【実施例】
【0040】
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。
【0041】
実施例と比較例に係る育成装置には
図1に示す製造装置が用いられ、実施例と比較例に係るSGGG単結晶の直胴部における育成条件は特願2014−182970号明細書に記載された上記条件が採用されている。
【0042】
また、SGGG単結晶の育成方向と直交する任意の2平面については、育成したSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部と結晶ボトム部を選択し、かつ、結晶トップ部と結晶ボトム部内の2次元座標で特定される同一位置における格子定数をエックス線回折装置により測定し、結晶トップ部と結晶ボトム部における格子定数差の大小に基づきSGGG単結晶の良否を評価している。
【0043】
尚、下記組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12は、Gd、Ca、Ga、Mg、Zrの各原子のモル数の合計とO原子のモル数との比が「8:12」となることを意味するものとする(以下同様)。
【0044】
[実施例1]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.706:0.330:4.018:0.308:0.638、および、Ca/Mg=0.330/0.308=1.07となるように秤量した。
【0045】
尚、Ca
x=0.330(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.308(0.308≦y≦0.320)に設定され、実施例1においては上記組成式(1)の要件を満たす組成になっている。
【0046】
また、上記原料については冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、チャンバーを閉めた後、高周波コイルに電力を投入して原料を融解させた。続いて、結晶方位が<111>である棒状種結晶の先端を原料融液に浸け、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19℃/cmの条件でSGGG単結晶を育成した。
【0047】
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際には、種結晶の回転数を22rpmに設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際には、22rpmから一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点での種結晶の回転数が18rpmとなるように管理しながらSGGG単結晶直胴部の育成を行い、組成式(Gd
2.670Ca
0.330)(Ga
4.054Mg
0.308Zr
0.638)O
12で示される直径83mmで直胴部長80mmのSGGG単結晶(4.7kg)を育成した。
【0048】
尚、実施例1に係るSGGG単結晶の育成において、育成時における原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]
=[(4.7kg÷12.6kg)×100]=37.3%
に設定して育成されている。
【0049】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0050】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4970Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4972Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0002Å(12.4972Å−12.4970Å)であった。
【0051】
[実施例2]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.712:0.324:4.012:0.314:0.638、および、Ca/Mg=0.324/0.314=1.03となるように秤量した。
【0052】
尚、Ca
x=0.324(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.314(0.308≦y≦0.320)に設定され、実施例2においても上記組成式(1)の要件を満たす組成になっている。
【0053】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.676Ca
0.324)(Ga
4.048Mg
0.314Zr
0.638)O
12で示される直径83mmで直胴部長80mmのSGGG単結晶を育成した。
【0054】
尚、実施例2に係るSGGG単結晶の育成においても、育成時における原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]を37.3%に設定して育成されている。
【0055】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0056】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4965Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4966Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0001Å(12.4966Å−12.4965Å)であった。
【0057】
[実施例3]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.716:0.320:4.004:0.320:0.640、および、Ca/Mg=0.320/0.320=1.00となるように秤量した。
【0058】
尚、Ca
x=0.320(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.320(0.308≦y≦0.320)に設定され、実施例3においても上記組成式(1)の要件を満たす組成になっている。
【0059】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.680Ca
0.320)(Ga
4.040Mg
0.320Zr
0.640)O
12で示される直径83mmで直胴部長80mmのSGGG単結晶を育成した。
【0060】
尚、実施例3に係るSGGG単結晶の育成においても、育成時における原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]を37.3%に設定して育成されている。
【0061】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0062】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4966Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4967Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0001Å(12.4967Å−12.4966Å)であった。
【0063】
[実施例4]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.716:0.320:4.004:0.320:0.640、および、Ca/Mg=0.320/0.320=1.00となるように秤量した。
【0064】
尚、Ca
x=0.320(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.320(0.308≦y≦0.320)に設定され、実施例4においても上記組成式(1)の要件を満たす組成になっている。
【0065】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.680Ca
0.320)(Ga
4.040Mg
0.320Zr
0.640)O
12で示される直径83mmで直胴部長100mmのSGGG単結晶(4.7kg×100mm/80mm=5.9kg)を育成した。
【0066】
尚、実施例4に係るSGGG単結晶の育成においては、原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]について、37.3%×100mm/80mm=46.6%に設定して育成されている。
【0067】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0068】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4966Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4968Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0002Å(12.4968Å−12.4966Å)であった。
【0069】
[実施例5]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.716:0.320:4.004:0.320:0.640、および、Ca/Mg=0.320/0.320=1.00となるように秤量した。
【0070】
尚、Ca
x=0.320(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.320(0.308≦y≦0.320)に設定され、実施例5においても上記組成式(1)の要件を満たす組成になっている。
【0071】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料15.0kgを直径150mm、高さ180mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.680Ca
0.320)(Ga
4.040Mg
0.320Zr
0.640)O
12で示される直径83mmで直胴部長115mmのSGGG単結晶(6.8kg)を育成した。
【0072】
尚、実施例5に係るSGGG単結晶の育成においては、原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]について、6.8kg/15.0kg×100=45.3%に設定して育成されている。
【0073】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0074】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4969Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4971Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0002Å(12.4971Å−12.4969Å)であった。
【0075】
尚、本実施例においては、結晶底部にクラックが発生したため、育成された単結晶良品(育成方向でクラックの無い部分)率は82.6%であった。
【0076】
[比較例1]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.703:0.333:4.031:0.300:0.633、および、Ca/Mg=0.333/0.300=1.11となるように秤量した。
【0077】
尚、Ca
x=0.333(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.300(0.308≦y≦0.320)に設定され、比較例1においては上記組成式(1)におけるxとyの要件を満たさない組成になっている。
【0078】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.667Ca
0.333)(Ga
4.067Mg
0.300Zr
0.633)O
12で示される直径83mmで直胴部長80mmのSGGG単結晶を育成した。
【0079】
尚、比較例1に係るSGGG単結晶の育成においても、育成時における原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]を37.3%に設定して育成されている。
【0080】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0081】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4950Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4960Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0010Å(12.4960Å−12.4950Å)であり、格子定数の差(0.0002Å以下)に係る条件を満たさないものであった。
【0082】
[比較例2]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.706:0.330:4.028:0.303:0.633、および、Ca/Mg=0.330/0.303=1.09となるように秤量した。
【0083】
尚、Ca
x=0.330(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.303(0.308≦y≦0.320)に設定され、比較例2においては上記組成式(1)におけるyの要件を満たさない組成になっている。
【0084】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.670Ca
0.330)(Ga
4.064Mg
0.303Zr
0.633)O
12で示される直径83mmで直胴部長80mmのSGGG単結晶を育成した。
【0085】
尚、比較例2に係るSGGG単結晶の育成においても、育成時における原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]を37.3%に設定して育成されている。
【0086】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0087】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4954Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4960Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0006Å(12.4960Å−12.4954Å)であり、格子定数の差(0.0002Å以下)に係る条件を満たさないものであった。
【0088】
[比較例3]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.717:0.319:4.001:0.322:0.641、および、Ca/Mg=0.319/0.322=0.99となるように秤量した。
【0089】
尚、Ca
x=0.319(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.322(0.308≦y≦0.320)に設定され、比較例3においても上記組成式(1)におけるxとyの要件を満たさない組成になっている。
【0090】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.681Ca
0.319)(Ga
4.037Mg
0.322Zr
0.641)O
12で示される直径83mmで直胴部長80mmのSGGG単結晶を育成した。
【0091】
尚、比較例3に係るSGGG単結晶の育成においても、育成時における原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]を37.3%に設定して育成されている。
【0092】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0093】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4966Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4969Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0003Å(12.4969Å−12.4966Å)であり、格子定数の差(0.0002Å以下)に係る条件を満たさないものであった。
【0094】
[比較例4]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.726:0.310:4.008:0.323:0.633、および、Ca/Mg=0.310/0.323=0.96となるように秤量した。
【0095】
尚、Ca
x=0.310(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.323(0.308≦y≦0.320)に設定され、比較例4においても上記組成式(1)におけるxとyの要件を満たさない組成になっている。
【0096】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.690Ca
0.310)(Ga
4.044Mg
0.323Zr
0.633)O
12で示される直径83mmで直胴部長80mmのSGGG単結晶を育成した。
【0097】
尚、比較例4に係るSGGG単結晶の育成においても、育成時における原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]を37.3%に設定して育成されている。
【0098】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0099】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4948Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4953Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0005Å(12.4953Å−12.4948Å)であり、格子定数の差(0.0002Å以下)に係る条件を満たさないものであった。
【0100】
[比較例5]
SGGG単結晶をチョクラルスキー法で育成するため、組成式(GdCaGaMgZr)
8O
12で示される原料を、原子比Gd:Ca:Ga:Mg:Zr=2.726:0.310:4.014:0.320:0.630、および、Ca/Mg=0.310/0.320=0.97となるように秤量した。
【0101】
尚、Ca
x=0.310(0.320≦x≦0.330)、および、Mg
y=0.320(0.308≦y≦0.320)に設定され、比較例5においては上記組成式(1)におけるxの要件を満たさない組成になっている。
【0102】
また、上記原料は、冷間等方圧加圧法による嵩密度の増加と、加熱による炭素除去の処理を施した後、該原料12.6kgを直径150mm、高さ150mmのイリジウム坩堝に充填し、以下、実施例1と略同一条件によりSGGG単結晶の育成を行い、組成式(Gd
2.690Ca
0.310)(Ga
4.050Mg
0.320Zr
0.630)O
12で示される直径83mmで直胴部長80mmのSGGG単結晶を育成した。
【0103】
尚、比較例5に係るSGGG単結晶の育成においても、育成時における原料融液の固化率[(結晶重量÷原料重量)×100]を37.3%に設定して育成されている。
【0104】
次に、育成されたSGGG単結晶の直胴部における結晶トップ部(直胴部の上端)と結晶ボトム部(直胴部の下端)を切断し、かつ、両面研磨加工を施した後、上記エックス線回折装置を用いて、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)と結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数を測定した。
【0105】
測定の結果、結晶トップ部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶トップ部)の格子定数は12.4948Å、かつ、結晶ボトム部から得られたSGGG単結晶基板(すなわち、結晶ボトム部)の格子定数は12.4954Åで、結晶ボトム部と結晶トップ部における格子定数の差は0.0006Å(12.4954Å−12.4948Å)であり、格子定数の差(0.0002Å以下)に係る条件を満たさないものであった。