(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リードフレーム準備工程は、ウェットエッチングにより前記第1リード部と前記第2リード部とにそれぞれ前記第1溝部と前記第2溝部とを形成する工程を含む請求項1に記載の発光装置の製造方法。
前記第1リードおよび前記第2リードそれぞれは、前記パッケージ成形体の裏面から前記パッケージ成形体の外側面にかけて前記樹脂成形体から露出する、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発光装置は、リードと樹脂成形体との境界が、パッケージの裏面と凹部内の両方に露出する。実装基板に発光装置を実装する際、リフローによって溶融した半田フラックスがパッケージ裏面に露出した境界に侵入しやすい。半田フラックスとは、半田の濡れ性の向上等のために一般的に半田に混ぜられているフラックス成分である。この半田フラックスの侵入によって、リードと樹脂成形体との密着性が低下する問題があった。さらに、半田フラックスが境界を伝って樹脂パッケージの凹部内まで達すると、発光部品からの光を半田フラックスが吸収する問題が生じる。
【0005】
特許文献2の発光装置は、リードに形成したアンカー溝に樹脂成形体が充填されていることにより、パッケージの裏面に露出した(リードと樹脂成形体との)境界から侵入してきた半田が、凹部内に到達するまでの経路を長くすることができる。よって、半田フラックスが凹部内に到達しにくい。しかしながら、境界に侵入する半田フラックスの量が多ければ、やはり凹部内に侵入する。
【0006】
一方、別の問題として、パッケージの凹部内に樹脂成形体のバリが生じる問題がある。
図16に示すように、パッケージ成形体100の樹脂成形体110は、上側金型91と下側金型92とから構成された金型90を用いたモールド成形により製造されている。具体的には、上側金型91と下側金型92とでリード200、300を挟持した状態で、金型90の空隙内に溶融樹脂を注入する。上側金型91は、樹脂成形体110の凹部120に対応する凸部93を備えており、この凸部93の表面とリード200、300の表面とが直接接触する領域(金型−リード接触領域)には、溶融樹脂が侵入しないことが望ましい。しかし、上側金型91の凸部93の角部93cを面取り加工(R加工、C加工)することにより、上側金型91の離型性を向上させる試みがされている。このような金型90を使用してモールド成形すると、樹脂成形体110の凹部120に露出したリード200、300の表面上に、樹脂成形体110のバリが発生する(
図17〜
図18)。バリの発生は、以下の理由によるものと考えられる。
【0007】
図19に示すように、上側金型91の凸部93の角部93cに面取り加工を施すと、角部93cとリード200、300の表面との間には、鋭角の隙間CLが生じる。金型90に溶融樹脂を注入すると、隙間CLの先端に溶融樹脂からの応力が集中し、隙間CLの先端から、金型−リード接触領域に溶融樹脂が滲み出す。この滲み出した溶融樹脂は、硬化後にバリ80になる。
【0008】
バリ80がリード200、300に広がると、第1リード200に発光部品をダイボンドする際の接合不良、及び第2リード300と発光部品とをワイヤボンドする際の接合不良の原因となる。また、バリ80は不規則な形状であるため、パッケージ成形体100の凹部120を上面視したときの美観が損なわれる(
図17)。
【0009】
そこで、本発明は、発光装置に使用したときに、パッケージ成形体の凹部内への半田フラックスの侵入を効果的に抑制できるパッケージ成形体であり、かつ凹部内での樹脂成形体のバリの発生を抑制できるパッケージ成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のパッケージ成形体は、発光部品を収納するための凹部を上面に有する樹脂成形体と、前記樹脂成形体の前記凹部の底面において部分的に露出するとともに前記凹部を成す側壁の下方に亘って延在し、かつ前記発光部品と電気的に接続されるリードとを有するパッケージ成形体であって、前記リードは、前記側壁の少なくとも一部に沿ってリード表面に形成される溝部を有し、前記溝部は、内側上端縁および外側上端縁を有し、前記内側上端縁が前記凹部の底面において露出し、かつ、前記外側上端縁が前記樹脂成形体内に埋設されるようにして、前記樹脂成形体により充填されている。
【0011】
本願のパッケージ成形体を用いた発光装置では、上記のパッケージ成形体と、前記凹部内にて前記リードの露出面に載置された発光部品と、前記凹部を封止する封止樹脂とを含んでいる。
【0012】
本明細書において「内側」、「外側」、「上端」、「下方」などの用語は、凹部の底面中央を基準としたときの位置及び方向を意味している。
本発明の溝部の「内側上端縁」とは、溝部の開口で幅方向に対向する2つの縁部(上端縁)のうち、樹脂成形体の凹部の底面中央に近い縁部であり、「外側上端縁」とは、樹脂成形体の凹部の底面中央から遠い縁部である。
本発明のパッケージ成形体では、溝部は、内側上端縁が樹脂成形体の凹部の底面において露出し、外側上端縁が樹脂成形体内に埋設されている。そして、溝部は、樹脂成形体によって充填されている。よって、溝部内に充填された樹脂成形体(溝部充填樹脂部分)は、断面視したときに、外側上端縁側では、樹脂成形体の本体と接続し、内側上端縁側では、溝部充填樹脂部分が凹部の底面にて露出する。
また、本発明の「溝部」とは、凹状形状を有するもののうち、リード表面における開口が、樹脂成形体の凹部を成す側壁と内側上端縁とが対向しているものを指す。また、溝部は開口の幅がほぼ一定であることが好ましい。ただし、溝部は、樹脂成形体の凹部を成す側壁と内側上端縁との距離や、開口の幅が局所的に大きかったり、小さかったりしてもよい。
【0013】
このようなパッケージ成形体を用いて発光装置を製造する場合、パッケージ成形体の凹部は封止樹脂によって封止される。封止後に発光装置をリフローすると、封止樹脂が凹部内で膨張して、凹部の側壁を外向きに、底面を下向きにそれぞれ押圧する。また、樹脂成形体も膨張するので、溝部充填樹脂部分は溝部内の側面と底面を押圧し、さらに、溝部充填樹脂部分は封止樹脂と接触しているため、膨張した封止樹脂によって押圧される。すなわち、封止樹脂の膨張と溝部充填樹脂部分の膨張との相乗効果により、溝部充填樹脂部分が下向き(溝部の底面方向)に押圧する応力は増大する。
半田フラックスが侵入する際は、溝部充填樹脂部分と溝部の底面との間を通過する。しかし、半田フラックスが溶融している間(すなわち、リフロー中)、封止樹脂と溝部充填樹脂部分の膨張により、溝部充填樹脂部分は溝部の底面に向って押圧されるため、境界面のうち、特に溝部充填樹脂部分と溝部の底面との間において密着性が高まり、半田フラックスの侵入に対して高い抑制力が働く。
【0014】
また、本発明のパッケージ成形体では、樹脂成形体のモールド成形時に、上側金型の凸部の角部の直下に溝部が位置することになる。よって、凸部の角部を面取り加工しても、角部とリードとの間に鋭角の隙間が形成されない。よって、金型−リード接触領域に溶融樹脂が滲み出すのが抑制され、結果として、バリの形成が抑制される。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明のパッケージ成形体によれば、発光装置に使用したときに、パッケージ成形体の凹部内への半田フラックスの侵入を効果的に抑制でき、かつ凹部内での樹脂成形体のバリの発生を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施の形態1.>
図1〜3に示すように、本発明の発光装置50は、パッケージ成形体10と、発光部品40と、封止樹脂52を含んでいる。
本明細書において「発光部品40」とは、発光素子を含む部品のことを指しており、発光素子(例えばLED)自体や、発光素子とサブマウントから構成された部品などを含む。本実施の形態では、発光部品40は発光素子から成る。
封止樹脂52は、発光部品40を収容した樹脂成形体11の凹部12を封止するものであり、発光部品40を外部環境から保護している。
【0018】
本発明のパッケージ成形体10は、樹脂成形体11と、少なくとも1つのリード(本実施の形態では、2つのリード20、30)を含んでいる。
樹脂成形体11は、発光部品40を収納するための凹部12を上面に有しており、凹部12は側壁13で囲まれている。
リード20、30は、樹脂成形体11の凹部12の底面121において部分的に露出し、さらに樹脂成形体11の凹部12を成す側壁13の下方に亘って延在している(
図2、
図3)。2つのリード20、30は互いに離間しており、それらの間は樹脂成形体11で満たされている。
【0019】
本実施の形態の発光装置50では、一方のリード(第1リード)20の露出面21aに、1つ以上(
図2では2つ)の発光部品40(41、42)が載置されている。第2リード30はワイヤボンディング用の領域として使用されているとともに、ツェナーダイオード43が載置されている。第2リード30は、ワイヤボンディング用の領域とツェナーダイオードが載置された領域との間に窪みを有しており、封止樹脂との密着面積を向上させている。また、第2リードの窪みを後述する溝部24Xと連結するように形成し、樹脂成形体11を充填させることによって、ツェナーダイオードの接合部材がワイヤボンディング用の領域に侵食することを防止できる。
【0020】
発光部品40と第1リード20、第2リード30とは、ボンディングワイヤBWによって電気的に接続されている。
図2に示すように、2つの発光部品41、42を含む場合には、第1の発光部品41と第1リード20とをボンディングワイヤBWで接続し、第2の発光部品42と第2リード30とをボンディングワイヤBWで接続し、さらに第1の発光部品41と第2の発光部品42とをボンディングワイヤBWで接続してもよい(直列配線)。また、2つの発光部品41、42の各々を、第1リード、第2リード30にボンディングワイヤBWで接続することができる(並列配線)。
【0021】
図2に示すように、第1リード20および第2リード30は、側壁13の少なくとも一部(周状領域)に沿ってリード表面21、31に形成された溝部24を有している。溝部24は、内側上端縁241および外側上端縁242を有している。
本明細書において「側壁の少なくとも一部」とは、
図6のように上面視したときに、周状(閉環状)に配置されている側壁13の内面の「周の一部」のことを指す。
【0022】
本発明では、溝部24の内側上端縁241は、樹脂成形体11の凹部12の底面121において露出し、外側上端縁242は、樹脂成形体内11に埋設される。例えば、
図3に示すように、凹部12の側壁13の裾部分(すなわち、樹脂成形体11の一部)が溝部24に埋まって、凹部24の底面121の一部を成している。この樹脂成形体11の一部(溝部充填樹脂部分11a)により、溝部24全体が実質的に全て充填されている。
【0023】
本発明では、溝部24の内側上端縁241を樹脂成形体11の凹部12の底面121において露出させ、外側上端縁242を樹脂成形体内11に埋設することにより、溝部24内の溝部充填樹脂部分11aは、断面視したときには、外側上端縁242側において、樹脂成形体11の本体11bと接続しており(
図3)、上面視したときには、内側上縁241側では、溝部充填樹脂部分11aが凹部12の底面121の一部を成しているようにみえる。
【0024】
図3に示すように、第1リード20の表面21aと溝部充填樹脂部分11aの内側上端縁241側領域(凹部12の底面121から露出した領域)とは、内側上端縁241において滑らかに連続しており、実質的に段差が生じていない。内側上端縁241側領域は、曲面のみから構成することもできるが、少なくとも一部(例えば内側上端縁241の近傍部分)は、リード20の露出面21aと面一の水平面から構成するのが好ましい。溝部充填樹脂部分11aの内側上端縁241側領域は、リフロー時に応力F
1で押圧されるが、このとき内側上端縁241側領域が水平部分を含むと、応力F
1の方向が水平面と垂直方向(垂直下向き)になるためである(詳細は後述する)。
【0025】
図1(a)および
図3に示すように、第1リード20と第2リード30は、樹脂成形体11の裏面14から露出しているのが好ましい。これにより、発光素子40での発熱を、第1リード20及び第2リード30を通して凹部12の外に効率よく放出することができる。そのような構成では、樹脂成形体11の裏面14に、第1リード20と樹脂成形体11との境界面61の縁部(境界線61a)、および第2リード30と樹脂成形体11との境界面62の縁部(境界線62a)が露出する。それらの境界面61、62は、溝部24の底面243と溝部充填樹脂部分11aとの間を通って、パッケージ成形体10の凹部12内まで繋がっている。
【0026】
従来のパッケージ成形体100(
図16〜
図18)を用いて、
図3と同様に発光装置を構成すると、発光装置を実装基板に実装する際、リフローによって溶融した半田フラックスがパッケージ成形体100の裏面140の境界線610aから、境界面610を経由して、凹部120まで達するおそれがあった。
【0027】
一方、本発明の発光装置50では、パッケージ成形体10の凹部12に充填された封止樹脂52が、リフローの際に熱膨張することにより、溝部充填樹脂部分11aの内側上端縁241側領域(凹部12の底面121から露出した領域)を下向き(溝部24の底面243方向)に押圧する応力F
1が生じる。また、樹脂成形体11も膨張するので、溝部充填樹脂部分11aは溝部24内の側面と底面243を押圧する。すなわち、封止樹脂52の熱膨張と溝部充填樹脂部分11aの熱膨張との相乗効果により、溝部充填樹脂部分11aが下向き(溝部24の底面243方向)に押圧する応力は増大する。これにより、境界面61のうち、特に溝部充填樹脂部分11aと溝部24の底面243との間において、密着性が高まり、半田フラックスの侵入に対して高い抑制力が働く。その結果、従来のパッケージ500を用いた発光装置に比べて、半田フラックスが凹部12まで達する可能性を低減させることができる。
【0028】
応力F
1の方向は、溝部充填樹脂部分11aの表面に対して垂直方向になる。よって、
図3のように、溝部充填樹脂部分11aの表面のうち少なくとも内側上端縁241の近傍領域が、リード20の露出面21aと面一にされた水平面にすると、当該水平面にかかる応力F
1は垂直下向きになり、溝部充填樹脂部分11aと溝部24の底面243との接触面を、効率よく密着させることができるので好ましい。
なお、溝部充填樹脂部分11aの表面が曲面から構成されていた場合には、当該曲面の接線方向に対して垂直方向にかかる応力F
1は、溝部充填樹脂部分11aと溝部24の底面243との接触面に対して斜め方向になり、応力F
1の垂直下向きの成分によって、当該接触面を密着させる効果を得ることができる。
【0029】
また、リフローの際に溝部充填樹脂部分11aを下向きに押圧する応力F
1が生じることにより、樹脂成形体11が第1リード20、第2リード30から剥離するのを効果的に抑制することもできる。具体的には、リフローの際の封止樹脂52の熱膨張によって、樹脂成形体11の側壁13には、外向きの応力F
2がかかる。この応力F
2は、樹脂成形体11を第1リード20、第2リード30から剥離させるように作用し得る。
しかしながら、本発明では、溝部充填樹脂部分11aを下向きに押圧する応力F
1が生じることにより、樹脂成形体11が第1リード20、第2リード30に対して強く結合する。よって、特許文献2のようにパッケージ成形体に完全に埋没するアンカー溝に比べると、本発明のように内側上端縁241にて露出する溝部24を設けることにより、樹脂成形体11が第1リード20、第2リード30から剥離するのを抑制する効果を向上させることができる。
【0030】
本発明の発光装置50では、溝部24内の溝部充填樹脂部分11aによって、封止樹脂52と樹脂成形体11との接合部分の面積が増加するので、封止樹脂52とパッケージ成形体10との接合力を高めることができる。
封止樹脂52は、凹部12の内面に露出した樹脂成形体11、第1リード20、第2リード30に接着することにより、パッケージ成形体10に固定される。ここで、封止樹脂52は、リード20、30に比べて、樹脂成形体11に対する接着力のほうが高い。よって、封止樹脂52と樹脂成形体11とが接合する部分の面積が増加すると、封止樹脂52とパッケージ成形体10との結合力が高まる。
【0031】
また、封止樹脂52と樹脂成形体11とが接合する接合領域の方向(領域の接線方向に直交する方向)は、当該領域のうち側壁13と封止樹脂52との間の部分と、溝部充填樹脂部分11aと封止樹脂52との間の部分とではが異なる。そのため、封止樹脂52にかかる応力に対する抵抗力も異なる。よって、封止樹脂52をパッケージ成形体10から剥離するように応力がかかったときに、側壁13と封止樹脂52との間の部分による抵抗力、溝部充填樹脂部分11aと封止樹脂52との間の部分による抵抗力とが相互に補うことにより、様々な方向からの応力に対する抵抗力が向上する。
したがって、本発明のパッケージ成形体10を用いて発光装置50を製造することにより、封止樹脂52がパッケージ成形体10から剥離するのを抑制することができる。
【0032】
本発明の発光装置50では、パッケージ成形体10の凹部12の底面121にバリが生じにくい。これは、以下の理由による。
パッケージ成形体10の樹脂成形体11は、上側金型91と下側金型92とから構成された金型90を用いてモールド成形される(
図4、
図5)。上側金型91は、樹脂成形体11の凹部12に対応する凸部93を備えており、この凸部93の角部93cは面取り加工(R加工、C加工)されている。
【0033】
図4に示すように、樹脂成形体11のモールド成型時に、上側金型91と下側金型92とで第1リード20を挟持すると共に、第2リード30も同様に上側金型91と下側金型92とで挟持する。このとき、
図5に示すように、上側金型91の凸部93の角部93cの直下に溝部24が位置するため、角部93cとリード20、30との間に鋭角の隙間CL(
図19参照)は形成されない。つまり、金型90に溶融樹脂を注入時に応力が集中しやすい部分(例えば鋭角の隙間CLの先端など)が存在しない。そのため、金型90と第1リード20とが接触する領域(および金型90と第2リード30とが接触する領域)に溶融樹脂が滲み出さないので、第1リード20、第2リード30の表面には、樹脂成形体11のバリ80(
図17、
図18参照)が発生しない。
得られたパッケージ成形体10では、樹脂成形体11(11a)とリード20、30の表面21、31の境界線にバリが生じないため、その境界線は溝部24の内側上端縁241に一致する(
図6〜8)。
【0034】
このように、本発明のパッケージ成形体10では、製造時に、リード20、30に設けた溝部24が上側金型91の凸部93の角部93cの直下に位置することにより、バリ80の発生を効果的に抑制することができる。したがって、本発明のパッケージ成形体10を用いた発光装置50では、バリ80に起因するボンディング不良が生じず、バリ80によって美観を損ねるおそれがない。
【0035】
本実施の形態の発光装置50においては、溝部24は、帯状に延在する凹部であり、リード20、30の表面21、31における開口の幅(内側上端縁241と外側上端縁242との間の距離)がほぼ一定の溝である。例えば
図9のように、リード20、30の3辺に沿って設けられたコの字状の溝部24とし、内側上端縁241と外側上端縁242とが、溝部24の終端上端縁244において連結させることもできる。溝部24の開口が、内側上端縁241、外側上端縁242、終端上端縁244によって囲まれていることによって、境界線61a、62aから侵入してきた半田フラックスが溝部24内に侵入する際には、必ず溝部24の開口の上端縁にまで這い上がってから侵入するようになるため、半田フラックスの侵入をより抑制できる。
【0036】
また、第1リード20、第2リード30の裏面22、32は、樹脂成形体11の裏面14において露出し、裏面露出部の縁から前記リード表面側に凹んでいる。この凹んだ部分(裏面へこみ部)221、321は樹脂成形体11に被覆されている(
図10)。第1リード20、第2リード30の裏面22、32の周縁部がひさし状となり、リフロー時に半田フラックスが凹部12まで侵入する侵入経路(境界面61、62)が長くなるので、半田フラックスが凹部12まで侵入するのを低減する効果が得られる。「ひさし状」とは、
図10に示すように、リード20の表面21側が裏面23側よりも突出するような形態を指す。
【0037】
裏面へこみ部221、321の直上に溝部24が形成されると、リード20、30の厚さが著しく薄くなるため、リード20、30の強度が低下する。よって、裏面へこみ部221、321の直上よりも内側に、溝部24を形成するのが好ましい(
図7〜10)。ただし、発光装置50の小型化に伴ってリード20、30の表面積が狭くなった等の事情を考慮して、裏面へこみ部221、321の直上に溝部24の一部又は全部を形成してもよい。
本明細書において「裏面へこみ部」は、
図11(a)〜(c)、
図12(a)〜(b)のような内面が曲面であってもよく、また
図12(c)のように階段状にされていてもよい。
【0038】
溝部24の断面形状は、矩形(
図11(a)、
図12(c))、台形(
図11(b)〜(c))、円形(
図12(a))、多角形(12(b))などの様々な形状にすることができる。好ましくは、
図11(b)〜(c)、
図12(a)〜(b)に示すように、深さ方向Dにおいて、内側上端縁部241と外側上端縁部242との間の幅24Wより大きい最大幅寸法24Wmaxを有する。ここで「深さ方向D」とは、第1リード20の表面21、31から裏面22、32に向かう方向のことである。
【0039】
言い換えれば、溝部24は、第1リード20の表面21における開口の幅24Wに比べて、溝部24の内部の幅の最大寸法24Wmaxのほうが大きくなるような断面形状にされているのが好ましい。
図11(a)〜(c)から明らかなように、開口の幅24W、溝部24の深さ24Dが等しい3種類の溝部24a〜24cでは、幅24W>最大幅寸法24Wmaxの断面形状を有する溝部24b、24cは、幅24W=最大幅寸法24Wmaxの断面形状を有する溝部24aに比べて、断面視における溝部24の内表面の長さが長い。そのため、これらのリード20を用いてパッケージ成形体10を製造すると、リフロー時に半田フラックスが凹部12まで侵入する侵入経路(第1リード20と樹脂成形体11との境界面61)が長くなり、半田フラックスが凹部12に侵入しにくくなる。
【0040】
また、溝部24が幅24W>最大幅寸法24Wmaxとなるような断面形状にされていると、溝部24内に充填された溝部充填樹脂部分11aの最大幅寸法(溝部24の最大幅寸法24Wmaxに一致)が、溝部24の幅24Wより大きくなる。よって、溝部充填樹脂部分11aが溝部24から抜けることがないので、樹脂成形体11が第1リード20から剥離するのを効果的に抑制できる。
【0041】
図12(a),(b)に示すように、溝部24d、24eの断面形状が、リード20の表面21から23裏面に向かって、一旦広がった後に狭くなる形態は、リード表面における溝部24に必要な領域を小さくしてかつ、溝部24の深さ方向も小さくしているので、溝部24を形成するのに必要な領域を少なくしながら、半田フラックスが凹部12まで侵入する侵入経路を長くすることができる。特に、断面円形の溝部24dは、ウェットエッチングにより形成できるので、溝部24の機械加工が困難となる小型の発光装置50に好適である。
なお、
図11、
図12では、第1リード20に形成された溝部24と裏面へこみ部221のバリエーションを説明したが、第2リード30に形成された溝部24と裏面へこみ部221についても、同様のバリエーションを適用できる。
【0042】
図1(b)に示すように、第1リード20、第2リード30は、樹脂成形体11の裏面14から側面15にかけて露出しているのが好ましい。このように構成すると、発光装置50を実装基板(図示せず)に実装するときに発光装置50が実装基板に対して傾斜しないようにする効果がある。この効果について、以下に説明する。
樹脂成形体11に対する溶融半田の濡れ性が低いため、発光装置50を実装するとき、溶融半田は、樹脂成形体11から露出した第1リード20、第2リード30に接触するように集まる。リード20、30が樹脂成形体11の裏面14のみから露出している場合、溶融半田は発光装置50の裏面53のみに集まる。もし溶融半田が過剰であった場合、余剰な半田によって、発光装置50が部分的に持ち上がって、発光装置50が傾いて実装される恐れがある。
【0043】
これに対して、リード20、30が樹脂成形体11の裏面14から側面15にかけて露出していると、溶融半田は、発光装置50の裏面53から側面54にまで広がる。もし溶融半田が過剰であったとしても、余剰な半田は側面54方向に排出されて、発光装置50の裏面53と実装基板との間には適量の半田のみが残る。よって、発光装置50が傾いて実装されるのを抑制できる。また、
図1(b)、
図7に示すように、側面15から露出したリード20、30の裏面22、32にキャスタレーション(凹み)を設けることにより、余剰な半田を保持する効果を高め、かつ溶融半田とリード20、30との接触面積を増大させることができる。
【0044】
図7に示すように、リード20、30の各々を樹脂成形体11の対向する側面15に露出させた場合、樹脂成形体11の側面15に露出した境界線61bから、リード20、30と樹脂成形体11との境界面61に半田フラックスが侵入するおそれがある。
そこで、側面15からの半田フラックスの侵入経路上に溝部24を設けて、境界線61bから侵入する半田フラックスが、凹部12内に達するのを抑制するのが好ましい。すなわち、溝部24(24X)は、側壁13のうち、樹脂成形体11の側面15と凹部12との間に設けられた部分13Xに沿って形成するのが好ましい(
図2、
図7)。これにより、側面15からの半田フラックスの侵入を溝部24Xによって抑制することができる。
【0045】
溝部24X、24Yを共に形成する場合には、溝部24X、24Yを連結して、コの字状にするのが好ましい(
図2)。これにより、溝部24Xと溝部24Yとの隙間を無くすことができるため、半田フラックスが侵入するのを効果的に抑制することができる。
【0046】
図9に示すように、リード20、30は、タイバーTBによってリードフレームLFに接続されている。タイバーTBは後で切断しやすいように、リード20、30よりも狭幅にされている。また、樹脂成形体11の側面15から露出したリード20、30はタイバーTBを兼ねている。そこで、溝部24Xの長さ24XLを、タイバーTBの幅TBWより長くすることにより、側面15からの半田フラックスの侵入を抑制する効果を向上させることができる。
【0047】
図2に示すように、発光部品40の側面と近接して向かい合う側壁13Yから半田フラックスが侵入すると、発光部品40からの光の吸収量が多くなる。よって、
図6および
図8に示すように、側壁13Yに沿った部分に溝部24Yを形成して、リフロー時に、溝部充填樹脂部分11aの内側上端縁241側領域を下向きに押圧する応力(封止樹脂52と溝部充填樹脂部分11aとの熱膨張に起因)を発生させるのが好ましい。すなわち、パッケージ成形体10においては、側壁13のうち、発光部品40が後に載置される部分(載置領域)に近接する部分13Yに沿って、第1リード20の表面21に溝部24Yが形成されているのが好ましい。これにより、境界面61のうち、特に溝部充填樹脂部分11aと溝部24Yの底面243との間において、密着性を高めることができる。よって、リフロー時に、境界線61aから、境界面61を伝って、凹部12内の発光部品40近傍への半田フラックスの侵入に対して、高い抑制力が働く。その結果、側壁13Yからの半田フラックスの侵入を溝部24Yによって抑制することができる。
【0048】
第1リード20は、第1リード20の第2リード30と対向する側に位置する辺26に沿って、第1リード20の表面21に追加の溝部(追加溝部)24Zを設けるのが好ましい(
図6)。この追加溝部24Zは、樹脂成形体11の凹部12の底面121において、全体が露出している。この追加溝部24Zを設けると、以下の理由により、辺26から侵入する半田フラックスが、発光部品40に到達するのを抑制する効果がある。
【0049】
図2のように、発光部品40は、辺26の近傍に配置されることがある。半田フラックスは光を吸収するため、半田フラックスが辺26から侵入したとしても、発光部品40の近傍まで到達しないようにすることが重要である。追加溝部24Zを形成しない場合、樹脂成形体11の裏面14から、第1リード20と樹脂成形体11との境界面63を通って辺26に侵入した半田フラックスは、第1リード20の表面21と封止樹脂52との境界面64に沿って、発光部品40の載置領域に侵入し得る。
【0050】
そこで、
図6、
図7に示すように、第1リード20に追加溝部24Zを形成して、追加溝部24Zに樹脂成形体11の一部(溝部充填樹脂部分11a)に充填するのが好ましい。封止樹脂52は、追加溝部24Z内の樹脂成形体11によく接着するので、半田フラックスは封止樹脂52と該樹脂成形体11との間には侵入できない。つまり、半田フラックスの侵入経路は、追加溝部24Zに沿って迂回させられることになる。さらに、溝部24Z内の溝部充填樹脂部分11aは、リフロー時に、封止樹脂52と溝部充填樹脂部分11aとの熱膨張に起因して、下向き(溝部24Zの底面243方向)に押圧する応力F
1が生じる。これにより、境界面61のうち、特に溝部充填樹脂部分11aと溝部24Zの底面243との間において、密着性が高まり、半田フラックスの侵入に対して高い抑制力が働く。その結果、境界面63からの半田フラックスの侵入を溝部24Zによって抑制することができる。
なお、小型の発光装置50では、第2リード30の面積が小さいため、第2リード20に追加溝部を形成するのは困難であると考えられるが、第2リード30にも追加溝部を形成してもよい。
【0051】
以下に、発光装置50の製造方法を説明する。
<1.パッケージ成形体10の製造>
金属板をパンチングして、対向配置された第1リード20と第2リード30との対を複数備えたリードフレームLFを形成する。第1リード20及び第2リード30とは、タイバーTBによってリードフレームLFに連結される。その後、ウェットエッチングにより、第1リード20及び第2リード30の所定の位置に溝部24を形成する。各リード対と対応する位置に樹脂成形体11用の空隙を有している金型90で、リードフレームLFを挟持する。そして、金型90の空隙に、樹脂成形体11用の樹脂材料を注入する。樹脂材料が硬化した後に金型90を外すと、リードフレームLFに固定された状態のパッケージ成形体10が得られる。
【0052】
<2.発光部品40の実装>
図2に示す発光部品40(41、42)は、一対の電極がいずれも上面に設けられている。このような発光部品40では、パッケージ成形体10の第1リード20に、発光部品40をダイボンドにより実装する。
図2のように、第1の発光部品41の第1電極(例えばp側電極)と第1リード20とをボンディングワイヤBWで接続する。また、第1の発光部品41の第2電極(例えばn側電極)と第2の発光部品42の第1電極(例えばp側電極)とをボンディングワイヤBWで接続する。そして、第2の発光部品42の第2電極(例えばn側電極)と第2リード30とをボンディングワイヤBWで接続する。これにより、第1発光部品41と第2発光部品42とが、直列配線される。
なお、第1及び第2の発光部品41、42の第1電極(例えばp側電極)を第1リード20にボンディングワイヤBWで接続し、第2電極(例えばn側電極)を第2リード30にボンディングワイヤBWで接続することもできる。これにより、第1発光部品41と第2発光部品42とが、並列配線される。
【0053】
また、第1電極が上面に、第2電極が下面に設けられた発光部品を用いることもできる。この場合、下面を第1リード20に導電性ペーストを用いて固定し、これにより第2電極と第1リード20とを電気的に接続することができる。また、上面に設けられた第1電極は、ボンディングワイヤBWを用いて第2リード30に電気的に接続する。
【0054】
<3.ツェナーダイオード43の実装>
図2に示すツェナーダイオード43は、第1電極(例えばp側電極)が上面に、第2電極(例えばn側電極)が下面に設けられている。ツェナーダイオード43の下面は、第2リード30に導電性ペーストを用いて固定されており、これにより第2電極と第2リード30とを電気的に接続する。上面に設けられた第1電極は、ボンディングワイヤBWを用いて第1リード20に電気的に接続される。
【0055】
<4.封止樹脂52の充填>
パッケージ成形体10の凹部12に、液体状態の封止樹脂をポッティングし、その後に硬化させる。封止樹脂を2層にする場合には、まず、凹部12に第1封止樹脂(アンダーフィル)をポッティングした後に硬化し、次いで、凹部12に第2封止樹脂(オーバーフィル)をポッティングした後に硬化する。
【0056】
<5.発光装置50の個片化>
リードフレームLFのタイバーTBを、樹脂成形体11の外表面に沿って、ダイシングによって切断し、個々の発光装置50に分離する。
【0057】
以下に、発光装置50の各構成部材に適した材料を説明する。
(第1リード20、第2リード電極30)
第1リード20、第2リード電極30は、加工性や強度の観点からすると、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅などのいずれか1つ以上からなる導電性材料を用いることができる。第1リード20、第2リード30は、金、銀及びそれらの合金などでメッキするのが好ましい。
【0058】
(樹脂成形体11)
樹脂成形体11の成形材料には、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂のほか、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂を用いることができる。また、成形材料中に酸化チタンなどの白色顔料などを混合して、樹脂成形体11の凹部12内における光の反射率を高めることもできる。
【0059】
(ボンディングワイヤBW)
ボンディングワイヤBWとしては、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の金属及びそれらの合金から成る金属製のワイヤを用いることが出来る。
【0060】
(封止樹脂52)
封止樹脂の材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂またはこれらを1つ以上含む樹脂を用いることができる。封止樹脂52は単一層から形成することもできるが、複数層(例えば、アンダーフィルとオーバーコートの2層)から構成することもできる。
また、封止樹脂52には、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、アルミナ、窒化アルミニウムなどの光散乱粒子を分散させてもよい。
さらに、封止樹脂52には、発光素子40からの発光の波長を変換する材料(蛍光体等)の粒子を分散させてもよい。例えば白色光を発する発光装置50では、青色光を発光する発光素子40と、青色光を吸収して黄色光を発する蛍光体粒子(例えばYAG粒子)とを組み合わせることができる。
【0061】
(半田)
本実施形態における半田とは、Sn−Ag−Cu、Sn−Zi−Bi、Sn−Cu、Pb−Sn、Au−Sn、Au−Ag等を用いることができる。
【0062】
<変形例>
図1は、裏面53側を実装基板(図示せず)に固定するタイプの発光装置50を示しているが、
図13のような発光装置50’においても同様にリード表面に溝部を設けることができる。この発光装置50’は、側面54を実装基板に固定できるように、第1リード20’、第2リード30’ともに、同じ側面54に露出している点で、
図1の発光装置50と異なる。その他の構成については、
図1の発光装置50と同様である。
【実施例1】
【0063】
本発明の実施例としてパッケージ成形体10と、比較用のパッケージ成形体100と製造し、バリ80の発生の有無を確認した。
本発明のパッケージ成形体10の製造工程は以下の通りである。まず、第1リード20及び第2リード30がタイバーTBによって連結されたリードフレームLFにウェットエッチングを施して所定の位置に溝部24を形成した後、金型90でリードフレームLFを挟持し、金型90内に樹脂を注入してパッケージ成形体10の集合体を形成した。次に、所定の位置に沿って、樹脂成形体11とタイバーTBをダイシングによって切断し、パッケージ成形体10を個片化した。
比較用のパッケージ成形体100は、ウェットエッチングを施して所定の位置に溝部24を形成する工程を省く以外は、本発明のパッケージ成形体10の製造工程と同じである。
【0064】
図14(a)のように、比較用のパッケージ成形体100では、リード20、30と樹脂成形体11の側壁13との間にバリ80が発生した。一方、
図14(b)、
図15のように、本発明のパッケージ成形体10では、バリは発生しなかった。