(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0010】
本実施形態のモール樹脂部品は、発泡樹脂で形成されており、車体下部に設けられ、車両前後方向に延びる車両板金部品を車両幅方向外側からカバーし、車両前方側の上端部がフロントフェンダーに取り付けられる側板部と、前記側板部の下端部から車幅方向内側に張り出して前記車両板金部品を車両下方からカバーする下板部と、前記側板部から車両幅方向内側へ突出すると共に車両上下方向に延び、下端部が前記下板部につながり、上端部が前記フロントフェンダーの下端部に対向して配置された縦リブと、を有し、前記縦リブは、前記下板部の車両前方側の端部から車両後方側へ250mmの範囲内に車両前後方向に間隔をあけて複数形成されると共に、底面の幅Aが前記縦リブが位置する部分における前記側板部の厚みBの35%以下とされている。以下、モール樹脂部品の具体例を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各図における各部位の大きさは概念的なものであり、各部位間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
【0011】
本実施形態のモール樹脂部品の一例としてのロッカーモール20は、車両(自動車)10における車両板金部品の一例としてのロッカー12をカバーするように車体に取り付けられる。なお、図面では、車両10の前方(以下、適宜「車両前方」と記載する。)を矢印FRで示し、車両10の幅方向内側(以下、適宜「車幅方向内側」と記載する。)を矢印INで示し、車両10の上方(以下、適宜「車両上方」と記載する。)を矢印UPで示している。
【0012】
まず、ロッカーモール20が取付けられる車両10の下部側面構造について説明する。
図1に示されるように、車両10のフロアパネル11(
図3参照)の車幅方向両外側には、車両前後方向に延びるロッカー12が一対(
図3では片側のみ図示)設けられている。これらのロッカー12は、車両10の前輪15と後輪16との間に配置されている。
【0013】
図3に示されるように、ロッカー12は、半筒状のロッカーアウタパネル13とロッカーインナパネル14とで構成されている。ロッカーアウタパネル13は、車幅方向内側に向かって開放された横向きU字形に形成されており、開口端縁の上下に縦フランジ部13Aが形成されている。一方、ロッカーインナパネル14は、車幅方向外側に向かって開放された横向きU字形に形成されており、開口端縁の上下に縦フランジ部14Aが形成されている。そして、ロッカーアウタパネル13とロッカーインナパネル14との上下の縦フランジ部13A、14Aが互いに接合されることにより、角筒状のロッカー12が形成されている。
【0014】
ロッカー12の車両前方側には、図示しないフロントピラーが立設されており、フロントピラーとロッカー12の車両前方側の上部側面とがフロントフェンダー17によってカバーされている(
図1参照)。また、ロッカー12の車両前後方向の中央部には図示しないセンターピラーが立設されており、ロッカー12の車両後方側には図示しないリヤピラーが立設されている。リヤピラーとロッカー12の車両後方側の上部側面とがリヤフェンダー18によってカバーされている(
図1参照)。また、ロッカー12の下部側面及び下面の少なくとも一部は、本実施形態のロッカーモール20でカバーされている。
【0015】
次に本実施形態のロッカーモール20について説明する。
図2及び
図3に示されるように、ロッカーモール20は、側板部22と、下板部24と、縦リブ26とを備えている。
【0016】
側板部22は、ロッカー12を車両幅方向外側からカバーする部分であり、表面(車両幅方向外側の面)22Aが意匠面とされている。この側板部22の車両前方側の上端部22Bはフロントフェンダー17に取り付けられている。具体的には、
図3に示されるように、側板部22の上端部22Bには、裏面(意匠面と反対側の面)22Cから車両幅方向内側へ突出するようにクリップ取付座23が形成されており、このクリップ取付座23(
図2では図示省略)に取り付けられたクリップ19がフロントフェンダー17の下端部17A側に形成された図示しない貫通孔に挿入されて側板部22(ロッカーモール20)がフロントフェンダー17に取り付けられている。一方、側板部22の車両後方側の上端部22Dは、リヤフェンダー18に取り付けられている。
【0017】
下板部24は、側板部22の下端部から車幅方向内側に張り出してロッカー12を車両下方からカバーする部分である。
【0018】
縦リブ26は、側板部22から車両幅方向内側へ突出すると共に車両上下方向に延びている。また、縦リブ26は、下端部26Aが下板部24につながり、上端部26Bがフロントフェンダー17の下端部17Aに対向して配置されている。なお、本実施形態のフロントフェンダー17の下端部17Aは、フロントフェンダー17の側板部を車幅方向内側へ向けて折り返した部分である。
【0019】
縦リブ26とフロントフェンダー17の下端部17Aとの間の車両上下方向に沿った隙間S1は、ロッカー12と下板部24との間の車両上下方向に沿った隙間S2よりも狭くされている。このため、ロッカーモール20に車両下方から衝撃荷重Pが入力された場合、押し上げられた下板部24がロッカー12の下端部に当接するよりも先に縦リブ26の上端部26Bがフロントフェンダー17の下端部17Aに当接する。したがって、本実施形態のロッカーモール20では、車両下方からの衝撃荷重Pがロッカー12へ荷重伝達されるのを抑制又は防止することができる。
【0020】
また、縦リブ26は、下板部24の車両前方側の前端部24Aから車両後方側へ250mmの範囲X(
図1参照)内に車両前後方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0021】
図4に示されるように、縦リブ26は、側板部22の裏面22Cから突出し、突出方向の先端に向かって幅が細くなる形状とされている。この縦リブ26の底面の幅Aは、縦リブ26が位置する部分における側板部22の厚みBの35%以下とされている。なお、本明細書において「縦リブ26の底面」とは、側板部22の裏面22Cから縦リブ26の側面26Cが立ち上がっている所で縦リブ26を側板部22から切断した場合に得られる断面を意味する。また、「縦リブ26の底面の幅A」とは、縦リブ26の底面における、縦リブ26の両側面26C間の距離(
図4において矢印Aで示す寸法)を意味する。「縦リブ26が位置する部分における側板部22の厚み」とは、縦リブ26が位置する部分における側板部22の厚み(
図4において矢印Bで示す寸法)を意味する。また、縦リブ26の強度を確保する観点からは、縦リブ26の底面の幅Aは、縦リブ26が位置する部分における側板部22の厚みBの22%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。なお、「ヒケ」とは、リブを設けた面と逆側の面(例えば、意匠面)に生じる凹みをいう。ヒケが生じると外観が損なわれる場合がある。
【0022】
縦リブ26の底面の幅Aは、上記条件を満たすのであれば特に制限されない。縦リブ26の強度を確保して側板部22の補強効果を得る観点からは、幅Aの値は大きいほど好ましい。例えば、0.8mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることがより好ましい。一方、側板部22の樹脂のヒケの発生を抑制する観点からは、幅Aの値は小さいほど好ましい。例えば、1.6mm以下であることが好ましく、1.3mm以下であることがより好ましい。
【0023】
縦リブ26が位置する部分における側板部22の厚みBは、上記条件を満たすのであれば特に制限されない。側板部22の樹脂のヒケの発生を抑制する観点からは、厚みBの値は大きいほど好ましい。例えば、2.5mm以上であることが好ましく、2.7mm以上であることがより好ましく、3.0mm以上であることがさらに好ましい。一方、ロッカーモール20(側板部22)の薄型化の観点からは、厚みBの値は小さいほど好ましい。例えば、4.0mm以下であることが好ましく、3.5mm以下であることがより好ましい。
【0024】
また、
図2及び
図3に示されるように、複数の縦リブ26のうち、一部の縦リブ26は、下端部26A側が他の部分26Dよりも幅方向内側へ突出している。この構成により、下板部24の剛性が向上している。
【0025】
図2及び
図3に示されるように、ロッカーモール20は、横リブ28をさらに備えていてもよい。この横リブ28は、側板部22から車両幅方向内側へ突出すると共に車両前後方向に延びて、車両前後方向に隣り合う縦リブ26同士をつないでいる。横リブ28は、隣り合う縦リブ26間に車両上下方向に間隔をあけて複数形成されている。このため、本実施形態では、縦リブ26及び横リブ28が格子状に配置されている。また、本実施形態では、最も上方に位置する横リブ28を縦リブ26の上端部26Bよりも下方に配置している。
【0026】
図5に示されるように、横リブ28は、側板部22の裏面22Cから突出し、突出方向の先端に向かって幅が細くなる形状とされている。この横リブ28の底面の幅Cは、横リブ28が位置する部分における側板部22の厚みDの35%以下とされている。なお、本明細書において「横リブ28の底面」とは、側板部22の裏面22Cから横リブ28の側面28Aが立ち上がっている所で横リブ28を側板部22から切断した場合に得られる断面を意味する。また、「横リブ28の底面の幅C」とは、横リブ28の底面における、横リブ28の両側面28A間の距離(
図5において矢印Cで示す寸法)を意味する。「横リブ28が位置する部分における側板部22の厚み」とは、横リブ28が位置する部分における側板部22の厚み(
図5において矢印Dで示す寸法)を意味する。なお、横リブ28の強度を確保する観点からは、横リブ28の底面の幅Cは、横リブ28が位置する部分における側板部22の厚みDの22%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。
【0027】
横リブ28の底面の幅Cは、上記条件を満たすのであれば特に制限されない。横リブ28の強度を確保して側板部22及び縦リブ26の補強効果を充分に得る観点からは、幅Cの値は大きいほど好ましい。例えば、0.8mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることがより好ましい。一方、側板部22の樹脂のヒケの発生を抑制する観点からは、幅Cの値は小さいほど好ましい。例えば、1.6mm以下であることが好ましく、1.3mm以下であることがより好ましい。
【0028】
横リブ28が位置する部分における側板部22の厚みDは、上記条件を満たすのであれば特に制限されない。側板部22の樹脂のヒケの発生を抑制する観点からは、厚みDの値は大きいほど好ましい。例えば、2.5mm以上であることが好ましく、2.7mm以上であることがより好ましく、3.0mm以上であることがさらに好ましい。一方、ロッカーモール20(側板部22)の薄型化の観点からは、厚みDの値は小さいほど好ましい。例えば、4.0mm以下であることが好ましく、3.5mm以下であることがより好ましい。
【0029】
図2及び
図3に示されるように、ロッカーモール20は、横リブ30をさらに備えている。この横リブ30は、側板部22から車両幅方向内側へ突出すると共に車両前後方向に延びて、ロッカーモール20の車両前方側の前板部21とこの前板部21に最も近い縦リブ26とをつないでいる。横リブ30は、前板部21とこの前板部21に最も近い縦リブ26との間に車両上下方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、横リブ30の底面の幅と、横リブ30が位置する部分における側板部22の厚みとの関係は横リブ28と同様であり、寸法についても同様である。
【0030】
また、本実施形態では、横リブ30及び各横リブ28が車両前後方向に沿って列状に配置されているが、本発明はこの構成に限定されず、横リブ30及び各横リブ28が車両前後方向に沿って列状に配置されなくてもよい。すなわち、横リブ30と各横リブ28が車両上下方向でずれて配置されてもよい。
【0031】
また、本実施形態のロッカーモール20は、樹脂の一体成型品であり、樹脂として発泡樹脂を用いている。すなわち、ロッカーモール20は、発泡樹脂で形成されている。
【0032】
ロッカーモール20を構成する樹脂は、特に制限されない。例えば、射出成形に一般的に使用される熱可塑性樹脂から選択できる。具体的には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、複合ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂及びポリカーボネート系樹脂が挙げられる。この中でも、ポリプロピレン系樹脂、複合ポリプロピレン系樹脂及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。ロッカーモール20の製造に用いる樹脂は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
【0033】
発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、炭酸水素ナトリウム(別名、重炭酸ナトリウム、重曹)等の無機発泡剤などが挙げられる。現在、自動車用内装部品の発泡成形では、発泡剤として無機系の炭酸水素ナトリウムが主に用いられているが、塗膜性能(耐温水性等)の向上の観点からは、有機発泡剤が好ましい。
【0034】
有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等が挙げられ、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。
【0035】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態のロッカーモール20は、側板部22に縦リブ26を複数形成していることから、下板部24に車両下方から衝撃荷重Pが入力された場合、縦リブ26の上端部26Bがフロントフェンダー17の下端部17Aに当接し、衝撃荷重Pが縦リブ26を介してフロントフェンダー17に荷重伝達される。このとき、縦リブ26は、少なくとも上端部26Bが横リブ28によって車両前後方向に拘束されていないため、フロントフェンダー17への荷重伝達時に車両前後方向に撓むように変形して衝撃荷重Pの一部を吸収することができる。つまり、ロッカーモール20は、車両下方から入力される衝撃荷重Pを吸収してフロントフェンダー17(被荷重伝達部材の一例)への荷重伝達を抑制することができる。
【0036】
特に、雪道の走行時には、ロッカーモール20の範囲X内、すなわち、下板部24の前端部24Aから車両後方側へ250mmの範囲X内に前輪15で跳ね上げた雪で氷塊が形成されやすく、この氷塊が路面上の段差に乗り上げた場合、過剰な衝撃荷重Pが入力されるが、縦リブ26によって衝撃荷重Pの一部が吸収されるため、フロントフェンダー17への荷重伝達が抑制され、フロントフェンダー17の変形を抑制することができる。
【0037】
また、隣り合う縦リブ26同士は、横リブ28によってつながれている場合には、車両下方からの衝撃荷重Pに対する縦リブ26の座屈変形を抑制できる。すなわち、横リブ28で隣り合う縦リブ26同士をつなげることで、縦リブ26による衝撃荷重Pの吸収効果を確保しつつ、縦リブ26が座屈変形によって破損するのを抑制することができる。
【0038】
また、ロッカーモール20の前板部21とこの前板部21に最も近い縦リブ26とが横リブ30によってつながれている場合には、車両下方からの衝撃荷重Pに対し、前板部21に最も近い縦リブ26の座屈変形をさらに抑制できる。すなわち、横リブ30で前板部21とこの前板部21に最も近い縦リブ26をつなげることで、縦リブ26による衝撃荷重Pの吸収効果を確保しつつ、縦リブ26が座屈変形によって破損するのを抑制することができる。
【0039】
さらに、縦リブ26の底面の幅Aを、縦リブ26が位置する部分における側板部22の厚みBの35%以下としていることから、ロッカーモール20(側板部22)を薄型化しても側板部22の表面22A、すなわち、意匠面に樹脂のヒケが生じにくい。
【0040】
同様に、横リブ28を設ける場合には、横リブ28の底面の幅Cを、横リブ28が位置する部分における側板部22の厚みDの35%以下としていることから、ロッカーモール20を薄型化しても側板部22の表面22A、すなわち、意匠面に樹脂のヒケが生じにくい。また、横リブ30の底面の幅と、横リブ30が位置する部分における側板部22の厚みとの関係は横リブ28と同様のため、横リブ28と同様の効果が得られる。
【実施例】
【0041】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。また、以下の実施例では、外観について確認した。
【0042】
(1)試験用樹脂成形品1の作製
樹脂としてポリプロピレン系樹脂100質量部と、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)2質量部を混合して、試験用樹脂成形品を作製するための樹脂材料を調製した。この樹脂材料を用いて、射出発泡成形により試験用樹脂成形品1を作製した。
【0043】
試験用樹脂成形品1の作製に用いる金型としては、自動車のロッカーモールの形状を模した可動側金型と、固定側金型とからなる一対の金型を使用した。固定側金型には、任意の30箇所にリブの形状に相当する凹部を設け、試験用樹脂成形品1の本体の表面に30個のリブ(リブ1〜30)を形成した。リブ1〜30の底面の幅(mm)をそれぞれ表1に示す。なお、ここでいう「リブ」は、本実施形態における縦リブ及び横リブに対応するものである。
【0044】
射出発泡成形の条件は、金型温度50℃、シリンダ温度220℃、冷却時間15秒、射出時の樹脂材料温度220℃とした。樹脂材料の射出前の可動側金型と固定側金型の間隔は1.9mmとし、射出後に可動側金型を移動させず、樹脂材料を発泡させなかった。
【0045】
(2)試験用樹脂成形品2の作製
樹脂材料の射出後に可動側金型を固定側金型から離れる方向に移動(コアバック)させ、樹脂材料を発泡させた以外は試験用樹脂成形品1と同様にして、試験用樹脂成形品2を作製した。コアバック後の金型間の距離(樹脂材料の本体の厚み)は3.2mmとした。
【0046】
(3)試験用樹脂成形品3の作製
樹脂材料の射出後に可動側金型を固定側金型から離れる方向に移動(コアバック)させ、樹脂材料を発泡させた以外は試験用樹脂成形品1と同様にして、試験用樹脂成形品3を作製した。コアバック後の金型間の距離(樹脂材料の本体の厚み)は2.8mmとした。
【0047】
(4)ヒケの判定
作製した試験用樹脂成形品1〜3について、リブ1〜30が設けられた面とは逆側の面を観察し、リブ1〜30が位置する場所に相当する場所にヒケが発生しているか否かを調べ、下記の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
【0048】
視認可能なヒケが発生していない場合…A
視認可能なヒケが発生しているが、成形条件等により改善可能と認められる場合…B
視認可能なヒケが発生しており、成形条件等により改善困難と認められる場合…C
【0049】
【表1】
【0050】
表1に示すように、リブの底面の幅Aが、リブが位置する部分における本体の厚みBの35%以下である場合には、視認可能なヒケが発生していない。一方、リブの底面の幅Aが、リブが位置する部分における本体の厚みBの35%を超えている場合には、ヒケが発生していた。