特許第6534260号(P6534260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6534260
(24)【登録日】2019年6月7日
(45)【発行日】2019年6月26日
(54)【発明の名称】相分離を有する2Kポリウレタン系
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20190617BHJP
   B29C 70/48 20060101ALI20190617BHJP
   C08G 18/20 20060101ALI20190617BHJP
   C08G 18/42 20060101ALI20190617BHJP
   C08G 18/48 20060101ALI20190617BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20190617BHJP
   C08G 18/79 20060101ALI20190617BHJP
【FI】
   C08J5/04CEF
   B29C70/48
   C08G18/20
   C08G18/42
   C08G18/48
   C08G18/76
   C08G18/79 070
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-559166(P2014-559166)
(86)(22)【出願日】2013年2月25日
(65)【公表番号】特表2015-512979(P2015-512979A)
(43)【公表日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】EP2013053699
(87)【国際公開番号】WO2013127732
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2015年9月9日
【審判番号】不服2017-11476(P2017-11476/J1)
【審判請求日】2017年8月2日
(31)【優先権主張番号】12157301.8
(32)【優先日】2012年2月28日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12157299.4
(32)【優先日】2012年2月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100145964
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 昭三
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・フェレンツ
(72)【発明者】
【氏名】ロタール・ティーレ
(72)【発明者】
【氏名】タマラ・シュミット
(72)【発明者】
【氏名】コンラート・ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング・ルップ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥスティン・ウルマン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー−ケイ・オカモト
【合議体】
【審判長】 大熊 幸治
【審判官】 長谷部 智寿
【審判官】 井上 猛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−300368(JP,A)
【文献】 特開平5−155966(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/150010(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/067246(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G18/00-18/87,C08L75/00-75/16,C08J3/00-9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維材料を有する外部型を提供し、液状二成分型ポリウレタン組成物を該型中に圧力下で導入し、ここで、該組成物は相不相溶性の状態で導入され、該組成物は、
・10〜80重量%の、200g/mol〜3000g/molの数平均分子量を有す
る少なくとも1種のポリオール、
・5〜70重量%の少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート、
・0〜15重量%の添加剤
を含有し、該ポリオールは、1分子あたり2〜10個のOH基を有するポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールであり、
該組成物は2:1〜1:2のNCO:OH比を有し、該組成物は20〜3000mPas(EN ISO 2555、ブルックフィールド粘度計、25℃)の粘度を有し、混合後に相不相溶性を示し、ポリオール混合物の官能性は2.3より大きい、繊維複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記混合物は、1000mPas(25℃)より低い粘度を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
MDIおよびその異性体に由来する少なくとも50mol%のイソシアネート基を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
2.5より大きい平均官能性を有するポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを、ポリオールとして使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
錯生成剤としてのポリヒドロキシ化合物を有する、第3級アミンまたはSn化合物を、触媒として使用することを特徴とする、ここで、該錯生成剤は環状α−ヒドロキシケトンまたは1-アルキル-2,3,4-トリフェノールから選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
架橋された組成物は60℃を超えるガラス転移温度Tgを有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
イソシアネート基の量が、カルボジイミドおよびその誘導体への反応により減少することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
架橋された組成物は1000MPaより高いEモジュラスを有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
繊維複合材料に基づいて60%(体積%)を超える繊維割合が使用されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
充填された型を120℃以下の温度で硬化させることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
組成物を混合直後に脱気することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の方法から得られる、少なくとも60%の合成繊維材料、および40%以下の架橋された二成分型ポリウレタン組成物を含有する、繊維複合材料。
【請求項13】
マトリックス結合剤は60℃を超えるTgを有することを特徴とする、請求項12に記載の繊維複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオール成分およびイソシアネート成分に基づく二成分型ポリウレタン組成物に関し、ここで、該組成物は繊維充填型中に低粘度で導入されることが意図される。該組成物は液体状態において相分離を示す。該組成物は、架橋状態において高いガラス転移温度を示す。
【背景技術】
【0002】
繊維強化型成形品は、良好な機械特性を示すことが意図される。この目的のために、使用されるマトリックス材料が繊維材料に安定な形式で接続されねばならない。いずれの欠陥も、成形品の機械特性に悪影響を有する。そのため、対応する部材において、窪み、欠陥および/または気泡はできる限り少なく含有される。エポキシ結合剤に基づく適当なマトリックス材料が知られている。しかし、これは種々の欠点を有し、例えば、系の反応性が高すぎる場合が多い。これは、また、ポリマーの特性を損ない得る高発熱反応混合物をもたらし得る。したがって、反応性二成分型ポリウレタン系に基づく他の結合剤が開発されてきた。
【0003】
WO2008/110602号には、イソシアネート用三量化触媒と共に、酸性水素原子を有する化合物を含有する成分およびポリイソシアネート成分で作られた、ポリウレタン接着剤組成物が記載されている。請求項において、該二つの成分は互いに相溶性であることが必要とされている。
【0004】
WO2011/067246号には、ポリイソシアネート、ポリイソシアネートに対して反応性の酸性水素原子を有する化合物、触媒、およびより多価の酸を含有する樹脂系が記載されている。該酸は、反応性水素基を有する化合物中に溶解せねばならない。
【0005】
WO2010/023060号には、三量化触媒を含有するイソシアネート-反応性化合物の混合物が記載されている。三量化触媒は、フタル酸またはトリメリット酸から、ポリオールとの反応によって得られ、ここで、特定の量割合が満たされねばならない。
【0006】
EP1471088号には、芳香族アミン化合物を有するポリオールを含有するポリウレタン組成物が記載されている。かかるポリオールは、明示的に、相溶性を生じるものとして記載されている。
【0007】
WO2009/150010号には、イソシアネート成分を有するポリオールから作られた組成物が記載されており、ここで、該イソシアネート成分は、立体障害NCO基として少なくとも65%のNCO基を含む。該組成物は、繊維複合材料においてマトリックス樹脂として使用される。
【0008】
上記に述べた組成物は、繊維強化成形品の製造に使用されることが多く、対応する繊維材料は、閉じられた型中に置かれ、次いで、マトリックス樹脂としての上記に記載した材料中に包まれる。これを、種々の方法(例えば圧力の適用、温度の上昇または真空の適用)により補助することができる。欠陥は使用特性をかなり損なわせるため、低粘度材料を使用する場合、有利である。
【0009】
反応の初めにおいてポリウレタン系の粘度を非常に低くできることがわかった。例えば交点における繊維上の少量の残留気泡でさえ成形品を弱くするため、該結合剤は、全ての繊維成分の周りに流れるべきである。しかし、対応する成形品は比較的大きな寸法または複雑な形状を有し得るため、型を充填するのに十分な時間、粘度が低いままであることも必要とされる。部品中において、高程度の繊維要素充填を達成することが意図される場合、かかる条件下においてのみ、マトリックス材料中におけるできる限り少ない欠陥が生じることを確保することが可能である。他方では、迅速な離型および型の良好な利用性を可能にするために、該組成物はできるだけ迅速に架橋すべきである。
【0010】
上記に述べた既知の組成物は、特別の触媒を含む。これらは、イソシアネート/OH基
の架橋反応を遅れさせることを確保するためのものである。これによって、組成物の粘度
の上昇を遅れさせることができる。しかし、最終的架橋もまた減速される。さらに、この
ような触媒は、少量でのみ存在することが通常である。したがって、触媒は正確に測定さ
れた割合で配合せねばならず、そうでなければ、特性が工業生産に十分に再現されない
ためである。
【0011】
対応するマトリックス結合剤におけるさらなる要求は、架橋後に、外部条件に関わらず機械特性が一定に維持されることである。機械特性に影響するパラメータの1つはガラス転移温度(Tg)であることがわかった。これは、ポリオールの選択または架橋密度により影響され得るが、また、加工に必要な粘度に悪影響を及ぼさないべきである。特にTgは、ポリオールまたは架橋密度の選択により影響され得るが、また、加工に必要な粘度に悪影響を及ぼさないべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2008/110602号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2011/067246号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2010/023060号パンフレット
【特許文献4】欧州特許出願公開第1471088号明細書
【特許文献5】国際公開第2009/150010号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
実際に、ポリオールおよびイソシアネートが混合される際に、不相溶性の混合物が製造されることがわかった。これは、本来透明な混合物における濁りから明らかである。しかし、この種の相分離は不均質な成分をもたらすことが知られている。したがって、従来技術において、特別な相溶性促進剤が添加されるか、または、ポリオールを特別に選択せねばならないかのいずれかである。
【0014】
したがって、未架橋状態で低粘度を有し、該低粘度を長い加工時間にわたり維持する、ポリウレタン結合剤系を提供するという課題が生じる。ポリオールの幅広い選択が可能である。かかる系は、次いで、マトリックス組成物に直接に加工することができる。架橋されたマトリックスは、高いガラス転移温度および良好な機械特性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
該主題は、i)10〜80重量%の、200g/mol〜3000g/molの分子量を有する、少なくとも1種のポリオール、ii)5〜70重量%の少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート、および、場合により0〜15重量%の添加剤を含有する二成分型ポリウレタン組成物により達成され、ここで、該組成物は2:1〜1:2のNCO:OH比を有し、該組成物は20〜3000mPas(EN ISO 2555、ブルックフィールド粘度計、25℃)の粘度を有し、混合後に相不相溶性を示し、ポリオール混合物の官能価は2.3より大きい。
【0016】
本発明のさらなる主題は、i)10〜80重量%の、200g/mol〜3000g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリオール、ii)5〜70重量%の少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート、iii)0〜15重量%の添加剤を含有する二成分型ポリウレタン組成物であって、ここで、該組成物は2:1〜1:2のNCO:OH比を有し、該組成物は20〜3000mPasの粘度を有し、混合後に相不相溶性を示す。
【0017】
本発明のさらなる主題は、このような二成分型ポリウレタン組成物の、繊維強化成形品を製造するための使用である。
【0018】
さらなる主題は、繊維材料およびこのような二成分型ポリウレタン組成物から成形品を製造するための方法である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、ポリオール成分および架橋剤成分で構成される。該ポリオール成分は、少なくとも1種の液状ポリオールおよび場合により添加剤を含有する。該架橋剤成分は、イソシアネートおよび場合によりNCO基と反応しない添加剤を含有する。
【0020】
当業者に既知の通常のポリオール化合物をポリオール成分として使用することができる。本発明に関して、複数の多価アルコールを用いることができる。これらポリオールは、好ましくは、NCO基と反応性のさらなる官能基(例えば反応性アミノ基)を含まない。複数のOH基を有する該化合物は、末端OH基を有する化合物であってよく、または、鎖にわたり分布した側鎖OH基を含む化合物であってよい。OH基は、イソシアネートと反応することができるOH基であり、特に第1級または第2級OH基である。1分子あたり2〜10個、好ましくは2〜6個のOH基を有するポリオールが適当である。異なるポリオールの混合物を使用してよく、ただし、対応する平均官能価が維持される。分子量は、100〜3000g/mol(数平均分子量 M、GPCにより測定)、好ましくは200〜1500g/molである。適当なポリオールの例は、ポリエーテル、ポリアルキレン、ポリエステルまたはポリウレタンに基づくポリオールである。該ポリオールは、好ましくは混合物として室温(25℃)で液状で存在し、特にそれぞれのポリオールが個々に液状である。
【0021】
適当なポリオールは、例えば、液状ポリエステルポリオールであり、これはジカルボン酸またはトリカルボン酸、例えばアジピン酸、セバシン酸およびグルタル酸と、低分子量ジオールまたはトリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロールまたはトリメチロールプロパンとの縮合により製造することができる。使用されるこのようなポリオールのさらなる群は、ラクトン、例えばポリカプロラクトンに基づくポリエステルである。このようなOH-官能性ポリエステルは当業者に既知であり、市販され入手可能である。2または3個の末端OH基を含有するポリエステルポリオールは、特に適当である。これらポリエステルポリオールは、2000g/mol以下、好ましくは500〜1000g/molの範囲の分子量を有する。
【0022】
しかし、油脂化学製品由来のポリエステルポリオールを使用することも可能である。この種のポリエステルポリオールは、例えば、少なくとも部分的にオレフィン系不飽和脂肪酸を含有する脂肪混合物のエポキシ化トリグリセリドの、1〜12個の炭素原子を有する1種以上のアルコールを用いる完全開環、および、トリグリセリド誘導体の続く部分トランスエステル化により、アルキル残基において1〜12個の炭素原子を有するアルキルエステルポリオールを得ることにより製造され得る。このようなポリオールの例は、ヒマシ油またはダイマージオールである。これら油脂化学製品ポリオールは、50〜400mg KOH/g、好ましくは100〜300mg KOH/gのヒドロキシル価を有し、約250〜2000g/molの分子量に相当する。
【0023】
ポリカーボネートポリオールは、さらなる適当なポリエステルポリオールである。ポリカーボネートは、例えば、ジオール、例えばプロピレングリコール、ブタンジオール-1,4またはヘキサンジオール-1,6、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、またはテトラエチレングリコール、あるいはそれらの2種以上の混合物と、ジアリールカーボネート、例えばジフェニルカーボネート、またはホスゲンとを反応させることにより得ることができる。本発明により用いられるポリオールのさらなる群は、ポリラクトン、例えばε-カプロラクトンに基づくポリエステルである。分子鎖において1個以上のウレタン基を含有するポリエステルポリオールも適当である。
【0024】
脂肪族ポリオールを使用してもよい。これらは、2〜10、特に2〜6の官能性を有する。これらは、既知のポリオール、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール-1,4、ペンタンジオール-1,5、ヘキサンジオール-1,6、ヘプタンジオール-1,7、オクタンジオール-1,8、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ダイマー脂肪アルコール、グリセロール、ヘキサントリオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、またはネオペンチルアルコールであり得る。いわゆる糖アルコールを使用することもできる。適当な脂肪族アルコールは、60〜400g/molの分子量を有する。しかし、2〜4個のOH基を含み、2〜30個の炭素原子を有する直鎖状アルコールが特に使用される。
【0025】
低分子量多価アルコールとアルキレンオキシドとの反応生成物であるポリエーテルポリオールは、特に適当な群である。アルキレンオキシドは、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。これらは2官能性またはより多官能性のポリオールであってよく、2、3または4個のOH基を有するポリオールが好ましい。その例は以下である:エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール;多価アルコール、例えばグリセロール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルアルコール;糖アルコール、例えばマンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド。対応する芳香族ポリオール、例えばレゾルシノール、ヒドロキノン、1,2,2-または1,1,2-トリス(ヒドロキシフェニル)エタンを、アルキレンオキシドと反応させることもできる。本発明に関して適当なさらなるポリオールは、テトラヒドロフランの重合により製造される(poly-THF)。エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの、ランダムコポリマーおよび/またはブロックコポリマーを用いることもできる。2、3または4個のOH基を有するポリエーテルポリオールは好ましい。ポリエーテルポリオールは、当業者に既知の方法で製造され、市販され入手可能である。
【0026】
ポリオキシエチレンまたは-プロピレンジオールまたはトリオールが好ましい。これらポリエーテルの分子量は、約200〜3000g/mol、特に1000g/mol以下であり得る。
【0027】
第3級アミノ基を含有するポリオールは、組成物中に含有されないことが好ましい。こ
れらは、応用的特性を悪くする。ポリオール混合物の官能性は、2.3より大きく、特に
2.5〜4である。本発明の一態様において、本発明の組成物は、2.5より大きい平均官
能性を有するポリエステルポリオールおよび/または特にポリエーテルポリオールが、ポ
リオールとして使用されるという特徴を有する。架橋密度が十分でない場合、架橋された
マトリックス結合剤は十分に機械安定でない。
【0028】
多官能性イソシアネートは、イソシアネート成分中のポリイソシアネートとして適当である。該イソシアネートは、平均2〜5、好ましくは4個以下のNCO基を含有する。適当なイソシアネートの例は、芳香族イソシアネート、例えば1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,4-または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、m-およびp-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トルイレンジイソシアネート(TDI)の異性体、ジ-およびテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'-ジメチルジフェニル-4,4'-ジイソシアネート(TODI)1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、4,4'-ジベンジルジイソシアネート;脂肪族イソシアネート、例えば水素化MDI(H12MDI)、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,12-ジイソシアナトドデカン、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、1,6-ジイソシアナト-2,4,4-トリメチルヘキサン、1-イソシアナトメチル-3-イソシアナト-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、テトラメトキシブタン-1,4-ジイソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサン-1,6-ジイソシアネート(HDI)、ダイマー脂肪酸ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、またはフタル酸ビス-イソシアナトエチルエステルである。
【0029】
低分子量プレポリマーの一部を用いてもよく、例えばMDIまたはTDIと、低分子量ジオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、またはトリエチレングリコールとの反応生成物を用いてもよい。これらプレポリマーは、過剰の単量体ポリイソシアネートをジオールの存在下で反応させることにより製造することができる。該ジオールの分子量は、通常1000g/mol以下である。単量体イソシアネートを、場合により、反応生成物から蒸留により除去することができる。
【0030】
一態様において、芳香族ジイソシアネートが本発明に好ましく、別の態様において、脂肪族および芳香族イソシアネートの混合物が好ましく用いられる。特に、少なくとも50mol%のNCO基がMDIおよびその異性体に基づく。一態様において、本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、MDIおよびその異性体に由来するNCO基の少なくとも50mol%が、イソシアネート基として含有されることを特徴とする。液状イソシアネートを使用してよく、ただし、それらはポリオールと相不相溶性を示す。本発明によれば、必要ではないが、イソシアネート基の量をカルボジイミドおよびその誘導体、特にウレトンイミンへの反応により減少させることも可能である。一態様において、本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、該組成物が芳香族イソシアネート由来のカルボジイミドおよび/またはウレトンイミンを含有することを特徴とする。反応したNCO基の割合は、もともと存在するNCO基の3〜25mol%であり得る。ポリイソシアネートの混合物は、好ましくは、室温(25℃)で流動性である。安定な組成物を得るために、該組成物は、貯蔵条件下で粘度の増大をもたらす反応を生じるいずれの成分も含有すべきでない。
【0031】
本発明の二成分型ポリウレタン組成物はさらに、補助剤を含有してよく、これは、好ましくは全体的または部分的にポリオール成分中に混合される。かかる物質は、組成物の特性、例えば粘度、濡れ挙動、安定性、反応速度、気泡形成、貯蔵寿命または接着性を改良するため、ならびに、意図される用途の使用特性に適応するために、原則として少量で添加される物質を意味すると理解される。補助剤の例は、レべリング剤、湿潤剤、触媒、老化防止剤、染料、乾燥剤、樹脂および/またはワックスである。
【0032】
例えば、本発明の組成物は安定剤を追加的に含有してよい。「安定剤」は、本発明の目的において、酸化防止剤、UV安定剤、または加水分解安定剤として理解される、その例は、市販され入手可能な立体障害フェノールおよび/またはチオエーテルおよび/または置換ベンゾトリアゾールおよび/または立体障害アミン光安定剤(HALS)型のアミンである。
【0033】
触媒を使用してもよい。ポリウレタン化学において既知の通常の有機金属化合物が触媒として用いられ、例えば鉄、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、鉛、ビスマスの化合物または特に錫の化合物である。これら触媒について、α-ヒドロキシケトンおよび/または3個の隣接するOH基を有するトリフェノールから選択されるポリヒドロキシ化合物を、混合物または錯体として、0.25:1〜2:1のモル比で含有することが好ましく可能である。特に、環状α-ヒドロキシケトンとして、5-、6-または7-環化合物を用いてよく、トリフェノールとして、1-アルキル-置換2,3,4-または3,4,5-OH誘導体を用いてよい。これらは、上記金属原子と共に錯生成剤として作用する物質である。該錯生成剤は、500g/mol未満の分子量を有するか、または、担体に結合していてもよい。場合によりさらなるOH基、COOH基またはエステル基を含む物質は、錯生成剤として特に適当である。架橋反応において、該錯生成剤は反応性組成物と反応してもよく、永続的にマトリックス中に組み込まれ得る。
【0034】
触媒の別の群は、第3級アミンに基づくものである。直鎖状または環状脂肪族アミンが適当であり、例えばメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ-(5,4,0)-ウンデセン-7(DBU)、またはジアザビシクロノネン(DBN)である。触媒は、組成物の総量に基づいて0.01〜約5重量%の量で用いてよい。
【0035】
本発明の二成分型ポリウレタン組成物の一態様は、環状α-ヒドロキシケトンまたは1-アルキル-2,3,4-トリフェノールから選択される錯生成剤としてのポリヒドロキシ化合物または第3級アミンを有する錫化合物、特に錫触媒が、触媒として含有されることを特徴とする。
【0036】
少量の可塑剤、カラーペースト、またはモレキュラーシーブが含有されることも可能である。貯蔵中に水分を捕集する液状化合物を乾燥剤として使用してもよい。しかし、このような構成成分の量は、(二成分型組成物に基づいて)10重量%未満である。顔料、モレキュラーシーブ、充填剤、および/または可塑剤が含有されないことが好ましい。本発明の組成物は好ましくは有機溶媒を含有すべきでない。ここで、「溶媒」は、200℃未満の沸点を有する液状物質として理解される。これに関して、添加剤を分散または溶解するために使用される実質的に非揮発性の化合物は溶媒としてみなされない。
【0037】
さらに、樹脂が場合により含有されてもよい。これは天然樹脂または合成樹脂であり得る。特定の態様は、OH基含有樹脂、特に複数のOH基を有する樹脂を用いる。これらは、イソシアネートと反応することができる。好ましい態様において、その量は、15重量%以下であり得る。
【0038】
該添加剤は該成分に、貯蔵安定性がもたらされるような方法で添加される。特に、接着剤中で気泡(例えばCO)の形成を促進する添加剤、例えばモノ-またはポリ官能性カルボン酸は添加されない。
【0039】
本発明の組成物の好ましい態様は、30〜70重量%の2.5を超える官能性を有するポリオール、特にポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、70〜30重量%のポリイソシアネート、特に全てのイソシアネート基の少なくとも50mol%のMDIおよびその異性体に由来するイソシアネート基を有する、0.1〜5重量%の安定剤および触媒から選択される添加剤を含有し、ここで、成分の合計は100%である。該混合物は、特に、反応性アミン含有成分(例えばポリオール)不含である。
【0040】
本発明の混合物は混合後に、混合温度で、不相溶性を示さねばならない。
【0041】
「不相溶性」は、本発明の目的において、成分が互いに混和性であるが、2相を生じるとして理解される。これは特に視覚的に確認することができる。個々の成分は透明であり、混合および任意に脱気後、濁った相が生じる。簡単な試験において、二成分は、場合により顔料なしに、25℃で混合される。次いで、該試料を静止し、光学的に評価される。二分以内に成分の溶液が濁っている場合、相分離が存在する。
【0042】
本発明の使用を可能にするために、本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、混合形態において、20〜60℃の温度で測定して、20〜3000mPas(Brookfield RTV、DIN ISO 2555を用いて測定)の粘度を有する。特に、該粘度は、20〜40℃で測定して100〜1000mPasである。本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、かかる温度で塗布してよい。粘度は混合直後、例えば混合後2分以内に、測定され、該粘度は架橋反応が開始するため次第に上昇する。
【0043】
本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、良好な加工時間を有する。該時間は、10分より長い。「加工時間」は、該時間の後に、混合物の粘度が25℃で初期値の300%超であるが少なくとも3000mPasまで上昇する時間として理解される。加工時間は、イソシアネートおよび触媒の選択により影響され得る。
【0044】
本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、混合後に二相系を形成する。これは不相溶性により見られ得る。生じた混合物の曇りにより確認され得るように、約25℃で互いに分散した多相系を生じる。本発明による該混合物は、相分離状態で使用される。
【0045】
構成成分の選択により、本発明の組成物は、60℃を超えるガラス転移温度(Tg)を有し(DSC、DIN 11357で測定)、別の態様において、特に100〜130℃のガラス転移温度(Tg)を有する。高いTgは、硬化した複合材系において同様に求められる機械的安定性を得るために必要である。ポリオールおよびイソシアネート成分の本発明による選択によって、複合材の優れた機械的安定性が得られる。マトリックス材料の構造的安定性は、例えば、E-モジュラスを用いて測定することができる。本発明の組成物は、−10℃〜+70℃の温度で、1000MPaより大きいE-モジュラスを可能にする(DIN EN ISO 527と同様)。
【0046】
本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、繊維強化成形品(複合材料)用マトリックス樹脂として適当である。これは、種々の適用方法、例えばRTM法または注入法において用いることができる。
【0047】
本発明の二成分型ポリウレタン組成物を用いる複合材料を製造するための方法も、本発明の主題である。本発明の組成物は、型中に導入することにより適用される。
【0048】
既知の高強度繊維材料は、複合材料の成分として適当である。これらは例えば、以下から作られ得る:ガラス繊維;合成繊維、例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、またはアラミド繊維;炭素繊維;ホウ素繊維;オキシド型または非オキシド型セラミック繊維、例えばアルミニウムオキシド/二酸化ケイ素繊維、ケイ素炭素繊維;金属繊維、例えばスチールまたはアルミニウム製繊維;または天然繊維、例えば亜麻、麻またはジュート繊維。これら繊維は、マット、織物、編物、プライ、不織布または粗糸の形態で導入してよい。これら繊維材料の2つ以上を混合物として使用することもできる。切断繊維を選択することもできるが、合成長繊維、特に織物およびプライを使用することが好ましい。これら高強度繊維、プライ、織物および粗糸は、当業者に既知である。
【0049】
該繊維は、所定の方向で型中に置かれる。繊維材料の量は非常に高くてもよく、特に、成形品に基づいて60%(体積%)を超える繊維割合が使用される。場合により、さらなる配置部材が挿入されてもよい。次いで、予備混合した本発明の組成物を導入する。
【0050】
本発明の方法の一態様は、繊維複合材料の製造方法であり、ここで、繊維材料を有する外部型を提供し、液状二成分型ポリウレタン組成物を該型中に圧力下で導入し、ここで、該組成物は相不相溶性の状態で導入され、繊維材料の割合が60%より多いことを特徴とする。
【0051】
本発明の方法において、二成分型混合物は製造直後に使用される。これらは実質的に光学的に曇っている混合物であり、これは、相不相溶性の指標としてみなされる。混合された組成物は反応するため、その直後に処理され得る成分の量のみを混合することが好都合である。同様に、混合及び型の充填を連続的に行うことも可能である。均質分散物の形態で不相溶性の相が存在するため、本発明の組成物を通常の装置(例えばポンプ、ノズルまたはホース)を用いて、困難なく処理することができる。いずれの理論にも関わらず、該不相溶性が反応速度における低下をもたらすと考えられ得る。
【0052】
本発明の方法は、2つの態様を含む。注入を、場合により真空補助も用いて、圧力下で
注入することにより、短時間で行うことができる(樹脂トランスファ成型(RTM)法)
。ここで、より短い加工時間を有するが、その後、迅速な反応を示す組成物が好ましい。
別の態様において、真空の適用により型を充填する(インフュージョン法)。この態様に
おいて、長いオープンタイムが有利である。本発明に適当な組成物の粘度は低くあるべき
である。該粘度は型充填の方法条件下でわずかにのみ上昇する。本発明によれば、混合直
後の組成物の粘度は、20〜3000mPa・s(EN ISO 2555、ブルックフ
ィールド粘度計、25℃)であり、好ましくは1000mPa・s未満である。ここで、
繊維材料間の空気または気体が脱するように注入速度を選択することに注意すべきである

【0053】
インフュージョン法の態様において、長い加工時間が特に重要である。そのため、特にこの態様において、触媒を含有しない組成物が使用される。繊維材料上への注入、気泡の置き換えおよび型充填を、長い時間をかけて行ってよい。反応の遅い遂行または進行のために、繊維材料をマトリックス材料中に完全に埋め込むことができる。
【0054】
RTM法としての態様において、型充填は短時間で行うべきである。ここで、曇った反応混合物は、圧力下で型内に導入される。低い初期粘度によって、繊維の迅速な埋め込みが確保される。この態様において、該組成物は好ましくは触媒をも含有する。触媒は迅速な反応の促進をもたらすため、迅速な硬化が生じる。これを、高温で補助してもよい。そのため、型内の短い滞留時間も可能である。
【0055】
型がいったん充填されると、組成物は硬化し始める。これは、追加的に熱を加えることなく進行し得る。架橋反応から生じる反応の熱は、基材の局所的な過加熱をもたらさない。架橋反応を促進するために、充填された型を加熱してもよい。これは、120℃までの温度に加熱され得、それによってマトリックス材料のより早い架橋が達成される。したがって、該型を成形品からより迅速に取り除くことができ、次いで、さらなる作業工程に利用することができる。
【0056】
本発明のさらなる主題は、また、少なくとも60%の繊維および40%以下の架橋された本発明の二成分型ポリウレタン組成物でできた繊維複合部材である。かかる成形繊維部材は、架橋後に高いレベルの機械的安定性を示す。これは高い環境温度でさえ事実である。
【0057】
本発明のさらなる主題は、少なくとも60%の合成繊維材料および40%以下の架橋性二成分型ポリウレタン組成物を含有する繊維複合材料である。
【0058】
混合の際に不相溶性を示す本発明の二成分型ポリウレタン組成物は、例えばインフュージョン法またはRTM法のための、繊維材料の埋め込みに特に適当である。ここで、既知の繊維材料がポリマーマトリックス中に共に配置され、埋め込まれる。本発明の組成物は繊維基材に対し良好な接着性を示す。低減された粘度のために、欠陥のないマトリックスを製造することができ、特に成形品における気泡が回避される。さらなる利点は、遅い反応性により、繊維の良好な埋め込みが可能になることである。複合部材の過加熱が回避され、そのため、敏感な繊維材料へ損害を及ぼすことが回避される。混合物の相分離は架橋されたポリマーの特性の低下をもたらさず、むしろ適用特性を改善する。
【実施例】
【0059】
以下の実施例は本発明を説明する。
【0060】
実施例1:
成分A
ポリエーテルトリオール(アミン不含、Mn 約350)
成分B
MDI 異性体混合物
NCO:OH比 1.5:1
【0061】
方法:該成分を、水分の除去を伴い、高速撹拌機を用いて容器中で混合し、その後、該混合物を撹拌しながら真空下で脱気する。
【0062】
構成成分は、混合後3分、5分および7分で明らかに曇っていた。
【0063】
構成成分を混合し粘度(25℃)を測定した。
粘度: 開始時 190mPas
5分 270mPas
10分 480mPas
【0064】
長いオープンタイムが存在した。
【0065】
実施例2:
成分AおよびBを、0.2%DABCOと共に、1.15:1のNCO:OH比で混合した。
【0066】
該混合物は4分および7分後になお曇っていた。
【0067】
製造直後に、試験片(4mm厚)を試料から鋳造し、95℃(45分)および130℃(60分)で架橋した。
【0068】
架橋した試料は、約2700MPa(25℃)のE-モジュラスを示した。
本発明の好ましい態様は、以下を包含する。
[1]・10〜80重量%の、200g/mol〜3000g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリオール、
・5〜70重量%の少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート、
・0〜15重量%の添加剤
を含有する二成分型ポリウレタン組成物であって、
ここで、該組成物は2:1〜1:2のNCO:OH比を有し、該組成物は20〜3000m
Pas(EN ISO 2555、ブルックフィールド粘度計、25℃)の粘度を有し、混
合後に相不相溶性を示し、ポリオール混合物の官能性は2.3より大きい、二成分型ポリ
ウレタン組成物。
[2]前記混合物は、1000mPas(25℃)より低い粘度を有することを特徴とする、[1]に記載の二成分型ポリウレタン組成物。
[3]MDIおよびその異性体に由来する少なくとも50mol%のイソシアネート基を含有することを特徴とする、[1]または[2]に記載の二成分型ポリウレタン組成物。
[4]2.5より大きい平均官能性を有するポリエステルポリオールおよび/または特にポリエーテルポリオールを、ポリオールとして使用することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の二成分型ポリウレタン組成物。
[5]錯生成剤としてのポリヒドロキシ化合物を有する、第3級アミンまたはSn化合物、特にSn触媒を、触媒として使用することを特徴とする、ここで、該錯生成剤は環状α−ヒドロキシケトンまたは1-アルキル-2,3,4-トリフェノールから選択される、[1]〜[4]のいずれかに記載の二成分型ポリウレタン組成物。
[6]架橋された組成物は60℃を超えるガラス転移温度Tgを有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の二成分型ポリウレタン組成物。
[7]イソシアネート基の量が、カルボジイミドおよびその誘導体、特にウレトンイミンへの反応により減少することを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の二成分型ポリウレタン組成物。
[8]架橋された組成物は1000MPaより高いEモジュラスを有することを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の二成分型ポリウレタン組成物。
[9]繊維材料を有する外部型を提供し、[1]〜[8]のいずれかに記載の液状二成分型ポリウレタン組成物を該型中に圧力下で導入し、ここで、該組成物は相不相溶性の状態で導入される、繊維複合材料の製造方法。
[10]成形品に基づいて60%(体積%)を超える繊維割合が使用されることを特徴とする、[9]に記載の方法。
[11]充填された型を120℃以下の温度で硬化させることを特徴とする、[9]または[10]に記載の方法。
[12]組成物を混合直後に脱気することを特徴とする、[9]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13]少なくとも60%の合成繊維材料、および、[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物から得られる、40%以下の架橋された二成分型ポリウレタン組成物を含有する、繊維複合材料。
[14]マトリックス結合剤は60℃を超えるTgを有することを特徴とする、[13]に記載の繊維複合材料。