特許第6543708号(P6543708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6543708太陽熱収集装置の接地構造、太陽熱収集装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543708
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】太陽熱収集装置の接地構造、太陽熱収集装置
(51)【国際特許分類】
   F24S 20/40 20180101AFI20190628BHJP
   F24S 10/70 20180101ALI20190628BHJP
   F24S 80/453 20180101ALI20190628BHJP
【FI】
   F24S20/40
   F24S10/70
   F24S80/453
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-525771(P2017-525771)
(86)(22)【出願日】2015年7月2日
(86)【国際出願番号】JP2015069147
(87)【国際公開番号】WO2017002259
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2017年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003285
【氏名又は名称】千代田化工建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】金光 雅也
(72)【発明者】
【氏名】白井 城太郎
(72)【発明者】
【氏名】甲斐田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 靖
(72)【発明者】
【氏名】西島 靖之
【審査官】 佐々木 訓
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−523997(JP,A)
【文献】 特表2014−531552(JP,A)
【文献】 特開2014−159892(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0175689(US,A1)
【文献】 特公昭59−039661(JP,B2)
【文献】 中国実用新案第203731722(CN,U)
【文献】 特開2014−102013(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0291405(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0037072(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24S 10/00 − 90/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽熱を受ける溶融塩が流れる第1の熱媒流路と、
前記第1の熱媒流路を支持する第1の導電性材料により形成された複数の第1支柱と、を備える太陽熱収集装置の接地構造であって、
前記第1の熱媒流路は、通電されることで温められ、
前記複数の第1支柱のうちの一部の第1支柱は、異種材料接合部材を介して当該一部の第1支柱に接続された、第2の導電性材料により形成されたケーブルを介して接地され、
前記複数の第1支柱のうちの他の少なくとも一部の第1支柱は、前記第1の導電性材料により形成された接続部材を介して大地に接続され、
前記第2の導電性材料は、前記第1の導電性材料よりも導電率が高いことを特徴とする太陽熱収集装置の接地構造。
【請求項2】
太陽熱を受ける溶融塩が流れる第1の熱媒流路と、
前記第1の熱媒流路を支持するスチール製の複数の第1支柱と、を備える太陽熱収集装置の接地構造であって、
前記第1の熱媒流路は、通電されることで温められ、
前記複数の第1支柱のうちの一部の第1支柱は、銅製のケーブルを介して接地され、
前記複数の第1支柱のうちの他の少なくとも一部の第1支柱は、スチール製の接続部材を介して大地に接続されることを特徴とする太陽熱収集装置の接地構造。
【請求項3】
前記他の少なくとも一部の第1支柱は、前記接続部材を介して前記一部の第1支柱と接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽熱収集装置の接地構造。
【請求項4】
太陽熱を受ける溶融塩が流れる第2の熱媒流路と、
前記第2の熱媒流路を支持する複数の第2支柱と、をさらに備え、
前記複数の第2支柱は、前記第1の熱媒流路を支持する前記一部の第1支柱を接地する前記ケーブルを介して接地されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の太陽熱収集装置の接地構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の太陽熱収集装置の接地構造を備えたことを特徴とする太陽熱収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽熱収集装置の接地構造、太陽熱収集装置および太陽熱発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
反射鏡を用いて太陽光を熱媒流路に集光させて熱媒流路内を流れる熱媒を加熱し、加熱された熱媒を利用して蒸気タービンを回すことにより発電を行う太陽熱発電システムが知られている。太陽熱発電システムは、太陽光発電システムよりも導入費用が安いほか蓄熱により24時間の発電が可能である。従来では、熱媒にオイルを用いた太陽熱発電システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−102013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、太陽熱発電システムに用いる熱媒として溶融塩が注目されている。溶融塩は沸点が高いため、溶融塩によれば運転温度を比較的高くでき、高温蒸気を発生させることにより発電効率が向上する。
【0005】
溶融塩は250℃程度で固化してしまうため、スタートアップ時やメンテナンス後に熱媒流路に溶融塩を流し込むとき、熱媒流路の温度が比較的低い状態にあると熱媒流路に熱を奪われて溶融塩が固化しうる。そのため、熱媒流路に溶融塩を流し込む前に熱媒流路を所定の温度以上に温めておく必要がある。
【0006】
熱媒流路を温めるひとつの手法として、熱媒流路に電流を流すことが考えられる。電流を流すと、そのときのジュール熱で熱媒流路が温まる。しかしながら、熱媒流路に電流を流す場合、安全のために、熱媒流路を支持する複数のスチール製の支柱を接地することが必要となる。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱媒流路を支持する支柱を接地するための施工の手間を低減しつつも電気的な安全性を確保できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の太陽熱収集装置の接地構造は、太陽熱を受ける熱媒が流れる第1の熱媒流路と、第1の熱媒流路を支持する第1の導電性材料により形成された複数の第1支柱と、を備える太陽熱収集装置の接地構造であって、第1の熱媒流路は、通電されることで温められ、複数の第1支柱のうちの一部の第1支柱は、異種材料接合部材を介して当該一部の第1支柱に接続された、第2の導電性材料により形成されたケーブルを介して接地され、複数の第1支柱のうちの他の少なくとも一部の第1支柱は、第1の導電性材料により形成された接続部材を介して大地に接続され、第2の導電性材料は、第1の導電性材料よりも導電率が高い。
【0009】
この態様によると、一部の支柱がケーブルを介して接地される。したがって、すべての支柱がケーブルを介して接地する場合に比べ、異種材料接合部材を介しての接続が少なくなる。また、太陽熱収集装置ように多数の支柱がある大規模な構造物では一部の支柱がケーブルを介して接地することによって太陽熱収集装置全体としての接地基準を満たしたとしても、熱媒流路に絶縁不良が生じたときには支柱に電気が溜まる虞があるときに他の支柱は接続部材を介して大地に接続される。つまり、この態様によると、ケーブルを最小限にして異種金属接合部材による接合の手間を抑えつつも電気的な安全性を確保できる。
【0010】
本発明の別の態様もまた、太陽熱収集装置の接地構造である。この太陽熱収集装置の接地構造は、太陽熱を受ける熱媒が流れる第1の熱媒流路と、第1の熱媒流路を支持するスチール製の複数の第1支柱と、を備える太陽熱収集装置の接地構造であって、第1の熱媒流路は、通電されることで温められ、複数の第1支柱のうちの一部の第1支柱は、銅製のケーブルを介して接地され、複数の第1支柱のうちの他の少なくとも一部の第1支柱は、スチール製の接続部材を介して大地に接続される。
【0011】
他の少なくとも一部の第1支柱は、接続部材を介して一部の第1支柱と接続されていてもよい。
【0012】
太陽熱を受ける熱媒が流れる第2の熱媒流路と、第2の熱媒流路を支持する複数の第2支柱と、をさらに備えてもよい。複数の第2支柱は、第1の熱媒流路を支持する一部の第1支柱を接地するケーブルを介して接地されてもよい。
【0013】
本発明のある態様の太陽熱収集装置は、上述のいずれかの接地構造を備える。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、熱媒流路を支持する支柱を接地するための施工の手間を低減しつつも電気的な安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態に係る太陽熱発電システムを示す模式図である。
図2図1の太陽熱収集装置を示す模式図である。
図3】第1集熱ユニットの一部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0018】
図1は、実施形態に係る太陽熱発電システム100を示す模式図である。太陽熱発電システム100は、集光エリア121、蓄熱エリア122、発電エリア123の3つのエリアを含む。
【0019】
集光エリア121は、主に太陽熱収集装置8と、加熱システム2と、を含む。太陽熱収集装置8は、太陽光を集光し、熱媒流路(後述)内を流れる熱媒を加熱する。加熱された熱媒は、蓄熱エリア122に送られる。加熱システム2は、熱媒流路に溶融塩を流し込む前に熱媒流路に熱を奪われて溶融塩が固化しないよう、熱媒流路を加熱する。
【0020】
蓄熱エリア122は、ホットタンク102と、コールドタンク103と、を含む。加熱された熱媒の熱をホットタンク102に蓄えておくことにより、必要なときに発電できる。例えば夜間や日中の悪天候時の発電が可能となる。
【0021】
発電エリア123は、蒸気発生器104と、蒸気タービン106と、復水器108と、を含む。蒸気発生器104は、ホットタンク102に蓄えられた加熱された熱媒を用いて蒸気を発生させ、蒸気タービン106は蒸気によりタービンを回転させる。この回転により発電する。蒸気発生器104で熱を奪われた比較的低温の熱媒はコールドタンク103に送られる。復水器108は蒸気を液体に戻す。
【0022】
図2は、太陽熱収集装置8を示す模式図である。太陽熱収集装置8は、第1集光ユニット10と、第2集光ユニット20と、第3集光ユニット30と、第4集光ユニット40と、連結管路50と、第1ケーブル60と、第2ケーブル62と、を含む。
【0023】
第1集光ユニット10は、第1熱媒流路11と、複数の第1支柱12と、複数の第1反射板13と、第1接続部材14と、を含む。図3は、第1集熱ユニット10の一部を示す模式図である。複数の第1支柱12はそれぞれ、スチールにより形成され、コンクリート製の架台6上に立設される。第1支柱12は、第1熱媒流路11に沿って配置され、第1熱媒流路11を支持する。また、第1支柱12は、第1反射板13を回転可能に支持する。
【0024】
第1反射板13は、第1熱媒流路11に太陽光を集光させ、第1熱媒流路11内を流れる熱媒を加熱する。第1反射板13には、回転装置(不図示)が接続されている。回転装置は、例えば太陽の位置に応じて第1反射板13を回転させる。これにより、熱媒は効率的に加熱される。
【0025】
第1熱媒流路11は金属製であり、その内部には、太陽熱を受ける熱媒としての溶融塩が流れる。溶融塩は、太陽熱収集装置において従来使用されてきた合成オイルよりも沸点が高いため、より高温に温めることができる。これにより、蒸気タービン106による発電効率が向上する。一方で、溶融塩は、250℃程度で固化してしまう。溶融塩は、集光時は太陽熱で加熱されているため基本的に固化することはないが、例えばスタートアップ時やメンテナンス後に第1熱媒流路11に溶融塩を流し込む前に、第1熱媒流路11の温度が比較的低い状態にあると第1熱媒流路11に熱を奪われて固化しうる。そのため、第1熱媒流路11に溶融塩を流し込む前には、第1熱媒流路11を所定の温度(例えば280℃)以上に温めておく必要がある。
【0026】
第1熱媒流路11を温める手法として、第1熱媒流路11に電熱線を這わせ、そこに電流を流して第1熱媒流路11を温めることが考えられる。しかしながら、第1熱媒流路11は、断熱のために真空ガラス管で覆われているため、電熱線を這わせることができない。そこで、本実施の形態では、加熱システム2に含まれる1つまたは複数の電源(不図示)を第1熱媒流路11に接続して第1熱媒流路11自体に電流を流し、そのときのジュール熱で第1熱媒流路11を温める。そのため、第1熱媒流路11は、第1熱媒流路11を温めるための電流が、第1熱媒流路11を支持する第1支柱12に流れてしまわないよう絶縁される。また、第1支柱12は、第1熱媒流路11の絶縁不良などに備えて、後述のように接地される。
【0027】
図2に戻り、第1熱媒流路11は、U字状に形成され、略同一方向に延在する長直線部11aと、長直線部11bとを含む。第1支柱12および第1反射板13は、この長直線部11a、長直線部11bに沿って配置される。一例としては、長直線部11a、長直線部11bの長さはそれぞれ500〜600mであり、図示の例ではそれぞれ10本の第1支柱12によって支持される。
【0028】
第1熱媒流路11の長直線部11aを支持する複数の第1支柱12は、スチール製の第1接続部材14により、互いに電気的に接続されている。第1熱媒流路11の長直線部11bを支持する複数の第1支柱12も同様に、第1接続部材14により、互いに電気的に接続されている。この第1接続部材14は、少なくとも一部が地中に埋まっている。つまり第1接続部材14は大地に接続されている。このため、各第1支柱12は、第1接続部材14を介して大地に接続されている。なお、後述するように複数の第1支柱12のうちの一部は第1ケーブル60に接続されるところ、第1ケーブル60と接続されない第1支柱12だけが第1接続部材14を介して大地に接続されてもよい。
【0029】
また、第1熱媒流路11の長直線部11aを支持する第1支柱12と第1熱媒流路11の長直線部11bを支持する第1支柱12も、第1接続部材14により、互いに電気的に接続されている。本実施の形態では、長直線部11aを支持する第1支柱12と長直線部11bを支持する第1支柱12とは、第1接続部材14によって複数個所(図2では3箇所)で接続されている。第1接続部材14には、発錆や集光による発火を抑止するため、亜鉛メッキなどの表面処理が施される。
【0030】
第2集光ユニット20は、第2熱媒流路21と、複数の第2支柱22と、複数の第2反射板23と、第2接続部材24と、を含む。
第3集光ユニット30は、第3熱媒流路31と、複数の第3支柱32と、複数の第3反射板33と、第3接続部材34と、を含む。
第4集光ユニット40は、第4熱媒流路41と、複数の第4支柱42と、複数の第4反射板43と、第4接続部材44と、を含む。
【0031】
第2熱媒流路21、第3熱媒流路31、第4熱媒流路41はそれぞれ、第1熱媒流路11と同様に構成される。第2熱媒流路21は、その長直線部21aが第1熱媒流路11の長直線部11bと隣接しかつ略同一方向に延在するよう配置される。第4熱媒流路41は、その長直線部41aが第3熱媒流路31の長直線部31bと隣接しかつ略同一方向に延在するよう配置される。
第2支柱22、第3支柱32、第4支柱42はそれぞれ、第1支柱12と同様に構成される。
第2反射板23、第3反射板33、第4反射板43はそれぞれ、第1反射板13と同様に構成される。
第2接続部材24、第3接続部材34、第4接続部材44はそれぞれ、第1接続部材14と同様に構成される。
【0032】
連結管路50は、環状の流路であり、第1熱媒流路11、第2熱媒流路21、第3熱媒流路31および第4熱媒流路41と接続される。また連結管路50は、蓄熱エリア122のホットタンク102およびコールドタンク103とも接続される。したがって、連結管路50を介して、第1熱媒流路11、第2熱媒流路21、第3熱媒流路31および第4熱媒流路41と、ホットタンク102およびコールドタンク103とが連結される。各熱媒流路で加熱された熱媒は、連結管路50を介してホットタンク102に送られる。また、コールドタンク103に蓄えられた比較的低温の熱媒は、連結管路50を介して各熱媒流路に送られる。
【0033】
第1ケーブル60は、第1集光ユニット10と第2集光ユニット20との間に設けられる。第1ケーブル60は、接地用の銅製のケーブルであり、その一端は、太陽熱発電システム100全体のアースグリッドであるメインアースグリッドに接続される。第1熱媒流路11を支持する複数の第1支柱12のうちの一部(図2では3つ)の第1支柱12は、この第1ケーブル60により接地される。つまり、第1支柱12の一部は、導電率が比較的(特に第1接続部材14よりも)高いケーブルによって接地される。また、上述したように各第1支柱12は第1接続部材14により互いに電気的に接続されているため、第1ケーブル60が接続されていない第1支柱12も、第1接続部材14や他の第1支柱12を介して、第1ケーブル60と電気的に接続される。本実施の形態では、第1熱媒流路11はU字状に形成され、かつ、その長直線部11aを支持する第1支柱12と長直線部11bを支持する第1支柱12とが第1接続部材14によって複数箇所で接続されているため、各第1支柱12は複数の経路で第1ケーブル60と電気的に接続される。
【0034】
第1ケーブル60は銅製であり、第1支柱12はスチール製であるため、これらは異種金属接合部材64により接合される。これにより、銅とスチールとの接触(すなわち異種金属の接触)による腐食を防ぐことができる。第1支柱12の総数に対する、第1ケーブル60に接続される第1支柱12の数の比率は、1/10〜3/10であることが望ましい。これより小さいと、各第1支柱12と第1ケーブル60とを電気的に接続する経路数が少なくなるため、太陽熱収集装置8全体としての電気的な安全性が基準を下回る虞がある。また、これより大きいと、異種金属接合部材64の材料費と施工の手間が増大するため不経済になる。
【0035】
また、第2熱媒流路21を支持する複数の第2支柱22のうちの一部(図2では3つの第2支柱22)の第2支柱22は、第1ケーブル60により接地される。すなわち、第1集光ユニット10と第2集光ユニット20とは、それらの間に設けられる共通の第1ケーブル60により接地される。
【0036】
第2ケーブル62は、第3集光ユニット30と第4集光ユニット40との間に設けられる。第2ケーブル62は、接地用の銅製のケーブルであり、第1ケーブル60と同様に、メインアースグリッドに接続される。複数の第3支柱32のうちの一部(図2では3つ)の第3支柱32、複数の第4支柱42のうちの一部(図2では3つ)の第4支柱42はそれぞれ、第2ケーブル62により接地される。すなわち、第3集光ユニット30と第4集光ユニット40とは、それらの間に設けられる共通の第2ケーブル62により、接地される。
【0037】
以上説明した実施の形態に係る太陽熱収集装置8によると、各集光ユニットは、一部の支柱が異種金属接合部材64により銅製のケーブルと接続される。ここで、各集光ユニットは多くの支柱を有するため、それらすべての支柱を異種金属接合部材64により銅製のケーブルに接続すると、施工に手間がかかり、また異種金属接合部材64の材料費が高くなる。これに対し、実施の形態に係る太陽熱収集装置8によると、上述したように一部(例えば複数の支柱のうちの1/10〜3/10)の支柱だけが異種金属接合部材64により銅製のケーブルと接続されるため、すべての支柱が異種金属接合部材64を介してケーブルに接続する場合に比べ、施工の手間と異種金属接合部材64の材料費とを抑えることができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る太陽熱収集装置8によると、各集光ユニットの各支柱はスチール製の接続部材により大地に接続(すなわち接地)される。ここで、実施の形態の太陽熱収集装置8のように複数の支柱がある大規模な構造物では、一部の第1支柱12がケーブルを介して接地することによって太陽熱収集装置8全体としての接地基準を満たしたとしても、熱媒流路に絶縁不良が生じたときには、支柱に電気が溜まってしまう虞がある。これに対し実施の形態に係る太陽熱収集装置8によると、上述のように各支柱は接続部材によっても接地されているため、熱媒流路に絶縁不良が生じても支柱に電気が溜まることはない。つまり、太陽熱収集装置8によれば、ケーブルを最小限にして異種金属接合部材64による接合の手間を抑えつつも電気的な安全性を確保できる。
【0039】
また、反射板の角度によっては意図せずケーブルに光が集光され、ケーブルの温度が上昇する場合がある。ケーブルは銅製であり、比較的低い温度で変形や腐食してしまう。これに対して本実施の形態では、こうした問題の起きにくいスチール製の接続部材によって電気的な安全性を確保しつつ、銅製のケーブルを減らすことができる。そのため、銅製のケーブルのメンテナンス頻度が減り、維持コストが低減される。
【0040】
また、本実施の形態に係る太陽熱収集装置8によると、各支柱は、接続部材による複数の経路で、銅ケーブルと電気的に接続される。そのため、接続部材の破損により一部の経路が破断した場合でも、電気的な安全性が維持される。
【0041】
また、本実施の形態に係る太陽熱収集装置8によると、第1集光ユニット10と第2集光ユニット20は、それらの間に設けられる共通の銅製のケーブルにより、接地される。したがって、それぞれ別々のケーブルにより接地される場合に比べ、ケーブルが少なくなるため材料コストが低減される。
【0042】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0043】
(変形例1)
実施の形態では、太陽熱収集装置8は、4つの集光ユニットを備える場合について説明したが、これに限られない。太陽熱収集装置8は、1つ、2つ、3つ、または、5つ以上の集光ユニットを備えていてもよい。
【0044】
(変形例2)
実施の形態では、各集光ユニット内において、すべての支柱が接続部材によって互いに接続される場合について説明したが、これに限られない。各支柱が、直接、あるいは他の支柱および接続部材を介して、ケーブルと接続されていればよく、各集光ユニット内のすべての支柱が接続部材によって互いに接続される必要はない。
【0045】
(変形例3)
実施の形態では、各支柱が、直接、あるいは他の支柱および接続部材を介してケーブルにより接地され、かつ、接続部材により接地(大地に接続)されている場合について説明したが、これに限られない。ケーブルにより接地されているが接続部材によっては接地されていない支柱があってもよく、接続部材により接地されているがケーブルによっては接地されていない支柱があってもよい。また、ケーブルと接続部材のいずれによっても接地されていない支柱があってもよい。
【0046】
(変形例4)
実施の形態では、支柱および接続部材がスチール製であり、第1ケーブル60および第2ケーブル62が銅製である場合について説明したが、これに限られない。支柱は、第1ケーブル60および第2ケーブル62との接続に異種材料接合部材が必要な他の導電性材料によって形成されてもよい。接続部材は、支柱と同じ導電性材料によって形成されればよい。また、第1ケーブル60および第2ケーブル62は、支柱との接続に異種材料接合部材が必要で、かつ、支柱よりも導電率が高い導電性材料によって形成されてもよい。
【0047】
(変形例5)
実施の形態では、2つの集光ユニットに1つの接地用のケーブルが設けられる場合について説明したが、これに限られない。1つの集光ユニットに1つの接地用のケーブルが設けられても、3つ以上の集光ユニットに1つの接地用のケーブルが設けられてもよい。
【符号の説明】
【0048】
8 太陽熱収集装置、 10 第1集光ユニット、 11 第1熱媒流路、 12 第1支柱、 14 第1接続部材、 20 第2集光ユニット、 21 第2熱媒流路、 22 第2支柱、 24 第2接続部材、 30 第3集光ユニット、 31 第3熱媒流路、 32 第3支柱、 34 第3接続部材、 40 第4集光ユニット、 41 第4熱媒流路、 42 第4支柱、 44 第4接続部材、 60 第1ケーブル、 62 第2ケーブル、 100 太陽熱発電システム、 104 蒸気発生器、 106 蒸気タービン。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、太陽熱収集装置および太陽熱発電システムに利用することができる。
図1
図2
図3