【実施例】
【0027】
(実施例1)
図1は本発明が適用される自動分析装置の全体概略図である。
【0028】
図1において、自動分析装置101は、検体(試料)ラック投入部102と、検体(試料)搬送ライン103と、バーコードリーダ104と、バッファユニット105と、分析ユニット(試料分析部)106と、検体(試料)ラック収納部107と、サンプラユニット109と、制御部を含む操作部108とを備えている。
【0029】
検体ラック投入部102は、1個または複数の検体(例えば、血液や尿)の入った容器を保持するラックと呼称されるホルダーを複数個並べて投入することができる部分である。
【0030】
搬送ライン103は、検体ラック投入部102より投入されたラックを搬送する部分であり、バーコードリーダ104を搭載し、ラックに貼り付けられているバーコード、または検体の入った容器に貼り付けられているバーコードの読み取りを行い、ラックおよび検体の入った容器を識別する(その検体を識別する)部分である。
【0031】
バーコードリーダ104が読み取ったバーコードに基づいて、検体を識別し、その検体の分注、分析が行われ、識別された検体の分析結果等が出力される。
【0032】
なお、バーコードリーダ104は、必ずしも搬送ライン103に搭載しなければならないとは限らない。また、搬送ライン103は、バッファユニット105や分析ユニット106などの組合せにより、さまざまな大きさがある。
【0033】
バッファユニット105は、搬送ライン103に沿って配置されており、搬送ライン103より搬送されてきたラックを一時待機させる部分である。なお、ラックおよび検体の入った容器を識別させるため、バーコードリーダ104と、バーコードリーダ104を制御する制御部を搭載する場合もある。
【0034】
分析ユニット106は、搬送ライン103に沿って配置されており、搬送ライン103より搬送されてきたラックを搬入し、検体と試薬を撹拌させることにより分析を行う部分である。なお、ラックおよび検体の入った容器を識別させるため、バーコードリーダ104と、バーコードリーダ104を制御する制御部を搭載する場合もある。
図1に示した分析ユニット106は、簡略化して示されており、概略構成は
図2に示す。
【0035】
上記バッファユニット105と、上記分析ユニット106の数は任意で増設することができ、それに合わせて上記搬送ライン103を複数設置することができるが、本実施例では、それぞれ1ユニットを設置し、それに合わせて上記搬送ライン103を設置した場合を示している。
【0036】
検体ラック収納部107は、上記ラックを回収し収納する部分である。
【0037】
操作部108は、制御部を含み、自動分析装置101の操作、指示、状態監視、メンテナンスなどの機能が有り、操作者が目視確認できる表示部406を有し、イーサネット(登録商標)のような通信手段を用いて接続している。また、操作部108は後述する変換部405を備えている。なお、操作部や制御部は、
図1のように自動分析装置101とは別に設けている場合もあれば、自動分析装置101に組み込まれている場合もある。また、制御部は操作部108に設けている場合もあれば、それぞれのユニットに設けている場合もある。
【0038】
サンプラユニット109は、検体ラック投入部102、検体ラック収納部107、バーコードリーダ104、を含み、バーコードリーダ104による検体の識別や、検体ラックの投入や回収を行うユニットである。また、サンプラユニット109は、バーコードリーダ104を制御する制御部400を備え、制御部400は、後述する通信処理部401、解析処理部403、判定処理部404、データ記憶部407を備えている。
【0039】
図2は、分析ユニット106の概略構成図である。
図2において、分析ニット106は、複数の反応容器113が配置される反応ディスク112と、複数の試薬容器115が配置される試薬ディスク114と、反応ディスク112に配置された反応容器113内の試料を分析する検出部ユニット117とを備える。
【0040】
また、分析ユニット106は、検体分注機構111と、試薬分注機構116と、検出部分注機構118とを備える。
【0041】
検体分注機構111は、搬送ライン103により搬送される検体ラック301に保持されたサンプル容器(検体容器)201内の検体を吸引し、反応ディスク112に配置された反応容器113内に吐出する。反応ディスク112は、回転して、複数の反応容器113を移動させる。反応ディスク112上における反応容器113の移動に対応して検体分注機構111が吸引した試料を反応容器113内に吐出する。
【0042】
また、試薬分注機構116は、試薬ディスク114に配置された試薬容器115内の試薬を吸引し、反応ディスク112に配置された反応容器113内に吐出する。試薬ディスク114は、回転して、複数の試薬容器115を移動させる。試薬ディスク114上における試薬容器115の移動に対応して試薬分注機構116は試薬を吸引し、吸引した試薬を反応容器113内に吐出する。
【0043】
また、検出部分注機構118は反応ディスク112上の反応容器113内の反応試料を吸引し、検出部ユニット117に供給する。検出部ユニット117は、試料と試薬との混合液を光学測定により、試料の所定項目の成分濃度を測定(分析)する。
【0044】
検出部ユニット117が分析した試料測定結果(分析結果)は、操作部108の表示部406の表示画面に表示される。
【0045】
図3は、検体(試料)を入れる検体容器201の概略外観図であり、
図4は、実施例1によるバーコードリーダ104の自動分析装置における搭載箇所の部分概略斜視図である。
【0046】
図3、
図4において、通常、検体を入れる検体容器201には、容器識別用バーコードが貼り付けられており、搬送ライン103は、検体を入れる容器201を載せたラック301を搬送する。なお、ラック301にもラック識別用バーコード302が貼られている。ラック301を搬送する際、バーコードリーダ104にて、ラック識別用バーコード302と、容器識別用バーコードとが読み取られ、それぞれが識別される。
【0047】
本発明の実施例1では、自動分析装置101は、メンテナンスモードを実行することにより、バーコードリーダ104の設定変更を行い、バーイメージを送信するモードにする。次に、容器識別用バーコードに、検査用バーコード202を使用し、ラック301に乗せ搬送させる。ラック301は、バーコード読み取り位置に搬送され、バーコードリーダ104にて検査用バーコード202が読み取られる。その他の説明は、
図5にて述べるので省略する。
【0048】
図5は、本発明の実施例1におけるサンプラユニット109と操作部108の機能構成図である。サンプラユニット109は制御部400を備え、制御部400は、通信処理部401と、解析処理部403と、判定処理部404と、データ記憶部407とを備える。操作部108は、変換部405と、表示部406を備える。なお、サンプラユニット109の制御部400を例にして説明するが、操作部108の制御部や別ユニットの制御部で同様のことを実現してもよい。
【0049】
まず、始めに、自動分析装置101のサンプラユニット109は、事前に判定用基準データ402をデータ記憶部407に登録させておくものとする。この判定用基準データ402と一致したバーコードが、検査用バーコード202である。
【0050】
自動分析装置101の操作部108にてメンテナンスモードを実行することにより、バーコードリーダ104は、上記バーコード読み取り位置にラック301が搬送された際に、サンプラユニット109の通信処理部401によりバーコードの読み取り開始、および読み取り終了の指示受け動作するものとする。
【0051】
バーイメージは、2進数のデータであり、0が白(以下、スペースという)、1が黒(以下、バーという)を表しており、それぞれの連続数でその太さを表している。
【0052】
図5の左側上部にバーイメージの一例を記載したので、これについて解説する。左端の0が連続9個並んでいる箇所と、右端の0が連続9個並んでいる箇所は、クワイエットゾーンと呼ばれるスペースを表している。また、0が連続3個並んでいる箇所が太さの細いスペース(以下、細スペースという)、0が連続7個並んでいる箇所が太さの太いスペース(以下、太スペースという)、1が連続3個並んでいる箇所が太さの細いバー(以下、細バーという)、1が連続7個並んでいる箇所が太さの太いバー(以下、太バーという)をそれぞれ表している。
【0053】
次に、本発明の実施例1の動作について述べる。
【0054】
図5において、バーコードリーダ104は、検体容器201に貼り付けられた検査用バーコード202を読み込み、バーイメージを自動分析装置101のサンプラユニット109の通信処理部401に送信する。
【0055】
通信処理部401は、通信異常の判定を行い、判定結果を操作部108の表示部406に送信する。また、通信処理部401は、バーイメージを、解析処理部403と、データ記憶部407と、操作部108の変換部405に送信する。
【0056】
解析処理部403は、通信処理部401から送られたバーイメージの中からバーのみを抽出し、バーの本数と、バーの太さの比率を判定用基準データ402と照合し、照合結果を判定処理部404に送信する。
【0057】
判定処理部404は、解析処理部403から送信された照合結果を判定し、判定結果を表示処理部406と、データ記憶部407に送信する。
【0058】
変換部405は、通信処理部401から送信されたバーイメージを、バーコード画像に変換し、表示部406に送信する。
【0059】
操作部108の表示部406は、変換部405からのバーコード画像と、通信処理部401の判定結果と、判定処理部404からの判定結果と、判定結果に伴う対策方法を画面表示する。
【0060】
データ記憶部407は、通信処理部401からのバーイメージと、判定処理部404からの判定結果を保存する。なお、自動分析装置101の操作部108は、データ記憶部407に保存した情報を読み出して操作部108の表示部406に表示することができる。また、保存した情報を記憶媒体に複製することができる。
【0061】
図6は、本発明の実施例1における動作フローチャートである。以下、ステップごとに説明する。
【0062】
ステップ501において、自動分析装置101の操作部108は、メンテナンスモードを実行することにより、本発明の動作を開始する。
【0063】
次に、ステップ502において、自動分析装置101のサンプラユニット109の制御部400は、バーコードリーダ104の設定変更を行い、バーイメージを送信するモードにする。
【0064】
そして、ステップ503において、自動分析装置101の制御部400は、ラック301をバーコード読み取り位置に搬送させる。なお、ラック301には、検査用バーコード202を貼り付けた容器201を載せておくものとする。
【0065】
ステップ504において、制御部400は、通信処理部401の一時メモリをクリアする。これは、一時メモリにデータが既に有る場合、誤判定になる可能性があるため、これを排除するためである。
【0066】
ステップ505において、制御部400は、バーコードリーダ104に、バーコードの読み取り開始指示を行う。
【0067】
そして、ステップ506において、バーコードリーダ104は、検査用バーコード202を読み取り、制御部400はバーイメージのデータを通信処理部401に送信する。
【0068】
次に、ステップ507において、制御部400は、通信処理部401の一時メモリにバーイメージのデータを保存する。
【0069】
そして、ステップ508において、制御部400は、バーコードリーダ104に、バーコードの読み取り終了指示を行う。
【0070】
ステップ509において、通信処理部401は、データ通信が正常か否か確認する。Yes(データ通信正常)ならば、ステップ510およびステップ511を行う。No(データ通信異常)ならば、ステップ512を行う。
【0071】
ステップ510において、制御部400は、通信処理部401の一時メモリにあるバーイメージを操作部108の変換部405に送信し、操作部108の変換部405は、バーイメージの2進数データを、バーコード画像に変換する。
【0072】
ステップ511において、解析処理部403は、バーイメージの2進数データからバーのみを抽出し、バーの本数をカウントする。
【0073】
ステップ512において、通信処理部401は、データ通信が正常か否か確認した結果、通信異常だと判定する。
【0074】
ステップ513において、解析処理部403は、バーの本数と判定用基準データ402のバーの本数とを比較し、一致するか否かを確認する。Yes(一致する)ならばステップ514を行う。No(一致しない)ならば、ステップ515を行う。
【0075】
ステップ514において、
図8に示すように、解析処理部403は、バーを太さ(1の連続数)別に集計し、細バーと太バーにグループ分けし、細バーの太さの平均と太バーの太さの平均との比率を算出する。
図8に示した例においては、細バーの太さの平均は(3×3+4×7+5×2)/(3+7+2)=3.917であり、太バーの太さの平均は、(9×2+10×4+11×1)/(2+4+1)=9.857である。よって、
図8に示す場合の例では細バーの太さの平均と太バーの太さの平均との比率は2.517となっている。
【0076】
ステップ515において、解析処理部403は、バーの本数は判定用基準データ402のバーの本数より多いのか否かを確認する。Yes(多い)ならばステップ516を行う。No(少ない)ならば、ステップ517を行う。
【0077】
ステップ516において、バーコードリーダ104が正反射光を受光し電気変換すると、
図9に示すように、光の強い照射光の中心では、仮にバーがあっても、スペースとして認識されてしまうが、光の強い部分と光の弱い部分の境界では不安定となり、変換前の実際のバーの本数に比較して電気変換後のバーの本数が多くなる。よって、バーの本数が判定用基準データ402より多い場合は、バーコードリーダ104の取り付け位置が正反射光を受光する角度であると判定する。なお、正反射光とは、バーコードに照射した光が真面に反射した光のことである。
【0078】
ステップ517において、バーコードリーダ104の取り付け位置が横方向に若干ずれている場合は、
図10に示すように、バーコードを正しく認識できず、バーの本数が少なくなる。また、バーコードリーダ104の取り付け位置が横方向に大きくずれている場合は、バーコードを全く認識することができず、バーの本数は0になる。よって、バーの本数が判定用基準データ402より少ない場合は、バーコードリーダ104の取り付け位置が横方向にずれていると判定する。
【0079】
ステップ518において、解析処理部403は、細バーの太さの平均と太バーの太さの平均との比率は、判定用基準データ402の細バーの太さの平均と太バーの太さの平均との比率と合っているか否かを確認する。Yes(合っている)ならばステップ519を行う。No(合っていない)ならば、ステップ520を行う。なお、判定用基準データ402の比率は、一定の範囲を設け、この範囲内ならば合っていると判断する。
【0080】
ステップ519において、判定処理部404は、比率が判定用基準データ402と合っているため、正常だと判定する。
【0081】
ステップ520において、解析処理部403は、バーの比率が予め登録された判定用基準データ402のバーの比率より大きいか否かを確認する。Yes(大きい)ならばステップ521を行う。No(大きくない)ならば、ステップ522を行う。
【0082】
ステップ521において、焦点距離は合っているが、バーコードリーダ104の読み取り用窓の曇りまたは汚れがあると、バーが霞んで細く見える。この状況で細バーと太バーとの比率を算出すると、
図11に示すように3.037となり、
図8に示した例と比較すると、比率が大きくなる。よって、バーの比率が判定用基準データ402のバーの比率より大きい場合は、バーコードリーダ104の窓の曇りまたは汚れがあると判定する。
【0083】
ステップ522において、焦点距離がずれていると、バーとスペースとの境界がぼやけ、バーが太く見える。この状況で、細バーと太バーとの比率を算出すると、
図12に示すように2.208となり、
図8の例と比較すると比率が小さくなる。よって、バーの比率が判定用基準データ402のバーの比率より小さい場合は、バーコードリーダ104の取り付け位置が焦点距離方向にずれていると判定する。
【0084】
ステップ523において、判定用基準データ402のバーコード画像と、ステップ510において変換されたバーコード画像と、ステップ512、ステップ516、ステップ517、ステップ519、ステップ521、ステップ522の判定結果と、それに伴う対策方法を操作部108の表示部406に表示する。なお、表示部406への表示制御は操作部108が行っても良いし、制御部400が行っても良い。この表示部406を確認することにより、自動分析装置101の生産工程においては、効率良くバーコードリーダ104の取り付け調整ができ、自動分析装置101の稼働中においては、効率良くメンテナンスができる。
【0085】
ステップ524において、ステップ507で通信処理部401の一時メモリに保存したバーイメージと、ステップ512、ステップ516、ステップ517、ステップ519、ステップ521、ステップ522の判定結果をデータ記憶部407に保存する。この保存したデータは、読み出し、操作部108の表示部406に表示することができる。
【0086】
また、保存した情報を記憶媒体に複製することができる。従って、稼働中の自動分析装置101のメンテナンスにおいては、遠隔地にデータを送付し、情報共有を図ることが可能であるため、遠隔地からでもメンテナンスの指示が可能である。
【0087】
ステップ525において、操作部108により、自動分析装置101は、メンテナンスモードを終了する。
【0088】
以上のように、本発明の実施例1によれば、バーコードリーダ104の読み取り不正確性の原因を早期に特定でき、効率良くバーコードリーダ104の調整ができ、かつ、効率良くメンテナンスが可能な自動分析装置を実現することができる。
【0089】
また、バーコードリーダの取り付け調整時における時間短縮、およびメンテナンス時の時間短縮による自動分析装置の生産性向上を実現することができる。
【0090】
なお、上述した本実施例1では、バーの比率で、バーコードリーダ104の取り付け位置不良、窓の曇り、汚れを判定する例を示したが、バーの幅で、バーコードリーダ104の取り付け位置不良等を判定することも可能である。
【0091】
ここで、検査用バーコード202を使用せずに別のバーコードを使用した場合、またはバーコードが無い状態では、誤判定になる。
【0092】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。本発明の実施例2は、実施例1におけるバーをスペースに置き換えた場合である。
【0093】
よって、実施例2については、実施例1からの変更点のみ以下に記載する。
【0094】
図7は、実施例2における動作フローチャートである。ステップ501〜510、512、516、517、519、523〜525は、
図6に示した実施例1の動作フローチャートと同様であるので説明は省略し、変更されたステップについて説明する。
【0095】
ステップ611において、解析処理部403は、バーイメージの2進数データからスペースの本数をカウントする。
【0096】
ステップ613において、解析処理部403は、スペースの本数と判定用基準データ402のスペースの本数とを比較し、一致するか否かを確認する。Yes(一致する)ならばステップ614を行う。No(一致しない)ならば、ステップ615を行う。
【0097】
ステップ614において、解析処理部403は、スペースを太さ(0の連続数)別に集計し、細スペースと太スペースにグループ分けし、細スペースの太さの平均と太スペースの太さの平均との比率を算出する。太さの平均の算出は、
図8に示した例のバーをスペースに置き換えたと同様にして行う。
【0098】
ステップ615において、解析処理部403は、スペースの本数は判定用基準データ402のスペースの本数より多いのか否かを確認する。Yes(多い)ならばステップ516を行う。No(少ない)ならば、ステップ517を行う。
【0099】
ステップ618において、解析処理部403は、細スペースの太さの平均と太スペースの太さの平均との比率は、判定用基準データ402の細スペースの太さの平均と太スペースの太さの平均との比率と合っているか否かを確認する。Yes(合っている)ならばステップ519を行う。No(合っていない)ならば、ステップ620を行う。
【0100】
ステップ620において、解析処理部403は、スペースの比率が登録された判定用基準データ402のスペースの比率より大きいか否かを確認する。Yes(大きい)ならばステップ621を行う。No(大きくない)ならば、ステップ622を行う。
【0101】
ステップ621において、
図6のステップ522における説明のように、焦点距離がずれていると、バーとスペースとの境界がぼやけ、バーが太く見える。反対にスペースは細く見える。それに伴い、判定結果も、
図6に示したフローとは反対となる。よって、スペースの比率が判定用基準データ402のスペースの比率より大きい場合は、バーコードリーダ104の取り付け位置が焦点距離方向にずれていると判定する。
【0102】
ステップ622において、
図6のステップ521における説明のように、焦点距離は合っているが、窓の曇りまたは汚れがあると、バーが霞んで細く見える。反対にスペースは太く見える。それに伴い、判定結果も、
図6に示したフローとは反対となる。よって、スペースの比率が判定用基準データ402のスペースの比率より小さい場合は、バーコードリーダ104の窓の曇りまたは汚れがあると判定する。
【0103】
以上の通り、実施例1におけるバーを実施例2においてはスペースに置き換えたことにより、ステップ520(
図6)とステップ620(
図7)の判断結果が逆になる。
【0104】
本発明の実施例2においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。また、スペースの幅で、バーコードリーダ104の取り付け位置不良を判定することも可能である。
【0105】
上述した実施例1、2において、
図6、
図7のステップ523において、判定用基準データ402のバーコード画像と、ステップ510において変換されたバーコード画像と、判定結果と、それに伴う対策方法が操作部108の表示部406に表示される。
【0106】
図13は、判定用基準データのバーコード画像と、ステップ510において変換されたバーコード画像と、判定結果と、それに伴う対策方法とを表示する操作部108の表示部406の一例を示す図である。
【0107】
図13において、操作部108の表示部406には、検査用バーコード、つまり、検体容器に貼り付けられた実際のバーコードと、バーコードリーダの認識したバーコードと、判定結果と、対策方法とが表示されている。
【0108】
図13に示した例では、判定結果が「バーコードリーダの取り付け位置が正反射光を受光する角度」であり、対策方法として、バーコードリーダの取り付け位置を変更し、中心部を避けた位置で固定することが表示され、角度調整すべきことが示されている。
【0109】
作業員は操作部108の表示部406に表示された対策方法に従ってバーコードリーダ104の取り付け位置を変更することができ、適切な処理を行うことができる。
【0110】
図13において、対策方法に角度調整すべきことを追加し、表示することもできる。
【0111】
また、バーコードリーダ104の取り付け位置が、所定の位置から横方向にずれた位置であると判断した場合は、操作部108の表示部406に、バーコードリーダ104の取り付け位置が横方向にずれていること、及びバーコードリーダ104の取り付け位置を変更し、横方向位置を調整すべきことを表示する。
【0112】
また、バーコーリーダ104の読み取り用窓の曇りまたは汚れがあると判断した場合は、操作部108の表示部406に、バーコーリーダ104の読み取り用窓の曇りまたは汚れを除去すべきことを表示させる。
【0113】
また、バーコーリーダ104の取り付け位置が、上記所定の位置から焦点距離方向にずれた位置であると判断した場合は、操作部108の表示部406に、バーコーリーダ104の取り付け位置を焦点距離方向に変更すべきことを表示部119に表示させる。
【0114】
なお、本発明は自動分析装置に限定されるものではなく、バーコードリーダを搭載する装置に適用可能である。例えば、ラックに貼り付けられたバーコードとこれを読み取るバーコードリーダや、試薬容器に貼り付けられたバーコードとこれを読み取るバーコードリーダにおいても適用できる。
【0115】
また、バーコードは細バーと太バーの2種類のバーに対する例について説明したが、4種類の太さのバーが存在するため、4種類のバーに対して、本数や太さの比率から同様のことを実現してもよい。なお、スペースについても同様である。
【0116】
なお、試料を収容する検体容器(試料容器)201、この検体容器201を収容する検体ラック(試料容器用ラック)301、及び試薬を収容する試薬容器115を、容器と総称する。
【0117】
本発明は、検体容器201、検体ラック301、及び試薬容器115にバーコードラベルが貼付され、貼付されたバーコードラベルのバーコード情報をバーコードリーダ1045で読み取り、読み取ったバーコードラベルのバーコードの情報と判定用基準データとを比較して、比較した結果に基づいて、読み取り異常の異常原因又は読み取り異常の対処方法を表示部406に表示する態様を含む。
【0118】
また、本発明は、バーコード情報のバーの本数が判定用基準データより少ない場合、異常原因としてバーコードリーダ104の横方向位置がずれていること、又は対処方法としてバーコードリーダ104の横方向位置を調整することを表示部406に表示させる態様を含む。
【0119】
また、本発明は、バーコード情報のバーの本数が判定用基準データより多い場合、異常原因としてバーコードリーダ104の取付け位置が正反射光を受光する角度であること、又は対処方法としてバーコードリーダ104の受光角度を調整することを表示部406に表示させる態様を含む。
【0120】
また、本発明は、バーコード情報のバーの太さの比率が判定用基準データより小さい場合、異常原因として上記バーコードリーダ104の焦点距離がずれていること、又は対処方法としてバーコードリーダ104の焦点距離を調整することを表示部406に表示させる態様を含む。
【0121】
また、本発明は、バーコード情報のバーの太さの比率が判定用基準データより大きい場合、異常原因としてバーコードリーダ104の窓に曇り若しくは汚れがあること、又は対処方法としてバーコードリーダ104の窓の曇り若しくは汚れを除去することを表示部406に表示させる態様を含む。
【0122】
また、本発明は、バーコード情報のスペース(バーとバーとの間)の本数が判定用基準データより少ない場合、異常原因としてバーコードリーダ104の横方向位置がずれていること、又は対処方法としてバーコードリーダ104の横方向位置を調整することを表示部406に表示させる態様を含む。
【0123】
また、本発明は、バーコード情報のスペースの本数が判定用基準データより多い場合、異常原因としてバーコードリーダ104の取付け位置が正反射光を受光する角度であること、又は対処方法としてバーコードリーダ104の受光角度を調整することを表示部406に表示させる態様を含む。
【0124】
また、本発明は、バーコード情報のスペースの太さの比率が判定用基準データより小さい場合、異常原因としてバーコードリーダ104の窓に曇り若しくは汚れがあること、又は対処方法としてバーコードリーダ104の窓の曇り若しくは汚れを除去することを表示部406に表示させる態様を含む。
【0125】
また、本発明は、バーコード情報のスペースの太さの比率が判定用基準データより大きい場合、異常原因としてバーコードリーダ104の焦点距離がずれていること、又は対処方法としてバーコードリーダ104の焦点距離を調整することを表示部406に表示させる態様を含む。
【0126】
また、本発明は、バーコードの情報のバーの本数が判定用基準データと一致し、かつ、バーの太さの比率が判定用基準データと一致する場合は、バーコードリーダ104は正常であることを表示部406に表示させる態様を含む。
【0127】
また、本発明は、バーコードの情報のスペースの数が判定用基準データと一致し、かつ、スペースの太さの比率が判定用基準データと一致する場合は、バーコードリーダ104は正常であることを表示部406に表示させる態様を含む。