【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、マトリクススイッチの回路規模を小さく保ったまま、2つの信号同士を同期させて入出力可能な光スイッチ装置及びその設計方法を提供することを目的とする。
【0011】
本発明者らは、従来のマトリクススイッチにおいて、空状態のアイドルポートに設定される入出力ポートを利用することで、前記課題を解決することができないか、鋭意検討を行った。
先ず、4行4列の正方格子型マトリクススイッチの1つの結線パターンとして、
図5(a)に示す、S22,S24,S32,S34の光スイッチをバー状態とし、残りの光スイッチを全てクロス状態として、(入力→出力)が(A1→B1),(A2→B2),(A3→B3),(A4→B4)となる結線パターンで検討を行った。なお、
図5(a)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(1)である。
【0012】
ここでは、
図5(b)に示すように、入力側のアイドルポートに対し、上から順にK1,K2,K3,K4の入力ポートの設定を行い、K1〜K4の(入力→出力)が(K1→L1),(K2→L2),(K3→L3),(K4→L4)となるように出力側のアイドルポートに対し、L1〜L4の出力ポートの設定を行う。なお、
図5(b)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(2)である。
図5(b)に示す結線パターンでは、先の通り、(入力→出力)が(A1→B1),(A2→B2),(A3→B3),(A4→B4)である入出力経路と、(K1→L1),(K2→L2),(K3→L3),(K4→L4)である入出力経路との2つの入出力経路が形成される。
また、この結線パターンでは、例えば、同じ光の第1偏波成分と第2偏波成分とを、(A1,K1)を入力ポートのペアとして、いずれかの入力ポートに片方ずつ入力し、(B1,L1)を出力ポートのペアとして、いずれかの出力ポートから同じ光の第1偏波成分と第2偏波成分とを片方ずつ出力させることができ、同様に、(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)を同じ光の第1偏波成分及び第2偏波成分を入力する入力ポートのペアとし、(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4)を同じ光の第1偏波成分及び第2偏波成分を出力する出力ポートのペアとして、第1偏波成分と第2偏波成分の同期をとることができる。
【0013】
次に、正方格子型マトリクススイッチにおいて、
図5(b)に示す結線パターンから
図5(c)に示す結線パターンにスイッチさせ、2つの信号を同期させて入出力する同期型光スイッチとして用いることができるかを検討する。なお、
図5(c)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(3)である。
この
図5(c)に示す結線パターンは、光スイッチS12,S22,S32,S42をバー状態にスイッチし、残りの光スイッチをクロス状態にスイッチしたときの結線パターンである。この結線パターンでは、(入力→出力)が(A1→B1),(A2→B3),(A3→B2),(A4→B4)である入出力経路と、(K1→L4),(K2→L2),(K3→L3),(K4→L1)である入出力経路との2つの入出力経路が形成される。
また、同じ光の第1偏波成分及び第2偏波成分の入力ポートのペアである(A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)に対応する出力ポートのペアは、(B1,L4),(B3,L2),(B2,L3),(B4,L1)となる。
【0014】
今、入力ポートのペア(A1,K1)が光1の第1偏波成分及び第2偏波成分の入力ポートであり、入力ポートのペア(A2,K2)が光2の第1偏波成分及び第2偏波成分の入力ポートであり、入力ポートのペア(A3,K3)が光3の第1偏波成分及び第2偏波成分の入力ポートであり、入力ポートのペア(A4,K4)が光4の第1偏波成分及び第2偏波成分の入力ポートであるとすれば、入力ポートのペア(A2,K2)に対応する出力ポートのペア(B3,L2)から光2の第1偏波成分及び第2偏波成分が出力されることとなり、また、入力ポートのペア(A3,K3)に対応する出力ポートのペア(B2,L3)から光3の第1偏波成分及び第2偏波成分が出力されることとなる。
図5(b)に示す結線パターンに基づき、同じ光の第1偏波成分及び第2偏波成分を入力する入力ペア(A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)に対応する出力ポートのペアは、(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4)と設定されることから、
図5(c)に示す結線パターンに光スイッチをスイッチさせると、光3の第1偏波成分と光2の第2偏波成分とが結合し、また、光2の第1偏波成分と光3の第2偏波成分とが結合することとなり、元の光2,3が得られない。光1,4についても同様に元の光を出力で得ることができない。
同期型光スイッチとして用いるためには、光スイッチのスイッチによる結線パターンの変更に伴い、(入力→出力)が(A2→B2)(
図5(b)参照)から(A2→B3)(
図5(c)参照)に変更されたとき、入力ポートK2の出力先がこの変更に同期して出力ポートB3のペアである出力ポートL3に変更される必要がある。同様に、(入力→出力)が(A3→B3)(
図5(b)参照)から(A3→B2)(
図5(c)参照)に変更されたとき、入力ポートL3の出力先がこの変更に同期して出力ポートB2のペアである出力ポートL2に変更される必要がある。
換言すれば、同期型光スイッチとして用いるためには、結線パターンの変更によって、元の結線パターンで設定した入力ペア及び出力ペアのペア関係が変更されないことが条件となる。
【0015】
次に、正方格子型マトリクススイッチにおいて、
図6(a)に示す結線パターンが同期型光スイッチとして用いることができるかを検討する。なお、
図6(a)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(4)である。
この
図6(a)に示す結線パターンでは、
図5(b)に示す結線パターンと異なり、出力ポートB1〜B4側のアイドルポートに上から順に入力ポートK1〜K4が設定され、K1〜K4の(入力→出力)が(K1→L1),(K2→L2),(K3→L3),(K4→L4)となるように入力ポートA1〜A4側のアイドルポートに出力ポートL1〜L4が設定されている。なお、光スイッチS11〜S44のクロス状態、バー状態のスイッチ状態は、
図5(b)に示す結線パターンと同じである。
【0016】
図6(a)に示す結線パターンでは、
図5(b)に示す結線パターンと同様、(入力→出力)が(A1→B1),(A2→B2),(A3→B3),(A4→B4)である入出力経路と、(K1→L1),(K2→L2),(K3→L3),(K4→L4)である入出力経路との2つの入出力経路が形成され、(A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)を入力ペアとし、(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4)を出力ペアとして、第1偏波成分と第2偏波成分の同期をとることができる。
【0017】
次に、
図6(a)に示す結線パターンを
図6(b)に示す結線パターンに変更したときに、同期型光スイッチとして用いることができるかを検討する。なお、
図6(b)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(5)である。
この
図6(b)に示す結線パターンは、
図6(a)に示す結線パターンから光スイッチのS11〜S44のクロス状態、バー状態のスイッチ状態を
図5(c)に示す結線パターンと同じスイッチ状態に変更させたものである。
【0018】
この
図6(b)に示す結線パターンでは、
図5(c)に示す結線パターンと異なり、(入力→出力)が(A1→B1),(A2→B3),(A3→B2),(A4→B4)である入出力経路と、(K1→L1),(K2→L3),(K3→L2),(K4→L4)である入出力経路との2つの入出力経路が形成され、依然として、(A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)を入力ペアとし、(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4)を出力ペアとして、第1偏波成分と第2偏波成分の同期をとることができる。
【0019】
更に、
図6(a)に示す結線パターンを
図6(c)に示す結線パターンに変更したときに、同期型光スイッチとして用いることができるかを検討する。なお、
図6(c)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(6)である。
この
図6(c)に示す結線パターンは、光スイッチS13,S23,S33,S43をバー状態にスイッチし、残りの光スイッチをクロス状態にスイッチしたときの結線パターンである。この結線パターンでは、(入力→出力)が(A1→B2),(A2→B1),(A3→B4),(A4→B3)である入出力経路と、(K1→L3),(K2→L4),(K3→L1),(K4→L2)である入出力経路との2つの入出力経路が形成される。
このとき、
図6(a),(b)に示す各結線パターンの入力ペア(A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)のペア関係を維持した状態とすると、
図6(a),(b)に示す各結線パターンの出力ペアのペア関係が(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4)から(B2,L3),(B1,L4),(B4,L1),(B3,L2)に変更されることとなる。
したがって、出力ポートB1〜B4側のアイドルポートに入力ポートK1〜K4を設定し、入力ポートA1〜A4側のアイドルポートに出力ポートL1〜L4を設定するだけでは、同期型光スイッチとして用いることができない。
【0020】
引き続き、出力ポートB1〜B4側のアイドルポートに入力ポートK1〜K4を設定し、入力ポートA1〜A4側のアイドルポートに出力ポートL1〜L4を設定する場合に、同期型光スイッチとして用いることができるか検討する。
図7(a)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(7)である。
図7(a)に示す結線パターンでは、入力ポートK1〜K4及び出力ポートL1〜L4の設定が、
図6(a)に示す結線パターンから図に示すように変更されている。なお、光スイッチS11〜S44のクロス状態、バー状態のスイッチ状態は、
図6(a)に示す結線パターンと同じである。
【0021】
この
図7(a)に示す結線パターンでは、
図6(a)に示す結線パターンと同様、(入力→出力)が(A1→B1),(A2→B2),(A3→B3),(A4→B4)である入出力経路と、(K1→L1),(K2→L2),(K3→L3),(K4→L4)である入出力経路との2つの入出力経路が形成され、(A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)を入力ペアとし、(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4)を出力ペアとして、第1偏波成分と第2偏波成分の同期をとることができる。
【0022】
次に、
図7(a)に示す結線パターンを
図7(b)に示す結線パターンに変更したときに、同期型光スイッチとして用いることができるかを検討する。なお、
図7(b)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(8)である。
この
図7(b)に示す結線パターンは、
図7(a)に示す結線パターンから光スイッチS11〜S44のクロス状態、バー状態のスイッチ状態を
図6(b)に示す結線パターンと同じスイッチ状態に変更させたものである。
【0023】
この
図7(b)に示す結線パターンでは、
図6(b)に示す結線パターンと同様、(入力→出力)が(A1→B1),(A2→B3),(A3→B2),(A4→B4)である入出力経路と、(K1→L1),(K2→L3),(K3→L2),(K4→L4)である入出力経路との2つの入出力経路が形成され、依然として(A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)を入力ペアとし、(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4)を出力ペアとして、第1偏波成分と第2偏波成分の同期をとることができる。
【0024】
更に、
図7(a)に示す結線パターンを
図7(c)に示す結線パターンに変更したときに、同期型光スイッチとして用いることができるかを検討する。なお、
図7(c)は、正方格子型マトリクススイッチの結線パターンの一例を示す図(9)である。
この
図7(c)に示す結線パターンは、
図7(a)に示す結線パターンから光スイッチS11〜S44のクロス状態、バー状態のスイッチ状態を
図6(c)に示す結線パターンにスイッチ状態を変更させたものである。
【0025】
この
図7(c)に示す例では、
図6(c)に示す結線パターンと異なり、(入力→出力)が(A1→B2),(A2→B1),(A3→B4),(A4→B3)である入出力経路と、(K1→L2),(K2→L1),(K3→L4),(K4→L3)である入出力経路との2つの入出力経路が形成され、依然として(A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4)を入力ペアとし、(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4)を出力ペアとして、第1偏波成分と第2偏波成分の同期をとることができる。
また、
図7(a)に示す入力ポートK1〜K4及び出力ポートL1〜L4の設定では、
図7(b),(c)に示す結線パターン以外の状態でも光スイッチS11〜S44のクロス状態、バー状態のスイッチ状態を変更させて同期型光スイッチの動作を検討したが、4!通りの全結線パターンで入力ペア及び出力ペアのペア関係に変更がなく、同期型光スイッチとして動作させることができることが確認された。即ち、完全非閉塞の同期型光スイッチとして動作させることができることが確認された。
【0026】
更に、この完全非閉塞の同期型光スイッチにおける、入力ポートK1〜K4及び出力ポートL1〜L4の設定について検討を進めると、次の規則性を有することが確認された。
即ち、正方格子型マトリクススイッチでは、全ての光スイッチ(S11〜S44)をクロス状態にスイッチさせた状態(
図8参照)で結線されるマトリクススイッチの各入出力経路((A1−K1),(A2−K2),(A3−K3),(A4−K4),(B1−L1),(B2−L2),(B3−L3),(B4−L4))における外部接続可能な2つの入出力ポート同士でペアリングされる2N個(8個)の入出力ポートのペア((A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4),(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4))のうち、正方格子型マトリクススイッチの1列目におけるN個(4個)のオリジナルポート(A1〜A4)をペアに含む半数のN個(4個)のペアを第1入出力ペア群((A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4))とし、残り半数のN個(4個)のペアを第2入出力ペア群((B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4))とすると、第1入出力ペア群((A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4))と第2入出力ペア群((B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4))とのどちらかを一方を入力ペア群とし、他方を出力ペア群とする完全非閉塞の同期型光スイッチが構成される。なお、
図8は、正方格子型マトリクススイッチの全ての光スイッチをクロス状態として結線した状態を示す図である。
【0027】
正方格子型マトリクススイッチとして、これまで
図1に示す正方格子型マトリクススイッチに基づいて同期型光スイッチの説明を行ってきたが、
図9(a),(b)に示す従来の正方格子型マトリクススイッチ(特許文献1の
図5、6参照)においても、先の規則性により、完全非閉塞の同期型光スイッチを構成できることが確認された。なお、
図9(a)は、従来の正方格子型マトリクススイッチの回路構成を示す図(2)であり、
図9(b)は、従来の正方格子型マトリクススイッチの回路構成を示す図(3)である。
即ち、
図1に示す正方格子型マトリクススイッチと
図9(a),(b)に示す各正方格子型とは、隣接する光スイッチ間の結線方法の相違に基づき、オリジナルポート及びアイドルポートの上下関係が異なるが、いずれの正方格子型マトリクススイッチも4!通りの結線パターンを有する完全非閉塞のマトリクススイッチとして共通し、先の規則性に基づいて、完全非閉塞の同期型光スイッチを構成できる。
【0028】
また、
図1,
図9(a),(b)に示す各正方格子型マトリクススイッチは、いずれも4行4列マトリクス上に4
2個の光スイッチを配し、4個の光スイッチをバー状態として4!通りの結線パターンを有する完全非閉塞のマトリクススイッチであるが、これらをNを2以上の整数としてN行N列マトリクス上にN
2個の光スイッチを配し、N個の光スイッチをバー状態としてN!通りの結線パターンを有する完全非閉塞のマトリクススイッチとして一般化させた場合においても、先の規則性に基づいて、全て完全非閉塞の同期型光スイッチを構成できる。
【0029】
また、先の規則性は、菱形格子型マトリクススイッチにも共通する。
即ち、菱形格子マトリクススイッチでは、全ての光スイッチ(S11〜S44)をクロス状態にスイッチさせた状態(
図10参照)で結線されるマトリクススイッチの各入出力経路((A1−K1),(A2−K2),(A3−K3),(A4−K4),(B1−L1),(B2−L2),(B3−L3),(B4−L4))における外部接続可能な2つの入出力ポート同士でペアリングされる2N個(8個)の入出力ポートのペア((A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4),(B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4))のうち、菱形格子型マトリクススイッチの1列目におけるN個(4個)のオリジナルポート(A1〜A4)をペアに含む半数のN個(4個)のペアを第1入出力ペア群((A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4))とし、残り半数のN個(4個)のペアを第2入出力ペア群((B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4))とすると、第1入出力ペア群((A1,K1),(A2,K2),(A3,K3),(A4,K4))と第2入出力ペア群((B1,L1),(B2,L2),(B3,L3),(B4,L4))とのどちらか一方を入力ペア群とし、他方を出力ペア群とする完全非閉塞の同期型光スイッチが構成される。なお、
図10は、菱形格子型マトリクススイッチの全ての光スイッチをクロス状態として結線した状態を示す図である。
【0030】
なお、菱形格子型マトリクススイッチの呼称は、正方格子型マトリクススイッチと概念的に区別するための呼称であり、必ずしも回路の全体形状が菱形である必要はなく、隣接する光スイッチ間の結線関係が
図3に示す菱形格子型マトリクススイッチと共通する限り、例えば、
図11に示す回路の全体形状が正方形状ものも回路の全体形状を問わず菱形格子型マトリクススイッチに含まれる。また、逆に、隣接する光スイッチ間の結線関係が
図1,9(a)、(b)示す正方格子型マトリクススイッチと共通する限り、回路の全体形状が異なる回路も正方格子型マトリクススイッチに含まれる。なお、
図11は、菱形格子型マトリクススイッチの他の構成例を示す図である。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 2入力2出力でクロス及びバーのいずれかの状態にスイッチ可能な光スイッチがNを2以上の整数としてN行N列のマトリクス上にN
2個配され、正方格子型マトリクススイッチ及び菱形格子型マトリクススイッチのいずれかの回路構成とされるマトリクススイッチと、前記マトリクススイッチの全ての前記光スイッチを前記クロス状態にスイッチさせた状態で結線される前記マトリクススイッチの各入出力経路における外部接続可能な2つの入出力ポートの一方を構成するオリジナルポートと他方を構成するアイドルポートとでペアリングされる2N個の入出力ポートのペアのうち、前記マトリクススイッチの1列目におけるN個の前記オリジナルポートを前記ペアに含む半数のN個の前記ペアを第1入出力ペア群とし、残り半数のN個の前記ペアを第2入出力ペア群としたとき、前記第1入出力ペア群及び前記第2入出力ペア群のいずれか一方における前記各オリジナルポートと1対1で接続されるN個の第1光入力手段と、前記第1入出力ペア群及び前記第2入出力ペア群のいずれか一方における未接続の前記各オリジナルポートと1対1で接続されるN個の第1光出力手段と、前記第1光入力手段と接続される前記オリジナルポートを前記ペアに含む前記各アイドルポートと1対1で接続されるN個の第2光入力手段と、前記第1光出力手段と接続される前記オリジナルポートを前記ペアに含む未接続の前記各アイドルポートと1対1で接続されるN個の第2光出力手段と、を有することを特徴とする光スイッチ装置。
<2> マトリクススイッチが、正方格子型マトリクススイッチの回路構成とされる前記<1>に記載の光スイッチ装置。
<3> 更に、光を第1偏波成分と第2偏波成分とに偏波分離して前記第1偏波成分を第1光入力手段に入力するとともに前記第2偏波成分を第2光入力手段に入力するN個の偏波分離手段と、第1光出力手段及び第2光出力手段から片方ずつ出力される前記第1偏波成分と前記第2偏波成分とを偏波結合するN個の偏波結合手段と、を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の光スイッチ装置。
<4> 偏波分離手段が光を第1偏波成分と第2偏波成分とに偏波分離するビームスプリッタと、前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のいずれか一方の偏波軸を他方の偏波軸に回転させる第1偏波回転素子とを有し、偏波結合手段が前記第1偏波回転素子で偏波軸を回転させた前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のいずれか一方の偏波軸を回転前の元の偏波軸に再回転させる第2偏波回転素子と、前記第2偏波回転素子で偏波軸を再回転させた前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のいずれか一方と他方とを偏波結合するビーム結合器と、を有する前記<3>に記載の光スイッチ装置。
<5> 正方格子型マトリクススイッチが、1行目の1列からN−1列までの各光スイッチが次列において1行の前記光スイッチ及び次行の前記光スイッチと結線され、N行目の1列からN−1列までの前記各光スイッチが次列においてN行の前記光スイッチ及び前行の前記光スイッチと結線され、2行目からN−1行目の1列からN−1列までの前記各光スイッチが次行において前行の前記光スイッチ及び次行の前記光スイッチと結線され、全行における行の方向が並行とされ、かつ、全列における列の方向が並行とされる正方格子型マトリクススイッチであり、前記正方格子型マトリクススイッチと同行同列
で同等の大きさであり、前記正方格子型マトリクススイッチの全ての前記光スイッチをクロス状態の結線に置換して結線される正方格子型配線が、平面視で前記正方格子型マトリクススイッチの個々の前記光スイッチに対して個々の前記クロス状
態の結線が1つの組をなすように列の方向に対向配置される状態で、行列方向に平面状で展開される前記正方格子型マトリクススイッチの表裏いずれかの面上に配され、N列目における各組の前記光スイッチと前記クロス状
態の結線とが、前記光スイッチのオリジナルポートと前記正方格子型配線を前記正方格子型マトリクススイッチとして見立てたときの前記クロス状
態の結線の前記オリジナルポートに相当するポートとが結線され、かつ、前記光スイッチのアイドルポートと前記正方格子型配線を前記正方格子型マトリクススイッチとして見立てたときの前記クロス状
態の結線の前記アイドルポートに相当するポートとが結線され、1列目における各組の前記光スイッチと前記クロス状
態の結線とが、前記光スイッチのオリジナルポートと前記正方格子型配線を前記正方格子型マトリクススイッチとして見立てたときの前記クロス状
態の結線の前記オリジナルポートに相当するポートとが第1光入力手段及び第2光入力手段を介して共通の偏波分離手段に接続され、かつ、前記光スイッチのアイドルポートと前記正方格子型配線を前記正方格子型マトリクススイッチとして見立てたときの前記クロス状
態の結線の前記アイドルポートに相当するポートとが前記第1光出力手段及び前記第2光出力手段を介して共通の偏波結合手段に接続されるか、又は、光の入出力関係を逆として、前記光スイッチのオリジナルポートと前記正方格子型配線を前記正方格子型マトリクススイッチとして見立てたときの前記クロス状
態の結線の前記オリジナルポートに相当するポートとが前記第1光出力手段及び前記第2光出力手段を介して共通の偏波結合手段に接続され、かつ、前記光スイッチのアイドルポートと前記正方格子型配線を前記正方格子型マトリクススイッチとして見立てたときの前記クロス状
態の結線の前記アイドルポートに相当するポートとが前記第1光入力手段及び前記第2光入力手段を介して共通の偏波分離手段に接続される前記<3>から<4>のいずれかに記載の光スイッチ装置。
<6> 一対の第1光入力手段及び第2光出力手段をN個の第1入出力源と接続可能なN個の第1入出力部とし、一対の第2光入力手段及び第1光出力手段をN個の第2入出力源と接続可能なN個の第2入出力部とする前記<1>から<2>のいずれかに記載の光スイッチ装置。
<7> 2入力2出力でクロス及びバーのいずれかの状態にスイッチ可能な光スイッチがNを2以上の整数としてN行N列のマトリクス上にN
2個配され、正方格子型マトリクススイッチ及び菱形格子型マトリクススイッチのいずれかの回路構成とされるマトリクススイッチに対し、前記マトリクススイッチの全ての前記光スイッチを前記クロス状態にスイッチさせた状態で結線される前記マトリクススイッチの各入出力経路における外部接続可能な2つの入出力ポートの一方を構成するオリジナルポートと他方を構成するアイドルポートとでペアリングされる2N個の入出力ポートのペアのうち、前記マトリクススイッチの1列目におけるN個の前記オリジナルポートを前記ペアに含む半数のN個の前記ペアを第1入出力ペア群と設定し、残り半数のN個の前記ペアを第2入出力ペア群と設定する工程を含むことを特徴とする光スイッチ装置の設計方法。