【実施例】
【0028】
[実施例1]
<含浸混合物の調製>
加熱撹拌釜に、表1記載の鶏挽肉、エキス類、カラメル、タマネギ、ニンジン、及び清水(全配合量中10%)を投入し、80℃で15分加熱混合する含浸工程を行うことにより、含浸混合物を得た。
鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は4.6部であり、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量は0.17部、カラメル(固形分換算)の配合量は0.08部であった。
【0029】
<ミートソースの調製>
次に、上記工程で得られた含浸混合物に対し、品温50℃まで冷却する冷却工程を行った。次いで、冷却後の含浸混合物と、その他のミートソース原料を混合して加熱する加熱工程を行うことによりミートソースを製した。
すなわち、前記冷却した含浸混合物を投入した加熱撹拌釜に、表1記載のその他のミートソース原料及び清水を投入し、95℃に達温するまで混合加熱してミートソースを製した。得られたミートソースは、ポリプロピレン製パウチに80gずつ充填密封し5℃で冷蔵保存ことにより、容器詰めミートソースを製した。
【0030】
[表1]
鶏挽肉(直径5mm) 15%(固形分換算4.53%)
タマネギ(3mm角) 10%(水分含量8.97%)
ニンジン(3mm角) 1%(水分含量0.90%)
エキス類(ポークエキス) 1.5%(固形分換算0.75%)
カラメル 0.7%(固形分換算0.35%)
トマトペースト 15%
食塩 2%
グルタミン酸ナトリウム 1%
ゼラチン液 5%(固形分換算0.5%)
清水 残余
―――――――――――――――――――――
計 100%
【0031】
[実施例2]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、混合物に清水(全配合量中10%)を配合しない以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は2.4部であった。
【0032】
[実施例3]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、混合物調製時に添加する清水を25%に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は7.9部であった。
【0033】
[実施例4]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、混合物調製時に添加する清水を30%に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は9.0部であった。
【0034】
[比較例1]
実施例1において、表1記載のミートソース原料全量を混合することで、鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量を16.6部に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
【0035】
[試験例1]
ミートソースの製造方法の<含浸混合物の調製>の混合物における、鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量の違いがミートソースの食味に与える影響を検討するため、実施例1〜4、比較例1により得られた容器詰めミートソースを、下記の評価方法により評価した。
【0036】
[評価方法]
実施例1〜4、比較例1により得られた容器詰めミートソースを、パウチごと湯煎にて温め、乾麺100gを茹でたパスタの上部に載置したものを喫食することにより、食味を評価した。
【0037】
[表2]
<鶏挽肉(固形分換算)1部に対する、鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量(部)>
【0038】
鶏挽肉とエキス類とを含有する混合物を60℃以上で加熱する含浸工程を有し、前記加熱前の混合物が、鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量が1〜10部である、実施例1〜4の製造方法により得られたミートソースは、鶏挽肉を配合したミートソースであるにも拘らず、いずれもこってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が得られるものであり、好ましかった。
特に、鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量が1〜8部である、実施例1〜3の製造方法により得られたミートソースは、こってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が強く得られるものであり、大変好ましかった。
一方、鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量が10部を超える比較例1のミートソースは、こってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が得られにくいものであった。
【0039】
[実施例5]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、混合物の加熱温度を90℃に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
【0040】
[実施例6]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、混合物の加熱温度を75℃に変更し、さらに、<ミートソースの調製>において冷却工程を行わない以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
【0041】
[比較例2]
実施例1において、含浸工程での加熱を行わず、常温(25℃)で混合物原料を混合する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
【0042】
[試験例2]
ミートソースの製造方法の<含浸混合物の調製>における混合物の加熱工程の有無及び加熱温度の違い、<ミートソースの調製>における冷却工程の有無がミートソースの食味に与える影響を検討するため、実施例1、5〜6、比較例2により得られた容器詰めミートソースを、試験例1と同様の評価方法により評価した。
【0043】
[表3]
<<含浸混合物の調製>の加熱有無及び<ミートソースの調製>の冷却有無による違い>
【0044】
鶏挽肉とエキス類とを含有する混合物を60℃以上で加熱する含浸工程を有し、前記加熱前の混合物が、鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量が1〜10部である、実施例1、5〜6の製造方法により得られた容器詰めミートソースは、鶏挽肉を配合したミートソースであるにも拘らず、いずれもこってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が得られるものであり、好ましかった。
特に、<ミートソースの調製>において冷却工程を行った実施例1、5の製造方法により得られたミートソースは、こってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が強く得られるものであり、大変好ましかった。
一方、<含浸混合物の調製>における混合物の加熱を行わなかった比較例2のミートソースは、こってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が得られにくいものであった。
【0045】
[実施例7]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、エキス類の配合量を0.75%(固形分換算0.375%)に変更することにより、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量を0.08部に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は4.6部であった。
【0046】
[実施例8]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、鶏挽肉の配合量を7.5%(固形分換算2.27%)、エキス類の配合量を畜肉エキス(ビーフエキス)3%(固形分換算1.5%)に変更することにより、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量を0.66部に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は6.7部であり、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するカラメル(固形分換算)の配合量は0.15部であった。
【0047】
[実施例9]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、エキス類の配合量を0.45%(固形分換算0.225%)に変更することにより、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量を0.05部に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は4.5部であった。
【0048】
[実施例10]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、エキス類の種類及び配合量を酵母エキス0.2%(固形分換算0.1%)に変更することにより、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類の配合量を0.02部に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は4.5部であった。
【0049】
[実施例11]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、鶏挽肉の配合量を7.5%(固形分換算2.27%)、エキス類の配合量を4%(固形分換算2%)に変更することにより、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量を0.88部に変更する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は9.8部、カラメル(固形分換算)の配合量は0.15部であった。
【0050】
[比較例3]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、エキス類を配合せずに製造する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は4.5部であった。
【0051】
[試験例3]
ミートソースの製造方法の<含浸混合物の調製>において、エキス類の配合有無及び種類の違い、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量の違いが、ミートソースの食味に与える影響を検討するため、実施例1、実施例7〜11、比較例3により得られた容器詰めミートソースを、試験例1と同様の評価方法により評価した。
【0052】
[表4]
<<含浸混合物の調製>の鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス含有量(部)、及びエキスの種類>
【0053】
鶏挽肉とエキス類とを含有する混合物を60℃以上で加熱する含浸工程を有し、前記加熱前の混合物が、鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量が1〜10部、さらに、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量が0.01〜1部である実施例1、7〜11の製造方法により得られたミートソースは、鶏挽肉を配合したミートソースであるにも拘らず、いずれもこってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が得られ、好ましいものであった。
特に、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量が0.02〜0.8部である実施例7〜10の製造方法により得られたミートソースは、実施例1と同様、こってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が強く得られるものであり、大変好ましかった。
一方、<含浸混合物の調製>において、混合物にエキスを配合しない製造方法により得られた比較例3のミートソースは、こってりとしたミートソース特有の食味が得られにくいものであった。
【0054】
[実施例12]
実施例1の<含浸混合物の調製>において、カラメルを配合しない以外は実施例1と同様にミートソースを製した。
鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は4.6部であり、鶏挽肉(固形分換算)1部に対するエキス類(固形分換算)の配合量は0.17部であった。
【0055】
[実施例13]
実施例1の<ミートソースの調製>において、ゼラチンを配合しない以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。
【0056】
<含浸混合物の調製>においてカラメルを配合しない実施例12、<ミートソースの調製>においてゼラチンを配合しない実施例13の製造方法により得られたミートソースを試験例1と同様に評価したところ、実施例1と比較して調理感、こってりとした濃厚な食味がやや不足するものの、いずれも問題のない範囲であった。
【0057】
[実施例14]
実施例1の<ミートソースの調製>において、調製後のミートソースをレトルトパウチに80gずつ充填密封し、レトルト殺菌器で116℃30分間のレトルト処理を行い容器詰めミートソースを製する以外は、実施例1と同様に容器詰めミートソースを製した。
【0058】
[実施例15]
実施例1の<ミートソースの調製>において、豚ひき肉(水分含量65.4%)10%を配合し、過剰分を清水で調整する以外は、実施例1と同様に容器詰めミートソースを製した。
【0059】
[実施例16]
実施例4の<含浸混合物の調製>において、混合物調製時に添加する清水を20%に変更し、前記混合物調製時に豚ひき肉(水分含量65.4%)10%を配合する以外は、実施例1と同様にミートソースを製した。鶏挽肉(固形分換算)1部に対する鶏挽肉を除く混合物の合計水分含量は8.3部であった。
【0060】
実施例14〜16により得られた容器詰めミートソースを試験例1と同様に評価したところ、いずれもこってりとしたミートソース特有の濃厚な食味が得られるものであり好ましかった。特に、実施例14〜15の容器詰めミートソースは、実施例1と同様にこってりとした濃厚な食味を強く感じるものであり、大変好ましいものであった。