(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6526729
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】希土類酸化物系モノリシックチャンバ材料
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20190527BHJP
C04B 41/87 20060101ALI20190527BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
C04B41/87 E
C23C16/44 Z
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-28677(P2017-28677)
(22)【出願日】2017年2月20日
(62)【分割の表示】特願2016-553275(P2016-553275)の分割
【原出願日】2014年11月11日
(65)【公開番号】特開2017-143271(P2017-143271A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年10月10日
(31)【優先権主張番号】61/903,215
(32)【優先日】2013年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/531,785
(32)【優先日】2014年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】サン ジェニファー ワイ
(72)【発明者】
【氏名】カヌンゴ ビラジャ ピー
【審査官】
長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】
特表2016−537298(JP,A)
【文献】
特開2008−273823(JP,A)
【文献】
特表2010−535288(JP,A)
【文献】
特表2012−508467(JP,A)
【文献】
特開2009−035469(JP,A)
【文献】
特開2004−332081(JP,A)
【文献】
特開2005−335990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205、21/302、21/3065、21/31、
21/365、21/461、21/469、21/86、
C04B 35/00−35/22、35/42−35/51、
35/547−35/632、41/80−41/91、
C23C 14/00−16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、
本体と、
本体の少なくとも1つの表面上の耐プラズマ性セラミックスコーティングとを含み、耐プラズマ性セラミックスコーティングは、30モル%〜60モル%の濃度のY2O3と、30モル%超〜60モル%の濃度のEr2O3と、0モル%超〜30モル%の濃度のZrO2、Gd2O3、又はSiO2のうちの少なくとも1つとを含む物品。
【請求項2】
物品は、チャック、蓋、ノズル、ガス分配板、シャワーヘッド、静電チャックコンポーネント、及び処理キットリングからなる群より選択されるチャンバコンポーネントを含む、請求項1記載の物品。
【請求項3】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、最大10モル%の濃度のZrO2、最大10モル%の濃度のGd2O3、又は最大30モル%の濃度のSiO2のうちの少なくとも1つを含む固溶体を含む、請求項1記載の物品。
【請求項4】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、プラズマ溶射コーティングである、請求項1記載の物品。
【請求項5】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、イオンアシスト蒸着によって堆積されたものである、請求項1記載の物品。
【請求項6】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、40モル%の濃度のY2O3と、5モル%の濃度のZrO2と、35モル%の濃度のEr2O3と、5モル%の濃度のGd2O3と、15モル%の濃度のSiO2を含む、請求項1記載の物品。
【請求項7】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、45モル%の濃度のY2O3と、5モル%の濃度のZrO2と、35モル%の濃度のEr2O3と、10モル%の濃度のGd2O3と、5モル%の濃度のSiO2を含む、請求項1記載の物品。
【請求項8】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、40モル%の濃度のY2O3と、5モル%の濃度のZrO2と、40モル%の濃度のEr2O3と、7モル%の濃度のGd2O3と、8モル%の濃度のSiO2を含む、請求項1記載の物品。
【請求項9】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、37モル%の濃度のY2O3と、8モル%の濃度のZrO2と、55モル%の濃度のEr2O3を含む、請求項1記載の物品。
【請求項10】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、40モル%の濃度のY2O3と、10モル%の濃度のZrO2と、30モル%の濃度のEr2O3と、20モル%の濃度のGd2O3を含む、請求項1記載の物品。
【請求項11】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、5モル%〜30モル%の濃度のGd2O3、又はSiO2のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載の物品。
【請求項12】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、5〜30モル%の濃度のZrO2を含む、請求項1記載の物品。
【請求項13】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、30〜55モル%の濃度のEr2O3を含む、請求項1記載の物品。
【請求項14】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、5〜10モル%の濃度の、又は0モル%超〜5モル%の濃度のZrO2を含む、請求項1記載の物品。
【請求項15】
耐プラズマ性セラミックスコーティングは、37〜45モル%の濃度のY2O3を含む、請求項1記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して、耐プラズマ性希土類酸化物材料に関し、特に、耐プラズ
マ性希土類酸化物材料から形成された固体焼結セラミックス物品に関する。
【0002】
半導体産業では、ますます減少するサイズの構造を作る多くの製造プロセスによって、
デバイスは製造される。いくつかの製造プロセス(例えば、プラズマエッチングプロセス
やプラズマ洗浄プロセス)は、基板をエッチング又は洗浄するためにプラズマの高速流に
基板を曝露させる。プラズマは非常に腐食性があり、プラズマに曝露される処理チャンバ
及び他の表面を腐食する可能性がある。この腐食は、デバイスの欠陥に寄与する、処理さ
れている基板をしばしば汚染する粒子を生成する場合がある。また、腐食は、チャンバコ
ンポーネントからの金属原子に、処理された基板(例えば、処理されたウェハ)を汚染さ
せる可能性がある。
【0003】
デバイスの幾何学形状が縮小するにつれて、欠陥及び金属汚染への感受性は増加し、粒
子汚染の要件及び金属汚染物質の要件はより厳しくなる。したがって、デバイスの幾何学
的形状が縮小するにつれて、粒子欠陥及び金属汚染の許容レベルは低下する可能性がある
。プラズマエッチングプロセス及び/又はプラズマ洗浄プロセスによって導入される粒子
欠陥及び金属汚染を最小限にするために、プラズマに耐性のあるチャンバ材料が開発され
ている。このような耐プラズマ性材料の例は、Al
2O
3、AlN、SiC、及びY
2O
3で構成されるセラミックスを含む。しかしながら、これらのセラミックス材料の耐プラ
ズマ性は、いくつかのアプリケーションに対しては不十分である可能性がある。例えば、
従来のセラミックス製造プロセスを使用して製造された耐プラズマ性セラミックス蓋及び
/又はノズルは、クリティカルディメンジョンが90nm以下である半導体デバイスのプ
ラズマエッチングプロセスで使用された場合、粒子欠陥の許容できないレベルを生む可能
性がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明は、添付図面の図の中で、限定としてではなく、例として示され、同様の参照符
号は同様の要素を示す。この開示における「一」又は「1つの」実施形態への異なる参照
は、必ずしも同じ実施形態への参照ではなく、そのような参照は、少なくとも1つを意味
することに留意すべきである。
【
図1】本明細書の実施形態で提供されるセラミックス材料を使用して作成された固体焼結セラミックス物品である1以上のチャンバコンポーネントを有する半導体処理チャンバの断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る固体焼結セラミックス物品を形成するためのプロセスを示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る、2200ワットのバイアス電力の下で生成されたプラズマに対する様々な固体焼結セラミックス物品の耐スパッタリング性を示す。
【
図4】本発明の実施形態に係る、N
2/H
2化学を用いて生成されたプラズマに対する様々な固体焼結セラミックス物品の耐浸食性を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る、CHF
4/CF
4化学を用いて生成されたプラズマに対する様々な固体焼結セラミックス物品の耐浸食性を示す。
【
図6A】本発明の実施形態に係る、N
2/H
2の化学を用いて生成されたプラズマに対する様々な固体焼結セラミックス物品の耐浸食性を示す図である。
【
図6B】様々なバルク焼結セラミックス物品に対するエッチング前及びエッチング後の粗さを示す図である。
【0005】
本発明の実施形態は、新たな焼結セラミックス材料及びこれらの新しい焼結セラミック
ス材料を製造する方法に向けられている。実施形態では、焼結セラミックス材料は、約3
0モル%〜約60モル%の濃度のY
2O
3と、約20モル%〜約60モル%の濃度のEr
2O
3と、約0モル%〜約30モル%の濃度のZrO
2、Gd
2O
3、又はSiO
2のう
ちの少なくとも1つとを含む固溶体を有することができる。他の実施形態では、焼結セラ
ミックス材料は、Y
2O
3、ZrO
2、及び/又はAl
2O
3の混合物を含む固溶体を有
することができる。新たな焼結セラミックス材料は、プラズマエッチングリアクタ用のチ
ャンバコンポーネントを作成するために使用することができる。本明細書に記載の新たな
焼結セラミックス材料で作成されたチャンバコンポーネントのプラズマエッチングリアク
タ内での使用は、従来の耐プラズマ性セラミックス材料で作成されたチャンバコンポーネ
ントの使用に比べて、ウェハ上の金属汚染及び/又は粒子欠陥を大幅に低減させることが
できる。特に、本明細書の実施形態に記載のセラミックス材料を使用することによって、
イットリウム、アルミニウム、及び亜鉛の金属汚染を、大幅に低減することができる。処
理されたウェハ上のこれらの金属汚染の低減は、半導体、ディスプレイ、太陽電池、微小
電気機械システム(MEMS)デバイスなどの製造業者によって決定づけられることがで
きる。
【0006】
用語「約」及び「およそ」が本明細書で使用される場合、これは、提示された公称値が
±10%以内で正確であることを意味することを意図している。
【0007】
プラズマエッチングリアクタ(プラズマエッチング装置とも呼ばれる)用のチャンバコ
ンポーネントである固体焼結セラミックス物品を参照して、実施形態が説明される。例え
ば、セラミックス物品は、プロセスキットリング、チャンバ蓋、ガス分配板、シャワーヘ
ッド、静電チャック、及びリフトピンとすることができる。しかしながら、本明細書に記
載の固体焼結セラミックス材料は、プラズマ環境に曝されるコンポーネントを有する他の
装置(例えば、プラズマ洗浄機及びプラズマ推進システムなど)のためにも使用すること
ができる。更に、実施形態は、固体焼結セラミックス物品を参照して説明される。しかし
ながら、説明される実施形態は、堆積されるセラミックスコーティング(例えば、プラズ
マ溶射セラミックスコーティング及びイオンアシスト蒸着(IAD)技術を使用して塗布
されたセラミックスコーティング)にも適用される。したがって、固体焼結セラミックス
材料の議論はまた、同じ組成の堆積されたセラミックス材料に適用されることが理解され
るべきである。
【0008】
プラズマエッチングプロセス及び/又はプラズマ洗浄プロセス用の処理チャンバ内で使
用される場合に、低減された粒子欠陥及び金属汚染をもたらすセラミックス物品に参照し
て、実施形態が本明細書内に記載される。しかしながら、本明細書で説明されるセラミッ
クス物品は、他のプロセス(例えば、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、プラズマ強
化物理蒸着(PEPVD)、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)など)用のプロセス
チャンバ及び非プラズマエッチング装置、非プラズマ洗浄装置、化学蒸着(CVD)炉、
物理蒸着(PVD)炉などの中で使用された場合もまた、低減された粒子欠陥及び金属汚
染を提供することができることが理解されるべきである。
【0009】
図1は、本明細書の実施形態で提供されるセラミックス材料を使用して作成された固体
焼結セラミックス物品である1以上のチャンバコンポーネントを有する半導体処理チャン
バ100の断面図である。処理チャンバ100は、内部に腐食性のプラズマ環境が提供さ
れるプロセスに対して使用することができる。例えば、処理チャンバ100は、プラズマ
エッチングリアクタ(プラズマエッチング装置としても知られている)、プラズマ洗浄装
置などのためのチャンバとすることができる。固体焼結耐プラズマ性セラミックス材料で
構成される、又は固体焼結耐プラズマ性セラミックス材料を含むことができるチャンバコ
ンポーネントの例は、静電チャック(ESC)150、リング(例えば、プロセスキット
リング又は単一リング)、チャンバ壁、ガス分配板、シャワーヘッド、ライナー、ライナ
ーキット、チャンバ蓋104、ノズル132などを含む。これらのチャンバコンポーネン
トのうちの1以上を形成するために使用される固体焼結セラミックス材料は、
図2を参照
して以下でより詳細に説明される。
【0010】
一実施形態では、処理チャンバ100は、チャンバ本体102と、内部容積106を取
り囲む蓋130を含む。蓋130は、その中心に穴を有することができ、ノズル132は
、穴に挿入することができる。いくつかの実施形態では、シャワーヘッドは、蓋130と
ノズル132の代わりに使用される。チャンバ本体102は、アルミニウム、ステンレス
鋼又は他の適切な材料から製造することができる。チャンバ本体102は、一般的に、側
壁108及び底部110を含む。蓋130、ノズル132、シャワーヘッドなどのいずれ
も、固体焼結セラミックス材料を含むことができる。
【0011】
外側ライナー116は、チャンバ本体102を保護するために、側壁108に隣接して
配置することができる。外側ライナー116は、希土類酸化物系材料から作られた耐プラ
ズマ性層とすることができる。
【0012】
排気口126は、チャンバ本体102内に形成されることができ、内部容積106をポ
ンプシステム128に結合することができる。ポンプシステム128は、排気して処理チ
ャンバ100の内部容積106の圧力を調整するために使用される1以上のポンプ及びス
ロットルバルブを含むことができる。
【0013】
蓋130は、チャンバ本体102の側壁108に支持させることができる。蓋130は
、処理チャンバ100の内部容積106へのアクセスを可能にするために開くことができ
、閉じると同時に処理チャンバ100に対するシールを提供することができる。ガスパネ
ル158は、処理チャンバ100に結合され、これによってノズル132を通して内部容
積106に処理ガス及び/又は洗浄ガスを提供することができる。
【0014】
処理チャンバ100内で基板を処理するために使用することができる処理ガスの例は、
ハロゲン含有ガス(例えば、とりわけ、C
2F
6、SF
6、SiCl
4、HBr、NF
3
、CF
4、CHF
3、CH
2F
3、F、NF
3、Cl
2、CCl
4、BCl
3、及びSi
F
4)及び他のガス(例えば、O
2、又はN
2O)を含む。キャリアガスの例は、N
2、
He、Ar、及び処理ガスに不活性な他のガス(例えば、非反応性ガス)を含む。基板支
持アセンブリ148は、蓋130の下の処理チャンバ100の内部容積106内に配置さ
れる。基板支持アセンブリ148は、処理中に基板144を保持する。リング147(例
えば、単一リング)は、静電チャック150の一部を覆うことができ、処理中に覆われた
部分をプラズマへの曝露から保護することができる。リング147は、本明細書に記載の
固体焼結セラミックス材料のいずれかから形成することができる。
【0015】
内側ライナー118は、基板支持アセンブリ148の周囲に形成することができる。内
側ライナー118は、外側ライナー116を参照して説明したものなどの耐ハロゲン含有
ガス性材料とすることができる。
【0016】
一実施形態では、基板支持アセンブリ148は、台座152を支持する取付板162と
、静電チャック150を含む。静電チャック150は、熱伝導性ベース164と、接着剤
138(一実施形態では、シリコーン接着剤とすることができる)によって熱伝導性ベー
スに接合された静電パック166を更に含む。取付板162は、チャンバ本体102の底
部110に結合され、ユーティリティ(例えば、流体、電力線、センサリード線など)を
熱導電性ベース164及び静電パック166へルーティングするための通路を含む。
【0017】
熱伝導性ベース164及び/又は静電パック166は、1以上のオプションの埋設され
た加熱素子176、埋設された熱絶縁体174、及び/又は導管168、170を含み、
これによって基板支持アセンブリ148の横方向の温度プロファイルを制御することがで
きる。導管168、170は、導管168、170を介して温度調節流体を循環させる流
体源172に流体結合させることができる。埋設された熱絶縁体174は、一実施形態で
は、導管168、170間に配置することができる。加熱素子176は、ヒータ電源17
8によって調整される。導管168,170及び加熱素子176は、熱伝導性ベース16
4の温度を制御するために利用され、これによって静電パック166及び処理される基板
(例えば、ウェハ)を加熱及び/又は冷却することができる。静電パック166及び熱伝
導性ベース164の温度は、コントローラ195を使用して監視することができる複数の
温度センサ190、192を使用して監視することができる。
【0018】
静電パック166は、複数のガス通路(例えば、溝、メサ、及び静電パック166の上
面内に形成可能な他の表面構造)を更に含むことができる。ガス通路は、静電パック16
6内に開けられた穴を介して熱伝達(又は裏面)ガス(例えばHe)の供給源に流体結合
させることができる。稼働時には、裏面ガスは制御された圧力でガス通路内へ供給され、
これによって静電パック166と基板144との間の熱伝達を向上させることができる。
【0019】
静電パック166は、チャッキング電源182によって制御された少なくとも1つのク
ランピング電極180を含む。少なくとも1つのクランピング電極180(又は静電パッ
ク166又は導電性ベース164内に配置された他の電極)は、処理チャンバ100内で
処理ガス及び/又は他のガスから形成されたプラズマを維持するために整合回路188を
介して1以上のRF電源184、186に更に結合させることができる。RF電源184
、186は、一般的に、約50kHz〜約3GHzの周波数及び最大約10000ワット
の電力を有するRF信号を生成することができる。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態に係る、固体焼結セラミックス物品を製造するためのプロ
セス200を示すフローチャートである。ブロック255では、セラミックス物品を形成
するために使用されるセラミックス粉末が選択される。選択されたセラミックス粉末の量
もまた、選択される。
【0021】
一実施形態では、選択されたセラミックス粉末は、Y
2O
3、Er
2O
3、及びY
2O
3及びEr
2O
3と相を形成する1以上の追加の希土類酸化物を含む。追加の希土類酸化
物はまた、耐腐食性であり、高密度(低空孔率)を有する必要がある。使用することがで
きる追加の希土類酸化物の例は、ZrO
2及びGd
2O
3を含む。非希土類酸化物(例え
ば、Al
2O
3及びSiO
2)もまた、使用することができる。一実施形態では、セラミ
ックス粉末は、約30モル%〜約60モル%の濃度のY
2O
3と、約20モル%〜約60
モル%の濃度のEr
2O
3と、約0モル%〜約30モル%の濃度のZrO
2、Gd
2O
3
又はSiO
2のうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、選択されたセラミックス
粉末は、約30〜60モル%の濃度のY
2O
3と、約20〜55モル%の濃度のEr
2O
3と、最大20モル%の濃度のZrO
2、最大20モル%の濃度のGd
2O
3、及び最大
30モル%の濃度のSiO
2のうちの1以上とを含む。
【0022】
使用することができるセラミックス粉末の1つの特定の混合物(実施例1++と呼ばれ
る)は、約40モル%濃度のY
2O
3と、約5モル%濃度のZrO
2と、約35モル%濃
度のEr
2O
3と、約5モル%濃度のGd
2O
3と、約15モル%濃度のSiO
2とを含
む。使用することができるセラミックス粉末の別の1つの特定の混合物(実施例2++と
呼ばれる)は、約45モル%濃度のY
2O
3と、約5モル%濃度のZrO
2と、約35モ
ル%濃度のEr
2O
3と、約10モル%濃度のGd
2O
3と、約5モル%濃度のSiO
2
とを含む。使用することができるセラミックス粉末の別の1つの特定の混合物(実施例3
++と呼ばれる)は、約40モル%濃度のY
2O
3と、約5モル%濃度のZrO
2と、約
40モル%濃度のEr
2O
3と、約7モル%濃度のGd
2O
3と、約8モル%濃度のSi
O
2とを含む。使用することができるセラミックス粉末の別の1つの特定の混合物(実施
例4++と呼ばれる)は、約37モル%濃度のY
2O
3と、約8モル%濃度のZrO
2と
、約55モル%濃度のEr
2O
3とを含む。使用することができるセラミックス粉末の別
の1つの特定の混合物(実施例5++と呼ばれる)は、約40モル%濃度のY
2O
3と、
約10モル%濃度のZrO
2と、約30モル%濃度のEr
2O
3と、約20モル%濃度の
Gd
2O
3とを含む。
【0023】
一実施形態では、選択されたセラミックス粉末は、40〜60モル%のY
2O
3と、3
0〜50モル%のZrO
2と、10〜20モル%のAl
2O
3とを含む。別の一実施形態
では、選択されたセラミックス粉末は、40〜50モル%のY
2O
3と、20〜40モル
%のZrO
2と、20〜40モル%のAl
2O
3とを含む。別の一実施形態では、選択さ
れたセラミックス粉末は、70〜90モル%のY
2O
3と、0〜20モル%のZrO
2と
、10〜20モル%のAl
2O
3とを含む。別の一実施形態では、選択されたセラミック
ス粉末は、60〜80モル%のY
2O
3と、0〜10モル%のZrO
2と、20〜40モ
ル%のAl
2O
3とを含む。別の一実施形態では、選択されたセラミックス粉末は、40
〜60モル%のY
2O
3と、0〜20モル%のZrO
2と、30〜40モル%のAl
2O
3とを含む。別の一実施形態では、選択されたセラミックス粉末は、40〜100モル%
のY
2O
3と、0〜60モル%のZrO
2と、0〜5モル%のAl
2O
3とを含む。
【0024】
一実施形態では、選択されたセラミックス粉末は、40〜100モル%のY
2O
3と、
0〜60モル%のZrO
2と、0〜5モル%のAl
2O
3とを含む。第1実施例(実施例
1+と呼ばれる)では、選択されたセラミックス粉末は、73〜74モル%のY
2O
3と
、26〜27モル%のZrO
2とを含む。第2実施例(実施例2+と呼ばれる)では、選
択されたセラミックス粉末は、71〜72モル%のY
2O
3と、26〜27モル%のZr
O
2と、1〜2モル%のAl
2O
3とを含む。第3実施例(実施例3+と呼ばれる)では
、選択されたセラミックス粉末は、64〜65モル%のY
2O
3と、35〜36モル%の
ZrO
2とを含む。第4実施例(実施例4+と呼ばれる)では、選択されたセラミックス
粉末は、63〜64モル%のY
2O
3と、35〜36モル%のZrO
2と、1〜2モル%
のAl
2O
3とを含む。第5実施例(実施例5+と呼ばれる)では、選択されたセラミッ
クス粉末は、57〜58モル%のY
2O
3と、42〜43モル%のZrO
2とを含む。第
6実施例(実施例6+と呼ばれる)では、選択されたセラミックス粉末は、52〜53モ
ル%のY
2O
3と、47〜48モル%のZrO
2とを含む。
【0025】
上記焼結固体のいずれも、微量の他の材料(例えば、ZrO
2、Al
2O
3、SiO
2
、B
2O
3、Er
2O
3、Nd
2O
3、Nb
2O
5、CeO
2、Sm
2O
3、Yb
2O
3
、又は他の酸化物)を含んでいてもよい。
【0026】
ブロック260では、選択されたセラミックス粉末が混合される。一実施形態では、選
択された粉末は、スラリーを形成するために、水、バインダー、及び解膠剤と混合される
。一実施形態では、セラミックス粉末は、噴霧乾燥によって粒状粉末に結合される。
【0027】
ブロック265では、グリーン体(未焼成セラミックス物品)は、混合粉末から(例え
ば、選択されたセラミックス粉末の混合物から形成されたスラリーから)形成される。グ
リーン体は、スリップキャスティング、テープキャスティング、冷間静水圧プレス、一方
向機械的プレス、射出成形、及び押出成形を含むがこれらに限定されない技術を使用して
形成することができる。例えば、一実施形態では、スラリーは、噴霧乾燥され、金型に入
れられ、グリーン体を形成するためにプレスされてもよい。
【0028】
ブロック270では、グリーン体が焼結される。グリーン体を焼結する工程は、グリー
ン体内の成分の希土類酸化物のいずれの融点をも下回る高温にグリーン体を加熱する工程
を含むことができる。例えば、グリーン体が、Y
2O
3、Er
2O
3、ZrO
2、Gd
2
O
3、又はSiO
2を含む場合、グリーン体は、Y
2O
3、Er
2O
3、ZrO
2、Gd
2O
3、又はSiO
2の融点を下回る任意の点まで加熱することができる。一実施形態で
は、焼結は、グリーン体の形成に使用されたバインダーを燃焼除去するために、低い温度
にグリーン体を加熱することによって先行される。グリーン体は、3〜30時間(hr)
の時間の間、1500〜2100℃で焼結することができる。
【0029】
焼結プロセスは、単層の様々な構成のセラミックス材料で構成された少なくとも1つの
固溶体を含む固体焼結セラミックス物品を生成する。例えば、一実施形態では、固体焼結
セラミックス物品は、約30モル%〜約60モル%の濃度のY
2O
3と、約20モル%〜
約50モル%の濃度のEr
2O
3と、約0モル%〜約30モル%の濃度のZrO
2、Gd
2O
3、又はSiO
2のうちの少なくとも1つとを含む固溶体を含むことができる。
【0030】
様々な実施形態では、固体焼結セラミックス物品は、プラズマエッチングリアクタの異
なるチャンバコンポーネント用に使用することができる。生産されている特定のチャンバ
コンポーネントに応じて、グリーン体は、異なる形状を有する可能性がある。例えば、最
終的なチャンバコンポーネントが、プロセスキットリングとなる場合、グリーン体は、リ
ングの形状にすることができる。チャンバコンポーネントが、静電チャック用の静電パッ
クとなる場合、グリーン体は、ディスクの形状にすることができる。グリーン体はまた、
生産されるチャンバコンポーネントに応じて他の形状を有していてもよい。
【0031】
焼結プロセスは、一般的に、制御されない量だけセラミックス物品のサイズを変える。
少なくとも部分的にこのサイズの変化に起因して、セラミックス物品は、典型的には、焼
結プロセスが、ブロック275で完了した後、機械加工される。機械加工は、セラミック
ス物品の表面研削及び/又は研磨、セラミックス物品内の穴あけ、セラミックス物品の切
断及び/又は成形、セラミックス物品の研削、セラミックス物品の(例えば、化学的機械
的平坦化(CMP)、火炎研磨、又は他の研磨技術を使用した)研磨、セラミックス物品
の(例えば、ビーズブラストを使用した)粗面化、及びセラミックス物品上へのメサの形
成などを含むことができる。
【0032】
セラミックス物品は、特定の用途に適した形状に機械加工することができる。機械加工
前に、セラミックス物品は、特定の目的(例えば、プラズマエッチング装置内の蓋として
使用される)に対して適切な大まかな形状及びサイズを有することができる。しかしなが
ら、機械加工は、セラミックス物品の大きさ、形状、寸法、穴の大きさなどを正確に制御
するために実行することができる。
【0033】
生産しようとする特定のチャンバコンポーネントに応じて、追加の処理操作を更に実行
してもよい。一実施形態では、追加の処理動作は、金属体に固体焼結セラミックス物品を
接着する工程を含む(ブロック280)。固体焼結セラミックス物品が機械加工と金属体
への接着の両方で作られるいくつかの例では、機械加工が最初に実行され、続いて接着を
実行することができる。他の例では、固体焼結セラミックス物品は、最初に金属体に接着
することができ、次いで機械加工することができる。他の実施形態では、いくつかの機械
加工は、接着の前及び後の両方で実行される。また、いくつかの実施形態では、固体焼結
セラミックス物品は、別のセラミックス物品に接着することができる。
【0034】
第1実施例では、セラミックス物品は、シャワーヘッドに使用される。このような実施
形態では、多数の孔をセラミックス物品に穿孔することができ、セラミックス物品は、ア
ルミニウム製ガス分配プレートに接着することができる。第2の実施例では、セラミック
ス物品は、静電チャック用に使用される。このような実施形態では、ヘリウムピンホール
が(例えば、レーザー穿孔によって)セラミックス物品に穿孔され、セラミックス物品は
、アルミニウムベースプレートにシリコーン接着剤によって接着することができる。別の
一例では、セラミックス物品は、セラミックス蓋である。セラミックス蓋は大きな表面積
を有しているので、新たな焼結セラミックス材料から形成されたセラミックス蓋は、(例
えば、真空がプラズマエッチングリアクタのプロセスチャンバに印加される場合、)処理
中に亀裂又は座屈を防止するために、高い構造強度を有していてもよい。他の例では、ノ
ズル、プロセスキットリング、又は他のチャンバコンポーネントが形成される。
【0035】
図3は、本発明の実施形態に係る、2200ワットのバイアス電力下で生成されたプラ
ズマに対する様々な固体焼結セラミックス物品の耐スパッタリング性を示す図である。図
は、73.13モル%のY
2O
3及び26.87モル%のZrO
2からなる第1実施例の
固体焼結セラミックス物品(実施例1+)に対して、0.10〜0.15ナノメートル毎
高周波時間(nm/RF時間)のスパッタリング浸食速度を示す。図は、63.56モル
%のY
2O
3、35.03モル%のZrO
2、及び1.41モル%のAl
2O
3からなる
第4実施例の固体焼結セラミックス物品(実施例4+)に対して、0.15〜0.20n
m/RF時間のスパッタリング浸食速度を示す。図は、71.96モル%のY
2O
3、2
6.44モル%のZrO
2、及び1.60モル%のAl
2O
3からなる第2実施例の固体
焼結セラミックス物品(実施例2+)に対して、0.15〜0.20nm/RF時間のス
パッタリング浸食速度を示す。図は、64.46モル%のY
2O
3及び35.54モル%
のZrO
2からなる第3実施例の固体焼結セラミックス物品(実施例3+)に対して、0
.20〜0.25nm/RF時間のスパッタリング浸食速度を示す。図は、52.12モ
ル%のY
2O
3及び47.88モル%のZrO
2からなる第6実施例の固体焼結セラミッ
クス物品(実施例6+)に対して、0.25〜0.30nm/RF時間のスパッタリング
浸食速度を示す。図は、57.64モル%のY
2O
3及び42.36モル%のZrO
2か
らなる第5実施例の固体焼結セラミックス物品(実施例5+)に対して、0.30〜0.
35nm/RF時間のスパッタリング浸食速度を示す。図はまた、比較のために、Er
2
O
3、Y
2O
3、Gd
2O
3、Er
3Al
5O
12(EAG)、99.8%のAl
2O
3
、92%のAl
2O
3、及び、63モル%のY
2O
3、14モル%のAl
2O
3、及び2
3モル%のZrO
2を含む比較化合物セラミックスの固体焼結セラミックスに対するスパ
ッタリング浸食速度を示す。
【0036】
図4は、本発明の実施形態に係る、N2/H2化学を用いて生成されたプラズマに対す
る様々な固体焼結セラミックス物品の耐食性を示す付加的な図である。図は、73.13
モル%のY
2O
3及び26.87モル%のZrO
2から構成される第1実施例の固体焼結
セラミックス物品に対して約10nm/RF時間の浸食速度を示す。図は、64.46モ
ル%のY
2O
3及び35.54モル%のZrO
2から構成される第3実施例の固体焼結セ
ラミックス物品に対してちょうど10nm/RF時間を超える浸食速度を示す。図は、6
3.56モル%のY
2O
3、35.03モル%のZrO
2、及び1.41モル%のAl
2
O
3から構成される第4実施例の固体焼結セラミックス物品に対してちょうど10nm/
RF時間を超える浸食速度を示す。図は、71.96モル%のY
2O
3、26.44モル
%のZrO
2、及び1.60モル%のAl
2O
3から構成される第2実施例の固体焼結セ
ラミックス物品に対して15nm/RF時間を下回る浸食速度を示す。図は更に、比較の
ために、Y
2O
3、石英、及びHPMの固体焼結セラミックスに対する浸食速度を示す。
【0037】
図5は、本発明の実施形態に係る、CHF
4/CF
4化学を用いて生成されたプラズマ
に対する様々な固体焼結セラミックス物品の耐食性を示す更に別の図である。図は、
図3
を参照して定義された第1実施例の固体焼結セラミックス物品(実施例1+)、第2実施
例の固体焼結セラミックス物品(実施例2+)、第6実施例の固体焼結セラミックス物品
(実施例6+)、及び第3実施例の固体焼結セラミックス物品(実施例3+)に対して、
ちょうど0.05nm/RF時間を上回る浸食速度を示す。図は更に、
図3を参照して定
義された第5実施例の固体焼結セラミックス物品(実施例5+)及び第4実施例の固体焼
結セラミックス物品(実施例4+)に対して、ちょうど0.75nm/RF時間を下回る
浸食速度を示す。図は更に、比較のために、Er
2O
3、Y
2O
3、Gd
2O
3、EAG
、99.8%のAl
2O
3、92%のAl
2O
3、及び比較化合物セラミックスに対する
浸食速度を示す。
【0038】
図6Aは、本発明の実施形態に係る、N2/H2化学を用いて生成されたプラズマに対
する様々な固体焼結セラミックス物品の耐食性を示す図である。図は、イットリアに対し
て、実施例4++のセラミックス物品に対して、及び実施例5++のセラミックス物品に
対して、15nm/RF時間を下回る浸食速度を示す。図はまた、シリコンに対してちょ
うど20nm/RF時間を下回る浸食速度、及び比較化合物セラミックスに対して20n
m/RF時間を上回る浸食速度を示す。実施例4++のセラミックスは、約37モル%濃
度のY
2O
3と、約8モル%濃度のZrO
2と、約55モル%濃度のEr
2O
3とを含む
。実施例5++のセラミックスは、約40モル%濃度のY
2O
3と、約10モル%濃度の
ZrO
2と、約30モル%濃度のEr
2O
3と、約20モル%濃度のGd
2O
3とを含む
。
【0039】
図6Bは、固体焼結(バルク)イットリア、実施例4++、実施例5++、シリコン、
及び比較化合物セラミックスに対するエッチング前及びエッチング後の粗さを示す図であ
る。図示されるように、実施例4++及び実施例5++の固体焼結セラミックスは、最小
の浸食速度を示し、実施例4++は、最小粗さ変化を示している。
【表1】
【0040】
表1:平方センチメートル当たりの粒子(p/cm
2)内における導体蓋に対する液体
粒子計数(LPC)
【0041】
表1は、比較化合物セラミックス及び第1実施例のセラミックス材料(実施例1+)か
ら作られた導体蓋の洗浄後に測定された粒子欠陥を示す。第1実施例のセラミックス材料
は、73.13モル%の濃度のY
2O
3と、26.87モル%の濃度のZrO
2で構成さ
れる。粒子汚染は、液体粒子計数(LPC)を実施することによって測定することができ
る。表内の各列は、少なくとも1つの特定の大きさの粒子の数を表す。
【表2A】
【0042】
表2A:10
10原子/cm
2内の金属汚染
【表2B】
【0043】
表2B:10
10原子/cm
2内の金属汚染
【0044】
表2A及び表2Bは、比較化合物セラミックス及び第1実施例のセラミックス材料の固
体焼結セラミックス蓋を用いて処理されたウェハ上の金属汚染を示す。金属汚染は、誘導
結合プラズマ質量分析(ICPMS)によって測定することができる。表内の各列は、異
なる金属汚染物質を表す。本明細書の実施形態で説明された固体焼結セラミックス物品の
異なる処方は、それらの固体焼結セラミックス物品の組成に応じて、異なるウェハ上の金
属汚染レベルを有する。したがって、製造業者の異なるウェハ上の金属汚染物質の仕様に
基づいて、対応するチャンバコンポーネントを製造するために、異なる処方を選択するこ
とができる。
【表3】
【0045】
表3:実施例の固体焼結セラミックス物品の機械的特性
【0046】
表3は、
図2を参照して定義された第1実施例(実施例1+)の固体焼結セラミックス
物品、並びに追加の実施例の固体焼結セラミックス物品の実施例1++、実施例2++、
実施例3++、実施例4++の機械的特性を、比較化合物及びY
2O
3固体焼結セラミッ
クス物品の機械的特性と比較して示す。
【0047】
前述の説明は、本開示のいくつかの実施形態の良好な理解を提供するために、具体的な
システム、コンポーネント、方法等の例などの多数の具体的な詳細を説明している。しか
しながら、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施
することができることが当業者には明らかであろう。他の例において、周知のコンポーネ
ント又は方法は、本発明を不必要に不明瞭にしないために、詳細には説明しないか、単純
なブロック図形式で提示されている。したがって、説明された具体的な詳細は、単なる例
示である。特定の実装では、これらの例示的な詳細とは異なる場合があるが、依然として
本開示の範囲内にあることが理解される。
【0048】
本明細書全体を通して「1つの実施形態」又は「一実施形態」への参照は、その実施形
態に関連して記載された特定の構成、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含ま
れることを意味している。したがって、本明細書を通じて様々な場所における「1つの実
施形態では」又は「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を
指すものではない。また、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく包含的な「又は」
を意味することを意図している。
【0049】
本明細書内の本方法の操作が、特定の順序で図示され説明されているが、特定の操作を
逆の順序で行うように、又は特定の操作を少なくとも部分的に他の操作と同時に実行する
ように、各方法の操作の順序を変更することができる。別の一実施形態では、異なる操作
の命令又は副操作は、断続的及び/又は交互の方法であることができる。
【0050】
なお、上記の説明は例示であり、限定的ではないことを意図していることが理解される
べきである。上記の説明を読み理解することにより、多くの他の実施形態が当業者にとっ
て明らかとなるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、その
ような特許請求の範囲が権利を与える均等物の全範囲と共に参照して決定されるべきであ
る。