特許第6525234号(P6525234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6525234
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】漏洩信号検出装置
(51)【国際特許分類】
   H03D 7/00 20060101AFI20190527BHJP
   H04B 1/30 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   H03D7/00 F
   H04B1/30
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-33355(P2014-33355)
(22)【出願日】2014年2月24日
(65)【公開番号】特開2014-165921(P2014-165921A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2017年1月24日
(31)【優先権主張番号】13/774,222
(32)【優先日】2013年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・ジェイ・デルザー
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン・アラン・オルセン
【審査官】 竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−025426(JP,A)
【文献】 特開2001−053527(JP,A)
【文献】 米国特許第04811425(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03D 7/00−7/22
H04B 1/00−1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を受けるように構成された入力信号用入力部と、
局部発振器(LO)信号を受けるように構成されたLO信号用入力部と、
上記入力信号及び上記LO信号を受け、上記LO信号に基づいて上記入力信号の周波数を変換するように構成された第1混合部と、
タイミング・パルスを供給するパルス信号部と、
上記LO信号を受けて、上記タイミング・パルスに従って周波数変換し、周波数変換LO信号を生成する第1スイッチと、
上記第1混合部からのLO漏洩信号及び上記周波数変換LO信号受け、さらに上記LO漏洩信号の周波数をベースバンドに変換するように構成された第2混合部と、
上記LO漏洩信号を上記第1混合部から上記第2混合部へ通過させるように構成された結合部と、
上記LO漏洩信号に対応する測定値を提供するように構成された信号出力部と
を備えた漏洩信号検出装置。
【請求項2】
上記結合部が、上記LO漏洩信号を上記第1混合部から上記第2混合部へ通過させると共に、上記入力信号用入力部の上記第1混合部への接続を切断できるように構成される請求項1に記載の漏洩信号検出装置。
【請求項3】
上記LO信号の周波数が、上記入力信号の中心周波数に設定され、上記第1混合部がゼロ中間周波数変換用の混合部として機能する請求項1又は2記載の漏洩信号検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号を検出するための装置に関し、特に、局部発振器の漏洩信号を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼロIF形式(ZIF又は直接変換、非特許文献1参照)受信機等の特定形式の中間周波数(IF)受信機は、一般的に、ラジオ周波数(RF)入力帯域幅の中心付近に局部発振器(LO)周波数を有するラジオ周波数(RF)変換器を含む。このような受信機にとって、LO周波数とRF周波数は等しくなるか又はほぼ等しくなるため、受信機の入力部から出るLO信号の漏洩が小さいことが重要である。しかし、これは、一般に濾波によりLO信号をRF信号から分離できないために、実現が難しい。
【0003】
RF変換器において、LO信号は、典型的に有意な振幅を有し、混合器には、通常、LOポートから他のポート(例えばRFポートとIFポート)への限定的な分離がある。直流(DC)オフセット電流を混合器のIFポートに供給することで混合器内の分離を最大化することが可能であり、また、漏洩振幅を最小限にする帰還制御ループの一部として漏洩検出器を用いて、漏洩信号を測定できる。
【0004】
現在までに、RF入力部からのLO漏洩を低振幅に維持するために多種多様な回路が開発されている。各案に多少の利点があるが、多くの付随する問題もある。一般に、LO漏洩電力を測定するために混合器のRFポート側に検出器があり、帰還制御ループにより補正信号を生成するために、検出された信号を使用する。
【0005】
図1は、LOの漏洩検出器の現在使用されている実装100の例を表している。実際に、図示の回路構成は、特に一般的な漏洩検出器の実装を表している。この例においては、2つの入力ポート(RF入力ポート102とLO入力ポート104)と、出力信号ポート114に出力信号を供給する混合器112とがある。RF経路中の方向性結合器106は、逆進行するLO漏洩信号(FLO)の一部を広帯域検波器108へ送る。検波された出力信号は、アナログ・デジタル変換器(ADC)110により測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−151543号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ウィキペディア(英語バージョン)の「直接変換受信機」の文献、[on line]、[2014年2月14日検索]、インターネット<http://en.wikipedia.org/wiki/Direct-conversion_receiver>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図1に示した実装が特定の利点を有する一方で(例えば、LO漏洩信号が通常検出され、帰還制御が継続される)、LO漏洩信号が一般に広帯域検出器108の出力の熱雑音内で失われ、一定の低振幅では典型的に補正がきかない。
【0009】
したがって、信号検出回路とLO入力部を有する装置とにおいては、改善の必要性が残されたままである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、一般に、局部発振器(LO)用の改善された漏洩検出のシステムと装置を含む。実施形態は、概して、制御ループの検出器の部分に関連し、十分な雑音マージンによって低振幅信号を短時間で有利に検出しようとするものである。ある実施形態は、検出時間が短く、広帯域でストローブ・パルス駆動される検出器を含む。
【0011】
特に、本発明の基本理念を以下に記載する。
【0012】
本発明の第1基本理念は、入力信号を受けるように構成された入力信号用入力部と;局部発振器(LO)信号を受けるように構成されたLO信号用入力部と;上記入力信号及び上記LO信号とを受け、上記LO信号に基づいて上記入力信号の周波数を変換するように構成された第1混合部と;タイミング(時間合わせされた)パルスを供給するように構成されたパルス信号部と;LO信号を受けて、タイミング・パルスに従って周波数変換し、周波数変換LO信号を生成する第1スイッチと;第1混合部からのLO漏洩信号及び上記周波数変換LO信号受け、さらに上記LO漏洩信号の周波数をベースバンドに変換するように構成された第2混合部と;上記LO漏洩信号を上記第1混合部から上記第2混合部へ通過させるように構成された結合部と;上記LO漏洩信号に対応する測定値を提供するように構成された信号出力部とを備えた装置である。
【0013】
本発明の第2基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記パルス信号部が上記第1スイッチに単一のタイミング・パルスを供給するように構成されることである。
【0014】
本発明の第3基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記パルス信号部が上記第1スイッチに複数の連続したタイミング・パルスを供給するように構成されることである。
【0015】
本発明の第4基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記パルス信号部が上記第1スイッチに連続した正弦波を供給するように構成されることである。
【0016】
本発明の第5基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記測定値をデジタル化するように構成されたアナログ・デジタル変換器(ADC)を更に備えることである。
【0017】
本発明の第6基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記測定値の帯域を制限するように構成された低域通過フィルタ(LPF)を更に備えることである。
【0018】
本発明の第7基本理念は、上記第6基本理念の装置において、上記LPFをアナログ領域またはデジタル領域にて実装できることである。
【0019】
本発明の第8基本理念は、上記第6基本理念の装置において、上記LPFとアナログ・デジタル変換器(ADC)との間に挿入された包絡線検出器を更に備えることである。
【0020】
本発明の第9基本理念は、上記第1の基本理念の装置において、上記測定値の帯域を制限するように構成された帯域通過フィルタ(BPF)を更に備えることである。
【0021】
本発明の第10基本理念は、上記第9基本理念の装置において、上記BPFをアナログ領域またはデジタル領域にて実装できることである。
【0022】
本発明の第11基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記結合部がスイッチを備えることである。
【0023】
本発明の第12基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記結合部が方向性結合器を備えることである。
【0024】
本発明の第13基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記結合部が電力分割器を備えることである。
【0025】
本発明の第14基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記第2混合部が単一の混合器を備えることである。
【0026】
本発明の第15基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記混合部が直交用混合器を備えることである。
【0027】
本発明の第16基本理念は、上記第15基本理念の装置において、上記信号用出力部は、上記漏洩信号に対応する他の測定値を供給するように更に構成され、2つの上記測定値が90度だけ位相シフトされていることである。
【0028】
本発明の第17基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記結合部が上記第1混合部の入力信号側に位置することである。
【0029】
本発明の第18基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記結合部が上記第1混合部の信号出力側に位置することである。
【0030】
本発明の第19基本理念は、上記第18基本理念の装置において、上記入力信号用入力部と上記第1混合部との間に位置し、ある一定の時間間隔で上記第1混合部から入力された信号入力を切断するように構成されたスイッチを更に含むことである。
【0031】
本発明の第20基本理念は、上記第18基本理念の装置において、上記漏洩信号が一定時間間隔で測定されることである。
【0032】
本発明の第21基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記入力信号がラジオ周波数(RF)信号であることである。
【0033】
本発明の第22基本理念は、上記第1基本理念の装置において、上記パルス信号部が上記第2混合部にチョッピング信号を供給するように構成されていることである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、漏洩検出器の現在使用されている実装例を示す。
図2図2は、本発明のある実施形態による漏洩検出器の第1実装例を示す。
図3図3は、本発明のある実施形態による漏洩検出器の第2実装例を示す。
図4図4は、本発明のある実施形態による漏洩検出器の第3実装例を示す。
図5図5は、本発明のある実施形態による漏洩検出器の第4実装例を示す。
図6図6は、本発明のある実施形態による漏洩検出器の第5実装例を示す。
図7図7は、本発明のある実施形態による漏洩検出器の第6実装例を示す。
図8図8は、本発明のある実施形態による漏洩検出器の第7実装例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施形態は、普通、特定の回路や装置における高速信号検出に適する。一般的に、所定検出速度の信号対雑音比は、現用の実装より格段に良好である。本発明の実施形態は、局部発振器の漏洩ゼロ化回路に漏洩検出器を通常含むが、周波数合成器内のスプリアス信号を減らすための実装のように、他のアプリケーションにも実現可能だと当業者に理解できよう。
【0036】
本発明の実装は、ラジオ周波数(RF)入力部を終端する期間中に局部発振器(LO)の漏洩を漏洩検出器に直接接続するスイッチを通常用いる。漏洩検出器の信号対雑音比(SNR)は、方向性結合器が使われる実装よりも一般的に優れている。漏洩検出時の間は、受信機は一般的に動作しない。
【0037】
漏洩振幅を変調するのを避けるため、混合器のRFポート(例えば、FLOにおいて)で見るインピーダンスは、漏洩検出と通常のRF変換との間で等しく保たれるべきである。これは、RF減衰器(例えばRF入力振幅が大きい場合)、前置増幅器(例えばRF入力振幅が小さい場合)、又は方向性結合器により確実となる。
【0038】
図2は、チョッパ変調された漏洩検出器である場合における漏洩検出器の第1実装200を示す。この例においては、2つの入力ポート(RF入力ポート202とLO入力ポート204)と、出力信号ポート214にてIF信号等の出力信号を提供する第1混合器212とがある。低周波率のRFスイッチ210又は混合器が低RFチョッピング信号器208によって変調したLO入力信号の複製を第2混合器216が受ける。
【0039】
図示の実装200は、漏洩信号(FLO)の不連続なサンプリングを用いる。つまり、漏洩信号を測定するとき、第1スイッチ206により、RF入力202が終端に切り替えられると共に、漏洩信号が漏洩検出器に切り替えられる。チョッパ信号器208がオンになると、漏洩信号は、第2混合器216によってLO信号の複製と混合される。そして、漏洩信号は、第2混合器216によりチョッパ周波数の狭帯域スペクトルに変換され、その信号がその後ADC220によりデジタル化される。実装200は、漏洩検出での良好なダイナミック・レンジにおいて特によく作用する。
【0040】
LO変調のため、この方法は、スイッチ206を除去し、及び/又は図1の方向性結合器106等の方向性結合器の使用を可能とすることにより、広帯域RF信号又はブロードバンド・ノイズがある状態でLOを抽出することができる。
【0041】
図3は、本発明の実施形態により、包絡線検出を伴うと共にストローブ・パルスで駆動される漏洩検出器の場合の漏洩検出器の第2実装300を示す。この第2実装300は、2つの入力ポート(RF入力ポート302とLO入力ポート304)、出力信号ポート314で中間周波数(IF)信号等の出力信号を供給する第1混合器312、及びチョッパ・スイッチ310を含む点で、図2に示す第1実装200と類似している。
【0042】
しかし、第1実装200とは異なり、ここで示した実装300においては、チョッピング信号器208は、ストローブ・パルス信号器308と置換される。さらに、上述から判るように、実装300は包絡線検出器320を含む。
【0043】
例えば、ストローブ・パルス信号308の幅は、チョッパ・スイッチ310のタイミング条件に、安定した振幅用の保持時間を加えた要件を満足するように設定できる。チョッパ出力スペクトラムは、一般に漏洩信号(FLO)周囲に密集している。もしチョッパ・スイッチ310の立ち上がり時間と立ち下り時間がストローブ・パルス308の幅より格段に速いと、出力スペクトラムは概してsin(x)/xとなる。もしパルス幅がtr+tfよりあまり広くない場合、出力スペクトラムは、立ち上がる余弦に類似する。電力の大部分は、f=1/T (方形パルスの場合)の複数の第1ヌルの間に存在する。なお、Tは、ストローブ・パルス308の幅である。
【0044】
第2混合器316は、スロトーブLO信号と漏洩スイッチ306から受けた漏洩信号とを組合せる。出力スペクトラムは、一般に、DCから1/Tのスペクトラム中にほとんど存在して集まっている。第2混合器316の非直線性により、混合器の出力スペクトラムは、一般に入力スペクトラムと同じ形状ではないが、電力の大部分は、DCからf=1/Tへの帯域幅中に存在する。
【0045】
オプションとしての低域通過フィルタ(LPF)318を用いて、良好なSNRを維持するために、検出器が測定するものを帯域制限できる。その帯域幅は、f=1/T(又は遮断周波数付近)に一般的に設定されるべきであり、またDCエラーを防ぐために、高域通過カットオフが十分に低い周波数でさえあれば、高域通過フィルタ(図示しない)も使用することができる。
【0046】
包絡線検出器320の出力信号が定常状態であるときに、アナログ・デジタル変換器(ADC)322が単一サンプルを得る。この検出器の時定数は、時定数を優先するフィルタより高速である必要はない。事実、この検出器そのものは、低域通過濾波を行う装置である。
【0047】
ある実装では、チョッパ・スイッチ310の立ち上がり時間と立ち下がり時間は、20ナノ秒である。ストローブ・パルス308の幅は60ナノ秒で、検出器の帯域幅は16MHzである。このような実施形態において、漏洩検出の振幅は−90dBm以下で測定され、検出時間の間隔は200ナノ秒以下となる。
【0048】
図4は、本発明のある実施形態により、ADC検出を有しストローブ・パルス駆動される漏洩検出器である場合の漏洩検出器の第3実装400を示す。この第3実装400は、2つの入力ポート(RF入力部ポート402とLO入力ポート404)、出力信号ポート414で出力信号を供給する第1混合器412、漏洩スイッチ406、ストローブ・パルス信号器408、チョッパ・スイッチ410、及び漏洩混合器416を含むという点で、図3に示された第2実装300に類似している。
【0049】
しかし、第2実装300とは異なり、ここで示した実装400においては、包絡線検出器320が取り除かれ、ADC422がLPF418の出力波形をデジタル化する。この例において、ストローブ・パルスに時間的に合わせて配置された唯一のADCサンプルが必要である。しかし、ストローブ・パルス時の期間中に取り込まれる少しのADCサンプルが雑音抑制に有効である。
【0050】
漏洩検出器用混合器416において、スイッチがオン時間中、漏洩(FLO)が両方の入力部に存在する。チョッピングされたLOと漏洩LO信号との位相分離は、一般には、混合結果がゼロに近い出力振幅にならないようにする。
【0051】
図5は、本発明のある実施形態により、ストローブ・パルスで駆動される漏洩検出器が直交検波を用いる場合の漏洩検出器の第4実装500を示す。この第4実装500は、2つの入力ポート(RF入力ポート502とLO入力ポート504)、出力信号ポート514にて出力信号を供給する第1混合器512、漏洩スイッチ506、ストローブ・パルス信号器508、及びチョッパ・スイッチ510を含むという点で、図3図4に夫々示された第2実装300と第3実装400に類似している。
【0052】
しかし、第2実装300及び第3実装400と異なり、ここに示した実装500は、2つの漏洩混合器516及び517と、それぞれ対応するLPF518及び519とを有する。漏洩変換は、2つのチャンネルに分けられ、一方のチャンネルへのLO信号は、他方チャンネルから90度だけ位相シフトしている。さらに、2つのADC522(I)と523(Q)を用いて、それぞれフィルタ518と519からの出力波形をデジタル化する。このように、漏洩変換は、同位相チャンネルと直交チャンネルを用いて実行され、検出された振幅は、一般にそれぞれADC522と523からのI値とQ値の2乗和根となる。
【0053】
いくつかのマイクロ波受信機では、入力スイッチが「通過」位置のときに対して「検出」位置のとき、混合器のRFポートにて適当なインピーダンス整合を期待できない。このような状況において、ストローブ・パルスで駆動される受信機と方向性結合器が統合される。このようにストローブされる受信機は、検出されたノイズ帯域を小さく保ち、結合器は、混合器RFポートでの一定のマッチングを可能とする。
【0054】
図6は、直交用検波器と方向性結合器を用い、ストローブ・パルスで駆動される漏洩検出器の一例を示す。この実装600は、2つの入力ポート(RF入力ポート602とLO入力ポート604)、出力信号ポート614にて出力信号を供給する第1混合器612ストローブ・パルス信号器608、チョッパ・スイッチ610、2つの漏洩混合器616と617、2つのLPF618と619、そして2つのADC622と623を含むという点で、図5に示した第4実装500と類似している。
【0055】
しかし、第4実装500と異なり、ここで示した実装600では、漏洩スイッチ506が除去され、方向性結合器606に置き換わっている。特定の状況、例えば、LPF618と619、又はADC622と623の後段のデジタル・フィルタにおいて漏洩をRF信号から濾波できるように、IFがゼロでないときや十分な分離があるときに、上述の配置が特に有利である。
【0056】
図7は、本発明のある実施形態により、IF経路における漏洩を検出しストローブ・パルスで駆動される漏洩検出器の場合における漏洩検出器の第6実装700を示す。この第6実装700は、2つの入力ポート(RF入力ポート702とLO入力ポート704)、出力信号ポート714に出力信号を供給する第1混合器712、漏洩スイッチ706、ストローブ・パルス信号器708、チョッパ・スイッチ710、2つの漏洩混合器716と717、2つのLPF718と719、そして2つのADC722(I)と723(Q)を含むという点で、図に示す第実装00と類似している。
【0057】
しかし、第実装00とは異なり、漏洩スイッチ706は、回路のIF側(すなわち、第1混合器712の出力側)に位置する。ある状況、例えば、IFの周波数がLO周波数と近いスペクトルを有するとき、上述の配置が特に有利である。例として、RFが漏洩混合器712から切断されるとき、ある時間間隔で漏洩が測定される。この状況は、他のスイッチ707によって達成できる。測定されたものは、混合器ダイオードを駆動するDCバイアス電流の如くLOゼロ化回路(図示しない)に帰還される。
【0058】
図8は、本発明の実施形態による漏洩検出器の第7実装800を示す。この第7実装800は、2つの入力ポート(RF入力ポート802とLO入力ポート804)、出力信号ポート814に出力信号を供給する第1混合器812ストローブ・パルス信号器808、チョッパ・スイッチ810、2つの漏洩混合器816と817、2つのLPF818と819、そして2つのADC822と823を含む点で、図7に示された第6実装700と類似している。


【0059】
しかし、第6実装700と異なり、ここで図示した実装800では、漏洩スイッチ706が除去され、方向性結合器806に置換されている。この実施態様において、漏洩は、常に測定できるが、ある一定の低い周波数又はゼロ付近の周波数においてRF信号から分離できない。しかしこのような状況の中で、例えば、かかる信号が単一又は複数の送信元に存在しない時に、一定の時間間隔で漏洩を測定できる。
【0060】
図示した実施形態に関連して本願発明の原理を説明及び図示したが、図示した実施形態は、かかる原理から逸脱することなく配置や詳細において変更可能であり、任意の所望方法において組み合わせ可能であることが理解できよう。そして、上述の説明は特定の実施形態に焦点を合わせたものであるが、他の構成も可能である。特に、「本発明の実施形態により」などの表現をここで使用したが、これらの文言は一般的な実施形態の可能性を意味するものであり、特定の実施形態の構成に本発明を制限することを意図するものではない。ここに使用されたように、これらの用語は、他の実施形態と組み合わせ可能な同一又は異なる実施形態を参照することもある。
【0061】
したがって、ここに記載した実施形態に対する非常に広範な変更を考慮して、詳細な説明及び付随資料は、例示目的のみを意図するものであって、本発明の範囲を制限するようにとらえられるべきではない。したがって、本発明として権利請求されるものは、以下の請求項の範囲とその精神内に入る全てのかかる変更及びそれらの均等物である。
【符号の説明】
【0062】
200…漏洩検出器
202…RF入力ポート
204…LO入力ポート
206…第1スイッチ
208…チョッピング信号源
210…RFスイッチ
212…第1混合器
214…出力信号ポート
216…第2混合器
218…帯域通過フィルタ
220…ADC
300…漏洩検出器
302…RF入力ポート
304…LO入力ポート
306…漏洩スイッチ
308…ストローブ・パルス信号源
310…チョッパ・スイッチ
312…第1混合器
314…出力信号ポート
316…第2混合器
318…低域通過フィルタ
320…包絡線検波器
322…ADC
400…漏洩検出器
402…RF入力ポート
404…LO入力ポート
406…漏洩スイッチ
408…ストローブ・パルス信号源
410…チョッパ・スイッチ
412…第1混合器
414…出力信号ポート
416…第2混合器
418…低域通過フィルタ
422…ADC
500…漏洩検出器
502…RF入力ポート
504…LO入力ポート
506…漏洩スイッチ
508…ストローブ・パルス信号源
510…チョッパ・スイッチ
512…第1混合器
514…出力信号ポート
516…漏洩混合器
517…漏洩混合器
518…低域通過フィルタ
519…低域通過フィルタ
522…ADC
523…ADC
600…漏洩検出器
602…RF入力ポート
604…LO入力ポート
606…方向性結合器
608…ストローブ・パルス信号源
610…チョッパ・スイッチ
612…第1混合器
614…出力信号ポート
616…漏洩混合器
617…漏洩混合器
618…低域通過フィルタ
619…低域通過フィルタ
622…ADC
623…ADC
700…漏洩検出器
702…RF入力ポート
704…LO入力ポート
706…漏洩スイッチ
707…スイッチ
708…ストローブ・パルス信号源
710…チョッパ・スイッチ
712…第1混合器
714…出力信号ポート
716…漏洩混合器
717…漏洩混合器
718…低域通過フィルタ
719…低域通過フィルタ
722…ADC
723…ADC
800…漏洩検出器
802…RF入力ポート
804…LO入力ポート
806…方向性結合器
808…ストローブ・パルス信号源
810…チョッパ・スイッチ
812…第1混合器
814…出力信号ポート
816…漏洩混合器
817…漏洩混合器
818…低域通過フィルタ
819…低域通過フィルタ
822…ADC
823…ADC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8