【実施例】
【0093】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の解釈はこれらに限定されるものではない。
なお、以下に、化合物の略号と構造、及び各特性の測定方法を示す。
Boc:t−ブトキシカルボニル基
DMF:N、N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
DA−A:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン
DA−B:N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン
DA−C:N−tert−ブトキシカルボニル−N、N−ビス(4−アミノベンジル)アミン
【0094】
DA−D:N−tert−ブチトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(2−(4−アミノフェノキシ)エチル)アミン
DA−E:N−メトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン
DA−F:N−エトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン
DA−G:N−イソプロピルオキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン
DA−H:N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン
DA−I:N−(9−フルオレニル)メチルオキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン
DA−J:N−tert−ブトキシカルボニル−N,N−ビス(2−(4−アミノフェニルオキシ)エチル)アミン
DA−K:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(4−アミノフェニルオキシメチル)−4−アミノベンジルアミン
DA−1:1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン
DA−2:N−2−(4−アミノフェニルエチル)−メチルアミン
【0095】
【化22】
【0096】
[
1H NMR]
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT−NMR)INOVA−400(Varian社製)400MHz
溶媒:重クロロホルム(CDCl
3)、又は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d
6)
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
積算回数:8、又は32
【0097】
[
13C{
1H} NMR]
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT−NMR)INOVA−400(Varian社製)100MHz
溶媒:重クロロホルム(CDCl
3)、又は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d
6)
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
積算回数:256
[DSC]
装置:示差走査熱量測定装置DSC1STAReシステム(メトラートレド社製)
パン:密閉型Auパン
昇温速度:10℃/min
融点:最も低温での吸熱ピーク温度を解析
【0098】
[粘度]
ポリアミック酸エステル及びポリアミック酸溶液の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL(ミリリットル)、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
ポリイミド前駆体及び該イミド化重合体の分子量は、GPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(以下、Mnとも言う。)と重量平均分子量(以下、Mwとも言う。)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)
カラム:Shodex社製(KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H
2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
【0099】
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、及び30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、及び1,000)。
測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、及び1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、及び4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定した。
【0100】
[イミド化率の測定]
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて、500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
【0101】
<合成例1>芳香族ジアミン(DA−A):N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミンの合成
以下に示す3ステップで合成した。(DA−A)は、特定ジアミンに該当する。
【0102】
第1ステップ:N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−A−1)の合成
【化23】
2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン塩酸塩(50.0g、247mmol)を水(300g)、及びDMF(50.0g)に溶解し、炭酸ナトリウム(78.4g、740mmol)を加え、さらに、4−ニトロベンジルブロミド(53.3g、247mmol)のDMF溶液(200g)を25℃で1時間かけて滴下した。滴下中、DMF/水=1/1(w/w、100g)を追加し、析出物による撹拌不良を解消した。
【0103】
その後、室温で20時間撹拌し、さらに、40℃で4時間撹拌した。その後、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略す)で原料の消失を確認した。その後、反応液を室温に放冷し、析出物をろ過し、水(150g)で2回、2−プロパノール(50.0g)で2回洗浄し、50℃で減圧乾燥することで、N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−(4−ニトロベンジル)アミンを得た(白色固体、収量:73g、収率:99%)。
【0104】
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.18 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 8.15 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.59, (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.52 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 3.87 (s, 2H, CH
2), 2.91 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2), 2.80 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2), 2.46 (s, 1H, NH).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 149.8, 149.5, 146.6, 146.3, 130.3, 129.2, 123.7, 123.6, 52.4, 50.0, 36.0 (each s).
融点(DSC):123℃
【0105】
第2ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−A−2)の合成
【化24】
【0106】
N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(73g、0.24mol)をDMF(371g)に溶解し、二炭酸ジtert−ブチル(54g、0.24mol)を2〜8℃で10分かけて滴下した。その後、20℃で4時間撹拌し、原料の消失を、HPLCで確認した。続いて、DMFを減圧留去し、次いで、反応液に酢酸エチル(371g)を加え、水(371g)で3回洗浄した。その後、有機層を濃縮しオレンジ色オイルを得た(粗収量:96g、粗収率:97%)。この粗物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=7/3(v/v、Rf=0.3)で精製することで黄色オイルを得た。(粗収量:82.0g、粗収率:82.8%(2ステップ))。
【0107】
この黄色オイルにメタノール(118g)を加え、50℃で溶解させた後、撹拌しながら冷却し、0〜5℃で30分撹拌した後、ろ過し、乾燥することで、N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミンを得た(白色粉末、 収量:74.5g、 収率:78%(2ステップ))。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 8.18-8.16 (br, 2H, C
6H
4), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 7.48 (br, 2H, C
6H
4), 4.57-4.54 (br, 2H, CH
2), 3.55-3.49 (br, 2H, CH
2), 2.97 (br, 2H, CH
2), 1.36-1.32 (br, 9H, tert-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 155.2, 154.8, 147.9, 147.5, 147.1, 147.0, 146.5, 130.6, 128.7, 128.4, 124.0, 123.8, 79.7, 50.3, 49.2, 48.4, 34.3, 34.0, 28.2 (each s).
融点(DSC):77℃
【0108】
第3ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−A)の合成
【化25】
【0109】
N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(74g、0.18mol)をテトラヒドロフラン(370g)に溶解し、3質量%白金−炭素(7.4g)を加え、水素雰囲気下、室温で72時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認し、ろ過により触媒を除去して、ろ液を濃縮し、乾燥することで、DA−Aの粗物を薄黄色オイルとして得た(粗収量:66g、粗収率:105%)。次いで、トルエン(198g)に80℃で溶解した後、2℃で1時間撹拌して結晶を析出させた。析出した固体をろ過し、乾燥することで、DA−Aを得た(白色粉末、収量:56g、収率:90%)。
【0110】
1H NMR (DMSO-d
6):δ 6.92 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.84-6.76 (br, 2H, C
6H
4), 6.54 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.50 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 4.98 (s, 2H, NH
2), 4.84 (s, 2H, NH
2), 4.16 (br, 2H, CH
2), 3.13 (br, 2H, CH
2), 2.51 (br, 2H, CH
2), 1.41 (s, 9H, tert-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 155.4, 154.9, 148.2, 147.2, 129.5, 129.3, 129.1, 128.9, 126.6, 125.7, 114.5, 114.3, 78.9, 78.8, 50.2, 49.2, 48.4, 33.9, 33.3, 28.5 (each s).
融点(DSC):103℃
【0111】
<合成例2>
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA−1を2.93g(12.00mmol)、及びDA−Aを4.43g(11.99mmol)量り取り、NMPを81.98g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.35g(23.88mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを9.11g加え、室温で24時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA−1)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は205mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=10530、Mw=29900であった。
【0112】
<合成例3>
撹拌装置及び窒素導入管付きの100ml四つ口フラスコに、合成例2で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を20g量り取り、NMPを14.29g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を1.48g、及びピリジンを0.38g加えて、60℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を、139mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取した。続いて、139mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。
このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は、75%、分子量はMn=7120、Mw=12485であった。
撹拌子を入れた200ml三角フラスコに得られたポリイミド樹脂粉末1.80gを取り、NMPを13.20g加え、40℃で24時間撹拌し溶解させて、ポリイミド溶液(PI−1)を得た。
【0113】
<合成例4>
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA−1を1.91g(7.82mmol)、DA−2を1.56g(10.40mmol)、及びDA−Aを2.67g(7.81mmol)量り取り、NMPを55.18g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、ピロメリット酸二無水物を5.22g(23.92mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを28.04g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−2)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は600mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=17370、Mw=41450であった。
【0114】
<合成例5>
撹拌装置及び窒素導入管付きの50mL四つ口フラスコに、DA−Aを3.69g(9.99mmol)を量り取り、NMPを39.16g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を2.24g(9.98mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを4.35g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−3)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は60mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=12940、Mw=28468であった。
【0115】
<合成例6>芳香族ジアミン(DA−A):N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミンの合成
以下に示す3ステップで合成した。
【0116】
第1ステップ:N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−A−1)の合成
【化26】
2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン塩酸塩(150g、0.740mol)を水(300g)、及びDMF(360g)の混合液に加え、10℃で33質量%リン酸カリウム水溶液(1071g、2.22mol)を10分かけて滴下した。この混合液を1時間撹拌した後、10℃に温度調整した4−ニトロベンジルブロミド(160g、0.740mol)のDMF溶液(480g)を10℃で2時間かけて滴下した。さらに、4−ニトロベンジルブロミドのDMF溶液を調製した容器をDMF(54g)で洗浄し、洗浄液を反応混合物中に加えた。
【0117】
この反応混合物を、10℃で16時間撹拌した後、HPLCで原料の消失を確認した。その後、40℃で1時間撹拌し、析出物をろ過して回収物を得た。
続いて、回収物に2−メチル−4−ペンタノン(1115g)を加え、65℃で加熱溶解し、水(446g)で2回洗浄して、有機層を水と分離した。分離した有機層を20℃に冷却し、析出した結晶をろ過した。得られた結晶は50℃で減圧乾燥することで、N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−(4−ニトロベンジル)アミンを得た(薄黄色固体、収量:166g、収率:74%)。
【0118】
第2ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−A−2)の合成
【化27】
N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(150g、0.498mol)をトルエン(150g)に加え、さらに60℃で二炭酸ジtert−ブチル(120g、0.548mol)のトルエン(30g)溶液を1時間かけて滴下した。さらに、二炭酸ジtert−ブチルのトルエン溶液を調製した容器をトルエン(15g)で洗浄し、洗浄液を反応混合物中に加えた。
【0119】
次いで、反応混合物を、60℃で30分撹拌した後、HPLCで原料の消失を確認した。その後、反応溶液を25℃まで冷却し、n−ヘプタン(166g)を20分かけて滴下し、30分撹拌後、種晶として、N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(0.15g)を加え、25℃で2時間撹拌した。続いて、n−ヘプタン(273g)を1時間30分かけて滴下し、さらに、15時間撹拌後、析出した結晶をろ過し、回収して、50℃で減圧乾燥することで、N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミンを得た(白色粉末、 収量:191g、 収率:96%)。
【0120】
第3ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−A)の合成
【化28】
【0121】
N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(180g、0.448mol)をトルエン(1080g)に溶解し、3質量%白金−炭素(9.0g)を加え、水素雰囲気下、室温で48時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認し、その後60℃に加熱した。さらに、ろ過により触媒を除去し、反応容器をトルエン240gで洗浄し、ろ過して、ろ液を得た。このろ液を60℃で、水(72.0g)で2回洗浄し、有機層を60℃で、残量が374gとなるところまで減圧濃縮した。その後、28℃まで冷却し、種晶として、DA−A(0.18g)を加え、1時間撹拌後、5℃に冷却した。さらに3日間撹拌し、析出した結晶を、ろ過した後、50℃で減圧乾燥することで、DA−Aを得た(白色粉末、収量:137g、収率:89%)。
【0122】
<合成例7>芳香族ジアミン(DA−C):N−tert−ブトキシカルボニル−N、N−ビス(4−アミノベンジル)アミンの合成
以下に示す3ステップで合成した。(DA−C)は、特定ジアミンに該当する。
第1ステップ:ビス(4−ニトロベンジル)アミン(DA−C−1)の合成
【化29】
【0123】
4−ニトロベンジルアミン塩酸塩(20.0g、106mmol)を水(40.0g)、DMF(48.0g)に溶解し、水(80.0g)に溶解させたリン酸カリウム(67.5g、318mmol)を加え、その後、4−ニトロベンジルブロミド(22.9g、106mmol)のDMF溶液(96.9g)を10℃で滴下した。さらに、4−ニトロベンジルブロミドのDMF溶液を調製した容器をDMF(8.0g)で洗浄し、洗浄液を反応混合物中に加えた。
【0124】
次いで、10℃で20時間撹拌し、HPLCで原料の消失を確認した。その後、反応液を室温にし、析出物をろ過し、DMF(20g)で1回洗浄した。得られたろ物は2−メチル−4−ペンタノン(148.6g)に溶解させ、水(60.0g)で2回洗浄した。有機層を10℃に冷却し、析出物をろ過し、50℃で減圧乾燥することで、ビス(4−ニトロベンジル)アミンを得た(白色粉末、収量:12.7g、収率:42%)。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.19 (d, J = 8.8 Hz, 4H, C
6H
4), 7.55 (d, J = 8.8 Hz, 4H, C
6H
4), 3.95 (s, 4H, CH
2).
13C{
1H} NMR (CDCl
3):δ 147.6, 147.1, 128.6, 123.7, 52.4(each s).
融点(DSC):97℃
【0125】
第2ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N、N−ビス(4−ニトロベンジル)アミン(DA−C−2)の合成
【化30】
ビス(4−ニトロベンジル)アミン(12.0g、41.8mmol)を、二炭酸ジtert−ブチル(9.57g、43.9mmol)のトルエン溶液(31.9g)に溶解させた。
【0126】
その後、70℃で1時間撹拌し、HPLCで原料の消失を確認した。続いて、トルエンを減圧留去し、残渣にトルエン(15.6g)、及びn−ヘプタン(13.2g)を加え、室温で撹拌した。さらに、n−ヘプタン(24.0g)をゆっくりと加え、析出物を確認後、撹拌しながら10℃まで冷却し、12時間後、析出物をろ過した。得られた析出物を乾燥することで、N−tert−ブトキシカルボニル−N、N−ビス(4−ニトロベンジル)アミンを得た(白色粉末、 収量:15.3g、 収率:95%)。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.20 (d, J = 8.4 Hz, 4H, C
6H
4), 7.39 (br, 4H, C
6H
4), 4.53 (br, 4H, CH
2), 1.48 (br, 9H, tert-Bu).
13C{
1H} NMR (CDCl
3):δ 155.5, 147.3, 145.1, 128.4, 127.7, 123.9, 81.4, 49.9, 49.6, 28.3 (each s).
融点(DSC):81℃
【0127】
第3ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N、N−ビス(4−アミノベンジル)アミン(DA−C)の合成
【化31】
【0128】
N−tert−ブトキシカルボニル−N、N−ビス(4−ニトロベンジル)アミン(14.0g、36.1mmol)をテトラヒドロフラン(84g)に溶解し、3質量%白金−炭素(0.4g)を加え、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認し、ろ過により触媒を除去し、ろ液を濃縮した。これをトルエン(84.0g)に溶解した後、5℃で1時間撹拌して結晶を析出させた。析出した固体をろ過し、乾燥することで、DA−Cを得た(白色粉末、収量:11g、収率:90%)。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.03 (br, 2H, C
6H
4), 7.00 (br, 2H, C
6H
4), 6.65 (d, J = 8.0 Hz, 4H, C
6H
4), 4.27 (br, 2H, CH
2), 4.19 (br, 2H, CH
2), 3.97 (s, 4H, NH
2), 1.50 (s, 9H, tert-Bu).
13C{
1H} NMR (CDCl
3):δ 156.0, 145.6, 129.4, 128.8, 127.9, 115.1, 79.7, 48.2, 47.9, 28.5 (each s).
融点(DSC):131℃
【0129】
<合成例8>芳香族ジアミン(DA−D):N−tert−ブチトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(2−(4−アミノフェノキシ)エチル)アミンの合成
以下に示す3ステップで合成した。(DA−D)は、特定ジアミンに該当する。
【0130】
第1ステップ:N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(2−(4−ニトロフェノキシ)エチル)アミン(DA−D−1)の合成
【化32】
【0131】
2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン塩酸塩(7.65g、37.8mmol)を水(15.3g)、及びMeCN(アセトニトリル)(15.3g)に溶解し、さらに、水(22.5g)に溶解させた炭酸カリウム(15.7g、114mmol)を加え、次いで、4−ニトロフェノキシエチルブロミド(7.43g、30.2mmol)のMeCN溶液(30.4g)を20℃で滴下した。その後、7時間還流し、HPLCで原料の消失を確認した。その後、反応液を室温に放冷し、水層を除去した。続いて、有機層を水(31g)で洗浄し、さらに5℃で30分撹拌した後、析出した固体をろ過し、固体を水(15g)で2回洗浄した。これにトルエン(80.0g)、及び水(80g)を加えて、80℃に加熱した。続いて、3.2質量%HCl水溶液(22g)を加え、有機層を除去した。水層をトルエン(80g)で2回洗浄した後、1N NaOH水溶液(15.3g)を加え、5℃に冷却して30分撹拌した。その後、析出した固体をろ過し、水(60g)で洗浄した後、乾燥することで、N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−(2−(4−ニトロフェノキシ)エチル)アミンを得た(黄色粉末、収量:2.7g、収率:27%)。
【0132】
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.20 (d, J = 9.2 Hz, 2H, C
6H
4), 8.14 (d, J = 8.4Hz, 2H, C
6H
4), 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 7.13 (d, J = 9.2 Hz, 2H, C
6H
4 ), 4.15 (t, J = 5.6 Hz, 2H, OCH
2), 2.94 (t, J = 5.6 Hz, 2H, CH
2Ar), 2.87 (br, 4H, CH
2NCH
2).
【0133】
第2ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−(2−(4−ニトロフェノキシ)エチル)アミン(DA−D−2)の合成
【化33】
【0134】
N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−(2−(4−ニトロフェノキシ)エチル)アミン(5.55g、16.7mmol)、及びトリエチルアミン(1.86g、18.4mmol)を、トルエン(11.1g)に溶解させ、二炭酸ジtert−ブチル(4.02g、18.4mmol)のトルエン溶液(15.0g)を滴下した。その後、70℃で1時間撹拌し、HPLCで原料の消失を確認した。続いて、水(55.0g)を加えて2回洗浄した。室温下放冷した後、n−ヘプタン(22.1g)を加え、固体が析出した後、5℃まで冷却し、30分撹拌した。その後、析出物をろ過し、乾燥することで、N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−(2−(4−ニトロフェノキシ)エチル)アミンを得た(黄色粉末、収量:6.6g、収率:93%)。
【0135】
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.22-8.15 (br, 4H, C
6H
4), 7.50 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 7.15 (d, J = 9.2 Hz, 2H, C
6H
4 ), 4.21 (t, J = 5.6 Hz, 2H, OCH
2), 3.57-3.49 (br, 4H, CH
2NCH
2), 2.96 (t, J = 6.8 Hz, 2H, CH
2Ar), 1.30 (s, 9H, tert-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 164.0, 154.8, 148.2, 146.5, 141.3, 130.7, 126.3, 123.9, 115.4, 79.4, 67.1, 49.2, 48.4, 46.0, 34.7, 34.0, 28.2 (each s).
【0136】
第3ステップ:N−tert−ブチトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(2−(4−アミノフェノキシ)エチル)アミン(DA−D)の合成
【化34】
【0137】
N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−(2−(4−ニトロフェノキシ)エチル)アミン(6.13g、14.2mmol)をテトラヒドロフラン(36g)に溶解し、5質量%パラジウム−炭素(0.3g)を加え、水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認した後、ろ過により触媒を除去し、ろ液を濃縮した。これにトルエン(36.0g)を加え、60℃で溶解させ、水(5.0g)で2回洗浄した。その後、0℃で1時間撹拌して結晶を析出させた。析出した固体をろ過し、乾燥することで、DA−Dを得た(淡紫色粉末、収量:4.5g、収率:85%)。
【0138】
1H NMR (DMSO-d
6):δ 6.83 (d, J = 7.6 Hz, 2H, C
6H
4), 6.64 (d, J = 6.8 Hz, 2H, C
6H
4), 6.51 (d, J = 6.8 Hz, 4H, C
6H
4), 4.86 (s, 2H, NH
2), 4.60 (s, 2H, NH
2), 3.85 (t, J = 6.0 Hz, 2H, OCH
2), 3.39 (br, 2H, CH
2N), 3.32 (t, J = 7.6 Hz, 2H, NCH
2), 2.61 (t, J = 7.6 Hz, 2H, CH
2Ar), 1.39 (s, 9H, tert-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 155.1, 150.1, 147.3, 142.9, 129.6, 126.5, 115.6, 115.4, 114.5, 79.0, 66.7, 50.8, 46.9, 34.3, 28.5(each s).
融点(DSC):100.1℃
【0139】
<合成例9>芳香族ジアミン(DA−E):N−メトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミンの合成
以下に示す2ステップで合成した。(DA−E)は、特定ジアミンに該当する。
【0140】
第1ステップ:N−メキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−E−1)の合成
【化35】
【0141】
N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(35.0g、116mmol)、及びトリエチルアミン(15.3g、151mmol)をトルエン(350g)に加え、4℃に冷却し、クロロギ酸メチル(13.2g、139mmol)を30分かけて滴下した。その後、5℃で1時間撹拌し、さらにトリエチルアミン(3.53g、34.9mmol)、及びクロロギ酸メチル(3.29g、34.8mmol)を追加し、10〜30℃で30分撹拌し、HPLCで原料の消失を確認した。
続いて、反応混合物を60℃に昇温し、水(70g)を加え、水層を廃棄する操作を3回繰り返した。その後、25℃に冷却し、n−ヘプタン(210g)を加え、5℃に冷却して、17時間撹拌後、析出した固体をろ過し、乾燥することで、N−メトキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−E−1)を得た(白色粉末、収量:38g、収率:93%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.14 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 8.10 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.45-7.43 (br, 4H, C
6H
4), 4.42 (s, 2H, CH
2), 3.54-3.47 (m, 2H, CH
2), 3.51 (s, 3H, CH
3), 2.91 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 156.7, 147.7, 147.0, 146.7, 146.5, 130.5, 128.8, 128.4, 124.0, 123.8, 53.0, 50.3, 48.8, 48.2, 34.3, 33.8 (each s).
【0142】
第2ステップ:N−tert−メキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−E)の合成
【化36】
【0143】
N−メトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(30.0g、83.5mol)をテトラヒドロフラン(120g)に溶解し、3質量%白金−炭素(3.0g)を加え、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認した後、ろ過により触媒を除去した。次いで、ろ液を濃縮し、乾燥することで、DA−Eを得た(薄黄色液体、収量:25g、収率:98%)。
【0144】
1H NMR (DMSO-d
6):δ 6.86 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.75 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.48 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.44 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 4.98 (s, 2H, NH
2), 4.83 (s, 2H, NH
2), 4.13 (s, 2H, CH
2), 3.56 (s, 3H, CH
3), 3.13 (br, 2H, CH
2), 2.51 (br, 2H, CH
2).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 156.7, 148.3, 147.2, 129.4, 129.3, 128.9, 126.3, 125.2, 114.5, 114.3, 52.7, 49.9, 47.9, 33.8, 33.1, 155.4, 154.9, 148.2, 147.2, 129.5, 129.3, 129.1, 128.9, 126.6, 125.7, 114.5, 114.3, 78.9, 78.8, 50.2, 49.2, 48.4, 33.9, 33.3, 28.5 (each s).
【0145】
<合成例10>芳香族ジアミン(DA−F):N−tert−エトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミンの合成
以下に示す2ステップで合成した。(DA−F)は、特定ジアミンに該当する。
第1ステップ:N−tert−メキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−F−1)の合成
【化37】
N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(30.0g、99.6mmol)、及びトリエチルアミン(16.1g、159mmol)をトルエン(300g)に加え、5℃に冷却し、さらに、クロロギ酸エチル(16.2g、149mmol)を20分かけて滴下した。その後、1時間撹拌しながら、25℃に昇温し、HPLCで原料の消失を確認した。
【0146】
続いて、反応混合物を60℃に昇温し、水(60g)を加え、水層を廃棄する操作を3回繰り返した。その後、有機層を50℃で減圧濃縮し、残渣にトルエン(270g)を加え、60℃に加熱して溶解した。次いで、25℃で種晶(175mg)を加え、5℃に冷却して、18時間撹拌後、析出した固体をろ過した。固体をを5℃に冷却したトルエン/n−ヘプタン混合液(3/2(wt/wt)、50g)で洗浄後、乾燥することで、N−エトキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−F−1)を得た(白色粉末、収量:35g、収率:93%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.20 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 8.16 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.50 (br, 4H, C
6H
4), 4.58 (s, 2H, CH
2), 4.01 (t, J = 6.4 Hz, 2H, CH
2), 3.54 (br, 2H, CH
2), 2.98 (t, J = 6.4 Hz, 2H, CH
2), 1.11 (br, 3H, CH
3).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 156.2, 147.8, 147.0, 146.8, 146.5, 130.5, 128.8, 128.5, 124.1, 124.0, 123.8, 123.5, 61.5, 49.9, 48.7, 48.1, 34.3, 33.8, 14.8 (each s).
【0147】
第2ステップ:N−tert−エトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−F)の合成
【化38】
【0148】
N−メトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(30.0g、80.4mmol)をテトラヒドロフラン(120g)に溶解し、3質量%白金−炭素(3.0g)を加え、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認した後、ろ過により触媒を除去した。次いで、ろ液を濃縮し、乾燥することで、DA−Fを得た(淡褐色液体、収量:25g、収率:99%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 6.91 (d, J = 7.6 Hz, 2H, C
6H
4), 6.79 (br, 2H, C
6H
4), 6.52 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 6.48 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 5.00 (s, 2H, NH
2), 4.85 (s, 2H, NH
2), 4.17 (s, 2H, CH
2), 4.04, (t, J = 6.4 Hz, 2H, CH
2), 3.18 (br, 2H, CH
2), 2.53-2.48 (br, 2H, CH
2), 1.18 (t, J = 7.0 Hz, 3H, CH
3).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 156.2, 148.3, 147.2, 129.4, 129.2, 126.3, 125.3, 114.4, 114.2, 60.1, 49.7, 48.5, 47.9, 40.6, 33.8, 33.2, 15.0 (each s).
【0149】
<合成例11>芳香族ジアミン(DA−G):N−イソプロピルオキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミンの合成
以下に示す2ステップで合成した。(DA−G)は、特定ジアミンに該当する。
第1ステップ:N−イソプロピルオキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−G−1)の合成
【化39】
【0150】
N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(30.0g、99.6mmol)、及びトリエチルアミン(16.2g、159mmol)をトルエン(300g)に加え、5℃に冷却し、さらに、クロロギ酸イソプロピル(18.3g、149mmol)を1時間かけて滴下した。その後、1時間撹拌し、HPLCで原料の消失を確認した。
続いて、反応混合物に水(60g)、及びトリエチルアミン(2.02g、20.0mmol)を加え、80℃で4時間撹拌して副生成物を水層へ除去した。その後、60℃で水層を廃棄し、再度、水(60g)を加え、撹拌後、水層を廃棄する操作を2回繰り返した。その後、有機層を減圧濃縮し、残渣にトルエン(150g)、及びヘプタン(100g)を加えた。次いで、種晶(87.3mg)を加え、30分撹拌後、ヘプタン(50g)を加え、25℃から5℃に冷却した。その後、析出した結晶をろ過し、乾燥することで、N−イソプロピルオキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−G−1)を得た(白色固体、収量:34.2g、収率:89%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.21 (d, J = 8.4 Hz, 2H, Ar), 8.16 (d, J = 8.4 Hz, 2H, Ar), 7.52-7.50(m, 4H, Ar), 4.77 (br 1H, CH), 4.58 (s, 2H, CH
2), 3.53 (br, 2H, CH
2), 2.97 (br, 2H, CH
2), 1.14 (br, 6H, C(CH
3)
2).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 155.8, 147.8, 147.0, 146.9, 146.5, 130.5, 128.8, 128.6, 124.0, 123.8, 66.8, 49.8, 48.7, 48.0, 34.4, 33.9, 22.1 (each s).
【0151】
第2ステップ:N−イソプロピルオキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−G)の合成
【化40】
【0152】
N−イソプロピルオキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(30.0g、77.4mmol)をテトラヒドロフラン(120g)に溶解し、3質量%白金−炭素(3.0g)を加え、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認し、ろ過により触媒を除去した。その後、ろ液を濃縮し、乾燥することで、DA−Gを得た(薄黄色液体、収量:25.0g、収率:99%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 6.88 (d, J = 6.0 Hz, 2H, Ar), 6.76 (br, 2H, Ar), 6.51-6.44 (m, 4H, Ar), 4.97 (s, 2H, NH
2), 4.83 (s, 2H, NH
2), 4.77 (br, 1H, CH), 4.13 (s, 2H, CH
2), 3.14 (br, 2H, CH
2), 2.46 (br, 2H, CH
2), 1.16 (m, 6H, C(CH
3)
2).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 155.7, 148.3, 147.2, 129.4, 129.2, 126.4, 125.4, 114.5, 114.2, 68.0, 49.7, 48.5, 47.9, 40.6, 33.8, 33.2, 22.4 (each s).
【0153】
<合成例12>芳香族ジアミン(DA−H):N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミンの合成
以下に示す2ステップで合成した。(DA−H)は、特定ジアミンに該当する。
第1ステップ:N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−H−1)の合成
【化41】
【0154】
N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(3.00g、10.0mmol)、及びトリエチルアミン(1.61g、15.9mmol)をトルエン(30g)に加え、5℃に冷却し、さらに、クロロギ酸ベンジル(2.21g、12.9mmol)を25分かけて滴下した。4時間後、トリエチルアミン(0.55g、5.4mmol)、及びクロロギ酸ベンジル(0.92g、5.4mmol)を追加し、1時間後、トリエチルアミン(0.04g、0.4mmol)、及びクロロギ酸ベンジル(0.04g、0.3mmol)をさらに追加し、16時間撹拌し、HPLCで原料の消失を確認した。
【0155】
続いて、反応混合物に水(6g)を加え、60℃に昇温し、水層を廃棄し、再度、水(6g)を加え、撹拌後、水層を廃棄する操作を2回繰り返した。その後、有機層を50℃で減圧濃縮し、残渣にトルエン(15g)を加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;トルエン)で精製することで、N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−H−1)を得た(薄黄色液体、収量:3.0g、収率:69%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.15-8.00 (m, 4H, Ar), 7.48-7.07(m, 9H, Ar), 5.01 (s, 2H, CH
2), 4.55 (s, 2H, CH
2), 3.52 (br, 2H, CH
2), 2.94-2.90 (br, 2H, CH
2).
13C{
1H} NMR(DMSO-d
6):δ 156.2, 155.6, 147.6, 147.1, 146.8, 146.6, 137.0, 130.5, 129.3, 128.9, 128.9, 128.7, 128.6, 128.4, 128.3, 128.1, 127.9, 126.8, 125.7, 124.0, 123.8. 69.5, 67.1, 66.9, 50.0, 48.9, 48.2, 34.3, 33.8 (each s).
【0156】
第2ステップ:N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−H)の合成
【化42】
【0157】
N−ベンジルオキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(1.0g、2.3mmol)をテトラヒドロフラン(20g)に溶解し、3質量%白金−炭素(0.1g)を加え、水素雰囲気下、室温で7時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認し、ろ過により触媒を除去した。その後、ろ液を濃縮後、n−ヘプタン(15g)を加え、−40℃に冷却し、上澄みを除去し、残渣を乾燥することで、DA−Hを得た(茶色液体、収量:0.79g、収率:92%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 7.39-7.30 (m, 5H, Ar), 6.96-6.71 (br, 4H, Ar), 6.52-6.45 (m, 4H, Ar), 5.12-5.09 (m, 2H, NH
2), 5.02 (s, 2H, NH
2), 4.87 (s, 2H, CH
2), 4.20, (s, 2H, CH
2), 3.21 (br, 2H, CH
2), 2.51 (br, 2H, CH
2).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 156.1, 155.5, 148.4, 147.3, 137.5, 129.4, 129.3, 128.9, 128.8, 128.6, 128.2, 127.9, 126.2, 125.1, 114.5, 114.3 69.5, 66.6, 49.9, 48.7, 48.1, 33.8, 33.1 (each s).
【0158】
<合成例13>
以下に示す2ステップで芳香族ジアミン(DA−I)を合成した。(DA−I)は、特定ジアミンに該当する。
第1ステップ:N−(9−フルオレニル)メチルオキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−I−1)の合成
【化43】
【0159】
N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(2.0g、6.6mmol)、及びトリエチルアミン(0.94g、9.3mmol)をトルエン(20g)に加え、5℃に冷却し、さらに、クロロギ酸−9−フルオレニルメチル(2.23g、8.62mmol)を10分かけて滴下した。30分間撹拌した後、HPLCで原料の消失を確認した。
続いて、反応混合物に水(4g)を加え、60℃に昇温し、水層を廃棄し、再度、水(6g)を加え、撹拌後、水層を廃棄する操作を2回繰り返した。その後、有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧留去した。残渣にトルエン(8g)を加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;トルエン/酢酸エチル=10/0〜10/1(v/v)で精製し、濃縮乾固した。次いで、残渣にイソプロピルアルコール(79.6g)を加え、80℃で溶解後、25℃に冷却して析出した結晶をろ過し、乾燥することで、N−(9−フルオレニル)メチルオキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−I−1)を得た(白色固体、収量:2.85g、収率:85%)。
【0160】
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.18-7.00 (m, 16H, Ar), 4.78, 4.54 (d, J = 4.0 Hz, 2H, CH
2), 4.42, 4.22 (s, 2H, CH
2), 4.32, 4.22 (s, 1H, CH), 3.48, 2.99 (br, 2H, CH
2), 2.89, 2.41 (br, 2H, CH
2).
13C{
1H} NMR(DMSO-d
6):δ 156.0, 155.6, 147.9, 147.1, 147.0, 146.5, 146.5, 144.4, 144.2, 141.4, 130.4, 130.3, 128.6, 128.0, 127.6, 127.4, 127.2, 125.1, 125.0, 123.9, 123.7, 123.6, 120.6, 66.0, 65.9, 50.2, 48.4, 47.7, 34.0, 33.7 (each s).
【0161】
第2ステップ:N−(9−フルオレニル)メチルオキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−I)の合成
【化44】
N−(9−フルオレニル)メチルオキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(1.0g、1.9mmol)をテトラヒドロフラン(20g)に溶解し、3質量%白金−炭素(0.1g)を加え、水素雰囲気下、室温で6時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認した後、ろ過により触媒を除去した。ろ液を濃縮した後、−5℃に冷却し、n−ヘキサン(50g)を加え、上澄みを除去する操作を3回繰り返した。次いで、残渣を濃縮し、乾燥することで、DA−Iを得た(白色固体、収量:0.85g、収率:95%)。
【0162】
1H NMR (DMSO-d
6):δ 7.88 (d, J = 7.6 Hz, 2H, C
13H
8), 7.67, 7.66 (d, J = 6.8 Hz, 2H, C
13H
8), 7.41 (dd, J = 7.6, 6.8 Hz, 2H, C
13H
8), 7.34 (dd, J = 6.8, 6.8 Hz, 2H, C
13H
8), 6.77, 6.58 (d, 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.48-6.41 (m, 6H, C
6H
4), 4.99 (s, 2H, NH
2), 4.84 (s, NH
2), 4.60, 4.51 (d, J = 4.8 Hz, 2H, CH
2), 4.28 (t, J = 4.8 Hz, 1H, CH), 4.09, 3.90 (s, 2H, CH
2), 3.12, 2.80 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2), 2.44, 2.10 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 156.0, 155.4, 148.3, 147.2, 144.5, 141.4, 139.9, 137.9, 129.4, 129.1, 127.9, 127.7, 127.5, 126.3, 126.1, 125.3, 125.1, 121.8, 120.5, 116,7, 114.5, 114.4, 114.3, 114.2, 114.1, 110.2, 67.5, 66.5, 65.9, 49.9, 49.6, 48.7, 48.1, 47.6, 47.3, 35.5, 33.0, 31.4, 30.9, 25.6, 22.5 each s)
【0163】
<合成例14>
以下に示す3ステップで芳香族ジアミン(DA−J)を合成した。(DA−J)は、特定ジアミンに該当する。
第1ステップ:N−tert−ブトキシカルボニルジエタノールアミン(DA−J−1)の合成
【化45】
ジエタノールアミン(20.0g、190mmol)を酢酸エチル(60.0g)に溶解し、25℃で二炭酸ジ−tert−ブチル(39.4g、180mmol)を20分間かけて滴下し、1時間撹拌した。原料の消失をガスクロマトグラフィーで確認し、反応溶液をシリカゲルカラム(溶出液;酢酸エチル)に通した後、濃縮し、乾燥することで、N−tert−ブトキシカルボニルジエタノールアミン(DA−J−1)を得た(無色液体、収量:35.4g、収率:92%)。
【0164】
第2ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N,N−ビス(2−(4−ニトロフェニルオキシ)エチル)アミン(DA−J−2)の合成
【化46】
N−tert−ブトキシカルボニルジエタノールアミン(20.0g、97.4mmol)、及び4−フルオロニトロベンゼン(33.0g、239mmol)をNMP(200g)に溶解し、さらに、炭酸カリウム(40.4g、292mmol)を加え、100℃で43時間撹拌した。HPLCで反応の終了を確認した後、反応混合物を水(2000g)に注ぎ、析出物をろ過した。続いて、析出物にメタノール(400g)を加えて撹拌した。その後、ろ過し、再度メタノール(300g)を加えて撹拌し、ろ過した後、乾燥することで、N−tert−ブトキシカルボニル−N,N−ビス(2−(4−ニトロフェニルオキシ)エチル)アミン(DA−J−2)を得た(茶色固体、収量:36.9g、収率:85%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.10 (d, J = 8.8 Hz, 4H, C
6H
4), 7.06 (d, J = 8.8 Hz, 4H, C
6H
4), 4.20-4.18 (m, 4H, CH
2), 3.61-3.59 (m, 4H, CH
2), 1.28 (s, 9H, t-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 164.0, 155.1, 141.3, 126.3, 115.4, 79.8, 67.3, 67.1, 47.0, 46.6, 28.3 (each s).
【0165】
第3ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N,N−ビス(2−(4−アミノフェニルオキシ)エチル)アミン(DA−J)の合成
【化47】
N−tert−ブトキシカルボニル−N,N−ビス(2−(4−ニトロフェニルオキシ)エチル)アミン(33.0g、73.7mmol)をTHF(132g)に溶解し、3質量%白金−炭素(3.3g)を加え、水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認し、ろ過により触媒を除去した。その後、ろ液を濃縮した後、トルエン(264g)を加え、30℃に加熱して溶解させた。次いで、5℃に冷却して析出した固体をろ過し、乾燥することで、DA−Jを得た(薄茶固体、収量:25.6g、収率:90%)
1H NMR (DMSO-d
6):δ 6.60 (d, J = 8.4 Hz, 4H, C
6H
4), 6.46 (d, J = 8.4 Hz, 4H, C
6H
4), 4.57 (s, 4H, NH
2), 3.90-3.87 (m, 4H, CH
2), 3.51-3.48 (m, 4H, CH
2), 1.35 (s, 9H, t-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 155.1, 150.0, 143.0, 115.7, 115.3, 79.4, 66.7, 47.7, 47.3, 28.4 (each s).
<合成例15>
以下に示す3ステップで芳香族ジアミン(DA−K)を合成した。(DA−K)は、特定ジアミンに該当する。
第1ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−4−ニトロベンジルアミン(DA−K−1)の合成
【化48】
4−ニトロベンジルアミン(5.00g、26.5mmol)をトルエン(50g)に懸濁させ、トリエチルアミン(3.22g、31.8mmol)を室温で加え、し、二炭酸ジ−tert−ブチル(6.36g、29.2mmol)を室温で15分かけて滴下し、60℃で2時間、室温で16時間撹拌し、原料の消失をHPLCで確認した。
その後、60℃で水(20g)を加え、撹拌後、水層を廃棄する操作を2回繰り返した後、有機層を濃縮し、残渣にトルエン(15g)を加え、60℃に加熱後、ヘプタン(15g)を加え、5℃に冷却し、16時間撹拌後、析出した固体をろ過し、乾燥することで、N−tert−ブトキシカルボニル−4−ニトロベンジルアミンを得た(白色固体、収量:5.29g、収率:79%)
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.21 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 7.59 (t, J = 5.8 Hz, 1H, NH), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 4.26 (d, J = 5.8 Hz, 2H, CH
2), 1.40 (s, 9H, t-Bu)
第2ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−ヒドロキシメチル−4−ニトロベンジルアミン(DA−K−2)の合成
【化49】
N−tert−ブトキシカルボニル−4−ニトロベンジルアミン(3.00g、11.9mmol)、パラホルムアルデヒド(1.79g、59.5mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.73g、5.9mmol)、DMF(30g)、および、水(6g)の混合溶液を60℃で7時間撹拌し、さらにパラホルムアルデヒド(0.89g、29.6mmol)を追加して、15時間撹拌した。
その後、反応混合物を水(300g)に注ぎ、酢酸エチル(200g)を加えて撹拌し、水層を廃棄し、1N塩酸(50g)を加えて撹拌し、水層を廃棄し、水(50g)を加えて撹拌し、水層を廃棄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。
その後、有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=2/1(v/v))で精製し、濃縮し、乾燥することでN−tert−ブトキシカルボニル−N−ヒドロキシメチル−4−ニトロベンジルアミンを得た(無色液体、収量:2.60g、収率:77%)
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.21 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.02 (br, 1H, OH), 4.74 (d, J = 6.0 Hz, 2H, CH
2), 4.52 (s, 2H, CH
2), 1.27 (s, 9H, t-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 148.3, 146.9, 128.5, 123.8, 80.0, 79.8, 70.9, 49.3, 48.3, 28.2 (each s).
第3ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(4−ニトロフェニルオキシメチル)−4−ニトロベンジルアミン(DA−K−4)の合成
【化50】
N−tert−ブトキシカルボニル−N−ヒドロキシメチル−4−ニトロベンジルアミン(142mg、0.50mmol)を酢酸エチル(0.50g)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(71.4mg、0.55mmol)を加え、0℃でメタンスルホニルクロリド(60.4mg、0.53mmol)を加え、30分間撹拌した。
続いて、4−ニトロフェノール(349mg、2.5mmol)、酢酸エチル(1.0g)、および、ジイソプロピルエチルアミン(64.9mg、0.50mmol)の混合液に、前記の反応混合液を5℃で加え、20分間撹拌した。
その後、反応混合物に水(2g)を加え、HPLCで有機層中に4−ニトロフェノールが確認されなくなるまで、有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、最後に水(2g)で有機層を洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。
その後、有機層を濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1(v/v))で精製することで、N−tert−ブトキシカルボニル−N−(4−ニトロフェニルオキシメチル)−4−ニトロベンジルアミンを得た(白色固体、収量:47.2mg、収率:23%)
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.19 (d, J = 8.4 Hz, 4H, C
6H
4), 7.42 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 7.08 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 5.48 (s, 2H, CH
2), 4.65 (s, 2H, CH
2), 1.41 (s, 9H, t-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 154.5, 147.2, 145.3, 142.1, 128.4, 127.4, 125.9, 123.8, 115.4, 82.4, 75.8, 49.6, 49.2, 28.1 (each s).
第4ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(4−アミノフェニルオキシメチル)−4−アミノベンジルアミン(DA−K)の合成
【化51】
N−tert−ブトキシカルボニル−N−(4−ニトロフェニルオキシメチル)−4−ニトロベンジルアミン(47mg、0.12mmol)を酢酸エチル(10g)に溶解し、3質量%白金−炭素(21mg)を加え、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認し、ろ過により触媒を除去し、ろ液を濃縮、乾燥することでDA−Kを得た(無色液体、収量:36mg、収率:90%)
1H NMR (CDCl
3):δ 7.01-7.04 (m, 2H, C
6H
4), 6.84-6.76 (m, 2H, C
6H
4), 6.64-6.59 (m, 4H, C
6H
4), 5.16, 5.04 (each s, 2H, CH
2), 4.47, 4.38 (each s, 2H, CH
2), 3.59 (br, 4H, NH
2), 1.45, 1.37 (each s, 9H, t-Bu).
13C{
1H} NMR (CDCl
3):δ 145.6, 129.6, 129.0, 119.4, 117.7, 116.4, 116.1, 115.1, 80.4, 75.1, 48.3, 47.5, 28.3, 28.3, 28.2 (each s).
【0166】
<比較合成例1>芳香族ジアミン(DA−B):N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミンの合成
以下に示す2ステップで合成した。
【0167】
第1ステップ:N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジリデン)アミン(DA−B−1)の合成
【化52】
【0168】
2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン塩酸塩(3.00g、19.9mmol)をDMF(15.0g)に溶解し、4−ニトロベンズアルデヒド(4.02g、19.9mmol)を加え、さらに、トリエチルアミン(2.21g、21.8mmol)を25℃で加えた。そのまま室温で21時間撹拌し、析出物をろ過した。析出物は水(50.0g)で洗浄し、ろ過して、50℃で減圧乾燥することで、N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジリデン)アミンを得た(白色固体、収量:4.05g、収率:68%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.45 (s, 1H, HC=N), 8.29(d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 8.16 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.96, (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.57 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 3.95 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2), 3.13 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2).融点(DSC):128℃
【0169】
第2ステップ:N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−B)の合成
【化53】
【0170】
N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジリデン)アミン(3.50g、11.7mmol)をDMF(35.0g)に加え、5質量%パラジウム−炭素(0.350g)を加え、水素雰囲気下、室温で11日間攪拌した。原料の消失をHPLCで確認し、ろ過により触媒を除去した。その後、ろ液を濃縮し、乾燥することで、DA−Bを茶色オイルとして得た(収量:2.82g、収率:100%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 6.93 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.82 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.49 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.47 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 4.91-4.79 (m, 5H, NH
2, NH), 3.49 (br, 2H, CH
2), 2.69-2.42 (m, 4H, CH
2×2).
【0171】
<比較合成例2>
30mL二つ口フラスコに、DA−Bを0.723g(3.00mmol)を量り取り、NMPを9.30g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を0.672g(3.00mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを3.31g加えた。その後、室温で1時間撹拌したところ、反応溶液はゲル化し、攪拌不能となった。