(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アルコキシル化ポリエチレングリコールが、DIN 55672−1(ポリスチレン校正用標準物質)により測定して、500〜20000g/モルの範囲内の重量平均分子量Mwを有する、請求項1または2に記載の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のC
8〜C
30エポキシアルカンでのポリエチレングリコールのアルコキシル化により製造されるアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑油組成物における使用を対象とする。
【0002】
潤滑油組成物は、例えば工業用途や輸送やエンジンといった様々な用途で用いられている。工業用途とは、例えば作動油、空気圧縮機油、ガス圧縮機油、ギヤ油、ベアリング油および循環系油、冷凍機用圧縮機油、並びに蒸気タービン油およびガスタービン油といった用途からなる。
【0003】
従来の潤滑油組成物は、基油、補助溶剤および添加剤を含有する。基油は、想定される用途において要求される粘度に応じてその都度選択される。必要な最終粘度を調整するために、粘度の異なる基油の組み合わせ、すなわちそれぞれ低粘度の基油と高粘度の基油との組み合わせが使用されることが多い。補助溶剤は、極性の添加剤を通常はより極性が低いかまたは非極性である基油中に溶解させるために用いられる。
【0004】
最も一般的な添加剤は、酸化防止剤、清浄剤、摩耗防止添加剤、金属不活性化剤、腐食防止剤、摩擦調整剤、極圧添加剤、消泡剤、発泡防止剤、粘度指数向上剤および解乳化剤である。こうした添加剤は、潤滑油組成物に、長期安定性や付加的な保護等のさらなる有利な特性を付与するために用いられる。
【0005】
しかし、一定の運転時間後には、例えば潤滑性の損失および/または生成物の劣化といった様々な理由から、潤滑油組成物を交換しなければならない。機械(エンジン、ギヤボックス、圧縮機等)の技術的設計や表面への潤滑剤成分の付着し易さに応じて、ある程度の潤滑油組成物残分(ホールドアップ)が、該潤滑油組成物が使用される機械、エンジン、ギヤ等の中に残留する。未使用の潤滑油組成物と交換される際に、また場合によっては異なる潤滑油組成物と交換される際に、使用済みの潤滑剤と新鮮な潤滑油とが互いに混合される。従って、運転中のいかなる問題発生をも回避するためには、古い潤滑剤と新鮮な潤滑剤との相容性(または相溶性)が極めて重要である。
【0006】
潤滑油組成物の様々な成分は、その化学的特性に応じて互いに非相容性である。すなわち、これらの成分の混合物は、油のゲル化、相分離、凝固または発泡を招く。油のゲル化によって粘度は劇的に上昇し、これによって今度はエンジンに問題が生じる場合があり、またダメージが深刻な場合にはエンジンの交換が必要となることもある。従って、潤滑油組成物において使用される新規の化合物が提供される場合には、この化合物が、潤滑油組成物において常用される化合物との相容性(相溶性)を示すことが常に保証されるべきである。
【0007】
他の潤滑剤との相容性(相溶性)に加えて、その他の懸念事項はエネルギー効率である。エネルギー効率は、損失が最小限に抑えられた場合に上昇しうる。損失は無負荷損と負荷損とに分類されることができ、それらの合計が全損失である。ジオメトリーや材料等により影響を受けうる多くのパラメータの中で、無負荷損、すなわち流出(漏出)に主要な影響を及ぼすのは潤滑剤粘度であり、負荷損は低い摩擦係数に影響を受けうる。従って、所与の粘度において、エネルギー効率は、潤滑剤について測定された摩擦係数に強く依存する。
【0008】
摩擦係数は、ミニトラクションマシン(MTM;Mini−Traction−Machine)、SRV、2ディスクテストリグ等といった複数の方法により測定可能である。MTMの利点は、摩擦係数を滑り率[転がり滑り率;slide roll ratio(SRS)]と関連づけて確認できるという点にある。滑り率とは、MTMにおいて使用される球とディスクとの速度差を表す。
【0009】
EP141473A1には、潤滑剤におけるポリエーテルの使用が開示されている。
【0010】
WO1985/00182A1には、エチレンオキシドとプロピレンオキシドと低級グリコールとを含む混合物を反応させて中間体を取得し、これをさらにα−オレフィンと反応させることにより得られる、ランダム重合体と見なすことのできるポリエーテルが開示されている。
【0011】
WO1984/00361A1には、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから誘導されるブロックとC
12エポキシドから誘導されるブロックとを含むブロック共重合体を形成するポリエーテルが記載されている。
【0012】
YOGARAJ NABAR:“Dow UCON(TM)Oil Soluble Polyalkylene Glycols,A New Type of Group V Base Oil Content”、第8回燃料および潤滑剤に関する国際シンポジウム(2012年3月1日)には、炭素対酸素比の増加によるポリエーテルの油溶性の向上が開示されている。
【0013】
従って、低い摩擦係数を示し、かつ、基油との、特に潤滑油組成物を製造するために潤滑油組成物において常用される例えば鉱油やポリ−α−オレフィンといった基油との相容性(または相溶性)を示す化合物を提供することが、本発明の一目的であった。
【0014】
驚くべきことに、ポリエチレングリコールと少なくとも1種のC
8〜C
30エポキシアルカンとから誘導されるアルコキシル化ポリエチレングリコールが、低い摩擦係数を示し、かつ、潤滑油組成物において常用される例えば鉱油やポリ−α−オレフィンや好ましくは低粘度ポリ−α−オレフィンといった基油との相容性(相溶性)を示し、その結果、これを潤滑油組成物の配合に使用できることが判明した。
【0015】
従って、一実施形態においては、本発明は、一般式(I):
【化1】
[式中、
mは、0以上30以下の範囲内の整数であり、
m’は、0以上30以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、1以上60以下の範囲内の整数であり、
kは、2以上50以下の範囲内の整数であり、かつ
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個または28個の炭素原子を有する非置換の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
その際、k、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0016】
従って、他の実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化2】
[式中、
mは、1以上50以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上50以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、1以上90以下の範囲内の整数であり、
nは、0以上75以下の範囲内の整数であり、
n’は、0以上75以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上90以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
kは、2以上50以下の範囲内の整数であり、
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個または28個の炭素原子を有する非置換の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0017】
従って、他の実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化3】
[式中、
mは、1以上50以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上50以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、1以上90以下の範囲内の整数であり、
nは、0以上75以下の範囲内の整数であり、
n’は、0以上75以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上90以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
kは、2以上50以下の範囲内の整数であり、
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個または28個の炭素原子を有する非置換の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成されるか、
または、
kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0018】
従って、他の実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化4】
[式中、
mは、1以上50以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上50以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、1以上90以下の範囲内の整数であり、
nは、0以上75以下の範囲内の整数であり、
n’は、0以上75以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上90以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
kは、2以上50以下の範囲内の整数であり、
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個または28個の炭素原子を有する非置換の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成されるか、
または、
kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてランダム重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0019】
従って、他の実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化5】
[式中、
mは、1以上30以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上30以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、2以上60以下の範囲内の整数であり、
nは、0以上45以下の範囲内の整数であり、
n’は、0以上45以下の範囲内の整数であり、
(n+n’)は、0以上80以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上90以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
kは、2以上50以下の範囲内の整数であり、
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個または28個の炭素原子を有する非置換の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0020】
「潤滑剤」という用語は、本発明の意味においては、表面間の摩擦を低減させうる物質を意味する。
【0021】
本明細書で用いられる場合に、「分岐状」とは、原子鎖であって、該原子鎖に結合した1つ以上の側鎖を有するものを表す。分岐は置換基を置き換えることにより生じ、例えば、水素原子を、共有結合したアルキル基で置き換えることにより生じる。
【0022】
「アルキル基」とは、炭素原子と水素原子のみからなっておりかつ二重結合を全く有しない部分を表す。
【0023】
本発明の特許請求の範囲に記載されたアルコキシル化ポリエチレングリコールは油溶性であり、このことは、鉱油および/またはポリ−α−オレフィン、好ましくは低粘度ポリ−α−オレフィンと10:90、50:50および90:10の質量比で混合された場合に、本発明の特許請求の範囲に記載されたアルコキシル化ポリエチレングリコールが、室温で24時間の静置後に、10:90、50:50および90:10の3つの質量比のうちの少なくとも2つの質量比については相分離を示さないことを意味する。
【0024】
好ましくは、本明細書に定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールは、40℃でASTM D 445により測定して、40mm
2/s以上1300mm
2/s以下の範囲内の、より好ましくは50mm
2/s以上1200mm
2/s以下の範囲内の、さらにより好ましくは70mm
2/s以上1000mm
2/s以下の範囲内の、最も好ましくは100mm
2/s以上500mm
2/s以下の範囲内の動粘度を有する。
【0025】
好ましくは、本明細書に定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールは、100℃でASTM D 445により測定して、10mm
2/s以上100mm
2/s以下の範囲内の、より好ましくは12mm
2/s以上80mm
2/s以下の範囲内の、さらにより好ましくは14mm
2/s以上65mm
2/s以下の範囲内の、最も好ましくは15mm
2/s以上60mm
2/s以下の範囲内の動粘度を有する。
【0026】
好ましくは、本明細書に定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールは、ASTM D 2270により測定して、100以上300以下の範囲内の、より好ましくは120以上280以下の範囲内の、さらにより好ましくは140以上250以下の範囲内の粘度指数を有する。
【0027】
好ましくは、本明細書に定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールは、ASTM D 2270により測定して、200±60の、より好ましくは200±50の、さらにより好ましくは200±40の、最も好ましくは200±30の粘度指数を有する。
【0028】
好ましくは、本明細書に定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールは、DIN ISO 3016により測定して、−60℃以上20℃以下の範囲内の、より好ましくは−50℃以上15℃以下の範囲内の、さらにより好ましくは−50℃以上5℃以下の範囲内の、最も好ましくは−50℃以上−5℃以下の範囲内の流動点を有する。
【0029】
好ましくは、本明細書に定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールは、DIN 55672−1により測定して、500g/モル以上20000g/モル以下の範囲内の、より好ましくは2000g/モル以上15000g/モル以下の範囲内の、さらにより好ましくは3000g/モル以上12000g/モル以下の範囲内の、最も好ましくは4000g/モル以上10000g/モル以下の範囲内の、特に4000g/モル以上8000g/モル以下の範囲内の重量平均分子量M
wを有する。
【0030】
好ましくは、本明細書に定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールは、DIN 55672−1により測定して、1.05以上1.60以下の範囲内の、より好ましくは1.05以上1.50以下の範囲内の、最も好ましくは1.10以上1.45以下の範囲内の多分散度を有する。
【0031】
好ましくは、本明細書に定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールは、DIN 53240により測定して、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の範囲内の、より好ましくは5mgKOH/g以上40mgKOH/g以下の範囲内の、最も好ましくは7mgKOH/g以上35mgKOH/g以下の範囲内の水酸基価を有する。
【0032】
好ましくは、kは3以上50以下の範囲内の整数であり、より好ましくは、kは3以上45以下の範囲内の整数であり、最も好ましくは、kは3以上40以下の範囲内の整数であり、さらにより好ましくは、kは3以上30以下の範囲内の整数である。
【0033】
好ましくは、mは1以上25以下の範囲内の整数であってかつm’は1以上25以下の範囲内の整数であり、より好ましくは、mは1以上20以下の範囲内の整数であってかつm’は1以上20以下の範囲内の整数であり、さらにより好ましくは、mは3以上20以下の範囲内の整数であってかつm’は3以上20以下の範囲内の整数であり、最も好ましくは、mは4以上20以下の範囲内の整数であってかつm’は4以上20以下の範囲内の整数である。
【0034】
好ましくは、(m+m’)は3以上65以下の範囲内の整数であり、より好ましくは、(m+m’)は3以上50以下の範囲内の整数であり、さらにより好ましくは、(m+m’)は3以上40以下の範囲内の整数であり、最も好ましくは、(m+m’)は4以上40以下の範囲内の整数である。
【0035】
好ましくは、(m+m’):kの比は、0.3:1〜6:1の範囲内であり、より好ましくは0.5:1〜4:1の範囲内であり、最も好ましくは1:1〜3:1の範囲内であり、さらにより好ましくは1:1〜2:1の範囲内であり、特に1.2:1〜1.8:1の範囲内である。
【0036】
好ましくは、nは3以上40以下の範囲内の整数であってかつn’は3以上40以下の範囲内の整数であり、より好ましくは、nは3以上30以下の範囲内の整数であってかつn’は3以上30以下の範囲内の整数であり、さらにより好ましくは、nは3以上20以下の範囲内の整数であってかつn’は3以上20以下の範囲内の整数である。
【0037】
好ましくは、(n+n’)は3以上60以下の範囲内の整数であり、より好ましくは、(n+n’)は3以上40以下の範囲内の整数であり、さらにより好ましくは、(n+n’)は5以上30以下の範囲内の整数である。
【0038】
好ましくは、pは3以上50以下の範囲内の整数であってかつp’は3以上50以下の範囲内の整数であり、より好ましくは、pは3以上40以下の範囲内の整数であってかつp’は3以上40以下の範囲内の整数であり、さらにより好ましくは、pは3以上30以下の範囲内の整数であってかつp’は3以上30以下の範囲内の整数である。
【0039】
好ましくは、(p+p’)は5以上90以下の範囲内の整数であり、より好ましくは、(p+p’)は5以上80以下の範囲内の整数であり、さらにより好ましくは、(p+p’)は5以上70以下の範囲内の整数である。
【0040】
好ましくは、R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個または18個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表す。より好ましくは、R
1は、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個または16個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表す。最も好ましくは、R
1は、8個、9個、10個、11個または12個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表す。
【0041】
アルコキシル化ポリエチレングリコールが、R
2が−CH
2−CH
3を表す単位を含む場合には、(n+n’):kの比は、1:1〜10:1の範囲内であり、より好ましくは1:1〜7:1の範囲内であり、さらにより好ましくは1:1〜6:1の範囲内であり、最も好ましくは2:1〜6:1の範囲内である。
【0042】
アルコキシル化ポリエチレングリコールが、R
3が−CH
3を表す単位を含む場合には、(p+p’):kの比は、0.5:1〜10:1の範囲内であり、より好ましくは0.8:1〜5:1の範囲内であり、さらにより好ましくは0.8:1〜4:1の範囲内であり、最も好ましくは1:1〜3:1の範囲内である。
【0043】
他の好ましい実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化6】
[式中、
mは、1以上30以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上30以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、3以上40以下の範囲内の整数であり、
n’は、3以上40以下の範囲内の整数であり、
(n+n’)は、6以上40以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上75以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上75以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上40以下の範囲内の整数であり、
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個または18個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0044】
他の好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化7】
[式中、
mは、1以上30以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上30以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、3以上20以下の範囲内の整数であり、
n’は、3以上20以下の範囲内の整数であり、
(n+n’)は、6以上30以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上75以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上75以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上40以下の範囲内の整数であり、
R
1は、9個、10個または11個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0045】
より好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化8】
[式中、
mは、1以上30以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上30以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、3以上20以下の範囲内の整数であり、
n’は、3以上20以下の範囲内の整数であり、
(n+n’)は、6以上30以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上75以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上75以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上40以下の範囲内の整数であり、
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個または18個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜3:1の範囲内であり、かつ、(n+n’):kの比は1:1〜6:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0046】
より好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化9】
[式中、
mは、1以上30以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上30以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、3以上20以下の範囲内の整数であり、
n’は、3以上20以下の範囲内の整数であり、
(n+n’)は、6以上30以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上75以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上75以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、0以上90以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、9個、10個または11個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜2:1の範囲内であり、かつ、(n+n’):kの比は1:1〜6:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0047】
最も好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化10】
[式中、
mは、1以上25以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上25以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上40以下の範囲内の整数であり、
nは、6以上15以下の範囲内の整数であり、
n’は、6以上15以下の範囲内の整数であり、
(n+n’)は、12以上25以下の範囲内の整数であり、
pは、0以上25以下の範囲内の整数であり、
p’は、0以上25以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、0以上70以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、8個、9個、10個、11個または12個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜2:1の範囲内であり、かつ、(n+n’):kの比は1:1〜6:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0048】
他の好ましい実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化11】
[式中、
mは、1以上25以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上25以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、0であり、
n’は、0であり、
pは、3以上45以下の範囲内の整数であり、
p’は、3以上45以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、6以上80以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個または18個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0049】
他の好ましい実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化12】
[式中、
mは、1以上25以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上25以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、0であり、
n’は、0であり、
pは、3以上45以下の範囲内の整数であり、
p’は、3以上45以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、6以上80以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、9個、10個または11個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成される]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0050】
より好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化13】
[式中、
mは、1以上30以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上30以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、0であり、
n’は、0であり、
pは、3以上45以下の範囲内の整数であり、
p’は、3以上45以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、6以上80以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個または18個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜2:1の範囲内であり、かつ、(p+p’):kの比は0.8:1〜4:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0051】
最も好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化14】
[式中、
mは、1以上25以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上25以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、0であり、
n’は、0であり、
pは、3以上40以下の範囲内の整数であり、
p’は、3以上40以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、5以上70以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、8個、9個、10個、11個または12個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜2:1の範囲内であり、かつ、(p+p’):kの比は0.8:1〜4:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0052】
最も好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化15】
[式中、
mは、1以上25以下の範囲内の整数であり、
m’は、1以上25以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、3以上50以下の範囲内の整数であり、
nは、0であり、
n’は、0であり、
pは、3以上40以下の範囲内の整数であり、
p’は、3以上40以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、5以上70以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、9個、10個または11個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜2:1の範囲内であり、かつ、(p+p’):kの比は0.8:1〜4:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0053】
最も好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化16】
[式中、
mは、2以上25以下の範囲内の整数であり、
m’は、2以上25以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、4以上40以下の範囲内の整数であり、
nは、0であり、
n’は、0であり、
pは、4以上40以下の範囲内の整数であり、
p’は、4以上40以下の範囲内の整数であり、
(p+p’)は、5以上70以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、9個、10個または11個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜2:1の範囲内であり、かつ、(p+p’):kの比は0.8:1〜4:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0054】
最も好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(II):
【化17】
[式中、
mは、2以上25以下の範囲内の整数であり、
m’は、2以上25以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、4以上40以下の範囲内の整数であり、
nは、3以上20以下の範囲内の整数であり、
n’は、3以上20以下の範囲内の整数であり、
(n+n’)は、6以上30以下の範囲内の整数であり、
pは、0であり、
p’は、0であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、
R
1は、9個、10個または11個の炭素原子を有する非置換の直鎖状アルキル基を表し、
R
2は、−CH
2−CH
3を表し、かつ
R
3は、−CH
3を表し、
その際、kにより表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、p、p’、n、n’、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造またはランダム重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜2:1の範囲内であり、かつ、(n+n’):kの比は2:1〜6:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0055】
最も好ましい一実施形態においては、本発明は、一般式(I):
【化18】
[式中、
mは、2以上25以下の範囲内の整数であり、
m’は、2以上25以下の範囲内の整数であり、
(m+m’)は、4以上40以下の範囲内の整数であり、
kは、3以上30以下の範囲内の整数であり、かつ
R
1は、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個または14個の炭素原子を有する非置換の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
その際、k、mおよびm’により表される連鎖部が分配されてブロック重合体構造が形成され、かつ、(m+m’):kの比は1:1〜3:1の範囲内である]
のアルコキシル化ポリエチレングリコールの、潤滑剤としての使用を対象とする。
【0056】
前述のアルコキシル化ポリエチレングリコールは、少なくとも1種のポリエチレングリコールブロック重合体と、少なくとも1種のC
8〜C
30エポキシアルカンと、任意に、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のエポキシドとを、少なくとも1種の触媒の存在下に反応させることにより得られる。エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のエポキシドが使用される場合には、少なくとも1種のC
8〜C
30エポキシアルカンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のエポキシドとを、エポキシドの混合物として添加することによってランダム共重合体を得ることもできるし、分けて(その際、それぞれの部分には異なるエポキシドが含まれるものとする)添加することによってブロック共重合体を得ることもできる。
【0057】
好ましくは、少なくとも1種のC
8〜C
30エポキシアルカンは、以下のものからなる群から選択される:1,2−エポキシオクタン;1,2−エポキシノナン;1,2−エポキシデカン;1,2−エポキシウンデカン;1,2−エポキシドデカン;1,2−エポキシトリデカン;1,2−エポキシテトラデカン;1,2−エポキシペンタデカン;1,2−エポキシヘキサデカン;1,2−エポキシヘプタデカン;1,2−エポキシオクタデカン;1,2−エポキシノナデカン;1,2−エポキシイコサン;1,2−エポキシウンイコサン;1,2−エポキシドコサン;1,2−エポキシトリコサン;1,2−エポキシテトラコサン;1,2−エポキシペンタコサン;1,2−エポキシヘキサコサン;1,2−エポキシヘプタコサン;1,2−エポキシオクタコサン;1,2−エポキシノナコサンおよび1,2−エポキシトリアコンタン。
【0058】
好ましくは、少なくとも1種の触媒は、塩基であるか、または複金属シアン化物触媒(DMC触媒;double metal cyanide catalyst)である。より好ましくは、少なくとも1種の触媒は、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウム、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウム、並びにアルカリ金属アルコキシド、例えばカリウムtert−ブトキシドからなる群から選択される。最も好ましくは、少なくとも1種の触媒は、水酸化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシドである。最も好ましくは、少なくとも1種の触媒はカリウムtert−ブトキシドである。
【0059】
触媒が塩基である場合、アルコキシル化ポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールを溶解しうるあらゆる不活性溶剤を反応の際に溶剤として使用することができ、また、反応が無溶剤で行われる場合には、反応混合物の後処理に必要な溶剤として使用することができる。例として、以下の溶剤が挙げられる:塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルおよび酢酸イソブチル。
【0060】
触媒が塩基である場合、使用される触媒の量は、前述のアルコキシル化ポリエチレングリコールの総量を基準として、好ましくは0.01〜1.0質量%の範囲内であり、より好ましくは0.05〜0.5質量%の範囲内である。反応は、好ましくは70〜200℃の範囲内の、より好ましくは100〜160℃の範囲内の温度で行われる。圧力は、好ましくは1bar〜150barの範囲内であり、より好ましくは3bar〜30barの範囲内である。
【0061】
DMC触媒が使用される場合には、原則的に、従来技術から知られているあらゆる種類のDMC触媒が使用可能である。一般式(1):
【化19】
[式中、
M
1は、Zn
2+、Fe
2+、Co
3+、Ni
2+、Mn
2+、Co
2+、Sn
2+、Pb
2+、Mo
4+、Mo
6+、Al
3+、V
4+、V
5+、Sr
2+、W
6+、Cr
2+、Cr
3+およびCd
2+を含む群から選択される金属イオンであり、
M
2は、Fe
2+、Fe
3+、Co
2+、Co
3+、Mn
2+、Mn
3+、V
4+、V
5+、Cr
2+、Cr
3+、Rh
3+、Ru
2+およびIr
3+を含む群から選択される金属イオンであり、
M
1およびM
2は、同一であるかまたは異なり、
Aは、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、シアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンを含む群から選択されるアニオンであり、
Xは、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、シアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンを含む群から選択されるアニオンであり、
Lは、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、ポリエーテル、エステル、尿素、アミド、ニトリルおよびスルフィドを含む群から選択される水混和性の配位子であり、かつ、
a、b、c、d、gおよびnは、化合物が電気的に中性となるように選択され、かつ、
eは、配位子の配位数であるか、または0であり、
fは、0以上の分数または整数であり、
hは、0以上の分数または整数である]
の複金属シアン化物触媒の使用が好ましい。
【0062】
こうした化合物は広く知られており、例えばEP0862947B1に記載の方法により、水溶性金属塩の水溶液と、ヘキサシアノメタラート化合物の水溶液、特に塩または酸の水溶液とを混合し、かつ、必要であれば、これら2つの溶液の混合の間または後のいずれかに、これに水溶性配位子を添加することによって製造することができる。
【0063】
DMC触媒は、通常は固体として製造され、かつそのまま使用される。この触媒は典型的には粉末としてまたは懸濁して使用される。しかしながら、当業者に知られている触媒を使用するための他の方法を用いることも同様に可能である。好ましい一実施形態においては、このDMC触媒は、不活性または非不活性の懸濁媒体を用いて分散される。この懸濁媒体は、例えば、製造すべき生成物であってもよいし、例えば粉砕のような適した手段による中間体であってもよい。このようにして製造される懸濁液は、適宜、例えば窒素および/または希ガスといった不活性ガスの使用下または不使用下でのストリッピングのような当業者に知られている方法によって妨害となる量の水を除去した後に使用される。適した懸濁媒体は、例えば、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、アセトン、2−メチルペンタノン、シクロヘキサノン、またさらには本発明によるポリエーテルアルコールおよびその混合物である。この触媒は、好ましくは、例えばEP0090444Aに記載されているように、ポリオール中に懸濁して使用される。
【0064】
他の実施形態においては、本発明は、潤滑油組成物を製造するための、上記で定義される少なくとも1種のアルコキシル化ポリエチレングリコールまたは上記で定義されるポリエチレングリコールの混合物の使用を対象とする。
【0065】
他の実施形態においては、本発明は、上記で定義される少なくとも1種のアルコキシル化ポリエチレングリコールまたは上記で定義されるアルコキシル化ポリエチレングリコールの混合物を含有する潤滑油組成物を対象とする。前述の潤滑油組成物は、少なくとも1種のアルコキシル化ポリエチレングリコールを、(該アルコキシル化ポリエチレングリコールが摩擦調整剤として使用される場合には)少量含み、(該アルコキシル化ポリエチレングリコールが補助溶剤として使用される場合には)中程度の量で含み、または(該アルコキシル化ポリエチレングリコールが基油として使用される場合には)多量に含む。好ましくは、前述の潤滑油組成物は、上記で定義される少なくとも1種のアルコキシル化ポリエチレングリコールを、該潤滑油組成物の総量を基準として、
1質量%以上10質量%以下、または1質量%以上40質量%以下、または20質量%以上100質量%以下、
より好ましくは、1質量%以上5質量%以下、または1質量%以上35質量%以下、または25質量%以上100質量%以下、
最も好ましくは、1質量%以上2質量%以下、または2質量%以上30質量%以下、または30質量%以上100質量%以下、
含有する。
【0066】
好ましくは、本発明による潤滑油組成物は、70℃、1GPaでミニトラクションマシン(MTM)測定を用いて定められた、25%の滑り率[転がり滑り率;slide roll ratio(SRR)]で、0.003以上0.030以下の範囲内の、より好ましくは0.03以上0.028以下の範囲内の、さらにより好ましくは0.005以上0.027以下の範囲内の、最も好ましくは0.010以上0.025以下の範囲内の摩擦係数を有する。
【0067】
他の実施形態においては、本発明は、少なくとも1種のアルコキシル化ポリエチレングリコールを含有する工業用油に関する。
【0068】
上記で定義される少なくとも1種のアルコキシル化ポリエチレングリコールまたは上記で定義されるポリエチレングリコールの混合物を含有する潤滑油組成物は、例えば、ライトデューティー(軽負荷)エンジン油、ミディアムデューティー(中負荷)エンジン油、ヘビーデューティー(高負荷)エンジン油、工業用エンジン油、船舶用エンジン油、自動車用エンジン油、クランクシャフト油、圧縮機油、冷凍機油、炭化水素圧縮機油、極低温用潤滑油脂、高温用潤滑油脂、ワイヤロープ用潤滑剤、繊維機械用油、冷凍機油、航空宇宙用潤滑剤、航空機タービン油、変速機油、ガスタービン油、スピンドル油、スピン油、トラクションフルード、変速機油、プラスチック変速機油、乗用車用変速機油、トラック用変速機油、工業用変速機油、工業用ギヤ油、絶縁油、計器用油、ブレーキフルード、変速機液、ショックアブソーバーオイル、熱分配媒体油、変圧器油、脂肪、チェーンオイル、金属加工作業用の最小量潤滑剤、高温作業用油、低温作業用油、水性金属加工液用油、ニートオイル金属加工流体用油、半合成金属加工流体用油、合成金属加工流体用油、土質調査用掘削洗浄剤、作動油、生分解性潤滑剤、生分解性潤滑グリース、生分解性ワックス、チェーンソーオイル、離型剤、成形用流体、ガン用潤滑剤、ピストル用潤滑剤、ライフル用潤滑剤、腕時計用潤滑剤および食品等級認可潤滑剤といった様々な用途での使用が可能である。
【0069】
前述の潤滑油組成物は、基油、補助溶剤および様々な添加剤を様々な比で含有しうる。
【0070】
好ましくは、前述の潤滑油組成物はさらに、鉱油(グループI、IIまたはIIIの油)、ポリ−α−オレフィン(グループIVの油)、重合オレフィン、共重合オレフィン、アルキルナフタレン、アルキレンオキシド重合体、シリコーン油、リン酸エステルおよびカルボン酸エステル(グループVの油)からなる群から選択される基油を含有する。好ましくは、前述の潤滑油は、前述の潤滑油組成物の総量を基準として、50質量%以上99質量%以下の、または80質量%以上99質量%以下の、または90質量%以上99質量%以下の基油を含有する。
【0071】
本発明における基油についての定義は、米国石油協会(API)の刊行物“Engine Oil Licensing and Certification System”,産業サービス部門、第14版、1996年12月、追補1(Addendum 1)、1998年12月に記載のものと同一である。前述の刊行物では、基油を以下のように分類している:
a)グループIの基油は、飽和分を90%未満含有し、かつ/または硫黄分を0.03%超含有し、かつ以下の表に示す試験法を用いた場合に80以上でかつ120未満の粘度指数を有する。
【0072】
b)グループIIの基油は、飽和分を90%以上含有し、かつ硫黄分を0.03%以下含有し、かつ以下の表に示す試験法を用いた場合に80以上でかつ120未満の粘度指数を有する。
【0073】
c)グループIIIの基油は、飽和分を90%以上含有し、かつ硫黄分を0.03%以下含有し、かつ以下の表に示す試験法を用いた場合に120以上の粘度指数を有する。
【0074】
基油に関する分析方法
【表1-1】
【0075】
グループIVの基油には、ポリ−α−オレフィンが含まれる。本発明に適した低粘度の合成流体には、ポリ−α−オレフィン(PAO)と、ワックスを含むフィッシャー・トロプシュ高沸点留分の水添分解または水添異性化からの合成油とが含まれる。これらはどちらも、その合成由来と一致して低い不純物レベルを有する飽和分を構成要素とする油である。この水添異性化されたフィッシャー・トロプシュワックスとは、イソパラフィン系の特性を示す飽和成分(フィッシャー・トロプシュワックスの主にn−パラフィンの異性化から生じたもの)を含む極めて適した基油であり、これによって高い粘度指数と低い流動点との良好な調和がもたらされる。フィッシャー・トロプシュワックスの水添異性化方法は、米国特許第5,362,378号;同第5,565,086号;同第5,246,566号および同第5,135,638号、並びにEP710710、EP321302およびEP321304に記載されている。
【0076】
その固有の特性に応じて低粘度または高粘度の流体として本発明に適したポリ−α−オレフィンとしては、典型的にはα−オレフィンの比較的低分子量の水添重合体またはオリゴマーを含有する公知のPAO材料が挙げられ、これに限定されるものではないがC
2〜約C
32−α−オレフィンが挙げられ、ここで、C
8〜約C
16−α−オレフィン、例えば1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が好ましい。C
14〜C
18の範囲内の高級オレフィンの二量体は低粘度の基油をもたらすが、好ましいポリ−α−オレフィンは、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセンおよびポリ−1−ドデセンである。
【0077】
本発明に適した低粘度のPAO流体は、α−オレフィンを例えばフリーデル・クラフツ触媒等の重合触媒の存在下に重合させることにより適宜製造することができ、このような触媒には、例えば、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、または、三フッ化ホウ素と水、アルコール、例えばエタノール、プロパノール若しくはブタノール、カルボン酸若しくはエステル、例えば酢酸エチル若しくはプロピオン酸エチルとの錯体が挙げられる。例えば、米国特許第3,149,178号または同第3,382,291号に開示された方法を、本発明において適宜使用することができる。PAO合成のその他の記載は、以下の米国特許文献中に存在する:米国特許第3,742,082号(Brennan);同第3,769,363号(Brennan);同第3,876,720号(Heilman);同第4,239,930号(Allphin);同第4,367,352号(Watts);同第4,413,156号(Watts);同第4,434,308号(Larkin);同第4,910,355号(Shubkin);同第4,956,122号(Watts);および同第5,068,487号(Theriot)。
【0078】
グループVの基油には、グループI〜グループIVに記載されていない全ての基油が含まれる。グループVの基油の例としては、アルキルナフタレン、アルキレンオキシド重合体、シリコーン油、リン酸エステルおよびカルボン酸エステルが挙げられる。
【0079】
合成潤滑油としては、炭化水素油およびハロゲン置換炭化水素油、例えば重合オレフィン、共重合オレフィン(例えばポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン−イソブチレン−共重合体、塩素化ポリブチレン、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン));アルキルベンゼン(例えばドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ(2−エチルヘキシル)ベンゼン);ポリフェニル(例えばビフェニル、テルフェニル、アルキル化ポリフェノール);およびアルキル化ジフェニルエーテルおよびアルキル化ジフェニルスルフィド、並びにそれらの誘導体、類似体および同族体が挙げられる。
【0080】
本発明に適したさらなるカルボン酸エステルとしては、一塩基酸および多塩基酸とモノアルカノールとのエステル(単一エステル)、または一塩基酸および多塩基酸とモノアルカノールおよびポリアルカノールの混合物とのエステル(複合エステル)、並びにモノカルボン酸のポリオールエステル(単一エステル)、またはモノカルボン酸およびポリカルボン酸の混合物のポリオールエステル(複合エステル)が挙げられる。一塩基酸および/または多塩基酸タイプのエステルとしては、例えば、モノカルボン酸、例えばヘプタン酸、およびジカルボン酸、例えばフタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸等と、様々なアルコール、例えばブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールまたはそれらとポリアルカノールとの混合物等とのエステルが挙げられる。これらのタイプのエステルの具体例としては、ヘプタン酸ノニル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、フマル酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコシル、アジピン酸ジブチル−TMP(dibutyl−TMP−adipate)等が挙げられる。
【0081】
例えば一価または多価アルコール、好ましくはヒンダードポリオール、例えばネオペンチルポリオール、例えばネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトールと、少なくとも4個の炭素原子を含むモノカルボン酸、通常はC
5〜C
30酸、例えば飽和直鎖状脂肪酸、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸およびベヘン酸、または対応する分岐状脂肪酸または不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、またはそれらとポリカルボン酸との混合物との反応により得られるエステルも、本発明に適している。
【0082】
公知の合成潤滑油の他のクラスを構成しているのは、アルキレンオキシド重合体および共重合体、並びに末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化等により変性されたそれらの誘導体である。これらは、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの重合により製造されるポリオキシアルキレン重合体、およびポリオキシアルキレン重合体のアルキルおよびアリールエーテル(例えば分子量1000のメチルポリイソプロピレングリコールエーテル、または分子量1000〜1500のポリエチレングリコールのジフェニルエーテル);並びにそれらのモノ−およびポリカルボン酸エステル、例えばテトラエチレングリコールの、酢酸エステル、混合型C
3〜C
8脂肪酸エステルおよびC
13オキソ酸ジエステルにより例示される。
【0083】
合成潤滑剤の他の有用なクラスとしては、シリコーン系油、例えばポリアルキルシリコーン油、ポリアリールシリコーン油、ポリアルコキシシリコーン油またはポリアリールオキシシリコーン油およびシリケート油が挙げられ;そのような油としては、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(p−tert−ブチルフェニル)シリケート、ヘキサ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)ジシロキサン、ポリ(メチル)シロキサンおよびポリ(メチルフェニル)シロキサンが挙げられる。他の合成潤滑油としては、リンを含む酸の液体エステル(例えばトリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート、デシルホスホン酸のジエチルエステル)およびテトラヒドロフラン重合体が挙げられる。
【0084】
本発明の潤滑油組成物は、任意にさらに、少なくとも1種の他の性能向上用添加剤を含む。前述の他の性能向上用添加剤には、分散剤、金属不活性化剤、清浄剤、粘度調整剤、極圧剤(典型的にはホウ素および/または硫黄および/またはリンを含有)、摩耗防止剤、酸化防止剤(例えばヒンダードフェノール、アミン系酸化防止剤またはモリブデン化合物)、腐食防止剤、発泡防止剤、解乳化剤、流動点降下剤、シール膨潤剤、摩擦調整剤およびそれらの混合物が含まれる。
【0085】
オイルフリーベースでの存在する前述の他の性能向上用添加剤(粘度調整剤を除く)を合一した総量は、前述の組成物の0質量%〜25質量%、または0.01質量%〜20質量%、または0.05質量%〜15質量%、または0.5質量%〜10質量%、または1質量%〜5質量%の範囲であってよい。
【0086】
前述の他の性能向上用添加剤は1種以上存在してもよいが、通常は、前述の他の性能向上用添加剤は互いに異なる量で存在する。
【0087】
一実施形態においては、前述の潤滑組成物はさらに、1種以上の粘度調整剤を含む。
【0088】
存在する場合には、粘度調整剤は、前述の潤滑組成物の0.5質量%〜70質量%、1質量%〜60質量%、または5質量%〜50質量%、または10質量%〜50質量%の量で存在することができる。
【0089】
粘度調整剤としては、
(a)ポリメタクリレート、
(b)(II)ビニル芳香族モノマー;および(ii)不飽和カルボン酸、無水物またはそれらの誘導体のエステル化共重合体、
(c)(II)α−オレフィン;および(ii)不飽和カルボン酸、無水物またはそれらの誘導体のエステル化共重合体、または
(d)スチレン−ブタジエンの水添共重合体、
(e)エチレン−プロピレン共重合体、
(f)ポリイソブテン、
(g)水添スチレン−イソプレン重合体、
(h)水添イソプレン重合体、または
(i)それらの混合物
が挙げられる。
【0090】
一実施形態においては、粘度調整剤としては、
(a)ポリメタクリレート、
(b)(II)ビニル芳香族モノマー;および(ii)不飽和カルボン酸、無水物またはそれらの誘導体のエステル化共重合体、
(c)(II)α−オレフィン;および(ii)不飽和カルボン酸、無水物またはそれらの誘導体のエステル化共重合体、または
(d)それらの混合物
が挙げられる。
【0091】
極圧剤としては、ホウ素および/または硫黄および/またはリンを含有する化合物が挙げられる。
【0092】
極圧剤は、前述の潤滑組成物中に、該潤滑組成物の0質量%〜20質量%、または0.05質量%〜10質量%、または0.1質量%〜8質量%存在することができる。
【0093】
一実施形態においては、極圧剤は含硫化合物である。一実施形態においては、含硫化合物は、硫化オレフィン、ポリスルフィドまたはそれらの混合物であってよい。硫化オレフィンの例としては、プロピレン、イソブチレン、ペンテンから誘導される硫化オレフィン;有機スルフィドおよび/またはポリスルフィド、例えばベンジルジスルフィド;ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド;ジブチルテトラスルフィド;ジ−tert−ブチルポリスルフィド;並びにオレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、硫化ディールス・アルダー付加物、アルキルスルフェニルN’,N−ジアルキルジチオカルバメート;またはそれらの混合物が挙げられる。
【0094】
一実施形態においては、硫化オレフィンとしては、プロピレン、イソブチレン、ペンテンおよびそれらの混合物から誘導される硫化オレフィンが挙げられる。
【0095】
一実施形態においては、極圧剤である含硫化合物としては、ジメルカプトチアジアゾールまたはその誘導体または混合物が挙げられる。ジメルカプトチアジアゾールの例としては、例えば2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールまたはヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールまたはそれらのオリゴマーといった化合物が挙げられる。ヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマーは、典型的には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール単位間に硫黄−硫黄結合を生成し、それによって2つ以上の前述のチアジアゾール単位の誘導体またはオリゴマーを生成することにより形成される。適した2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール誘導化合物としては、例えば2,5−ビス(tert−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールまたは2−tert−ノニルジチオ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールが挙げられる。ヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのヒドロカルビル置換基上の炭素原子の数としては、典型的には1〜30、または2〜20、または3〜16が挙げられる。
【0096】
一実施形態においては、ジメルカプトチアジアゾールは、チアジアゾール官能化分散剤であることができる。チアジアゾール官能化分散剤の詳細な説明は、国際公開公報WO2008/014315の段落[0028]〜段落[0052]に記載されている。
【0097】
チアジアゾール官能化分散剤は、チアジアゾール化合物と分散剤基剤との加熱、反応または錯形成を含む方法により製造可能である。チアジアゾール化合物は、共有結合していてもよいし、塩を形成していてもよいし、錯体を形成していてもよく、またさもなくば分散剤またはその混合物で可溶化されていてもよい。
【0098】
チアジアゾール官能化分散剤の製造に使用される分散剤基剤とチアジアゾールとの相対量は、可変である。一実施形態においては、チアジアゾール化合物は、分散剤基剤100質量部に対して0.1質量部〜10質量部で存在する。他の実施形態においては、チアジアゾール化合物は、分散剤基剤100質量部に対して0.1質量部超〜9質量部、または0.1質量部超〜5質量部未満、または0.2質量部〜5質量部未満で存在する。分散剤基剤に対するチアジアゾール化合物の相対量は、(0.1〜10):100、または(>0.1〜9):100(例えば(>0.5〜9):100)、または(0.1〜5未満):100、または(0.2〜5未満):100と表すこともできる。
【0099】
一実施形態においては、分散剤基剤は、チアジアゾール化合物1質量部に対して0.1質量部〜10質量部で存在する。他の実施形態においては、分散剤基剤は、チアジアゾール化合物1質量部に対して0.1質量部超〜9質量部、または0.1質量部超〜5質量部未満、または約0.2質量部〜5質量部未満で存在する。チアジアゾール化合物に対する分散剤基剤の相対量は、(0.1〜10):1、または(>0.1〜9):1(例えば(>0.5〜9):1)、または(0.1〜5未満):1、または(0.2〜5未満):1と表すこともできる。
【0100】
チアジアゾール官能化分散剤は基剤から誘導されることができ、この基剤としては、スクシンイミド分散剤(例えばN−置換長鎖アルケニルスクシンイミド、典型的にはポリイソブチレンスクシンイミド)、マンニッヒ分散剤、エステル含有分散剤、脂肪族ヒドロカルビルモノカルボン酸アシル化剤とアミンまたはアンモニアとの縮合生成物、アルキルアミノフェノール分散剤、ヒドロカルビル−アミン分散剤、ポリエーテル分散剤、ポリエーテルアミン分散剤、分散剤官能性を有する粘度調整剤(例えば分散剤官能性を有する高分子粘度指数向上剤(VM;viscosity index modifiers))またはそれらの混合物が挙げられる。一実施形態においては、分散剤基剤としては、スクシンイミド分散剤、エステル含有分散剤またはマンニッヒ分散剤が挙げられる。
【0101】
一実施形態においては、極圧剤としてホウ素含有化合物が挙げられる。ホウ素含有化合物としては、ホウ酸エステル(若干の実施形態においてはボレート化エポキシド(borated epoxide)とも称されることがある)、ボレート化アルコール(borated alcohol)、ボレート化分散剤(borated dispersant)、ボレート化リン脂質(borated phospholipid)、またはそれらの混合物が挙げられる。一実施形態においては、ホウ素含有化合物は、ホウ酸エステルまたはボレート化アルコールであってよい。
【0102】
ホウ酸エステルは、ホウ素化合物と、エポキシ化合物、ハロヒドリン化合物、エピハロヒドリン化合物、アルコールおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物との反応により製造することができる。アルコールとしては、二価アルコール、三価アルコールまたはより多価のアルコールが挙げられるが、但し、一実施形態に関しては、ヒドロキシル基は隣接する炭素原子上に存在しており、すなわちビシナルである。
【0103】
ホウ酸エステルの製造に適したホウ素化合物としては、ホウ酸(例えば、メタホウ酸、オルトホウ酸およびテトラホウ酸)、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素およびアルキルボレートからなる群から選択される様々な形態が挙げられる。ホウ酸エステルは、ハロゲン化ホウ素から製造されることもできる。
【0104】
一実施形態においては、適したホウ酸エステル化合物としては、トリプロピルボレート、トリブチルボレート、トリペンチルボレート、トリヘキシルボレート、トリヘプチルボレート、トリオクチルボレート、トリノニルボレートおよびトリデシルボレートが挙げられる。一実施形態においては、ホウ酸エステル化合物としては、トリブチルボレート、トリ−2−エチルヘキシルボレートまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0105】
一実施形態においては、ホウ素含有化合物は、典型的にはN−置換長鎖アルケニルスクシンイミドから誘導されるボレート化分散剤である。一実施形態においては、ボレート化分散剤としてポリイソブチレンスクシンイミドが挙げられる。ボレート化分散剤については、米国特許第3,087,936号および同第3,254,025号においてより詳細に説明されている。
【0106】
一実施形態においては、ボレート化分散剤を含硫化合物またはホウ酸エステルと組み合わせて使用することができる。
【0107】
一実施形態においては、極圧剤は、ボレート化分散剤以外である。
【0108】
長鎖アルケニル基の由来となる炭化水素の数平均分子量としては、350〜5000、または500〜3000、または550〜1500の範囲が挙げられる。長鎖アルケニル基は、550、または750、または950〜1000の数平均分子量を有することができる。
【0109】
N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドは、ホウ酸(例えばメタホウ酸、オルトホウ酸およびテトラホウ酸)、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素およびアルキルボレートを含む様々な薬剤を用いてボレート化される。一実施形態においては、ボレート化剤(borating agent)はホウ酸であり、これは単独で使用されてもよいし他のボレート化剤と組み合わせて使用されてもよい。
【0110】
ボレート化分散剤は、ホウ素化合物とN−置換長鎖アルケニルスクシンイミドとをブレンドし、これらを、所望の反応が生じるまで、例えば80℃〜250℃、または90℃〜230℃、または100℃〜210℃といった好適な温度で加熱することにより製造されることができる。ホウ素化合物対N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドのモル比は、例えば10:1〜1:4、または4:1〜1:3といった範囲であってよく、また、ホウ素化合物対N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドのモル比は、1:2であってもよい。また、ボレート化分散剤中のBのモル数:Nのモル数(すなわち、Bの原子数:Nの原子数)の比は、0.25:1〜10:1、または0.33:1〜4:1、または0.2:1〜1.5:1、または0.25:1〜1.3:1、または0.8:1〜1.2:1、または約0.5:1であってよい。反応を行う際に、不活性液体を使用してもよい。前述の液体としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミドまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0111】
一実施形態においては、前述の潤滑組成物はさらに、ボレート化リン脂質を含む。ボレート化リン脂質は、リン脂質のホウ素化から誘導されることができる(例えば、ホウ素化はホウ酸を用いて行われることができる)。リン脂質およびレシチンについては、Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk and Othmer,第3版の、“Fats and Fatty Oils”,第9巻,第795頁−第831頁および“Lecithins”,第14巻,第250頁−第269頁に詳細に説明されている。
【0112】
リン脂質は、リン酸を含むいかなる脂質であってもよく、例えばレシチンまたはセファリンまたはそれらの誘導体であってよい。リン脂質の例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスホチジン酸およびそれらの混合物が挙げられる。リン脂質は、グリセロリン脂質、上記で列挙したリン脂質のグリセロール誘導体であってよい。典型的には、グリセロリン脂質は、グリセロール基上に1つまたは2つのアシル基、アルキル基またはアルケニル基を有する。前述のアルキル基またはアルケニル基は、8〜30個、または8〜25個、または12〜24個の炭素原子を含むことができる。適したアルキル基またはアルケニル基の例としては、オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコサニル、オクテニル、ドデセニル、ヘキサデセニルおよびオクタデセニルが挙げられる。
【0113】
リン脂質は、合成により製造されてもよいし、天然源から誘導されてもよい。合成リン脂質は、当業者に知られている方法により製造されることができる。天然由来のリン脂質は、多くの場合、当業者に知られている手法により抽出される。リン脂質は、動物源または植物源に由来したものであってもよい。有用なリン脂質の一つは、ヒマワリ種子に由来する。リン脂質は、典型的には、ホスファチジルコリンを35%〜60%、ホスファチジルイノシトールを20%〜35%、ホスファチジン酸を1%〜25%、およびホスファチジルエタノールアミンを10%〜25%含み、その際、前述のパーセンテージはリン脂質全体を基準とする質量%である。脂肪酸含分は、パルミチン酸20質量%〜30質量%、ステアリン酸2質量%〜10質量%、オレイン酸15質量%〜25質量%、およびリノール酸40質量%〜55質量%であることができる。
【0114】
摩擦調整剤としては、脂肪アミン、エステル、例えばボレート化グリセロールエステル(borated glycerol esters)、脂肪ホスフィット、脂肪酸アミド、脂肪エポキシド、ボレート化脂肪エポキシド(borated fatty epoxides)、アルコキシル化脂肪アミン、ボレート化アルコキシル化脂肪アミン(borated alkoxylated fatty amines)、脂肪酸の金属塩、または脂肪イミダゾリン、カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとの縮合生成物が挙げられる。
【0115】
一実施形態においては、前述の潤滑組成物は、極圧剤として記載された化合物である上記リン酸エステルのアミン塩以外の含リン摩耗防止剤または含硫摩耗防止剤を含むことができる。前述の摩耗防止剤の例としては、非イオン性リン化合物(典型的には、酸化状態が+3または+5であるリン原子を有する化合物)、ジアルキルジチオリン酸金属塩(典型的にはジアルキルジチオリン酸亜鉛)、モノアルキルリン酸金属塩またはジアルキルリン酸金属塩(典型的にはリン酸亜鉛)またはそれらの混合物が挙げられる。
【0116】
非イオン性リン化合物としては、亜リン酸エステル、リン酸エステルまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0117】
一実施形態においては、本発明の潤滑組成物はさらに分散剤を含む。分散剤は、スクシンイミド分散剤(例えばN−置換長鎖アルケニルスクシンイミド)、マンニッヒ分散剤、エステル含有分散剤、脂肪ヒドロカルビルモノカルボン酸アシル化剤とアミン若しくはアンモニアとの縮合生成物、アルキルアミノフェノール分散剤、ヒドロカルビルアミン分散剤、ポリエーテル分散剤、またはポリエーテルアミン分散剤であってよい。
【0118】
一実施形態においては、スクシンイミド分散剤としてポリイソブチレン置換スクシンイミドが挙げられ、その際、該分散剤の由来となるポリイソブチレンは、400〜5000、または950〜1600の数平均分子量を有することができる。
【0119】
スクシンイミド分散剤およびその製造方法は、米国特許第4,234,435号および同第3,172,892号においてより十分に記載されている。
【0120】
適したエステル含有分散剤は、典型的には高分子量エステルである。こうした材料は、米国特許第3,381,022号においてより詳細に説明されている。
【0121】
一実施形態においては、分散剤としてボレート化分散剤が挙げられる。典型的には、ボレート化分散剤としては、スクシンイミド分散剤、例えばポリイソブチレンスクシンイミドが挙げられ、その際、該分散剤の由来となるポリイソブチレンは、400〜5000の数平均分子量を有することができる。ボレート化分散剤については、極圧剤の説明においてより詳細に説明されている。
【0122】
分散性粘度調整剤(しばしばDVM(dispersant viscosity modifier)とも称される)としては、官能化ポリオレフィン、例えば無水マレイン酸とアミンとの反応生成物で官能化されたエチレン−プロピレン共重合体、アミンで官能化されたポリメタクリレート、またはアミンと反応させたエステル化スチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられ、これらも本発明の組成物において使用可能である。
【0123】
腐食防止剤としては、1−アミノ−2−プロパノール、オクチルアミンオクタノエート、ドデセニルコハク酸またはドデセニル無水コハク酸および/または脂肪酸、例えばオレイン酸とポリアミンとの縮合生成物が挙げられる。
【0124】
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾールの誘導体(典型的にはトリルトリアゾール)、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾールまたは2−アルキルジチオベンゾトリアゾールが挙げられる。金属不活性化剤は、腐食防止剤とも称されうる。
【0125】
発泡防止剤としては、エチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートと任意に酢酸ビニルとの共重合体が挙げられる。
【0126】
解乳化剤としては、トリアルキルホスフェート、および、エチレングリコール、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはそれらの混合物の様々な重合体および共重合体が挙げられる。
【0127】
流動点降下剤としては、無水マレイン酸−スチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレートまたはポリアクリルアミドが挙げられる。
【0128】
シール膨潤剤としては、Exxon Necton−37(登録商標)(FN 1380)およびExxon Mineral Seal Oil(登録商標)(FN 3200)が挙げられる。
【0129】
好ましくは、前述の潤滑油組成物は、ジイソデシルアジペート、ジプロピルアジペート、ジイソトリデシルアジペート、トリメチルプロピルトリカプリレート、ジイソオクチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペートおよびジノニルアジペートからなる群から選択される補助溶剤を含有する。好ましくは、前述の潤滑油組成物は、補助溶剤を、該潤滑油組成物の総質量を基準として、0.5質量%以上35質量%以下の量で、より好ましくは1質量%以上30質量%以下の量で含有する。
【0130】
他の実施形態においては、本発明は、エンジンにおいて摩擦を低減する方法であって、上記で定義される少なくとも1種のアルコキシル化ポリエチレングリコールまたは上記で定義されるポリエチレングリコールの混合物を含有するエンジン油を用いる前記方法を対象とする。
【0131】
他の実施形態においては、本発明は、機械的装置の潤滑において潤滑油組成物の摩擦調整特性を向上させる方法であって、前記潤滑油組成物に上記で定義される少なくとも1種のアルコキシル化ポリエチレングリコールを配合することを含む前記方法を対象とする。
【0132】
摩擦調整特性の向上とは、本発明の意味では、上記で定義されるカルボン酸エステルを含有する潤滑油組成物の摩擦係数が、該カルボン酸エステルを含まない潤滑油組成物の摩擦係数よりも低いことを意味する。摩擦調整特性は、70℃、1GPaでミニトラクションマシン(MTM)測定を用いた25%の滑り率[転がり滑り率;slide roll ratio(SRR)]での摩擦係数の測定により定められる。
【0133】
本発明の意味での機械的装置とは、機械的原理で作動する装置からなる機構である。
【0134】
機械的装置は、好ましくは、ベアリング、ギヤ、ジョイントおよびガイド装置からなる群から選択される。好ましくは、機械的装置は、10℃以上80℃以下の範囲内の温度で運転される。