特許第6528035号(P6528035)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6528035
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】電子顕微鏡
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/252 20060101AFI20190531BHJP
   H01J 37/256 20060101ALI20190531BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20190531BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20190531BHJP
   H01J 37/26 20060101ALI20190531BHJP
   G01N 23/2251 20180101ALI20190531BHJP
   G01N 23/04 20180101ALI20190531BHJP
【FI】
   H01J37/252 A
   H01J37/256
   H01J37/22 502H
   H01J37/22 501Z
   H01J37/22 501A
   H01J37/28 B
   H01J37/28 C
   H01J37/26
   G01N23/2251
   G01N23/04
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-146985(P2015-146985)
(22)【出願日】2015年7月24日
(65)【公開番号】特開2016-81907(P2016-81907A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2018年2月22日
(31)【優先権主張番号】特願2014-212842(P2014-212842)
(32)【優先日】2014年10月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】熊本 明仁
(72)【発明者】
【氏名】森田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】安原 聡
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−019900(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/030508(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00
G01N 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の同一パターンを有する試料の電子顕微鏡画像と、前記電子顕微鏡画像の各ピクセルのスペクトルとを取得する取得部と、
前記電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記試料の元素マッピング画像を生成する元素マップ生成部とを含
前記元素マップ生成部は、
前記電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した各領域に含まれる画像同士の相関をとることで各領域の位置ずれを補正し、位置ずれが補正された複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記元素マッピング画像を生成する、電子顕微鏡。
【請求項2】
複数の同一パターンを有する試料の電子顕微鏡画像と、前記電子顕微鏡画像の各ピクセルのスペクトルとを取得する取得部と、
前記電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記試料の元素マッピング画像を生成する元素マップ生成部とを含
前記元素マップ生成部は、
前記電子顕微鏡画像における前記パターンの周期を判定し、判定結果に基づいて前記電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記元素マッピング画像を生成する、電子顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子顕微鏡及び元素マッピング画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線分析装置を備えた走査型電子顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1)。電子顕微鏡に搭載されたEDS(エネルギー分散型X線分析装置)やEELS(電子エネルギー損失分光分析装置)を用いて元素マップを取得する際には、試料上の同じ個所に電子線を長時間照射或いは繰り返し走査することで、EDSにより検出されたX線の積算強度やEELSの信号量を増やすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−007245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
試料上の同じ個所に電子線を長時間照射或いは繰り返し走査すると、電子線により試料がダメージを受け、形態が変化する。そのため、劣化した試料に基づく元素マップを取得することになり、精度のよい元素マップを取得することができない。特に、原子分解能レベルでは、電子線照射による試料の劣化が容易に起こるために、精度のよい元素マップを取得することは困難である。
【0005】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、試料の劣化を抑制しつつ精度のよい元素マップを得ることが可能な電子顕微鏡及び元素マッピング画像生成方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る電子顕微鏡は、複数の同一パターンを有する試料の電子顕微鏡画像と、前記電子顕微鏡画像の各ピクセルのスペクトルとを取得する取得部と、前記電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記試料の元素マッピング画像を生成する元素マップ生成部とを含む。
【0007】
また、本発明に係る元素マッピング画像生成方法は、複数の同一パターンを有する試料の電子顕微鏡画像と、前記電子顕微鏡画像の各ピクセルのスペクトルとを取得する取得工程と、前記電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記試料の元素マッピング画像を生成する元素マップ生成工程とを含む。
【0008】
本発明によれば、電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算して試料の元素マッピング画像を生成することで、少ない電子線照射量或いは少ない電子線照射時間(測定時間)で、精度のよい元素マップを得ることが可能となる。
【0009】
(2)本発明に係る電子顕微鏡では、前記元素マップ生成部は、前記電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した各領域に含まれる画像同士の相関をとることで各領域の位置ずれを補正し、位置ずれが補正された複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記元素マッピング画像を生成してもよい。
【0010】
また、本発明に係る元素マッピング画像生成方法では、前記元素マップ生成工程において、前記電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した各領域に含まれる画像同士の相関をとることで各領域の位置ずれを補正し、位置ずれが補正された複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記元素マッピング画像を生成してもよい。
【0011】
本発明によれば、電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、位置ずれを補正した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算して元素マッピング画像を生成することで、少ない電子線照射量或いは少ない電子線照射時間で、精度のよい元素マップを得ることが可能となる。
【0012】
(3)本発明に係る電子顕微鏡では、前記元素マップ生成部は、前記電子顕微鏡画像から基準となる領域を抽出し、前記基準となる領域と同一のパターンを有し前記基準となる領域と同一の大きさであり且つ互いに重複しない複数の領域を前記電子顕微鏡画像から抽出し、抽出した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記元素マッピング画像を生成してもよい。
【0013】
また、本発明に係る元素マッピング画像生成方法では、前記元素マップ生成工程において、前記電子顕微鏡画像から基準となる領域を抽出し、前記基準となる領域と同一のパターンを有し前記基準となる領域と同一の大きさであり且つ互いに重複しない複数の領域を前記電子顕微鏡画像から抽出し、抽出した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記元素マッピング画像を生成してもよい。
【0014】
本発明によれば、電子顕微鏡画像から同一パターンを有し同一サイズの互いに重複しない複数の領域を抽出し、抽出した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算して元素マッピング画像を生成することで、少ない電子線照射量或いは少ない電子線照射時間で、精度のよい元素マップを得ることが可能となる。
【0015】
(4)本発明に係る電子顕微鏡では、前記元素マップ生成部は、前記電子顕微鏡画像における前記パターンの周期を判定し、判定結果に基づいて前記電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記元素マッピング画像を生成してもよい。
【0016】
また、本発明に係る元素マッピング画像生成方法では、前記元素マップ生成工程において、前記電子顕微鏡画像における前記パターンの周期を判定し、判定結果に基づいて前記電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、前記元素マッピング画像を生成してもよい。
【0017】
本発明によれば、電子顕微鏡画像におけるパターンの周期を判定し、判定結果に基づいて電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算して元素マッピング画像を生成することで、少ない電子線照射量或いは少ない電子線照射時間で、精度のよい元素マップを得ることが可能となる。
【0018】
(5)本発明に係る電子顕微鏡は、複数の同一パターンを有する試料の電子顕微鏡画像を取得する取得部と、前記電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域の画像同士を加算する画像生成部とを含む、電子顕微鏡。
【0019】
本発明によれば、複数の同一パターンを有する試料の電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域の画像同士を加算することで、少ない電子線照射量或いは少ない電子線照射時間で、精度のよい当該パターンの画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る電子顕微鏡の構成の一例を示す図である。
図2図2(A)は、本実施形態の電子顕微鏡で取得される電子顕微鏡画像の一例を示す図であり、図2(B)は、取得された電子顕微鏡画像の各ピクセルのスペクトルを模式的に示す図であり、図2(C)は、取得された各ピクセルのスペクトルから生成される元素マッピング画像の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る第1の手法を説明するための図である。
図4】本実施形態に係る第1の手法を説明するための図である。
図5図5(A)は、基準領域の元素マッピング画像を示す図であり、図5(B)は、加算後の元素マッピング画像を示す図であり、図5(C)は、加算後の元素マッピング画像の周縁部をトリミングした画像を示す図である。
図6図6(A)は、基準領域の1ピクセルのスペクトルと、加算後の対応するピクセルのスペクトルを示す図であり、図6(B)は、基準領域Aの元素マッピング画像における横方向1ラインの強度と、加算後の元素マッピング画像における対応するラインの強度を示す図である。
図7】本実施形態に係る第2の手法を説明するための図である。
図8】本実施形態に係る第2の手法を説明するための図である。
図9】本実施形態に係る第2の手法を説明するための図である。
図10】本実施形態に係る第3の手法を説明するための図である。
図11】本実施形態に係る第3の手法を説明するための図である。
図12】他の実施形態に係る電子顕微鏡の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0022】
1.構成
図1は、本実施形態に係る電子顕微鏡の構成の一例を示す図である。ここでは、電子顕微鏡が、走査透過型電子顕微鏡(STEM)の構成を有する場合について説明するが、本発明に係る電子顕微鏡は、走査型電子顕微鏡(SEM)の構成を有していてもよい。なお本実施形態の電子顕微鏡は図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0023】
図1に示すように、電子顕微鏡1は、電子顕微鏡本体10と、処理部100と、操作部110と、表示部120と、記憶部130とを含む。
【0024】
電子顕微鏡本体10は、電子線源11と、集束レンズ12と、走査偏向器13と、対物レンズ14と、試料ステージ15と、中間レンズ16と、投影レンズ17と、透過電子検出器18と、EDS検出器20と、偏向器制御装置30と、多重波高分析器32とを含む。
【0025】
電子線源11は、電子線EBを発生させる。電子線源11は、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線EBを放出する。電子線源11としては、例えば、電子銃を用いることができる。
【0026】
集束レンズ(コンデンサーレンズ)12は、電子線源11の後段(電子線EBの下流側
)に配置されている。集束レンズ12は、電子線源11で発生した電子線EBを集束して試料Sに照射するためのレンズである。集束レンズ12は、複数のレンズを含んで構成されていてもよい。
【0027】
走査偏向器13は、集束レンズ12の後段に配置されている。走査偏向器13は、電子線EBを偏向させて、集束レンズ12および対物レンズ14で集束された電子線EB(電子プローブ)で試料S上を走査する。走査偏向器13は、電子線EBを偏向させる偏向コイルを有している。走査偏向器13は、偏向器制御装置30によって制御される。偏向器制御装置30は、処理部100で生成された走査信号に基づいて走査偏向器13を制御する。
【0028】
対物レンズ14は、走査偏向器13(走査コイル)の後段に配置されている。対物レンズ14は、電子線EBを集束して試料Sに照射するためのレンズである。
【0029】
試料ステージ15は、試料Sを保持する。試料ステージ15は、試料ホルダー(図示省略)を介して試料Sを保持する。試料ステージ15は、試料ホルダーを移動および静止させることにより、試料Sの位置決めを行うことができる。試料ステージ15は、ステージ制御装置(図示省略)によって制御され、試料Sを水平方向(電子線EBの進行方向に対して直交する方向)や鉛直方向(電子線EBの進行方向に沿う方向)に移動させることができる。
【0030】
中間レンズ16は、対物レンズ14の後段に配置されている。投影レンズ17は、中間レンズ16の後段に配置されている。中間レンズ16及び投影レンズ17は、試料Sを透過した電子線EBを透過電子検出器18に導く。例えば、中間レンズ16及び投影レンズ17は、対物レンズ14の像面もしくは後焦点面(回折図形が形成される面)を投影して透過電子検出器18上に結像する。
【0031】
透過電子検出器18は、投影レンズ17の後段に配置されている。透過電子検出器18は、試料Sを透過した電子を検出する。
【0032】
EDS検出器20は、電子線EBが照射されることにより試料Sから発生した特性X線を検出する。EDS検出器20としては、例えば、シリコンドリフト検出器(SDD)、Si(Li)検出器等を用いることができる。EDS検出器20の出力信号(出力パルス)は、多重波高分析器32に送られる。
【0033】
多重波高分析器(マルチチャンネルアナライザー)32は、複数のチャンネルを持った波高分析器である。多重波高分析器32は、EDS検出器20の出力信号(出力パルス)をX線のエネルギー毎に計数しEDSスペクトル情報を生成する。多重波高分析器32は、EDSスペクトル情報を処理部100に出力する。
【0034】
操作部110は、ユーザが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を処理部100に出力する。操作部110の機能は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネルなどのハードウェアにより実現することができる。
【0035】
表示部120は、処理部100によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。
【0036】
記憶部130は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0037】
処理部100は、偏向器制御装置30やステージ制御装置等を制御する処理や、走査透過電子顕微鏡像やEDSスペクトル情報を取得する処理、元素マッピング画像を生成する処理等を行う。処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、取得部102、元素マップ生成部104を含む。
【0038】
取得部102は、透過電子検出器18から出力された検出信号を、走査信号に同期させて画像化することにより、電子顕微鏡画像(走査透過電子顕微鏡像)を取得する。また、取得部102は、多重波高分析器32から出力されたEDSスペクトル情報と走査信号に基づいて、電子顕微鏡画像(電子線EBの走査領域)を構成する各ピクセルのスペクトル(EDSスペクトル)を取得する。
【0039】
元素マップ生成部104は、取得部102で取得されたピクセル毎のスペクトルに基づいて、特定エネルギー範囲(ROI)の積算強度をマッピングした元素マッピング画像を生成する。特に、本実施形態の元素マップ生成部104は、電子顕微鏡画像に含まれる複数の領域(大きさが同一で互いに重複しない複数の領域)それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算し、加算したピクセル毎のスペクトルに基づいて、X線積算強度をピクセル毎にマッピングした元素マッピング画像を生成する。
【0040】
また、元素マップ生成部104は、電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した各領域に含まれる画像同士の相関をとることで各領域の位置ずれを補正し、位置ずれが補正された複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、元素マッピング画像を生成してもよい。
【0041】
また、元素マップ生成部104は、電子顕微鏡画像から基準となる1つの領域を抽出し、前記基準となる領域と同一のパターンを有し前記基準となる領域と同一の大きさであり且つ互いに重複しない複数の領域を電子顕微鏡画像から抽出し、抽出した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、元素マッピング画像を生成してもよい。
【0042】
また、元素マップ生成部104は、電子顕微鏡画像における前記パターンの周期を判定し、判定結果に基づいて電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割(判定結果に基づいて分割する領域の数、各領域の大きさ及び位置を自動的に決定)し、分割した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、元素マッピング画像を生成してもよい。
【0043】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0044】
図2(A)は、本実施形態の電子顕微鏡1で取得される電子顕微鏡画像の一例を示す図である。また、図2(B)は、取得された電子顕微鏡画像の各ピクセルのスペクトルを模式的に示す図であり、図2(C)は、取得された各ピクセルのスペクトルから生成される元素マッピング画像の一例を示す図である。
【0045】
図2(A)に示す電子顕微鏡画像EIは、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)の走査透過電子顕微鏡像であり、原子が周期的に配列した周期構造を示している。また、図2(C)に示す元素マッピング画像MIは、ストロンチウムの元素マッピング画像であり、同様に原子配列の周期構造を示している。
【0046】
観察視野領域(電子顕微鏡画像、元素マッピング画像)に、図2(A)、図2(C)に示すような周期構造(複数の同一パターンの一例)が存在する場合、同一サイズの複数の領域に適切に分割した元素マッピング画像は互いに同等なものとなる。本実施形態の手法では、この周期性に着目して、元素マッピング画像を同一サイズの複数の領域に分割し、分割した複数の画像を1つの画像に合成して元素マッピング画像を生成する。これにより、少ない電子線照射量或いは少ない電子線照射時間で、信号強度を増加させて、精度のよい元素マップを得ることが可能となる。
【0047】
2−1.第1の手法
第1の手法では、電子顕微鏡画像を複数の領域に分割し、分割した複数の領域の位置ずれを補正し、位置ずれ補正後の複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、元素マッピング画像を生成する。
【0048】
具体的には、まず、電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割(等間隔で分割)する。図3に示す例では、電子顕微鏡画像EIを16分割しているが、分割する領域の数は任意の数とすることができる。分割した各領域A〜A16は、同一の大きさであって互いに重複しない領域であり、且つ各領域A〜A16には、1周期以上の構造(パターン)が含まれている。第1の手法では、パターンの周期を考慮せずに分割しているため、分割した領域A〜A16における周期パターンの位相は互いにずれている場合がある。
【0049】
次に、分割した複数の領域のうちの1つを基準領域とする。ここでは、領域Aを基準領域とする。次に、基準領域Aに含まれる画像と、基準領域以外の領域A(n=2,3,4,..)に含まれる画像との相互相関を求め、基準領域Aと領域Aの位置ずれ量(Δx,Δy)を算出する。ここで、Δxは、x軸方向(横方向)の位置ずれ量(位相ずれ量)であり、Δyは、y軸方向(縦方向)の位置ずれ量である。図4(A)に、各領域Aについて算出した基準領域Aとの位置ずれ量の一例を示す。
【0050】
次に、各領域Aの位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて、各領域Aの位置座標を補正する。すなわち、位置ずれ量から、各領域Aの原点位置をシフトさせ、原点位置がシフトされた、補正前と同じ領域サイズ(w,h)の領域を補正後の領域A’とする。補正前の座標を(xold,yold)とすると、補正後の座標(xnew,ynew)は、下式により求められる。
new=xold+Δx
new=yold+Δy
【0051】
図4(A)に示す例では、領域Aは、原点SPの座標がx軸方向に+1、y軸方向に+1だけシフトして領域A’となり、領域Aは、原点SPの座標がy軸方向に+1だけシフトして領域A’となり、領域A16は、原点SPの座標がx軸方向に−1、y軸方向に+1だけシフトして領域A16’となる(図4(B)参照)。
【0052】
次に、基準領域Aのピクセル(座標)毎のスペクトルSと、補正後の各領域A’のピクセル毎のスペクトルS’とを、対応する座標同士で加算し(図4(C)参照)、加算したピクセル毎のスペクトルに基づき元素マッピング画像を生成する。ここで、領域Aの位置ずれ補正によって、補正後の領域A’においてスペクトル情報の無い座標(例えば、領域A’、領域A’、領域A16’において網掛けで示した座標)が発生するため、当該座標については、スペクトルの各エネルギーの強度値を0として加算を行う。なお、領域Aの位置ずれ補正によって、補正後の領域A’に含まれなくなった座標のスペクトル情報については破棄する。
【0053】
図5(A)は、加算前の基準領域Aの元素マッピング画像を示す図であり、図5(B)は、加算後の元素マッピング画像を示す図である。図5(A)、図5(B)に示すように、加算後の元素マッピング画像は、加算前と比べて信号量が増加し、精度が向上している。但し、上述したように、各領域の位置ずれ補正によりスペクトル情報の無い座標が発生するため、加算後の元素マッピング画像の周縁部は減衰している。そこで、図5(C)に示すように、加算後の元素マッピング画像の周縁部をトリミングして(更に、画像を調整する等して)、最終的な元素マッピング画像を生成してもよい。
【0054】
図6(A)に、加算前の基準領域Aの1ピクセルのスペクトルを実線で示し、加算後の対応するピクセルのスペクトルを点線で示す。また、図6(B)に、加算前の基準領域Aの元素マッピング画像における横方向1ラインの強度(ラインプロファイル)を実線で示し、加算後の元素マッピング画像における対応するラインの強度を点線で示す。図6(B)において、左側の縦軸は加算前の強度を示し、右側の縦軸は加算後の強度を示し、横軸は横方向の座標(ピクセル)を示す。図6(A)、図6(B)に示すように、16個の領域を加算することで、加算後の強度は加算前と比べて約16倍に増え、且つ、統計誤差によるばらつきは1/4に減少しており、精度が向上している。
【0055】
2−2.第2の手法
第2の手法では、電子顕微鏡画像から、同一のパターンを有し同一サイズの互いに重複しない複数の領域を抽出し、抽出した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、元素マッピング画像を生成する。
【0056】
具体的には、まず、電子顕微鏡画像において基準となる領域(基準領域)を設定する。図7(A)に示す例では、電子顕微鏡画像EIの左上端に基準領域Aを設定している。
【0057】
次に、電子顕微鏡画像から、基準領域Aの画像と類似度の高い画像を含む領域A(n=2,3,4,..)を抽出する。基準領域Aと領域Aは、同一の大きさであって互いに重複しない領域であり、且つ各領域には、1周期以上の構造(パターン)が含まれている。図7(B)に示す例では、電子顕微鏡画像EIから、基準領域Aと類似度の高い領域として領域A〜Aを抽出している。
【0058】
領域Aを抽出する際には、まず、基準領域Aの画像をテンプレート画像として、電子顕微鏡画像EI全体との正規化相互相関関数を計算する。計算結果の画像を図7(C)に示す。次に、計算結果の画像において、正規化相互相関関数の極大値(類似度の高い位置)を、基準領域Aに近い方から探索する。図7(C)に示す画像では、輝度の高い白色部分が類似度の高い位置となる。次に、探索した極大値の位置に、基準領域Aと同一サイズの領域を設定する。このとき、領域の左上が極大値の位置と一致するように設定する。設定した領域が、抽出領域として既に設定された他の領域と重複しない場合に、設定した領域を抽出領域(領域A)とし、極大値の探索を続行する。一方、設定した領域が他の領域と重複する場合には、設定した領域を抽出領域とせずに、極大値の探索を続行する。このように、極大値の探索を終了するまで、抽出領域の設定を繰り返す。
【0059】
次に、基準領域Aのピクセル毎のスペクトルSと、抽出した各領域Aのピクセル毎のスペクトルSとを、対応する座標同士で加算し(図8参照)、加算したピクセル毎のスペクトルに基づき元素マッピング画像を生成する。
【0060】
第2の手法によれば、第1の手法と比べて加算する領域の数が少なくなる(領域のサイズが同一の場合)ものの、領域Aの位置ずれ補正を必要としないため、加算後の元素マッピング画像の周辺部が減衰することがなく、加算後の元素マッピング画像の全面にわたって高い信号量を確保することができる。
【0061】
なお、第2の手法は、原子が周期的に配列した試料の元素マップを取得する場合のみならず、半導体試料のような複数の同一パターンを有する試料の元素マップを取得する場合にも適用することができる。図9に示す電子顕微鏡画像EIは、半導体試料の電子顕微鏡像であり、複数の同一のパターンが存在している。図9に示す例では、電子顕微鏡画像EIにおける当該パターンの1つに基準領域Aが設定され、基準領域Aの画像と類似度の高い画像(当該パターンと同一のパターン)を含む2つの領域A、Aが抽出されている。この場合、基準領域Aのピクセル毎のスペクトルと、抽出したA、Aのピクセル毎のスペクトルとを加算することで、半導体試料に含まれるパターンの高精度な元素マップを得ることができる。
【0062】
2−3.第3の手法
第3の手法では、電子顕微鏡画像におけるパターン(構造)の周期を判定し、判定結果に基づいて電子顕微鏡画像を複数の領域に分割し、分割した複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算することで、元素マッピング画像を生成する。
【0063】
具体的には、まず、電子顕微鏡画像をフーリエ変換してフーリエ変換像を得る。図10に、電子顕微鏡画像から得られたフーリエ変換像の一例を示す。次に、フリー変換像から、公知技術により周期数(f,f)を求める。ここで、fは電子顕微鏡画像における周期構造の横方向の周期数であり、fは縦方向の周期数である。
【0064】
次に、周期数(f,f)から、1つの分割領域(抽出領域)に含まれる周期構造の周期数(m,m)を求める。ここで、mは横方向の周期数であり、mは縦方向の周期数である。なお、周期数(m,m)をユーザが設定できるようにしてもよいし、プリセット値としてもよい。次に、周期数(f,f)及び周期数(m,m)から、分割領域の大きさ(W,H)を次式により求める。
W=width×m/f
H=hight×m/f
ここで、widthは、電子顕微鏡画像の横方向のサイズであり、hightは、電子顕微鏡画像の縦方向のサイズである。
【0065】
次に、分割領域の大きさ(W,H)から、各分割領域の位置(P,P)を求める。ここで、P(n=0,1,2,..)は、横方向n番目の分割領域の左上のx座標であり、P(m=0,1,2,..)は、縦方向m番目の分割領域の左上のx座標である。すなわち、(P,P)は、横方向n番目で縦方向m番目の分割領域A(n,m)の左上の座標である。各分割領域の位置(P,P)は、次式により求められる。
=W×n+offset_x
=H×m+offset_y
ここで、offset_xは、横方向のオフセット値であり、offset_yは、縦方向のオフセット値である(図11参照)。図11に示す例では、電子顕微鏡画像EIの周期を判定した結果、電子顕微鏡画像EIを、横方向に5個、縦方向に5個の計25個の領域A(0,0)〜A(4,4)に分割している。
【0066】
次に、分割した各領域A(n,m)のピクセル毎のスペクトルを、対応する座標同士で加算し、加算したピクセル毎のスペクトルに基づき元素マッピング画像を生成する。
【0067】
第3の手法によれば、第2の手法と同様、分割した領域の位置ずれ補正を必要としないため、加算後の元素マッピング画像の周辺部が減衰することがなく、加算後の元素マッピング画像の全面にわたって高い信号量を確保することができる。
【0068】
3.変形例
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0069】
例えば、上記実施形態では、EDS検出器を備えた電子顕微鏡を例にとって説明したが、本発明は、EELS検出器を備えた電子顕微鏡に適用することもできる。この場合、取得部102は、電子顕微鏡画像の各ピクセルのEDSスペクトル(X線スペクトル)を取得することに代えて、電子顕微鏡画像の各ピクセルのEELSスペクトル(エネルギー損失スペクトル)を取得する。
【0070】
また、上記実施形態では、電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域それぞれの各ピクセルのスペクトル同士を加算して元素マッピング画像を生成する場合を例にとって説明したが、電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域の画像同士(複数の領域それぞれの各ピクセルの値同士)を加算するように構成してもよい。図12に、このように構成した場合の電子顕微鏡の構成の一例を示す。図12において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。ここでは、電子顕微鏡2が走査透過型電子顕微鏡(STEM)の構成を有しているが、電子顕微鏡2は、走査型電子顕微鏡(SEM)の構成を有していてもよいし、透過型電子顕微鏡(TEM)の構成を有していてもよい。
【0071】
図12に示す電子顕微鏡2は、図1に示す電子顕微鏡1と異なり、EDS検出器20と多重波高分析器32とを含まない。また、電子顕微鏡2の処理部100は、元素マップ生成部104に代えて、画像生成部106を含む。画像生成部106は、取得部102で取得された電子顕微鏡画像(複数の同一パターンを有する試料の電子顕微鏡画像)に含まれる複数の領域(大きさが同一で互いに重複しない複数の領域)の画像同士を加算する(或いは、加算して平均化する)処理を行う。
【0072】
また、画像生成部106は、電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割し、分割した各領域に含まれる画像同士の相関をとることで各領域の位置ずれを補正し、位置ずれが補正された複数の領域の画像同士を加算する処理を行ってもよい。より詳細には、上述した第1の手法と同様に、分割した複数の領域のうちの1つを基準領域Aとし、基準領域Aに含まれる画像と、基準領域以外の領域A(n=2,3,4,..)に含まれる画像との相互相関を求め、基準領域Aと領域Aの位置ずれ量(Δx,Δy)を算出する。次に、各領域Aの位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて、各領域Aの位置座標を補正し、基準領域Aの画像と、補正後の各領域A’の画像とを加算(積算)する。また、画像を加算して平均化(分割した領域の数で除算)してもよい。なお、領域Aの位置ずれ補正によって、補正後の領域A’においてピクセル値(輝度値)の無い座標が発生するため、当該座標については、ピクセル値を0として加算を行う。また、領域Aの位置ずれ補正によって、補正後の領域A’に含まれなくなった座標のピクセル値については破棄する。また、加算後の画像(加算画像)の周縁部は減衰しているため、加算画像の周縁部をトリミングして最終的な加算画像を生成してもよい。
【0073】
また、画像生成部106は、電子顕微鏡画像から基準となる1つの領域(基準領域)を抽出し、前記基準となる領域と同一のパターンを有し前記基準となる領域と同一の大きさであり且つ互いに重複しない複数の領域を電子顕微鏡画像から抽出し、抽出した複数の領
域の画像同士を加算する処理を行ってもよい。より詳細には、上述した第2の手法と同様に、基準領域Aの画像をテンプレート画像として、電子顕微鏡画像全体との正規化相互相関関数を計算し、計算結果の画像において、正規化相互相関関数の極大値(類似度の高い位置)を、基準領域Aに近い方から探索し、探索した極大値の位置に、基準領域Aと同一サイズの領域を設定する。設定した領域が、抽出領域として既に設定された他の領域と重複しない場合に、設定した領域を抽出領域(領域A)として極大値の探索を続行し、極大値の探索を終了するまで、抽出領域の設定を繰り返す。そして、基準領域Aの画像と、抽出した各領域Aの画像とを加算(積算)する。また、画像を加算して平均化してもよい。
【0074】
また、画像生成部106は、電子顕微鏡画像における前記パターンの周期を判定し、判定結果に基づいて電子顕微鏡画像を同一の大きさの複数の領域に分割(判定結果に基づいて分割する領域の数、各領域の大きさ及び位置を自動的に決定)し、分割した複数の領域の画像同士を加算する処理を行ってもよい。より詳細には、上述した第3の手法と同様に、電子顕微鏡画像をフーリエ変換して得たフーリエ変換像から周期数(f,f)を求め、周期数(f,f)から、1つの分割領域(抽出領域)に含まれる周期構造の周期数(m,m)を求める(或いは、設定する)。次に、周期数(f,f)及び周期数(m,m)から、分割領域の大きさ(W,H)を求め、分割領域の大きさ(W,H)から、各分割領域の位置(P,P)を求める。そして、分割した各領域の画像同士を加算(積算)する。また、画像を加算して平均化してもよい。
【0075】
このように、試料が周期構造等の複数の同一パターンを有する場合において、当該試料の電子顕微鏡画像に含まれる同一の大きさの複数の領域の画像同士を加算することで、電子線照射による試料の劣化を抑えつつ、少ない電子線照射量或いは少ない電子線照射時間で、精度のよい画像(試料の周期構造等の画像)を得ることができる。特に、透過型電子顕微鏡において原子レベルの観察を行う場合には、電子線が試料の極狭い領域に集中して照射されるため、電子線照射量或いは電子線照射時間を制限することは重要である。
【符号の説明】
【0076】
1,2 電子顕微鏡、10 電子顕微鏡本体、11 電子線源、12 集束レンズ、13
走査偏向器、14 対物レンズ、15 試料ステージ、16 中間レンズ、17 投影レンズ、18 透過電子検出器、20 EDS検出器、30 偏向器制御装置、32 多重波高分析器、100 処理部、102 取得部、104 元素マップ生成部、106 画像生成部、110 操作部、120 表示部、130 記憶部、EB 電子線、S 試料
図1
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