(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
偏向ユニット(U;16;116;216)は、一つ以上の光学部品を備えており、測定反射器(M;1;101;102)が傾斜軸の周りを角度αだけ傾斜している場合に、傾斜していない時の測定反射器(M;1;101;102)への垂線(N)に対して角度Θで一回目に入射する光ビーム(SIN)が、偏向ユニット(U;16;116;216)の通過後に、傾斜していない時の測定反射器(M;1;101;102)への垂線(N)に対して角度Θ−2αで二回目に測定反射器(M;1;101;102)に入射するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
偏向ユニット(U;16;116;216)が、回折光学素子として、第一と第二の偏向格子(15.1,15.2;115.1,115.2;215.1a,215.1b,215.2a,215.2b)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
偏向ユニット(U;16;116;216)は、一つ以上の光学部品を備えており、入射平面内において、一回目に測定反射器(M;1;101;102)に入射した光ビーム(SIN)と二回目の反射後に測定反射器(M;1;101;102)から遠ざかるように進行する光ビーム(SOUT)との鏡面対称な結像を行なうように構成されていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の装置。
光源(11;111;211)、透過格子(14;114;214;17;117;217)、偏向ユニット(U;16;116;216)及び検出器配列(18;118;218)が、測定反射器(M;1;101;102)に対向して測定方向(z)に沿って動くように設置された走査ユニット(10;110;210)内に配置されていることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の装置。
透過格子(14;114;214;17;117;217)が、走査ユニット(10;110;210)内において、測定反射器(M;1;101;102)に対して直角の方向を向いた支持部材(19.1,19.2;119.1,119.2;219.1,219.2)に配置されており、
第一の透過格子(14;114;214)が、第一の支持部材(19.1;119.1;219.1)に配置され、
第二の透過格子(17;117;217)が、第二の支持部材(19.2;119.2;219.2)に配置され、
二つの偏向格子(15.1,15.2;115.1,115.2;215.1a,215.1b,215.2a,215.2b)が、平坦な形状に構成された、第一と第二の支持部材(19.1,19.2;119.1,119.2;219.1,219.2)の間に設置された透明な第三の支持部材(19.3;119.3,219.3)の互いに逆側に配置されている、
ことを特徴とする請求項5に、或いは請求項5を引用する請求項6又は7に記載の装置。
第一の透過格子(14)は、更に、そこに入射するコリメートされた光ビームが、第一の方向(x)と測定方向(z)により決まるxz平面内において分散する光ビームに変換されるように構成され、
第一の偏向格子(15.1)は、更に、そこに入射する光ビームが、xz平面内においてコリメートされ、第一の方向(x)とそれに対して直角の第二の方向(y)により決まるxy平面内において偏向され、xy平面内において、偏向ユニット(U;16)内の第一と第二の偏向格子(15.1,15.2)の間の中央に位置する、測定方向(z)に対して平行に延びる直線状の焦点(L)に集束されるように構成され、
第二の偏向格子(15.2)は、更に、そこに入射する光ビームが、xz平面内において偏向されて、xz平面内において集束する光ビームに変換され、xy平面内においてコリメートされるように構成され、
第二の透過格子(17)は、更に、そこに入射する光ビームの中央の光線方向が透過格子(14,17)への垂線に対して平行な方向を向くように構成されている、
ことを特徴とする請求項5に、或いは請求項5を引用する請求項6から9までのいずれか一つに記載の装置。
第一の透過格子(114)は、更に、そこに入射するコリメートされた光ビームが第一の方向(x)と測定方向(z)により決まるxz平面内において、第一の透過格子(114)と測定反射器(M;101)の間に位置する第一の結像点(LB1)に光源(111)を結像して、それにより、xz平面内において分散する光ビームが第一の偏向格子(115.1)に入射するように構成され、
第一の偏向格子(115.1)は、更に、そこに入射する光ビームが、xz平面内においえコリメートされ、第一の方向(x)とそれに対して直角の第二の方向(y)により決まるxy平面内において偏向され、xy平面内において、偏向ユニット(U;116)内の第一と第二の偏向格子(115.1,115.2)の間の中央に位置する、測定方向(z)に対して平行に延びる直線状の焦点に集束されるように構成され、
第二の偏向格子(115.2)は、更に、そこに入射する光ビームが、xz平面内において偏向され、xz平面内において測定反射器(M;101)と第二の透過格子(117)の間の第二の結像点(LB2)に光源(111)を結像し、それにより、xz平面内において分散する光ビームが第二の透過格子(117)に入射して、xy平面内においてコリメートされるように構成され、
第二の透過格子(117)は、更に、それによって、検出器配列(118)の検出平面内での第二の結像点(LB2)の結像が行なわれるように構成されている、
ことを特徴とする請求項5に、或いは請求項5を引用する請求項6から9までのいずれか一つに記載の装置。
第一の透過格子(214)は、それによって、基準光ビーム(R)の分割が行なわれて、この基準光ビームが、第二の透過格子(217)において、二回目に測定反射器(201)に当たった光ビーム(MS)と干渉して重なり合うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
透過格子(14;114;214;17;117;217)及び/又は偏向格子(15.1,15.2;115.1,115.2;215.1a,215.1b,215.2a,215.2b)がブレーズド格子として構成されていることを特徴とする請求項5に、或いは請求項5を引用する請求項6から11までのいずれか一つに記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、少なくとも一つの傾斜軸の周りの測定反射器の傾斜に対して出来る限り感応しない、垂直な測定方向に沿って高精度に位置を計測する装置を実現することである。特に、測定方向に沿って計測するための基準位置が出来る限り垂直の間隔だけに依存して、場合によっては起こる測定反射器の傾斜に依存しないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題は、本発明による請求項1の特徴を有する装置によって解決される。
【0008】
本発明による装置の有利な実施形態は、従属請求項の措置から明らかとなる。
【0009】
本発明による位置計測装置は、光源と、測定方向が測定反射器に対して垂直の方向を向いているとして、少なくとも測定方向に沿って動く平坦な測定反射器と、検出器配列とを備えている。光源から放出された少なくとも一つの光ビームは、測定反射器に当たった後、検出器配列に当たり、そのため、測定反射器が測定方向に沿って動いた場合に、測定反射器の位置に応じた少なくとも一つの信号が得られ、この信号から、所定の基準位置における基準信号を生成することが可能である。この光ビームは、測定反射器に二回当たり、測定反射器との二回の衝突の間に、偏向ユニットを通過し、この偏向ユニットは、一回目の反射後に測定反射器の傾斜により生じる光ビームのビーム方向のずれを二回目の反射後には補正しているように構成されている。
【0010】
この場合、有利には、偏向ユニットは、一つ以上の光学部品を備えており、傾斜していない時の測定反射器への垂線に対して角度Θで初めて入射する光ビームが、測定反射器が傾斜軸の周りに角度αで傾斜している場合に、偏向ユニットを通過した後、傾斜していない時の測定反射器への垂線に対して角度Θ−2αで二回目に測定反射器に入射するように構成されている。この偏向ユニットが、
測定反射器に入射する発散光ビームに対して、集束光学作用を及ぼすか、或いは
測定反射器に入射する集束光ビームに対して、発散光学作用を及ぼす、
一つ以上の光学部品を備えていると規定することができる。
【0011】
この場合、この少なくとも一つの光学部品を屈折又は回折光学素子として構成することが可能である。
【0012】
更に、この偏向ユニットは、回折光学素子として、第一と第二の偏向格子を備えることができる。
【0013】
この偏向ユニットは、一つ以上の光学部品を備えており、入射平面内において、測定反射器に初めて入射した光ビームと二回目の反射後に測定反射器から遠ざかるように進行する光ビームとの鏡面対称の結像が行なわれるように構成することが可能である。
【0014】
有利には、光ビームの光路に沿って、光源と偏向ユニットの間に、第一の透過格子が配置され、偏向ユニットと検出器配列の間に第二の透過格子が配置される。
【0015】
この場合、二つの透過格子、偏向ユニット及び測定反射器は、光ビームが第一と第二の透過格子を通過する間に、第一の透過格子への光ビームの入射方向に対して平行な方向を向く第一の方向に沿って互いに間隔を開けた二つの衝突位置で測定反射器に当たるように、互いに相対的に配置されると規定することができる。
【0016】
更に、光源、透過格子、偏向ユニット及び検出器配列は、測定反射器に対向して測定方向に沿って動くように設置された走査ユニット内に配置することが可能である。
【0017】
更に、これらの透過格子は、走査ユニット内において、測定反射器に対して直角の方向を向いた支持部材に配置することができ、
第一の透過格子が第一の支持部材に配置され、
第二の透過格子が第二の支持部材に配置され、
二つの偏向格子が、板形状に構成された、第一と第二の支持部材の間に設置された透明な第三の支持部材の互いに逆の側面に配置される。
【0018】
更に、光源から放出された光ビームが、第一の透過格子によって、一回目に測定反射器の方向に偏向され、
測定反射器で、偏向ユニットの方向への光ビームの反射が行なわれ、
偏向ユニットによって、光ビームが二回目に測定反射器の方向に偏向され、
測定反射器で、第二の透過格子の方向への光ビームの反射が行なわれ、
第二の透過格子によって、検出器配列の方向への光ビームの偏向が行なわれる、
ことが可能である。
【0019】
この場合、第一の透過格子は、更に、そこに入射するコリメートされた光ビームが、第一の方向と測定方向により決まるxz平面内において分散する光ビームに変換されるように構成され、
第一の偏向格子は、更に、そこに入射する光ビームが、xz平面内においてコリメートされ、第一の方向とそれに対して直角な第二の方向により決まるxy平面内において偏向され、xy平面内において、偏向ユニット内の第一と第二の偏向格子の間の中央に位置する、測定方向に対して平行に延びる直線状の焦点に集束されるように構成され、
第二の偏向格子は、更に、そこに入射する光ビームが、xz平面内において偏向され、xz平面内において集束する光ビームに変換され、xy平面内においてコリメートされるように構成され、
第二の透過格子は、更に、そこに入射する光ビームの中央の光線方向が、この透過格子への垂線に対して平行な方向を向くように構成される、
と規定することができる。
【0020】
また、第一の透過格子は、更に、そこに入射するコリメートされた光ビームが、第一の方向と測定方向により決まるxz平面内において、第一の透過格子と測定反射器の間に位置する第一の結像点に光源を結像し、それにより、xz平面内において分散する光ビームが第一の偏向格子に入射するように構成され、
第一の偏向格子は、更に、そこに入射する光ビームが、xz平面内においてコリメートされ、第一の方向とそれに対して直角な第二の方向により決まるxy平面内において偏向され、xy平面内において、偏向ユニット内の第一と第二の偏向格子の間の中央に位置する、測定方向に対して平行に延びる直線状の焦点に集束されるように構成され、
第二の偏向格子は、更に、そこに入射する光ビームが、xz平面内において偏向され、xz平面内において、測定反射器と第二の透過格子の間に位置する第二の結像点に光源を結像し、それにより、xz平面内において分散する光ビームが第二の偏向格子に入射し、xy平面内において、コリメートされるように構成され、
第二の透過格子は、更に、それによって、検出器配列の検出面内における第二の結像点への結像が行なわれるように構成される、
ことが可能である。
【0021】
第一の透過格子は、更に、それによって、基準光ビームの分割が行なわれ、この基準光ビームが、第二の透過格子で、二回目に測定反射器に当たった光ビームと干渉して重なり合うように構成されることが可能である。
【0022】
これらの透過格子及び/又は偏向格子は、ブレーズド格子として構成することができる。
【0023】
本発明による解法の主な利点として、少なくとも一つの傾斜軸の周りの測定反射器の傾斜に対する高い不感応性が得られる。それにより、位置計測時又は基準信号生成時の誤差を確実に防止できる。更に、別の措置によって、別の傾斜軸の周りの傾斜に対する位置計測の不感応性も確保されると保証できる。
【0024】
以下における本発明による装置の実施例の図面と関連した記述に基づき、本発明の更なる詳細及び利点を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下において、
図1a〜1c、2a〜2c、3及び4a〜4cに基づき、本発明による位置計測装置の第一の実施例とその様々な基本的な特徴を詳しく説明する。
図1aと1bは、それぞれこの実施例の光路の異なる視点からの模式図を図示し、
図1cは、所定の幾何学的な関係を説明するための模式的な部分光路図を図示し、
図2a〜2cは、それぞれ本装置の支持部材とそこに配置された透過格子の平面図を図示している。
図3には、前記の図面の装置における基準信号S
Rを生成するための回路構成が図示され、
図4a〜4cには、基準信号の生成形態を説明するための異なる信号図が図示されている。
【0027】
見易くするために、既に冒頭で述べた本出願人のドイツ特許公開第102013203211号明細書で提案されている通りの増分走査信号を干渉により生成する光路は、これらの図面にはそれぞれ図示されていない。従って、以下では、専ら本発明による基準信号S
Rの生成形態を説明する。そして、ドイツ特許公開第102013203211号明細書により生成された高分解能の増分走査信号を用いて、周知の手法で基準信号を計算することができる。
【0028】
本発明による装置は、平坦な測定反射器1と、図示された実施例では、模式的に表示された走査ユニット10内に配置された一連の別の部品11〜19.3とを備えている。この平坦な測定反射器1は、第一の方向xとそれに対して直角の第二の方向yに沿って平面内を延びている。以下において、この平面を測定反射器の設置面又はxy平面とも称する。このxy平面は、
図1aでは、図の面、即ち、xz平面に対して直角の方向を向き、
図1bでは、測定反射器1の設置面は、図の面、即ち、xy平面に対して平行な方向を向いている。
【0029】
図示された実施例では、光源11、コリメータレンズ12、ガラスプレート13、検出器配列18及び所定の光学作用を有する二つの透過格子14,17と偏向ユニット16の二つの偏向格子15.1,15.2を配置した三つの支持部材19.1〜19.3が、走査ユニット10内に配備された構成要素11〜19.3に属し、以下において、これらを更に詳しく説明する。
【0030】
平坦な測定反射器1は、走査ユニット10に対して、或いはそれ以外の構成要素11〜19.3の中の少なくとも一部に対して、少なくとも垂直な測定方向に沿って動くように配置されている。この垂直な測定方向は、平坦な測定反射器1又はそのxy設置面に対して直角の方向を向くとともに、図面では、それぞれ座標zで表され、ここでは、以下において、測定方向zとも称する。例えば、一方の測定反射器1と他方の走査ユニット10は、図面に図示されていない、特に、測定方向zに沿って互いに動く機械部品と連結することができる。測定反射器1が走査ユニット10に対して相対的に動いた場合、本発明による位置計測装置によって、測定方向zに沿った測定反射器1の位置に応じた少なくとも一つの信号が生成される。次に、そのようにして生成された信号から、測定方向zに沿った所定の基準位置z
Rにおける基準信号S
Rを生成又は導き出すことができ、この信号は、その後に配置された、図示されていない機械制御部によって、例えば、生成された増分走査信号等と共に計算される形で、更に処理される。
【0031】
本発明の範囲内には、全ての構成要素11〜19.3を共通の走査ユニット10内に配置する代わりに、例えば、光源1及び/又は検出器配列18を走査ユニット10から空間的に分離して配置し、これらをそれぞれ光ファイバを介して走査ユニット10と接続するように配備することもできる。それは、例えば、測定場所での光源からの熱の侵入が望ましくない場合又は測定場所での影響によって、検出器配列が出来る限り妨害されないようにしたい場合に有利である。
【0032】
以下において、本発明による装置の第一の実施例で規定される基準信号S
Rを生成するための走査光路を詳しく説明する。
【0033】
例えば、点状又はほぼ点状の半導体レーザ又はLEDとして構成された光源11は、光ビームを放出し、その光ビームは、コリメータレンズ12によりコリメートされる。このコリメートされた光ビームは、光路内に45°で配置されたガラスプレート13の後側での反射により、第一の透過格子14の方向に偏向される。この第一の透過格子14は、透明なガラスプレートとして構成された、測定反射器1に対して直角又はxy平面に対して直角に設置された第一の支持部材19.1に配置されている。そのため、
図1aでは、第一の支持部材19.1は、図の面に対して直角にyz平面内を延びている。この第一の透過格子14は、そこに入射するコリメートされた光ビームに異なる光学作用を及ぼし、それに適した形で構成されている。即ち、一方では、光ビームが一回目に測定反射器1の方向に偏向されるように光ビームを偏向させる作用を及ぼす。この偏向は、
図1aから明らかな通り、xz平面内において行なわれる。他方では、第一の透過格子14は、負の焦点距離の円筒レンズ機能を有し、そのため、入射するコリメートされた光ビームは、xz平面内にのみ分散するが、
図1bの通り、xy平面内において依然としてコリメートされた形で更に進行する光ビームに変換される。
【0034】
これらの異なる光学機能は、単一の透過格子内において、個々の光学機能の位相関数の合算によって組み合わせることができ、そのため、個々の位相関数を重ね合わせた第一の透過格子14の全体の格子位相関数が得られる。二進格子構造として実現した場合、この重ね合わせた全体の格子位相関数は二進化され、それにより、第一の透過格子14の格子フレームの位置と形状が決定される。有利には、第一の透過格子14は、望ましくない回折次数を最小化するブレーズド格子として構成され、それは、例えば、第一の透過格子14により起因する、xz平面内において正のz方向に展開する回折次数である。
【0035】
次に、第一の透過格子14により前述した通りの影響を受けた部分的に分散する光ビームは、一回目に測定反射器1上の第一の衝突位置A1に到達し、そこから走査ユニット10の方向又は偏向ユニット16の第一の偏向格子15.1の方向に反射される。この場合、第一の偏向格子15.1は、同じく透過格子として構成され、走査ユニット10内の第三の透過部材19.3の第一の側に配置されており、この第三の透過部材19.3は、第一の支持部材19.1と同様に、yz平面内を測定反射器1に対して直角に延びる透明なガラスプレートとして構成されている。
【0036】
透過格子として構成された第一の偏向格子15.1は、そこに入射する光ビームに異なる所定の光学作用を及ぼし、ここでは、同じく所定の円筒レンズ作用を有する。即ち、更に、入射する光ビームが、第三の支持部材19.3の反対の第二の側に配置された、同じく透過格子として構成された、偏向ユニット16の第二の偏向格子15.2の方向に偏向される結果となる。この場合、
図1aから明らかな通り、xz平面内において光ビームのコリメートが行なわれる。更に、
図1bの通り、それに対応した第一の偏向格子15.1の構成のために、xy平面内において偏向する結果と第三の支持部材19.3の反対の第二の側での反射後にxy平面内において直線状の焦点に集束する結果となる。この直線状の焦点Lは、第三の支持部材19.3の中央に位置し、測定方向zに対して平行に延びている。
【0037】
次に、この直線状の焦点Lから、光ビームは、
図1bから明らかな通り、xy平面内を直線状の焦点Lに対して点対称の形で第二の偏向格子15.2の方向に更に進行する。それは、第三の支持部材19.3の第一の側での反射後に、xy平面内において再び分散する光ビームが第二の偏向格子15.2に当たることを意味する。この偏向格子15.2は、第一の偏向格子15.1と反対に第三の支持部材19.3の第二の側に配置されるとともに、光学機能において、xz平面に関して鏡面対称であるが、
図2bなどの各平面図における偏向ユニット16の第一の偏向格子15.1と同じ形に構成されている。そのため、第二の偏向格子15.2は、その円筒レンズ機能により、ここでは、
図1aの通り、一方では光ビームが二回目に測定反射器1の方向に偏向されるように、そこに入射する光ビームを偏向させる作用を有する。即ち、一方では、xz平面内において偏向させる結果となる。他方では、光ビームが、更に、
図1aから明らかな通り、xz平面内において第二の偏向格子15.2によって集束する光ビームに変換されて、
図1bの通り、xy平面内においてコリメートされる。
【0038】
測定反射器1に二回目に当たった後、それに対応する影響を受けた光ビームが、最終的に、x方向において第一の衝突位置A1から間隔を開けた第二の衝突位置A2で、第二の支持部材19.2に配置された第二の透過格子17に当たる。この第二の支持部材19.2は、又もやそれ以外の二つの支持部材19.1,19.3と同様に構成されている。この第二の透過格子17によって、そこに入射する光ビームをその後に配置された検出器配列18の方向に偏向する作用と、そこに入射する光ビームの中央の光線方向を通過した透過格子14,17及び偏向格子15.1,15.2への垂線に対して平行な方向に向ける作用とが得られる。
【0039】
二つの偏向格子15.1,15.2と第二の透過格子17は、その他の点において、第一の透過格子14と同様に、ブレーズド格子として構成することができる。
【0040】
ここで説明した光路に基づく、本発明による装置の基本的な作用原理は、以下の通り説明することができる。即ち、それに代わる光路図において、
図1aに図示されている通り、光線の進路において、第一の透過格子14の前に位置する仮想的な光源11’から出発することができる。
図1aでは、xz平面内において、仮想的な光源11’から分散する光ビームが広がって行く。このxz平面内において、仮想的な光源11’は、二つの偏向格子15.1,15.2の前述した光ビームに対する円筒レンズ作用のために、検出器配列18又はその検出平面内に結像される。この場合、光ビームは、第一の偏向格子15.1に当たる前に、一回目に衝突位置A1に当たり、第二の偏向格子15.2を通過した後、衝突位置A2で二回目に測定反射器1に当たる。共通の支持部材19.3上の二つの偏向格子15.1,15.2の組み合わせに向かって進行し、そこから再び更に進行する全ての光ビームは、測定反射器1によって誘導される。従って、測定反射器1は、偏向格子15.1と15.2の像を定義し、この像の所に、これらの偏向格子が外見上位置付けられる。測定反射器1が測定方向zに沿って大きさΔzだけずれた場合、この像は、大きさ2・Δzだけずれる。それは、偏向格子15.1,15.2で生じる円筒レンズ作用が大きさ2・Δzだけずれ、それに対応して、仮想的な光源11’が、測定方向zに沿って大きさ4・Δzだけずれた形で検出器配列18上に結像されることを意味する。
【0041】
以下において、
図3と4a〜4dに基づき、そのようにして検出器配列18により検出された信号から基準信号を生成する形態を説明する。
【0042】
この実施例では、検出器配列は、測定方向zに並んで配置された、信号S1,S2を提供する二つの検出素子を備えており、これらの信号の基準位置の領域における推移が、
図4aに図示されている。これら二つの信号S1,S2から、引算素子21.1によって、差分信号ΔSが生成され、加算素子21.2によって、合算信号ΣSが生成される。この差分信号ΔSと合算信号ΣSの推移が
図4bと4dに図示されている。この合算信号ΣSは、
図4dから明らかな通り、測定反射器が測定領域の一部内でのみz方向にずれても、ほぼ一定である。この部分領域内では、合算信号ΣSは大きく、基準レベルとしての役割を果たす。
【0043】
この差分信号ΔSは、この信号と、それぞれ合算信号ΣSから分圧器により得られる僅かに異なる閾値S
C1又はS
C2とを比較する二つの比較段23.1,23.2に並列的に供給される。これらの異なる閾値S
C1とS
C2によって、それに対応する二つの比較段23.1,23.2の切換位置x1とx2が、僅かに互いにずれる。比較段の出力に得られる方形信号A,BのXOR素子24によるXOR演算は、
図4cに図示された信号Cを提供し、
図3の下の部分に、それに対応するXOR素子24の論理表が図示されている。
【0044】
図3では、この合算信号ΣSが、別の比較段23.3に供給され、そこで閾値S
C2と比較されている。最終的に、この比較段23.3の出力には、
図4dに図示された方形信号Dが得られる。
【0045】
次に、そのようにして生成された信号CとDは、最終的に、AND素子25に供給され、その素子の出力には、それに対応する論理演算後に、
図4eに図示された基準信号Eが得られ、AND素子25に関しても、
図3の下の部分に、それに対応する論理表が図示されている。
【0046】
出力された基準信号Eの位置及び幅は、二つの閾値S
C1とS
C2の電気的な設定によって、広い限界内で選定することができる。増分走査信号の信号周期と一致する幅x2−x1が有利である。それは、測定方向zにおける測定反射器1のシフト範囲内の基準信号Eが、増分走査信号の信号周期の幅の基準値を表すことを意味する。それによって、増分走査の信号周期の基準を一義的に設定することができ、例えば、増分カウンタの値が、その位置でゼロに設定される。
【0047】
ここで、本発明による装置によって、特に有利には、測定精度に対する測定反射器1の傾斜の影響を最小化することができる。そのような傾斜は、例えば、各用途での構成時に取付許容範囲を遵守できなかったために起こる場合が有る。
【0048】
本発明による装置において、一方では、光ビームが選定された光路案内形態のために二回測定反射器1に当たることによって、第一の方向yの周りの測定反射器1の傾斜に対する不感応性が保証され、他方では、好適に構成された偏向ユニット16が、一回目の反射後に測定反射器の傾斜により生じる光ビームの光線方向のずれを二回目の反射後には補正していることを保証している。更に、測定反射器1が、y方向に延びる傾斜軸の周りを傾斜している場合に検出器配列に当たる光ビームの起こり得るずれが最小化される。これに関しては、この関係を図解している
図1cを参照されたい。
【0049】
図1cには、本発明による装置の測定反射器Mがy軸に関して角度αだけ傾斜している位置で図示されており、傾斜していない時の測定反射器Mの標準位置が一点鎖線で表示されている。測定反射器Mに入射する分散光ビーム、或いは場合によっては、部分分散光ビームS
IN又はその側方の境界を画定する境界光線S
L,S
R、並びに測定反射器Mでの一回目の反射が図示されている。詳しくは図示されていない偏向ユニットUを通る光ビームの進行形態と、測定反射器Mでの光ビームの二回目の反射及び最終的に測定反射器から遠ざかるように進行する集束光ビーム、或いは場合によっては、部分集束光ビームS
OUTが単に模式的に図示されている。
【0050】
図1cから明らかな通り、分散する光ビームS
INの左側の境界光線S
Lが、傾斜している測定反射器に、垂線Nに対して角度Θ
1で入射し、右側の境界光線S
Rが角度Θ
1’で入射している。この場合、垂線Nは傾斜していない時の測定反射器Mに対して垂直である。測定反射器Mでの入射した光ビームS
INの一回目の反射後に、反射された境界光線S
L,S
Rが角度Θ
1+2α又はΘ
1’+2αで偏向ユニットUの方向に進行する。従って、この入射した光ビームS
INは、測定反射器の傾斜によって、一回目の反射後に、測定反射器Mが傾斜していない場合と比べて光線方向のずれ2αを受ける。
図1cに図示されている通り、ここで、偏向ユニットUは、この光線方向のずれを測定反射器Mでの光ビームの二回目の反射後には補正しているように構成されている。この場合、それに対応する偏向ユニットUの光学的な設計によって、光ビームの左側の境界光線S
Lが、偏向ユニットUの通過後に傾斜している測定反射器Mに、垂線Nに対して角度Θ
1−2αで入射し、右側の境界光線S
Rが角度Θ
1’−2αで入射することが保証されている。そのため、偏向ユニットUによって、入射平面内において、一回目に測定反射器Mに入射した光ビームS
INと二回目の反射後に測定反射器Mから遠ざかるように進行する、或いは出て行く光ビームS
OUTとの鏡面対称の結像が実現されている。
【0051】
そのような偏向ユニットUの機能は、入射する分散(集束)光ビームをyz平面に対して鏡面対称又はほぼ鏡面対称に回転中心点Pを通って出て行く出射する集束(分散)光ビームに変換する、y方向における一つ以上の円筒レンズを用いた結像によって得られる。
図1aでは、この結像は、有利には、同じ焦点距離を有し、x方向において測定反射器1の回転中心点Pに対して対称的に配置された偏向格子15.1と15.2のy方向における二つの円筒レンズ機能によって実現されている。この場合、仮想的な光源11’が第一の円筒レンズの焦点平面に存在しなければならない。ここで、測定反射器1の回転中心点Pは、本発明による位置計測装置の有効測定点として定義され、この点では、測定反射器1の傾斜が線形近似で基準信号のずれを生じさせない。測定反射器1の傾斜が小さい場合でも、増分信号に対する基準信号の正確な対応付けが維持されるためには、この有効測定点は、図示されていない増分走査の有効測定点と一致すべきである。この有効測定点又は回転中心点Pは、有利には、測定反射器1上の光ビームの二つの衝突位置A1とA2の間の中央に位置するように選定される。そのように偏向ユニットUを設計した場合、境界光線S
LとS
Rが、前述した通り、垂線Nに対して角度Θ
1−2α又はΘ
1’−2αで出射する。
【0052】
従って、測定反射器Mでの光ビームの二回目の反射後、光ビームS
OUT又はその限界を画定する境界光線S
L,S
Rは、傾斜している測定反射器Mから角度Θ
1又はΘ
1’で、ここでは図示されていない第二の透過格子の方向に出て行き、そのため、光ビームS
OUTの境界光線S
L,S
Rは、入射した光ビームS
INの境界光線S
L,S
Rと同じ方向となる。従って、測定反射器Mとの二回の衝突と偏向ユニットUの好適な構成によって、y方向に対して平行な軸の周りの測定反射器Mの傾斜に起因する測定誤差を防止する、或いは少なくとも最小化することができ、さもなければ、その結果傾斜により生じる位相シフトのために測定誤差が起こる。
【0053】
図1cに単に模式的に図示された、それに必要な偏向ユニットUは、基本的に異なる手法で実現することができ、そのために、又もや屈折又は回折光学素子として構成することが可能な一つ以上の好適に設計された光学部品を備えている。この場合、
図1cの例では、詳しく図示されていない偏向ユニットUの光学部品は、測定反射器Mに入射する分散光ビームS
INに対して集束作用を及ぼす。
図1cから明らかな通り、二回目の反射後に測定反射器Mから出て行く光ビームS
OUTは、集束して行き、それと逆に、偏向ユニットの相応の設計によって、入射する集束光ビームが測定反射器での二回目の反射後に分散して更に進むことも可能である。当然のことながら、同様の考えは、単に部分的に分散する、或いは部分的に集束する入射光ビーム及びその入射光ビームの部分的に集束する、或いは部分的に分散する出射光ビームへの変換に対しても適用できる。
【0054】
ここで説明した
図1a,1bの第一の実施例では、偏向ユニット16は、それに対応した回折光学素子として、それぞれ前述した光学機能を有する透過格子として構成された二つの偏向格子15.1,15.2を備えている。
【0055】
それに代わって、偏向ユニットは、当然のことながら、通過する光ビームに対して相応の補正作用を及ぼす、それ以外の光学素子を更に備えることもできる。即ち、偏向ユニット内の好適な屈折光学素子として、例えば、分散する光ビームが入射する場合には、凸レンズを使用し、或いは集束する光ビームが入射する場合には、凹レンズを使用することができる。同様に、それぞれ好適に設計されたチャープ透過格子を使用すること、及びそのような光学素子を組み合せることが可能である。
【0056】
更に、y方向に対して平行な傾斜軸の周りの傾斜に対する感度を前述した通り低減する以外に、偏向ユニット16の好適な構成によって、第二の方向xの周りの測定反射器の傾斜に対する不感応性を保証することも可能である。そのためには、第一の実施例において、例えば、
図1bから明らかな通り、第一の偏向格子15.1によって、そこに入射する光ビームのxy平面内における集束及びその平面内における第二の偏向格子15.2による再コリメートが行なわれると規定する。従って、偏向ユニット16内における第一と第二の偏向格子15.1,15.2のそれに対応する構成によって、更に、x方向に延びる傾斜軸の周りの測定反射器1の場合によっては起こる傾斜時に、検出器配列18に当たる光ビームが殆どy方向に沿ってずれないことが保証される。そのため、そのような測定反射器1の線形的な次数での傾斜時でも、生成された基準信号S
Rは影響を受けない。従って、偏向ユニット16の相応の設計によって、別の傾斜軸に関する傾斜感度も最小化することができる。
【0057】
本発明による基準信号を生成するために規定された走査が、図面に図示されていない、増分信号を生成するための走査と同じ有効測定点をxy平面内に有する場合、x又はy方向の周りの測定反射器の場合によっては起こる傾斜に関して、更に有利であることが分かっている。この場合、xy平面内における両方の走査の有効測定点は、有利には、基準信号を生成するための光ビームの二つの衝突位置A1とA2の間の中央に位置する。それによって、測定反射器が傾斜している場合に生成された増分信号に対する基準信号S
Rの場合によっては起こるずれを防止することができ、さもなければ、そのずれは、位置計測時に誤差を発生させる可能性が有る。
【0058】
以下において、
図5aと5bに基づき、本発明による装置の第二の実施構成を説明する。第一の実施例と同様に、これら二つの図は、それぞれ基準信号を生成するための光路の模式的な図面を異なる視点から図示している。以下では、第一の実施例との主な相違点だけを説明する。
【0059】
ここでは、特に、偏向ユニット116の二つの通過する透過格子114,117と偏向格子115.1,115.2の第一の実施例と異なる構成を規定している。第一の実施例では、使用する第一の透過格子が負の焦点距離の円筒レンズ機能を有する一方、ここでは、光路内の第一の透過格子114に、正の焦点距離の円筒レンズ機能が付与されている。それによって、光源111は、第一の透過格子114によって、第一の透過格子114と第三の支持部材119.3の間に位置する第一の結像点LB1に結像される。この第一の結像点LB1から、分散する光ビームが、測定反射器101上の第一の衝突位置A1を通って第三の支持部材119.3の方向に進行する。この支持部材の第一の透過格子114の方を向いた側には、第一の偏向格子115.1が配置されており、この偏向格子は、又もや光ビームをxz平面内においてコリメートするが、xy平面内において、直線状の焦点Lに集束させる、xz平面内における円筒レンズ機能を有する。この円筒レンズ機能に関して、それに対応して、第一の偏向格子115.1の焦点距離は、第一の実施構成よりも短くしなければならない。光源111は、第二の偏向格子115.2によって、直線状の焦点Lと対称的に、第二の偏向格子115.2と第二の透過格子117の間に位置する第二の結像点LB2に結像される。この第二の透過格子117は、最終的に検出器配列118上の第二の結像点LB2に結像させる。第三の支持部材119.3の直ぐ近くの結像点LB1とLB2の位置によって、光ビームの明らかに広い分散角を、そのため、明らかに大きな口径を実現することができる。光ビームの口径が大きくなったことに対応して、信号S1とS2のエッジの急峻度も大きくなるので、この実施構成を用いて、幅の一層狭い基準信号を実現することが可能である。それは、特に、増分信号の信号周期が短い場合に高い分解能を必要とするとともに、本発明により生成した基準信号S
Rの幅をその短い信号周期に一致させたい場合に有利である。
【0060】
次に、基準信号を生成するための光路の模式的な図面を図示した
図6に基づき、本発明による装置の第三の実施構成を説明する。以下では、又もや前記の実施例との主な相違点だけを説明する。
【0061】
ここで、本発明による装置の第三の実施例では、基準信号S
Rを干渉により生成すると規定し、そのために、透過格子として、所謂チャープ格子、即ち、符号214,215.1a,215.1b,215.2a,215.2b及び217で示した格子を使用している。そのような基準信号の生成形態の詳細に関しては、本出願人の特許文献2と3を参照して理解されたい。この場合、チャープ格子を使用することによって、基準信号S
Rに関する特に高い空間分解能、即ち、基準信号S
Rの非常に狭い幅が実現可能である。
【0062】
それぞれ通過する透過格子の光学結像特性に基づく前記の両方の実施例と異なり、第三の実施例では、光源211とコリメータレンズ212から第一の透過格子214に入射する光ビームが、測定光ビームMSと基準光ビームRに分割されて、これらの光ビームが、干渉により基準信号を生成するために使用される。
【0063】
この場合、第一の透過格子214は、光学的な分割機能の外に、前記の実施例と同様に、更に、分割された測定及び基準光ビームMS,Rに対する円筒レンズ機能を有する。この場合、
図6に図示されている実施例では、第一の透過格子214は、正の焦点距離と負の焦点距離、即ち、測定光ビームMSのための正の焦点距離と基準光ビームRのための負の焦点距離とを有する。基本的に、その逆の対応付けも可能である。
【0064】
中央の第三の支持部材219.3上には、測定光ビームMSと基準光ビームRのために、それぞれ各光ビームMS,Rをxz平面内において再びコリメートする第一の偏向格子215.1a,215.1bと第二の偏向格子215.2a,215.2bが偏向ユニット216内に有る。ここには図示されていないが、基本的に前記の両方の実施例と同様に、ここでも又もや測定及び基準光ビームMS,Rをyz平面内に集束させ、それにより、x方向に対して平行な方向を向く傾斜軸の周りの傾斜の補正を保証することも可能である。
【0065】
この第三の支持部材219.3を通過した後、測定及び基準光ビームMS,Rが第二の透過格子217上で重なり合うまでのxz平面内における測定及び基準光ビームMS,Rの鏡面対称な光線の推移が得られる。ここでは、第二の透過格子217が、結合格子として機能し、二つの光ビームMS,Rを再びコリメートして、+1と−1の回折次数で干渉させている。
【0066】
+/−1次の回折次数を使用する代わりに、0と2次の二つの信号を生成して、これらの信号を基準信号として更に処理することもできる。
【0067】
この実施例で使用した測定方式は、冒頭で述べたドイツ特許公開第102013203211号明細書に詳しく記載されている通り、増分信号を生成する測定方式と同じである。透過格子214,215.1a,215.1b,215.2a,215.2bのチャープ構造は、共通のゼロ又は基準位置に対して信号周期が連続的に分布する増分走査の重ね合わせ形態と同様に作用する。この共通のゼロ位置以外では、信号の変調が大きく減衰され、そのため、そのような信号は、基準信号として使用することができる。
【0068】
当然のことながら、ここで説明した実施例以外に、更に別の実施形態も本発明の範囲内にある。