(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、第1ステップから第2ステップに切り替えた場合において、プラズマの安定期間に入るには時間がかかるという課題がある。プラズマが安定しない場合には、適切な処理ができなくなる。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ステップ切り替え後に速やかにプラズマを安定させ、適切なプラズマ処理が可能なプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明の形態に係る第1のプラズマ処理装置は、
内部に試料台が配置される処理容器と、前記処理容器内にガスを供給するガス供給システムと、
前記試料台に接続され前記処理容器内にプラズマ発生用の高周波を導入する高周波発生源と、前記ガス供給システム及び前記高周波発生源を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、第1ステップにおいて、前記高周波発生源を
電力(RFパワー)が含まれる第1エネルギー条件で駆動し、第2ステップにおいて、前記高周波発生源を
電力(RFパワー)が含まれる第2エネルギー条件で駆動し、前記第1ステップと、前記第2ステップの切り替わり時刻
は、前記高周波発生源のRFパワーの切り替わり時刻であり、この時刻よりも先に、前記ガス供給システムから前記処理容器内に供給されるガス種を切り替え、切り替え直後の初期期間のガス流量を、前記初期期間経過後の安定期間におけるガス流量よりも大きく設定することを特徴とする。
【0008】
このプラズマ処理装置においては、高周波発生源のエネルギー条件の切り替わり時刻よりも先に、ガス種を切り替え、且つ、このガス流量を大きくすることで、速やかに処理容器内における第1ステップのガスを排気し、処理容器内のガスの均一性を改善させ、圧力を安定させ、プラズマを安定させる安定期間に速やかに入ることができる。
【0009】
本発明の形態に係る第2のプラズマ処理装置は、前記処理容器内のガスの排気効率を調整する排気効率調整手段を更に備え、前記制御装置は、前記排気効率調整手段を制御して、前記初期期間内において、前記処理容器内のガスの排気効率を、前記安定期間におけるガスの排気効率よりも増加させることを特徴とする。
【0010】
上述のように、エネルギー条件の切り替わりよりも先に、ガス流量を大きく増加させた場合には、内部の圧力が不規則に変動する場合があるが、排気効率を増加させることにより、かかる圧力の変動を抑制することができる。
【0011】
本発明の形態に係る第1のプラズマ処理方法は、
内部に試料台が配置される処理容器と、前記処理容器内にガスを供給するガス供給システムと、
前記試料台に接続され前記処理容器内にプラズマ発生用の高周波を導入する高周波発生源と、前記ガス供給システム及び前記高周波発生源を制御する制御装置と、を備えたプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、前記高周波発生源を
電力(RFパワー)が含まれる第1エネルギー条件で駆動する第1ステップと、前記高周波発生源を
電力(RFパワー)が含まれる第2エネルギー条件で駆動する第2ステップと、を備え、前記第1ステップと、前記第2ステップの切り替わり時刻
は、前記高周波発生源のRFパワーの切り替わり時刻であり、この時刻よりも先に、前記ガス供給システムから前記処理容器内に供給されるガス種を切り替え、切り替え直後の初期期間のガス流量を、前記初期期間経過後の安定期間におけるガス流量よりも大きく設定することを特徴とする。
【0012】
このプラズマ処理方法においては、上述の装置の場合と同様に、高周波発生源のエネルギー条件の切り替わり時刻よりも先に、ガス種を切り替え、且つ、このガス流量を大きくすることで、速やかに処理容器内における第1ステップのガスを排気し、処理容器内のガスの均一性を改善させ、圧力を安定させ、プラズマを安定させる安定期間に速やかに入ることができる。
【0013】
本発明の形態に係る第2のプラズマ処理方法は、前記初期期間内において、前記処理容器内のガスの排気効率を、前記安定期間におけるガスの排気効率よりも増加させることを特徴とする。
【0014】
このプラズマ処理方法においては、上述の装置の場合と同様に、エネルギー条件の切り替わりよりも先に、ガス流量を大きく増加させた場合には、内部の圧力が不規則に変動する場合があるが、排気効率を増加させることにより、かかる圧力の変動を抑制することができる。
【0015】
また、本発明の態様に係るプラズマ処理装置は、処理容器と、処理容器内にガスを供給するガス供給システムと、処理容器内にプラズマ発生用の高周波を導入する高周波発生源と、処理容器内のガスの排気効率を調整する排気効率調整手段と、ガス供給システム及び排気効率調整手段を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、処理容器内において実行される第1ステップと第2ステップにおける処理容器内の設定圧力が異なる場合において、第2ステップにおける処理容器内の設定圧力、及び、ガス供給システムから供給されるガスの設定流量に基づいて、これらの値と相関関係を有する排気効率調整手段の排気効率の目標値を設定し、実際の排気効率が、排気効率の前記目標値になるように、排気効率調整手段を制御している。
【0016】
排気効率の目標値を、これと相関関係を有する設定圧力及び設定流量に基づいて、予め求めているので、処理容器内の圧力を、速やかに目標値に一致させ、処理容器内圧力及びプラズマ状態を安定させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1ステップのプラズマから、第2ステップのプラズマに移行する際に必ず発生する、ガス遷移状態時間を、短くする事が可能であり、それによりプラズマが安定状態に到達する時間も短くする事が可能である。つまり、プラズマ遷移状態を短く改善できた結果、パーティクル低減を狙った連続放電処理(コンティニュアスプラズマ)においても、断続放電処理のプラズマ処理結果に、より近くなる事が可能となる。さらに、デバイスにおけるプラズマエッチング膜に対してはハードウェアによるガス遅延を考慮改善したプラズマ処理を提供する事により、デバイスに対してより適切なプラズマ処理を行うことが可能となる。したがって、本発明によれば、プラズマが安定する安定期間に速やかに入ることができるので、適切なプラズマ処理を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態に係るプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0020】
図1は、プラズマ処理装置の構造を示す図である。
【0021】
このプラズマ処理装置は、処理容器8と、処理容器8内にガスを供給するガス供給システム11と、処理容器8内にプラズマ発生用の高周波を導入する高周波発生源1と、処理容器8内のガスの排気効率を調整するコンダクタンス可変のAPC3(自動圧力制御バルブ:排気効率調整手段)とを備えている。APC3は、ターボ分子ポンプなどの排気装置4に接続されており、排気装置4は、処理容器8内のガスをAPC3を介して排気する。
【0022】
処理容器8の内部には、基板等の試料6が配置される試料台5が配置されており、試料台5の上方においてプラズマ7が発生する。プラズマ7は、RFマグネトロンプラズマであり、プラズマ7の発生空間には、ガス供給システム11から、ガス拡散空間9及びガス導入孔10を介して、ガスが供給される。供給されたガスには、高周波発生源1からの高周波が、マグネット14から磁場が与えられ、プラズマが発生する。発生したプラズマによって、試料6が処理される。
【0023】
なお、マグネット14は、処理容器8の周囲に環状に配置され且つ点対称に対を成してそれぞれ立設される複数の円筒型磁石とを備え、該複数の円筒型磁石は同期回転可能に回転駆動機構に連結され、DRM型のプラズマ装置が構成されている。
【0024】
処理容器8の内部で発生したプラズマ7は、処理容器8の外壁に設けられた石英窓13を介して、モニタ装置12によって観察される。モニタ装置12は、プラズマから出力される光を波長毎に分解して観察する分光分析装置などを採用することができる。分光分析装置では、スペクトル解析を行うことにより、当該スペクトルに対応する成分を特定することができる。
【0025】
ガス供給システム11内には、複数種類のガスが供給システムに整備されている。このガス供給システム11では、例えば、ガス源に蓄積されたA,B,C,Dの4種類のガスを、それぞれ、前段バルブ11B、流量制御装置11C、後段バルブ11Dを介して、ガス配管11Aに供給することができる。流量制御装置11Cは、これを通過するガス流量を制御する装置であり、MFC(Mass Flow Controller)或いはFCS(Flow Control System)である。ガス配管11Aは、処理容器8のガス拡散空間9に接続されている。これらのガスは、処理容器8の上部に設けられたガス拡散空間9内に導入される。ガス拡散空間9の底部15は、グランド電位に固定されており、また、複数のガス導入孔10が設けられている。底部15と高周波発生源1との間には、プラズマ発生用の高周波電圧が印加される。
【0026】
高周波(RF)発生源の出力インピダンスは通常は50Ωであるが、プラズマのインピダンスは、プラズマの状態により変化するため、プラズマ負荷に対して、そのまま高周波(RF)を供給すると高周波は反射される。RFマッチャーは、プラズマインピダンスの変化に追従してインピダンス整合を行うことができる。すなわち、高周波発生源1と試料台5との間には、これらの間のインピダンス整合を自動的にとるためのマッチャー2が設けられている。マッチャー2は、一対の可変キャパシタ(バリコン)からなり、これらのキャパシタの値を調整することで、インピダンス整合を行い、処理容器8からの反射波を低減している。なお、マッチャー2は、一対のキャパシタC1,C2を備えているが、1つでも機能する。
【0027】
効率よくプラズマを発生させることで、本装置は、スパッタリング装置、CVD装置、エッチング装置などのプラズマ処理装置として機能する。高周波発生源1から出力される高周波の周波数は、13.56MHzが好適であるが、27.12MHz又はそれ以上の周波数、400KHz帯などの低い周波数も適用できる。RFパワーとしては、例えば、数100ワットから数10キロワットのものを用いることができる。
【0028】
制御装置16は、プラズマ処理装置の各要素を制御する。すなわち、制御装置16は、高周波発生源1、マッチャー2、ガス供給システム11、APC3、モニタ装置12を制御する。制御装置16による制御条件は、入力装置17から入力することができ、モニタ装置12から得られた試料6の観察データは、表示装置18上に表示される。
【0029】
次に、制御装置16による制御について説明する。
【0030】
図2は、各種パラメータの設計上のタイミングチャートである。
【0031】
制御装置16は、第1ステップにおいて、高周波発生源1を第1エネルギー条件で駆動し、第2ステップにおいて、高周波発生源1を第2エネルギー条件で駆動している。これらのエネルギー条件は、試料6のプラズマ処理条件に応じて、様々は条件となるが、高周波発生源1からの電力(RFパワー)と周波数が含まれる。
【0032】
図2においては、第1ステップと、第2ステップの切り替わり時刻を、時刻t=0秒とする。すなわち、t=0秒の前後で、RFパワーが切り替わり、本例では増加したとする。本例では、切り替え時刻t=0よりも先に(t=−0.5秒)、
図1のガス供給システム11から処理容器8内に供給されるガス種を、第1ガスから第2ガスに切り替えている。すなわち、時刻t=−0.5秒において、第1ガス流量を低下させ(停止)、第2ガス流料を増加させている。切り替え直後の初期期間(T2)のガス流量は、初期期間(T2)経過後の安定期間(t=1.5秒以降)におけるガス流量よりも大きく設定する。
【0033】
ここで、時刻t=0以降の期間TAの間、APC3の開放角度を増加(排気効率を増加)させることにより、処理容器8内の圧力は低下する。期間TAは、初期期間T2に含まれる。第2ガスを、時刻t=0よりも期間T1だけ早く供給する場合、期間T1はガス種や条件によって異なるが、本例ではT1=0.5秒であり、本発明の原理に鑑みれば、0.5秒よりも長くても短くても、速やかなプラズマの安定という効果は得られるが、好適には、0.1秒≦T1≦1.5秒を採用することができる。
【0034】
また、第2ガスは、所定の初期期間T2の経過後の安定期間になると、流量を低下させる。本例ではT2=2秒であり、本発明の原理に鑑みれば、2秒よりも長くても短くても、速やかなプラズマの安定という効果は得られるが、好適には、1秒≦T1≦3秒を採用することができる。
【0035】
本例ではTA=1秒であり、本発明の原理に鑑みれば、1秒よりも長くても短くても、圧力の急激な変動の抑制という効果は得られるが、好適には、0.5秒≦T1≦2秒を採用することができる。
【0036】
以上のように、上述のプラズマ処理装置においては、高周波発生源1のエネルギー条件の切り替わり時刻(t=0秒))よりも先に、ガス種を切り替え、且つ、このガス流量を大きくすることで、速やかに処理容器8内における第1ステップのガスを排気し、処理容器8内のガスの均一性を改善させ、圧力を安定させ、プラズマを安定させる安定期間(期間T2の経過後の期間)に速やかに入ることができる。
【0037】
また、このプラズマ処理装置は、処理容器8内のガスの排気効率を調整するAPC3を更に備えており、制御装置16は、APC3を制御して、初期期間T2内において、処理容器8内のガスの排気効率を、安定期間におけるガスの排気効率よりも増加させている。上述のように、エネルギー条件の切り替わりよりも先に、ガス流量を大きく増加させた場合には、処理容器内部の圧力が不規則に変動する場合があるが、排気効率を増加させることにより、かかる圧力の変動を抑制することができる。
【0038】
なお、上述のプラズマ処理方法は、上記プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、高周波発生源1を第1エネルギー条件で駆動する第1ステップと、高周波発生源1を第2エネルギー条件で駆動する第2ステップとを備え、第1ステップと、第2ステップの切り替わり時刻よりも先に、ガス供給システムから処理容器内に供給されるガス種を切り替え、切り替え直後の初期期間T2のガス流量を、初期期間T2の経過後の安定期間におけるガス流量よりも大きく設定する方法であり、上述の装置の場合と同様の作用効果を奏する。
【0039】
また、このプラズマ処理方法は、初期期間T2内において、処理容器8内のガスの排気効率を、その後の安定期間におけるガスの排気効率よりも増加させており、上述の装置の場合と同様の作用効果を奏する。
【0040】
上記T1、T2、TAについては、ガス供給配管、具体的にはガス供給源からプラズマが発生する処理容器内に到達するまでのガス配管およびガス拡散空間の容積に依存するために不変ではない。
【0041】
以下、実際の例について
図3〜
図7を用いて説明する。なお、
図3〜
図7のタイミングチャートでは、横軸は時間(秒)を示している。以下の説明では、ガスA,B,C,Dによる本来の試料の処理ステップの期間を、タイミングチャート中に、A,B,C,Dで示すものとする。ガスAの処理ステップの期間は、Siを含有する反射防止膜のエッチング工程、ガスBの処理ステップの期間は、アモルファスカーボンのエッチング工程、ガスCの処理ステップの期間は、窒化シリコンのエッチング工程、ガスDの処理ステップの期間は、レジストのエッチング又は酸素のドライクリーニング工程を示す。
【0042】
ガスAはCF
4、ガスBはN
2とO
2の混合ガス、ガスCはC
4F
8とArとO
2の混合ガス、ガスDはO
2である。ガスCは、CHF
3とArとO
2とF
4の混合ガスとすることもできる。
【0043】
図3は、各種パラメータの実際のタイミングチャートであり、横軸は時間(秒)を示している。
【0044】
(a)の左側の縦軸の単位は(W)および(V)であり、それぞれ高周波の電力(Lower RF)と高周波電圧のピーク間差電圧(Lower Vpp)を示している。右側の縦軸の単位は(W)であり、高周波電力の反射電力(Lower RF Reflect)を示している。
【0045】
(b)の左側及び右側の縦軸は、マッチャーのマッチングポジションの整合稼動範囲を基準化した数値であり、それぞれマッチャー2に使われる可変キャパシタC1,C2の位置(C1 Pos(Lower)、C2 Pos(Lower)を示している。
【0046】
(c)の左側の縦軸は、分光分析装置が検出した発光強度(マグニチュード)を基準化した数値であり、プラズマ中に含まれる複数の成分量を示している。プラズマ中には、CN(波長387nm),CF(波長260nm)、CO(波長220nm)が含まれている。
【0047】
(d)の左側の縦軸の単位はmTorrであり、処理容器内の圧力を示している。
【0048】
(e)の左側の縦軸の単位は(°)であり、APCの開放角度(排気効率)を示している。
【0049】
(f)の左側の縦軸の単位は(sccm)であり、Ar流量を示している。また、(g)の左側の縦軸の単位は(sccm)であり、O
2流量を示している。
【0050】
いずれのステップにおいても、
図2の手法が適用できるが、本例では、RFパワーを一定として実験を行った。また、各ステップの切り替わり時から期間TAの間、APCの排気効率を増加させるが、切り替わりの直後の期間(Preset)においては、APCの開放角度は予め決められた値に設定し、後は、内部の圧力が一定化されるように自動フィードバック制御を行う。
【0051】
また、ガスCのステップにおいては、ステップの切り替わり前に、Arを供給しており、続いて、Arの供給量を初期期間において増加させ、その後の安定期間では、低下させている。同様に、ガスDのステップにおいては、ステップの切り替わり前に、O
2を供給しており、続いて、O
2の供給量を初期期間において増加させ、その後の安定期間では、低下させている。
【0052】
図4は、各種パラメータの実際のタイミングチャートである。
【0053】
上述の制御を行うと、プラズマの安定化までの期間が短縮され、また、マッチャーを構成する可変キャパシタC1,C2を調整する期間も短縮される。なお、可変キャパシタC1,C2は、インピダンス整合をとるために自動フィードバック制御されている。
【0054】
(a)の左側の縦軸はマッチャーのマッチングポジションの整合稼動範囲を基準化した数値であり、改良前の装置における可変キャパシタC1の位置(C1[pos]POR)、改良後の本発明の装置における可変キャパシタC1の位置(C1[pos]New)を示している。(a)の右側の縦軸もマッチャーのマッチングポジションの整合稼動範囲を基準化した数値であり、改良前の装置における可変キャパシタC2の位置(C2[pos]POR)、改良後の本発明の装置における可変キャパシタC2の位置(C2[pos]New)を示している。同図を見ると、インピダンス整合に要する時間が0.5秒ほど短縮されていることが分かる。改良前の装置では、第2ガスの先出し、流量の増加、APC開放角度の増加を行っておらず、ステップの切り替わり時と同時に第2ガスを安定期間と同一の流量だけ出力している。
【0055】
(b)の左側の縦軸は分光分析装置が検出した発光強度を基準化した数値であり、改良前の装置におけるプラズマ中のCN量(RE387nm_CN POR)と、改良後の装置におけるプラズマ中のCN量(RE387nm_CN New)とが示されている。改良の前後においては、CNが0.5秒〜1.1秒ほど早めに処理容器内に導入されていることが分かる。
【0056】
(c)の左側の縦軸も分光分析装置が検出した発光強度を基準化した数値であり、改良前の装置におけるプラズマ中のCO量(RE226nm_CO POR)と、改良後の装置におけるプラズマ中のCO量(RE226nm_CO New)とが示されている。改良の前後においては、COが0.5秒〜1.4秒ほど早めに処理容器内に導入されていることが分かる。
【0057】
(d)の左側の縦軸も分光分析装置が検出した発光強度を基準化した数値であり、改良前の装置におけるプラズマ中のCF量(RE260nm_CF POR)と、改良後の装置におけるプラズマ中のCF量(RE260nm_CF New)とが示されている。改良の前後においては、CFが0.5秒〜0.8秒ほど早めに処理容器内に導入されていることが分かる。
【0058】
(e)の左側の縦軸の単位は(mTorr)であり、改良前の装置における処理容器内の圧力(Chamber Pressure POR)と、改良後の装置における処理容器内の圧力(Chamber Pressure New)とが示されている。なお、凡そのプロセスにおいては本発明の効果が確認できているが、一部、ガス流量、圧力設定等においては本発明の効果が得られない場合もある。
【0059】
(f)の左側の縦軸の単位は(°)であり、APCの開放角度(排気効率)を示している。ステップの切り替え直後において、排気効率を増加させている。
【0060】
以上のように、上述の装置では、(1)第2ガスの先出し、(2)第2ガスの流量の増加、(3)APCの開放を行っているが、個別の効果について確認した。
【0061】
図5は、第2ガスの先出し効果について確認するための各種パラメータの実際のタイミングチャートである。
【0062】
(a)は時刻t=0において第2ガスを導入した場合、(b)は時刻t=−1.0秒において第2ガスを導入した場合、(c)は時刻t=−0.5秒において第2ガスを導入した場合、(d)は時刻t=−1.5秒において第2ガスを導入した場合を示している。
【0063】
また、
図5及び
図6において、(a)〜(d)において、(i)の左側の縦軸の単位は(W)および(V)であり、それぞれ高周波の電力(Lower RF)と高周波電圧のピーク間差電圧(Lower Vpp)を示している。右側の縦軸の単位は(W)であり、高周波電力の反射電力(Lower RF Reflect)を示している。(ii)の左側及び右側の縦軸はマッチャーのマッチングポジションの整合稼動範囲を基準化した数値であり、それぞれマッチャー2に使われる可変キャパシタC1,C2の位置(C1 Pos(Lower)、C2 Pos(Lower)を示している。(c)の左側の縦軸は分光分析装置が検出した発光強度を基準化した数値であり、プラズマ中に含まれる複数の成分量を示している。プラズマ中には、CN(波長387nm),CF(波長260nm)、CO(波長220nm)が含まれている。
【0064】
同図から、第2ガスの先出しは、次のステップにおける安定期間までの遅延を短縮することがわかるが、同図では、(c)の状態が最も適切に短縮が行われていることが分かる。なお、同図の実験では、APCの開放角度は8.5(°)に固定した。
【0065】
図5及び
図6において、ガスAであるCF
4の流量は345(sccm)、ガスBであるN
2の流量=500(sccm)、O
2の流量=20(sccm)、ガスCであるCHF
3の流量=4.6(sccm)、Arの流量=385.7(sccm)、O
2の流量=4(sccm)、CF
4の流量=37.1(sccm)、ガスDであるO
2の流量=480(sccm)とした。
【0066】
また、
図5及び
図6において、全ての工程の圧力は50mTorr(6.7Pa)、RFパワーは1000W、試料の中心領域における処理ガスの流量(FC)と、試料の周囲領域における処理ガスの流量(FE)の比率RDC=FC/FE=50に設定した。
【0067】
図6は、第2ガスの流量の増加の効果を確認するための各種パラメータの実際のタイミングチャートである。
【0068】
(a)は、第2ガスの流量を、第2ステップにおける安定期間における流量と同一(1.0倍)にした場合、(b)は、第2ガスの流量を、第2ステップにおける安定期間における流量の1.8倍にした場合、(c)は、第2ガスの流量を、第2ステップにおける安定期間における流量の0.5倍にした場合を示している。
【0069】
同図から、第2ガスの流量の増加(b)は、次のステップにおける安定期間までの遅延を短縮することがわかる。
【0070】
図7は、APCの開放を確認するための圧力のタイミングチャートであり、横軸は時間(秒)、縦軸は圧力(mTorr)を示している。
【0071】
(a)は、第2ガスの初期期間における流量を、安定期間における流量の1.5倍に増加させて2秒間継続し、APCの開放角度を増加させない場合、(b)は、第2ガスの初期期間における流量を、安定期間における流量の1.5倍に増加させて2秒間継続し、APCの開放角度をTA=1秒間のプリセット期間として、増加させた場合、(c)は、第2ガスの初期期間における流量を、安定期間における流量の1.5倍に増加させて2秒間継続し、APCの開放角度をTA=2秒間のプリセット期間として、増加させた場合を示している。その他の条件は、
図6と同じである。
【0072】
(a)、(b)、(c)の平均圧力はそれぞれ11.5mTorr、10.7mTorr、11.0mTorrであり、(b)の条件が圧力変動を最もよく抑えることができた。
【0073】
なお、ステップ間の移行に際しては、各ステップを通した連続放電処理(コンティニュアスプラズマ)を行う。すなわち、プラズマが常に発生した状態で各ステップの移行を行う。この場合、プラズマシースが切れないので、基板やウエハ等の試料へのパーティクスの落下を抑制することができ、試料等へのパーティクル混入を抑制することができる。
【0074】
上述の実施形態では、第1ステップのプラズマから、第2ステップのプラズマに移行する際のガス遷移状態時間を、短くする事が可能であり、これにより、プラズマが安定状態に到達する時間も短くする事が可能である。マッチャーが適切な値に自動収束するまでの時間は、すなわち、プラズマが安定するまでの時間は例えば30%改善している。つまり、プラズマ処理される品質が不安定となるプラズマ遷移状態を短く改善できるため、より精密なプラズマ処理を行うことができる。したがって、パーティクル低減を狙った連続放電処理においても、各プラズマ処理を独立させてプラズマ処理の品質を維持する断続放電処理のプラズマ処理結果に、より近づけることが可能となる。
【0075】
さらに、デバイスにおけるプラズマエッチング膜に対してはハードウェアによるガス遅延を考慮改善したプラズマ処理を提供する事により、デバイスに対してより適切なプラズマ処理を行うことが可能となる。
【0076】
また、上述の実施形態においては、遷移の前後において、異なるガスで試料をエッチングする場合において、遷移時のプラズマの応答速度を増加させたため、エッチング変化の影響度を少なくすることができ、エッチング(デバイス)加工に対する精度が向上する。
【0077】
また、プラズマが安定化するまでの時間を短くすることができるので、スループットが向上する。ステップ間の遷移時において、コンティニュアスプラズマの影響度が著しく大きい場合、ステップ間の遷移の間に、プラズマを発生させるためのパワーを、遷移前後のステップの場合よりも極めて低く設定する。この場合、遷移期間においては、プラズマの影響が抑制され、余分なエッチングが抑制され、処理容器内のガス条件が次の第2ステップの状態に完全に移行した後、プラズマのパワーを元のパワーに戻してエッチングを行うことができる。なお、本発明の方法を用いれば、このような低いパワーの遷移時間も短縮することが可能となり、スループットも改善することができる。
【0078】
なお、上述の実施例においては、コンティニュアスプラズマについての効果を示しているが、コンティニュアスプラズマ以外の通常のシーケンスにおいても、ガス先出しを実施することによって、処理時間の短縮化を行うことができる。したがって、本発明によれば、プラズマが安定する安定期間に速やかに入ることができるので、適切なプラズマ処理を行うことができる。
【0079】
次に、第1ステップと第2ステップの切り替わりに時刻から、処理容器内の圧力安定化するまでの時刻までの期間を短縮可能な方法について、説明する。なお、以下の方法は、上述の実施形態にも適用できる。なお、プラズマ処理装置の構成は、上述の通りである。
【0080】
図8は、上述のプラズマ処理装置における圧力制御システムのブロック図である。
【0081】
処理容器8には、ガス源から流量制御装置11Cを介して、各種のガスが供給される。処理容器8からは、APC3を介して、排気装置4により、処理容器内部のガスが排気される。換言すれば、ガスの単位時間当たりの流入量を制御しているのは流量制御装置11Cであり、ガスの単位時間当たりの流出量を制御しているのはAPC3である。処理容器8内の圧力は、圧力センサPSによって計測され、計測された圧力値は制御装置16に入力される。
【0082】
通常の圧力安定化制御では、目標の圧力P(TARGET)に処理容器8内の圧力を到達させる場合には、制御装置16はフィードバック制御を行う。すなわち、圧力センサPSで検出される実際の圧力値をP(REAL)とすれば、制御装置16は、目標までの偏差ΔP=P(TARGET)−P(REAL)を演算し、偏差ΔPが最小値になるようにAPC3を自動調整するように制御する。APC3の開放角度をθとすると、ΔPが正(圧力増加)の場合、目標となるAPC3の開放角度θ(TARGET)を(1/ΔP)に比例させて小さくすればよい(比例制御)。例えば、θ(TARGET)=α×(1/ΔP)となる制御を行う(但し、αは適当な係数)。
【0083】
θの単位時間当たりの変化量に上限値(Δθ(LIMIT))を設けておき、制御サイクル毎に、θを変動させるものとすると、ΔPが非常に大きな場合、θは、制御サイクル毎に、上限値Δθ(LIMIT)で変化することになるが、圧力センサPSからの出力に基づくフィードバック制御では、制御遅れが生じ、制御量がオーバーシュートとなる。すなわち、開放角度θが、目標となる圧力に到達する値であったとしても、処理容器内の圧力は、依然として、目標値には到達していないため、演算されるθ(TARGET)は、目標値を(下向きに)オーバーした値を示すことになり、オーバーした値を目標として制御を行えば、オーバーシュートが生じ、所望の圧力になるまでに、時間がかかる。
【0084】
なお、実際の制御では、上述の比例制御だけでなく、積分制御を加えたPI制御や、これに微分制御を加えたPID制御を行うことができる。
【0085】
積分制御においては、偏差ΔPが著しく小さく、θの変化量の設定下限等に制限され、θが変化せず、残留偏差が存在する場合においても、偏差ΔPの積分値が所定値を超えた場合には、θを変化させて、残留偏差を取り除く。
【0086】
積分制御等を行うと、更に、目標値に到達するまでに時間がかかるという不具合がある。微分制御においては、前回の値と現在の値の圧力偏差が大きい場合には、速やかに目標値に到達するため、オーバーシュート気味に、操作量を大きくする。
【0087】
なお、フィードバック制御(PID制御)におけるAPC3の角度操作量は、Kp,Ki,Kdを適当な係数とすれば、以下の通りである。
【0088】
APCの角度操作量=(比例項)+(積分項)+(微分項)=Kp×偏差ΔP+Ki×偏差ΔPの累積値+Kd×前回偏差との差で与えられる。
【0089】
なお、ΔPが負(圧力減少)の場合、目標となるAPC3の開放角度θ(TARGET)を|ΔP|に比例させて大きくすればよい(比例制御)。例えば、θ(TARGET)=|α×ΔP|となる制御を行う(但し、αは適当な係数)。もちろん、このばあいにおいてもPI制御又はPID制御も可能である。
【0090】
ここで、プラズマ処理が、第1ステップから第2ステップに切り替わる場合、処理容器内の圧力設定値と、流量制御装置11Cによる圧力設定値は、予め決められている。したがって、処理容器内の圧力制御は、APC3によって行うのだが、できるだけオーバーシュートの量を減らして、速やかにガス圧力を目標値まで到達させて、安定化させたい。
【0091】
そこで、処理容器内のコンダクタンス(=ガスの設定流量/処理容器内の設定圧力)と、圧力安定状態におけるAPC3の開放角度との関係を調査すると、一定の相関があることが判明したため、この関係を制御に用いることにより、速やかな圧力安定を行うこととした。
【0092】
図9は、(A)はコンダクタンス(sccm/mTorr)とAPC開放角度(°)との関係を示すグラフ、(B)は圧力(mTorr)と流量(sccm)に応じたAPC開放角度(°)、(C)は圧力(mTorr)と流量(sccm)に応じたコンダクタンス(sccm/mTorr)の関係を示す図表である。
【0093】
すなわち、コンダクタンスが増加する場合には、APC3の開放角度は、これに比例して増加する。コンダクタンス(sccm/mTorr)をx、APCの開放角度(°)をyとすると、一次関数y=ax+bの関係が成立する。本評価の場合は、コンダクタンスが3以上においては、a=0.326、b=4.7957であり、コンダクタンスが3未満においては、a=2.2619、b=−0.2619である。これらの傾きa及び切片bは、±30%の誤差を有することができる。
【0094】
上述の相関関係によれば、実際の圧力を測定する前の段階において、第2ステップにおける設定値であるコンダクタンスが分かれば、APCの開放角度の目標値が決まるということがわかる。すなわち、圧力センサからの出力をフィードバックするのではなく、上述のグラフの関係から予測されるAPCの開放角度を目標値として、APCの制御(フィードフォワード制御)を行えば、速やかでオーバーシュートの少ない圧力変化が可能である。
【0095】
図10は、(A)は実施例に係るAPC開放角度のタイミングチャートであり、(B)は比較例に係るAPC開放角度のタイミングチャートである。なお、第1ステップと第2ステップでは、プラズマ処理条件が異なり、上述の通り、制御装置は、第1ステップにおいては、高周波発生源を第1エネルギー条件で駆動し、第2ステップにおいては、高周波発生源を第2エネルギー条件で駆動している。
【0096】
実施例では、第1ステップから第2ステップに切り替わる期間T(FF)においては、APCの開放角度θが、上述の相関から求められる目標値になるように、実際のAPCの開放角度θを、フィードフォワード制御し、その後の期間T(FB)においては、圧力センサから検出される実際の圧力が、目標の圧力になるように、フィードバック制御を行い、処理容器内圧力を安定化させる(APC開放角度θが一定値に収束する)。
【0097】
なお、本評価の場合は、期間T(FF)は、0.1秒以上2秒以下である。
【0098】
第1ステップにおけるAPCの実際の開放角度θ(第1ステップ)、第2ステップにおいて上記相関関係から求められる目標値としての開放角度θ(TARGET)、1度の制御サイクルにおけるAPC開放角度の変化量θ(Δ)は、以下の関係を満たす。
【0099】
変化量θ(Δ)=θ(第1ステップ)+(開放角度θ(TARGET)−θ(第1ステップ))×γ
【0100】
なお、γは係数であり、本評価の場合は、0.5以上2以下である。γの値を1よりも大きくすれば、微分制御的な制御要素が強くなり、オーバーシュートはするものの、高速に目標値に移動することができる。APCの開放角度θが、目標値を一度超えた後、又は、ステップ切り替わりから0.1秒以上の所定期間の経過後に、フィードバック制御に移行する。
【0101】
一方、(B)の比較例では、APCの開放角度の調整に、フィードバック制御のみを用いており、処理容器内圧力を安定化させる(APC開放角度θが一定値に収束する)までの時間が、実施例よりもかかる。また、ガス流量は考慮していない制御であるため、ガス流量変化による圧力変化への応答性は低くなる。
【0102】
実際のデータを用いて、上述の発明を検証した。
【0103】
図11は、実施例1及び比較例1に係るAPC開放角度(°)及び処理容器内圧力(mTorr)の経時的変化を示すグラフである。第1ステップの処理容器内圧力は100mTorrであり、ガス源から処理容器内に供給されるArの流量は700sccmである。第2ステップの処理容器内圧力は190mTorrであり、ガス源から処理容器内に供給されるArの流量は1000sccmである。
【0104】
実施例1及び比較例1では、第1ステップから第2ステップに切り替わると、APCの開放角度を小さくして、処理容器内圧力を上昇させている。
【0105】
実施例1の方法では、上述の相関関係を用いた予測制御(
図10(A))を行うのに対し、比較例1の方法では、通常のフィードバック制御(
図10(B))を行っている。第2ステップにおける目標圧力を190mTorrとすると、その±6%の範囲内において、処理容器内圧力が、1秒以上留まった場合に、圧力が安定化したと判断し、この範囲内に圧力が最初に到達した時刻を求めた。実施例1の場合は時刻t1であり、比較例1の場合は時刻t2であった。時刻t1は、時刻t2よりも0.6秒ほど早くなるという結果が得られた。
【0106】
図12は、実施例2及び比較例2に係るAPC開放角度(°)及び処理容器内圧力(mTorr)の経時的変化を示すグラフである。
【0107】
第1ステップの処理容器内圧力は100mTorrであり、ガス源から処理容器内に供給されるArの流量は700sccmである。第2ステップの処理容器内圧力は40mTorrであり、ガス源から処理容器内に供給されるArの流量は1300sccmである。
【0108】
実施例2及び比較例2では、第1ステップから第2ステップに切り替わると、APCの開放角度を大きくして、処理容器内圧力を減少させている。なお、この制御は、
図1〜
図7に記載の実施形態にも適用できる。
【0109】
実施例2の方法では、上述の相関関係を用いた予測制御(
図10(A))を行うのに対し、比較例2の方法では、通常のフィードバック制御(
図10(B))を行っている。第2ステップにおける目標圧力を40mTorrとすると、その±6%の範囲内において、処理容器内圧力が、1秒以上留まった場合に、圧力が安定化したと判断し、この範囲内に圧力が最初に到達した時刻を求めた。実施例2の場合は時刻t1であり、比較例2の場合は時刻t2であった。時刻t1は、時刻t2よりも0.6秒ほど早くなるという結果が得られた。
【0110】
以上、説明したように、上述のプラズマ処理装置は、処理容器と、処理容器内にガスを供給するガス供給システムと、処理容器内にプラズマ発生用の高周波を導入する高周波発生源と、処理容器内のガスの排気効率を調整する排気効率調整手段(APC)と、ガス供給システム及び排気効率調整手段を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、処理容器内において実行される第1ステップと第2ステップにおける処理容器内の設定圧力が異なる場合において、第2ステップにおける処理容器内の設定圧力、及び、ガス供給システムから供給されるガスの設定流量に基づいて、これらの値と相関関係を有する排気効率調整手段の排気効率の目標値を設定し、実際の排気効率が、排気効率の前記目標値になるように、排気効率調整手段を制御している。
【0111】
排気効率の目標値を、これと相関関係を有する設定圧力及び設定流量に基づいて、予め求めているので、処理容器内の圧力を、速やかに目標値に一致させ、処理容器内圧力及びプラズマ状態を安定させることができる。