(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態は、フォトリソグラフィポイズニングを低減するための酸化プラズマ後処理のための技法および関連する構造について説明する。以下の詳細な説明では、本出願の一部分を形成する添付の図面への参照が行われ、図面では、同じ番号は全体を通して同じ部分を示し、本開示の主題が実施され得る実施形態が例として示される。本開示の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用され得、構造的または論理的変更が行われ得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味に取られるべきではなく、実施形態の範囲は添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される。
【0012】
本開示では、「Aおよび/またはB」という句は、(A)、(B)、または(AおよびB)を意味する。本開示では、「A、B、および/またはC」という句は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、BおよびC)を意味する。
【0013】
説明では、上部/下部、側部、の上/下など、視点ベースの説明を使用することがある。そのような説明は、議論を容易にするために使用されるものにすぎず、本明細書で説明する実施形態の適用例をいかなる特定の方向にも制限するものではない。
【0014】
説明では、「一実施形態では」、あるいは同じまたは異なる実施形態のうちの1つまたは複数をそれぞれ指し得る「実施形態では」という句を使用することがある。さらに、本開示の実施形態に関して使用される「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、同義である。
【0015】
本明細書では、「に結合された」という用語が、それの派生形とともに、使用されることがある。「結合された」は、以下のうちの1つまたは複数を意味し得る。「結合された」は、2つ以上の要素が直接物理的または電気的に接触していることを意味し得る。しかしながら、「結合された」は、2つ以上の要素が互いに間接的に接触しているが、それでも依然として互いに協働または相互作用し得ることをも意味し得、互いに結合されたと言われる要素間に1つまたは複数の他の要素が結合または接続されることを意味し得る。「直接結合された」という用語は、2つ以上の要素が直接接触していることを意味し得る。
【0016】
様々な実施形態では、「第2の特徴上に形成、堆積、または他の方法で配設された第1の特徴」という句は、第1の特徴が第2の特徴にわたって形成、堆積、または、配設されることを意味し得、第1の特徴の少なくとも一部分は、第2の特徴の少なくとも一部分と直接接触している(例えば、直接物理的および/または電気的に接触している)か、あるいは間接的に接触している(例えば、第1の特徴と第2の特徴との間に1つまたは複数の他の特徴を有する)ことがある。
【0017】
本明細書で使用する「モジュール」という用語は、1つまたは複数のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行する特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有、専用、もしくはグループ)、および/またはメモリ(共有、専用、もしくはグループ)、組合せ論理回路、ならびに/あるいは説明する機能を提供する他の好適な構成要素を指すか、それらの一部分であるか、またはそれらを含み得る。
【0018】
図1は、いくつかの実施形態による、ウエハ形態150および単一化形態160における例示的なダイ154の上面図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、ダイ154は、例えば、シリコンまたは他の好適な材料など、半導体材料から構成されたウエハ152の複数のダイ(例えば、ダイ154、156、158)のうちの1つであり得る。複数のダイはウエハ152の表面上に形成され得る。ダイの各々は、本明細書で説明する1つまたは複数のルーティング特徴(例えば、
図3の様々なビアおよびトレンチ)を含む半導体製品の繰返しユニットであり得る。例えば、ダイ154は、1つまたは複数のトランジスタデバイスまたはソース/ドレイン領域の移動電荷キャリアのためのチャネル経路を提供する、例えば、1つまたは複数のチャネル本体(例えば、フィン構造、ナノワイヤ、プレーナ本体など)などのトランジスタ構造162を有する回路を含み得る。
【0019】
トランジスタ構造162にまたはそこから電気エネルギーをルーティングするために、例えば、端子接点、トレンチおよび/またはビアなど、電気的相互接続構造が1つまたは複数のトランジスタ構造162上に形成され、それらに結合され得る。例えば、相互接続構造は、トランジスタデバイスの動作のために移動電荷キャリアを提供するためのしきい値電圧および/またはソース/ドレイン電流の供給のためのゲート電極を提供するために、チャネル本体に電気的に結合され得る。相互接続構造は、例えば、
図2の相互接続層216中に配設され得る。トランジスタ構造162は、
図1では簡単のためにダイ154のかなりの部分を横切る行で示されているが、トランジスタ構造162は、他の実施形態では、例えば、図示されたものよりもはるかに小さい寸法を有する垂直および水平特徴を含む、ダイ154上の多種多様な他の好適な構成のいずれでも構成され得ることを理解されたい。
【0020】
ダイ中に具備される半導体製品の作製プロセスが完了した後に、ウエハ152は、半導体製品の個別「チップ」を提供するためにダイの各々(例えば、ダイ154)が互いに分離される、シンギュレーションプロセスを受け得る。ウエハ152は様々なサイズのいずれでもあり得る。いくつかの実施形態では、ウエハ152は、約25.4mmから約450mmにわたる直径を有する。ウエハ152は、他の実施形態では他のサイズおよび/または他の形状を含み得る。様々な実施形態によれば、トランジスタ構造162は、ウエハ形態150または単一化形態160で半導体基板上に配設され得る。本明細書で説明するトランジスタ構造162は、論理またはメモリ、またはそれらの組合せのためにダイ154に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、トランジスタ構造162はシステムオンチップ(SoC)アセンブリの一部分であり得る。
【0021】
図2は、いくつかの実施形態による、集積回路(IC)アセンブリ200の断面側面図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、ICアセンブリ200は、パッケージ基板230に電気的および/または物理的に結合された1つまたは複数のダイ(以下、「ダイ210」)を含み得る。いくつかの実施形態では、ダイ210は、
図1のダイ154に関して説明した実施形態に適合し得る。いくつかの実施形態では、パッケージ基板230は、わかるように、回路板240に電気的に結合され得る。いくつかの実施形態では、集積回路(IC)アセンブリ200は、様々な実施形態によれば、ダイ154、パッケージ基板230および/または回路板240のうちの1つまたは複数を含み得る。フォトリソグラフィポイズニングを低減するための酸化プラズマ後処理のための技法および関連する構造について本明細書で説明する実施形態は、様々な実施形態による任意の好適なICデバイスにおいて実装され得る。
【0022】
ダイ210は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)デバイスを形成することに関連して使用される薄膜堆積、リソグラフィ、エッチングなどの半導体作製技法を使用して半導体材料(例えば、シリコン)から作られた個別の製品を表し得る。いくつかの実施形態では、ダイ210は、プロセッサ、メモリ、SoC、またはASICであるか、それらを含むか、またはそれらの一部分であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、成形コンパウンドまたはアンダーフィル材料などの電気絶縁性材料(図示せず)がダイ210および/またはダイレベル相互接続構造220の少なくとも一部分をカプセル化し得る。
【0023】
ダイ210は、例えば、図示のように、フリップチップ構成でパッケージ基板230に直接結合されることを含む、多種多様な好適な構成に従ってパッケージ基板230に取り付けられ得る。フリップチップ構成では、回路を含むダイ210の活性側面S1が、バンプ、ピラー、または他の好適な構造などのダイレベル相互接続構造220を使用してパッケージ基板230の表面に取り付けられ、ダイレベル相互接続構造220はまた、ダイ210をパッケージ基板230に電気的に結合し得る。ダイ210の活性側面S1は、例えば、トランジスタデバイスなど、能動デバイスを含み得る。不活性側面S2は、わかるように、活性側面S1の反対側に配設され得る。
【0024】
ダイ210は、概して、半導体基板212と、1つまたは複数のデバイス層(以下、「デバイス層214」)と、1つまたは複数の相互接続層(以下、「相互接続層216」)とを含み得る。半導体基板212は、いくつかの実施形態では、実質的に、例えば、シリコンなどのバルク半導体材料から構成され得る。デバイス層214は、トランジスタデバイスなどの能動デバイスが半導体基板上に形成される領域を表し得る。デバイス層214は、例えば、トランジスタデバイスのチャネル本体および/またはソース/ドレイン領域など、トランジスタ構造を含み得る。相互接続層216は、デバイス層214中の能動デバイスにまたはそこから電気信号をルーティングするように構成された相互接続構造(例えば、電極端子)を含み得る。例えば、相互接続層216は、電気的ルーティングおよび/または接点を提供するために水平ライン(例えば、トレンチ)および/または垂直プラグ(例えば、ビア)あるいは他の好適な特徴を含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、ダイレベル相互接続構造220は、相互接続層216に電気的に結合され、ダイ210と他の電気デバイスとの間で電気信号をルーティングするように構成され得る。電気信号は、例えば、ダイ210の動作に関連して使用される入出力(I/O)信号および/または電力/接地信号を含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、パッケージ基板230は、例えば、味の素ビルドアップフィルム(ABF)基板など、コアおよび/またはビルドアップ層を有するエポキシ系積層基板である。パッケージ基板230は、他の実施形態では、例えば、ガラス、セラミック、または半導体材料から形成された基板を含む、他の好適なタイプの基板を含み得る。
【0027】
パッケージ基板230は、ダイ210にまたはそこから電気信号をルーティングするように構成された電気的ルーティング特徴を含み得る。電気的ルーティング特徴は、電気信号をパッケージ基板230を通ってルーティングするために、例えば、パッケージ基板230の1つまたは複数の表面上に配設されたパッドまたはトレース(図示せず)、ならびに/あるいは、例えば、トレンチ、ビア、または他の相互接続構造などの内部ルーティング特徴(図示せず)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、パッケージ基板230は、ダイ210のそれぞれのダイレベル相互接続構造220を受容するように構成されたパッド(図示せず)などの電気的ルーティング特徴を含み得る。
【0028】
回路板240は、エポキシ積層などの電気絶縁性材料から構成されたプリント回路板(PCB)であり得る。例えば、回路板240は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、難燃剤4(FR−4)、FR−1などのフェノールコットンペーパー材料、CEM−1もしくはCEM−3などのコットンペーパーおよびエポキシ材料、またはエポキシ樹脂プリプレグ材料を使用して一緒に積層された織物状ガラス材料などの材料から構成された電気絶縁層を含み得る。トレース、トレンチ、またはビアなどの相互接続構造(図示せず)は、ダイ210の電気信号を回路板240を通ってルーティングするために電気絶縁層を通って形成され得る。回路板240は、他の実施形態では他の好適な材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、回路板240はマザーボード(例えば、
図6のマザーボード602)である。
【0029】
パッケージ基板230と回路板240との間で電気信号をさらにルーティングするように構成された対応するはんだ接合を形成するために、例えば、はんだボール250などのパッケージレベル相互接続が、パッケージ基板230上のおよび/または回路板240上の1つまたは複数のパッド(以下、「パッド260」)に結合され得る。パッド260は、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、およびそれらの組合せを含む金属など、任意の好適な導電性材料から構成され得る。他の実施形態では、パッケージ基板230を回路板240に物理的および/または電気的に結合するための他の好適な技法が使用され得る。
【0030】
ICアセンブリ200は、他の実施形態では、例えば、フリップチップおよび/またはワイヤボンディング構成、インターポーザー、およびシステムインパッケージ(SiP)を含むマルチチップパッケージ構成および/またはパッケージオンパッケージ(PoP)構成の好適な組合せを含む、多種多様な他の好適な構成を含み得る。いくつかの実施形態では、ダイ210とICアセンブリ200の他の構成要素との間で電気信号をルーティングするための他の好適な技法が使用され得る。
【0031】
図3は、いくつかの実施形態による、ICデバイス300の相互接続層310、320、330、340、および350の断面側面図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、ICデバイス300の相互接続層310、320、330、340、または350は
図2の相互接続層216の一部分であり得る。様々な実施形態では、相互接続層は、例えば、銅またはアルミニウムなど、金属を含む導電性材料から構成され得る様々な相互接続構造を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、相互接続構造304は、例えば、銅など、導電性材料で充填された(「ライン」と呼ばれることがある)トレンチ構造308および/または(「ホール」と呼ばれることがある)ビア構造306を含み得る。相互接続構造304は、相互接続層のスタックを通って電気信号のルーティングを提供する層間相互接続であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、トレンチ構造308は、相互接続層、例えば、相互接続層310と実質的に平行である平面の方向に電気信号をルーティングするように構成され得る。例えば、トレンチ構造308は、いくつかの実施形態では、
図3の視点ではページの内側および外側の方向に電気信号をルーティングし得る。ビア構造306は、トレンチ構造308と実質的に直角である平面の方向に電気信号をルーティングするように構成され得る。いくつかの実施形態では、ビア構造306は、異なる相互接続層320および330のトレンチ構造308を互いに電気的に結合し得る。
【0034】
相互接続層310、320、330、340、および350は、わかるように、相互接続構造304間に配設された誘電体材料302を含み得る。誘電体材料302は、例えば層間誘電体(ILD)材料を含む、多種多様な好適な電気絶縁性材料のいずれかを含み得る。誘電体材料302は、低k誘電体材料など、集積回路構造における誘電体材料の適用可能性について知られている誘電体材料を使用して形成され得る。使用され得る誘電体材料の例は、限定はしないが、酸化ケイ素(SiO
2)、炭素ドープ酸化物(CDO)、窒化ケイ素、ペルフルオロシクロブタンまたはポリテトラフルオロエチレンなどの有機ポリマー、フルオロケイ酸塩ガラス(FSG)、およびシルセスキオキサン、シロキサン、または有機ケイ酸塩ガラスなどの有機シリケートを含む。誘電体材料302は、誘電体材料の誘電率をさらに低減するために孔または他の空隙を含み得る。誘電体材料302は、他の実施形態では他の好適な材料を含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、相互接続層310、320、330、340、または350は障壁ライナー348を含み得る。いくつかの実施形態では、障壁ライナー348は、わかるように、相互接続構造304の金属と誘電体材料302との間に、および/または異なる相互接続層(例えば、相互接続層330、340)の隣接する相互接続構造304の金属間に配設され得る。いくつかの実施形態では、障壁ライナー348は、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、またはタングステン(W)など、Cu以外の材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、障壁ライナー348は窒化タンタル(TaN)を含み得る。障壁ライナー348は、他の実施形態では他の好適な材料を含み得る。
【0036】
相互接続層340は、下位層中の特徴の酸化または他の腐食を防ぐように構成された密封誘電体層370を含み得る。密封誘電体層370は、相互接続層340の誘電体層を形成する誘電体材料302と、相互接続層330の誘電体層を形成する誘電体材料302との間に配設され得る。密封誘電体層370は、誘電体材料302とは異なる化学組成を有し得る。いくつかの実施形態では、密封誘電体層370は、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、シリコン酸窒化物、炭素ドープシリコン窒化物、炭素ドープシリコン酸窒化物などから構成され得る。密封誘電体層370は、誘電体材料302の厚さよりも小さい厚さを有し得る。様々な実施形態では、相互接続層340と同様に構成された他の相互接続層が相互接続層340上に積層され得る。
【0037】
様々な実施形態では、密封誘電体層370は、ビア構造およびトレンチ構造が同時に作製され得るダマシンプロセスにおいてエッチ停止(ES)層370またはキャッピング層として知られていることもある。様々な実施形態では、相互接続層340に対するフォトリソグラフィポイズニング効果を低減するためにES層370に酸化プラズマ後処理が適用され得る。ES層370のセグメント360は、ES層370内の異なる領域を示すために拡大されている。いくつかの実施形態では、ES層370は、相互接続層330に結合された第1の界面領域362と、相互接続層340に結合された第2の界面領域366とを有し得る。様々な実施形態では、第2の界面領域366は、相互接続層340をさらに堆積する前に酸化プラズマ368に基づいて後処理を受け得る。
【0038】
相互接続構造304、306、308、332、334、342、344、または346は、多種多様な設計に従って電気信号をルーティングするように相互接続層310、320、330、340、または350内に構成され得、
図3に示されている相互接続構造の特定の構成に限定されない。
図3には特定の相互接続層310、320、330、340、および350が示されているが、本開示の実施形態は、図示されたものより多いまたはより少ない相互接続層を有するICデバイスを含む。
【0039】
図4は、いくつかの実施形態による、(例えば、
図3のエッチ停止層370に適用される)酸化プラズマ後処理のプロセス400のための流れ図を概略的に示す。プロセス400は、
図1〜
図3に関して説明した実施形態に適合し得、その逆も同様である。
【0040】
410において、プロセス400は、誘電体層において複数のルーティング特徴を形成することを含み得る。いくつかの実施形態では、複数のルーティング特徴を形成することは、デュアルダマシンプロセスにおいて複数のビアおよびトレンチを形成することを含む。一例として、
図3に関して、デュアルダマシンプロセスにおいてルーティング特徴、例えば、ビア332およびトレンチ334が作製され得る。ダマシンプロセスは、例えば、誘電体材料302上でリソグラフィおよびエッチング技法を使用する堆積およびパターン形成によって、相互接続層330上にビア332とトレンチ334との空きパターンを形成することから開始し得る。次に、ビア332とトレンチ334との空きパターンに(例えば、タンタル(Ta)に基づく、図示せず)拡散障壁が堆積され得る。拡散障壁は、Cu接着を改善し、Cu原子がILD中に移動するのを防止し得る。次に、例えば、物理気相堆積(PVD)によって、拡散障壁の堆積の後に薄いCuシード(図示せず)が堆積され得る。次に、例えば、金属の電気めっきによって、ビア332とトレンチ334とのパターンを充填するために、選択された金属、例えば、Cuが使用され得る。
【0041】
420において、プロセス400は、誘電体層にわたってエッチ停止層を堆積させることを含み得る。様々な実施形態では、例えば、化学機械研磨プロセス(CMP)によって、前に形成されたルーティング特徴から余分の金属(例えば、Cu)を除去した後に、下位誘電体層(例えば、
図3の相互接続層330)にわたって、例えば、堆積によって、ES層(例えば、
図3のES層370)が形成され得る。ES層は、様々な実施形態では、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、シリコン酸窒化物、炭素ドープシリコン窒化物、炭素ドープシリコン酸窒化物などから構成され得る。
【0042】
ES層は、上位誘電体層、例えば、
図3の相互接続層340のエッチング中に、下位相互接続構造、例えば、
図3のビア332およびトレンチ334を保護し得る。いくつかの実施形態では、ES層は拡散障壁としても働き得る。いくつかの実施形態では、ES層は、ビア構造の形成を促進するための反射防止コーティング(ARC)としても働き得る。
【0043】
430において、プロセス400は、二酸化炭素(CO
2)と窒素(N
2)とを含むプラズマ処理(以下、「CO
2/N
2プラズマ」)を用いてエッチ停止層を酸化させることを含み得る。様々な実施形態では、CO
2/N
2プラズマを用いた酸化プラズマ後処理は、例えば、第1の領域362のバルクESフィルム特性を改変することなしにES層の表面(例えば、第2の領域366)を酸化させ得る。したがって、ES層は、密封性、共形性、誘電率など、それの特性を保持し得る。
【0044】
一例として、
図3に関して、酸化プラズマ368は、例えば、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセスにおいて、ES層370に適用され得る。酸化プラズマ368は、ES層370の第2の界面領域366からフォトリソグラフィの顕著な化学的性質を取り除く効果とともに第2の界面領域366を酸化させ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、N
2O/O
2プラズマが使用され得る。N
2O/O
2プラズマは有効であり得るが、プロセスチャンバがH
2源で封じられることに安全上の危険を生じ得る。しかしながら、CO
2はH
2と相溶性であることが知られている。したがって、PECVDプロセス中にH
2源で封じられるシステムにおいてさえ、CO
2/N
2プラズマ後処理はより安全である。さらに、酸化プラズマ中のN
2ガスはイオン浸透をES層中により深く推進し得る。したがって、CO
2/N
2プラズマは、フォトリソグラフィポイズニング効果を低減するためのアミン推進パターニングプロセスにおけるより安全な解決策である。
【0046】
様々な実施形態では、CO
2/N
2プラズマ後処理は、ES層の表面領域上で著しいSiN低減およびSiO増加を引き起こし、したがって、フォトリソグラフィポイズニングを低減し得る。例えば、CO
2/N
2プラズマ後処理の後に、低減したSiNピークならびに増加したSiOピークがフーリエ変換赤外スペクトロスコピー(FTIR)スペクトルにおいて観測され得る。
【0047】
様々な実施形態では、酸化プラズマ中のN
2ガスの役割は、イオン浸透をフィルム中により深く推進することと、ウエハ内(WIW)イオンプロファイルを調整することとを含み得る。いくつかの実施形態では、N
2なしでは、プラズマはウエハのエッジを酸化させ得るが、ウエハの中心におけるそのような処理の有効性は極めて限られる。N
2を増加させると、ウエハの中心における有効性が高まり、イオンもフィルム中により深く推進する。したがって、N
2ガスは、全体的な信号強度を増加させ、ならびにWIW酸化均一性を改善し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、ウエハのためのエッチ停止層を酸化させるために、CO
2/N
2プラズマ中の9:2と1:1との間の二酸化炭素(CO
2)の窒素(N
2)に対する比が使用され得る。いくつかの実施形態では、CO
2/N
2プラズマ中の3:1と4:1との間の二酸化炭素(CO
2)の窒素(N
2)に対する比は、ウエハのためのエッチ停止層を均等に酸化させ得る。一例として、9000標準立方センチメートル毎分(SCCM)CO
2と合成された3000SCCM N
2をもつCO
2/N
2プラズマは、ES層に浸透しウエハ上のES層を均一に酸化させるのに好適な運動量を維持し得るが、ES層の基本特性を改変するのにあまり深くES層中に侵入しないことがある。CO
2/N
2プラズマ後処理を用いると、フォトリソグラフィポイズニング効果が低減されるだけでなく、WIWイオンプロファイルがより一貫性のあるものにもなり得る。さらに、ES層のバルクフィルム特性が、密封性、低k、エッチ停止能力などの他の重要なフィルム特質を満たすように調整され得る。
【0049】
様々な実施形態では、プロセス400は、相互接続構造の異なるパターンをもつより多くの層を堆積するために繰り返され得る。様々な操作について、請求する主題を理解するのに最も役立つ様式で、複数の個別の操作として順に説明した。しかしながら、説明の順序は、これらの操作が必ず順序依存であることを暗示すると解釈されるべきではない。さらに、本開示の実施形態は、所望通りに構成するために任意の好適なハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用してシステム中に実装され得る。
【0050】
図5は、いくつかの実施形態による、ウエハ上の様々な部位におけるSiO
2およびSiNの深度プロファイルを概略的に示す。二酸化炭素(CO
2)と窒素(N
2)とを含むプラズマ後処理を用いてES層を酸化させた後に、ES層における様々な変化を示すために飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)スパッタ深度プロファイルが使用され得る。例えば、深度プロファイル(DP)510はウエハの中心におけるSiO
2のTOF−SIMSスパッタ深度プロファイルを示し、DP520はウエハのエッジにおけるSiO
2のTOF−SIMSスパッタ深度プロファイルを示す。同様に、DP530はウエハの中心におけるSiNのTOF−SIMSスパッタ深度プロファイルを示し、DP540はウエハのエッジにおけるSiNのTOF−SIMSスパッタ深度プロファイルを示す。
【0051】
DP510、520、530、または540は、ウエハ表面からの深度の関数として異なる化学種(例えば、SiO
2、SiN)の分布を示す。ウエハのサンプル表面から種を除去しイオン化するために、TOF−SIMSにおいてパルスイオンビーム(例えば、セシウム(Cs)またはガリウム(Ga))が使用され得る。サンプル表面から除去された粒子(例えば、二次イオン)は質量分析計中に加速され得る。そのような粒子の質量は、次いで、サンプル表面から検出器までの粒子の飛行時間に基づいて決定され得る。したがって、二次イオンから特定の化学物質(例えば、SiO
2またはSiN)が確認され得、DP510、520、530、または540は、ウエハの表面の連続スパッタリング後のウエハ上の化学的層位を示し得る。
【0052】
DP510は2つの実験からの結果を含む。実験562は、二酸化炭素(CO2)を含むが窒素(N
2)を除く、プラズマ後処理後のウエハ上のSiO
2またはSiNのDPを表す。一方、実験564は、例えば、
図4の430に記載されている、CO
2/N
2プラズマ後処理後のウエハ上のSiO
2またはSiNのDPを表す。両方の実験は、第1の領域552および第2の領域554など、ウエハの異なる領域におけるSiO
2またはSiNの異なる発現を見せている。様々な実施形態では、領域552および554はそれぞれ
図3の領域362および366に適合し得る。
【0053】
DP510に示されているように、実験562は、第2の領域554において酸化ケイ素(SiO
2)のピーク濃度レベル(PCL)512を生成する。同様に、実験564は、第2の領域554において酸化ケイ素(SiO
2)の別のPCL514を生成する。PCL512とPCL514は両方とも、酸化プラズマ後処理が第1の領域552ではなく第2の領域554に適用されたことを示している。さらに、DP510に示されているように、第1の領域552には酸化ケイ素(SiO
2)がなく、これは、酸化プラズマがバルクフィルムによって減衰されることを示し、処理に直接露出されたフィルムの上部領域への影響のみを示している。したがって、少なくとも第1の領域552におけるバルクフィルム組成は処理による影響を受けない。
【0054】
さらに、第2の領域554の最外表面におけるSiO
2の濃度は、(例えば、第1の領域552におけるSiO
2の実質的に0の濃度と比較して)すでに観測可能レベル516にあり、これにより、概して酸化プラズマ後処理の有効性が証明されることに留意されよう。さらに、PCL514はPCLレベル512よりも2倍以上大きく、これにより、例えば、N
2なしの酸化プラズマ後処理と比較して、特にCO
2/N
2プラズマ後処理の有効性が証明され得る。そのような差異は、CO
2/N
2プラズマ後処理においてウエハ中により深く推進するためのN
2の有効性によって生起し得る。
【0055】
DP520に示されているように、実験562は、第2の領域554においてSiO
2のPCL522を生成する。同様に、実験564は、第2の領域554においてSiO
2のPCL524を生成する。DP510におけるそれらの相対物と比較して、N
2なしの実験562は、ウエハの中心部位とエッジ部位との間の酸化の不一致を示している。しかしながら、CO
2/N
2プラズマ後処理を用いた実験564は、中心部位とエッジ部位との間の酸化の全般的均一性を示している。
【0056】
DP530に示されているように、実験562と実験564の両方は、第2の領域554の最外表面534におけるSiNの濃度がES層における最低濃度レベルにあることを示している。その後、SiNの濃度は、第2の領域554にわたって増加し、深度532の辺りでピークレベルになり、その後、濃度は実質的に一定になる。DP530におけるエッチ停止層の最外表面534から増加しているSiN濃度プロファイルは、酸化プラズマを受ける第2の領域554からフォトリソグラフィポイズニング化学物質(例えば、SiNを含むアミン)を追い出すための酸化プラズマ後処理の有効性を概して証明し得る。したがって、エッチ停止層のポイズニング効果は後続のリソグラフィ処理中に減少され得る。
【0057】
DP540は、最外表面544から深度542までSiNが大いに追い出されたという同様の効果を例証し得る。DP530とDP510を組み合わせることで、酸化プラズマ後処理は、第2の領域554中などのES層の最外領域においてSiNをSiO
2に変換するが、第1の領域552などのES層中にさらに深くは変換しないことがあることが明らかであろう。
【0058】
図6は、いくつかの実施形態による、本明細書で説明するES層(例えば、
図3のES層370)を有するICデバイス(例えば、
図3のICデバイス300)を含み得る例示的なシステム(例えば、コンピューティングデバイス600)を概略的に示す。コンピューティングデバイス600の構成要素は筐体中(図示せず)に格納され得る。マザーボード602は、限定はしないが、プロセッサ604および少なくとも1つの通信チップ606を含む、いくつかの構成要素を含み得る。プロセッサ604は、マザーボード602に物理的および電気的に結合され得る。いくつかの実装形態では、少なくとも1つの通信チップ606も、マザーボード602に物理的および電気的に結合され得る。さらなる実装形態では、通信チップ606はプロセッサ604の一部分であり得る。
【0059】
コンピューティングデバイス600の用途に応じて、コンピューティングデバイス600は、マザーボード602に物理的および電気的に結合されることも結合されないこともある、他の構成要素を含み得る。これらの他の構成要素は、限定はしないが、揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、不揮発性メモリ(例えば、読取り専用メモリ(ROM))、フラッシュメモリ、グラフィックスプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、暗号プロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリー、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、全地球測位システム(GPS)デバイス、コンパス、ガイガーカウンター、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、カメラ、および(ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)などの)大容量ストレージデバイスを含み得る。
【0060】
通信チップ606は、コンピューティングデバイス600との間でデータの転送のためのワイヤレス通信を可能にし得る。「ワイヤレス」という用語およびそれの派生形は、非固体媒体を通して変調された電磁放射の使用によってデータを通信し得る、回路、デバイス、システム、方法、技法、通信チャネルなどについて説明するために使用され得る。この用語は、関連するデバイスがどんなワイヤも含まないことを暗示するものではないが、いくつかの実施形態では、デバイスはワイヤを含まないことがあろう。通信チップ606は、限定はしないが、Wi−Fi(IEEE802.11ファミリー)、IEEE802.16規格(例えば、IEEE802.16−2005補正)を含む米国電気電子技術者協会(IEEE)規格、何らかの補正、更新、および/または改訂(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、(「3GPP2」とも呼ばれる)ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)プロジェクトなど)を伴うロングタームエボリューション(LTE)プロジェクトを含む、いくつかのワイヤレス規格またはプロトコルのいずれかを実装し得る。IEEE802.16互換ブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)ネットワークは一般にWiMAXネットワークと呼ばれ、これは、IEEE802.16規格のための適合性および相互運用性試験に合格する製品のための認証マークである、Worldwide Interoperability for Microwave Accessを表す頭文字である。通信チップ606は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)、高速パケットアクセス(HSPA)、発展型HSPA(E−HSPA)、またはLTEネットワークに従って動作し得る。通信チップ606は、GSM(登録商標)進化型高速データ(EDGE)、GSM(登録商標) EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)、または発展型UTRAN(E−UTRAN)に従って動作し得る。通信チップ606は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、デジタル拡張コードレス電気通信(DECT)、エボリューションデータオプティマイズド(EV−DO)、それらの派生物、ならびに3G、4G、5G、およびそれ以降と呼ばれる任意の他のワイヤレスプロトコルに従って動作し得る。通信チップ606は、他の実施形態では他のワイヤレスプロトコルに従って動作し得る。
【0061】
コンピューティングデバイス600は複数の通信チップ606を含み得る。例えば、第1の通信チップ606は、Wi−FiおよびBluetooth(登録商標)など、より短距離のワイヤレス通信に専用であり得、第2の通信チップ606は、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、EV−DOなど、より長距離のワイヤレス通信に専用であり得る。
【0062】
コンピューティングデバイス600のプロセッサ604は、フォトリソグラフィポイズニングを低減するためにCO
2/N
2プラズマ後処理を使用して酸化された少なくとも1つのES層(例えば、
図3のES層370)を有するダイ(例えば、
図2のダイ210)を含み得る。ダイ210は、マザーボード602などの回路板上に取り付けられたパッケージアセンブリ中に取り付けられ得る。「プロセッサ」という用語は、レジスタおよび/またはメモリからの電子データを処理して、その電子データをレジスタおよび/またはメモリに記憶され得る他の電子データに変換する任意のデバイスまたはデバイスの部分を指し得る。
【0063】
通信チップ606はまた、本明細書で説明するようにフォトリソグラフィポイズニングを低減するためにCO
2/N
2プラズマ後処理を使用して酸化された少なくとも1つのES層(例えば、
図3のES層370)を有するダイ(例えば、
図2のダイ210)を含み得る。さらなる実装形態では、コンピューティングデバイス600内に格納された別の構成要素(例えば、メモリデバイスまたは他の集積回路デバイス)も、本明細書で説明するようにフォトリソグラフィポイズニングを低減するためにCO
2/N
2プラズマ後処理を使用して酸化された少なくとも1つのES層(例えば、
図3のES層370)を有するダイ(例えば、
図2のダイ210)を含んでいることがある。
【0064】
様々な実装形態では、コンピューティングデバイス600は、モバイルコンピューティングデバイス、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ウルトラモバイルPC、モバイルフォン、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンターテインメントコントロールユニット、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤ、またはデジタルビデオレコーダであり得る。さらなる実装形態では、コンピューティングデバイス600は、データを処理する任意の他の電子デバイスであり得る。 例
【0065】
様々な実施形態に従って、本開示では、(例えば、集積回路(IC)構造を含む)装置について説明する。装置の例1は、複数のルーティング特徴をもつ誘電体層と、誘電体層に結合された第1の界面領域、および第1の界面領域の反対側に配設された第2の界面領域を有する、エッチ停止層とを含み得、第1の界面領域は、第1の界面領域にわたって一様に分布したピーク酸化ケイ素(SiO
2)濃度レベルを有し、第2の界面領域は、実質的に0の酸化ケイ素(SiO
2)濃度レベルを有する。
【0066】
例2は例1の装置を含み得、ピーク酸化ケイ素(SiO
2)濃度レベルは、立方センチメートルごとに少なくとも3×10
20個の原子である。例3は例1または2の装置を含み得、ピーク酸化ケイ素(SiO
2)濃度レベルは、立方センチメートルごとに少なくとも4×10
20個の原子である。例4は例1〜3のいずれかの装置を含み得、第2の界面領域の最外表面におけるSiNの濃度は、エッチ停止層におけるSiNの最低濃度であり、SiNの濃度は、第2の界面領域においてピークレベルまで増加し、第1の領域にわたって実質的に一定である。
【0067】
例5は例1〜4のいずれかの装置を含み得、第1の界面領域と第2の界面領域とにおけるSiO
2濃度レベルのプロファイルは、エッチ停止層が、第2の界面領域からの二酸化炭素(CO
2)と窒素(N
2)とを含むプラズマ処理によって処理されることに合致する。例6は例1〜5のいずれかの装置を含み得、誘電体層は第1の誘電体層であり、本装置は、ダイまたはウエハの半導体基板であって、第1の誘電体層が半導体基板上に配設された、半導体基板と、第1の誘電体層の第2の界面領域に結合された第2の誘電体層とをさらに含む。
【0068】
例7は例1〜6のいずれかの装置を含み得、第1の界面領域および第2の界面領域は同じ厚さを有する。例8は例1〜7のいずれかの装置を含み得、複数のルーティング特徴は複数のビアおよびトレンチを備え、エッチ停止層は、炭化ケイ素(SiC)を有するエッチ停止層である。
【0069】
様々な実施形態に従って、本開示では、(例えば、IC構造を作製する)方法について説明する。方法の例9は、誘電体層において複数のルーティング特徴を形成することと、誘電体層にわたってエッチ停止層を堆積させることと、二酸化炭素(CO
2)と窒素(N
2)とを含むプラズマ処理を用いてエッチ停止層を酸化させることとを含み得る。
【0070】
例10は例9の方法を含み得、複数のルーティング特徴を形成することは、デュアルダマシンプロセスにおいて複数のビアおよびトレンチを形成することを含む。例11は例9または10の方法を含み得、エッチ停止層を堆積させることは、炭化ケイ素(SiC)を堆積させることを含む。例12は例9〜11のいずれかの方法を含み得、エッチ停止層を酸化させることは、プラズマ処理のために3:1と4:1との間の二酸化炭素(CO
2)の窒素(N
2)に対する比を使用することを含む。例13は例9〜12のいずれかの方法を含み得、エッチ停止層を酸化させることは、エッチ停止層の最外領域のみにおいてSiNをSiO
2に変換することを含む。例14は例9〜13のいずれかの方法を含み得、エッチ停止層を酸化させることは、エッチ停止層の1つの表面のみにおいてピークSiO
2濃度レベルを生成することを含む。
【0071】
例15は例9〜14のいずれかの方法を含み得、エッチ停止層を酸化させることは、エッチ停止層の表面から増加するSiN濃度プロファイルを生成することを含む。例16は例15の方法を含み得、SiN濃度プロファイルは、エッチ停止層の反対側の表面のほうの方向においてピークレベルに達し、実質的にピークレベルを維持する。例17は例9〜16のいずれかの方法を含み得、エッチ停止層を酸化させることは、後続のリソグラフィ処理中にエッチ停止層のポイズニング効果を減少させることを含む。例18は例9〜17のいずれかの方法を含み得、酸化させることは、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセスにおいて実行される。例19は例9〜17のいずれかの方法を含み得、酸化させることは、水素(H
2)を有するプラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセスチャンバにおいて実行される。
【0072】
例20は、装置による命令の実行に応答して、方法9〜19のいずれかの主題を装置に実施させるように構成された命令を有する少なくとも1つの記憶媒体である。例21は、方法9〜19のいずれかの主題を実施するための手段を含み得る、集積回路(IC)構造を作製するための装置である。
【0073】
様々な実施形態に従って、本開示ではシステム(例えば、コンピューティングデバイス)について説明する。コンピューティングデバイスの例22は、回路板と、回路板に電気的に結合されたダイとを含み得、ダイは、複数のルーティング特徴をもつ誘電体層と、誘電体層に結合された第1の界面領域、および第1の界面領域の反対側に配設された第2の界面領域を有する、エッチ停止層とを含み、第1の界面領域と第2の界面領域とにおけるSiO
2濃度レベルのプロファイルは、エッチ停止層が、第2の界面領域からの二酸化炭素(CO
2)と窒素(N
2)とを含むプラズマ処理によって処理されることに合致する。
【0074】
例23は例22のシステムを含み得、第1の界面領域は、エッチ停止層にわたって一様に分布したピーク酸化ケイ素(SiO
2)濃度レベルを有し、第2の界面領域は、実質的に0の酸化ケイ素(SiO
2)濃度レベルを有する。例24は例22または23のシステムを含み得、第2の界面領域の最外表面におけるSiNの濃度は、エッチ停止層におけるSiNの最低濃度であり、SiNの濃度は、第2の領域において連続的にピークレベルまで増加し、第1の領域にわたって実質的に一定である。例25は例22〜24のいずれかのコンピューティングデバイスを含み得、ダイはプロセッサであり、システムは、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリー、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、全地球測位システム(GPS)デバイス、コンパス、ガイガーカウンター、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、およびカメラのうちの1つまたは複数を含むモバイルコンピューティングデバイスである。
【0075】
様々な実施形態は、上記で論理積形(および)で説明した実施形態の代替(または)実施形態を含む(例えば、「および」が「および/または」であり得る)、上記で説明した実施形態の任意の好適な組合せを含み得る。さらに、いくつかの実施形態は、実行されたとき、上記で説明した実施形態のいずれかの行為を生じる命令を記憶した1つまたは複数の製造品(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)を含み得る。その上、いくつかの実施形態は、上記で説明した実施形態の様々な動作を行うための任意の好適な手段を有する装置またはシステムを含み得る。
【0076】
要約書において説明されたものを含む、示された実装形態についての上記の説明は、網羅的になるように意図されたものではなく、また、本開示の実施形態を開示された厳密な形態に限定するものでもない。本明細書では説明の目的で特定の実装形態および例について説明したが、当業者なら認識されるように、本開示の範囲内で様々な等価的変更が可能である。
【0077】
これらの変更は、上記の詳細な説明に照らして本開示の実施形態に対して行われ得る。以下の特許請求の範囲において使用される用語は、本開示の様々な実施形態を、明細書および特許請求の範囲において開示される特定の実装形態に限定すると解釈されるべきではない。そうではなく、範囲は、請求項解釈の確立された教義に従って解釈されるべきである以下の特許請求の範囲によって完全に決定されるものである。
[項目1]
複数のルーティング特徴をもつ誘電体層と、
前記誘電体層に結合された第1の界面領域、および前記第1の界面領域の反対側に配設された第2の界面領域を有する、エッチ停止層とを備える、装置であって、
前記第1の界面領域は、前記第1の界面領域にわたって一様に分布したピーク酸化ケイ素(SiO2)濃度レベルを有し、前記第2の界面領域は、実質的に0の酸化ケイ素(SiO2)濃度レベルを有する、装置。
[項目2]
前記ピーク酸化ケイ素(SiO2)濃度レベルは、立方センチメートルごとに少なくとも3×1020個の原子である、項目1に記載の装置。
[項目3]
前記ピーク酸化ケイ素(SiO2)濃度レベルは、立方センチメートルごとに少なくとも4×1020個の原子である、項目1に記載の装置。
[項目4]
前記第2の界面領域の最外表面におけるSiNの濃度は、前記エッチ停止層におけるSiNの最低濃度であり、SiNの前記濃度は、前記第2の界面領域においてピークレベルまで増加し、前記第1の界面領域にわたって実質的に一定である、項目1に記載の装置。
[項目5]
前記第1の界面領域と前記第2の界面領域とにおけるSiO2濃度レベルのプロファイルは、前記エッチ停止層が、前記第2の界面領域からの二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)とを含むプラズマ処理によって処理されることに合致する、
項目1に記載の装置。
[項目6]
前記誘電体層は第1の誘電体層であり、前記装置は、
ダイまたはウエハの半導体基板であって、前記第1の誘電体層が前記半導体基板上に配設された、半導体基板と、
前記第1の誘電体層の前記第2の界面領域に結合された第2の誘電体層とをさらに備える、項目1に記載の装置。
[項目7]
前記第1の界面領域および前記第2の界面領域は同じ厚さを有する、項目1に記載の装置。
[項目8]
前記複数のルーティング特徴は複数のビアおよびトレンチを備え、前記エッチ停止層は、炭化ケイ素(SiC)を有するエッチ停止層である、項目1〜7のいずれか一項に記載の装置。
[項目9]
誘電体層において複数のルーティング特徴を形成することと、
前記誘電体層にわたってエッチ停止層を堆積させることと、
二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)とを含むプラズマ処理を用いて前記エッチ停止層を酸化させることとを含む、集積回路(IC)構造を作製する方法。
[項目10]
前記複数のルーティング特徴を形成することは、デュアルダマシンプロセスにおいて複数のビアおよびトレンチを形成することを含む、項目9に記載の方法。
[項目11]
前記エッチ停止層を堆積させることは、炭化ケイ素(SiC)を堆積させることを含む、項目9に記載の方法。
[項目12]
前記エッチ停止層を酸化させることは、前記プラズマ処理のために3:1と4:1との間の二酸化炭素(CO2)の窒素(N2)に対する比を使用することを含む、項目9に記載の方法。
[項目13]
前記エッチ停止層を酸化させることは、前記エッチ停止層の最外領域のみにおいてSiNをSiO2に変換することを含む、項目9に記載の方法。
[項目14]
前記エッチ停止層を酸化させることは、前記エッチ停止層の1つの表面のみにおいてピークSiO2濃度レベルを生成することを含む、項目9に記載の方法。
[項目15]
前記エッチ停止層を酸化させることは、前記エッチ停止層の表面から増加するSiN濃度プロファイルを生成することを含む、項目9に記載の方法。
[項目16]
前記SiN濃度プロファイルは、前記エッチ停止層の反対側の表面のほうの方向においてピークレベルに達し、実質的に前記ピークレベルを維持する、項目15に記載の方法。
[項目17]
前記エッチ停止層を酸化させることは、後続のリソグラフィ処理中に前記エッチ停止層のポイズニング効果を減少させることを含む、項目9に記載の方法。
[項目18]
前記酸化させることは、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセスにおいて実行される、項目9に記載の方法。
[項目19]
前記酸化させることは、水素(H2)を有するプラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセスチャンバにおいて実行される、項目9〜17のいずれか一項に記載の方法。
[項目20]
回路板と、
前記回路板に電気的に結合されたダイとを備えるコンピューティングデバイスであって、前記ダイは、
複数のルーティング特徴をもつ誘電体層と、
前記誘電体層に結合された第1の界面領域、および前記第1の界面領域の反対側に配設された第2の界面領域を有する、エッチ停止層とを含み、
前記第1の界面領域と前記第2の界面領域とにおけるSiO2濃度レベルのプロファイルは、前記エッチ停止層が、前記第2の界面領域からの二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)とを含むプラズマ処理によって処理されることに合致する、コンピューティングデバイス。
[項目21]
前記第1の界面領域は、前記エッチ停止層にわたって一様に分布したピーク酸化ケイ素(SiO2)濃度レベルを有し、前記第2の界面領域は、実質的に0の酸化ケイ素(SiO2)濃度レベルを有する、項目20に記載のコンピューティングデバイス。
[項目22]
前記第2の界面領域の最外表面におけるSiNの濃度は、前記エッチ停止層におけるSiNの最低濃度であり、SiNの前記濃度は、前記第2の界面領域において連続的にピークレベルまで増加し、前記第1の界面領域にわたって実質的に一定である、項目20に記載のコンピューティングデバイス。
[項目23]
前記ダイはプロセッサであり、
前記コンピューティングデバイスは、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリー、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、全地球測位システム(GPS)デバイス、コンパス、ガイガーカウンター、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、およびカメラのうちの1つまたは複数を含むモバイルコンピューティングデバイスである、項目20〜22のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。