(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6501052
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】光モジュール、照明装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20190408BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20190408BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20190408BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20190408BHJP
F21V 7/09 20060101ALI20190408BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20190408BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20190408BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20190408BHJP
【FI】
F21S2/00 484
G02F1/13357
H01L33/00 H
H01L33/00 L
F21S2/00 482
F21V7/00 510
F21V7/00 530
F21V7/09 200
F21V3/00 530
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-113065(P2014-113065)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-228309(P2015-228309A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2017年4月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102934
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 彰
(72)【発明者】
【氏名】小椋 渉
(72)【発明者】
【氏名】五味 圭一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 照雄
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−097783(JP,A)
【文献】
特表2010−537400(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/005487(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 3/00
F21V 7/00
F21V 7/09
F21V 19/00
G02F 1/13357
H01L 33/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に少なくとも3つの出射面を有する発光装置と、
前記発光装置の周囲に配置された反射領域と、
を有する光モジュールであって、
前記反射領域は、
前記出射面の前方に少なくとも一部が配置される拡散反射領域と、
前記出射面の向いていない方向であって、隣り合う前記拡散反射領域の間に配置される鏡面反射領域と、
を含む、光モジュール。
【請求項2】
請求項1において、
前記鏡面反射領域は凸または凹の立体形状を含む、光モジュール。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記発光装置は4方向にそれぞれ向いた前記出射面を有し、
前記出射面が向いていない前記鏡面反射領域の方向の光強度が前記拡散反射領域の方向の光強度より強い分布を有する光を出力する、光モジュール。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の光モジュールを複数有し、さらに、
前記複数の光モジュールが配置された発光面を有する照明装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記発光装置は4方向にそれぞれ向いた前記出射面を有し、
前記発光面は、前記複数の光モジュールの少なくとも一部が、前記出射面の方向を揃えて等間隔に2次元に配置されている部分を含む、照明装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記発光面と対向するように配置された拡散板を有する照明装置。
【請求項7】
請求項4または5に記載の照明装置と、
前記発光面と対向するように配置された透光性の表示基板とを有する表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲に光を放出する光モジュール、複数の光モジュールを備えた照明装置および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示パネルを備える表示装置のバックライトユニットに用いられる発光装置において、被照射体の面方向において輝度が均一となるように、光を被照射体に照射することができ、薄型化が可能な発光装置が記載されている。バックライトユニットは、プリント基板と、プリント基板上に設けられ、基台、LEDチップ、およびレンズを有する複数の発光部と、発光部の周囲に設けられ、第1反射部分および第2反射部分を有する第1反射部材とを設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−216747公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より薄型で、より均一な照明効果が得られる照明装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、側面に少なくとも3つの出射面を有する発光装置と、発光装置の周囲に配置された反射領域とを有する光モジュールである。反射領域は、出射面の前方に少なくとも一部が配置される拡散反射領域と、
出射面が向いていない方向であって、隣り合う拡散反射領域の間に配置される鏡面反射領域とを含む。
【発明の効果】
【0006】
出射面の前方にかかるように拡散反射領域を配置し、隣り合う拡散反射領域の間に鏡面反射領域を配置することにより出射面の前方以外の輝度を向上できる。このため、照明装置の発光面に、複数の光モジュールを配置することにより、より薄型で、より均一な照明効果が得られる照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】
図5(a)は光モジュールの水平方向の配光分布、
図5(b)は光モジュールの垂直方向の配光分布、
図5(c)は単体のLEDの配光角曲線。
【
図8】さらに異なる光モジュールを展開して示す展開斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に、照明装置を展開して示している。この照明装置1は、上側が開放された薄い箱型のカバー2と、カバー2の下側の面に配置された照明基板10と、照明基板10に対向してカバー2の正面側2cを覆う拡散板5とを有する。この例では、カバー2は正方形の照明基板10が設置された裏面と、四方の側面2bとを含む。照明基板10がカバー2と一体になっていてもよい。カバー2は長方形であってもよく、他の多角形であってもよく、円形、または楕円形であってもよい。カバー2の正面側2cおよび裏面側2aは、相対的な方向であり、照明装置1を天井に取り付けて使う場合は、カバー2の正面側2cは下側を向き、壁に取り付けて使う場合は、カバー2の正面側2cは側方を向く。
【0009】
拡散板5の代わりに、または拡散板5に重ねて透光性の表示基板6、たとえば、LCD基板を装着することが可能である。照明装置1は表示装置7のバックライトであってもよく、表示装置7に組み込まれていてもよい。
【0010】
図2に、照明基板10が内部に配置されたカバー2を正面から見た様子を示している。照明基板10の正面側の面(以降では上側の面)は照明用の光を発する発光面10aであり、拡散反射性の基板面10bに、複数の光モジュール20が縦横に並んで配置されている。つまり複数の光モジュールの少なくとも一部が、出射面の方向を揃えて等間隔に2次元に配置されている部分を含んでいる。拡散反射性の基板面10bは、いわゆる艶消しの面であり、光が乱反射するように粗面に加工されていてもよく、白色反射シートなどの拡散反射シートが貼り付けられていてもよい。
【0011】
この照明基板10の発光面10aには、16個の光モジュール20が縦横に4×4のマトリクスをなすように配置されている。光モジュール20の数はこれに限定されず、光モジュール20が配列される方向はカバー2の側面2bに対して直交する方向が好ましいがこれに限られない。または平行する方向に限らず、斜めであってもよい。さらに、カバー2の内側の側面2bには拡散反射シートが貼り付けられていることが好ましい。
【0012】
図3に、光モジュール20の概略構成を平面図で示し、
図4に、光モジュール20の外観を斜視図により示している。光モジュール20は、正方形の配線基板24と、その配線基板24の上面24aの中央に配置された発光装置25とを含む。発光装置25は、側面に出射面31が設けられた4つの側面発光型のLED30を含む。4つのLED30は、主発光軸39が配線基板24の上面24aと平行で、配線基板24の四隅をそれぞれ向くように組み合わせされている。4つのLED30は、配線基板24の上面24aで90度ずつ向きを変えてくみあわされており、全体として上面から見ると正方形で全体が直方体状の発光装置25を構成している。したがって、発光装置25の4方向の側面26のそれぞれに、光を放出する出射面31が設けられている。
【0013】
配線基板24の上面24aは、出射面31の前方に少なくとも一部が配置された拡散反射領域21と、隣り合う拡散反射領域の間に配置された鏡面反射領域22とを含む反射領域であり、発光装置25の周囲の反射環境を構築する。拡散反射領域21は、各主発光軸39の方向に、発光装置25の各側面26の直下から、各側面26の幅から各出射面31の半分程度を除いた幅で、配線基板24の各隅に向けて延びたほぼ長方形の領域である。拡散反射領域21の形状は長方形に限定されない。出射面31の前方に少なくとも一部が配置される形状であればよい。拡散反射領域21は、さらに配線基板24の隅に向かって延びており、配線基板24の隅を含めた領域に配置されていることが望ましい。拡散反射領域21は、配線基板24の上面24aを艶消しの状態に加工してもよく、白色などの拡散性のシートを貼り付けて形成してもよい。
【0014】
拡散反射領域21の間に配置されている鏡面反射領域22は、配線基板24の上面24aの中の、四角形の発光装置25の隅部の前方直下から配線基板24の各辺に向かってほぼ三角形に広がる領域であり、本例においては、各出射面31の前方に半分程度かかる幅で広がっている。鏡面反射領域22は、光の拡散が少なく、一方からの光が別の一方に反射されて出ていく領域であり、いわゆる、艶ありの領域である。鏡面反射領域22は、金属などの部材を凹凸がほとんどない状態に加工した領域であってもよく、反射性の高い金属薄膜などの鏡面反射シートを貼り付けて形成された領域であってもよく、配線基板24自身であって配線基板24の表面が反射性の高い領域であってもよい。
【0015】
図5に光モジュール20の配光特性を示している。
図5(a)は、水平方向の配光分布を示し、
図5(b)は、垂直方向の配光分布を示す。
図5(c)は、単体のLEDの配光角曲線を参考に示している。
【0016】
図5(a)には、
図4に示した鉛直角θが90度(法線69からの角度、法線69は0度)の水平方向の配光分布62と、鉛直角θが55度の配光分布61とを示している。なお、主発光軸39は水平角φが0度、90度、180度、270度の位置である。
【0017】
図5(b)には、水平角φが45度の面における垂直方向(鉛直角方向)の配光分布63と、水平角φが0度の面における垂直方向(鉛直角方向)の配光分布64とを示している。また、この配光分布は、45度の場合のみならず、135度、225度、315度も45度の場合と同様の配光分布63を示し、0度の場合のみならず、90度、180度、270度も0度の場合と同様の配光分布64を示す。
【0018】
光モジュール20においては、2個のLED30の間、すなわち、2つの出射面31の間の水平角φが45度、135度、225度および315度には2個のLED30がそれぞれ主発光軸39に対し45度の向きで発光することになる。
図5(c)の個々のLED30の配光特性によれば、45度の配光強度は、もっとも発光強度の高い0度、即ち主発光軸39の配光強度に対し(1/√2)となる。したがって、水平角φが45度、135度、225度および315度の強度は、2個のLED30から寄与があるので、√2倍、すなわち、約1.4倍となる。
【0019】
本例の光モジュール20は、円形な配光特性ではなく、隣接する光源への距離が大きくなる格子状配置の対角線方向に強い強度の発光分布を持つ。また、相対的に、隣り合う光モジュール20への距離が小さい縦横辺に平行な方向へは、対角線方向より弱い発光分布を持つ。これらの配光特性は、複数の光モジュール20を縦横に格子状に配置した場合においても、方向による光モジュール20の間の距離の違いに影響されにくい。
【0020】
さらに、光モジュール20においては、拡散反射領域21と鏡面反射領域22とを組み合わせることにより、鉛直角θが90度以下の方向の配光特性を円形から対角線方向に強い分布を持つ特性に変更でき、対角線方向の暗点の解消に効果的である。
【0021】
すなわち、光モジュール20の配線基板24の上面(反射領域)24aが拡散面のみで構成された場合、そのような光モジュールの対角線方向に強い配光特性は鉛直角90度、即ち上面24aに平行な面内近傍に限られている。このため、対角線方向に隣り合う光モジュール20との中点上(対角中点)の拡散板5に向かう鉛直角の配光分布は円形に近づく。このため、単に4つのLED30を組み合わせて、対角線方向の分布を強くしても対角中点の暗点解消は十分には達成できない。
【0022】
本例の光モジュール20においては、配線基板24の上面24aに拡散反射領域21と鏡面反射領域22とを配置しており、
図5(a)に示すように、鉛直角55度の配光分布62も対角線方向、すなわち、水平角45度、135度、225度、315度は強度が高い。したがって、光モジュール20は、拡散板5に向かう鉛直方向の分布、たとえば、鉛直角55度方向においても、主発光軸39の強度に対し、主発光軸39の中間の角度(水平方向φが45度、135度、225度、315度)の方向の強度が1.2倍になる配光分布を持たせることができる。
【0023】
さらに、
図5(b)に示すように、主発光軸39の中間の角度(水平方向φが45度、135度、225度、315度)方向の垂直方向の配光分布は、鉛直角75度付近にピークを持つバットウィング形状の分布となる。これは、主発光が被照射面に垂直になるよう配置された光源に広拡散レンズを組み合わせて得られる配光分布と類似し、被照射面である拡散板5および表示基板6(表示パネル)を均一に照明するのに最適な配光分布となる。さらに、拡散レンズにより実現される配光特性は、光源を中心とした円形の分布となるが、上述したように、光モジュール20の配光分布は、水平角φの方向により強度分布が違い、複数の光モジュール20を正方格子状に配置したときに理想的な配光特性となる。
【0024】
このため、LED30のような指向性の高い光源を使用して、拡散板5による光利用率の低下を抑制し、なお薄型で均一な照明効果が得られる照明装置1および表示装置7を提供できる。たとえば、光モジュール20の間の距離(ある光モジュールの中心と、その光モジュールに隣り合う最短の光モジュールの中心との距離)Pに対し、発光面10aと拡散板5の内面との距離がP/2の照明装置1であっても、対角線方向の暗点がほぼ見えないことが確認されている。
【0025】
図6に、光モジュール20の異なる例を示している。この光モジュール20は、正方形の配線基板24と、その配線基板24の上面24aの中央に配置された発光装置25とを含む。発光装置25は、側面に出射面31が設けられた4つの側面発光型のLED30を出射面31が四方をそれぞれ向くように組み合わせた構成である。配線基板24の上面24aに、出射面31の前方に配置された拡散反射領域21と、隣り合う拡散反射領域の間に配置された鏡面反射領域22とを含む。拡散反射領域21は、出射面31の直下が狭く、配線基板24のコーナー(4つの隅部)に向かって広がっている。拡散反射領域21の間に配置されている鏡面反射領域22は、発光装置25のコーナー部分の前方直下から配線基板24の各辺に向かって帯状に延びている。
【0026】
この光モジュール20においても、
図5(a)および
図5(b)に示した配光分布と同様の配光分布が得られる。鏡面反射領域22は、対角線方向(主発光軸39同士の中間方向)の90度以下の鉛直角方向に強い配光分布を得るために重要であるが、対角線方向に設けられていればよく、鏡面反射領域22の形状、大きさの許容範囲は広い。
【0027】
拡散反射領域21は、光モジュール20の直上、すなわち、鉛直角θが0度方向の配光分布を得るために重要である。拡散反射領域21は、発光装置(LEDパッケージ)25の側面26に設けられた出射面31の直前と配線基板24の上面24aの鏡面反射領域22との間に適当な幅設けられていることが重要である。
【0028】
図7に、光モジュール20のさらに異なる例を示している。この光モジュール20は、正方形の配線基板24と、その配線基板24の上面24aの中央に配置された発光装置25とを含む。発光装置25は、側面に出射面31が設けられた4つの側面発光型のLED30を出射面31が四方をそれぞれ向くように組み合わせた構成である。配線基板24の上面24aに、出射面31の前方に配置された拡散反射領域21と、隣り合う拡散反射領域の間に配置された鏡面反射領域22とを含む。拡散反射領域21は、主発光軸39の方向に出力される光で鉛直角θが90度近傍の光を拡散板5の方向に反射する斜面21aを含む。
【0029】
鏡面反射領域22は、出射面31から出力された光を被照射面である拡散板5の上の対角中点に向けて反射するような角度に設置された凸面鏡22aを含む。凸面鏡22aは円筒側面の形状を含み、配線基板24の上面24aから突き出るように設けられている。この光モジュール20においても、
図5(a)および(b)と同等の配光分布が得られる。鏡面反射領域22は、凸面鏡22aの代わりに、あるいはそれとともに凹面鏡を備えていてもよい。つまり、鏡面反射領域は凸または凹の立体形状を含む。鏡面反射領域22は、三角形または他の多角形の凸状あるいは凹状の鏡面を備えていてもよい。
【0030】
図8に、光モジュール20のさらに異なる例を示す。この光モジュール20は、配線基板24と、配線基板24の中央に取り付けられたLED30と、配線基板24の上面24aに取り付けられる反射板29と、反射板29の中央の開口29aを介して露出するLED30を覆うカバー28とを含む。LED30は、鉛直方向に主発光軸を持つように配線基板24に取り付けられている。カバー28は、水平角φが0度、90度、180度、270度にそれぞれ開いた窓(開口)28aを含む。発光装置25は、LED30とカバー28とを含み、窓28aを出射面31とし、水平角φが0度、90度、180度、270度を主発光軸39として光が出力される。
【0031】
反射板29は、出射面31である窓28aの前面に一部がかかるように配置された拡散反射領域21と、隣り合う拡散反射領域21の間に配置された鏡面反射領域22とを含む。この光モジュール20も、
図5(a)および(b)に示した配光特性に準じた配光特性を持つ。
【0032】
図9に、照明基板10の異なる例を示している。この照明基板10の発光面10aは、拡散シート10bに覆われ、その上に、照明器具としての大きさと照度(輝度)に見合う数の光モジュール20が、それぞれの光モジュール20の出射面31が縦横に揃って向くように配列されている。さらに、光モジュール20が縦横に配置された対角方向の中点に四角錐形状の拡散反射材で形成された反射リブ15が設けられている。四角錐を構成する各面15aは、反射リブ15の四方に位置する4つの光モジュール20の方向を向いており、それぞれの光モジュール20から出力された光を拡散板5の方向に反射する。したがって、光モジュール20間の距離を広げて、均一な光を被照射面である拡散板5から出力する照明装置1が得られる、もしくは、光モジュール20の間の対角方向の中点が暗点になることをさらに確実に抑制できる、より均一な光を被照射面である拡散板5から出力する照明装置1が得られる。
【0033】
以上に説明したように、照明装置1は、被照射面の面積に見合う数だけ拡散反射シートで覆われた照明基板10の上に格子状に複数の光モジュール20を配列し、被照射面に拡散板5を配置している。照明装置1は、表示装置7のバックライトとして利用でき、拡散板5に重ねて表示基板6を配置してもよく、拡散板5の代わりに表示基板6を配置してもよい。また、照明装置1は、天井、壁などに設置するベースライト等に使用できる。
【0034】
また、上記の発光装置25は、方形または矩形の箱型であり、4つの側面26と、それぞれの側面26に設けられた出射面31とを含む。発光装置25は、3つの側面26を持つものであってもよく、3方向に向いた出射面31を備えていてもよい。また、側面26は円筒状であってもよく、少なくとも3方向に向いた出射面31を備えていればよい。さらに、発光装置25は、5角形以上の多角形で、5方向以上に向いた出射面31を備えていてもよい。
【0035】
この光モジュール20においては、鏡面反射領域22により出射面31の向いていない方向の配光分布、特に、拡散板5の方向を向いた鉛直角θ方向の強度が高くなるように配光分布を改善できるので、複数の光モジュール20が配列された発光面10aにおいて、光モジュール20の間に暗点が発生するのを抑制できる。さらに、拡散反射領域21を出射面31の前方の少なくとも一部に重なるように配置することにより、出射面31の直前であっても鉛直角θ方向にある程度の強度を備えた配光分布を実現できる。出射面31の主発光軸39は、配線基板24の上面24a(反射面)に平行となり、基本的な配光分布は鉛直角θが90度方向になるが、出射面31の直前における鉛直角θが90度以下、たとえば、0度方向の強度も確保でき、光モジュール20に搭載された発光装置25自身が暗点になることを防止できる。
【0036】
したがって、光モジュール20により、主発光軸39の間に鉛直角θが90度以下でも十分な強度を備えた配光分布を得ることができる。出射面31が4方向を向いて配置されている光モジュール20においては、鏡面反射領域22の方向の光強度が拡散反射領域21の方向の光強度より強く、鉛直角θが90度以下、たとえば、鉛直角θが55度方向においても十分な光強度を備えた
図5(a)に示すような四葉型の配光分布を得ることができる。このため、複数の光モジュール20を配列した照明装置1においては、発光面10aと拡散板5との距離が短く、薄い照明装置1であっても、暗点が解消された、均一な照明光が拡散板5を介して出力できる。
【符号の説明】
【0037】
1 照明装置、 10 照明基板、 10a 発光面
20 光モジュール、 21 拡散反射領域、 22 鏡面反射領域