特許第6517084号(P6517084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6517084
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】変位検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20190513BHJP
   G01D 5/26 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
   G01D5/12 C
   G01D5/26 G
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-109393(P2015-109393)
(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公開番号】特開2016-223868(P2016-223868A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】坪井 雅士
(72)【発明者】
【氏名】米花 貴
(72)【発明者】
【氏名】市川 雄一
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−074863(JP,A)
【文献】 特開2001−306152(JP,A)
【文献】 特開2004−294184(JP,A)
【文献】 特開2009−097903(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0174086(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12
G01D 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の変位を検出するセンサ部と、
前記センサ部により検出された変位に応じた検出信号を生成する第1の生成部と、
前記生成された検出信号に基づいた1以上の所定の出力信号を生成するための、前記1以上の所定の出力信号の各々に対応した1以上の前処理信号を、前記生成された検出信号をもとに生成する第2の生成部と
前記1以上の所定の出力信号のうち少なくとも1つを生成する外部機器と接続される接続部と、
前記接続部に接続された前記外部機器が、前記1以上の所定の出力信号のうちいずれの出力信号を生成可能な機器であるかを識別する識別部と
を具備し、
前記第2の生成部は、前記識別部による識別結果をもとに前記前処理信号を生成する
変位検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の変位検出装置であって、
前記1以上の所定の出力信号は、USB(Universal Serial Bus)信号、RS232C信号、BCD(Binary Coded Decimal)信号、所定のアナログ信号、及び公差判定結果を表す信号のうちの、少なくとも1つを含み、
前記第2の生成部は、前記1以上の所定の出力信号に対応して、前記USB信号及び前記RS232C信号の各々に対応する前記前処理信号である前処理RS232C信号、前記BCD信号に対応する前記前処理信号である前処理BCD信号、前記所定のアナログ信号に対応する前記前処理信号であるPWM(Pulse Width Modulation)信号、及び前記公差判定の結果を表す信号に対応する前記前処理信号である所定のシリアル信号のうちの、少なくとも1つを生成する
変位検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の変位検出装置であって、
前記前処理RS232C信号は、前記RS232C信号よりも電圧が低い信号であり、
前記前処理BCD信号は、前記BCD信号よりも電圧が低い信号である
変位検出装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の変位検出装置であって、
前記所定のシリアル信号は、デジマチック(登録商標)信号である
変位検出装置。
【請求項5】
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の変位検出装置であって、
前記接続部は、制御ラインを介して前記外部機器と接続される第1のライン接続部を有し、
前記識別部は、前記外部機器から前記制御ラインを介して出力された識別信号をもとに、前記外部機器を識別する
変位検出装置。
【請求項6】
請求項に記載の変位検出装置であって、
前記第1のライン接続部は、単体の前記制御ラインを介して前記外部機器から前記識別信号としてロー信号及びハイ信号のいずれかを受け取り、
前記接続部は、前記外部機器に前記所定の出力信号に対応する前記前処理信号を出力する1以上の出力ラインを介して前記外部機器と接続される第2のライン接続部を有し、
前記変位検出装置は、さらに、前記1以上の出力ラインを介してハイ信号を出力可能な第1の出力部を具備し、
前記識別部は、前記1以上の出力ラインを介した前記外部機器への前記ハイ信号の出力の有無、及び前記ハイ信号の出力の有無に応じた前記単体の制御ラインを介した前記ロー信号又は前記ハイ信号の受け取りをもとに、前記外部機器を識別する
変位検出装置。
【請求項7】
請求項に記載の変位検出装置であって、
前記1以上の出力ラインは、第1の出力ラインと、第2の出力ラインとを含み、
前記識別部は、前記単体の制御ラインを介して受け取った前記識別信号が前記ロー信号であるか前記ハイ信号であるかの判定結果を信号判定結果として、前記第1及び前記第2の出力ラインのいずれにも前記ハイ信号が出力されない状態での第1の信号判定結果、前記第1の出力ラインのみに前記ハイ信号が出力された後の第2の信号判定結果、及び前記第1及び前記第2の出力ラインのいずれにも前記ハイ信号が出力された後の第3の信号判定結果のうちの、少なくとも1つをもとに前記外部機器を識別する
変位検出装置。
【請求項8】
請求項又はに記載の変位検出装置であって、さらに、
4つのパルス出力ラインを介して、前記検出信号として4相のパルス信号を出力可能な第2の出力部を具備し、
前記1以上の出力ラインとして、前記4つのパルス出力ラインの少なくとも一部が用いられる
変位検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばリニアゲージ等の変位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リニアゲージやマイクロメータ等の所定の変位を検出可能な装置が知られている。例えば特許文献1には、そのような装置として、変位センサ(変位検出装置ともいう)が記載されている。特許文献1の図3に示されるように、変位センサは、カウンタ装置に接続される。カウンタ装置では、変位センサからの出力値が適宜処理され、内部カウンタによりカウントされる。当該カウントされた計数値は、カウンタ装置に設けられた表示部に表示される(特許文献1の明細書段落[0019]等)。またカウンタ装置は、内部カウンタの計数値を、例えばRS232C、USB(Universal Serial Bus)、又はBCD(Binary Coded Decimal)等の所定のフォーマットに変換して出力することが可能である(明細書段落[0031]等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−97903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような変位センサ及びカウンタ装置を含む変位検出システムでは、システムの小型化や低価格化が求められている。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、変位検出システムの小型化及び低価格化を実現可能とする変位検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る変位検出装置は、センサ部と、第1の生成部と、第2の生成部とを具備する。
前記センサ部は、所定の変位を検出する。
前記第1の生成部は、前記センサ部により検出された変位に応じた検出信号を生成する。
前記第2の生成部は、前記生成された検出信号に基づいた1以上の所定の出力信号を生成するための、前記1以上の所定の出力信号の各々に対応した1以上の前処理信号を、前記生成された検出信号をもとに生成する。
【0007】
この変位検出装置では、検出信号をもとに前処理信号が生成される。従って変位検出装置に接続されて検出信号に基づいた所定の出力信号を生成する装置の構成を簡略化することができる。この結果、変位検出装置及び上記の装置を含む変位検出システムの小型化や低価格化を実現することが可能となる。
【0008】
前記1以上の所定の出力信号は、USB(Universal Serial Bus)信号、RS232C信号、BCD(Binary Coded Decimal)信号、所定のアナログ信号、及び公差判定結果を表す信号のうちの、少なくとも1つを含んでもよい。この場合、前記第2の生成部は、前記1以上の所定の出力信号に対応して、前記USB信号及び前記RS232C信号の各々に対応する前記前処理信号である前処理RS232C信号、前記BCD信号に対応する前記前処理信号である前処理BCD信号、前記所定のアナログ信号に対応する前記前処理信号であるPWM(Pulse Width Modulation)信号、及び前記公差判定の結果を表す信号に対応する前記前処理信号である所定のシリアル信号のうちの、少なくとも1つを生成してもよい。
第2の生成部により生成された上記のような前処理信号をもとに、USB信号、RS232C信号、BCD信号、所定のアナログ信号、及び公差判定結果を表す信号の生成が可能となる。
【0009】
前記前処理RS232C信号は、前記RS232C信号よりも電圧が低い信号であってもよい。この場合、前記前処理BCD信号は、前記BCD信号よりも電圧が低い信号であってもよい。
変位検出装置に接続される外部機器は、電圧を制御することで簡単にRS232C信号やBCD信号を生成することができる。
【0010】
前記所定のシリアル信号は、デジマチック(登録商標)信号であってもよい。
変位検出装置に接続される外部機器では、デジマチック(登録商標)信号をもとに簡単に公差判定の結果を表す信号を生成することができる。
【0011】
前記変位検出装置は、さらに、接続部と、識別部とを具備してもよい。
前記接続部は、前記1以上の所定の出力信号のうち少なくとも1つを生成する外部機器と接続される。
前記識別部は、前記接続部に接続された前記外部機器が、前記1以上の所定の出力信号のうちいずれの出力信号を生成可能な機器であるかを識別する。
この場合、前記第2の生成部は、前記識別部による識別結果をもとに前記前処理信号を生成してもよい。
識別部により外部機器が識別可能であるので、必要な前処理信号を自動的に生成することができる。この結果、ユーザの手間を省くことが可能となり、操作性が向上する。
【0012】
前記接続部は、制御ラインを介して前記外部機器と接続される第1のライン接続部を有してもよい。この場合、前記識別部は、前記外部機器から前記制御ラインを介して出力された識別信号をもとに、前記外部機器を識別してもよい。
制御ラインを介して出力された識別信号により簡単に外部機器の識別を実行することが可能となる。
【0013】
前記第1のライン接続部は、単体の前記制御ラインを介して前記外部機器から前記識別信号としてロー信号及びハイ信号のいずれかを受け取ってもよい。この場合、前記接続部は、前記外部機器に前記所定の出力信号に対応する前記前処理信号を出力する1以上の出力ラインを介して前記外部機器と接続される第2のライン接続部を有してもよい。また前記変位検出装置は、さらに、前記1以上の出力ラインを介してハイ信号を出力可能な第1の出力部を具備してもよい。また前記識別部は、前記1以上の出力ラインを介した前記外部機器への前記ハイ信号の出力の有無、及び前記ハイ信号の出力の有無に応じた前記単体の制御ラインを介した前記ロー信号又は前記ハイ信号の受け取りをもとに、前記外部機器を識別してもよい。
これにより単体の制御ラインにより簡単に外部機器の識別が可能となる。
【0014】
前記1以上の出力ラインは、第1の出力ラインと、第2の出力ラインとを含んでもよい。この場合、前記識別部は、前記単体の制御ラインを介して受け取った前記識別信号が前記ロー信号であるか前記ハイ信号であるかの判定結果を信号判定結果として、前記第1及び前記第2の出力ラインのいずれにも前記ハイ信号が出力されない状態での第1の信号判定結果、前記第1の出力ラインのみに前記ハイ信号が出力された後の第2の信号判定結果、及び前記第1及び前記第2の出力ラインのいずれにも前記ハイ信号が出力された後の第3の信号判定結果のうちの、少なくとも1つをもとに前記外部機器を識別してもよい。
第1−第3の判定結果をもとに簡単に外部機器の識別が可能となる。
【0015】
前記変位検出装置は、さらに、4つのパルス出力ラインを介して、前記検出信号として4相のパルス信号を出力可能な第2の出力部を具備してもよい。この場合、前記1以上の出力ラインとして、前記4つのパルス出力ラインの少なくとも一部が用いられてもよい。
4つのパルス出力ラインを、1以上の出力ラインとして用いることで、ラインの数を減らすことができ、装置の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、変位検出システムの小型化及び低価格化が実現可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態に係る変位検出システムの構成例を示す概略図である。
図2】リニアゲージ及び多種機能表示カウンタの内部構成例を示す概略図である。
図3】リニアゲージ及びPCモジュールの内部構成例を示す概略図である。
図4】リニアゲージ及び小型/単機能表示カウンタの内部構成例を示す概略図である。
図5】リニアゲージ及びI/O出力モジュールの内部構成例を示す概略図である。
図6】本実施形態に係る自動識別の動作例を示すフローチャートである。
図7】各変換ユニットがそれぞれ識別される動作をまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る変位検出システムの構成例を示す概略図である。変位検出システム100は、リニアゲージ10と、表示/出力変換ユニット(以下、単に変換ユニットという)30とを有する。
【0020】
図1では、変換ユニット30として、多種機能表示カウンタ(以下、単に表示カウンタという)40と、PCモジュール50と、小型/単機能表示カウンタ(以下、単に小型カウンタという)60と、I/O出力モジュール(以下、単に出力モジュールという)70とが図示されている。
【0021】
本発明に係る変位検出システム100では、4つの変換ユニット30の中から所望の装置が選択されて、リニアゲージ10に接続される。リニアゲージ10側では、接続された変換ユニット30の種類に応じて所定の動作が実行される。
【0022】
リニアゲージ10は、本体部11と、直線上に延在するヘッド部12と、ヘッド部12の延在方向における変位を検出する変位検出部とを有する。変位検出部は、本体部11内に収容されており、図1では図示が省略されている。
【0023】
変位検出部の構成例としては、例えばヘッド部12に接続されたスケールを挟み込むように、LED等の光源とフォトダイオードの受光素子とが配置される。スケールには所定のピッチで窓が形成されており、窓を通過する光の明暗に応じて、パルス信号が生成される。当該パルス信号の数がカウントされることで、ヘッド部12の変位量が算出可能となる。
【0024】
パルス信号の生成は、例えば変位検出部内に設けられた所定のIC(集積回路)や、CPU、メモリ(RAM、ROM)、I/O(Input/Output)等が1チップに収められた所定のマイコン(マイクロコンピュータ)により実行される。なおこの構成に限定されず、ヘッド部12の変位を検出するための任意の構成が採用されてよい。
【0025】
リニアゲージ10は、本実施形態において、変位検出装置に相当する。上記したヘッド部12や変位検出部は、所定の変位を検出するセンサ部として機能する。またパルス信号を生成するICやマイコン等により、本実施形態に係る第1の生成部が実現される。すなわち本実施形態では、ヘッド部12の変位に応じて生成されるパルス信号が、センサ部により検出された変位に応じた検出信号に相当する。なお検出信号がパルス信号に限定されるわけではない。
【0026】
またリニアゲージ10には、パルス信号をもとに1以上の前処理信号を生成する第2の生成部が備えられる。第2の生成部は、例えばマイコン等により実現可能である(図2等のマイコン 参照)。
【0027】
前処理信号とは、第1の生成部により生成されたパルス信号(検出信号)に基づいた1以上の所定の出力信号を生成するための、これら1以上の所定の出力信号の各々に対応した信号である。
【0028】
本実施形態では、図1に示す各変換ユニット30から出力される信号が、1以上の所定の出力信号となる。すなわちUSB(Universal Serial Bus)信号、RS232C信号、BCD(Binary Coded Decimal)信号、所定のアナログ信号、及び公差判定結果を表す信号(以下、単に公差判定信号という)が、所定の出力信号となる。
【0029】
パルス信号に基づいて、どのような情報を含む信号が出力されるかは限定されない。例えばパルス信号の数の情報、パルス信号の数から導かれる変位量の情報、あるいは所定の位置を基準としたヘッド部12の位置の情報等を含む信号が、各種のフォーマットによりそれぞれ出力される。
【0030】
所定のアナログ信号への変換例として、例えば測定された変位量(単位mm)から電圧値(単位V)への変換が挙げられる。例えば電圧変動レベル1V−4Vの範囲で、測定値0mm−10mmの範囲が表現される場合、0mmのとき1V、10mmのとき4Vがそれぞれ出力される。もちろんこれに限定されるわけではない。
【0031】
公差判定信号は、パルス信号の数から導かれる変位量や位置に基づいた、公差判定の結果を示す信号である。算出された変位量等が予め定められた公差内である場合には、その旨を表すOK信号が出力される。算出された変位量等が公差に含まれない場合には、その旨を表すNG信号が出力される。例えばリニアゲージ10のヘッド部12の変位方向の一方を+側とし、他方を−側とする。そしてヘッド部12が+側及び−側のどちらに対して変位しているかが分かるように、+NG信号及び−NG信号の符号をつけた2種類のNG信号が出力されてもよい。
【0032】
図1に示すように、本実施形態では、表示カウンタ40は、パルス信号をもとにUSB信号、RS232C信号、BCD信号、所定のアナログ信号、及び公差判定信号をそれぞれ生成可能である。従ってリニアゲージ10に表示カウンタ40が接続される場合には、表示カウンタ40へパルス信号が出力される。
【0033】
表示カウンタ40には、各フォーマットの信号を出力するためのインタフェース41がそれぞれ設けられている。そして当該インタフェース41を介してPCやシーケンサ等に、各フォーマットの信号が出力される。なおパルス信号をもとに各フォーマットの信号を生成することは、例えば所定のICやマイコン等を用いて実現可能であり、周知の技術が用いられてもよい。
【0034】
PCモジュール50は、USB信号を生成し、所定のインタフェース(USBインタフェース)51を介してPCに出力可能である。リニアゲージ10にPCモジュール50が接続される場合、PCモジュール50に前処理RS232C信号が出力される(図1では前処理の文字が省略されている)。
【0035】
前処理RS232C信号は、USB信号に対応する前処理信号であり、典型的には、RS232信号のフォーマットに従った、RS232C信号よりも電圧が低い信号である。PCモジュール50は、前処理RS232C信号をもとに、USB信号を生成する。なおパルス信号をもとに前処理RS232C信号を生成すること、及び前処理RS232C信号をもとにUSB信号を生成することは、例えば周知の技術等を用いることで実現可能である。
【0036】
小型カウンタ60は、公差判定信号を生成し、所定のインタフェース61を介してシーケンサに出力可能である。リニアゲージ10に小型カウンタ60が接続される場合、小型カウンタ60に所定のシリアル信号が出力される。
【0037】
所定のシリアル信号は、公差判定信号に対する前処理信号であり、典型的にはデジマチック(登録商標)信号である。小型カウンタ60は、デジマチック(登録)信号をもとに、公差判定信号を生成する。なおパルス信号をもとにデジマチック(登録)信号を生成すること、及びデジマチック(登録商標)信号をもとに公差判定信号を生成することは、例えば周知の技術等を用いることで実現可能である。
【0038】
出力モジュール70は、BCD信号、所定のアナログ信号、及びRS232C信号を生成し、所定のインタフェース71を介してシーケンサに出力可能である。リニアゲージ10に出力モジュール70が接続される場合、出力モジュール70にBCD信号、所定のアナログ信号、及びRS232C信号の各々に対応した前処理信号がそれぞれ出力される。すなわちBCD信号に対応する前処理信号である前処理BCD信号、所定のアナログ信号に対応する前処理信号であるPWM(Pulse Width Modulation)信号、及びRS232C信号に対応する前処理信号である前処理RS232C信号のいずれかが適宜出力される。
【0039】
前処理BCD信号は、典型的にはBCD信号のフォーマットに従った、BCD信号よりも電圧が低い信号である。出力モジュール70は、前処理BCD信号の電圧を適正な電圧に変換することでBCD信号を生成する。また上記したように前処理RS232C信号は、典型的にはRS232C信号よりも電圧が低い信号である。出力モジュール70は、前処理RS232C信号の電圧を適正な電圧に変換することでRS232C信号を生成する。
【0040】
また出力モジュール70は、PWM信号をもとに、測定値が電圧値に変換された所定のアナログ信号を生成する。なおパルス信号をもとに前処理BCD信号、PWM信号、及び前処理RS232C信号を生成すること、及びこれら前処理信号をもとにBCD信号、所定のアナログ信号、及びRS232C信号を生成することは、例えば周知の技術等を用いることで実現可能である。
【0041】
このように本発明に係る変位検出システム100では、リニアゲージ10により、パルス信号をもとに種々の前処理信号が生成される。従ってリニアゲージ10に接続されてUSB信号等の出力信号を生成する変換ユニット30の構成を簡略化することができる。
【0042】
例えば図1に示すように変換ユニット30として表示カウンタ40が用いられる場合、パルス信号をもとに各種フォーマットの出力信号が生成可能である。すなわち表示カウンタ40が用いられる場合には、前処理信号の出力を行うことなく、各フォーマットの信号を出力することが可能である。この場合、限定された機能、例えばUSB信号の出力機能のみを必要とするユーザにとっては、過剰なスペックとなってしまう可能性がある。
【0043】
そこで本変位検出システム100では、表示カウンタ40に代えて、所望の出力信号を生成する機能を有する変換ユニット30を接続可能とした。またリニアゲージ10により適当な前処理信号を生成させて、変換ユニット30側では当該前処理信号をもとに所望の出力信号を生成可能とした。これにより変換ユニット30のスペックを十分に抑えることが可能となり、変換ユニット30の小型化、低価格化を実現させることが可能となった。
【0044】
例えば本実施形態では、前処理RS232C信号及び前処理BCD信号の電圧を適宜制御することで簡単にRS232C信号及びBCD信号をそれぞれ生成することが可能である。またデジマチック(登録商標)信号をもとに簡単に公差判定信号を生成することがで可能である。その他のフォーマットの信号も、前処理信号をもとに低いスペックで簡単に出力信号を生成することができる。
【0045】
これによりリニアゲージ10、及びこれに接続されて使用される変換ユニット30を含む変位検出システム100の小型化や低価格化を実現することが可能となる。またユーザの使用用途に合わせて変位検出システム100を構成させることが可能となる。
【0046】
なおリニアゲージ10により前処理信号を生成させることは、パルス信号から各種フォーマットの出力信号を生成する機能の一部を、リニアゲージ10側に備えさせたと捉えることもできる。
【0047】
リニアゲージ10に接続される変換ユニット30の識別について説明する。例えば変換ユニット30に所定の操作スイッチ等が設けられ、ユーザにより、リニアゲージ10との接続後に当該操作スイッチが操作される。これにより所定の識別信号等がリニアゲージ10に送信され、リニアゲージ10に接続された変換ユニット30が識別される。
【0048】
あるいはリニアゲージ10側に所定の切替えスイッチ等が設けられ、ユーザにより、リニアゲージ10に接続された変換ユニット30の種類に応じて、切替えスイッチが切替えられる。これによりリニアゲージ10に接続された変換ユニット30が識別される。これらのような方法により識別が行われ、当該識別された変換ユニット30の種類に応じて、パルス信号や所定の前処理信号が出力されてもよい。
【0049】
しかしながらこれらの方法では、ユーザによるスイッチの操作が必要となり、変位測定システム100の操作性が低下する可能性がある。そこで本実施形態では、リニアゲージ10に接続された変換ユニット30を、リニアゲージ10側で自動的に識別可能としている。以下、その自動識別を実現するための構成例及び自動識別の動作例を説明する。
【0050】
図2図5は、リニアゲージ10とこれに接続される変換ユニット30の内部構成例を示す概略図である。図2は表示カウンタ40と接続された場合の図であり、図3はPCモジュール50と接続された場合の図である。図4は小型カウンタ60と接続された場合の図であり、図5は出力モジュール70と接続された場合の図である。
【0051】
図6は、本実施形態に係る自動識別の動作例を示すフローチャートである。図7は、各変換ユニット30がそれぞれ識別される動作をまとめた表である。
【0052】
図2図5に示すように、リニアゲージ10は、光源13と、スケール14と、受光IC15と、内挿IC16と、ラインドライバ17と、マイコン18と、ゲート19とを有する。受光IC15には受光素子が配置されており、スケール14の窓を通過する光の明暗の情報が、受光IC15から内挿IC16に出力される。図中のINC出力とは、インクリメント(相対的)な変位の情報が出力されることを意味する。これに加えて絶対的な位置情報が合成されてもよい。
【0053】
内挿IC16は、2相のパルス信号として2相方形波を生成し、ラインドライバ17に出力する。ラインドライバ17は、2相方形波をもとに、4相のパルス信号として4相方形波を生成し、4つのパルス出力ライン20を介して表示カウンタ40に出力する(図2参照)。なお2相のパルス信号として2相方形波を出力することも可能である。
【0054】
また内挿IC16は、2相のパルス信号をマイコン18に出力する。マイコン18は、パルス信号に基づいて各種フォーマットの前処理信号を生成し、4つのパルス出力ライン20のいずれか、又は単体の制御ライン21を介して、変換ユニット30に出力する(図3図5参照)。
【0055】
マイコン18は、I/Oポート部22を有する。I/Oポート部22は、複数のI/Oポートを有し、以下これらをオン/オフ、出力1、出力2、入力1、入力2、入力Iと記載する。出力1及び出力2は、4つのパルス出力ライン20内の、パルス出力ライン20a及び20bとそれぞれ接続される。入力1及び入力2は、4つのパルス出力ライン20内の、出力ライン20c及び20dとそれぞれ接続される。入力Iは、単体の制御ライン21を介して、変換ユニット30と接続される。
【0056】
図2図5に示すように、出力1及び出力2のポートと、パルス出力ライン20a及び20bとの間にはゲート19が配置される。マイコン18は、オン/オフのポートを介して、ラインドライバ17及びゲート19のオン/オフを制御可能である。なおマイコン18による種々の処理は、チップ内のCPUがメモリに記憶された所定のプログラムに従って動作することで実行される。
【0057】
リニアゲージ10と各変換ユニット30との接続は、4つのパルス出力ライン20及び単体の制御ライン21を含む図示しないケーブルにより行われる。そのようなケーブルとして、例えば周知の多芯ケーブル等が用いられてもよい。
【0058】
本実施形態では、ラインドライバ17及びマイコン18(I/Oポート部22)が接続部として機能し、I/Oポート部22の入力Iのポートが第1のライン接続部として機能する。
【0059】
また本実施形態では、4つの出力ライン20及び制御ライン21のいずれかにより各種フォーマットの前処理信号が出力される。従ってこれらのラインが、変換ユニット30に所定の出力信号に対応する前処理信号を出力する1以上の出力ラインに相当する。そしてこれらのラインを介して変換ユニット30と接続される、ラインドライバ17及びマイコン18(I/Oポート部22)が、第2のライン接続部として機能する。
【0060】
4つのパルス出力ライン20の少なくとも一部、及び制御ライン21を、前処理信号を出力する1以上の出力ラインとして用いることで、必要なラインの数を減らすことができ、構成の簡素化、装置の小型化等を図ることができる。
【0061】
なお1以上の出力ラインのうち、出力1に接続されたパルス出力ライン20aが、第1の出力ライン23として機能する。また出力2に接続されたパルス出力ライン20bが第2の出力ライン24として機能する。
【0062】
またラインドライバ17は、4つのパルス出力ライン20を介して4相のパルス信号を出力可能な第2の出力部に相当する。またマイコン18は、接続部に接続された変換ユニット30が、1以上の所定の出力信号のうちいずれの出力信号を生成可能な機器であるかを識別する識別部として機能し、また1以上の出力ラインを介してハイ信号を出力可能な第1の出力部として機能する。
【0063】
図6及び図7を参照して、まず電源投入後、制御ライン21のポート初期状態が確認される(ステップ101)。具体的には、入力Iにハイ信号及びロー信号のいずれかが入力されたかが読み取られる。すなわち入力Iの電圧のレベルがハイレベルであるかローレベルであるかが判定される(ステップ102)。そして入力Iがハイ信号を受け取ったと判定された場合(ステップ102のYes)、ラインドライバ17がオンに制御され、ゲート19がオフに制御される(ステップ103)。
【0064】
すなわち本実施形態では、図7に示すように、電源投入後にハイ信号が読み取られた場合、変換ユニット30として表示カウンタ40が接続されていると判定される。そしてランドライバ17から4つの出力ライン20を介して4相方形波が出力される(ステップ104)。
【0065】
そのために図2に示すように、表示カウンタ40内の制御ライン21に接続される制御I/O42は、プルアップされてハイレベル(H状態)に設定されている。一方、図3図5に示すように、他の変換ユニット20においては、制御ライン21に接続される制御I/O(52、62、72)は、プルダウンされてローレベル(L状態)に設定されている。
【0066】
リニアゲージ10から出力された4相方形波は、表示カウンタ40内のカウントIC43に出力され、パルスの計数やピークの検出が行われる。そしてマイコン44により所定のフォーマットの信号(USB信号、RS232C信号、BCD信号、所定のアナログ信号、及び公差判定信号のいずれか)が生成されて出力される。
【0067】
図6のステップ102で、入力Iがロー信号を受け取ったと判定された場合(No)、ラインドライバ17がオフに制御され、ゲート19がオンに制御される(ステップ105)。そしてマイコン18の出力1のポートからハイ信号が出力される(ステップ106)。出力後、入力Iのポート状態が再度判定され、制御ライン21を介して入力される信号がロー信号からハイ信号に変化したか否かが判定される(ステップ107)。
【0068】
その結果、入力Iがハイ信号を受け取ったと判定された場合(ステップ107のYes)、図7に示すように、変換ユニット30としてPCモジュール50が接続されていると判定される。そしてマイコン18により前処理RS232C信号が出力される(ステップ108)。
【0069】
図3に示すように、出力1に接続される第1の出力ライン23は、PCモジュール50の制御I/O52に接続される。制御I/O52はプルダウンされているが、十分に大きいインピーダンスを有するので、第1の出力ライン23を介してハイ信号が入力されるとローレベルからハイレベルに変化する。この結果、リニアゲージ10の入力Iにハイ信号が出力される。
【0070】
マイコン18は、出力2に接続された第2の出力ライン24を介して、PCモジュール50のシリアル−USB変換IC53に、前処理RS232C信号を出力する。シリアル−USB変換IC53は受け取った前処理RS232C信号をもとに、USB信号を生成して出力する。
【0071】
図6のステップ107で、入力Iがハイ信号を受け取ったと判定されなかった場合、すなわち入力Iのポート状態はロー状態のままで変化がない場合、マイコン18の出力2のポートからハイ信号が出力される(ステップ109)。出力後、入力Iのポート状態が再度判定され、制御ライン21を介して入力される信号がハイ信号に変化したか否かが判定される(ステップ110)。
【0072】
その結果、入力Iがハイ信号を受け取ったと判定された場合(ステップ110のYes)、図7に示すように、変換ユニット30として小型カウンタ60が接続されていると判定される。そしてマイコン18によりデジマチック(登録)信号が出力される(ステップ111)。
【0073】
図4に示すように、出力2に接続される第2の出力ライン24は、小型カウンタ60の制御I/O62に接続される。従って第2の出力ライン24を介してハイ信号が入力されると、制御I/O62はローレベルからハイレベルに変化する。この結果、リニアゲージ10の入力Iにハイ信号が出力される。
【0074】
マイコン18は、出力1に接続された第1の出力ライン23を介して、クロック信号に同期したデータとして、デジマチック(登録)信号を出力する。小型カウンタ60は、受け取ったデジマチック(登録)信号をもとに公差判定信号を生成して出力する。
【0075】
なお小型カウンタ60には、トランジスタやダイオード等の電子部品が配置されている。トランジスタは、例えは信号レベルの変換等のために配置される。またダイオードは、逆電流を防止するために配置される。これら電子部品の配置や構成等を含む小型カウンタ60の内部構成は限定されず、適宜設計されてよい。このことは他の変換ユニット30である、表示カウンタ40、PCモジュール50、及び出力モジュール70においても同様である。
【0076】
図6のステップ110で、入力Iのポート状態はロー状態のままで変化がない場合(No)、図7に示すように、変換ユニット30として出力モジュール70が接続されていると判定される。そしてマイコン18により前処理BCD信号、PWM信号、前処理RS232C信号のいずれかが出力される(ステップ112)。
【0077】
図5に示すように、第1出力ライン23及び第2の出力ライン24のいずれとも、出力モジュール70の制御I/O72に接続されていない。従って、両ラインを介してハイ信号が入力されても、制御I/O72はローレベルのまま変化しない。この結果リニアゲージ10の入力Iにハイ信号が出力されることはない。
【0078】
マイコン18は、入力2に入力されるデータリクエスト信号をもとに、各種フォーマットの前処理信号を生成して出力する。例えば前処理BCD信号は、出力2が接続された第2の出力ライン24を介して、入力1により受信するクロック信号に同期したデータとして出力される。出力モジュール70は、電圧を変換することでBCD信号を生成する。
【0079】
PWM信号は、出力1に接続された第1の出力ライン23を介して出力される。PWM信号は、出力モジュール70のローパスフィルタ73に通された後アナログ信号に変換される。
【0080】
前処理RS232C信号は、制御ライン21を介して出力される。すなわちマイコン18により出力モジュール70 が認識されると、入力Iが前処理RS232C信号の出力ポートに設定される。その後当該ポートから前処理RS232C信号が出力される。出力ポート70の制御I/O72により前処理RS232C信号が受信され、電圧が制御されることでRS232C信号が生成される。
【0081】
このように本実施形態では、マイコン18により変換ユニット30を識別可能である。従って必要な前処理信号を自動的に生成することができる。この結果、ユーザの手間を省くことが可能となり、変位測定システム100の操作性を向上させることができる。
【0082】
また本実施形態では、単体の制御ライン21を介して、変換ユニット30から識別信号としてハイ信号及びロー信号が出力される。またマイコン18により、第1及び第2の出力ライン23及び24を介してハイ信号が出力可能である。そして第1及び第2の出力ライン23及び24を介した変換ユニット30へのハイ信号の出力の有無、及び当該ハイ信号の出力の有無に応じた単体の制御ライン21を介したロー信号又はハイ信号の受け取りをもとに、変換ユニット30が識別される。これにより単体の制御ライン21を用いて、簡単に変換ユニット30を識別することができる。
【0083】
さらに単体の制御ライン21を介して受け取った識別信号がロー信号であるかハイ信号であるかの判定結果を信号判定結果と記載すると、以下に示す第1−第3の判定結果の少なくとも1つをもとに、表示カウンタ40、PCモジュール50、小型カウンタ60、及び出力モジュール70の4種類の変換ユニット30を簡単に識別することができる。
第1の判定結果…第1及び第2の出力ライン23及び24のいずれにもハイ信号が出力されない状態での信号判定結果。
第2の判定結果…第1の出力ライン23のみにハイ信号が出力された後の信号判定結果。
第3の判定結果…第1及び第2の出力ライン23及び24のいずれにもハイ信号が出力された後の信号判定結果。
【0084】
リニアゲージ10と変換ユニット30とを接続するケーブル内に、4つのパルス出力ライン20がもともと設定されているとする。この場合には、単体の制御ライン21を準備し、4つのパルス出力ライン20に出力1、出力2、入力1、入力2をそれぞれ接続させ、適宜ハイ信号を出力させることで、簡単に本発明を適用させることができる。この結果、複雑な構成を採用することなく、変換ユニット30の自動識別が可能であり、小型で低価格な変位検出システム100を実現することができる。
【0085】
また新たに必要なラインが制御ラインの1本でよいので、リニアゲージ10と変換ユニット30とを接続するケーブルに未使用のラインが1本でもあれば、新たなケーブルを準備することなく当該未使用のラインを使用することで、本発明の構成を簡単に実現することができる。この結果、リニアゲージ10を狭い場所に配置して測定する場合や、複数のリニアゲージ10を用いて測定する場合等において、ケーブルの引き回し等を従来と変わらずに行うことができる。
【0086】
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0087】
上記では、変位検出装置としてリニアゲージを例示した。これに限定されず、温度、硬度、形状等に関する変位を検出する種々の変位検出装置に、本発明が適用されてもよい。また変位検出装置に接続される変換ユニットについても、任意の構成を有する装置が用いられてよい。また変位に応じた検出信号、検出信号に基づいた出力信号、及び出力信号を生成するための前処理信号の、それぞれの具体的なフォーマット等は全く限定されず、任意に設定されてよい。
【0088】
リニアゲージに接続される変換ユニットを識別するための識別信号が送信される制御ラインが複数設けられてもよい。また送信される識別信号も、上記したハイ信号及びロー信号に限定されず、任意の識別信号が送信されてもよい。また自動識別の方法として異なる方法が用いられてもよい。
【0089】
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10…リニアゲージ
18…マイコン(マイクロコンピュータ)
20…パルス出力ライン
21…制御ライン
22…I/Oポート部
30…表示/出力変換ユニット
40…多種機能表示カウンタ
50…PCモジュール
60…小型/単機能表示カウンタ
70…I/O出力モジュール
100…変位検出システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7