理する管理手段とを有するものであることを特徴とするリチャージ管ストッカー。
【請求項2】
前記入出庫部は、空の前記リチャージ管を吊り下げた状態で前記リチャージ管の運搬用の台車から前記搬送手段に受け渡し可能で、また、前記原料を充填した前記リチャージ管を吊り下げた状態で前記搬送手段から前記台車に受け渡し可能なものであることを特徴とする請求項1に記載のリチャージ管ストッカー。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記リチャージ管を吊り下げた状態で、前記入出庫部、前記原料充填手段及び前記保管手段の間で搬送可能とする搬送機を有するものであることを特徴とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチャージ管ストッカー。
【請求項4】
前記原料充填手段は、前記リチャージ管内に前記原料を充填する際に、前記原料の充填がし易いように前記リチャージ管を所定の角度に傾斜可能な傾斜手段を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリチャージ管ストッカー。
【請求項5】
前記原料充填手段は、前記リチャージ管内に前記原料を充填する際に、前記リチャージ管内に前記原料が均一に充填されるように前記リチャージ管を回転及び/又は揺動する機能を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のリチャージ管ストッカー。
【請求項6】
前記秤量手段は、前記リチャージ管内に充填した前記原料の重量を秤量するためのロードセルを有するものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のリチャージ管ストッカー。
【請求項7】
前記保管手段は、空の前記リチャージ管、又は前記原料が充填された前記リチャージ管を吊り下げた状態で収納可能な保管棚と、該保管棚内における雰囲気のクリーン度をクラス100以下に維持可能なクリーンユニットとを有し、
前記クリーンユニットは、エアフィルター及び/又はケミカルフィルターを有するものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリチャージ管ストッカー。
【請求項8】
前記管理手段で一括して管理する前記保管情報は、少なくとも、前記保管手段によって保管する前記リチャージ管の位置と、前記リチャージ管内に充填した前記原料の重量を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のリチャージ管ストッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン等の単結晶引上装置で用いられるリチャージ管を保管及び管理する為のリチャージ管ストッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、チョクラルスキー法でシリコン等の単結晶を連続して引き上げるためには、るつぼ内の原料融液が所定量以下になる度に原料となるシリコン多結晶の塊を逐次るつぼ内へ充填することが必要となる。
【0003】
このルツボ内へ原料を充填するため、従来、リチャージ管が用いられている。このリチャージ管はシリンダ状となっており、この中に原料(例えば、シリコン多結晶)が充填可能となっている。
【0004】
リチャージ管内に多結晶原料を充填する際には、リチャージ管を1本ずつ専用の台車(例えば、特許文献1参照)に搭載し、その台車上で多結晶原料を計量しながら所定の量を充填していた(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
そして、原料の充填が終わったリチャージ管は、台車に搭載したままの状態で保管及び管理していた。また、使用原料の種類や、充填量等の情報管理は人手で実施していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−278617号公報
【特許文献2】特開平9−227271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、リチャージ管の保管及び管理のためには、リチャージ管の本数分の台車が必要であり、かつ台車を駐めるスペースが必要であった。また、必要とするリチャージ管の払い出しに当該品を捜索する時間を要し、取り違いが発生する可能性もあった。
【0008】
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたものであって、リチャージ管を省スペースで保管及び管理することができ、必要とするリチャージ管の捜索に時間を要したり、リチャージ管の取り違いが発生することを防止することができるリチャージ管ストッカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、単結晶引上装置で用いられるリチャージ管の保管及び管理するためのリチャージ管ストッカーであって、
リチャージ管ストッカー内へのリチャージ管の入庫及び前記リチャージ管ストッカー内からの前記リチャージ管の出庫を行う入出庫部と、前記リチャージ管を保管する保管手段と、前記リチャージ管内に原料を充填する原料充填手段と、前記リチャージ管内に充填した前記原料の重量を秤量する秤量手段と、前記入出庫部から入庫した前記リチャージ管を前記入出庫部、前記原料充填手段及び前記保管手段の間で搬送可能とする搬送手段と、前記保管手段で保管する前記リチャージ管の保管情報を一括して管理する管理手段とを有するものであることを特徴とするリチャージ管ストッカーを提供する。
【0010】
このようなものであれば、リチャージ管を省スペースで保管及び管理することができる。また、リチャージ管の保管情報を一括して管理するので、必要とするリチャージ管の捜索に時間を要したり、リチャージ管の取り違いが発生することを防止することができる。
【0011】
このとき、前記入出庫部は、空の前記リチャージ管を吊り下げた状態で前記リチャージ管の運搬用の台車から前記搬送手段に受け渡し可能で、また、前記原料を充填した前記リチャージ管を吊り下げた状態で前記搬送手段から前記台車に受け渡し可能なものであることが好ましい。
【0012】
このようなものであれば、搬送手段と台車との間におけるリチャージ管の受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0013】
またこのとき、前記搬送手段は、前記リチャージ管を吊り下げた状態で、前記入出庫部、前記原料充填手段及び前記保管手段の間で搬送可能とする搬送機を有するものであることが好ましい。
【0014】
このようなものであれば、入出庫部、原料充填手段及び保管手段の間におけるリチャージ管の搬送をより省スペースで行うことができる。
【0015】
またこのとき、前記原料充填手段は、前記リチャージ管内に前記原料を充填する際に、前記原料の充填がし易いように前記リチャージ管を所定の角度に傾斜可能な傾斜手段を有するものであることが好ましい。
【0016】
このようなものであれば、リチャージ管内への原料の充填をより効率的に行うことができる。
【0017】
またこのとき、前記原料充填手段は、前記リチャージ管内に前記原料を充填する際に、前記リチャージ管内に前記原料が均一に充填されるように前記リチャージ管を回転及び/又は揺動する機能を有するものであることが好ましい。
【0018】
このようなものであれば、リチャージ管内に原料を均一に充填することがより確実にできる。
【0019】
またこのとき、前記秤量手段は、前記リチャージ管内に充填した前記原料の重量を秤量するためのロードセルを有するものであることが好ましい。
【0020】
このようにロードセルによって、リチャージ管内に充填した原料の重量を秤量することができる。
【0021】
またこのとき、前記保管手段は、空の前記リチャージ管、又は前記原料が充填された前記リチャージ管を吊り下げた状態で収納可能な保管棚と、該保管棚内における雰囲気のクリーン度をクラス100以下に維持可能なクリーンユニットとを有し、
前記クリーンユニットは、エアフィルター及び/又はケミカルフィルターを有するものであることが好ましい。
【0022】
このようなものであれば、リチャージ管をより省スペースで保管することができる。また、クリーン度の高い雰囲気の中でリチャージ管を保管することができるため、リチャージ管内に充填した原料が雰囲気によって汚染されることをより確実に防止することができる。さらに、ケミカルフィルターを設けることにより、リチャージ管内に充填した原料が、雰囲気中の化学物質によって汚染されることをより確実に防止することができる。
【0023】
またこのとき、前記管理手段で一括して管理する前記保管情報は、少なくとも、前記保管手段によって保管する前記リチャージ管の位置と、前記リチャージ管内に充填した前記原料の重量を有するものであることが好ましい。
【0024】
このようなものであれば、必要とするリチャージ管の払い出しに当該品を捜索する時間を要したり、取り違いが発生することをより確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のリチャージ管ストッカーであれば、リチャージ管を省スペースで保管及び管理することができる。また、リチャージ管の保管情報を一括して管理するので、必要とするリチャージ管の捜索に時間を要したり、リチャージ管の取り違いが発生することを防止することができる。また、リチャージ管をリチャージ管ストッカー内に保管できる為、保有する台車数を必要最低限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明のリチャージ管ストッカーの一例を示した概略図である。
図2】本発明のリチャージ管ストッカーにおいて、入出庫部におけるリチャージ管の入庫動作を示した説明図である。
図3】本発明のリチャージ管ストッカーにおいて、原料充填手段によるリチャージ管への原料の充填動作を示した説明図である。
図4】リチャージ管内に原料を充填する際に、リチャージ管を回転及び/又は揺動可能な揺動手段を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記したように、原料の充填が終わったリチャージ管を、台車に搭載したままの状態で保管及び管理する場合、リチャージ管の本数分の台車が必要であり、かつ台車を駐めるスペースが必要であった。また、必要とするリチャージ管の払い出しに当該品を捜索する時間を要し、取り違いが発生する可能性もあった。
【0028】
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、リチャージ管ストッカー内の保管手段によってリチャージ管の保管を行い、管理手段によって保管するリチャージ管の保管情報を一括して管理するものであれば、リチャージ管を省スペースで保管及び管理することができ、必要とするリチャージ管の捜索に時間を要したり、リチャージ管の取り違いが発生することを防止することができることに想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
【0029】
図1に示すように、本発明のリチャージ管ストッカー1は、リチャージ管ストッカー1内へのリチャージ管2の入庫及びリチャージ管ストッカー1内からのリチャージ管2の出庫を行う入出庫部3と、リチャージ管2を保管する保管手段4と、リチャージ管2内に原料5を充填する原料充填手段6と、リチャージ管2内に充填した原料5の重量を秤量する秤量手段7と、入出庫部3から入庫したリチャージ管2を入出庫部3、原料充填手段6及び保管手段4の間で搬送可能とする搬送手段8と、保管手段4で保管するリチャージ管2の保管情報を一括して管理する管理手段9とを有するものである。
【0030】
管理手段9としては、例えば、パーソナルコンピューター等による、在庫管理システムを用いることができる。このようなものであれば、リチャージ管2内の充填物の情報等を一括管理するのに好適である。
【0031】
管理手段9で一括して管理する保管情報は、少なくとも、保管手段4によって保管するリチャージ管2の位置と、リチャージ管2内に充填した原料5の重量を有するものであることが好ましい。また、更に具体的には、原料5の品種、製造ロットナンバー、リチャージ管2のサイズ等の保管情報を管理手段9で一括して管理することができる。
【0032】
このようなものであれば、必要とするリチャージ管2の払い出しに当該品を捜索する時間を要したり、取り違いが発生することをより確実に防止することができる。
【0033】
図2に示すように、入出庫部3は、空のリチャージ管2を吊り下げた状態でリチャージ管2の運搬用の台車10から搬送手段8に受け渡し可能で、また、原料5を充填したリチャージ管2を吊り下げた状態で搬送手段8から台車10に受け渡し可能なものであることが好ましい。
【0034】
このようなものであれば、搬送手段8と台車10との間におけるリチャージ管2の受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0035】
搬送手段8は、リチャージ管2を吊り下げた状態で、入出庫部3、原料充填手段6(図3参照)及び保管手段4の間で搬送可能とする搬送機11を有するものであることが好ましい。例えば、図1に示すように、搬送機11がリチャージ管ストッカー1内の搬送路22上を走行可能なものとすることができる。また、図2に示すように、搬送機11がリチャージ管2を吊り下げた状態で、旋回可能なものとすることができる。
【0036】
このようなものであれば、入出庫部3、原料充填手段6及び保管手段4の間でのリチャージ管2の搬送を省スペースで行うことができる。また、原料充填作業後のリチャージ管2を搬送機11で保管手段4へと搬送できるので、従来における台車で保管場所まで移動させる場合よりも時間を短縮することができる。
【0037】
図3に示すように、原料充填手段6は、リチャージ管2内に原料を充填する際に、原料の充填がし易いようにリチャージ管2を所定の角度に傾斜可能な傾斜手段12を有するものであることが好ましい。
【0038】
このようなものであれば、リチャージ管2内への原料の充填をより効率的に行うことができる。リチャージ管2内への原料の充填は、例えば、人手によって行うことができる。もしくは、充填装置等を用いて自動で行ってもよく、特に限定されない。
【0039】
原料充填手段6は、リチャージ管2内に原料5を充填する際に、リチャージ管2内に原料5が均一に充填されるようにリチャージ管2を回転及び/又は揺動する機能を有するものであることが好ましい。
【0040】
このようなものであれば、リチャージ管2内に原料5を均一に充填することがより確実にできる。例えば、図4に示すようなローラ19と、該ローラー19を回転させるモーター20とを有する揺動手段21によって、リチャージ管2を回転及び/又は揺動させることができる。
【0041】
図3に示すように、秤量手段7は、リチャージ管2内に充填した原料5の重量を秤量するためのロードセル13を有するものであることが好ましい。ロードセル13は、測定した重量を表示する機能を有するものとすることができる。このようにロードセル13によって、リチャージ管2内に充填した原料5の重量を秤量することができる。
【0042】
保管手段4は、空のリチャージ管2、又は原料5が充填されたリチャージ管2を吊り下げた状態で収納可能な保管棚14と、保管棚14内における雰囲気のクリーン度をクラス100以下に維持可能なクリーンユニット15とを有し、クリーンユニット15は、エアフィルター16及び/又はケミカルフィルター17を有するものであることが好ましい。ケミカルフィルター17は、雰囲気中の化学物質を除去可能なものであることが好ましい。
【0043】
このようなものであれば、リチャージ管2をより省スペースで保管することができる。また、室内環境に左右されずに、クリーン度の高い雰囲気の中でリチャージ管2を保管することができる。そのため、リチャージ管2内に充填した原料5が雰囲気によって汚染されることをより確実に防止することができる。さらに、ケミカルフィルター17を設けることにより、リチャージ管2内に充填した原料5が、雰囲気中の化学物質によって汚染されることをより確実に防止することができる。
【0044】
クリーンユニット15は、例えば、循環ファン18によって保管棚14内の雰囲気を吸引して、エアフィルター16及び/又はケミカルフィルター17を通過させた後、再び保管棚14内へと供給するものとすることができる。
【0045】
このような本発明のリチャージ管ストッカーであれば、リチャージ管を省スペースで保管及び管理することができる。また、リチャージ管の保管情報を一括して管理するので、必要とするリチャージ管の捜索に時間を要したり、リチャージ管の取り違いが発生することを防止することができる。また、リチャージ管をリチャージ管ストッカー内に保管できる為、保有する台車数を必要最低限にすることができる。
【0046】
上記のような、本発明のリチャージ管ストッカーを用いた、リチャージ管の保管及び管理方法の一例を以下に簡単に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0047】
最初に、図2を参照して入出庫部3におけるリチャージ管2の入庫動作を説明する。まず、入出庫部3に空のリチャージ管2を搭載した台車10をセットする(工程1)。リチャージ管2を吊り下げた状態で搬送機11へ受け渡す(工程2、3)。リチャージ管2は吊り下げられた状態で搬送機11により任意の保管棚14に移載され(工程4)、吊り下げられた状態で保管される(工程5)。
【0048】
次に、図3を参照して、原料充填手段6におけるリチャージ管2への原料5の充填動作を説明する。まず、保管棚14で吊り下げられた状態で保管されている空のリチャージ管2を、搬送機11により原料充填手段6へ搬送する(工程6〜8)。
【0049】
原料充填手段6にリチャージ管2が受け取られた後、リチャージ管2への原料の充填がし易いように、傾斜手段12によりリチャージ管2を所定の角度に傾斜させる(工程9)。そして、リチャージ管2を回転及び/又は揺動させてリチャージ管2内に原料5が均一になるように充填する(工程10)。このとき、リチャージ管2内に充填した原料5の重量はロードセル13により秤量される。
【0050】
そして、図3における原料の充填動作の工程と逆のフローにて、原料5を充填した後のリチャージ管2は保管棚14に収納され、保管される。このときの保管するリチャージ管2の位置は、リチャージ管2内に充填した原料5の重量の情報と共に、管理手段によって一括して管理される。
【0051】
そして、図2における入庫動作の工程と反対のフローにて、原料5が充填され、保管棚14で保管されたリチャージ管2が出庫される。このとき、管理手段で一括して管理されるリチャージ管の保管情報を用いて正確に出庫するリチャージ管2が特定される。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
(実施例)
図1に示すような本発明のリチャージ管ストッカーを用いて100本のリチャージ管の保管及び管理を行った。
【0054】
リチャージ管の保管には保管棚を用い、リチャージ管を吊り下げた状態で保管した。また、保管棚内における雰囲気のクリーン度は、クリーンユニットによりクラス100以下に維持した。そして、保管するリチャージ管の位置及びリチャージ管内に充填した原料の重量の保管情報を管理手段によって一括して管理した。
【0055】
このとき、保管及び管理するリチャージ管の一本当たりに必要なスペース及び、リチャージ管ストッカーの全体の面積を測定した。
【0056】
その結果、保管及び管理するリチャージ管の一本当たりに必要なスペースは、0.4m×0.5m=0.2m/本であった。また、リチャージ管ストッカー全体の面積は、50mであった。
【0057】
(比較例)
100本のリチャージ管をそれぞれ台車に乗せた状態で保管及び管理した。このとき、保管及び管理するリチャージ管の一本当たりに必要なスペースを測定した。
【0058】
その結果、保管及び管理するリチャージ管の一本当たりに必要なスペースは、1.5m×0.6m=0.9m/本であった。また、100本のリチャージ管の全体の面積は、90mのスペースが必要であった。
【0059】
このように、実施例では比較例に比べて、リチャージ管を省スペースで保管及び管理することができた。また、比較例では、保管及び管理するリチャージ管に対してそれぞれ台車が必要であるのに対し、実施例では、リチャージ管をリチャージ管ストッカー内に保管できる為、保有する台車数を20〜30台とすることができ、必要最低限にすることができた。
【0060】
また、実施例では、リチャージ管の保管情報を一括して管理することにより、必要とするリチャージ管の捜索に時間を要したり、リチャージ管の取り違いが発生することを防止することができた。
【0061】
比較例において、リチャージ管を保管する室内のクリーン度は、クラス1000〜10000であった。これに対して実施例では、クリーンユニットを設置することによりクラス100以下に維持してリチャージ管の保管をすることができた。
【0062】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0063】
1…リチャージ管ストッカー、 2…リチャージ管、 3…入出庫部、
4…保管手段、 5…原料、 6…原料充填手段、 7…秤量手段、 8…搬送手段、
9…管理手段、 10…台車、 11…搬送機、 12…傾斜手段、
13…ロードセル、 14…保管棚、 15…クリーンユニット、
16…エアフィルター、 17…ケミカルフィルター、 18…循環ファン、
19…ローラー、 20…モーター、 21…揺動手段、 22…搬送路。
図1
図2
図3
図4