【実施例1】
【0018】
本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限り、適宜変更、修正、改良を加え得るものである。
【0019】
本発明に係るヘッドマウントディスプレイを
図1−4に基づいて説明する。
【0020】
本例のヘッドマウントディスプレイ10の基本構成は、情報に応じた画像を表示する表示画面部12がフレーム14に配設されてなるものである。
【0021】
本例において、フレーム14は眼鏡型に形成され、フロント部14aとテンプル部14bとにより構成し、さらにテンプル部14bを二分割し、テンプル部14bに対してテンプル部14cを着脱可能とし、その着脱は接続端子構造としてある。
【0022】
周囲の音を集音するマイク16をフレーム14に配し、マイク16が集音した音が、予め登録された特定の周波数である場合に、その情報に対応する点滅光および絵図を表示画面部12に表示指示する音判別装置18を、マイク、画像表示部12とそれぞれ接続可能に、フレーム14に着脱自在に配してある。
【0023】
本例において、マイク16はフレーム14のテンプル部14bに所定間隔を隔てて前後方向に一対配してあり、このため、前後方で発する音の集音性が向上する。
【0024】
さらに、音の種類および方向の判断は、テンプル部14bに配した二つのマイク16a、16bの水平方向の離間距離(本例では約数cmの距離が必要)の違いを利用して行われる(
図4参照)。
【0025】
このため、マイク16a、16bは集音する音に対して水平であることが重要であるが、前後どちらか一方を水平に配置すればよい。
【0026】
予め登録されている周波数は、自動車の接近音、警笛音、自転車の接近音、ベル音、緊急車両が発するサイレン音、等である
【0027】
この際、音は任意にスマートフォン等のデジタル携帯端末を介しBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により登録することが可能であり、また音判別装置18へ任意の音を登録することも可能である。
【0028】
また、音判別装置18はフレーム14のテンプル部14b下方に着脱自在に配してあるが、フレーム14の他の個所とすることは自由である。
【0029】
また、加速度センサー20が音判別装置18に接続して付設されている。
【0030】
この加速度センサー20は、使用者が携行し、その歩行または歩行停止を検出するためのものである。
【0031】
後方画像を撮影するカメラ22を、フレーム14に配してある。
【0032】
本例において、カメラ22は後方画像を効果的に撮影するため、フレーム14のテンプル部14c後面に配してある。
【0033】
予め後方の危険情報を使用者に点滅光により表示画面部12に表示させて伝えた後、カメラ22による後方画像は、使用者の歩行停止を加速度センサー20が検知した後、表示画面部12に表示するよう制御されている。
【0034】
それぞれが接続された表示画面部12、マイク16、音判別装置18、加速度センサー20およびカメラ22へ、電力を供給するポータブル電源24が、音判別装置18に内装されている。
【0035】
本例において、ポータブル電源24は充電式バッテリーである。
【0036】
また、表示画面部12に表示される絵図の例が
図3に示してある。
【0037】
マイク16が集音した危険音の周波数に応じて、
図3の上段左から自動車の接近、緊急車両の接近、自転車の接近、同図の下段にはその方向を示す絵図が、音判別装置18により選択、指示される。
【0038】
なお、図中Lは眼鏡レンズ、Pはバッド、Hは一体型の眼鏡レンズを取付けるための凹部を示す。
【0039】
本例のヘッドマウントディスプレイ10を使用し、使用者に危険情報を視覚的に伝える方法を説明する。
【0040】
まず、使用者は本例のヘッドマウントディスプレイを通常の眼鏡と同様に、装着する。
【0041】
その後、使用者は屋外を歩行する。
【0042】
使用者が歩行中、ヘッドマウントディスプレイ10のマイク16が集音した音が、音判別装置18に予め登録された周波数である場合、その周波数に応じた危険情報を、初めに点滅光にて、次いで絵図(
図3上段絵図参照)にて、表示画面部12に表示して、使用者に危険情報を視覚的に伝える。
【0043】
この際、マイク16が集音した音の方向も絵図(
図3下段絵図参照)として表示画面部12に表示される。
【0044】
また、前方視界においてモノの陰に隠れた目視では確認できない死角の音情報をも可視化し、絵図として表示画面部12に表示させ、使用者に伝えることができ、このため使用者は危険を早期に回避することが可能となる。
【0045】
また、眼鏡レンズLは透明であるため、使用者はこの表示画面部12の表示と共に、前方視界もそのまま見ることができ、使用者の歩行に支障をきたすことはない。
【0046】
また、マイク16が集音した音の方向が後方である場合は、カメラ22により撮影された後方画像も表示画面部12に表示することができる。
【0047】
このマイク16が集音した音の種類、方向は、
図4(a)(b)に示すフローにより判断される。
【0048】
この後方画像は、加速度センサー20が使用者の歩行停止を検知した場合にのみ、表示画面部12に表示するように制御されているため、安全面上何ら問題はない。
【0049】
また、ポータブル電源24の残量が少なくなる、または無くなった場合には、満充電された新たなポータブル電源と交換する。
【0050】
このポータブル電源24は音判別装置18内に内装されており、充電が可能、かつ取り外しができるため、容易に交換することができる。
【0051】
この際、電源残量が少なくなったことを使用者に警告するため、危険情報とは異なる点滅光、点灯または絵図を表示画面部12に表示させることにより、いち早く交換することができる。
【0052】
このように、本発明に係るヘッドマウントディスプレイによれば、前後方のいずれの危険情報音をも視覚的に使用者に伝えることができるため、聴覚障害者(特に中途難聴者)には効果的である。
【0053】
また、ポータブル電源24および音判別装置18はヘッドマウントブィスプレイ本体であるフレーム14とは別体としてあるため、重量が重くならず、通常の眼鏡と同様に装着することができ、使用性については何ら問題がない。
【0054】
なお、本例において、前方の危険情報を伝える際、点滅光および絵図を表示画面部に表示させるものであるが、点滅光による表示を点灯表示としても良く、また後方の危険情報を伝える際、後方画像を表示できるため、絵図による表示を省略することもできる。