特許第6510766号(P6510766)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6510766
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】位置測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/00 20060101AFI20190422BHJP
   G01D 5/12 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   G01B21/00 G
   G01D5/12 B
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-97417(P2014-97417)
(22)【出願日】2014年5月9日
(65)【公開番号】特開2014-219414(P2014-219414A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2017年2月13日
(31)【優先権主張番号】10 2013 208 629.6
(32)【優先日】2013年5月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100153947
【弁理士】
【氏名又は名称】家成 隆彦
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ・ミットマン
(72)【発明者】
【氏名】インゴ・ヨアヒムスターラー
【審査官】 八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−75136(JP,A)
【文献】 特開2004−318439(JP,A)
【文献】 特開平10−103918(JP,A)
【文献】 特開2009−250708(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/185546(US,A1)
【文献】 特表2012−523558(JP,A)
【文献】 特開2011−22133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01B 21/00−21/32
G01C 3/00− 3/32
G01D 5/00− 5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置測定装置であって、
位置測定を行うための測定素子(10)と、
前記位置測定装置(1)を作動することができる有効な構成を定義するパラメータデータが記憶された少なくとも1つのメモリ(15)と、
を備える位置測定装置において、
前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)にデータおよびコマンドが記憶されており、該データおよびコマンドによって、前記位置測定装置(1)を作動できる少なくとも1つの他の構成を有効化可能であり、
前記位置測定装置(1)は、プロセッサ(30)を備えたプログラミングユニット(3)が接続可能に構成され、前記プロセッサによって、前記少なくとも1つの他の構成に割り当てられた前記コマンドが実行可能であり、
少なくとも1つの他の構成のために、該構成を定義するデータの一部のみが前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)に記憶されており、前記構成を有効化するために、前記メモリ(15)に保存された少なくとも1つの異なる構成のデータが使用されることを特徴とする位置測定装置。
【請求項2】
位置測定装置であって、
位置測定を行うための測定素子(10)と、
前記位置測定装置(1)を作動することができる有効な構成を定義するパラメータデータが記憶された少なくとも1つのメモリ(15)と、
を備える位置測定装置において、
前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)にデータおよびコマンドが記憶されており、該データおよびコマンドによって、前記位置測定装置(1)を作動できる少なくとも1つの他の構成を有効化可能であり、
前記位置測定装置(1)は、プロセッサ(30)を備えたプログラミングユニット(3)が接続可能に構成され、前記プロセッサによって、前記少なくとも1つの他の構成に割り当てられた前記コマンドが実行可能であり、
複数の種々異なる他の構成を有効化するためにアクセスできる構成ブロック(189)が、同様に前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)に記憶されており、前記他の構成を有効化するために前記構成ブロック(189)のデータに付加的にアクセス可能であることを特徴とする位置測定装置
【請求項3】
位置測定装置であって、
位置測定を行うための測定素子(10)と、
前記位置測定装置(1)を作動することができる有効な構成を定義するパラメータデータが記憶された少なくとも1つのメモリ(15)と、
を備える位置測定装置において、
前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)にデータおよびコマンドが記憶されており、該データおよびコマンドによって、前記位置測定装置(1)を作動できる少なくとも1つの他の構成を有効化可能であり、
前記位置測定装置(1)は、プロセッサ(30)を備えたプログラミングユニット(3)が接続可能に構成され、前記プロセッサによって、前記少なくとも1つの他の構成に割り当てられた前記コマンドが実行可能であり、
複数の種々異なる他の構成を選択的に有効化するために設けられたデータおよびコマンドが構成スクリプト(18)としてまとめられており、該構成スクリプト(18)の内容リスト(181,182,183)に、有効化可能な他の構成が示されている位置測定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の位置測定装置において、
外部のデータソースの付加的なデータにアクセスする必要なしに、それぞれの他の構成を有効化するために十分なデータが、それぞれの他の構成に割り当てられており、前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)に記憶されている位置測定装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載の位置測定装置において、
少なくとも1つの他の構成のために、該構成を定義するデータの一部のみが前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)に記憶されており、前記構成を有効化するために、前記メモリ(15)に保存された少なくとも1つの異なる構成のデータが使用される位置測定装置。
【請求項6】
請求項1または5に記載の位置測定装置において、
前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)にデータの一部のみを記憶した前記他の構成を有効化するために、前記位置測定装置(1)の現在有効な構成が、有効化されるべき前記他の構成のデータによって部分的にのみ上書きされる位置測定装置。
【請求項7】
請求項に記載の位置測定装置において、
複数の種々異なる他の構成を選択的に有効化するために設けられたデータおよびコマンドが構成スクリプト(18)としてまとめられており、該構成スクリプト(18)の内容リスト(181,182,183)に、有効化可能な他の構成が示されている位置測定装置。
【請求項8】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の位置測定装置において、
少なくとも1つの他の構成にアクセスコードが割り当てられており、これにより、対応した他の構成を有効化できるユーザに関して制限を設けることが可能となる位置測定装置。
【請求項9】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の位置測定装置において、
前記他の構成を有効化するために、前記位置測定装置(1)にプログラミングユニット(3)が接続可能である位置測定装置。
【請求項10】
プログラム可能なシステムにおいて、
請求項1からまでのいずれか1項に記載の位置測定装置(1)と、 前記位置測定装置(1)に接続可能なプログラミングユニット(3)と、を含むシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラム可能なシステムにおいて、
前記プログラミングユニット(3)がプロセッサ(30)を備え、該プロセッサによって、それぞれの他の構成に割り当てられ、他の構成を有効化するために前記位置測定装置(1)のメモリ(15)に保存されたコマンドが実行可能であるプログラム可能なシステム。
【請求項12】
請求項3または7に記載の位置測定装置(1)を備える請求項10または11に記載のプログラム可能なシステムにおいて、
前記プログラミングユニット(3)がディスプレイ(32)を備え、該ディスプレイに、構成スクリプト(18)に割り当てられた内容リスト(18a)の記述を選択メニューとして表示可能であるプログラム可能なシステム。
【請求項13】
請求項10から12までのいずれか1項に記載のプログラム可能なシステムにおいて、
前記プログラミングユニット(3)が、前記位置測定装置(1)に付属の処理ユニット(2)のデータ処理プログラムによって実施されており、前記処理ユニット(2)に、位置測定装置(1)の測定動作時に測定値が伝達されるプログラム可能なシステム。
【請求項14】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の位置測定装置(1)をプログラムする方法において、
a)前記位置測定装置(1)に、プロセッサ(30)を備えるプログラミングユニット(3)を接続し、
b)該プログラミングユニット(3)の前記プロセッサ(30)によって、前記位置測定装置(1)の所定の他の構成に割り当てられ、前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)に記憶されたコマンドを実行し、前記他の構成を有効化する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記他の構成を有効化するためのコマンドを実行する場合に、前記位置測定装置(1)の前記メモリ(15)に記憶されたデータにのみアクセスする方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の方法において、
請求項3または7に記載された位置測定装置(1)の複数の他の構成のデータおよびコマンドを構成スクリプト(18)としてまとめ、該構成スクリプト(18)に内容リスト(18a)を割り当て、該内容リスト(18a)に含まれた有効化可能な他の構成の記述をプログラミングユニット(3)のディスプレイ(32)に表示する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の位置測定装置および請求項17に記載の位置測定装置をプログラムする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に長さまたは角度測定器として形成される位置測定装置は、位置測定を実施するための測定素子と、位置測定装置を作動可能とする構成を定義するパラメータデータを記憶するためのメモリと、を含む。
【0003】
例えば、位置測定装置の走査ユニットが走査ユニットに対して移動可能な物体に接続された付属の測定基準器を走査するという形態で、位置測定装置の測定素子を実現してもよい。これにより、走査ユニットに対する物体の位置を検出することができる(位置測定)。
【0004】
位置測定装置のメモリに保存されたパラメータデータによって定義された構成は、例えば、位置測定装置が作動される解像度や、位置測定装置を付属の評価ユニットに接続するインタフェースなどを決定することができる。
【0005】
位置測定装置の実際の用途に応じて、位置測定装置の構成を変更すること、すなわち、新しい用途に適合させることが必要な場合がある。欧州特許出願公開第0660209号明細書により、位置測定装置の所定の構成を定義するために、位置測定装置に所定のメモリ領域を設け、位置測定装置に外部から供給されるパラメータデータをこのメモリ領域に保存できることが既知である。このためには、プログラムすべき位置測定装置と互換性のあるデータ処理器が必要である。データ処理器は、外部のデータソースから伝送されたパラメータデータを、このパラメータデータのために設けられた位置測定装置のメモリ領域に保存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0660209号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術から出発した本発明の基礎をなす課題は、冒頭で述べた形式の位置測定装置のプログラミングを簡易化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有する位置測定装置を作製することにより解決される。
【0009】
これによれば、本発明にしたがって一般的な位置測定装置のメモリにデータおよびコマンドが保存/記憶されており、これらのデータおよびコマンドにより少なくとも1つの他の構成、すなわち、位置測定装置にいずれにせよ設けられている構成(基本構成)とは異なる構成が有効化可能もしくは生成可能であり、この構成により位置測定装置を同様に作動することができる。
【0010】
さらに本発明による位置測定装置のユーザには位置測定装置を作動するための種々異なる構成が提供されており、外部のデータソース、例えば外部のメモリまたはデータバンクを付加的に使用することなしに、これらの構成の中からそれぞれの用途に適した構成を選択し、有効化することができる。なぜなら、位置測定装置において少なくとも1つの他の構成を設定するために必要なデータは、既に位置測定装置のメモリ自体に含まれているからである。
【0011】
さらに、位置測定装置のそれぞれの新しい構成のために必要なコマンド、すなわち、例えば、所定のパラメータデータを使用して位置測定装置を新たに構成するためにどのようなステップを実施すべきかを示すコマンドも位置測定装置に保存/記憶されている。
【0012】
したがって、他の構成により位置測定装置を作動できるようにするという目的で位置測定装置を再プログラムするためには外部のデータソースが不要であるだけでなく、それぞれの位置測定装置のために作成された固有のデータ処理器を準備し、このデータ処理器により位置測定装置の再プログラムを行う必要もない。むしろ、極めて多様な位置測定装置を再プログラムするために用いられる(プロセッサを備える)汎用のプログラミングユニットを使用することができる。このプログラミングユニットは、位置測定ユニットに提供されている構成可能性を検出し、選択された構成に属するコマンドを処理できる状態となっているだけでよい。このことは、例えば、種々異なる構成を定義するためのデータおよびコマンドの他に、プログラミングユニットにより読み取ることのできる構成可能性のリストが位置測定装置に保存されていることにより可能となる。
【0013】
提供された構成可能性をプログラミングユニットに表示し、所望の構成を自動的に選択するか、またはユーザが選択することができる。これに続いてプログラミングユニットは、特に位置測定装置自体に保存されているデータおよびコマンドを用いて、位置測定装置の再プログラミングを指示し、位置測定装置を作動すべき新しい構成を生成する。
【0014】
したがって、プログラミングユニットは、外部のデータソースを介して、位置測定装置を再プログラムするために必要なデータを受け取る必要がなく、さらにプログラミングユニットは、位置測定装置の再プログラムを行うことができるようにするために、プログラムされるべき位置測定装置に合わせてそれぞれ作成された機器固有のコマンドもしくはプログラム経過を備えている必要もない。再プログラミングのために必要なデータおよび不可欠なコマンドはいずれも、むしろ位置測定装置自体に保存されている。
【0015】
したがって、位置測定装置のユーザは、再プログラミングによって位置測定装置の構成を新たに設定することができ、その際に外部のデータソースにアクセスする必要はなく、それぞれの位置測定装置のために設計されたプログラミングユニットを有している必要もない。むしろ、位置測定装置の構成を変更するために外部のデータソースにアクセスすることなしに、位置測定装置に保存されているデータおよびコマンドを使用して、汎用のプログラミングユニットによって種々異なる位置測定装置を再プログラムすることができる。
【0016】
この場合、適宜な他の構成が現在の新しい構成として有効化されることが望ましい場合に周期的な冗長検査CRCもしくはチェックサムのために検査を行い、必要に応じて補正を行うコマンドが他のそれぞれの構成に割り当てられていてもよい。
【0017】
他のそれぞれの構成に割り当てられたコマンド全てが、結果として外部のプログラミングユニットおよびプログラミングユニットのプロセッサによって処理されるべきプログラムコードとなる。すなわち、プログラミングユニットはインタープリタの機能を引き受ける。したがって、プログラミングユニットのためには、(ディスプレイ、キーボードもしくはキーパッドを備える)簡単なマイクロコントローラによって実施することができる比較的小さい処理能力のみが必要となる。プログラミングユニットの給電はUSB端子によって行うことができ、電源ユニットの不可欠ではない。さらに、プログラミングユニットに組み込まれたアキュムレータによってケーブルなしの作動も可能となる。
【0018】
プログラミングユニットを用いて位置測定装置を再プログラムする場合に、位置測定装置はプログラミングユニットの給電を引き受けることもできる。再プログラムには一般に短時間しかかからないので、所要エネルギーは比較的少ない。
【0019】
位置測定装置は、初期には次のように構成されていてもよい:位置測定装置を直接に作動できる基本構成として所定の構成が保存されており、他の構成が、位置測定装置のメモリに保存されたデータおよび対応するコマンドのセットにより提供され、これらのデータおよびコマンドにより、それぞれ選択された他の構成を使用するために位置測定装置を再プログラムすることが可能となる。
【0020】
この場合、本発明の第1実施形態によれば、他の構成のためにこの構成を定義する全てのデータが位置測定装置に記憶されている。
【0021】
他の実施形態によれば、位置測定装置の他の構成のために、この他の構成と最初の構成との間で異なるデータのみがメモリに保存されていることにより、所要メモリを減じることができる。位置測定装置における上記他の構成のプログラミングは、最初の構成を基にして、最初の構成のパラメータデータのうち、新たにプログラムされるべき構成が最初の構成とは異なっている部分のみが変更、特に上書きされる形式で行われる。
【0022】
このために、新しい構成を作成する基になる最初の構成は、位置測定装置の現在使用可能な構成としてプログラムされている、すなわち有効化されている必要がある。具体的には、このために位置測定装置は基本構成を有し、この基本構成は、位置測定装置の発送時点だけでなく、それぞれの再プログラミングの前にも、位置測定装置の現在使用可能な構成として自動的に設定される。他の全ての構成について、基本構成とは異なるデータおよび対応したコマンドのみそれぞれが記憶されていればよい。これらのコマンドによって、上記データは、現在使用可能な構成を再定義するために位置測定装置の対応したメモリ領域に書き込まれる。
【0023】
さらに、他のそれぞれの構成を有効化するためにメモリの部分領域の複数のメモリスペースに同じデータが割り当てられた場合、他のそれぞれの構成を保存するための所要メモリを減じることができる。この場合、メモリの適宜な部分領域に割り当てるために設定されたデータは、それぞれ現在有効な構成が保存されるべきメモリの部分領域に上記データを複数回コピーするように指示する適宜なコマンドと共に、初期に一度だけ位置測定装置に保存すればよい。
【0024】
さらに、種々異なる他の構成を設定するために使用可能(呼出し可能)な個々のプログラムブロックもしくは部分的構成が位置測定装置に記憶されていてもよい。
【0025】
必要に応じて、他の構成にアクセスコードが割り当てられていてもよい。このアクセスコードを介して、対応する構成へのアクセスを所定のユーザだけに制限することができる。したがって、例えば、幾つかの構成は位置測定装置のいずれのユーザによっても有効化することができ、他の構成は、例えば製造者の顧客サービス部門によってしか有効化できないように構成されていてもよい。
【0026】
さらに、他の構成は少なくとも部分的にロックされた状態で位置測定装置に保存されていてもよい。
【0027】
場合によっては他の構成を有効化する際に上書きすることのできる、構成の個々のデータワードには、データワードの個々のビットまたはバイトへの上書きを制限するマスクを割り当ててもよい。これにより、例えば較正値の上書きを防止することができる。
【0028】
本発明にしたがって実施された位置測定装置ならびに対応したプログラミングユニットを含むシステムは、請求項14の記載事項により特徴づけられる。本発明にしたがって実施された位置測定装置を、他の構成を有効化するために再プログラムする方法は、請求項19に記載されている。適宜なシステムもしくは方法の他の構成が従属請求項の対象である。
【0029】
本発明のさらなる詳細および利点が、図面に基づいた以下の実施例の説明により明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】位置測定装置および対応したプログラミングユニットを示す概略図である。
図2】基本構成と並んで他の構成が保存されている、位置測定装置のメモリを示す概略図である。
図3】それぞれ有効な構成に関して位置測定装置の再プログラミングを可能にする構成スクリプトを示す図である。
図4】位置測定装置において所定の構成を有効化できる構成ブロックを示す図である。
図5図4に示した構成ブロックの変化態様を示す図である。
図6】種々異なる構成ブロックの可能な協働を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1には、既知のように、構成部材として特に測定素子10と、例えばEEPROMの形式のメモリ15とを備える位置測定装置1が示されている。
【0032】
測定素子10は、位置測定値を生成するための役割を果たし、例えば、2つの物体の相互の位置変化が検出される。このために、測定素子は、測定基準器と付属の走査ユニットとを備え、これらの測定基準器および走査ユニットは、互いに対して移動可能な2つの物体のいずれか一方にそれぞれ割り当てられている。走査ユニットによる測定基準器の走査により、測定素子は、一方の物体の他方の物体に対する位置を反映する出力信号を生成し、この出力信号は、一般に位置測定装置でさらに確認され、さらなる処理および評価のために評価ユニット2に伝送される。
【0033】
位置測定装置1は、特に長さ測定器または角度測定器として形成されていてもよい。しかしながら、本実施例ではこのことは重要ではない。測定基準器を走査するために使用される測定原理(例えば、電子光学式、誘導式または磁気式)および生成された位置測定値の形式(増分的または絶対的位置情報)についても同様である。
【0034】
本実施例では、むしろ位置測定装置1の構成が一連のパラメータデータによって定義され、決定されることが重要である。これは、例えば、位置測定装置1が接続ライン25を介して対応した処理ユニット2と協働する場合のインタフェースの形式、および位置測定装置によって実施可能な位置測定の解像度に関する。位置測定装置1の構成により決定される位置測定装置1の特徴の他の例は、位置測定値の出力形式および電子ネームプレートの内容である。さらに、例えば、付加情報(例えば、温度および/または加速度に関する付加センサの測定値)の出力、付加情報のデータ形式、(例えば、診断可能性および安全設定に関する)付加機能の処理、アナログ出力信号の付加的な生成、補正機能の利用(例えば、振幅、ずれおよび/または位相の補正)など所定の機能が位置測定装置1の構成に応じて有効化または無効化されてもよい。
【0035】
位置測定装置1を作動する構成を定義もしくは決定するために、必要なパラメータデータが位置測定装置1のメモリ15に保存されている。したがって、位置測定装置を発送し、作動することができる所定の構成が位置測定装置の製造者によって規則的に設定される。
【0036】
位置測定装置の具体的な用途、例えば位置測定装置によって実施されるべき測定の形式に応じて、例えば、他のインタフェースを介して位置測定装置を処理ユニットに接続することができるように、または異なる解像度によって位置測定を実施することができるように、最初に設定された構成とは異なる構成により位置測定装置を作動することが望ましい場合もある。
【0037】
このために、本実施例では、位置測定装置1のメモリ15には、製造者によって最初にプログラムされた基本構成と並んで他のデータおよびコマンドが保存されており、これらのデータおよびコマンドにより、製造者によって設定された基本構成に加えてさらに少なくとも1つの他の構成、特に複数の他の構成を位置測定装置において生成可能/有効化可能である。このことは、図2に基づいて以下に詳述する。
【0038】
図2に示すように、位置測定装置1のメモリ15には、製造者によってプログラムされ、最初から有効な構成16に加えて構成スクリプト18が設けられており、この構成スクリプトは、基本構成16の代わりに、これとは異なる少なくとも1つの他の構成を有効化できるデータおよびコマンドを含む。必要に応じて、構成スクリプト18はロックされた形式で位置測定装置1のメモリに保存されていてもよい。
【0039】
構成スクリプト18に属するコマンドはプログラムコードを形成しており、以下に、図3図6に基づいて様々な実施形態を説明するように、このプログラムコードの処理によって、位置測定装置1の基本構成16は、この基本構成とは異なる他の構成により置換可能である。このために構成スクリプト18は必要なコマンドと並んで、このコマンドにより位置測定装置の新しい有効な構成を形成するために、それぞれ有効な構成のためにメモリ15に設けられた領域にコピーされるデータをも含む。
【0040】
さらに位置測定装置1のメモリ15には、本実施例ではオブジェクトリスト18aの形態で情報システムが保存されており、このオブジェクトリストは、構成スクリプト18がメモリ15に保存されているかどうかを示し、構成スクリプト18が保存されているメモリ領域を必要に応じて示す。
【0041】
さらに構成スクリプト18は、他の個々の構成を有効化可能もしくは生成可能なデータおよびコマンドに加えて、随意に有効化可能な他の構成が記載された内容リストを含む。
【0042】
位置測定装置1の基本構成16とは異なる他の構成を有効化するためには、構成スクリプトは所定の方式で処理され、これにより、現在有効な構成は他の異なる所定の構成によって置き換えられる。このために、図1に示すように、(接続ライン35を介して)プログラミングユニット3を位置測定装置1に接続してもよい。
【0043】
プログラミングユニット3を接続するために別個の接続ライン35を使用する代わりに、接続ライン25(インタフェース)を介して、プログラミングユニット3を位置測定装置1に接続してもよい。接続ライン25は、通常は位置測定装置1と処理ユニット2とを接続するために用いられ、さらに測定モードではそれぞれの測定値を伝達する。この場合、プログラミングモードは、特殊なインタフェースコマンドまたは特殊機能によって有効化することができる。この変化態様では、プログラミングユニット3は処理ユニットのデータ処理プログラム(ソフトウェア)によって実施することもできる。
【0044】
プログラミングユニット3は、特にプロセッサ30(例えばマイクロプロセッサの形式のプロセッサ)を提供し、このプロセッサにより、位置測定装置1のメモリ15に保存された構成スクリプト18が、位置測定装置1の有効な構成を変更するために処理可能もしくは実行可能である。
【0045】
位置測定装置1自体は、構成スクリプト18を処理可能なプロセッサを有していないので、位置測定装置1のメモリ15に保存された構成スクリプト18を処理するために付加的なプログラミングユニット3を使用する必要がある。
【0046】
位置測定装置1がこのようなプロセッサを備えていることも可能である。しかしながら、この場合、位置測定装置の製造時に多大な付加的手間および付加的コストが伴う。これとは反対に、ここで提案される位置測定装置1の実施形態は、図1および図2に基づいて説明したように、単一のプログラミングユニット3のみによって、多様に構成された複数の位置測定装置を固有のプロセッサなしに簡単に、新たに構成することを可能にする。
【0047】
この場合、プログラミングユニット3を用いて所定の位置測定装置1の構成を変更することが望ましいが、この場合にそれぞれの位置測定装置に合わせて作成された特殊なプログラムを設ける必要はない。むしろ、このために必要なデータおよびコマンドは、図1および図2に基づいて上述したように、既にそれぞれの位置測定装置1自体に保存されている。
【0048】
このことは、それぞれの位置測定装置1において新しい構成を生成する場合に、プログラミングユニット3は、外部のデータソース、例えばデータバンクにアクセスしなくてもよいことをも意味する。なぜなら、位置測定装置1の新しい構成を有効化するために必要なデータは、同様に位置測定装置1に(この場合に処理されるべきコマンドと一緒に)既に保存されているからである。
【0049】
構成スクリプト18のための例が図3に示されている。この構成スクリプト18の内容リストは、本実施例では3つの項目181,182,183を含み、これらの項目はそれぞれ、構成スクリプト18の範囲で有効化可能であることが望ましい他の所定の構成を示す。これら3つの構成それぞれのために、構成スクリプト18にいわゆる「構成ブロック」186,187,188が保存(記憶)されており、これらの構成ブロックは、適宜な他の構成を有効化するために必要なデータおよびコマンドを含む。本実施例では、他の3つの構成は、それぞれの構成により位置測定を実施する場合の解像度(10nmもしくは50nmまたは100nm)に関して、それぞれ異なっている。
【0050】
図3に示した形式の構成スクリプト18を含む位置測定装置1には、図1に示すようにキーボードおよびディスプレイ32を備えるプログラミングユニット3が接続されており、したがってプログラミングユニットのディスプレイ32には、位置測定装置に保存された構成スクリプト18の構成可能性を要約した選択メニューが現れ、この選択メニューは、項目181,182,183を備える構成スクリプトに属する内容リストを基にしている。換言すれば、構成スクリプト18の内容リストの項目181,182,183には個々の構成がそれぞれ表示され、この表示は、同時に、プログラミングユニット3のスクリーン32に適宜な選択メニューを示すためのメニューバーとしての役割も果たす。
【0051】
この場合、本実施例では個々の構成にそれぞれ1つのアクセスコードが割り当てられており、したがって個々の構成へのアクセスは所定のユーザに制限されていてもよい。本実施例では、ユーザが、図3にしたがって、プログラミングユニット3を用いて他の構成を有効化し、位置測定装置1の再プログラミングを行いたい場合に、内容リストおよび適宜な構成ブロック186,187の最初の2つの構成もしくは対応した項目181,182にのみアクセスできると仮定する。この場合、プログラミングユニットのディスプレイ32には、位置測定装置に保存された内容リストのうち解像度10nmまたは50nmの構成に対応した最初の2つの項目181,182のみが選択メニューに再現される。
【0052】
位置測定装置1の新しい構成を作動する場合にこの第1ステップを実施するためには、位置測定装置1に保存された構成スクリプト18の内容リストの関連データをプログラミングユニット3により読み取ることができる状態になっていることのみが必要となる。
【0053】
構成スクリプト18のブロック185(「メニュー選択」)により、プログラミングユニット3を用いて、ディスプレイ32に表示されている使用できる2つの構成のいずれか一方を選択することができる。
【0054】
プログラミングユニットを用いていずれか1つの構成を選択した後に、適宜な構成ブロック(186または187)が処理され、この場合にこの構成ブロックに属するコマンドを使用して、同様にこの構成ブロックに属するデータが位置測定装置1のメモリ15の所定領域にコピーされる。この領域には位置測定装置1を現在作動することが望ましいそれぞれの構成を保存することができる。この場合、必要に応じて、最後にこのメモリスペースにある(他の)構成のデータが上書きされる。このさらなる方法ステップを実施するためにはプログラミングユニット3が調整(プログラム)され、プログラミングユニット3のプロセッサ30により、適宜な構成ブロック(186または187)に属するコマンドが実施される。
【0055】
したがって、それぞれ有効な構成を変更し、極めて多様な位置測定装置を再プログラムするために単一のプログラミングユニットを使用することができる。構成の選択が自動的に行われる必要がない場合には、プログラミングユニットが、それぞれの位置測定装置に保存された構成スクリプトの内容リストを読み取り、必要に応じて固有のスクリーンにメニューの形態でユーザに表示できる状態になっていることのみが必要となる。さらにプログラミングユニットは、プログラミングユニットのプロセッサを用いて、構成スクリプトのそれぞれの構成に属するコマンドを実施できる状態になっている必要があり、この場合、選択された構成に属するデータは、現在有効な構成のために位置測定装置に設けられたメモリスペースにコピーされる。
【0056】
図4に示すように、第1実施形態では新しい構成の有効化が行われ、第1のステップ201において、処理すべき構成ブロック(例えば186)の範囲で、コピーされるべきデータのための送信先アドレスが設定され、次いでステップ202で、この送信先アドレス、すなわちそれぞれ有効な構成のために設けられたメモリ領域に、データがコピーされる。この場合、このメモリ領域にあるデータは上書きされる。
【0057】
構成ブロック186の他の可能な構成および処理が図5に示されている。この実施例によれば、構成ブロックは、適宜な構成に属する全てのデータを含んでいる必要はない。むしろ構成ブロックは、構成ブロックにより有効化されるべき構成が位置測定装置の他の可能な構成(基準構成)とは異なっている部分のデータのみを含む。他の可能な構成が現在作動されている場合には、選択された新しい構成を極めて簡単に生成することができ、この場合、最後に有効な構成のデータのうち、新しい構成がこの最後に有効な構成と異なっている部分のデータのみが上書きされる。したがって、メモリスペースを節約して、構成を有効化するために必要なデータおよびコマンドを備えるそれぞれの構成もしくは対応した構成ブロックを位置測定装置に保存することができる。
【0058】
この場合、基準構成としては、例えば、位置測定装置を最初に作動する場合に、例えば、製造者側で既に有効化されている基本構成が適している。基本構成とは異なり、潜在的に有効化可能な構成として位置測定装置に保存されることが望ましい他の全ての構成のためには、それぞれの他の構成が基本構成とは異なっている部分のデータ、および適宜なメモリ領域にデータをコピーできるようにするコマンドのみを記憶すればよい。この場合、基本構成のパラメータデータは、新しい有効なパラメータデータを形成するためにそれぞれ上書きされる。
【0059】
図5に示すように、3つの方法ステップ301,303および305では、新たに有効化されるべき構成のデータがコピーされることが望ましいそれぞれ異なる送信先アドレス、またはメモリ15の異なる部分領域(図1参照)が選択され、対応したステップ302,304および306にしたがって、これまでの構成の所定の対応したパラメータデータが意図的に上書きされる。この場合、コピーステップ302,304および306を実施する前に、上述のステップ301,303,305で送信先アドレスがそれぞれ設定(もしくは変更)され、新たに有効化されるべき構成のデータが、これらのデータのためにメモリ15に設けられた正しい部分領域にそれぞれ書き込まれる。
【0060】
この場合、最後のコピーステップ306に関してさらに特異性がある。このコピーステップでは、メモリの所定の部分領域の全てのメモリスペースに同じデータが書き込まれる。この場合、適宜なデータが構成ブロック186の構成部分として一回保存されるだけで十分である。次いで構成ブロック186の適宜なコマンドによって、このデータはメモリの関連部分領域の全てのメモリスペースにコピーされる。これにより、個々の構成ブロックの所要メモリをさらに減じることができる。換言すれば、それぞれ有効な構成が保存されるべき位置測定装置のメモリ領域に構成ブロック186の個々のデータが何度もコピーされ、したがってメモリ領域の部分領域には(複数のメモリスペースに)上記データが何度も割り当てられる。
【0061】
図5に基づいて説明したように、1つ以上の他の構成のために、それぞれ1つの異なる構成、特に基本構成が基準構成として選択され、新たに選択された他の構成を有効化するためにそれぞれ部分的にのみこの基準構成が変更されるべきである場合には、現在有効な構成のために位置測定装置1に設けられたメモリ領域に、(特に基本構成の形態の)この基準構成をそれぞれ保存することができ、この基準構成の適宜な変更により、現在選択されている他の構成を生成することができる。このために、例えば、新しい構成をそれぞれ有効化する前に基準構成(すなわち、特に基本構成)をまず有効化する、すなわち、それぞれ有効な構成のために設けられたメモリ領域に保存するようにしてもよい。
【0062】
このことは、基準構成/基本構成が、それぞれ有効な構成のために位置測定装置に設けられたメモリ領域に最初に保存されるだけではなく、付加的にもう一度、随意に有効化可能な他の構成のために設けられたメモリ領域にも保存されることにより可能となる。これにより、基準構成/基本構成を何度も新たに生成することができ、他の構成を生成するためには、それぞれ基準構成/基本構成に関して異なるデータ、およびこれらのデータをコピーするために設けられたコマンドのみが提供されていればよい。
【0063】
図6に示した実施例では、2つの異なる構成ブロック186a,186bが処理時にそれぞれ同じ下位ブロック189にアクセスする。異なる構成ブロック186a,186b,・・・が、処理に際してそれぞれ部分的に同一のステップを実施すべきである場合には、異なる構成ブロック186a,186b,・・・が同一の下位ブロック189にアクセスすることは好ましい。これらのステップを前述の下位ブロック189にまとめてもよい。
【0064】
本実施例では、下位ブロック189は、処理ステップ501もしくは503においてそれぞれ有効化されるべき構成が保存されるメモリ領域のそれぞれ異なる部分領域がアドレス指定され、続いてさらなるステップ502もしくは504においてそれぞれデータが適宜な部分領域にコピーされるように構成されている。続いてステップ505では、ステップ403において下位ブロック189を呼び出したときと同じ構成ブロック186aもしくは186bの処理の継続が開始される。
【0065】
上記2つの構成ブロック186aおよび186bは、本実施例では以下の点で異なっている。一方の構成ブロック186aを処理する場合には下位ブロック189の呼出し前にも呼び後にも、それぞれ異なるステップ401,402もしくは404,405をさらに実施することができ、他方の構成ブロック186bの場合には、下位ブロック189の呼出し前にのみ、異なる方法ステップ401,402がさらに実施される。
【0066】
本実施例では、上記方法ステップ401,402,404,405において、有効化されるべき構成のために設けられたメモリ領域の所定部分領域がアドレス指定され、有効化されるべき構成のデータが割り当てられる。
【0067】
異なる構成ブロック186a,186bの処理時に発生し得る方法ステップ501〜504を1つの下位ブロックにまとめることにより、構成スクリプト18の所要メモリスペースがさらに減じられる。
【0068】
要約すれば、位置測定装置1の潜在的に有効化可能なそれぞれ1つの構成を定義する構成ブロックは、複数のコマンドによって形成されたプログラムコードと、このプログラムコードによって処理されるべきデータとを組み合わせたものである。この場合、コマンドには、まず特にコピーコマンドが含まれ、コピーコマンドにより、現在有効な構成が保存されるべき位置測定装置のメモリ領域に、所定の構成ブロックもしくは対応した構成に属するデータをコピーすることができる。他の関連コマンドが設けられており、例えば、メモリ内の送信先アドレスを決定し、他のブロックにジャンプし(「ジャンプ」)、戻り(「リターン」)、他のブロックを呼び出し(「コール」)、ジャンプ先を示し、(単純な変数を評価するために)条件付きのジャンプを実施し、CRCもしくはチェックサムを検査もしくは補正する。
【0069】
この場合、プログラミングユニット3は付属のインタープリタを形成しており、このインタープリタは、位置測定装置1の構成スクリプトに記憶されたデータを読み取り、そこに保存されたコマンドを実施できる状態になっている必要がある。
【0070】
上述の技術的解決方法は、既存の位置測定装置にも応用することができる。位置測定装置が、構成スクリプトを保存できるメモリを備えていることのみが必要である。
【0071】
この場合、この解決方法は、汎用のプログラミングユニットを備える極めて多様な位置測定装置のために実施することができる。プログラミングユニットは、装置に依存した(一度定義された)方法にしたがってそれぞれの位置測定装置のメモリから(構成スクリプトの内容リストに挙げられた)構成可能性を読み取り、位置測定装置のメモリ自体に保存されたコマンドおよびデータを使用して位置測定装置の構成の新たなプログラミングを行うことができる状態になっているだけでよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6