特許第6530410号(P6530410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6530410
(24)【登録日】2019年5月24日
(45)【発行日】2019年6月12日
(54)【発明の名称】オキシムエステル光開始剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/12 20060101AFI20190531BHJP
   C07D 307/80 20060101ALI20190531BHJP
   C07D 333/56 20060101ALI20190531BHJP
   C07D 307/92 20060101ALI20190531BHJP
   C07D 409/06 20060101ALI20190531BHJP
   C07D 407/12 20060101ALI20190531BHJP
   C07D 307/91 20060101ALI20190531BHJP
   C08F 2/50 20060101ALI20190531BHJP
   G03F 7/031 20060101ALI20190531BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20190531BHJP
   G03F 7/032 20060101ALI20190531BHJP
   G03F 7/033 20060101ALI20190531BHJP
【FI】
   C07D209/12CSP
   C07D307/80
   C07D333/56
   C07D307/92
   C07D409/06
   C07D407/12
   C07D307/91
   C08F2/50
   G03F7/031
   G03F7/004 505
   G03F7/032 501
   G03F7/004 504
   G03F7/033
【請求項の数】18
【全頁数】110
(21)【出願番号】特願2016-542414(P2016-542414)
(86)(22)【出願日】2014年9月8日
(65)【公表番号】特表2016-531926(P2016-531926A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】IB2014064309
(87)【国際公開番号】WO2015036910
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2017年9月1日
(31)【優先権主張番号】13183651.2
(32)【優先日】2013年9月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】國本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】倉 久稔
(72)【発明者】
【氏名】山本 宏
(72)【発明者】
【氏名】中川 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 敏景
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 かおり
【審査官】 松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−516246(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0008811(KR,A)
【文献】 特開2008−179611(JP,A)
【文献】 特開2001−233842(JP,A)
【文献】 特開2007−248516(JP,A)
【文献】 特開昭62−201859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C08F
G03F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)または(II)
【化1】
[式中、
Xは、
【化2】
であり;
Aは、O、SもしくはNRであり;
は、C〜C20−アルキルであり;
1aは、C〜C20−アルキルもしくはC〜C20−アリールであり;
は、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、SR、NR、(CO)ORもしくはC〜C−シクロアルキルによって置換されているか、または
は、C〜C20−アリールであり、前記C〜C20−アリールは、非置換であるか、もしくはC〜C20−アルキルによって置換されており;
は、C〜C20−アルキルであるか、またはRは、Rの炭素原子の1つと一緒になって、5員もしくは6員の飽和環を形成し;
は、C〜C20−アリールであり;
およびRは、互いに独立して、O(CO)R1a、(CO)R1aもしくはC〜C20−アルキルであり;
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、ハロゲン、NO、OR、(CO)R1aもしくはC〜C20−アリールであるか、または
およびRは、
【化3】
であり;
12、R13、R14およびR15は、水素もしくはC〜C−アルキルであり;
16およびR17は、水素であるか、または
16およびR17は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和環を形成し;
Arは、C〜C20−アリールもしくは
【化4】
であり;
Arは、
【化5】
であり;
Mは、Sによって中断されたC〜C20−アルキレンであり;
Yは、直接結合であり;
は、O、SもしくはCR16(R17)であり;かつ
は、OもしくはSである]の化合物。
【請求項2】
光重合性組成物であって、
(a)少なくとも1種のエチレン性不飽和の光重合性化合物と、
(b)光開始剤として、請求項1に定義される式(I)もしくは(II)の少なくとも1種の化合物と、
を含む光重合性組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の光重合性組成物であって、成分(a)が、飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物と、エポキシ樹脂および不飽和モノカルボン酸の反応の生成物との反応によって得られる樹脂である光重合性組成物。
【請求項4】
請求項2に記載の光重合性組成物であって、前記光開始剤(b)に加えて、更なる光開始剤(c)および他の添加剤(d)から選択される少なくとも1種の成分を含む光重合性組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の光重合性組成物であって、他の添加剤(d)として、顔料もしくは顔料の混合物、または染料もしくは染料の混合物、または1種以上の顔料と1種以上の染料との混合物を含む光重合性組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の光重合性組成物であって、他の添加剤(d)として、分散剤または分散剤の混合物を含む光重合性組成物。
【請求項7】
請求項2から6までのいずれか1項に記載の光重合性組成物であって、該組成物に対して0.05質量%〜25質量%の光開始剤(b)または光開始剤(b)および(c)を含む光重合性組成物。
【請求項8】
請求項2から6までのいずれか1項に記載の光重合性組成物であって、他の添加剤(d)として、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、チオキサントン誘導体、アントラキノン、アントラキノン誘導体、クマリンおよびクマリン誘導体からなる群から選択される光増感剤を含む光重合性組成物。
【請求項9】
請求項2から6までのいずれか1項に記載の光重合性組成物であって、更に、バインダーポリマー(e)を含む光重合性組成物。
【請求項10】
前記バインダーポリマー(e)がメタクリレートおよびメタクリル酸のコポリマーである、請求項9に記載の光重合性組成物。
【請求項11】
請求項1に定義される式(I)または(II)の化合物の製造方法であって、式(IA)または(IIA)
【化6】
[式中、X、Ar、MおよびRは、請求項1に定義される通りである]の相応のオキシム化合物と、式(III)のアシルハロゲン化物または式(IV)の無水物
【化7】
[式中、Halは、ハロゲンであり、かつは請求項1に定義される通りである]とを、塩基または塩基の混合物の存在下で反応させることによって行われる、前記製造方法。
【請求項12】
エチレン性不飽和二重結合を含む化合物の光重合方法であって、請求項2から10までのいずれか1項に記載の組成物に、150nm〜600nmの範囲の電磁線または電子線もしくはX線を照射することを含む光重合方法。
【請求項13】
顔料着色されたおよび顔料着色されていないペイントおよびワニス、粉末コーティング、印刷インキ、印刷版、接着剤、歯科用組成物、ゲルコート、エレクトロニクス用フォトレジストの製造のための、電機部品および電子部品の封入のための、磁気記録材料、マイクロメカニカル部品、導波路、光スイッチ、めっきマスク、エッチングマスク、色校正システム、ガラス繊維ケーブル用コーティング、スクリーン印刷用ステンシルの製造のための、3次元物品、画像記録材料、マイクロエレクトロニクス回路、脱色材料、有機発光ダイオード(OLED)用のバンク/ピクセル画定層、液晶ディスプレイ(LCD)および有機発光ダイオード(OLED)用のシーラント、液晶ディスプレイ(LCD)および有機発光ダイオード(OLED)用の絶縁/パッシベーション層の製造のための、タッチパネル用の金属ワイヤ/透明導電性フィルム用の絶縁のための、タッチパネル用のコーティング、タッチパネル用の装飾インキ、タッチパネル用の保護被膜、またはタッチパネル用のエッチングレジストの製造のための、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの表面上が請求項2に記載の組成物によりコーティングされているコーティングされた基材。
【請求項15】
レリーフ像の写真的生成方法であって、請求項14に記載のコーティングされた基材を像様露光に付し、次いで、非露光部分を現像剤で除去する写真的生成方法。
【請求項16】
全てが感光性の樹脂および顔料を有する、赤色、緑色および青色の画素と、任意に黒色マトリックスを透明基材上に準備することと、前記基材の表面上かカラーフィルター層の表面上のいずれかに透明電極を準備することと、によって製造されたカラーフィルターであって、前記の感光性の樹脂は、多官能性のアクリレートモノマー、有機ポリマーバインダーおよび請求項1に定義される式(I)もしくは(II)の光重合開始剤を含むカラーフィルター。
【請求項17】
請求項1に定義される式(I)または(II)の化合物の、少なくとも1種のエチレン性不飽和光重合性化合物を含む組成物の光重合のための使用。
【請求項18】
式(IA)または(IIA)
【化8】
[式中、X、M、ArおよびRは、請求項1に定義される通りである]の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のベンゾ(不飽和5員環)カルボニル基を有する新規オキシムエステル化合物および前記化合物の光重合性組成物における、特にディスプレイ用途のための、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)およびタッチパネルのためのフォトレジスト配合物における光開始剤としての使用に関する。
【0002】
ヘテロアリール部を有するオキシムエステル化合物は、当該技術分野において知られている。例えば、CN103044581Aにおいて、巨大分子光開始剤、その製造方法および光硬化性組成物における該開始剤の利用が提供されている。KR1225695B1は、光重合開始剤としてのα−ケトキシムエステル化合物を開示している。KR2013003305Aにおいては、フラン−2−イル基、3−メチルチオフェン−2−イル基または2−メチルフェニル基を含むオキシイミノジチオカーボネート化合物が光開始剤として記載されている。CN102492060Bは、O含有またはS含有の複素環式基で置換されたアリールまたはOまたはSを含む少なくとも1つの置換基を有するアリールを含むジフェニルスルフィドオキシムエステル型の光開始剤を開示している。
【0003】
特定のイミノナフト[2,3−b]フラン誘導体の該誘導体のそれぞれのカルボニル前駆体からの位置特異的な方式での、および立体特異的な方式での合成は、Bioorganic&Medicinal Chemistry,第18巻,第14号,第5172頁〜第5182頁に記載されている。KR2013010621Aは、9H−カルバゾールを基礎とする化合物とジシクロヘキシルカルボジイミドとを脱水縮合反応によって反応させることによるオキシムエステル化合物の製造を開示している。
【0004】
更なるオキシムエステル化合物は、例えばWO2010/060702およびWO08138724において提供されている。WO2004050653A2は、複素芳香族基を有するオキシムエステル光開始剤を開示している。
【0005】
LCD用および白色OLED用の、ガラス基材上に黒色マトリックスと赤色、緑色および青色のカラーピクセルとを含むカラーフィルタ(CF)は、放射線光重合性レジストを使用してフォトリソグラフィーによって製造される。
【0006】
LCD用のオーバーコート層を用いて、カラーフィルタの表面が平坦化され、液晶の配向が高められ、そしてカラーフィルタ(CF)から液晶へのイオン溶出が防がれる。該オーバーコートは、カラーフィルタ上でアクリレート樹脂および/またはエポキシ樹脂を基礎とする熱硬化性樹脂を使用して、例えば220℃で30分間にわたる加熱によって、またはポストベークプロセス前にフォトリソグラフィーと組み合わせて製造される。熱的安定性、耐光性、接着性、硬度および透明性が必要とされる。
【0007】
LCDパネル中の液晶層のセルギャップを制御するLCD用スペーサーは、感光性組成物を使用したフォトリソグラフィーによって高い位置精度をもって形成される。フォトスペーサーは、放射線重合性のレジストをオーバーコートまたはカラーフィルタ上で使用してフォトリソグラフィーによって製造される。フォトリソグラフィーの後に、熱安定性、機械的強度、接着性、セルギャップ制御可能性および高い変形復元性を獲得するために、フォトスペーサーは、例えば220℃で60分間にわたりベークされる。
【0008】
透明なカラムスペーサーは、LCD技術で広く知られているが、透明なスペーサーは偏光を妨害することで、コントラスト比を減らす。考えられる解決策の一つは、偏光を散乱させずに吸収するために黒色の着色剤と混ぜることであり、すなわちはブラックカラムスペーサーとすることである。ブラックカラムスペーサーもLCD技術で使用されている。
【0009】
LCDおよびOLED用のバックプレーンにおけるパッシベーション層もフォトリソグラフィーによって製造できるだけでなく、OLED用のバンク層/ピクセル画定層もフォトリソグラフィーによって製造できる。更に、タッチパネル用の透明な導電性層もフォトリソグラフィーによって製造できる。
【0010】
従って、市場では、エネルギー消費を削減するため、より高い生産性のためにより短いタクトタイムを達成するために、および/またはディスプレイ用途のための材料の選択をより自由にするために、より感光性の高い光開始剤が強く求められている。感光性樹脂中で使用されるべき光開始剤は、従って反応性が高く、製造が容易で、取扱いが簡単である必要がある。例えば、カラーフィルタ用レジストの用途では、高度に顔料着色されたレジストが高い色品質特性のために必要とされる。顔料含分の増加に伴い、カラーレジストの硬化は、より困難となる。従って、高感度を有する光開始剤が必要とされている。更に、そのような新規の光開始剤は、例えば取り扱いが容易であること、高い可溶性、耐熱性および貯蔵安定性等の特性に関する産業上の高い要求も満たさねばならない。更に、ディスプレイ用途での開始剤は、パターンの表面平滑性、基材への付着性等に資するべきである。更に、該化合物の製造のための相応の中間体が簡単に入手できるべきである。このように、上述の要求の申し分の無い均衡をもたらす光開始剤化合物が依然として必要とされている。例えば、その均衡とは、製造法および製造プロセスの観点での入手性と、例えば感度、可溶性等のような化合物の特性との間の許容可能な均衡である。
【0011】
ここで、式(I)または(II)
【化1】
[式中、
Xは、
【化2】
であり;
Aは、O、S、NRまたはCR1617であり;
は、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、CN、(CO)OR、(CO)NR、C〜C−シクロアルキル、1つ以上のO、S、COもしくはNRによって中断されているC〜C−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR、(CO)NR、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR、SRもしくはNRによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、そのそれぞれは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NRもしくはCOORによって中断されているか、または
は、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、そのそれぞれは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C20−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aもしくはSO−R1aによって置換されているか、または
は、C〜C20−アルコキシであり、前記C〜C20−アルコキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C10−アルキル、C〜C−ハロアルキル、ハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニルもしくはC〜C−アルコキシフェニルによって置換されているか、または
は、C〜C20−アルコキシであり、前記C〜C20−アルコキシは、1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されているか、または
は、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシであり、前記C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C20−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aもしくはSO1aによって置換されており;
1aは、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、CN、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
1aは、1つ以上のO、S、NR5a、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)−(C〜C−アルキル)、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されているか、または
1aは、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、そのそれぞれは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NR5aもしくはCOOR3aによって中断されているか、または
1aは、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C20−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)−(C〜C−アルキル)、ベンゾイルもしくはSO−(C〜C−ハロアルキル)によって置換されているか、または
1aは、C〜C20−アルコキシであり、前記C〜C20−アルコキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C10−アルキル、C〜C−ハロアルキル、ハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニルもしくはC〜C−アルコキシフェニルによって置換されているか、または
1aは、C〜C20−アルコキシであり、前記C〜C20−アルコキシは、1つ以上のO、S、NR5a、CO、SOもしくはSOによって中断されているか、または
1aは、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシであり、前記C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C20−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)(C〜C−アルキル)、SO−(C〜C−ハロアルキル)、ベンゾイルもしくは
【化3】
によって置換されており、前記ベンゾイルもしくは
【化4】
は、非置換であるか、もしくは
【化5】
によって置換されており;
は、水素、CN、(CO)R1a、(CO)OR、CONR、NO、PO(OR1aもしくはS(O)1aであるか、または
は、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、CN、(CO)OR、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a
【化6】
、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNRによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、NR、PO(OR1aもしくはS(O)1aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR、(CO)NR、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR、SRもしくはNRによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NRもしくはCOORによって中断されているか、または
は、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)−R1a、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a
【化7】
、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR3a、CONR、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR、SRもしくはNRによって置換されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNRによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(前記フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のOR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されており;
2aは、水素、CN、(CO)R1a、(CO)OR3a、CONR5a6a、NO、PO(OR1aもしくはS(O)1aであるか、または
2aは、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、CN、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、PO(OR1a、S(O)1a、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、PO(OR1aもしくはS(O)1aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
2aは、1つ以上のO、S、NR5a、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されているか、または
2aは、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NR5aもしくはCOOR3aによって中断されているか、または
2aは、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)R1a、(CO)NR5a6a、PO(OR1a、S(O)1a、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR3a、CONR5a6a、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNR5aによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(前記フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルのそれぞれは、非置換であるか、もしくは1つ以上のOR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されており;
は、水素、(CO)R1a、(CO)OR3a、CONR、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、CN、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、PO(OR1a、S(O)1a、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、PO(OR1aもしくはS(O)1aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、1つ以上のO、S、NR5a、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NR5aもしくはCOOR3aによって中断されているか、または
は、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)R1a、(CO)NR5a6a、PO(OR1a、S(O)1a
【化8】
、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR3a、CONR5a6a、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNR5aによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(前記フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のOR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、RもしくはMの炭素原子の1つと一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはO、SもしくはNR5aによって中断されており、かつ前記5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環は、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C20−アルキル、OR3a、SR4a、NR5a6a、(CO)R1a、NO、ハロゲン、C〜C−ハロアルキル、CN、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、
【化9】
もしくはC〜C20−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されており;
3aは、水素、(CO)O(C〜C−アルキル)もしくはCON(C〜C−アルキル)であるか、または、
3aは、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OH、SH、CN、C〜C−アルケンオキシ、OCHCHCN、OCHCH(CO)O(C〜C−アルキル)、O(CO)(C〜C−アルキル)、O(CO)C〜C−アルケニル、O(CO)フェニル、(CO)OH、(CO)O(C〜C−アルキル)、C〜C−シクロアルキル、SO(C〜C−ハロアルキル)、O(C〜C−ハロアルキル)、フェニル、C〜C−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニルおよび1つ以上のOによって中断されたC〜C−シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
3aは、1つ以上のO、S、N(C〜C−アルキル)、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)(C〜C−アルキル)、(CO)O(C〜C−アルキル)、(CO)N(C〜C−アルキル)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルスルファニルもしくはN(C〜C−アルキル)によって置換されているか、または
3aは、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、N(C〜C−アルキル)もしくはCOO(C〜C−アルキル)によって中断されているか、または
3aは、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルであり、前記C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、CN、NO、OH、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、フェニル−C〜C−アルキルオキシ、フェノキシ、C〜C−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、N(C〜C−アルキル)、ジフェニルアミノ、(CO)O(C〜C−アルキル)、(CO)C〜C−アルキルもしくは(CO)N(C〜C−アルキル)、フェニルもしくはベンゾイルによって置換されているか、または
3aは、C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルであり、前記C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、OH、C〜C−アルコキシ、フェノキシ、C〜C−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、N(C〜C−アルキル)もしくはジフェニルアミノによって置換されており;
は、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、CN、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、PO(OR1a、S(O)1a、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、PO(OR1aもしくはS(O)1aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、1つ以上のO、S、NR5a、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NR5aもしくはCOOR3aによって中断されているか、または
は、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)R1a、(CO)NR5a6a、PO(OR1a、S(O)1a
【化10】
、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR3a、CONR5a6a、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNR5aによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(前記フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくはOR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、RもしくはMの炭素原子の1つと一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはO、SもしくはNR5aによって中断されており、かつ前記5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環は、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C20−アルキル、OR3a、SR4a、NR5a6a、(CO)R1a、NO、ハロゲン、C〜C−ハロアルキル、CN、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、
【化11】
もしくはC〜C20−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されており;
4aは、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OH、SH、CN、C〜C−アルケンオキシ、OCHCHCN、OCHCH(CO)O(C〜C−アルキル)、O(CO)(C〜C−アルキル)、O(CO)C〜C−アルケニル、O(CO)フェニル、(CO)OH、(CO)O(C〜C−アルキル)、C〜C−シクロアルキル、SO(C〜C−ハロアルキル)、O(C〜C−ハロアルキル)、フェニル、C〜C−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニルおよび1つ以上のOによって中断されたC〜C−シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
4aは、1つ以上のO、S、N(C〜C−アルキル)、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)(C〜C−アルキル)、(CO)O(C〜C−アルキル)、(CO)N(C〜C−アルキル)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルスルファニルもしくはN(C〜C−アルキル)によって置換されているか、または
4aは、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、N(C〜C−アルキル)もしくはCOO(C〜C−アルキル)によって中断されているか、または
4aは、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルであり、前記C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、CN、NO、OH、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、フェニル−C〜C−アルキルオキシ、フェノキシ、C〜C−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、N(C〜C−アルキル)、ジフェニルアミノ、(CO)O(C〜C−アルキル)、(CO)C〜C−アルキル、(CO)N(C〜C−アルキル)、フェニルもしくはベンゾイルによって置換されているか、または
4aは、C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルであり、前記C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、OH、C〜C−アルコキシ、フェノキシ、C〜C−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、N(C〜C−アルキル)もしくはジフェニルアミノによって置換されており;
およびRは、互いに独立して、水素、S(O)1a、O(CO)R1a、(CO)R1aもしくはCONR5a6aであるか、または
およびRは、互いに独立して、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、CN、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、PO(OR1a、S(O)1a、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、PO(OR1aもしくはS(O)1aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
およびRは、互いに独立して、1つ以上のO、S、NR5a、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR3a、(CO)NR5a6a、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されているか、または
およびRは、互いに独立して、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NR5aもしくはCOOR3aによって中断されているか、または
およびRは、互いに独立して、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)R1a、(CO)NR5a6a、PO(OR1a、S(O)1a
【化12】
、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR3a、CONR5a6a、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNR5aによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(前記フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくはOR3a、SR4aもしくはNR5a6aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
およびRは、互いに独立して、C〜C20−アルコキシであり、前記C〜C20−アルコキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C−アルキルフェニルもしくはC〜C−アルコキシフェニルによって置換されているか、または
およびRは、互いに独立して、C〜C20−アルコキシであり、前記C〜C20−アルコキシは、1つ以上のO、S、NR5a、CO、SOもしくはSOによって中断されているか、または
およびRは、互いに独立して、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシであり、前記C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)R1aもしくはSO1aによって置換されているか、または
は、RもしくはMの炭素原子の1つと一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはO、SもしくはNR5aによって中断されており、かつ前記5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環は、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C20−アルキル、OR3a、SR4a、NR5a6a、(CO)R1a、NO、ハロゲン、C〜C−ハロアルキル、CN、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、
【化13】
もしくはC〜C20−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されているか、または
およびRは、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはO、SもしくはNR5aによって中断されており、かつ前記5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環は、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C20−アルキル、OR3a、SR4a、NR5a6a、(CO)R1a、NO、ハロゲン、C〜C−ハロアルキル、CN、フェニル、
【化14】
もしくはC〜C20−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されており;
5aおよびR6aは、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、S(O)(C〜C−アルキル)、O(CO)(C〜C−アルキル)、(CO)(C〜C−アルキル)、(CO)O(C〜C−アルキル)もしくはCON(C〜C−アルキル)であるか、または、
5aおよびR6aは、互いに独立して、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、1つ以上のハロゲン、OH、SH、CN、C〜C−アルケンオキシ、OCHCHCN、OCHCH(CO)O(C〜C−アルキル)、O(CO)(C〜C−アルキル)、O(CO)C〜C−アルケニル、O(CO)フェニル、(CO)OH、(CO)O(C〜C−アルキル)、C〜C−シクロアルキル、SO(C〜C−ハロアルキル)、O(C〜C−ハロアルキル)、フェニル、C〜C−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−シクロアルキルもしくは1つ以上のOによって中断されたC〜C−シクロアルキルによって置換されているか、または
5aおよびR6aは、互いに独立して、1つ以上のO、S、N(C〜C−アルキル)、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)(C〜C−アルキル)、(CO)O(C〜C−アルキル)、(CO)N(C〜C−アルキル)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルスルファニルもしくはN(C〜C−アルキル)によって置換されているか、または
5aおよびR6aは、互いに独立して、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、N(C〜C−アルキル)もしくはCOO(C〜C−アルキル)によって中断されているか、または
5aおよびR6aは、互いに独立して、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルであり、前記C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、CN、NO、OH、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、フェニル−C〜C−アルキルオキシ、フェノキシ、C〜C−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、N(C〜C−アルキル)、ジフェニルアミノ、(CO)O(C〜C−アルキル)、(CO)C〜C−アルキル、(CO)N(C〜C−アルキル)、フェニルもしくはベンゾイルによって置換されているか、または
5aおよびR6aは、互いに独立して、C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルであり、前記C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、OH、C〜C−アルコキシ、フェノキシ、C〜C−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、N(C〜C−アルキル)もしくはジフェニルアミノによって置換されているか、または
5aおよびR6aは、互いに独立して、C〜C20−アルコキシであり、前記C〜C20−アルコキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C−アルキルフェニルもしくはC〜C−アルコキシフェニルによって置換されているか、または
5aおよびR6aは、互いに独立して、C〜C20−アルコキシであり、前記C〜C20−アルコキシは、1つ以上のO、S、N(C〜C−アルキル)、CO、SOもしくはSOによって中断されているか、または
5aおよびR6aは、互いに独立して、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシであり、前記C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルスルファニル、N(C〜C−アルキル)、CO(OC〜C−アルキル)、(CO)(C〜C−アルキル)もしくはSO−(C〜C−アルキル)によって置換されているか、または
5aおよびR6aは、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはO、SもしくはN(C〜C−アルキル)によって中断されており、かつ前記5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環は、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルスルファニル、N(C〜C−アルキル)、NO、ハロゲン、C〜C−ハロアルキル、CN、フェニルもしくはC〜C20−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはN(C〜C−アルキル)によって中断されており;
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、ハロゲン、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1a、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a
【化15】
であり、ここで置換基OR、SRもしくはNRは、場合により、5員もしくは6員の環を、基R、R、RもしくはRを介して基X上にある更なる置換基と一緒に形成するか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、ハロゲン、OR、SR、NR、CN、(CO)OR、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNRによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、NR、PO(OR1aもしくはS(O)1aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR、(CO)NR、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR、SRもしくはNRによって置換されているか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NRもしくはCOORによって中断されているか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1a、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a
【化16】
、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR3a、CONR、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR、SRもしくはNRによって置換されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNRによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(前記フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくはOR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
およびR、RおよびR10、またはR10およびR11は、
【化17】
であり;
12、R13、R14、およびR15は、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、ハロゲン、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1a、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a
【化18】
であり、ここで置換基OR、SRもしくはNRは、場合により、5員もしくは6員の環を、基R、R、RもしくはRを介して基X上にある更なる置換基と一緒に形成するか、または
12、R13、R14、およびR15は、互いに独立して、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、ハロゲン、OR、SR、NR、CN、(CO)OR、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNRによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR、SR、NR、PO(OR1aもしくはS(O)1aによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
12、R13、R14、およびR15は、互いに独立して、1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR、(CO)NR、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR、SRもしくはNRによって置換されているか、または
12、R13、R14、およびR15は、互いに独立して、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NRもしくはCOORによって中断されているか、または
12、R13、R14、およびR15は、互いに独立して、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1a、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)−R1a
【化19】
、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR3a、CONR、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR、SRもしくはNRによって置換されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNRによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(前記フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくはOR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されており;
16およびR17は、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、CN、(CO)OR、(CO)NR、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNRによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
16およびR17は、互いに独立して、1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR、(CO)NR、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルによって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR、SRもしくはNRによって置換されているか、または
16およびR17は、互いに独立して、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであり、前記C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NRもしくはCOORによって中断されているか、または
16およびR17は、互いに独立して、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C20−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aもしくはSO1aによって置換されているか、または
16およびR17は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはO、SもしくはNR5aによって中断されており、かつ前記5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環は、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C20−アルキル、OR3a、SR4a、NR5a6a、(CO)R1a、NO、ハロゲン、C〜C−ハロアルキル、CN、フェニルもしくはC〜C20−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNR5aによって中断されており;
Arは、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイル、C〜C20−ヘテロアリールカルボニルもしくは
【化20】
であり、前記C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイル、C〜C20−ヘテロアリールカルボニルもしくは
【化21】
は、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、COOR、(CO)R1a、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a
【化22】
、OR、SR、NR(該置換基OR、SRもしくはNRは、場合により5員もしくは6員の環を、基R、R、RもしくはRを介してフェニル環上にある更なる置換基と一緒に形成する)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR、CONR、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR、SRもしくはNRによって置換されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNRによって中断されている)、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキル(該C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NRもしくはCOORによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(該フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくはOR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
Arは、
【化23】
であり;
Arは、フェニレン、ナフチレン、フェニレンカルボニル、ナフチレンカルボニル、
【化24】
であり、前記フェニレン、ナフチレン、フェニレンカルボニル、ナフチレンカルボニル、
【化25】
は、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、COOR、(CO)R1a、(CO)NR、PO(OR1a、S(O)1a
【化26】
、OR、SR、NR、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR、CONR、フェニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−ヘテロアリール、OR、SRもしくはNRによって置換されている)、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキル(該C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NRもしくはCOORによって中断されている)、C〜C20−アルキル(該C〜C20−アルキルは、1つ以上のO、SもしくはNRによって中断されている)、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(該フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくはOR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されており;
Mは、C〜C20−アルキレンであり、前記C〜C20−アルキレンは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、CN、(CO)OR、(CO)NR、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、COもしくはNRによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、C〜C−ハロアルキル、CN、NO、OR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
Mは、1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキレンであり、前記C〜C20−アルキレンもしくはC〜C20−アルキレンは、非置換であるか、もしくはC〜C−シクロアルキル、OH、SH、O(CO)R1a、(CO)OR、(CO)NR、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されており、ここでC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−アルキル、OR、SRもしくはNRによって置換されているか、または
Mは、C〜C12−アルケニレンもしくはC〜C20−シクロアルキレンであり、前記C〜C12−アルケニレンもしくはC〜C20−シクロアルキレンは、中断されていないか、もしくは1つ以上のO、S、CO、NRもしくはCOORによって中断されているか、または
Mは、C〜C20−アリーレンもしくはC〜C20−ヘテロアリーレンであり、前記C〜C20−アリーレンもしくはC〜C20−ヘテロアリーレンは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C20−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aもしくはSO1aによって置換されており;
Yは、直接結合、O、S、NRもしくはCOであり;
は、O、S、COもしくはCR16(R17)であり;
は、直接結合、O、SまたはNRであり;
mは、1もしくは2であり;かつ
Qは、COもしくは直接結合である]の化合物が前記要求を満たすことが判明した。
【0012】
前記化合物は、
【化27】
基[式中、A、R、R、R、R10およびR11は、前記定義される通りである]を含むα−ケトキシムエステル光重合開始剤である。
【0013】
〜C20−アルキルは、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばC〜C18−アルキル、C〜C14−アルキル、C〜C12−アルキル、C〜C−アルキル、C〜C−アルキルまたはC〜C−アルキルである。例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびイコシルである。
【0014】
〜C−ハロアルキルは、全てのH原子がハロゲンによって交換されるまで、ハロゲンによって一置換または多置換されているC〜C−アルキルである。例は、クロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチルまたは2−ブロモプロピル、特にトリフルオロメチルまたはトリクロロメチルである。
【0015】
1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルキルは、例えば前記定義の基によって、1〜9箇所、1〜7箇所または1箇所もしくは2箇所中断されている。前記基が1つより多くのOによって中断される場合に、前記O原子は、互いに少なくとも1つのメチレン基によって隔離される、すなわち前記O原子は連続していない。前記中断されたアルキル中のアルキル基は、直鎖状または分枝鎖状である。例は、以下の構造単位−CH−O−CH、−CHCH−O−CHCH、−[CHCHO]−CH(式中、yは1〜9である)、−(CHCHO)−CHCH、−CH−CH(CH)−O−CH−CHCHもしくは−CH−CH(CH)−O−CHCH等である。
【0016】
〜C20−シクロアルキルまたはC〜C−シクロアルキルは、単環式または多環式の脂肪族環、例えば単環式、二環式または三環式の脂肪族環、例えばC〜C18−、C〜C12−、C〜C10−シクロアルキルである。単環式の環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル、特にシクロペンチルおよびシクロヘキシルである。多環式の環の例は、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロフェナントリル、ペルヒドロナフチル、ペルヒドロフルオレニル、ペルヒドロクリセニル、ペルヒドロピセニル、アダマンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、
【化28】
等である。
【0017】
また、「スピロ」シクロアルキル化合物、例えばスピロ[5.2]オクチル、スピロ[5.4]デシル、スピロ[5.5]ウンデシルも、本発明の文脈におけるC〜C20−シクロアルキルという定義によって包含される。本発明の化合物におけるそれぞれの定義の対象である多環式のシクロアルキル基の更なる例は、EP878738の第11頁および第12頁に列挙されており、式(1)〜(46)へと結合を付加して「イル」とする必要がある。当業者は、このことを認識している。
【0018】
1つ以上のO、S、COもしくはNRによって中断されているC〜C−シクロアルキルは、前記定義のC〜C−シクロアルキルであって、少なくとも1つのC原子がO、S、COもしくはNRによって置き換えられている前記C〜C−シクロアルキルを指す。
【0019】
〜C12−アルケニル基は、一価不飽和もしくは多価不飽和であり、直鎖状もしくは分枝鎖状であり、例えばC〜C−アルケニル、C〜C−アルケニルまたはC〜C−アルケニルである。例は、アリル、メタリル、ビニル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、5−ヘキセニルまたは7−オクテニル、特にアリルまたはビニルである。
【0020】
〜C20−アルコキシは、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばC〜C18−アルコキシ、C〜C16−アルコキシ、C〜C12−アルコキシ、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシまたはC〜C−アルコキシである。例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシまたはイコシルオキシ、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、t−ブチルオキシ、特にメトキシである。
【0021】
1つ以上のO、S、NR、CO、SOもしくはSOによって中断されたC〜C20−アルコキシは、例えば前記定義の基によって、1〜9箇所、1〜7箇所、1〜4箇所または1箇所もしくは2箇所中断されている。前記基が1つより多くのOによって中断される場合に、前記O原子は、互いに少なくとも1つのメチレン基によって隔離される、すなわち前記O原子は連続していない。例は、以下の構造単位−O−CH−O−CH、−O−CHCH−O−CHCH、−O−[CHCHO]CH(式中、vは1〜4である)、−O−(CHHO)CHCH、−O−CH−CH(CH)−O−CH−CHCHまたは−O−CH−CH(CH)−O−CHCH等である。
【0022】
〜C−アルキルスルファニル(=C〜C−アルキルチオ)は、C〜C−アルキル(前記定義される通り)であって、「イル」部に1つのS原子を有する前記C〜C−アルキルである。C〜C−アルキルスルファニルは、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばメチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、n−ブチルスルファニル、s−ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、t−ブチルスルファニル等である。
【0023】
〜C20−アルカノイル(=C〜C20−アルキルカルボニル)は、直鎖状もしくは分枝鎖状であり、例えばC〜C18−、C〜C14−、C〜C12−、C〜C−、C〜C−もしくはC〜C−アルカノイルまたはC〜C12−もしくはC〜C−アルカノイルである。例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、イソブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、イコサノイル、好ましくはアセチルである。
【0024】
〜C12−アルケノイルは、一価不飽和または多価不飽和である。例は、プロペノイル、2−メチルプロペノイル、ブテノイル、ペンテノイル、1,3−ペンタジエノイル、5−ヘキセノイル等である。
【0025】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、特にフッ素、塩素および臭素、好ましくはフッ素および塩素である。
【0026】
〜C20−アルキルフェニルは、フェニル環においてアルキルによって1箇所以上置換されているフェニルに相当し、例えばC〜C12−アルキルフェニル、C〜C−アルキルフェニルまたはC〜C−アルキルフェニルであり、その際、アルキルの数は、フェニル環にある全てのアルキル置換基中の全てのC原子の総数に相当する。例は、トリル、キシリル、メシチル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、特にトリルおよびメシチルである。
【0027】
〜C−アルコキシフェニルは、フェニル環においてアルコキシによって1箇所以上置換されているフェニルに相当し、例えばC〜C−アルコキシフェニルであり、その際、アルコキシの数は、フェニル環にある全てのアルコキシ置換基中の全てのC原子の総数に相当する。例は、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、トリメトキシフェニル、エトキシフェニル、ジエトキシフェニル等である。
【0028】
〜C20−アリールは、例えばフェニル、ナフチル、アントリルもしくはフェナントリル、特にフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルである。
【0029】
ナフチルは、1−ナフチルおよび2−ナフチルに相当する。
【0030】
〜C20−アロイルは、C〜C20−アリール−CO−に相当し、その際、C〜C20−アリールは、前記定義される通りである。例は、ベンゾイル、ナフトイル等である。
【0031】
〜C20−アリールオキシは、C〜C20−アリール−O−に相当し、その際、C〜C20−アリールは、前記定義される通りである。例は、フェノキシ、ナフチルオキシ等である。
【0032】
フェニル−C〜C−アルキルオキシは、フェニルによって置換されているC〜C−アルキルオキシ(=C〜C−アルコキシ)に相当する。
【0033】
〜C20−ヘテロアリールは、単環または多環系、例えば縮合環系のいずれかを含むことを意味する。例は、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ジベンゾフリル、ベンゾフリル、クロメニル、キサンテニル、チオキサンチル、フェノキサチイニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル、フェノキサジニル、7−フェナントリル、アントラキノン−2−イル(=9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イル)、3−ベンゾ[b]チエニル、5−ベンゾ[b]チエニル、2−ベンゾ[b]チエニル、4−ジベンゾフリル、4,7−ジベンゾフリル、4−メチル−7−ジベンゾフリル、2−キサンテニル、8−メチル−2−キサンテニル、3−キサンテニル、2−フェノキサチイニル、2,7−フェノキサチイニル、2−ピロリル、3−ピロリル、5−メチル−3−ピロリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、2−メチル−4−イミダゾリル、2−エチル−4−イミダゾリル、2−エチル−5−イミダゾリル、1H−テトラゾール−5−イル、3−ピラゾリル、1−メチル−3−ピラゾリル、1−プロピル−4−ピラゾリル、2−ピラジニル、5,6−ジメチル−2−ピラジニル、2−インドリジニル、2−メチル−3−イソインドリル、2−メチル−1−イソインドリル、1−メチル−2−インドリル、1−メチル−3−インドリル、1,5−ジメチル−2−インドリル、1−メチル−3−インダゾリル、2,7−ジメチル−8−プリニル、2−メトキシ−7−メチル−8−プリニル、2−キノリジニル、3−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリル、3−メトキシ−6−イソキノリル、2−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、2−メトキシ−3−キノリル、2−メトキシ−6−キノリル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、1−メトキシ−6−フタラジニル、1,4−ジメトキシ−6−フタラジニル、1,8−ナフチリジン−2−イル、2−キノキサリニル、6−キノキサリニル、2,3−ジメチル−6−キノキサリニル、2,3−ジメトキシ−6−キノキサリニル、2−キナゾリニル、7−キナゾリニル、2−ジメチルアミノ−6−キナゾリニル、3−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、3−メトキシ−7−シンノリニル、2−プテリジニル、6−プテリジニル、7−プテリジニル、6,7−ジメトキシ−2−プテリジニル、2−カルバゾリル、3−カルバゾリル、9−メチル−2−カルバゾリル、9−メチル−3−カルバゾリル、β−カルボリン−3−イル、1−メチル−β−カルボリン−3−イル、1−メチル−β−カルボリン−6−イル、3−フェナントリジニル、2−アクリジニル、3−アクリジニル、2−ペリミジニル、1−メチル−5−ペリミジニル、5−フェナントロリニル、6−フェナントロリニル、1−フェナジニル、2−フェナジニル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、2−フェノチアジニル、3−フェノチアジニル、10−メチル−3−フェノチアジニル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、4−メチル−3−フラザニル、2−フェノキサジニル、10−メチル−2−フェノキサジニル等である。
【0034】
〜C20−ヘテロアリールは、特にチエニル、ベンゾ[b]チエニル、フリル、ベンゾフリル、チアントレニル、チオキサンチル、1−メチル−2−インドリルまたは1−メチル−3−インドリルである。
【0035】
〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、C〜C20−ヘテロアリール−CO−に相当し、その際、C〜C20−ヘテロアリールは、前記定義される通りである。
【0036】
〜C20−ヘテロアリールオキシは、C〜C20−ヘテロアリール−O−に相当し、その際、C〜C20−ヘテロアリールは、前記定義される通りである。
【0037】
〜C20−アルキレンは、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばC〜C18−アルキレン、C〜C14−アルキレン、C〜C12−アルキレン、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキレンまたはC〜C−アルキレンである。例は、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ドデシレン、テトラデシレン、ヘキサデシレンまたはオクタデシレンである。
【0038】
1つ以上のO、S、NR、CO、SOまたはSOによって中断されているC〜C20−アルキレンは、例えば前記定義の置換基によって、1〜9箇所、例えば1〜7箇所、または1箇所もしくは2箇所中断されており、前記C〜C20−アルキレンは直鎖状または分枝鎖状である。これは、例えば−CH−O−CH−、−CH−S−CH−、−CH−N(CH)−CH−、−CHCH−O−CHCH−、−[CHCHO]−、−[CHCHO]−CH−(式中、yは、1〜9である)、−(CHCHO)CHCH−、−CH−CH(CH)−O−CH−CH(CH)−または−CH−CH(CH)−O−CH−CHCH−等の構造単位を生ずる。前記中断しているO原子は連続していない。
【0039】
〜C12−アルケニレンは、一価不飽和または多価不飽和であり、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばC〜C−アルケニレン、C〜C−アルケニレンまたはC〜C−アルケニレンである。例は、エテニレン、1−プロペニレン、1−ブテニレン、3−ブテニレン、2−ブテニレン、1,3−ペンタジエニレン、5−ヘキセニレン、7−オクテニレン等である。
【0040】
〜C20−シクロアルキレンは、2価の単環式または多環式の脂肪族環、例えば単環式、二環式または三環式の脂肪族環、例えばC〜C18−、C〜C12−、C〜C10−シクロアルキレンからなる。例は、シクロプロピレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン、シクロドデシレン、
【化29】
、特にシクロペンチレンおよびシクロヘキシレン、好ましくはシクロヘキシレンである。
【0041】
〜C20−アリーレンは、例えばフェニレン、ビフェニレン、o−、m−およびp−テルフェニレン、トリフェニルフェニレン、ナフチレン、ビナフチレン、アントラセニレン、フェナントリレンまたはピレニレン、特にフェニレンまたはナフチレン、殊にフェニレンである。
【0042】
〜C20−ヘテロアリーレンは、前記定義のC〜C20−ヘテロアリールを指すが、1価のC〜C20−ヘテロアリーレン基ではなく2価の基であるものを指す。
【0043】
およびRが、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環であって、中断されていないか、もしくはO、SもしくはNR5aによって中断されている環を形成する場合に、飽和もしくは不飽和の環、例えばアジリジン、ピロール、チアゾール、ピロリジン、オキサゾール、ピリジン、1,3−ジアジン、1,2−ジアジン、ピペリジンまたはモルホリンが形成される。好ましくは、RおよびRが、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環であって、任意にO、SもしくはNR5aによって中断されている環を形成する場合に、5員もしくは6員の飽和環であって、中断されていないかまたはOもしくはNR5aによって、特にOによって中断されている環が形成される。
【0044】
5aおよびR6aが、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環であって、中断されていないか、もしくはO、SもしくはN(C〜C−アルキル)によって中断されている環を形成する場合に、飽和もしくは不飽和の環が、RおよびRについて前記の通りに形成され、N原子を有する環が形成される。
【0045】
16およびR17が、それらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環であって、中断されていないか、もしくはO、SもしくはNR5aによって中断されている環を形成する場合に、飽和もしくは不飽和の環、例えばピロール、チアゾール、ピロリジン、オキサゾール、ピリジン、ピペリジンまたはモルホリンが形成される。好ましくは、R16およびR17が、それらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環であって、任意にO、SもしくはNR5aによって中断されている環を形成する場合に、5員もしくは6員の飽和環であって、中断されていないかまたはOもしくはNR5aによって、特にOによって中断されている環が形成される。
【0046】
ArがC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイル、C〜C20−ヘテロアリールカルボニルまたは
【化30】
であり、それがOR、SR、NRからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているとともに、前記置換基OR、SRまたはNRが5員または6員の環を基R、R、RまたはRを介してフェニル環上にある更なる置換基と一緒に形成する場合に、例えば
【化31】
等の構造が形成され、ここで、Eは、O、SまたはNRである(とともに、R、X、M、YおよびZは、前記定義される通りである)。
【0047】
置換されたアリール基であるフェニル、ナフチル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アリーレンまたはC〜C20−ヘテロアリーレン等は、それぞれ1〜7箇所、1〜6箇所または1〜4箇所置換されており、特に1箇所、2箇所または3箇所置換されている。定義されたアリールまたはヘテロアリール基は、定義された環の空いた「CH」もしくは「NH」位置より多くの置換基を有することができないことは明らかである。フェニル環での置換基は、フェニル環上で、好ましくは4位に、または3,4配置で、3,4,5配置で、2,6配置で、2,4配置でまたは2,4,6配置である。
【0048】
1箇所もしくはそれより多くの箇所で中断された中断された基は、例えば1〜19箇所で、1〜15箇所で、1〜12箇所で、1〜9箇所で、1〜7箇所で、1〜5箇所で、1〜4箇所で、1〜3箇所で、または1箇所もしくは2箇所で中断されている(中断原子数は中断すべき炭素原子の数に依存することは明らかである)。
【0049】
1回もしくはそれより多くの回数置換された置換された基は、例えば1〜7つ、1〜5つ、1〜4つ、1〜3つまたは1つもしくは2つの同一もしくは異なる置換基を有する。
【0050】
1もしくはそれより多くの定義された置換基によって置換された基は、示された同一もしくは異なる定義の1つの置換基またはそれより多くの置換基のいずれかを有することを意味する。
【0051】
本願の文脈における用語「および/または」または「または/および」は、定義された選択肢(置換基)の1つだけが存在しうるのみならず、定義された選択肢(置換基)の幾つかも一緒に、つまり種々の選択肢(置換基)の混合物も存在しうることを意味する。
【0052】
用語「少なくとも」は、1もしくは1より多く、例えば1もしくは2もしくは3、好ましくは1もしくは2を定義することを意味する。
【0053】
用語「場合により置換された」は、それが示している基が非置換もしくは置換されていることを意味する。
【0054】
本願明細書および以下の特許請求の範囲にわたり、文脈から他のことが要求されない限りは、用語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含んでいる(comprising)」という別形は、示される整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを含むことを意味するが、任意の他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを除外することを意味しないと理解されるものである。
【0055】
本願の範囲内での用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートならびに相応のメタクリレートを指すものと意図される。
【0056】
本発明の内容において本発明による化合物について上述の好ましいことは、組成物、使用、方法等の請求項である特許請求の範囲の全てのカテゴリーに当てはまることが意図される。
【0057】
本発明は、本願に開示される化合物、構成、方法工程、基質および材料は幾らか変動してよいので、そのような化合物、構成、方法工程、基質および材料に制限されないと理解されるべきである。また、本願で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけに使用されると理解されるべきであり、本発明の範囲は付属の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ制限されるので制限することを意図するものではない。
【0058】
本願明細書および付属の特許請求の範囲で使用される場合に、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明示的に示さない限り複数の指示対象を含むことに留意せねばならない。
【0059】
何ら定義されていない場合に、本願で使用される任意の用語および科学用語は、本発明の属する技術分野における当業者によって通常の理解がなされる意味を有するものと意図される。
【0060】
式IおよびIIのオキシムエステルは、文献に記載の方法によって、例えば相応のオキシムと、アシルハロゲン化物、特に塩化物とまたは無水物とを、不活性溶剤、例えばt−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、ジメチルアセトアミド(DMA)またはジメチルホルムアミド中で塩基または塩基の混合物、例えばトリエチルアミンまたはピリジンの存在下でまたは塩基性溶剤、例えばピリジン中で反応させることによって製造される。以下に例として、式Iの化合物の製造を記載する。
【0061】
【化32】
【0062】
式IIの化合物は、出発材料として適切なオキシム
【化33】
[式中、X、Ar、M、RおよびRは前記の意味を有する]を使用することによって同様にして得ることができる。Halは、ハロゲン原子、特にClを意味する。Rは、好ましくはメチルである。
【0063】
そのような反応は、当業者によく知られており、かつ一般に−15℃〜+50℃、好ましくは0℃〜25℃の温度で行われる。
【0064】
どのオキシムエステル基も2つの配置(Z)または(E)で存在しうる。そして本発明は、E配置とZ配置の両方を包含している。慣用の方法によって異性体を分離できるが、光開始する化学種等の異性体混合物を使用することも可能である。従って、本発明は、式IおよびIIの化合物の配置異性体の混合物にも関する。
【0065】
出発材料として必要とされるオキシムは、標準的な教科書(例えばJ.March,Advanced Organic Chemistry,第4版,Wiley Interscience,1992)にまたは特定の論文、例えばS.R.Sandier&W.Karo,Organic functional group preparations,第3巻,Academic Pressに記載される様々な方法によって得ることができる。
【0066】
最も慣用の方法の一つは、例えばアルデヒドまたはケトンと、ヒドロキシルアミンもしくはその塩とを、極性溶剤、例えばDMA、水性DMA、エタノールまたは水性エタノール等の極性溶剤中で反応させることである。その場合には、酢酸ナトリウムまたはピリジン等の塩基は、反応混合物のpHの制御のために添加される。反応の速度は、pH依存性であり、かつ塩基は、開始時にまたは反応の間に連続的に添加できることはよく知られている。ピリジン等の塩基性溶剤は、塩基および/または溶剤もしくは助溶剤として使用することもできる。該反応温度は、一般に、室温から混合物の還流温度までであり、通常は約20℃〜120℃である。
【0067】
相応のケトン中間体は、例えば文献に記載の方法、例えば標準的な教科書(例えばJ.March,Advanced Organic Chemistry,第4版,Wiley Interscience,1992)に記載の方法によって製造される。更に、連続的なフリーデル・クラフツ反応は、該中間体の合成のために効果的である。そのような反応は、当業者によく知られている。
【0068】
もう一つのオキシムの慣用の合成は、「活性」メチレン基の亜硝酸による、もしくは亜硝酸アルキルによるニトロソ化である。例えばOrganic Syntheses coll.vol.VI(J.Wiley&Sons,New York,1988),第199頁および第840頁に記載されるアルカリ性条件と、例えばOrganic Synthesis coll.vol.V,第32頁〜第373頁、coll.vol.III,第191頁および第513頁、coll.vol.II,第202頁、第204頁および第363頁に記載される酸性条件の両方は、本発明で出発材料として使用されるオキシムの製造に適している。亜硝酸は、通常は亜硝酸ナトリウムから生成される。亜硝酸アルキルは、例えば亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸ブチルまたは亜硝酸イソアミルであってよい。
【0069】
相応のケトン中間体中のXのベンゼン環部は、標準的な文献に記載される様々な方法によって製造することができる。最も適切な方法の一つは、例えばScience of Synthesis,10(2000)の第25頁に記載され、それは、ハロアセチルアリール化合物とo−ヒドロキシベンゾイル化合物(A=O)とを塩基性条件下で極性溶剤、例えばアセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルまたはジオキサン中で縮合反応させることである。
【0070】
【化34】
【0071】
また、本発明の主題は、前記定義の式IまたはIIの化合物の製造方法であって、式(IA)または(IIA)
【化35】
[式中、X、Ar、MおよびRは、前記定義される通りである]の相応のオキシム化合物と、式IIIのアシルハロゲン化物または式IVの無水物
【化36】
[式中、Halは、ハロゲン、特にClであり、かつR14は前記定義される通りである]とを、塩基または塩基の混合物の存在下で反応させることによって行われる前記製造方法、ならびに式IAおよびIIA
【化37】
[式中、X、M、ArおよびRは前記定義される通りである]の化合物である。
【0072】
前記の式(I)または(II)の化合物であって、式中、
Xは、
【化38】
であり、
Aは、O、S、NRまたはCR1617であり、
は、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、または1つ以上のハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR、C〜C−シクロアルキルまたは1つ以上のOによって中断されたC〜C−シクロアルキルによって置換されているか、または
は、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のOH、O(CO)R1aもしくは(CO)ORによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルであるか、または
は、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、そのそれぞれは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲンもしくはC〜C20−アルキルによって置換されているか、または
は、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシであり、
1aは、水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C20−アルキル、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)−(C〜C−アルキル)もしくはベンゾイルによって置換されているか、または
1aは、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシであり、前記C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシは、非置換であるか、もしくはベンゾイルもしくは
【化39】
によって置換されており、前記ベンゾイルもしくは
【化40】
は、非置換であるか、もしくは
【化41】
によって置換されており、
は、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上の置換基のハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR
【化42】
もしくはC〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されているか、または
は、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、または1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、O(CO)R1aまたは(CO)ORによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、NO、OR、SR、COOR、(CO)−R1aもしくは
【化43】
によって置換されており、
2aは、水素、(CO)R1a、(CO)OR3a、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR3a、SR4aもしくはC〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されており、
は、水素、(CO)R1a、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されているか、または
は、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、または1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OHもしくは(CO)OR3aによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールであり、前記C〜C20−アリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲンもしくはC〜C20−アルキルによって置換されており、
3aは、C〜C20−アルキルであり、
は、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のOR3a、(CO)OR3a、C〜C−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、または
は、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、または1つ以上のOHもしくは(CO)OR3aによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニルまたはC〜C20−シクロアルキルであるか、または
は、C〜C20−アリールであり、前記C〜C20−アリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲンもしくはC〜C20−アルキルによって置換されており、前記C〜C20−アルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されており、
4aは、C〜C20−アルキルであり、
およびRは、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR3a、SR4a、(CO)OR3a、C〜C−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、または
およびRは、互いに独立して、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはOHもしくはSHによって置換されているか、または
およびRは、互いに独立して、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールであるか、または
およびRは、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはO、SもしくはNR5aによって中断されており、
5aおよびR6aは、互いに独立して、水素もしくはC〜C20−アルキルであり、
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aであるか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、1つ以上のハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR、C〜C20−アリールもしくはC〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されているか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aもしくは
【化44】
によって置換されているか、または
およびR、RおよびR10、またはR10およびR11は、
【化45】
であり、
12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、水素もしくはC〜C20−アルキルであり、
Arは、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイル、C〜C20−ヘテロアリールカルボニルもしくは
【化46】
であり、前記C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイル、C〜C20−ヘテロアリールカルボニルもしくは
【化47】
は、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR、(CO)R1a
【化48】
、OR、SR、NR、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキルもしくはフェニルによって置換されているか、または
Arは、
【化49】
であり、
Arは、フェニレン、ナフチレン、
【化50】
であり、前記フェニレン、ナフチレン、
【化51】
は、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、COOR、(CO)R1a
【化52】
、OR、SR、NR、C〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、フェニルもしくは1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルによって置換されており、
Mは、C〜C20−アルキレン、1つ以上のOもしくはSによって中断されたC〜C20−アルキレン、C〜C12−アルケニレン、C〜C20−シクロアルキレンもしくはC〜C20−アリーレンであり、
Yは、直接結合、O、S、NRもしくはCOであり、
は、O、S、COもしくはCR16(R17)であり、
は、直接結合、O、SまたはNRであり、かつ
Qは、COもしくは直接結合である、化合物に関心が持たれる。
【0073】
前記の式(I)で示され、その式中、
Xは、
【化53】
であり、
Aは、OもしくはSであり、
は、C〜C20−アルキルであり、
1aは、C〜C20−アリールであり、
は、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR、SR、(CO)ORまたはC〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されており、
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素、OR、C〜C20−アルキル、(CO)R1aであるか、または
およびRは、
【化54】
であり、
12、R13、R14およびR15は、水素であり、
Arは、
【化55】
であり、かつ
は、OもしくはSである、化合物が好ましい。
【0074】
また、式Iで示され、その式中、
Xは、
【化56】
であり、
Aは、O、SもしくはNRであり、
は、C〜C20−アルキル、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−アルコキシであり、
1aは、C〜C20−アルキルもしくはC〜C20−アリールであり、
は、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、SR、NR、(CO)ORもしくはC〜C−シクロアルキルによって置換されているか、または
は、C〜C20−アリールであり、前記C〜C20−アリールは、非置換であるか、もしくはC〜C20−アルキルによって置換されており、
は、C〜C20−アルキルであるか、またはRは、Rの炭素原子の1つと一緒になって、5員もしくは6員の、好ましくは6員の飽和環を形成し、
は、C〜C20−アリールであり、
およびRは、互いに独立して、O(CO)R1a、(CO)R1aもしくはC〜C20−アルキルであり、
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、ハロゲン、NO、OR、(CO)R1aもしくはC〜C20−アリールであるか、または
およびRは、
【化57】
であり、
12、R13、R14およびR15は、水素もしくはC〜C−アルキル、好ましくは水素であり、
16およびR17は、水素であるか、または
16およびR17は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和環を形成し、
Arは、C〜C20−アリールもしくは
【化58】
であり、
Arは、
【化59】
であり、
Mは、Sによって中断されたC〜C20−アルキレンであり、
Yは、直接結合であり、
は、O、SもしくはCR16(R17)であり、かつ
は、OもしくはSである、化合物に関心が持たれる。
【0075】
Xは、例えば
【化60】
であるか、または例えば
【化61】
であるか、または好ましくはXは、
【化62】
である。
【0076】
Aは、例えばO、SもしくはNRであるか、または例えばO、SもしくはCR1617であるか、または例えばOもしくはSであるか、または例えばOもしくはNRであるか、または例えばO、SもしくはCR1617であるか、または例えばOもしくはCR1617である。好ましくはAはOである。
【0077】
Arは、例えばC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、
【化63】
であるか、またはArは、例えばC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアロイルであるか、またはArは、例えばC〜C20−アリール、C〜C20−アロイル、
【化64】
であるか、またはArは、例えばC〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアロイルであるか、またはArは、例えばC〜C20−アリール、C〜C20−アロイルもしくは
【化65】
である。
【0078】
好ましくは、Arは、C〜C20−アリールまたは
【化66】
である。
【0079】
置換されたArは、例えばハロゲン、COOR、(CO)R1a
【化67】
、OR、SR、NR、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
例えばハロゲン、CN、NO、COOR、(CO)R1a、(CO)NR
【化68】
、OR、SR、NR、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C20−シクロアルキル、フェニルおよびナフチルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
例えばハロゲン、COOR、(CO)R1a、(CO)NR
【化69】
、OR、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C20−シクロアルキル、フェニルおよびナフチルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されている。
【0080】
Arは、例えばフェニレン、ナフチレン、
【化70】
であるか、または
Arは、例えばフェニレン、ナフチレン、フェニレンカルボニル、ナフチレンカルボニル、
【化71】
であるか、または
Arは、例えばフェニレン、フェニレンカルボニル、
【化72】
であるか、または
Arは、例えばフェニレン、ナフチレン、フェニレンカルボニル、ナフチレンカルボニル、
【化73】
であるか、または
Arは、例えばフェニレン、ナフチレン、
【化74】
であるか、または
Arは、例えばフェニレン、ナフチレン、
【化75】
である。
【0081】
Arは、好ましくは
【化76】
、特に
【化77】
である。
【0082】
置換されたArのための例は、Arでの置換基について上述した通りである。
【0083】
Mは、例えばC〜C20−アルキレンであり、前記C〜C20−アルキレンは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR、(CO)NR、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されている)およびC〜C20−アリールからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、またはMは、1つ以上のOもしくはSによって中断されたC〜C20−アルキレン、C〜C12−アルケニレン、C〜C20−シクロアルキレンもしくはC〜C20−アリーレンである。
【0084】
または、Mは、例えばC〜C20−アルキレン、1つ以上のOもしくはSによって中断されたC〜C20−アルキレン、C〜C12−アルケニレン、C〜C20−シクロアルキレンもしくはC〜C20−アリーレンである。
【0085】
好ましくは、Mは、C〜C20−アルキレンまたは1つ以上のOもしくはS、特にSによって中断されたC〜C20−アルキレンである。
【0086】
または、Mは、特に1つ以上のOもしくはS、特にSによって中断されたC〜C20−アルキレンである。
【0087】
Yは、例えば直接結合、O、SもしくはNRであるか、または例えば直接結合、O、SもしくはCOであるか、または例えば直接結合、O、NRもしくはCOであるか、または例えば直接結合、OもしくはCOであるか、または例えばO、S、NRもしくはCOであるか、または例えばO、SもしくはCOであるか、または例えばOもしくはCOである。
【0088】
は、例えばO、COもしくはCR16(R17)であるか、または例えばO、SもしくはCR16(R17)であるか、または例えばO、SもしくはCOであるか、または例えばS、COもしくはCR16(R17)であるか、または例えばOもしくはSである。
【0089】
は、例えば直接結合、OもしくはSであるか、または例えばO、SもしくはNRであるか、または例えばOもしくはSであるか、または例えば直接結合もしくはSであるか、または例えばSもしくはNRである。好ましくは、ZはSである。
【0090】
Qは、例えばCOもしくは直接結合、好ましくは直接結合である。
【0091】
は、例えば水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、CN、C〜C−シクロアルキルおよびC〜C20−アリールからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはC〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アルコキシ、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルコキシであるか、またはRは、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシである。
【0092】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、CN、C〜C−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはC〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アルコキシ、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルコキシであるか、またはRは、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシである。
【0093】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、CNもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはC〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アルコキシ、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルコキシであるか、またはRは、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシである。
【0094】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、CNもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはC〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アルコキシ、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルコキシである。
【0095】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、CNもしくはフェニルによって置換されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはC〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アルコキシ、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルコキシであるか、またはRは、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシである。
【0096】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、CNもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはC〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリールである。
【0097】
または、Rは、例えばC〜C−アルキルであり、前記C〜C−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲンもしくはフェニルによって置換されており、前記フェニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のC〜C−アルキル、ハロゲン、OR、SRおよび/またはNRによって置換されているか、またはRは、C〜C−アルコキシもしくはベンジルオキシである。
【0098】
または、Rは、例えばC〜C12−アルキル、フェニルまたはC〜C−アルコキシである。好ましくは、Rは、C〜C12−アルキルである。
【0099】
1aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アルコキシ、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルコキシ、C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシであり、前記C〜C20−アリールオキシもしくはC〜C20−ヘテロアリールオキシは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C20−アルキル、C〜C−ハロアルキル、フェニル、C〜C20−アルキルフェニル、C〜C−アルコキシフェニル、CN、NO、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)(C〜C−アルキル)、SO−(C〜C−ハロアルキル)、ベンゾイルもしくは
【化78】
によって置換されており、前記ベンゾイルもしくは
【化79】
は、非置換であるか、もしくは
【化80】
によって置換されている。
【0100】
または、R1aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アルコキシ、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルコキシ、C〜C20−アリールオキシまたはC〜C20−ヘテロアリールオキシである。
【0101】
または、R1aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキルまたはC〜C20−アリール、特にフェニルである。
【0102】
または、R1aは、例えばC〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニルまたはC〜C20−シクロアルキルである。
【0103】
または、R1aは、例えばC〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルまたはC〜C20−アリール、特にフェニルである。
【0104】
1aは、好ましくはC〜C20−アリールである。
【0105】
は、例えば水素、(CO)R1a、(CO)ORもしくはCONRであるか、または
は、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR、(CO)NR
【化81】
、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニル(該C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルもしくはC〜C20−ヘテロアリールカルボニルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−ハロアルキル、OR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、または1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OH、SHもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1a
【化82】
、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、フェニル、ナフチル、ベンゾイルおよびナフトイル(該フェニル、ナフチル、ベンゾイルもしくはナフトイルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のOR、SRもしくはNRによって置換されている)からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されている。
【0106】
または、Rは、例えば水素、(CO)R1a、(CO)ORもしくはCONRであるか、または
は、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR、(CO)NR
【化83】
、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、または1つ以上のC〜C−シクロアルキルによって置換されているか、または
は、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくはハロゲン、CN、NO、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1a
【化84】
およびC〜C20−アルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されている。
【0107】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR、(CO)NR
【化85】
、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されている)、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アロイルおよびC〜C20−ヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
は、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールである。
【0108】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくはハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR、(CO)NR
【化86】
、C〜C−シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルである。
【0109】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニルまたはC〜C20−シクロアルキルである。
【0110】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルまたは1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルである。好ましくはRは、C〜C20−アルキルである。
【0111】
2aは、例えば水素、(CO)R1a、(CO)OR3a、CONR5a6a、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、(CO)OR3a、(CO)NR5a6aもしくはC〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されているか、または
2aは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはR2aは、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキル、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、COOR3a、(CO)R1a、(CO)NR5a6aもしくはC〜C20−アルキルによって置換されている。
【0112】
または、R2aは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、(CO)OR3a、(CO)NR5a6aもしくはC〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されているか、またはR2aは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはR2aは、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルである。
【0113】
または、R2aは、例えばC〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR3a、SR4a、NR5a6a、(CO)OR3aもしくはC〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されているか、またはR2aは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、またはR2aは、C〜C12−アルケニルもしくはC〜C20−シクロアルキルである。
【0114】
または、R2aは、例えばC〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニルまたはC〜C20−シクロアルキルである。
【0115】
特に、R2aは、C〜C20−アルキルである。
【0116】
は、例えば水素、(CO)R1a、(CO)OR3a、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、C〜C−シクロアルキルによって置換されており、前記C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、または1つ以上のC〜C−シクロアルキル、OHもしくは(CO)OR3aによって置換されているか、またはRは、C〜C12−アルケニルまたはC〜C20−シクロアルキルであるか、またはRは、C〜C20−アリールであり、前記C〜C20−アリールは、非置換であるか、または1つ以上のハロゲンもしくはC〜C20−アルキルによって置換されている。
【0117】
または、Rは、例えば水素、(CO)R1a、(CO)OR3a、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニルまたはC〜C20−シクロアルキルであるか、またはRは、C〜C20−アリールであり、前記C〜C20−アリールは、非置換であるか、または1つ以上のハロゲンもしくはC〜C20−アルキルによって置換されている。
【0118】
または、Rは、例えば水素、C〜C20−アルキル、C〜C20−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールである。
【0119】
3aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルである。
【0120】
または、R3aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルである。
【0121】
または、R3aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、C〜C−シクロアルキルもしくはC〜C20−アルカノイルである。
【0122】
または、R3aは、例えばC〜C20−アルキルである。
【0123】
は、例えば水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上の置換基のOR3a、(CO)OR3a、C〜C−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、またはRは、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、または1つ以上のOHもしくは(CO)OR3aによって置換されているか、またはRは、C〜C12−アルケニルまたはC〜C20−シクロアルキルである。
【0124】
または、Rは、例えば水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニルまたはC〜C20−シクロアルキルである。
【0125】
または、Rは、例えばC〜C20−アルキルである。
【0126】
4aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−アリール、C〜C20−ヘテロアリール、C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルである。
【0127】
または、R4aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−アルカノイルもしくはC〜C12−アルケノイルである。
【0128】
または、R4aは、例えば水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルもしくはC〜C20−アルカノイルである。
【0129】
または、R4aは、例えば水素、C〜C20−アルキルもしくは1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルである。または、R4aは、例えばC〜C20−アルキルである。
【0130】
およびRは、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR3a、SR4a、(CO)OR3a、C〜C−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、またはRおよびRは、互いに独立して、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであり、前記中断されたC〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のOHもしくはSHによって置換されているか、またはRおよびRは、互いに独立して、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールであるか、またはRおよびRは、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはOもしくはNR5aによって中断されている。
【0131】
または、RおよびRは、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR3a、SR4a、(CO)OR3a、C〜C−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールによって置換されているか、またはRおよびRは、互いに独立して、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C20−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールであるか、またはRおよびRは、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはOもしくはNR5aによって中断されている。
【0132】
または、RおよびRは、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、C〜C20−シクロアルキルもしくはC〜C20−アリールであるか、または
およびRは、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはOもしくはNR5aによって中断されている。
【0133】
または、RおよびRは、互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキル、特にC〜C20−アルキルである。
【0134】
5aおよびR6aは、例えば互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、C〜C12−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−アリール、C〜C20−アルコキシであるか、または
5aおよびR6aは、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和の環を形成し、前記環は、中断されていないか、もしくはOによって中断されている。
【0135】
または、R5aおよびR6aは、例えば互いに独立して、水素、C〜C20−アルキルもしくはC〜C−シクロアルキル、特にC〜C20−アルキルである。
【0136】
、R、R、R10およびR11は、例えば互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aであるか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、C〜C20−アルキルであり、前記C〜C20−アルキルは、1つ以上のハロゲン、OR、SR、NR、(CO)OR、C〜C−シクロアルキル(該C〜C−シクロアルキルは、中断されていないか、もしくは1つ以上のOによって中断されている)もしくはC〜C20−アロイルによって置換されているか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、1つ以上のOによって中断されたC〜C20−アルキルであるか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aもしくは
【化87】
によって置換されているか、または
およびR、RおよびR10、またはR10およびR11は、
【化88】
である。
【0137】
または、R、R、R、R10およびR11は、例えば互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aであるか、または
、R、R、R10およびR11は、互いに独立して、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであり、前記C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールは、非置換であるか、もしくは1つ以上のハロゲン、OR、SR、NR、COOR、(CO)R1aもしくは
【化89】
によって置換されているか、または
およびR、RおよびR10、またはR10およびR11は、
【化90】
である。
【0138】
または、R、R、R、R10およびR11は、例えば互いに独立して、水素、C〜C20−アルキル、OR、COOR、(CO)R1a、C〜C20−アリールもしくはC〜C20−ヘテロアリールであるか、または
およびR、RおよびR10、またはR10およびR11は、
【化91】
である。
【0139】
または、R、R、R、R10およびR11は、例えば互いに独立して、水素、C〜C20−アルキルもしくは(CO)R1aであるか、または
およびRは、
【化92】
である。特に、水素もしくは(CO)R1aであるか、またはRおよびR
【化93】
である。
【0140】
12、R13、R14およびR15は、例えば互いに独立して、水素もしくはC〜C20−アルキル、特に水素である。
【0141】
16およびR17は、例えば互いに独立して、水素もしくはC〜C20−アルキル、特に水素である。
【0142】
式IおよびIIの化合物は、ラジカル光開始剤として適している。
【0143】
従って、本発明の主題は、上記定義の式IまたはIIの化合物の、少なくとも1種のエチレン性不飽和の光重合性化合物を含む組成物の光重合のための使用である。
【0144】
従って、本発明のもう一つの主題は、光重合性組成物であって、
(a)少なくとも1種のエチレン性不飽和の光重合性化合物と、
(b)光開始剤としての、上記定義の、少なくとも1種の式IまたはIIの化合物と、
を含む前記組成物である。
【0145】
該組成物は、前記光開始剤(b)に加えて、少なくとも1種の更なる光開始剤(c)および/または他の添加剤(d)を含有してよい。
【0146】
該組成物は、前記光開始剤(b)に加えて、少なくとも1種の更なる光開始剤(c)もしくは他の添加剤(d)またはその両方、つまり少なくとも1種の更なる光開始剤(c)および他の添加剤(d)を含有してよい。
【0147】
他の添加剤(d)は、例えば熱ラジカル開始剤、顔料、充填剤、分散剤および増感剤から選択される1種以上の成分である。前記添加剤は、より詳細に以下に記載される。
【0148】
前記の光重合性組成物であって、該組成物に対して、0.05質量%〜25質量%の光開始剤(b)または光開始剤(b)および(c)を含む前記光重合性組成物に関心が持たれる。
【0149】
不飽和化合物(a)は、1つまたはそれより多くのオレフィン性二重結合を含んでよい。それらは、低分子量(モノマー)または高分子量(オリゴマー)を有してよい。
【0150】
成分(a)は、例えば、飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物と、エポキシ樹脂および不飽和モノカルボン酸の反応の生成物との反応によって得られる樹脂を含む。
従ってまた、本発明の主題は、前記の光重合性組成物であって、成分(a)が、飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物と、エポキシ樹脂および不飽和モノカルボン酸の反応の生成物との反応によって得られる樹脂である前記組成物である。
【0151】
成分(a)は、例えばアルカリ現像可能な樹脂を含む。
【0152】
本発明による重合性組成物は、好ましくは前記成分(a)を、該重合性組成物の全固体含量(すなわち溶剤を含まない全ての成分の量)に対して、2質量%から98質量%までの量で、より好ましくは5質量%から90質量%までの量で、特に10質量%から80質量%までの量で含む。
好ましくは、アルカリ現像可能な樹脂は、遊離のカルボン酸基を有する。酸価は、好ましくは50mg KOH/gから600mg KOH/gまで、より好ましくは100mg KOH/gから300mg KOH/gまでである。ここで示される酸価は、DIN EN 12634による酸価である。
【0153】
アルカリ現像可能な樹脂の例は、ペンダント基としてカルボン酸官能を有するアクリルポリマー、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、マレイン酸の半エステル、ケイ皮酸、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]マレエート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]マレエート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]マレエート、3−(アルキルカルバモイル)アクリル酸、α−クロロアクリル酸、モノエステル化マレイン酸およびω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートを、(メタ)アクリル酸のエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(3−トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、イソボルニルメタ(アクリレート)、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、
【0154】
ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン、ポリクロロスチレン、フルオロスチレン、ブロモスチレン、エトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデン、1−メチルインデン、1−エテニル−4−シリルベンゼン、1−エテニル−4−トリメチルシリルベンゼン、t−ブチルジメチルシリルp−ビニルフェニルエステル、アミド型の不飽和化合物、例えば(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメタクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジフェニル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘプチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドシクロヘキシル、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−トリル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、N−ナフチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルフェニルスルホニル(メタ)アクリルアミドおよびN−(メタ)アクリロイルモルホリン、アセタールエステルまたはケタールエステル化合物、例えばノルボルネン、2,3−ビス(トリメチルシリルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(トリエチルシリルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(トリメチルゲルミルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(トリエチルゲルミルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(t−ブチルジメチルゲルミルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(t−ブチルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(ベンジルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(テトラヒドロフラン−2−イル−オキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(シクロペンチルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(シクロヘプチルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(1−メトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(1−t−ブトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(1−ベンジルオキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス[(シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシカルボニル]−5−ノルボルネン、2,3−ビス(1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(1−メチル−1−i−ブトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス[(ベンジル)(エトキシ)メトキシカルボニル]−5−ノルボルネン、1−アルキルシクロアルキルエステル化合物、例えば1−メチルシクロプロピル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロブチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘプチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロオクチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロノニル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロデシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロプロピル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロブチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘプチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロオクチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロノニル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロデシル(メタ)アクリレート、1−i−プロピルシクロプロピル(メタ)アクリレート、1−i−プロピルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−i−プロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−i−プロピルシクロヘプチル(メタ)アクリレート、1−i−プロピルシクロオクチル(メタ)アクリレート、1−i−プロピルシクロノニル(メタ)アクリレート、1−i−プロピルシクロデシル(メタ)アクリレート、1−i−ブチルシクロプロピル(メタ)アクリレート、1−i−ブチルシクロブチル(メタ)アクリレート、1−i−ブチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−i−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−i−ブチルシクロオクチル(メタ)アクリレート、1−i−ブチルシクロノニル(メタ)アクリレート、1−i−ブチルシクロデシル(メタ)アクリレート、1−i−ペンチルシクロプロピル(メタ)アクリレート、1−i−ペンチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−i−ペンチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−i−ペンチルシクロヘプタニル(メタ)アクリレート、1−i−ペンチルシクロオクチル(メタ)アクリレート、1−i−ペンチルシクロノニル(メタ)アクリレート、1−i−ペンチルシクロデシル(メタ)アクリレート、1−i−オクチルシクロプロピル(メタ)アクリレート、1−i−オクチルシクロブチル(メタ)アクリレート、1−i−オクチルシクロヘプチル(メタ)アクリレート、1−i−オクチルシクロオクチル(メタ)アクリレート、1−i−オクチルシクロノニル(メタ)アクリレート、1−i−オクチルシクロデシル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、例えば3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフルオロ−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、
【0155】
多環式化合物もしくは無水物、例えば5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン無水物、ビニルもしくはアリルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルボレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニルフェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、ビニルサリチレート、ビニルクロロベンゾエート、ビニルテトラクロロベンゾエート、ビニルナフトエート、ビニルトリエトキシシラン、アリルアセテート、アリルプロピロネート、アリルブチレート、アリルピバレート、アリルベンゾエート、アリルカプロエート、アリルステアレート、アリルアセトアセテート、アリルラクテート、ビニルもしくはアリルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルヘキシルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニルエチルヘキシルエーテル、ビニルメトキシエチルエーテル、ビニルエトキシエチルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルヒドロキシエチルエーテル、ビニルエチルブチルエーテル、ビニルヒドロキシエトキシエチルエーテル、ビニルジメチルアミノエチルエーテル、ビニルジエチルアミノエチルエーテル、ビニルブチルアミノエチルエーテル、[(エテニルオキシ)メチル]トリエチルシラン、ビニルベンジルエーテル、ビニルテトラヒドロフルフリルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、クロトネート、例えばブチルクロトネート、ヘキシルクロトネート、グリセリンモノクロトネート、イタコネート、例えばジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、およびマレエートもしくはフマレート、例えばジメチルマレエート、ジブチルフマレート、ポリオレフィン型の化合物、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−アルキルマレイミド、無水マレイン酸、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリブチル(メタ)アクリレートマクロモノマーから選択される1種以上のモノマーと共重合させることによって得られるコポリマーである。コポリマーの例は、アクリレートおよびメタクリレートと、アクリル酸またはメタクリル酸との、およびスチレンもしくは置換スチレンとのコポリマー、フェノール樹脂、例えばノボラック、(ポリ)ヒドロキシスチレンおよびヒドロキシスチレンとアルキルアクリレート、アクリル酸および/またはメタクリル酸とのコポリマーである。好ましいコポリマーの例は、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレートのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタンのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/ブチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/スチレンのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸のコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、N−フェニルマレイミド/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸およびスチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート/スチレンのコポリマー、アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレンのコポリマー、およびベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンのコポリマーである。市販製品の例は、昭和電工株式会社によって販売されるRipoxy SPC−2000である。本願の範囲内での用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートならびに相応のメタクリレートを指すものと意図される。
【0156】
1種以上のモノマーは、ケイ素含有モノマー、例えばシラン、例えばテトラエチルオルトシリケートもしくはテトラエトキシシランまたはクロロもしくはアルコキシ官能性シラン、オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、スチレン、ビニルピロリドン、酸素含有もしくは窒素含有のモノマー、例えばアクリル酸誘導体、例えばアクリル酸エステルおよびアクリル酸、メタクリル酸およびメタクリル酸エステル、ウレタン、一官能性および二官能性のアルコール、カルボン酸、アミン、イソシアネート、エポキシド、芳香族化合物、例えば置換基、例えばアルキル基を有する芳香族化合物およびスルホン化された芳香族化合物、芳香族樹脂、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体、ピラゾール、第四級アンモニウム化合物、ポリウレタンプレポリマーおよびエポキシ樹脂からなる群から選択される。
【0157】
良好なアルカリ可溶性をもたらす、化合物中の官能基は、好ましくはカルボン酸基である。しかしながら、アルカリ可溶性をもたらす他の基も可能である。そのような基の例は、フェノール性基、スルホン酸基および無水物基である。
【0158】
活性化されたエネルギー光線によって硬化可能な樹脂の分子単位中に存在するエチレン性不飽和結合の数が少ない場合に、ビスフェノールA型のエポキシ化合物を使用して、インキの粘度を下げることができる。
【0159】
ノボラック型のエポキシ化合物は、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂およびクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂によって表される。そのような化合物は、一般的にエピクロロヒドリンとノボラック樹脂との反応によって製造される。
【0160】
前記の酸無水物の一般的な例は、二塩基性酸無水物、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキシルヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸および無水メチルテトラヒドロフタル酸、芳香族のポリカルボン酸の無水物、例えば無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸およびベンゾフェノン−テトラカルボン酸二無水物、ならびにポリカルボン酸の無水物誘導体、例えば5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物である。
【0161】
アルカリ現像可能な樹脂(a)の更なる例は、少なくとも2つのエチレン性不飽和基と少なくとも1つのカルボキシル官能を分子構造内に有するポリマーまたはオリゴマー、例えば飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物とエポキシ化合物および不飽和モノカルボン酸の反応生成物との反応によって得られる樹脂(例えばUCB Chemicals社製のEB9696;日本化薬株式会社製のKAYARAD TCR1025;新中村化学工業株式会社製のNK OLIGO EA−6340、EA−7440)である。そのようなバインダーの他の例は、JP2002−206014A、JP2004−69754A、JP2004−302245A、JP2005−77451A、JP2005−316449A、JP2005−338328AおよびJP3754065B2に記載されている。
【0162】
アルカリ現像可能な樹脂の更なる例は、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する上述のポリマーまたはオリゴマーである。
【0163】
更なる例は、エポキシ基を有する不飽和化合物を、カルボン酸基を有するポリマーのカルボキシル基の一部に付加させることによって得られる反応生成物(例えば、株式会社ダイセル社製のACA200、ACA200M、ACA210P、ACA230AA、ACA250、ACA300、ACA320および昭和電工株式会社によって販売されるRipoxy SPC−1000)である。カルボン酸を有するポリマーとしては、不飽和カルボン酸化合物と1種以上の重合性化合物との反応から得られる前記のバインダーポリマー、例えば(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸、スチレンおよびα−メチルスチレンのコポリマー、(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド、スチレンおよびベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸およびスチレンのコポリマー、(メタ)アクリル酸およびベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、スチレンおよび(メタ)アクリル酸のコポリマー等である。
【0164】
エポキシ基を有する不飽和化合物の例は、以下に式(V−1)〜(V−15)
【化94】
[式中、R50は、水素またはメチル基であり、Mは、1〜10個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和のアルキレンである]において示されている。
【0165】
これらの化合物のうち、脂環式エポキシ基を有する化合物は、特に好ましい。それというのも、これらの化合物は、カルボキシル基を有する樹脂と高い反応性を有し、従って、反応時間は短縮できるからである。これらの化合物は、更に、反応の過程でゲル化を生じず、反応を安定に行うことを可能にする。他方で、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートは、感度および耐熱性の観点から好ましい。それというのも、それらは、低い分子量を有し、かつエステル化の高い転化率をもたらしうるからである。
【0166】
前記の化合物の具体例は、例えば、スチレン、α−メチルスチレンおよびアクリル酸のコポリマーまたはメチルメタクリレートおよびアクリル酸のコポリマーと3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートとの反応生成物である。
【0167】
他の例は、エポキシ基含有の不飽和化合物を、カルボン酸基含有のポリマーのカルボキシル基の一部もしくは全てに付加反応させて、それに引き続き多塩基性酸無水物と更に反応させることによって得られる生成物(例えば、昭和電工株式会社によって販売されるRipoxy SPC−3000)である。
【0168】
ヒドロキシル基を有する不飽和化合物、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびグリセロールモノ(メタ)アクリレートは、上述のエポキシ基を有する不飽和化合物の代わりに、カルボン酸基を有するポリマーのための反応物として使用することができる。
【0169】
他の例は、無水物を含むポリマーの半エステル、例えば無水マレイン酸および1もしくはそれより多くの他の重合性化合物のコポリマーと、アルコール性ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはエポキシ基を有する(メタ)アクリレート、例えば式(V−1)〜(V−15)に記載される化合物との反応生成物である。
【0170】
アルコール性ヒドロキシル基を有するポリマー、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレートおよびスチレンと、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸塩化物との反応生成物を使用することもできる。
【0171】
他の例は、末端不飽和基を有するポリエステルであって、二塩基性酸無水物および少なくとも2つのエポキシ基を有する化合物の反応と、それに続く多塩基性酸無水物を有する不飽和化合物との更なる反応から得られる反応生成物である。
【0172】
更なる例は、飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物と、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸化合物を、カルボン酸を有する前記のポリマーのカルボキシル基の全てに付加することによって得られる反応生成物との反応によって得られる樹脂である。
【0173】
他の例は、エチレン性不飽和基と少なくとも1つのカルボキシル官能を有するポリイミド樹脂である。本発明におけるポリイミドバインダー樹脂は、ポリイミド前駆体、例えばポリ(アミド酸)であってよい。
【0174】
アルカリ現像可能な樹脂の具体的な例は、
アクリルポリマー型の樹脂、例えば
【化95】
カルド型の樹脂(フルオレンエポキシアクリレート系樹脂)
【化96】
である。
【0175】
例えば、前記バインダー樹脂の含量は、ラジカル重合性組成物中の固形分の全質量に対して、2質量%〜98質量%、好ましくは5質量%〜90質量%、特に10質量%〜80質量%であってよい。
【0176】
成分(a)は、例えばアクリレートモノマーを含む。
【0177】
アクリレートモノマーは、1つ以上のアクリロイルもしくはメタクリロイル部またはそれらの組み合わせを含むアクリレートモノマーまたはオリゴマーを指す。
【0178】
1つの二重結合を含む化合物の例は、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートもしくはアミノアルキル(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。他の例は、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、窒素で置換された(メタ)アクリルアミド、例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドおよびN−(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルエーテル、例えばi−ブチルビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシスチレンおよびハロスチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンである。
【0179】
比較的高い分子量の多価不飽和化合物(オリゴマー)の例は、エチレン性不飽和カルボキシレートを含むポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルおよびポリアミドである。
【0180】
特に適した例は、エチレン性不飽和カルボン酸とポリオールもしくはポリエポキシドとのエステルである。
【0181】
不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸および不飽和脂肪酸、例えばリノレン酸もしくはオレイン酸である。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
【0182】
適切なポリオールは、芳香族の、特に脂肪族および脂環式のポリオールである。芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ノボラックおよびレゾールである。脂肪族ポリオールおよび脂環式ポリオールの例は、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,2−もしくは1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200から1500までの分子量を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリエタノールアミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールモノオキサレート、ジペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールとエチレングリコールもしくはプロピレングリコールとのエーテル、ジペンタエリトリトールとエチレングリコールもしくはプロピレングリコールとのエーテル、ソルビトール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンおよび9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンである。他の適切なポリオールは、ポリマー鎖中または側鎖中にヒドロキシル基を含むポリマーおよびコポリマーであり、その例は、ビニルアルコールを含むか、またはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含むホモポリマーまたはコポリマーである。更なる適切なポリオールは、ヒドロキシル末端基を有するエステルおよびウレタンである。
【0183】
前記ポリオールは、部分的にもしくは完全に、1つの不飽和カルボン酸で、または種々の不飽和カルボン酸でエステル化されていてよく、部分的なエステルにおいては、遊離のヒドロキシル基は、変性されてよく、例えばエーテル化または他のカルボン酸でエステル化されてよい。
【0184】
ポリオールを基礎とするエステルの例は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートモノオキサレート、ジペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートモノ(2−ヒドロキシエチル)エーテル、トリペンタエリトリトールオクタ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、オリゴエステルの(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートおよびトリ(メタ)アクリレート、分子量200〜1500を有するポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジイタコネート、ジペンタエリトリトールトリスイタコネート、ジペンタエリトリトールペンタイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリトリトールジマレエート、ソルビトールテトラマレエートまたはそれらの混合物である。
【0185】
他の例は、以下の式(XII)および(XIII):
【化97】
[式中、
は、−(CHCHO)−もしくは−[CHCH(CH)O]−であり、
100は、−COCH=CHもしくは−COC(CH)=CHであり、
pは、0〜6(pの合計:3〜24)であり、かつqは、0〜6(qの合計:2〜16)である]に示されるペンタエリトリトール誘導体およびジペンタエリトリトール誘導体である。
【0186】
ポリエポキシドの例は、上述のポリオールを基礎とするものおよびエピクロロヒドリンである。典型的な例は、ビス(4−グリシジルオキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、グリセロールジグリシジルエーテルおよびフェノールのグリシジルエーテルおよびクレゾールノボラック類である。
【0187】
ポリエポキシドを基礎とする典型的な例は、2,2−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシ}フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシエトキシ}フェニル]プロパン、9,9−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシ}フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシエトキシ}フェニル]フルオレン、グリセロール 1,3−ジグリセロレートジアクリレートおよびノボラックを基礎とするエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物である。
【0188】
好ましい多官能性の(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートを含む。
【0189】
具体的な例は、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート(DPPA)である。
【0190】
2つのアクリロイル部もしくはメタクリロイル部を有する市販のアクリレートモノマーまたはオリゴマーの例は、Aronix(登録商標)M−210、Aronix(登録商標)M−240、Aronix(登録商標)M−6200(東亞合成株式会社)、KAYARAD HDDA、KAYARAD HX−220、KAYARAD HX−620、KAYARAD R−526、KAYARAD UX−2201、KAYARAD MU−2100(日本化薬株式会社)、VISCOAT−260、VISCOAT−355HP(大阪有機化学工業株式会社)である。
【0191】
3つ以上のアクリロイル部もしくはメタクリロイル部を有する市販のアクリレートモノマーまたはオリゴマーの例は、Aronix(登録商標)M−309、Aronix(登録商標)M−400、Aronix(登録商標)M−1310、Aronix(登録商標)M−1960、Aronix(登録商標)M−7100、Aronix(登録商標)M−8530、Aronix(登録商標)TO−1450(東亞合成株式会社)、KAYARAD TMPTA、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD MAX−3510(日本化薬株式会社)、VISCOAT−295、VISCOAT−300、VISCOAT−GPT、VISCOAT−3PA、VISCOAT−400(大阪有機工業株式会社)である。
【0192】
2つ以上のアクリロイル部またはメタクリロイル部を有する市販のウレタンアクリレートモノマーまたはオリゴマーの例は、NEW FRONTIER R−1150(第一工業製薬株式会社)、KAYARAD DPHA−40H、KAYARAD UX−5000(日本化薬株式会社)、UN−9000H(根上化学工業株式会社)である。
【0193】
放射線硬化性組成物中に存在するアクリレートの量は、該組成物の全固体含量、すなわち溶剤を含まない全ての成分の量に対して、約2%から80%までの範囲であり、好ましくは約5%から70%までの範囲である。
【0194】
もちろん、他の公知の光開始剤(c)を光硬化性組成物へと添加することも可能である。更なる光開始剤の使用は重要ではない。光開始剤(c)は、例えばベンゾフェノン、ビスイミダゾール、芳香族α−ヒドロキシケトン、ベンジルケタール、芳香族α−アミノケトン、フェニルグリオキサル酸エステル、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、芳香族ケトンから誘導されたオキシムエステルおよび/またはカルバゾール型のオキシムエステルから選択される。
【0195】
そのような光開始剤の例は、カンファーキノン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、例えば2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(クロロメチル)ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート、3−メチル−4’−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4’−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、チオキサントン誘導体、ポリマーのチオキサントン、例えばOMNIPOL TX、ケタール化合物、例えばベンジルジメチルケタール(Irgacure(登録商標)651)、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えばα−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトンもしくはα−ヒドロキシアルキルフェニルケトン、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン(Darocure(登録商標)1173)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(Irgacure(登録商標)184)、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−(4−i−プロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(Irgacure(登録商標)2959)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(Irgacure(登録商標)127)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)フェノキシ]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシアセトフェノンもしくはα−アミノアセトフェノン、例えば(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(Irgacure(登録商標)907)、(2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)(Irgacure(登録商標)369)、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(Irgacure(登録商標)379)、(4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン)、(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテルおよびベンジルケタール、例えばジメチルベンジルケタール、フェニルグリオキサル酸エステルおよびその誘導体、例えばメチルα−オキソベンゼンアセテート、オキソフェニル酢酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル、二量体のフェニルグリオキサル酸エステル、例えばオキソフェニル酢酸1−メチル−2−[2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシ)プロポキシ]エチルエステル(Irgacure(登録商標)754)、ケトスルホン、例えばESACURE KIP 1001 M、オキシムエステル、例えば1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、メタノン[8−[[(アセチルオキシ)イミノ][2−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)フェニル]メチル]−11−(2−エチルヘキシル)−11H−ベンゾ[a]カルバゾール−5−イル](2,4,6−トリメチルフェニル)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、N−アセトキシ−N−{3−[9−エチル−6−(ナフタレン−1−カルボニル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−メチル−3−アセトキシイミノプロピル}アセトアミド、9H−チオキサンテン−2−カルボキシアルデヒド9−オキソ−2−(O−アセチルオキシム)、[(E)−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−オキソ−2−(4−フェニルスルファニルフェニル)エチリデン]アミノ]シクロプロパンカルボキシレート)、[(E)−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−オキソ−2−(4−フェニルスルファニルフェニル)エチリデン]アミノ]アセテート、[(E)−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−[9−エチル−6−(チオフェン−2−カルボニル)カルバゾール−3−イル]−2−オキソ−エチリデン]アミノ]アセテート、[(E)−[1−(o−トリル)−2−オキソ−2−(4−フェニルスルファニルフェニル)エチリデン]アミノ]アセテート、[(E)−1−[9−エチル−6−(チオフェン−2−カルボニル)カルバゾール−3−イル]エチリデンアミノ]アセテート、[(E)−1−[9−エチル−6−(チオフェン−2−カルボニル)カルバゾール−3−イル]プロピリデンアミノ]アセテート、WO07/062963、WO07/071797、WO07/071497、WO05/080337、JP2010−049238、WO2008078678、JP2010−15025およびJP2010−49238に記載されるオキシムエステル、ペルエステル、例えばEP126541に記載されるベンゾフェノンテトラカルボン酸ペルエステル、モノアシルホスフィンオキシド、例えば(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド(Irgacure(登録商標)TPO)、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニル)ホスフィン酸エステル、ビスアシルホスフィンオキシド、例えばビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Irgacure(登録商標)819)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、ハロメチルトリアジン、例えば2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル]−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−(4−メトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−メチル−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、ヘキサアリールビスイミダゾール/補助開始剤系、例えばオルト−クロロヘキサフェニル−ビスイミダゾールと組み合わせて2−メルカプトベンゾチアゾール、フェロセニウム化合物またはチタノセン、例えばビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタニウム(Irgacure(登録商標)784)である。更に、ボレート化合物を補助開始剤として使用できる。追加の光開始剤としては、オリゴマー化合物、例えばオリゴマーのα−ヒドロキシルケトン、例えば2−ヒドロキシ−1−{1−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−1,3,3−トリメチル−インダン−5−イル}−2−メチル−プロパン−1−オン、Fratelli Lambertiによって販売されるESACURE KIPまたはオリゴマーのα−アミノケトンを同様に使用してよい。
【0196】
具体的な例は、(2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)である。
【0197】
本発明による組成物は、成分(d)として着色剤を含んでよい。
【0198】
着色剤としては、顔料もしくは染料または1種以上の顔料と1種以上の染料の混合物が該組成物中に存在してよい。顔料添加カラーフィルタ用レジスト組成物を含む、本発明による組成物中に含まれうる顔料は、好ましくは加工顔料である。
【0199】
赤色顔料は、例えば、アントラキノン型顔料を単独で、ジケトピロロピロール型顔料を単独で、それらの混合物をまたはそれらの少なくとも1種とジアゾ型黄色顔料もしくはイソインドリン型黄色顔料とからなる混合物を、特にC.I.ピグメントレッド177を単独で、C.I.ピグメントレッド254を単独で、C.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントレッド254との混合物をまたはC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242およびC.I.ピグメントレッド254の少なくとも1種とC.I.ピグメントイエロー83もしくはC.I.ピグメントイエロー139とからなる混合物を含む(“C.I.”は、当業者に公知でありかつ公然に利用できるカラーインデックスを指す)。
【0200】
前記顔料のための更なる適切な例は、C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、168、176、179、180、185、202、207、209、214、222、244、255、264、272ならびにC.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、53、55、93、95、109、110、128、129、138、139、150、153、154、155、166、168、185、199、213ならびにC.I.ピグメントオレンジ43および71である。
【0201】
赤色のための染料の例は、C.I.ソルベントレッド25、27、30、35、49、83、89、100、122、138、149、150、160、179、218、230、C.I.ダイレクトレッド20、37、39、44ならびにC.I.アシッドレッド6、8、9、13、14、18、26、27、51、87、88、89、92、94、97、111、114、115、134、145、151、154、180、183、184、186、198、C.I.ベーシックレッド12、13、C.I.ディスパースレッド5、7、13、17および58である。前記赤色染料は、黄色染料および/または橙色染料と組み合わせて使用することができる。
【0202】
緑色顔料は、例えば、ハロゲン化フタロシアニン型顔料を単独でまたはそのビスアゾ型黄色顔料との、キノフタロン型黄色顔料とのもしくは金属錯体との混合物を、特にC.I.ピグメントグリーン7を単独で、C.I.ピグメントグリーン36を単独で、C.I.ピグメントグリーン58単独で、またはC.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58の少なくとも1種と、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138もしくはC.I.ピグメントイエロー150とからなる混合物を含む。他の適切な緑色顔料は、C.I.ピグメントグリーン15、25および37である。
【0203】
適切な緑色染料のための例は、C.I.アシッドグリーン3、9、16、C.I.ベーシックグリーン1および4である。
【0204】
適切な青色顔料のための例は、フタロシアニン型顔料であり、該顔料は、単独でかまたはジオキサジン型バイオレット顔料と組み合わせて使用され、例えばC.I.ピグメントブルー15:6単独、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との組み合わせである。青色顔料のための更なる例は、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、16、22、28および60の顔料である。他の適切な顔料は、C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、37、177およびC.I.オレンジ73である。
【0205】
青色染料は、例えばメタン型染料、アントラキノン型染料、アゾ型染料、金属錯体アゾ型染料、トリアリールメタン型染料またはフタロシアニン型染料を含む。
【0206】
適切な青色染料のための例は、C.I.ソルベントブルー11、25、37、45、49、68、78、94、C.I.ダイレクトブルー25、86、90、108、C.I.アシッドブルー1、3、7、9、15、83、90、103、104、158、161、249、C.I.ベーシックブルー1、3、7、9、25、105およびC.I.ディスパースブルー198およびC.I.モルダントブルー1である。
【0207】
黒色マトリックス用の光重合性組成物の顔料は、好ましくは、カーボンブラック、チタニウムブラック、酸化鉄、ラクトン、ラクタムおよびペリレンからなる群から選択される少なくとも1種を含む。好ましい例は、カーボンブラックである。しかしながら、全体で黒色の様相を呈する他の顔料の混合物を使用してもよい。例えばまた、C.I.ピグメントブラック1、7、31、32およびIrgaphor(登録商標)black S0100(BASF SE)を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0208】
カラーフィルターのために使用される染料の他の例は、C.I.ソルベントイエロー2、5、14、15、16、19、21、33、56、62、77、83、93、162、104、105、114、129、130、162、C.I.ディスパースイエロー3、4、7、31、54、61、201、C.I.ダイレクトイエロー1、11、12、28、C.I.アシッドイエロー1、3、11、17、23、38、40、42、76、98、C.I.ベーシックイエロー1、C.I.ソルベントバイオレット13、33、45、46、C.I.ディスパースバイオレット22、24、26、28、31、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.ベーシックバイオレット2、7、10、C.I.ソルベントオレンジ1、2、5、6、37、45、62、99、C.I.アシッドオレンジ1、7、8、10、20、24、28、33、56、74、C.I.ダイレクトオレンジ1、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ダイレクトブラウン6、58、95、101、173、C.I.アシッドブラウン14、C.I.ソルベントブラック3、5、7、27、28、29、35、45および46である。
【0209】
カラーフィルターの製造の幾つかの特定の場合において、補色、つまりイエロー、マゼンタ、シアン、任意にグリーンが、レッド、グリーンおよびブルーの代わりに使用される。このタイプのカラーフィルターのためのイエローとして、上述の黄色顔料および黄色染料を使用できる。マゼンタ色に適した着色剤の例は、C.I.ピグメントレッド122、144、146、169、177、C.I.ピグメントバイオレット19および23である。シアン色の例は、アルミニウムフタロシアニン顔料、チタニウムフタロシアニン顔料、コバルトフタロシアニン顔料およびスズフタロシアニン顔料である。
【0210】
カラーフィルターレジスト組成物中の顔料は、好ましくは、可視光の波長(400nm〜700nm)よりも小さい平均粒径を有する。特に好ましくは、100nm未満の平均顔料直径である。
【0211】
全固体成分(種々の色の顔料と樹脂)中の顔料の濃度は、例えば5質量%から80質量%の範囲であり、特に20質量%から65質量%の範囲である。
【0212】
全固体成分(様々な色の染料と樹脂)中の染料の濃度は、例えば0.5質量%〜95質量%の範囲、特に0.5質量%〜70質量%の範囲にある。
【0213】
必要であれば、顔料は、感光性組成物中で、顔料を分散剤で前処理して液状配合物中での顔料の分散安定性を向上させることによって安定化することができる。適切な添加剤は、下記のものである。
【0214】
添加剤(d)、例えば分散剤、界面活性剤、接着促進剤、光増感剤等は、場合により、本発明の組成物中に存在する。
【0215】
顔料を分散しやすくするとともに、得られた顔料分散液を安定化するために、顔料の表面処理を適用することが好ましい。表面処理試薬は、例えば、界面活性剤、ポリマー型分散剤、一般的なテクスチャ向上剤、顔料誘導体およびそれらの混合物である。本発明による着色剤組成物が少なくとも1種のポリマー型分散剤および/または少なくとも顔料誘導体を含む場合に特に好ましい。
【0216】
適切な界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートもしくはアルキルナフタレンスルホネート、アルキルスルホコハク酸塩もしくはナフタレンホルムアルデヒドスルホネート;カチオン性界面活性剤、例えば第四級塩、例えばベンジルトリブチルアンモニウムクロリド;または非イオン性もしくは両性界面活性剤、例えばポリオキシエチレン界面活性剤ならびにアルキルベタインもしくはアミドプロピルベタインをそれぞれ含む。
【0217】
界面活性剤の実例は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、およびポリオキシエチレンオレイルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールジエステル、例えばポリエチレングリコールジラウレートおよびポリエチレングリコールジステアレート;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸変性ポリエステル;第三級アミン変性ポリウレタン;ポリエチレンイミン;KPの商品名で入手可能な界面活性剤(信越化学株式会社の製品)、Polyflowの商品名で入手可能な界面活性剤(共栄社化学株式会社の製品)、F−Topの商品名で入手可能な界面活性剤(Tochem Products Co.,Ltd社の製品)、MEGAFACの商品名で入手可能な界面活性剤(大日本インキ化学工業株式会社の製品)、Fluoradの商品名で入手可能な界面活性剤(住友3M株式会社の製品)、Asahi GuardおよびSurflonの商品名で入手可能な界面活性剤(旭硝子株式会社の製品)等を含む。
【0218】
これらの界面活性剤は、単独でまたは2つ以上の混合物で使用してよい。
【0219】
前記界面活性剤は、一般に、着色剤組成物100質量部に対して、50質量部以下の量で、好ましくは0質量部〜30質量部の量で使用される。
【0220】
ポリマー型分散剤は、顔料親和性基を有する高分子量ポリマーを含む。例は、例えばスチレン誘導体、(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドから構成される統計コポリマーならびにそのような統計コポリマーであって後変性によって変性されているコポリマー;例えばスチレン誘導体、(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドから構成されるブロックコポリマーおよび/または櫛形ポリマーならびにそのようなブロックコポリマーおよび/または櫛形ポリマーであって後変性によって変性されているポリマー;例えばポリエステルでグラフトされているポリエチレンイミン;例えばポリエステルでグラフトされているポリアミン;ならびに多種の(変性)ポリウレタンである。
【0221】
ポリマー型分散剤を使用してもよい。適切な高分子分散剤は、例えばBYK社製のDISPERBYK(登録商標)101、115、130、140、160、161、162、163、164、166、168、169、170、171、180、182、2000、2001、2009、2020、2025、2050、2090、2091、2095、2096、2150、BASF社製のEFKA(登録商標)4008、4009、4010、4015、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4310、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4406、4500、4510、4520、4530、4540、4550、4560、味の素ファインテクノ社製のPB(登録商標)711、821、822、823、824、827、Lubrizol社製のSOLSPERSE(登録商標)1320、13940、17000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32500、32550、32600、33500、34750、36000、36600、37500、39000、41090、44000、53095ならびにそれらの組み合わせである。
【0222】
分散剤として、EFKA(登録商標)4046、4047、4060、4300、4310、4330、4340、DISPERBYK(登録商標)161、162、163、164、165、166、168、169、170、2000、2001、2020、2050、2090、2091、2095、2096、2105、2150、PB(登録商標)711、821、822、823、824、827、SOLSPERSE(登録商標)24000、31845、32500、32550、32600、33500、34750、36000、36600、37500、39000、41090、44000、53095ならびにそれらの組み合わせを使用することが好ましい。
【0223】
適切なテクスチャ向上剤は、例えば脂肪酸、例えばステアリン酸またはベヘン酸ならびに脂肪アミン、例えばラウリルアミンおよびステアリルアミンである。更に、脂肪アルコールまたはエトキシル化された脂肪アルコール、ポリオール、例えば脂肪族1,2−ジオールまたはエポキシ化されたダイズ油、ワックス、樹脂酸および樹脂酸塩をこの目的のために使用することができる。
【0224】
好適な顔料誘導体は、例えば銅フタロシアニン誘導体、例えばBASF社製のEFKA(登録商標)6745、Lubrizol社製のSOLSPERSE(登録商標)5000、12000、BYK社製のSYNERGIST 2100およびアゾ誘導体、例えばEFKA(登録商標)6750、SOLSPERSE(登録商標)22000およびSYNERGIST 2105である。
【0225】
上述の顔料用の分散剤および界面活性剤は、例えばレジスト配合物として、特にカラーフィルタ配合物で使用される本発明の組成物で使用される。
【0226】
本発明の主題は、また、上記の光重合性組成物であって、更なる添加剤として、分散剤もしくは分散剤の混合物を含む前記組成物ならびに上記の光重合性組成物であって、更なる添加剤として顔料もしくは顔料の混合物もしくは染料もしくは染料の混合物または1種以上の顔料と1種以上の染料との混合物を含む前記組成物である。
【0227】
本発明において、分散剤の含量は、顔料の質量に対して、好ましくは1質量%から80質量%まで、より好ましくは5質量%から70質量%まで、更により好ましくは10質量%から60質量%までである。
【0228】
更なる適切な添加剤(d)は、例えば接着向上剤である。本発明の硬化性組成物は、硬質表面、例えば支持体の硬質表面への付着性を向上させるための接着向上剤を含有してよい。前記接着向上剤は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等であってよい。
【0229】
光重合を、スペクトル感度をシフトさせるか、または広げる、さらなる光増感剤または補助開始剤(成分(d)として)を添加することによって促進することもできる。これらは、特に、芳香族化合物、例えばベンゾフェノンおよびそれらの誘導体、チオキサントンおよびそれらの誘導体、アントラキノンおよびそれらの誘導体、クマリンおよびフェノチアジンおよびそれらの誘導体ならびにまた3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ローダニン、カンファーキノンであるが、またエオシン、ローダミン、エリスロシン、キサンテン、チオキサンテン、アクリジン、例えば9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、シアニンおよびメロシアニン色素である。
【0230】
そのような化合物の具体的な例は、以下のものである。
【0231】
1. チオキサントン類
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]チオキサントン、1,3−ジメチル−2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン 2−エチルヘキシルエーテル、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチルチオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、N−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−カルボン酸ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド;
2. ベンゾフェノン類
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(メチルエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(p−イソプロピルフェノキシ)ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイル−フェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(トルエン−4−スルホニル)プロパン−1−オン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル−ベンゼンメタンアミニウムクロリド;
3. クマリン類
クマリン1、クマリン2、クマリン6、クマリン7、クマリン30、クマリン102、クマリン106、クマリン138、クマリン152、クマリン153、クマリン307、クマリン314、クマリン314T、クマリン334、クマリン337、クマリン500、3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、3−ベンゾイル−6,8−ジクロロクマリン、3−ベンゾイル−6−クロロクマリン、3,3’−カルボニル−ビス[5,7−ジ(プロポキシ)クマリン]、3,3’−カルボニル−ビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノ−クマリン)、3−イソブチロイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジエトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジブトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(メトキシエトキシ)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(アリルオキシ)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、5,7−ジエトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ジメチルアミノ−3−フェニルクマリン、7−ジエチルアミノ−3−フェニルクマリン、JP09−179299−AおよびJP09−325209−Aに開示されるクマリン誘導体、例えば7−[{4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−S−トリアジン−2−イル}アミノ]−3−フェニルクマリン;
4. 3−(アロイルメチレン)チアゾリン類
3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾリン、3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−ベンゾチアゾリン、3−エチル−2−プロピオニルメチレン−β−ナフトチアゾリン;
5. ローダニン類
4−ジメチルアミノベンザールローダニン、4−ジエチルアミノベンザールローダニン、3−エチル−5−(3−オクチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)ローダニン、JP08−305019Aに開示される式[1]、[2]、[7]のローダニン誘導体;
6. 他の化合物
アセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン、ベンジル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンジル、2−アセチルナフタレン、2−ナフトアルデヒド、ダンシル酸誘導体、9,10−アントラキノン、アントラセン、ピレン、アミノピレン、ペリレン、フェナントレン、フェナントレンキノン、9−フルオレノン、ジベンゾスベロン、クルクミン、キサントン、チオミヒラーケトン、α−(4−ジメチルアミノベンジリデン)ケトン、例えば2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2−(4−ジメチルアミノベンジリデン)インダン−1−オン、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−インダン−5−イル−プロペノン、3−フェニルチオフタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド、フェノチアジン、メチルフェノチアジン、アミン、例えばN−フェニルグリシン、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、ブトキシエチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノアセトフェノン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、ポリ(プロピレングリコール)−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート。
【0232】
光増感剤は、例えばベンゾフェノンおよびそれらの誘導体、チオキサントンおよびそれらの誘導体、アントラキノンおよびそれらの誘導体またはクマリンおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0233】
光重合を促進するために、アミン、例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、エチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、オクチル−パラ−N,N−ジメチルアミノベンゾエート、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−パラ−トルイジンまたはミヒラーケトンを添加することが可能である。アミンの作用は、ベンゾフェノン型の芳香族ケトンの添加によって増強することができる。酸素捕捉剤として使用できるアミンの例は、EP339841に記載されるような置換されたN,N−ジアルキルアニリンである。他の促進剤、補助開始剤および自己酸化剤は、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、ホスホニウム塩、ホスフィンオキシドまたはホスフィンであり、それらは、例えばEP438123、GB2180358および特開平6−68309号公報に記載されている。
【0234】
重合を熱的に加速させるために、熱的硬化促進剤、例えばオキシムスルホネート、例えばWO2012/101245に記載されるオキシムスルホネート、ヒドロキシルアミンエステル、例えばWO2012/108835、WO2001090113、WO03029332およびWO04081100に記載されるヒドロキシルアミンエステル類、ペルオキシド類、例えば有機ペルオキシドもしくはヒドロペルオキシド、例えばJP2003015288およびJP10010718に記載されるペルオキシド、ならびにアゾ化合物、例えばJP2003015288に記載されるアゾ化合物を添加することが可能である。
【0235】
1種以上の添加剤の選択は、適用分野と、この分野に必要な特性に応じてなされる。前記の添加剤は、当該技術分野で慣用のものであり、従ってその都度の用途で通常の量で添加される。
【0236】
熱的抑制剤(Thermal inhibitor)(更なる添加剤(d)として)は、早期重合を防ぐことを目的とし、その例は、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトールまたは立体障害フェノール、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールである。暗所での貯蔵に対する安定性を高めるために、例えば銅化合物、例えば銅ナフテネート、ステアレートもしくはオクトエート、リン化合物、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフェートもしくはトリベンジルホスフェート、第四級アンモニウム化合物、例えばテトラメチルアンモニウムクロリドもしくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、またはヒドロキシルアミン誘導体、例えばN−ジエチルヒドロキシルアミンを使用することができる。重合の間の大気酸素を排除するために、パラフィンまたは類似の蝋様の物質であって、前記ポリマー中に不十分に可溶性であり、重合の開始時に表面に移行して、空気の侵入を防ぐ透明表面層を形成する物質を添加することが可能である。また、酸素不透過層を適用することもできる。
【0237】
少量で添加できる光安定剤は、UV吸収剤、例えばヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルアミドまたはヒドロキシフェニル−s−トリアジン型の光安定剤である。これらの化合物は、個別にまたは混合物で、立体障害アミン(HALS)を用いてまたは用いずに使用できる。
【0238】
そのようなUV吸収剤および光安定剤の例は、以下のものである。
【0239】
1. 2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−s−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾールの混合物、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];2−[3’−t−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;[R−CHCH−COO(CH−(式中、Rは、3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニルである);
2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4’−トリヒドロキシ−および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体;
3. 置換された安息香酸または非置換の安息香酸のエステル類、例えば4−t−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、および2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;
4. アクリレート類、例えばイソオクチルまたはエチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、ブチルもしくはメチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボキシメトキシ−p−メトキシシンナメート、およびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン;
5. 立体障害アミン類、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−t−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンとの縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラオエート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合性生物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオンおよび3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン;
6. オキサルアミド類、例えば4,4’−ジオクチルオキシオキサアニリド、2,2’−ジエトキシオキサアニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサアニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサアニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキシアニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキシアニリドおよびそれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブチルオキシアニリドとの混合物、o−メトキシとp−メトキシで二置換されたオキシアニリドおよびo−エトキシとp−エトキシで二置換されたオキシアニリドの混合物;
7. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−ドデシル/トリデシルオキシ−(2−ヒドロキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;
8. ホスフィット類およびホスホニット類、例えばトリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリチルジホスフィット、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリチルジホスフィット、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリチルジホスフィット、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリチルジホスフィット、ビスイソデシルオキシペンタエリトリチルジホスフィット、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリチルジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリチルジホスフィット、トリステアリルソルビチルトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィットおよびビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット。
【0240】
本発明の組成物は、1種以上の溶剤を含んでよい。適切な溶剤の例は、ケトン、エーテルおよびエステル、例えばメチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、エチルアセテート、n−ブチルアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、エチル3−エトキシプロピオネート、メチル3−メトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、2−ペンタノンおよびエチルラクテートである。
【0241】
本発明による組成物は、更に、JP10−221843−Aに記載されるように、酸もしくは塩基によって活性化された架橋剤と、熱によりまたは化学線により酸もしくは塩基を生成しかつ架橋反応を活性化する化合物を含有してよい。フリーラジカル硬化剤の他に、カチオン性光開始剤または熱開始剤、例えばスルホニウム塩、ホスホニウム塩もしくはヨードニウム塩、例えばIrgacure(登録商標)250、Irgacure(登録商標)270、三新化学によって製造されるサンエイド SIシリーズ、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−145、SI−150、SI−160、SI−180L、シクロペンタジエニル−アレーン−鉄(II)錯塩、例えば(η−イソプロピルベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートならびにオキシムスルホン酸エステル、例えばEP780729に記載されるオキシムスルホン酸エステルが使用される。また、例えばEP497531およびEP441232に記載されるピリジニウムおよびi−キノリニウム塩は、新規の光開始剤と組み合わせて使用してよい。塩基の例は、イミダゾールおよびその誘導体、例えば四国化学によって販売されるCurezole ORシリーズおよびCNシリーズである。
【0242】
更に、本発明による組成物は、酸によって活性化できる架橋剤を含んでよい。酸もしくは塩基によって活性化できる架橋剤は、エポキシ基またはオキセタン基を有する化合物を含む。固体または液体の公知のエポキシ化合物またはオキセタン化合物を使用でき、前記化合物は、必要とされる特性に応じて使用される。好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノールS型のエポキシ樹脂、例えば日本化薬株式会社によって製造されるBPS−200、ACR Co.によって製造されるEPX−30、大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon EXA−1514等;ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、例えば、大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon N−3050、N−7050、N−9050、XAC−5005、GT−7004、6484T、6099;ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、例えばNSCC Epoxy Manufacturing Co.,Ltd.によって製造されるYDF−2004、YDF2007;ビスフェノールフルオレン型のエポキシ樹脂、例えば大阪ガスケミカル株式会社によって製造されるOGSOL PG、PG−100、EG、EG−210;ジグリシジルフタレート樹脂、例えば日本油脂株式会社によって製造されるBlemmer DGT等;複素環式のエポキシ樹脂、例えば日産化学工業株式会社によって製造されるTEPIC、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社によって製造されるAraldite PT810等;ビキシリレノール型のエポキシ樹脂、例えば油化シェル株式会社によって製造されるYX−4000等;ビフェノール型のエポキシ樹脂、例えば油化シェル株式会社によって製造されるYL−6056等;テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、例えばNSCC Epoxy Manufacturing Co.,Ltd.によって製造されるZX−1063等;ノボラック型のエポキシ樹脂、例えば日本化薬株式会社によって製造されるEPPN−201、EOCN−103、EOCN−1020、EOCN−1025およびBRRN、旭化学工業株式会社によって製造されるECN−278、ECN−292およびECN−299、BASFジャパン株式会社によって製造されるGY−1180、ECN−1273およびECN−1299、NSCC Epoxy Manufacturing Co.,Ltd.によって製造されるYDCN−220L、YDCN−220HH、YDCN−702、YDCN−704、YDPN−601およびYDPN−602、大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon−673、N−680、N−695、N−770およびN−775等;ビスフェノールAのノボラック型のエポキシ樹脂、例えば旭化学工業株式会社によって製造されるEPX−8001、EPX−8002、EPPX−8060およびEPPX−8061、大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon N−880等;キレート型のエポキシ樹脂、例えば旭電化工業株式会社によって製造されるEPX−49−69およびEPX−49−30等;グリオキサール型のエポキシ樹脂、例えばNSCC Epoxy Manufacturing Co.,Ltd.によって製造されるYDG−414等;アミノ基含有のエポキシ樹脂、例えばNSCC Epoxy Manufacturing Co.,Ltd.によって製造されるYH−1402およびST−110、油化シェル株式会社によって製造されるYL−931およびYL−933等;ゴム変性エポキシ樹脂、例えば大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon TSR−601、旭電化工業株式会社によって製造されるEPX−84−2およびEPX−4061等;ジシクロペンタジエンフェノール型のエポキシ樹脂、例えば山陽国策パルプ株式会社によって製造されるDCE−400等;シリコーン変性エポキシ樹脂、例えば旭電化工業株式会社によって製造されるX−1359等;ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、例えばダイセル株式会社によって製造されるPlaque G−402およびG−710等およびそれ以外のエポキシ樹脂である。更に、これらのエポキシ化合物の部分的にエステル化された(例えば(メタ)アクリレートによってエステル化された)化合物を組み合わせて使用することができる。オキセタン化合物の例は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)、2−エチルヘキシルオキセタン、キシレンビスオキセタン、東亞合成株式会社によって製造される3−エチル−3[[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル]オキセタン(アロンオキセタンシリーズ)である。
【0243】
光重合性組成物を、様々な目的のために、例えば、印刷インキとして、例えばスクリーン印刷インキとして、オフセット印刷もしくはフレキソ印刷用のインキとして、透明仕上げとして、白色仕上げもしくは着色仕上げとして、例えば木材または金属用に、粉末コーティングとして、コーティング材料として、とりわけ、紙、木材、金属またはプラスチック用に、建物のマーキングおよび道路のマーキング用の昼光硬化性コーティングとして、写真複写技術のために、ホログラフィック記録材料のために、画像記録技術のために、または有機溶剤または水性アルカリで現像できる印刷版を製造するために、スクリーン印刷用マスクを製造するために、歯科充填組成物として、接着剤として、感圧性接着剤として、積層用樹脂として、エッチングレジスト、はんだレジスト、電気めっきレジスト、または永久レジストとして、液体膜と乾燥膜との両方で、光構造化可能な誘電体として、およびプリント回路基板および電子回路用に、様々なディスプレイ用途用のカラーフィルタを製造するためのレジストとして、またはプラズマディスプレイパネルおよびエレクトロルミネッセンスディスプレイの製造工程において構造を作るためのレジストとして(例えば、US5853446、EP863534、JP09−244230−A、JP10−62980−A、JP08−171863−A、US5840465、EP855731、JP05−271576−A、JP05−67405−Aに記載される)、ホログラフィックデータ記録(HDS)材料の製造のために、光スイッチ、光格子(干渉格子)、光回路の製造のために、3次元物品を集塊硬化(透明型内でのUV硬化)によって、または立体リソグラフィー技術によって製造するために(例えば、複合材料(例えばスチレンポリエステル、必要であればそれはガラス繊維および/または他の繊維および他の助剤を含有してよい)および他の厚い層状組成物を製造するためにUS4575330に記載される通り)、電子コンポーネントおよび集積回路のコーティングおよびシーリングのために、または光ファイバー用のコーティングとして、または光学レンズ、例えばコンタクトレンズまたはフレネルレンズを製造するために、使用できる。本発明による組成物は、更に、医療機器、補助機械またはインプラントの製造のために適している。更に、本発明による組成物は、サーモトロピック特性を有するゲルの製造のために適しており、それは、例えばDE19700064およびEP678534に記載されている。
【0244】
新規の光開始剤は、更に、乳化重合、パール重合もしくは懸濁重合のための開始剤として、液晶モノマーおよびオリゴマーの配向状態の固定化のための重合開始剤として、または有機材料上に色素を固定するための開始剤として使用することもできる。
【0245】
コーティング材料において、プレポリマーと多価不飽和モノマーとの混合物であって、更に同様に一価不飽和モノマーを含んでよい混合物がしばしば使用される。それは本明細書では、コーティング被膜の特性を主として規定するプレポリマーであり、その変更によって当業者は、硬化された被膜の特性に影響を及ぼすことができる。前記多価不飽和モノマーは、被膜に不溶性を付与する架橋剤として機能する。前記一価不飽和モノマーは、溶剤の使用を要することなく粘度を下げるために使用される反応性希釈剤として機能する。
【0246】
不飽和ポリエステル樹脂は、通常は、2成分系において一価不飽和モノマー、好ましくはスチレンと一緒に使用される。フォトレジストのために、特定の1成分系がしばしば使用され、例えばポリマレイミド、ポリカルコンまたはポリイミドが使用され、それらは、DE2308830に記載されている。
【0247】
新規光開始剤は、放射線硬化性粉末コーティングの重合のためにも使用できる。前記粉末コーティングは、固体樹脂と、反応性二重結合を含むモノマー、例えばマレエート、ビニルエーテル、アクリレート、アクリルアミドおよびそれらの混合物を基礎としうる。
【0248】
新規の光硬化性組成物は、例えばあらゆる種類の基材、例えば木材、テキスタイル、紙、セラミックス、ガラス、プラスチック、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィンもしくは酢酸セルロースの、特に被膜の形の、また金属、例えばAl、Cu、Ni、Fe、Zn、MgもしくはCoおよびGaAs、SiもしくはSiOであって、保護層の適用が意図されるもしくは図状の曝露により図柄を生成することが意図される基材のためのコーティング材料として適している。
【0249】
更に新規の放射感受性組成物は、ネガ型レジストとして使用され、それは、光に対する非常に高い感度を有し、かつ膨潤せずに水性アルカリ媒体中で現像できる。それらは、レリーフ印刷、平板印刷、グラビア印刷のための印刷形状のまたはスクリーン印刷形状の作製のために、レリーフコピーの作成のために、例えば点字の文字の作成のために、スタンプの作製のために、化学粉砕で使用するために、または集積回路の製造におけるマイクロレジストとして適している。該組成物は、更に、光パターン形成可能な誘電体層またはコーティング、コンピュータチップ、プリント基材および他の電気もしくは電子コンポーネントの製造における封入材料および絶縁コーティングとして使用してよい。可能な層支持体およびコーティング基材の処理条件は、様々である。
【0250】
新規の組成物は、また、感光性の熱硬化性樹脂組成物およびその使用によってソルダーレジストパターンを形成する方法に関し、より具体的にプリント回路基板の製造、金属製物品の精密な作製、ガラスおよび石材物品のエッチング、プラスチック物品の浮き彫りおよび印刷版の製造のための材料として有用な、特にプリント回路基板用のソルダーレジストとして有用な新規の感光性の熱硬化性の樹脂組成物ならびにソルダーレジストパターンの形成方法であって、樹脂組成物の層をパターンを有するフォトマスクを通じて選択的に化学線にさらす工程と、層のさらされた部分を現像する工程とによって行う前記方法に関する。
【0251】
ソルダーレジストは、融けたはんだが無関係の部分に付着することを防ぐことと回路を保護することを目的とするプリント回路基板に対する所定の部位のはんだ付けの間に使用される物質である。従って、高い付着性、絶縁抵抗、はんだ付け温度に対する耐久性、溶剤に対する耐久性、アルカリに対する耐久性、酸に対する耐久性、そしてメッキに対する耐久性等の特性を有する必要がある。
【0252】
本発明による光硬化性の組成物は良好な熱的安定性と酸素による阻害に対して十分に耐久性があるので、該組成物は、例えばEP320264に記載されるようなカラーフィルターまたはカラーモザイクシステムの製造のために特に適している。通常、LCD、PDP(プラズマパネルディスプレイ)、EL(電子発光)ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイならびに投射システム、スキャナ、デジタルカメラおよびビデオカメラのためのイメージセンサ、CCD(電荷結合素子)およびCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサの製造において使用される。
【0253】
カラーフィルターは、通常は、ガラス基材上に、赤色と緑色と青色のピクセルと、黒色のマトリックスとを形成することによって製造される。これらのプロセスにおいて、本発明による光硬化性組成物を使用できる。特に好ましい使用方法は、赤色、緑色および青色の着色物質、染料および顔料を本発明の感光性の樹脂組成物に添加することと、基材を前記組成物でコーティングすることと、該コーティングを短時間の熱処理で乾燥させることと、該コーティングをパターン状に化学線にさらすことと、引き続き水性アルカリ性現像溶液中で前記パターンを現像することと、任意に熱処理することとを含む。このように、赤色、緑色および青色に顔料着色されたコーティングを、任意の所望の順序で前記プロセスで互いの最上部へ引き続き適用することによって、赤色、緑色および青色のカラーピクセルを有するカラーフィルタ層を製造できる。
【0254】
現像は、重合されなかった領域を適切なアルカリ性現像溶液で洗出することによって行われる。このプロセスは、複数の色を有するイメージを形成するまで繰り返す。
【0255】
本発明の感光性の樹脂組成物において、少なくとも1もしくはそれより多くの画素を透明基材上に形成させ、次いで前記透明基材が形成されていない側の透明基材から露光を行う方法によって、前記画素は、光シールドマスクとして用いることができる。例えば、全面の露光を行う場合には、マスクの位置調整は不要となり、その位置のすべりの懸念は取り除かれる。そして、前記の画素が形成されていない部分の全てを硬化させることが可能である。更に、この場合に、同様に前記の画素が形成されていない部分を、遮光マスクの部分的な使用によって現像して取り除くことが可能である。
【0256】
いずれにせよ、先に形成された画素と後に形成された画素との間には隙間は形成されないので、本発明の組成物は、例えばカラーフィルタ用の形成材料に適している。具体的には、前記の赤色、緑色および青色の着色物質、染料および顔料は、本発明の感光性の樹脂組成物に加えられ、そして赤色、緑色および青色の画素の形成のために画像の形成のためのプロセスが繰り返される。次いで、例えば黒色の着色材料、染料および顔料で着色された感光性樹脂は、全面に与えられる。全面露光(または遮光マスクを介した部分的な露光)をその上に行うことで、赤色、緑色および青色の画素の間にある隙間全体にわたって(または遮光マスクの部分的な領域の全体にわたって)黒色の画素を形成させることができる。
【0257】
感光性の樹脂組成物が基材上にコーティングされ乾燥される方法に加えて、本発明の感光性の樹脂組成物は、同様にレイヤートランスファー材料のために使用することができる。つまり、該感光性の樹脂組成物は、直接的に、一時的な支持体上に、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム上に、または酸素遮蔽層および剥離層または剥離層および酸素遮蔽層が与えられたポリエチレンテレフタレートフィルム上に層状に与えられる。通常、合成樹脂から製造される除去可能なカバーシートは、取り扱い時の保護のためにその上に積層される。更に、同様に、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層および中間層が一時的な支持体上に与えられ、更に感光性の樹脂組成物層がその上に与えられている層構造を塗布できる(JP5−173320−A)。
【0258】
前記のカバーシートは、使用時に取り除かれ、そして感光性の樹脂組成物は、永続的な支持体上に積層される。引き続き、剥離は、これらの層と一時的な支持体との間では、酸素遮蔽層と剥離層が与えられている場合に行われ、剥離層と酸素遮蔽層との間では、剥離層と酸素遮蔽層が与えられている場合に行われ、そして一時的な支持体と感光性樹脂層との間では、剥離層か酸素遮蔽層のいずれかが与えられていない場合に行われ、そして一時的な支持体が取り除かれる。
【0259】
金属の支持体、ガラス、セラミックおよび合成樹脂のフィルムは、カラーフィルタ用の支持体として使用することができる。ガラスと合成樹脂のフィルムであって透明かつ優れた寸法安定性を有するものは特に好ましい。
【0260】
感光性の樹脂組成物層の厚さは、通常は、0.1マイクロメートル〜50マイクロメートル、特に0.5マイクロメートル〜5マイクロメートルである。
【0261】
現像溶液は、当業者に公知のあらゆる形態で、例えば浴溶液、パドル溶液または噴霧溶液の形態で使用することができる。感光性の樹脂組成物層の硬化されていない部分を取り除くためには、回転ブラシで擦ることと湿ったスポンジで擦ること等の方法を組み合わせることができる。通常、現像溶液の温度は、好ましくは、室温から40℃とその付近である。現像時間は、特定の種類の感光性の樹脂組成物、現像溶液のアルカリ性および温度ならびに添加する場合には有機溶剤の種類と濃度に応じて変更可能である。通常、その時間は、10秒から2分である。現像プロセスの後にリンス工程を置くこともできる。
【0262】
最終的な熱処理は、好ましくは、現像プロセスの後に行われる。従って、露光により光重合された層(以下、光硬化層と呼ぶ)を有する支持体を電気炉および乾燥機内で加熱するか、または光硬化層に赤外ランプを照射するか、もしくはホットプレート上で加熱する。加熱温度と時間は、使用される組成物と形成される層の厚さに依存する。一般に、加熱は、約120℃〜約250℃で、約5分〜約60分間にわたり適用される。
【0263】
本発明による組成物は、潜在顔料を含んでもよく、該潜在顔料を含む感光性のパターンもしくはコーティングの熱処理の間に微分散された顔料に変換される。その熱処理は、潜在顔料含有の光画像形成性の層の露光後または現像後に実施できる。そのような潜在顔料は、例えばUS5879855に記載されるような化学的方法、熱的方法、光分解的方法または放射誘発型の方法によって不溶性顔料に変換できる可溶性の顔料前駆体である。そのような潜在顔料のこの変換は、化学線にさらしたときまたは酸性化合物を添加することによって酸を生成する化合物を組成物に添加することによって増強できる。従って、本発明による組成物中に潜在顔料を含むカラーフィルターレジストを製造することもできる。
【0264】
カラーフィルターの例は、特に前記の顔料とイオン性不純物スカベンジャーの組み合わせに関しては、EP320264に示されている。本発明による光開始剤、すなわちEP320264に記載されるカラーフィルター配合物中の式IまたはIIの化合物は、トリアジン開始剤化合物と置き換えられると理解される。カラーフィルタ組成物のために適した成分は、先により詳細に記載されている。
【0265】
カラーフィルターレジスト、そのようなレジストの組成およびプロセス条件は、T.Kudoら,Jpn.J.Appl.Phys.第37巻(1998)3594;T.Kudoら,J.Photopolym.Sci.Technol.第9巻(1996)109;K.Kobayashi,Solid State Technol.Nov.1992,第15頁〜第18頁;US5368976;US5800952;US5882843;US5879855;US5866298;US5863678;JP06−230212A;EP320264;JP09−269410A;JP10−221843A;JP01−090516A;JP10−171119A、US5821016、US5847015、US5882843、US5719008、EP881541またはEP902327に示されている。本発明の光開始剤は、カラーフィルターレジスト中で、例えば前記の例に示されるものにおいて使用できるか、またはそのようなレジストにおいて公知の光開始剤と部分的にもしくは完全に置き換えることができる。当業者によれば、本発明の新規の光開始剤の使用は、特定のバインダー樹脂、架橋剤に限定されず、前記明細書に示されるカラーフィルターレジストの例の配合物は、しかしながら、任意のラジカル重合性成分と組み合わせて、染料または着色顔料または潜在顔料と組み合わせて使用して、感光性のカラーフィルターインキまたはカラーフィルターレジストが形成されることは理解される。
【0266】
従ってまた、本発明の主題は、全てが感光性の樹脂および顔料を有する、赤色、緑色および青色(RGB)のカラーエレメントと、任意に黒色マトリックスを透明基材上に準備することと、前記基材の表面上か前記カラーフィルター層の表面上のいずれかに透明電極を準備することと、によって製造されたカラーフィルターであって、前記の感光性の樹脂は、多官能性のアクリレートモノマー、有機ポリマーバインダーおよび前記の式IもしくはIIの光重合開始剤を含む前記カラーフィルターである。前記モノマーおよびバインダー成分ならびに好適な顔料は、前記の通りである。カラーフィルターの製造において、前記透明電極層は、透明基材の表面上に適用されるか、または赤色、緑色および青色の画素および黒色マトリックスの表面上に準備できる。透明な基材は、例えばガラス基材であって、その表面上に更に電極を有してよい基材である。
【0267】
カラーフィルターのコントラストを向上させるために、異なる色の色領域の間に黒色マトリックスを適用することが好ましい。
【0268】
本発明の感光性組成物は、既に示したように、カラーフィルターの黒色マトリックスの製造のためにも適している。前記の黒色マトリックス組成物は、例えば、本発明の式IまたはIIの光開始剤化合物、有機バインダー、特にカルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂である有機バインダー、黒色着色材料、ポリマー分散剤、特に塩基性官能基を含むポリマー分散剤を含む。当業者は、そのような配合に関して熟知している。前記の好適な黒色マトリックス組成物および成分(光開始剤以外)の例は、日本国特許第3754065号に示されており、その開示内容は、参照をもって記載されたものとする。
【0269】
感光性組成物を使用して黒色マトリックスを形成し、そして該黒色の感光性組成物をフォトリソグラフィーによってパターン状の露光によって(すなわち好適なマスクを通じて)パターン形成させることで、透明基材上で赤色、緑色および青色の領域を分ける黒色パターンを形成する代わりに、選択的に、無機の黒色マトリックスを使用することが可能である。そのような無機の黒色マトリックスは、堆積された(すなわちスパッタリングされた)金属(すなわちクロム)の被膜から透明基材上で、好適な画像形成プロセスによって、例えばエッチングレジストによるフォトリソグラフィーによるパターン形成と、エッチングレジストによって保護されていない領域における無機層のエッチングと、次いで残りのエッチングレジストの除去によって形成することができる。
【0270】
カラーフィルター製造方法においてどのように、そしてどのステップで黒色マトリックスが適用できるかについて種々の方法が知られている。既に前記のように、黒色マトリックスは、赤色、緑色および青色(RGB)の形成前に透明基材上に直接適用でき、またはRGBカラーフィルターを基材上に形成させた後に適用することができる。
【0271】
US626796による液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの種々の実施態様においては、黒色マトリックスは、また、RGBカラーフィルタエレメントを有する基材に対向する、液晶層によって隔離されている基材上に適用してもよい。
【0272】
透明電極層が、RGBカラーフィルターエレメントと、任意に黒色マトリックスを適用した後に堆積される場合に、保護層としての追加のオーバーコートを、例えばUS5650263に記載されるように、電極層の堆積前にカラーフィルター層上に適用することができる。
【0273】
カラーフィルターのオーバーコート層を形成するために、感光性または熱硬化性の樹脂組成物が使用される。本発明の感光性の組成物を使用してそのようなオーバーコート層を形成することもできる。それというのも、該組成物の硬化された被膜は、平坦性、硬度、化学的および熱的な耐久性、透明性、特に可視領域における透過性、基材への付着性ならびにその上への透明な導電性被膜、例えばITO被膜を形成するための適性の点で優れている。保護層の製造において、保護層の不要な部分を、例えば基材の切断のためのけがき線でかつ固体イメージセンサの結合パッド上で、JP57−42009A、JP1−130103AおよびJP1−134306Aに記載されるように基材から取り除くべきであるという要求があった。この点で、上述の熱硬化性樹脂を使用して良好な精度で保護層を選択的に形成することは困難である。しかしながら、感光性の組成物は、保護層の不要な部分を、フォトリソグラフィーによって簡単に取り除くことを可能にする。
【0274】
当業者には、本発明の感光性組成物は、赤色、緑色および青色のカラーピクセルと黒色マトリックスを生成するために、カラーフィルタの製造のために、前記の加工における相違点にもかかわらず、適用できる追加の層にもかかわらず、かつカラーフィルタのデザインにおける相違点にもかかわらず使用できることは明らかである。本発明による組成物を使用してカラーエレメントを形成することは、種々のデザインおよびそのようなカラーフィルターの製造法によって制限されるものではない。
【0275】
本発明の感光性組成物は、適宜、カラーフィルタの形成のために使用できるが、この用途に限定されるものではない。同様に、記録材料、レジスト材料、保護層、誘電体層、ディスプレイ用途およびディスプレイエレメント、塗料および印刷インキにおいても有用である。
【0276】
本発明による感光性組成物は、また、液晶ディスプレイ、より具体的には反射型液晶ディスプレイにおける、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を有するアクティブマトリックス型ディスプレイとスイッチング素子を有さないパッシブマトリックス型ディスプレイを含むディスプレイにおける層間の絶縁層または誘電体層の製造のためにも適している。
【0277】
近年では、液晶ディスプレイは、例えばポケット型TVセットおよび通信用の端末デバイスのために、その薄さと軽量の点で広く用いられている。バックライトの使用が必要無い反射型の液晶ディスプレイが特に要求される。それというのも、超薄型で軽量であり、かつ電力消費を大きく削減できるからである。しかしながら、バックライトが現在入手できる透過型のカラー液晶ディスプレイから取り除かれ、かつ光反射板が、該ディスプレイのより下方の表面に付けられるとしても、光の利用効率が低く、実際の明るさを有することができないという問題点が生ずる。
【0278】
この問題の解決策としては、光の利用効率を高めるために種々の反射型の液晶ディスプレイが提案されている。例えば、一定の反射型液晶ディスプレイは、反射機能を有するピクセル電極を含むようにデザインされている。
【0279】
反射型液晶ディスプレイは、絶縁性基材と、該絶縁性基材を隔てて配置された対向する基材とを含む。前記基材間の間隔は、液晶で満たされている。ゲート電極は、前記の絶縁性基材上に形成され、ゲート電極と絶縁性基材の両方は、ゲート絶縁性皮膜で覆われる。次いで、半導体層は、ゲート電極の上にあるゲート絶縁被膜上に形成される。ソース電極とドレイン電極は、また、ゲート絶縁被膜上に、半導体層と接触して形成される。ソース電極、ドレイン電極、半導体層およびゲート電極は、互いに協調し、それによりボトムゲート型TFTをスイッチング素子として構成する。
【0280】
層間絶縁皮膜が形成され、それがソース電極、ドレイン電極、半導体層およびゲート絶縁皮膜を覆う。コンタクトホールは、ドレイン電極上の層間絶縁被膜を通じて形成される。アルミニウム製のピクセル電極は、層間絶縁性皮膜とコンタクトホールの内部側壁の両方に形成される。TFTのドレイン電極は、事実上、層間絶縁被膜を通じてピクセル電極と接触される。層間絶縁層は、一般に、粗面化された表面を有するように設計され、それによって、ピクセル電極は、反射板として作用し、前記反射板は、より広い観賞用の角度(鑑賞角)を得るために光を拡散する。
【0281】
反射型の液晶ディスプレイは、ピクセル電極が光反射板として作用する点で光を使用する効率を顕著に高める。
【0282】
上述の反射型液晶ディスプレイにおいて、層間絶縁被膜は、フォトリソグラフィーによって凹凸を有するように設計される。表面粗さについてマイクロメートル規模の凹凸の微細形状を形成し制御し、かつコンタクトホールを形成するために、ポジ型およびネガ型のフォトレジストを使用したフォトリソグラフィー法が使用される。これらのレジストのためには、本発明による組成物が特に適している。
【0283】
本発明による感光性組成物は、更に、液晶ディスプレイパネルにおける液晶部のセル間隔を制御するスペーサーの製造のために使用できる。透明なカラムスペーサーは、LCD技術で広く知られているが、透明なスペーサーは、コントラスト比を減らす偏光を妨害する。考えられる解決策の一つは、偏光を散乱させずに吸収するために黒色の着色剤と混ぜることであり、すなわちは黒色のカラムスペーサーとすることである。ブラックカラムスペーサーもLCD技術で使用されている。ブラックカラムスペーサーの場合に、1種以上の更なる黒色の着色剤または前記の他の色の着色剤の混合物が使用される。
【0284】
液晶ディスプレイにおいて液晶層を通じて透過されたまたは反射された光の特性はセル間隔に依存するので、厚さの精度およびピクセルアレイにわたる均一性は、液晶ディスプレイユニットの性能のための決定的なパラメータである。液晶セルにおいて、セル中の基材の間の間隔は、基材の間のスペーサーとして直径数マイクロメートルのガラスもしくはポリマーの球体をまばらに分配することによって一定に保持される。それらのスペーサーは、このように基材の間で、該基材の間で一定値で距離を維持するように保持される。その距離は、スペーサーの直径によって決定される。それらのスペーサーは、基材の間の最小間隔を保証する;すなわち、それらは基材の間で距離の低下を防ぐ。しかしながら、それらは、基材が互いに離れることを防ぐことはできない。すなわち基材の間の距離は増大する。更に、スペーサービーズのこの使用方法は、スペーサービーズの直径の均一性の問題と、パネル上でのスペーサービーズの一様な分配の困難性、ならびに不均一な配向、そして明るさおよび/または光学的開口の問題を、ピクセルアレイ領域でのスペーサーの位置に応じて有する。大きい画像表示領域を有する液晶ディスプレイは、最近では、多くの注意を引いている。しかしながら、液晶セルの面積の増加は、一般に、セルを構成する基材の歪みをもたらす。液晶の層構造は、基材の変形により破壊される傾向がある。このように、基材の間の間隔を一定に保持するためにスペーサーが使用される場合でさえも、大きい画像表示面積を有する液晶ディスプレイは、そのディスプレイが故障を生ずるので実行できない。前記のスペーサー球の分配法の代わりに、セル間隔においてスペーサーとしてカラムを形成する方法も提案されている。この方法において、ピクセルアレイ領域と対向電極との間の領域にスペーサーとして、定められたセル間隔を形成するために、樹脂のカラムが形成される。フォトリソグラフィーで接着特性を有する感光性材料は、通常は、例えばカラーフィルタの製造方法において使用される。この方法は、スペーサーの位置、数および高さを自由に制御できるスペーサービーズを使用した慣用の方法と比較して好ましい。近年では、タッチパネル型の液晶ディスプレイ、例えばモバイルオーディオプレイヤーおよび手持ち式のゲームプラットフォームの広がりにともない、液晶パネルへの機械的応力が高まる傾向にある。機械的強度を高めるためにセル間隔を制御するスペーサーの要求が強まるため、こうしてマルチスペーサー法が使用される。マルチスペーサー法によれば、セル間隔が外側からの圧力により狭まるときに、セル間隔を制御するメインスペーサーへの添加は、通常は、サブスペーサーの外的応力に対するセル間隔の支持を低下させる。このマルチスペーサーは、メインスペーサーによる低温条件での液晶の収縮を引き起こし、液晶内の気泡の生成を抑制しうる。
【0285】
メインスペーサーとサブスペーサーを含むマルチスペーサーは、同じステップにおいて、例えばJPA−2011065133に記載されるようなハーフトーンマスクを使用して形成される。本発明による感光性組成物は、ハーフトーンマスクを使用した製造方法のために望ましい。
【0286】
カラー液晶ディスプレイパネルでは、カラーフィルターエレメントの黒色マトリックス下の非画像形成領域に、このようなスペーサーが形成される。従って、感光性組成物を用いて形成されるスペーサーは、明るさおよび光学的開口を減少させない。
【0287】
カラーフィルター用のスペーサーを有する保護層を製造するための感光性組成物は、JP2000−81701Aに開示されており、そしてスペーサー材料用の乾燥被膜型フォトレジストもまた、JP11−174459AおよびJP11−174464Aに開示されている。前記文献に記載されるように、感光性組成物、液体型および乾燥皮膜型フォトレジストは、少なくとも1種のアルカリ性もしくは酸可溶性バインダーポリマー、ラジカル重合性モノマーおよびラジカル開始剤を含んでいる。幾つかの場合には、更にエポキシドおよびカルボン酸のような熱架橋性成分が含まれてもよい。
【0288】
感光性組成物を使用してスペーサーを形成するステップは以下の通りである。
【0289】
感光性組成物を基材、例えば、カラーフィルターパネルに適用して、基体をプリベーク後、マスクを通してこれを露光する。次に、基材を現像液で現像して、パターン形成することにより所望のスペーサーを形成する。組成物が、幾らかの熱硬化性成分を含むとき、通常ポストベークを行って組成物を熱硬化させる。
【0290】
本発明の光硬化性組成物は、その高い感度のため、(上述の)液晶ディスプレイ用のスペーサーを製造するのに適している。
【0291】
本発明の感光性組成物はまた、液晶ディスプレイパネル、イメージセンサー等に使用されるマイクロレンズアレイを製造するためにも適している。
【0292】
マイクロレンズは、検出器、ディスプレイ、および発光装置(発光ダイオード、横および縦キャビティーレーザー)のような能動オプトエレクトロニクス装置に適合して、これらの光学入力または出力特性を改善するための、微小な受動光学部品である。応用の分野は広く、遠距離通信、情報工学、視聴覚サービス、太陽電池、検出器、固体光源、および光学的相互接続のような分野をカバーする。
【0293】
現在の光学システムでは、種々の技術を利用することにより、マイクロレンズと微小光学装置の間の効率的なカップリングが得られている。
【0294】
マイクロレンズアレイは、ディスプレイの明るさを増大させるため液晶ディスプレイ装置のような非発光ディスプレイ装置の画素領域上の照明光を集光するために、入射光を集光するために、あるいは、例えばファクシミリ等に、これらの装置の感度を改善するために使用されるラインイメージセンサーの光電変換領域上に画像を形成するための、および液晶プリンターまたは発光ダイオード(LED)プリンターにおいて使用される感光性手段上に印刷すべき画像を形成するために使用される。
【0295】
最も一般的な応用は、電荷結合素子(CCD)のような固体画像検知装置の光検出器アレイの効率を改善するためのその使用である。検出器アレイでは、各検出エレメントまたはピクセルにおいて可能な限り多くの光の捕集が望まれる。マイクロレンズを各ピクセルの頂部に置けば、レンズは、入射光を捕集して、レンズのサイズより小さな能動領域にこれを集中させる。
【0296】
先行技術によれば、マイクロレンズアレイは、種々の方法により製造することができる:そのそれぞれについて本発明による組成物を使用してよい。(1)凸レンズを得るための方法(平面配置のレンズのパターンを、従来のフォトリソグラフィー法等により熱可塑性樹脂に描き、次に熱可塑性樹脂を樹脂の軟化点を超える温度まで加熱することにより流動性を持たせ、これによってパターンエッジに沈下を引き起こす(いわゆる「リフロー化」)](例えば、JP60−38989−A、JP60−165623−A、JP61−67003−A、およびJP2000−39503−Aを参照のこと)。この方法では、使用される熱可塑性樹脂が感光性であるとき、レンズのパターンは、この樹脂の露光により得ることができる。
【0297】
(2)成形型またはスタンパーを使用することによるプラスチックもしくはガラスの材料の形成方法。レンズ材料としては、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂がこの方法で使用できる(例えばWO99/38035を参照のこと)。
【0298】
(3)アライナーの使用により感光性樹脂を所望のパターンで露光すると、未反応モノマーが、非露光領域から露光領域へ移動することによって、露光領域の膨潤が生じるという現象に基づく、凸レンズを形成するための方法(例えば、Journal of the Research Group in Microoptics Japanese Society of Applied Physics,Colloquium in Optics,第5巻,第2号,第118頁〜第123頁(1987)および第6巻,第2号,第87頁〜第92頁(1988)を参照のこと)。支持基材の上面上に、感光性樹脂層を形成する。次に独立した遮光マスクを使用して、感光性樹脂層の上面を水銀灯等からの光で照らすことにより、感光性樹脂層を露光する。結果として、感光性樹脂層の露光部分が凸レンズの形状に膨潤することにより、複数のマイクロレンズを有する集光層が形成される。
【0299】
(4)凸レンズを得るための方法(フォトマスクを樹脂と接触させないような近接露光法により感光性樹脂を露光することにより、パターンエッジにブラーが生じるため、光化学反応生成物の量は、パターンエッジのブラー化の程度に依存して分布する)(例えば、JP61−153602Aを参照のこと)。
【0300】
(5)レンズ作用を生みだすための方法(感光性樹脂を特定強度分布の光に露光することにより、光強度に依存して屈折率の分布パターンを形成する)(例えば、JP60−72927AおよびJP60−166946Aを参照のこと)。
【0301】
上述の方法のいずれにおいても、本発明の感光性組成物を使用して、光硬化性樹脂組成物を用いてマイクロレンズアレイを形成することができる。
【0302】
ある特定の種類の技術は、フォトレジストのような熱可塑性樹脂におけるマイクロレンズの形成に専念する。一例が、Popovicらにより参考文献:SPIE 898,第23頁〜第25頁(1988)に発表されている。リフロー法と名付けられたこの方法は、熱可塑性樹脂中のレンズのフットプリントを画定し(例えば、フォトレジストのような感光性樹脂中でフォトリソグラフィーにより)、続いてこの材料をそのリフロー温度を超えて加熱するという工程を含む。表面張力が、リフロー前の元の島と等しい容量を有する、フォトレジストの島を球形のキャップへともたらす。このキャップは、平凸マイクロレンズである。この技術の利点は、特に、簡単さ、再現性、および発光または光検出オプトエレクトロニクス装置の頂上部への直接組み込みの可能性にある。
【0303】
幾つかの場合には、リフロー化前にオーバーコート層を長方形の形状でパターン形成されたレンズ単位上に形成することにより、リフロー工程での球形キャップへのリフローなしに中央での樹脂の島の沈下が回避される。オーバーコートは、永久保護層として作用する。コーティング層もまた、感光性組成物から作られる。
【0304】
マイクロレンズアレイは、例えばEP0932256に開示される、成形型またはスタンパーの使用によって製作することもできる。平面マイクロレンズアレイを製造する方法は、下記のとおりである:凸面部分を密に配置したスタンパーの成形面に、離型剤をコーティングし、高い屈折率を有する光硬化性合成樹脂材料を、スタンパーの成形面上にセットする。次に、ガラス基材を合成樹脂材料に押し付け、それによって、合成樹脂材料を伸展させ、紫外線での照射または加熱によって合成樹脂材料を硬化させ、凸マイクロレンズを形成するよう成形する。その後、スタンパーを剥がす。次いで、低い屈折率を有する光硬化性合成樹脂材料を、接着層として凸マイクロレンズ上にさらにコーティングし、カバーガラス板へ作成したガラス基材を、合成樹脂材料に押し付け、それによってこれを伸展させる。次いで、合成樹脂材料を硬化させ、最後に、平面マイクロレンズアレイを形成する。
【0305】
US5969867に開示されたとおり、型を用いた類似の方法が、プリズムシートの製造に適用され、これは、カラー液晶表示パネル用のバックライトユニットの一部として、明るさを増強するために用いられる。片側にプリズム列を形成するプリズムシートは、バックライトの発光面に取り付けられる。プリズムシートを製造するには、活性エネルギー線硬化性組成物を、金属製、ガラス製または樹脂製のレンズ型にキャストし伸展させ、プリズム列等のレンズ形状を形成し、その後、透明な基材シートをその上に置き、活性エネルギー線放出源からの活性エネルギー線を、硬化のために該シートを通して照射する。次いで、製造されたレンズシートを、レンズ成形用型から離型して、レンズシートを得る。
【0306】
レンズ部分を形成するのに用いられる活性エネルギー線硬化性組成物は、透明な基材への接着性、および適当な光学特性を含む、様々な特性を保有しなければならない。
【0307】
少なくとも従来の技術の何らかのフォトレジストによるレンズは、光学スペクトルの青色端における光学的透過率が不良であるため、いくつかの用途に対して望ましくない。本発明の光硬化性組成物は、熱的にも光化学的にも、黄変性が低いため、上記マイクロレンズアレイの製造に適している。
【0308】
新規な放射線感受性組成物は、プラズマ表示パネル(PDP)の製造法に用いられるフォトリソグラフィー工程、特にバリヤーリブ、蛍光層および電極の画像形成プロセスにも適している。
【0309】
PDPは、ガス放電による発光によって画像および情報を表示するための、平面表示装置である。パネルの構成、および操作の方法によって、二つの種類、すなわちDC(直流)型およびAC(交流)型が知られている。
【0310】
例示のため、DC型カラーPDPの原理を簡潔に説明する。DC型カラーPDPでは、2枚の透明な基材(一般的にはガラス板)の間に介在する空間が、この透明基材間に挿入された格子状のバリヤーリブによって、多数の微細なセルに分割される。個々のセルにおいて、放電ガス、例えばHeまたはXeが密閉される。各セルの後方壁には、蛍光層が存在し、該層は放電ガスの放電によって生成された紫外光によって励起されると、三原色の可視光を発する。前記の2つの基材の内面側において、電極は、関連のセルにわたって互いに対向して配置されている。一般に、カソードは、NESAガラスのような、透明な導電性材料フィルムで形成される。前壁および後壁に形成されたこれらの電極間に高電圧が印加されたとき、セルに密閉された放電ガスは、プラズマ放電を誘発し、その結果放射される紫外光によって、赤、青および緑色の蛍光要素を励起して発光し、画像を表示する。フルカラー表示系では、それぞれ、上記の赤、青および緑色の3原色の各蛍光要素は、連帯して、一つの画素を形成する。
【0311】
DC型PDPにおけるセルは、格子の構成バリヤーリブによって分割されるのに対し、AC型PDPにおけるそれは、基材面に互いに平行に配置されたバリヤーリブによって分割される。いずれの場合も、セルは、バリヤーリブによって分割される。これらのバリヤーリブは、発光放電を固定された領域内に閉じ込めて、隣接する放電セル間の誤った放電またはクロストークを除外し、理想的な表示を確保することを目的とする。
【0312】
本発明による組成物は、また、単色または多色であってよい画像記憶または画像複写(コピー、リプログラフィー)のための1層以上の材料の製造のために使用される。更に、前記材料は、色校正システムのために適している。この技術において、マイクロカプセルを含む配合物を適用でき、画像作成のために放射線硬化に引き続き熱処理を行うことができる。そのようなシステムおよび技術ならびにそれらの適用は、例えばUS5376459に開示されている。
【0313】
式IまたはIIで表される化合物はホログラフィックデータ記憶用途における光開始剤としても適している。前記光開始剤はラジカルを発生させ、ブルーレーザー放射で照射してモノマーの重合を開始するホログラフィックデータ記憶に適している。ブルーレーザーの波長範囲は390nm〜420nm、好ましくは400nm〜410nmであり、特に405nmである。ホログラフィック記憶系(ホログラフィック記録媒体)は、例えば大容量データを素早いアクセス時間で記録および読み出すのに使用される。本発明の光開始剤は例えば特にWO03/021358に記載のシステムに適している。
【0314】
ホログラフィックデータ記憶系は、好ましくは、低屈折率のマトリックス前駆体のマトリックスネットワークと高屈折率の光重合性モノマーからなる。
【0315】
マトリックス前駆体および光活性モノマーは、(a)マトリックス前駆体が硬化中に重合する反応が、パターン、例えばデータの記録の間に光活性モノマーが重合する反応から独立しているように選択されるとともに、(b)マトリックスポリマーと光活性モノマー(感光性ポリマー)の重合によって得られるポリマーとは互いに混合可能であるように選択される。光記録材料(すなわちマトリックス材料、さらに光活性モノマー、光開始剤および/または添加剤を加えたもの)は少なくとも約10Paの、一般に約10Pa〜10Paの弾性率を示すとき、マトリックスは形成されると判断される。
【0316】
媒体のマトリックスは「溶解」され未反応のままである光重合性モノマーの存在下で、架橋ネットワークとして得られる、その場の重合によって形成される。未反応の光重合性モノマーを含有するマトリックスはまた他の手段、例えば、光反応性の液体モノマーが均一に分散した、固体−樹脂マトリックス材料を用いることによっても形成される。そして、単色照射が、ホログラフィックパターンを生成し、該パターンは光度分布に従い、固体の予形成されたマトリックス中で光反応性モノマーを重合させる。未反応モノマー(光度が最少である場合)はマトリックス中に拡散し、モノマーとマトリックスの屈折率の相違によって、ならびに、モノマーの体積分率によって決定される屈折率の変調を生成する。記録層の厚さは数マイクロメートルの範囲から最高1ミリメートルの厚さである。そのように厚いホログラフィックデータ記憶層であることから、該層を上記レーザー波長で透明にして、光重合の程度が記録層における露光深さに極力依存しないようにするために、光開始剤は高い光反応性と低い吸光度を兼ね備えていることが要求される。
【0317】
本発明の光開始剤が、405nmにおける高い反応性と低い吸光度を兼ね備え、本用途に適当であることが見出された。染料および増感剤もまた配合物に添加可能である。ブルーレーザー照射に適当な染料および増感剤は、例えばクマリン、キサントン、チオキサントン等である(上記リストを参照)。
【0318】
上記のリスト中の項目1.、2.および3.に記載されたチオキサントン、クマリンおよびベンゾフェノンが特に適切である。
【0319】
該光開始剤が、ホログラフィックデータ記憶に要求されるような、厚い層中で、高感度で、モノマーの光重合を可能にし、ブルーレーザー照射に高感度な記録層が得られることが判明した。光開始剤は、20マイクロメートル厚さの感光層中、2質量%〜8質量%の濃度で使用されるとき、レーザー波長における、光開始剤を含む層の0.4未満、好ましくは0.2未満の吸収をもたらす。
【0320】
光開始剤は、特に光学物品(例えば光導波路)または、上述のポリマーおよび有機光開始剤を含み、340nm〜450nm範囲のUV波長で最大吸収を有し、屈折率コントラストに当てはめた感度が3×10−6Δn/(mJ/cm)より大きい、ホログラフィック記録媒体の製造に特に適している。例えば、該ポリマーは成分1および成分2(成分1はNCO−末端プレポリマーを含み、成分2はポリオールを含む)を含む材料を重合することによって形成される。成分1は、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート誘導体である。成分2は、例えばポリプロピレンオキシドのポリオールである。好ましくは、光活性モノマーはアクリレートモノマーである。前記媒体中、書き込みによって引き起こされる収縮は通常0.25%未満である。
【0321】
光硬化はさらに印刷にとって非常に重要である。それというのも、インクの乾燥時間はグラフィック製品の製造速度にとって決定的な要因であり、かつ、何分の1秒のオーダーであるべきだからである。UV硬化性インクは、スクリーン印刷インキおよびオフセットインクのために特に重要である。
【0322】
既に上述したように、新規混合物は、印刷版の製造のためにも極めて適している。この用途は、例えば可溶性の直鎖状ポリアミドもしくはスチレン/ブタジエンおよび/またはスチレン/イソプレンゴム、カルボキシル基を含むポリアクリレートもしくはポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコールもしくはウレタンアクリレートと、光重合性モノマー、例えばアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドまたはアクリレートおよび/またはメタクリレートおよび光開始剤との混合物を使用する。これらの系の被膜および板(湿式または乾式)は、印刷される原画の陰画(または陽画)を通じて露光され、未硬化の部分は引き続き好適な溶剤または水溶液を使用して洗出される。
【0323】
光硬化が使用される別の分野は、金属のコーティングであり、その場合に、例えば金属板および金属管、金属缶もしくは金属ボトルキャップのコーティングおよびポリマーコーティングの、例えばPVCをベースとする床もしくは壁のカバーのコーティングの光硬化である。紙用コーティングの光硬化の例は、ラベル、レコード立ておよびブックカバーの無色のワニスである。
【0324】
複合組成物製の成形物品の硬化のために、新規の光開始剤を使用することも関心が持たれている。前記複合コンパウンドは、光硬化性配合物で含浸されている、自己支持性マトリックス材料、例えばガラス繊維、あるいは例えば植物繊維[K.−P.Mieck,T.Reussmann in Kunststoffe 85(1995),366−370を参照]からなる。
【0325】
本発明による組成物および化合物は、ホログラフィー、導波体、光学スイッチの製造のために使用でき、その際、照射領域と未照射領域との間の屈折率の差の発生が利用される。
【0326】
イメージング技術および情報担体の光学的製造のための光硬化性組成物の使用も重要である。そのような用途において、既に記載したように、支持体に適用された層(湿式もしくは環式)は、図状に、例えばフォトマスクを通じて、紫外線もしくは可視光で照射され、該層の未露光領域は現像液での処理により除去される。光硬化性層の金属への適用は、電着によって実施することもできる。露光領域は、架橋により高分子となり、従って不溶性であり、該支持体上に留まる。適度な着色が可視的像を生成する。前記支持体が金属化された層である場合に、該金属は、露光と現像の後に、未露光領域でエッチング除去されうるか、または電気メッキによって強化されうる。このように、電子回路およびフォトレジストを製造可能である。画像形成材料に用いた場合は、この新規光開始剤は、いわゆるプリントアウト画像を生成し、それにより、照射に起因して色の変化が誘発される、優れた性能を与える。そのようなプリントアウト画像を形成するには、異なる染料、および/またはそのロイコ形態が用いられ、そのようなプリントアウト画像系についての例は、例えばWO96/41240、EP706091、EP511403、US3579339およびUS4622286に見出すことができる。
【0327】
新規光開始剤はまた、逐次積層法により製造される多層回路基板の誘電体層を形成するための光パターン形成可能な組成物に適している。
【0328】
本発明は、前記のように、顔料着色されたおよび顔料着色されていないペイントおよびワニス、粉末コーティング、印刷インキ、印刷版、接着剤、感圧性接着剤、歯科用組成物、ゲルコート、エレクトロニクス用フォトレジスト、エッチング用レジスト、液状被膜と乾燥被膜の両方、ソルダーレジスト、種々のディスプレイ用途のためのカラーフィルタの製造のためのレジスト(カラーフィルタレジストは、顔料を、顔料と染料を(すなわちハイブリッド系)または染料単独を含有する)、プラズマディスプレイパネル(例えばバリヤーリブ、蛍光体層、電極)、エレクトロルミネッセンスディスプレイおよびLCD(例えば層間絶縁層、スペーサー、マルチスペーサー、マイクロレンズアレイ)の製造方法において構造を生成するためのレジスト、電機部品および電子部品の封入のための、磁気記録材料、マイクロメカニカル部品、導波路、光スイッチ、めっきマスク、色校正システム、ガラス繊維ケーブル用コーティング、スクリーン印刷用ステンシルの製造のための、立体リソグラフィーによる3次元物品の製造のための、ホログラフィック記録(例えばホログラフィーデータ記憶(HDS)のため)のための画像記録材料としての、マイクロエレクトロニクス回路、脱色材料のための、マイクロカプセルを含む配合物、紫外線のおよび可視光のレーザー直描システム用のフォトレジストとして、印刷回路基板の逐次積層における誘電体層、OLED用のバンク/ピクセル画定層、LCDおよびOLED用のシーラント、LCDおよびOLED用の絶縁/パッシベーション層の形成、タッチパネル用の金属ワイヤ/透明導電性フィルムのための絶縁、タッチパネル用のコーティング、タッチパネル用の装飾インキ、タッチパネル用の保護被膜またはタッチパネル用のエッチングレジストのための組成物ならびに方法を提供し、その際、前記方法は、上記の組成物を150nm〜600nmの範囲の電磁線または電子ビームもしくはX線で照射することを含む。
【0329】
写真情報記録のために使用される基材は、例えばポリエステルのフィルム、酢酸セルロースもしくはポリマーコート紙を含み、オフセット印刷形状用の基材は、特別に処理されたアルミニウムであり、印刷回路の製造のための基材は、銅クラッドラミネートであり、かつ集積回路の製造のための基材は、例えばシリコンウェハである。写真材料用の感光性層およびオフセット印刷形状の層厚は、一般に、約0.5μm〜10μmであり、一方で、印刷回路については、0.1μm〜約100μmである。前記基材のコーティングの後に、溶剤を、一般に乾燥によって除去して、フォトレジストのコートが基材上に残る。
【0330】
基材のコーティングは、該基材に液状組成物、溶液もしくは懸濁液を適用することによって実施することができる。溶剤および濃度の選択は、原則的に、組成物型およびコーティング技術に依存する。前記溶剤は不活性であることが望ましい。すなわち、該溶剤は、それらの成分と化学反応を起こさないことが望ましく、コーティング後に乾燥の間に再び除去できることが望ましい。好適な溶剤の例は、ケトン、エーテルおよびエステル、例えばメチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、n−ブチルアセテート、エチル 3−エトキシプロピオネート、2−メトキシプロピルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、2−ペンタノンおよび乳酸エチルである。
【0331】
前記溶液は、基材へと、公知のコーティング技術によって、例えばスピンコート法、ディップコート法、ナイフコート法、カーテンコート法、ブラシ塗布法、吹き付け法によって、殊に静電的吹き付け法、リバースロールコート法によって、また電気泳動的堆積によって均一に適用される。また、感光性層を一時的な可撓性支持体に適用し、次いで最終基材、例えば銅クラッド回路板またはガラス基材を積層を介した層の転移によりコーティングすることも可能である。
【0332】
適用量(被覆厚)および基材(層支持体)の性質は、所望の適用分野に依存する。被覆厚の範囲は、一般に約0.1μmから100μm超まで、例えば0.1μmから1cmまで、好ましくは0.5μmから1000μmまでの値を含む。
【0333】
前記基材のコーティングの後に、溶剤を、一般に乾燥によって除去して、フォトレジストの実質的に乾燥したレジスト被膜が基材上に残る。
【0334】
前記の新規組成物の感光性は、一般に、約150nm〜600nm、例えば190nm〜600nm(紫外可視領域)に及びうる。好適な放射線は、例えば日光または人工光源からの光に存在する。従って、多数の非常に様々な種類の光源が使用される。点光源とアレイ(「ランプカーペット」)の両方が好適である。例は、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、低圧−、中圧−、高圧−および超高圧水銀ランプ、場合により金属ハロゲン化物ドープを有するランプ(メタルハロゲンランプ)、マイクロ波刺激金属蒸気ランプ(microwave−stimulated metal vapour lamps)、エキシマランプ、超化学線(superactinic)蛍光管、蛍光灯、白熱アルゴン灯、電子フラッシュライト、写真用投光照明灯、発光ダイオード(LED、OLED)、電子ビーム並びにX線がある。ランプと露光される基材との距離は、本発明によれば、用途およびランプの種類および出力に依存して変化してよく、例えば2cm〜150cmであってよい。レーザ光源、例えばエキシマレーザ、例えば157nm露光用のFエキシマレーザ、248nm露光用のKrFエキシマレーザおよび193nm露光用のArFエキシマレーザも好適である。可視領域のレーザも使用できる。
【0335】
用語「図状」露光は、予め定められたパターンを含むフォトマスク、例えばスライド、クロムマスク、ステンシルマスクもしくはレチクルを通じた露光と、レーザもしくは光線による露光であって、コンピュータ制御下で被覆される基材の表面上を動き、こうして画像を生成する露光の両方を含む。そのために好適なUVレーザ露光システムは、例えばEtecおよびOrbotechによって提供される(DP−100(商標)DIRECT IMAGING SYSTEM)。レーザ光源の他の例は、例えばエキシマレーザ、例えば157nm露光用のFエキシマレーザ、248nm露光用のKrFエキシマレーザおよび193nm露光用のArFエキシマレーザである。更に好適なのは、固体UVレーザ(例えばManiaBarco社製のGemini、PENTAX社製のDI−2050)ならびに405nmの出力を有するバイオレットレーザダイオード(PENTAX社製のDI−2080、DI−PDP)である。可視領域のレーザも使用できる。そして、コンピュータ制御された放射も電子ビームによって達成できる。また、ピクセル毎にアドレスしてデジタル画像を生成できる液晶製のマスクを使用することもでき、それらは、例えばA.Bertsch,J.Y.Jezequel,J.C.AndreによってJournal of Photochemistry and Photobiology A:Chemistry 1997,107,第275頁〜第281頁に記載され、かつK.−P.Nicolayによって、Offset Printing 1997,6,第34頁〜第37頁に記載されている。
【0336】
前記材料の図状露光の後で現像の前に、短時間の熱処理を行うことが好ましいことがある。現像後に、熱によるポストベークを実施して、該組成物を硬化させ、かつあらゆる微量の溶剤を除去することができる。使用される温度は、一般に、50℃〜250℃、好ましくは80℃〜220℃であり、熱処理の時間は、一般に0.25分〜60分である。
【0337】
従って、本発明は、また、エチレン性不飽和二重結合を含む化合物、すなわち少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を含むモノマー、オリゴマーもしくはポリマーの化合物の光重合のための方法であって、これらの化合物に少なくとも1種の前記の式IまたはIIの光開始剤を添加し、得られた組成物を電磁線、特に150nm〜600nmの波長の、特に190nm〜600nmの波長の電磁線、電子ビームもしくはX線で照射することを含む前記方法を提供する。
【0338】
換言すると、エチレン性不飽和二重結合を含む化合物に少なくとも1種の前記の式I、II、III、IVまたはVの光開始剤を添加し、得られた組成物を電磁線、特に150nm〜600nmの波長の、特に190nm〜600nmの波長の光、電子ビームもしくはX線で照射する。
【0339】
本発明は、更に、前記の組成物で少なくとも1つの表面がコーティングされた、コーティングされた基材を提供する。
【0340】
また、レリーフ像の写真的製造方法であって、前記のコーティングされた基材を画像様の露光(像様露光)に付し、次いで、非露光部分を現像剤で除去する前記方法も関心が持たれる。図状露光は、マスクを通じて照射するか、またはレーザもしくは電子ビームによって既に前記のように照射することによって行うことができる。この内容において特に好ましいのは、既に上述したレーザビーム露光である。
【0341】
本発明の化合物は、良好な熱安定性、低い揮発性、良好な貯蔵安定性および高い可溶性を有し、また空気(酸素)の存在下での光重合のためにも適している。更に、前記化合物は、光重合後に組成物においてわずかな黄変しか引き起こさない。
【実施例】
【0342】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するものであるが、本発明の範囲を前記実施例のみに制限するものではない。部およびパーセンテージは、発明の詳細な説明の残りの部分と特許請求の範囲において、特に記載がない限り質量に対するものである。3つより多くの炭素原子を有するアルキル基が、特定の異性体を何ら挙げていない例において示される場合に、それぞれの場合においてn−異性体を表す。
【0343】
合成例
例1:OE−1
【化98】
の製造
1.1:IM−1:
【化99】
の製造
ジクロロメタン(50mL)中の7.36gの塩化アルミニウムへと、9.31gの硫化ジフェニルを小分けにして0℃で添加する。次いで、5.56gのクロロアセチルクロリドを0℃で添加し、そして室温で2時間にわたり撹拌する。該反応混合物へと、7.33gの塩化アルミニウムおよび5.59gのn−ブチリルクロリドをその混合物へと0℃で添加し、次いで該混合物を一晩撹拌する。該反応混合物を氷水へと注いだ後に、有機層をジクロロメタンで抽出する。その溶液をMgSOを通じて乾燥させ、濃縮し、その残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製することで、10.35gのIM−1が白色の粉末として得られる。
【0344】
1.2:IM−2:
【化100】
の製造
30mlのアセトン中の1.0gのジケトン(IM−1)へと、1.11gの炭酸カリウムおよび0.73gのサリチルアルデヒドを添加し、そして還流下で3時間にわたり撹拌する。該反応混合物を室温にまで温め、水を添加し、そして水性HClの添加により酸性化させる。その沈殿物を濾過により回収し、乾燥させることで、1.0gのIM−2が得られる。
【0345】
1.3:IM−3:
【化101】
の製造
CH(CO)OC(AcOEt)(10ml)中の1.0gのIM−2へと、0.35gの塩化ヒドロキシルアンモニウムおよび5mlのピリジンを添加する。該混合物を還流下で3時間にわたり撹拌する。該反応混合物を室温にまで温め、次いで水中に注ぐ。有機層をAcOEtで抽出し、そしてMgSOを通じて乾燥させる。濃縮した後に、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製することで、283mgのIM−3が淡黄色の固体として得られる。
【0346】
1.4:OE−1の製造
AcOEt(14ml)中の283mgのIM−3へと、78.5mgの塩化アセチルおよび111mgのトリエチルアミンを添加し、そして室温で3時間にわたり撹拌する。該反応混合物を水中に注ぎ、そしてAcOEtで抽出する。濃縮した後に、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製することで、226mgのOE−1が淡黄色の固体として得られる。
【0347】
例2:OE−2の製造
OE−2は、相応の酸塩化物を使用することを除き、例1に記載される方法に従って製造される。構造データおよび物理データは、以下の第1表にまとめる。
【0348】
例3:OE−3の製造
OS−3は、相応の酸塩化物を使用するとともに、サリチルアルデヒドの代わりに2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒドを使用することを除き、例1に記載される方法に従って製造される。構造データおよび物理データは、以下の第1表にまとめる。
【0349】
例4:OE−4の製造
OE−4は、硫化ジフェニルの代わりにジフェニルエーテルを使用することを除き、例1に記載される方法に従って製造される。構造データおよび物理データは、以下の第1表にまとめる。
【0350】
例5:OE−5
【化102】
の製造
5.1:IM−4:
【化103】
の製造
ジクロロメタン(20mL)中の2.95gの塩化アルミニウムへと、5.59gの硫化ジフェニルを小分けにして0℃で添加する。次いで、3.42gの2−メトキシベンゾイルクロリドを0℃で添加し、そして室温で2時間にわたり撹拌する。該反応混合物を氷水へと注いだ後に、有機層をジクロロメタンで抽出する。その溶液をMgSOを通じて乾燥させ、濃縮し、その残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製することで、2.80gのIM−4が黄色の固体として得られる。
【0351】
5.2:IM−6:
【化104】
の製造
13mlのアセトン中の1.00gのジケトン(IM−4)へと、0.46gの炭酸カリウムおよび0.46gの2−クロロアセトフェノンを添加し、そして還流下で一晩撹拌する。該反応混合物を室温へと温めた後に、水を添加し、酢酸エチルで抽出し、そしてMgSOを通じて乾燥させる。有機層を蒸発させることで、1.0gのIM−5が得られる。フリーデル・クラフツアセチル化によってIM−5をIM−6へと転化させる。
【0352】
5.3:OE−5の製造
IM−6を、例1.4に記載される方法に従ってOE−5へと転化させる。相応の物理データは、以下の第1表にまとめる。
【0353】
例6〜11:OE6〜OE11の製造
化合物OE6〜OE11は、例1に記載される方法に従って製造される。構造データおよび物理データは、第1表にまとめる。
【0354】
例12〜31、33〜73:OE12〜OE31およびOE33〜OE73の製造
オキシムエステル化合物OE12〜OE31およびOE33〜OE73は、例1に記載される方法に従って、相応のケトンを用いてオキシム化に引き続きエステル化を行うことで製造される。
【0355】
例32:OE32の製造
化合物OE32は、例1に記載される方法に従ってジケトン(IM−7)およびオキシム(IM−8)を介して製造される。その粗生成物をCHCOOC(AcOEt)/ヘキサンから再結晶化させることにより精製することで、OE32がEZ異性体混合物(93:7)として得られる。
【0356】
【化105】
【0357】
例74〜75
オキシムEZ異性体(IM−8)の混合物をカラムクロマトグラフィーによって精製することで、オキシム異性体E(IM−9)およびオキシム異性体Z(IM−10)の単独の成分が得られる。OE74およびOE75は、従来のエステル化を介して、それぞれIM−9およびIM−10から製造される。
【0358】
【化106】
【0359】
オキシムエステル化合物(OE)は、E/Z異性体混合物で形成される。単独の異性体の場合にのみ、前記形態の分別および分離が必要とされる。
【0360】
第1表
【表1】
【0361】
【表2】
【0362】
【表3】
【0363】
【表4】
【0364】
【表5】
【0365】
【表6】
【0366】
【表7】
【0367】
【表8】
【0368】
【表9】
【0369】
【表10】
【0370】
【表11】
【0371】
【表12】
【0372】
【表13】
【0373】
適用例
ポリ(ベンジルメタクリレート−コ−メタクリル酸)の製造
24gのベンジルメタクリレート、6gのメタクリル酸および0.525gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を、90mlのプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(PGMEA)中に溶解させる。得られた反応混合物を、80℃の予熱された油浴中に入れる。80℃で5時間にわたり窒素下で撹拌した後に、得られた粘性の溶液を室温に冷却し、更なる精製を行わずに使用する。固体含有率は、約25%である。
【0374】
感度試験A
感度試験用の光硬化性組成物は、以下の成分を混合することによって製造される:
前記の例で製造された、25%のプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(PGMEA)溶液としての、ベンジルメタクリレートおよびメタクリル酸のコポリマー(ベンジルメタクリレート:メタクリル酸=80質量%:20質量%)を、100.0質量部で、
ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート((DPHA)、SIGMA−ALDRICH社によって販売される)を、25.0質量部で、
光開始剤(PI)を、1.0質量部で、かつ
PGMEAを、75.0質量部で。
【0375】
全ての作業は、黄色光のもとで行われる。該組成物を、アルミニウム板上に線巻棒を有する電気式アプリケータを使用して適用する。溶剤を、対流式オーブン中で80℃で10分にわたり加熱することによって除去する。乾燥被膜の厚さは、約2μmである。21ステップの異なる光学密度を有する標準化された試験用ネガフィルム(Stouffer社のステップウェッジ)を、前記被膜とレジストとの間に約300μmのエアギャップをもって配置する。前記ネガフィルム上にガラス板を置いて21ステップを有するマスクを固定する。露光は、250Wの超高圧水銀灯(ウシオ、USH−250BY)を使用して20cmの距離で行う。ガラス板上で光パワー計(ウシオ、UVD−S365検出器を有するUNIMETER UIT−150−A)によって測定された全照射線量は、250mJ/cmである。露光後に、露光されたフィルムを、アルカリ溶液(DL−A4の5%水溶液、横浜油脂)を用いて28℃で120秒間にわたって吹き付け型現像剤(AD−1200、滝沢産業)を使用することによって現像する。使用される開始剤の感度は、現像後に残る(すなわち重合される)最高のステップ数を示すことによって特徴付けられる。ステップ数が高ければ高いほど、試験された開始剤の感度はより高い。結果を、第2表に示す。
【0376】
第2表:感光性
【表14】
【0377】
例6
第2表に示されるように、本発明による化合物は、比較化合物よりも高い感光性を示す。
【0378】
感度試験B
感受性試験用の光硬化性組成物は、以下の成分を混合することによって製造される:
溶剤(PGMEA)を、88.6質量部で、
アルカリ現像可能なバインダーの29.0%溶液(Ripoxy SPC−1000、昭和ハイポリマーによって販売される)を、86.1質量部で、
多官能性アクリレート(DPHA、SIGMA−ALDRICHによって販売される)を、25.3質量部で、
光開始剤(PI)を、1.0質量部で。
【0379】
全ての作業は、黄色光のもとで行われる。該組成物を、スピンコーターを使用してシリコンウェハ上に適用する。溶剤を、対流式オーブン中で80℃で10分にわたり加熱することによって除去する。乾燥被膜の厚さは、約2μmである。30ステップの異なる光学密度を有する標準化された試験用ネガフィルム(富士フイルムイメージングシステムズ、グレーステップチャート)を、前記被膜とレジストとの間に約300μmのエアギャップをもって配置する。前記ネガフィルム上にシリコンウェハを置いて30ステップを有するマスクを固定する。露光は、250Wの超高圧水銀灯(ウシオ、USH−250BY)を使用して20cmの距離で行う。シリコンウェハ上で光パワー計(ウシオ、UVD−S365検出器を有するUNIMETER UIT−150−A)によって測定された全照射線量は、150mJ/cmである。露光後に、露光されたフィルムを、アルカリ溶液(DL−A4の5%水溶液、横浜油脂)を用いて28℃で60秒間にわたって吹き付け型現像剤(AD−1200、滝沢産業)を使用することによって現像する。必要なUV線量は、現像後の完全硬化(すなわち、該パターンがアルカリ溶液で溶解されない)のUV線量に相当する。線量の値が小さければ小さいほど、試験された開始剤の感度はより高い。結果を、第3表に示す。
【0380】
第3表
【表15】
【0381】
【表16】
【0382】
第3表に示されるように、本発明による化合物は、比較化合物よりも高い感光性を示す。