【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る搬送物の姿勢制御装置は、
搬送物をコンベア上で搬送しながら姿勢制御する搬送物の姿勢制御装置であって、
コンベア面の幅方向に傾斜して配置された主コンベアと、
前記主コンベアの傾斜下方側のコンベア面上又は傾斜下方側の側辺近傍に設けられ、前記主コンベア上における前記搬送物の幅方向位置を規制するためのガイドと、
前記主コンベアの傾斜上方の側辺に沿って設けられ、前記主コンベア側に傾斜して配置され、前記主コンベアの進行方向と同一方向で前記主コンベアの搬送速度より大きい搬送速度で駆動されるサイドコンベアと、を備え、
前記サイドコンベアは前記主コンベアの傾斜角度より大きい傾斜角度を有し、
前記ガイドと前記サイドコンベアとの間の間隔は、前記搬送物が目標姿勢にないとき、前記搬送物が前記ガイド及び前記サイドコンベアに接すると共に、前記搬送物が目標姿勢にあるとき、前記搬送物が前記ガイドのみに接する間隔に設定されている。
【0009】
前記構成(1)によれば、前記主コンベアは幅方向に傾斜し、かつ前記ガイドは主コンベアの傾斜下方のコンベア面上又は傾斜下方側の側辺近傍に配置されているので、前記搬送物はガイドに接しながら主コンベア上を搬送される。
前記搬送物が目標姿勢にないとき、前記搬送物は前記サイドコンベアに接する。そのため、搬送物はガイドを支点としてサイドコンベアから回転モーメントを付与され、回転して目標姿勢となる。搬送物は目標姿勢となったときサイドコンベアから離れるので、これ以上回転することなく、目標姿勢を保持したまま主コンベア上を搬送される。
【0010】
また、サイドコンベアは主コンベア側に傾斜し、かつ主コンベアより傾斜角度が大きいので、搬送物が目標姿勢にないとき、搬送物の一端側がサイドコンベアに接し、サイドコンベアから上昇方向の力を付与される。そのため、搬送物と主コンベア間の摩擦抵抗は軽減され、目標姿勢に向けた回転が容易になり、確実に目標姿勢にすることができる。
【0011】
(2)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、
前記搬送物は非円形断面を有している。
前記構成(2)によれば、前記搬送物が目標姿勢にないとき、前記搬送物は前記サイドコンベアに接する。そのため、搬送物はガイドを支点としてサイドコンベアから回転モーメントを付与され、回転して目標姿勢となる。搬送物は目標姿勢となったときサイドコンベアから離れるので、これ以上回転することなく、目標姿勢を保持したまま主コンベア上を搬送される。
【0012】
(3)幾つかの実施形態では、前記構成(1)又は(2)において、
前記ガイドは、前記主コンベアの幅方向位置を調整可能に構成されている。
前記構成(3)によれば、搬送物の形状又は大きさが変わっても、前記ガイドと前記サイドコンベアとの間の間隔を、常に、搬送物が目標姿勢にないとき、搬送物がガイド及びサイドコンベアに接すると共に、搬送物が目標姿勢にあるとき、搬送物がガイドのみに接する間隔(以下、「姿勢制御可能間隔」とも言う。)に設定できる。そのため、目標姿勢への姿勢制御を確実に行うことができる。
【0013】
(4)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(3)の何れかにおいて、
前記搬送物は異方形断面を有し、長手方向が前記ガイドに沿う方向に向いたときを目標姿勢とする。
本明細書において、「異方形断面」とは方向によって断面の長さが異なる形状を言う。例えば、正方形断面、長方形断面、楕円断面等がこれに含まれ、正円断面は除かれる。
前記構成(4)によれば、長手方向がガイドに沿う方向に向いたときを目標姿勢とすれば、搬送物は目標姿勢となったときサイドコンベアから離れ、回転モーメントが付加されなくなるので、搬送物はその目標姿勢を維持したまま搬送される。
【0014】
(5)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(4)の何れかにおいて、
前記搬送物は食品の凍結体である。
食品の凍結体は硬質である。本明細書において、「硬質」とは、ある一定以上の硬さを有し、任意の方向から任意の過大でない力が加えられたときに、実質的に形状が変わらない性質を言う。ハンバーガパティなどの冷凍食品が該当する。なお、冷凍食品ではないが、食品などの物品が入った樹脂製のトレイ、何等かの収納物が入った容器又はダンボール箱等も「硬質」に該当する。
前記構成(5)によれば、搬送物が目標姿勢でないとき、搬送物の一端はサイドコンベアに接し、サイドコンベアから上昇力を受けるので、搬送物と主コンベアとの間に隙間が生じる。これによって、搬送物と主コンベア間の摩擦抵抗が大きく軽減されるので、搬送物の姿勢制御が容易になる。
【0015】
(6)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(5)の何れかにおいて、
前記主コンベアの傾斜角度及び前記サイドコンベアの傾斜角度は鋭角である。
前記構成(6)によれば、搬送物に働く重力のコンベア幅方向の分力を小さくできるので、搬送物の搬送方向への搬送及び姿勢制御を円滑に行うことができる。
例えば、0°<主コンベアの傾斜角度θ1<サイドコンベアの傾斜角度θ2<40°とすれば、さらに、搬送物に働く重力のコンベア幅方向の分力を小さくできるので、搬送物の搬送方向への搬送及び姿勢制御を円滑に行うことができる。
【0016】
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る搬送物の姿勢制御方法は、
前記構成(1)を有する搬送物の姿勢制御装置を用いた姿勢制御方法であって、
前記ガイドの前記主コンベアの幅方向位置を、前記搬送物が目標姿勢であるとき前記ガイドに接触し、かつ前記サイドコンベアのコンベア面に接触せず、前記搬送物が目標姿勢でないとき前記ガイド及び前記サイドコンベアのコンベア面に接触するように調整するガイド位置調整ステップと、
前記搬送物が目標姿勢でないとき、前記サイドコンベアを前記主コンベアより速く搬送し、前記搬送物に対して前記ガイドを支点とする回転モーメントを付与する姿勢制御ステップと、
前記搬送物が目標姿勢となったとき、前記搬送物は前記サイドコンベアから離れ、前記目標姿勢に保持される目標姿勢保持ステップと、を備えている。
【0017】
前記(7)の方法によれば、前記ガイド位置調整ステップでガイドをコンベア幅方向の所定位置に調整するので、主コンベア上で前記搬送物が目標姿勢にないとき、搬送物はサイドコンベアに接するので、搬送物は前記ガイドを支点としてサイドコンベアから回転モーメントを付与される。搬送物が回転して目標姿勢となったとき、搬送物はサイドコンベアから離れるので、搬送物はこれ以上回転することなく、目標姿勢を保持したまま主コンベア上を搬送される。
【0018】
(8)幾つかの実施形態では、前記(7)の方法において、
前記搬送物は異方形断面を有し、長手方向が前記ガイドに沿う方向に向いたときを目標姿勢とする。
前記(8)の方法によれば、長手方向がガイドに沿う方向に向いたときを目標姿勢とすれば、搬送物は目標姿勢のときサイドコンベアから離れるので、搬送物はその目標姿勢を維持したまま搬送される。
【0019】
(9)幾つかの実施形態では、前記(7)又は(8)の方法において、
前記姿勢制御ステップにおいて、
前記搬送物が目標姿勢でないとき、搬送物の一端側がサイドコンベアに接して上昇力を受け、前記搬送物が前記主コンベアに付加する重量を軽減する。
前記(9)の方法によれば、サイドコンベアから搬送物に回転モーメントを付加するとき、搬送物と主コンベア間の摩擦抵抗を軽減できるので、搬送物をスムーズに回転させることができる。これによって、搬送物の姿勢制御が容易になる。