特許第6548975号(P6548975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548975
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20190711BHJP
【FI】
   G01N35/10 F
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-130066(P2015-130066)
(22)【出願日】2015年6月29日
(65)【公開番号】特開2017-15452(P2017-15452A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野中 昂平
(72)【発明者】
【氏名】森 高通
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−209372(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/116437(WO,A1)
【文献】 特開2009−036595(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/063755(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/112591(WO,A1)
【文献】 特開2010−133727(JP,A)
【文献】 特開2005−249535(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0105359(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象の試料を試料容器から反応容器に分注する試料プローブと、
分析に用いる試薬を試薬容器から反応容器に分注する試薬プローブと、
前記反応容器に収容された試料と試薬との反応液を分析する分析機構と、
前記試料プローブを洗浄するための洗浄液を貯留し、前記試料プローブを前記洗浄液に浸漬して洗浄する試料プローブ洗浄容器と、
前記試料プローブ洗浄容器の下方から前記試料プローブ洗浄容器に前記洗浄液を供給する洗浄液供給機構とを備え、
前記試料プローブが前記試料プローブ洗浄容器に挿入されて前記洗浄液に浸漬された状態で、前記試料プローブ洗浄容器の下方から前記洗浄液を供給して前記試料プローブの洗浄を行う洗浄処理、および前記試料プローブ洗浄容器の洗浄液の置換処理を実施し、
前記試料プローブは、前記洗浄処理における前記洗浄液の液面に位置する部分に形成された基部と、前記基部よりも先端側であって前記基部よりも外径が小さくなるように形成された先端部と、前記基部と前記先端部との間に配置されて前記基部と前記先端部の外径を滑らかに繋ぐように形成されたテーパ部とを有し、
前記試料プローブ洗浄容器の内側の形状は、前記洗浄処理において、前記試料プローブの基部と対向する第1の内壁部と、前記先端部と対向する第2の内壁部と、前記試料プローブのテーパ部に沿うように形成された第3の内壁部とを有し、
前記洗浄処理において、前記試料プローブ洗浄容器の第3の内壁部の上端と下端の間に前記試料プローブの先端部の上端が位置し、前記第3の内壁部の上端よりも上方に前記試料プローブのテーパ部の上端が位置することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記試料プローブ洗浄容器は、その内側に周方向に間隔を開けて並べて配置され、前記試料プローブ洗浄容器に挿入される前記試料プローブを中心へガイドするためのガイド部材を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項記載の自動分析装置において、
前記ガイド部材は、
前記洗浄処理時における前記試料プローブ洗浄容器内での前記試料プローブの位置を、前記試料プローブ洗浄容器の中心として予め定めた範囲に保持する保持部と、
前記保持部よりも上方から前記試料プローブ洗浄容器の開口部の範囲において、前記試料プローブ洗浄容器の外周側から内周側に向けて下方に傾斜して形成された導入部と
を有して形成されたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記試料プローブ洗浄容器内での前記試料プローブの洗浄処理の際に、洗浄液の吸引吐出ができることを特徴とする自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料容器に収容された血液や尿などの生体試料の定性・定量分析を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿などの生体試料(以下、試料と称する)の定性・定量分析を行う自動分析装置においては、分析対象である試料の分注に用いるプローブを適宜洗浄することによりクロスコンタミネーションの発生を抑制して分析精度の維持を図っている。
【0003】
試料の分注プローブの洗浄に関する技術として、例えば、特許文献1(特開2014−55807号公報)には、試料容器に収容された試料を吸引して反応容器に吐出する分注を行う分注プローブと、分注プローブを第1又は第2の洗浄液を用いて洗浄する洗浄部と、分注プローブを試料の吸引が可能な通常吸引位置又はこの通常吸引位置よりも下方の特殊吸引位置で停止させ、通常吸引位置で停止した分注プローブを洗浄部により第1の洗浄液を用いて洗浄が可能な通常洗浄位置又はこの通常洗浄位置よりも下方の第1又は第2の洗浄液を用いて洗浄可能な特殊洗浄位置で停止させるプローブ移動機構とを備えた自動分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−55807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、洗浄槽に貯留された洗浄液にプローブを挿入して洗浄する場合、プローブの洗浄効果を維持するためには、洗浄槽の洗浄液を汚染されていないものに適宜置換する必要がある。洗浄液の置換効率は、洗浄槽の内壁やプローブの外壁と洗浄液との間に生じる摩擦抵抗によって異なり、その摩擦抵抗は、洗浄槽やプローブの形状によって異なる。
【0006】
しかしながら、上記従来技術においては、洗浄槽やプローブの形状に関しては何ら言及されておらず、洗浄槽やプローブの形状の違いによって生じる洗浄液の置換効率に関しては改善の余地が残されている。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、試料の分注に用いるプローブの洗浄のための洗浄槽の洗浄液の置換効率を向上することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、分析対象の試料を試料容器から反応容器に分注する試料プローブと、分析に用いる試薬を試薬容器から反応容器に分注する試薬プローブと、前記反応容器に収容された試料と試薬との反応液を分析する分析機構と、前記試料プローブを洗浄するための洗浄液を貯留し、前記試料プローブを前記洗浄液に浸漬して洗浄する試料プローブ洗浄容器と、前記洗浄容器の下方から前記洗浄容器に前記洗浄液を供給する洗浄液供給機構とを備え、前記試料プローブが前記洗浄容器に挿入されて前記洗浄液に浸漬された状態で、前記洗浄容器の下方から前記洗浄液を供給して前記試料プローブの洗浄を行う洗浄処理、および前記洗浄容器の洗浄液の置換処理を実施し、前記試料プローブは、先端の外径が、前記洗浄処理において前記洗浄液の液面に位置する部分の外径よりも小さくなるように形成されるとともに、前記洗浄容器は、その内側の形状が、前記洗浄処理において前記試料プローブの外形に沿うように形成されたものとする。
【発明の効果】
【0009】
試料の分注に用いるプローブの洗浄のための洗浄槽の洗浄液の置換効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図である。
図2】洗浄液供給機構の全体構成を模式的に示す図である。
図3】第1の試料分注機構による試料分注処理の様子を示す図である。
図4】第2の試料分注機構による試料分注処理の様子を示す図である。
図5】第1の試料分注機構における追加洗浄処理の様子を示す図であり、洗浄容器に試料プローブを挿入した状態の縦断面図である。
図6図5におけるA−A線断面図である。
図7】洗浄容器に試料プローブを挿入した状態の縦断面図である。
図8図7におけるB−B線断面図である。
図9図7におけるC−C線断面図である。
図10】追加洗浄位置における洗浄容器に対する試料プローブの相対位置を説明する図である。
図11】装置立上の洗浄処理を示すフローチャートである。
図12】キャリーオーバー回避洗浄を示すフローチャートである。
図13】スタンバイ状態からの洗浄処理を示すフローチャートである。
図14】装置立下の洗浄処理を示すフローチャートである。
図15】プローブ吸引・吐出動作のフローチャートである。
図16】洗浄液供給・引戻し動作のフローチャートである。
図17】第1の実施の形態における洗浄液の流速の様子を示す図である。
図18】従来技術における洗浄液の流速の様子を模式的に示す図である。
図19】従来技術における洗浄液の流速の様子を模式的に示す図である。
図20】第1の実施の形態の変形例における洗浄液供給機構の全体構成を模式的に示す図である。
図21図26におけるD−D線断面図である。
図22】ガイド部材のD−D断面における他の形状例を示す図である。
図23】ガイド部材のD−D断面における他の形状例を示す図である。
図24図21におけるF部の拡大図である。
図25】ガイド部材の縦断面における他の形状例を示す図である。
図26】洗浄容器に配置されたガイド部材の一例を示す縦断面図である。
図27】第2の実施の形態の洗浄容器への試料プローブの挿入の様子を示す図である。
図28】第2の実施の形態の洗浄容器への試料プローブの挿入の様子を示す図である。
図29】第2の実施の形態の洗浄容器への試料プローブの挿入の様子を示す図である。
図30】ガイド部材を有しない洗浄容器への試料プローブの挿入の様子を示す図である。
図31】ガイド部材を有しない洗浄容器への試料プローブの挿入の様子を示す図である。
図32】ガイド部材を有しない洗浄容器への試料プローブの挿入の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0012】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1図19を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図である。
【0014】
図1において、自動分析装置100は、分析対象の血液や尿などの生体試料(以下、単に試料と称する)を収容した試料容器15と、1つ以上の試料容器15を搭載した試料ラック16と、試料ラック16を搬送する試料搬送機構17と、試料の分析に用いる試薬を収容した試薬ボトル10と、複数の試薬ボトル10を周方向に並べて配置した試薬ディスク9と、試料と試薬とを混合して反応させる反応容器2と、複数の反応容器2を周方向に並べて配置した反応ディスク1と、試料搬送機構17により試料分注位置に搬送された試料容器15から反応容器2に試料を分注する第1及び第2の試料分注機構11,12と、試薬ボトル10から反応容器2に試薬を分注する試薬分注機構7,8と、反応容器2に分注された試料と試薬の混合液(反応液)を攪拌する攪拌機構5,6と、図示しない光源から反応容器2の反応液を介して得られる透過光を測定することにより、反応液の吸光度を測定する分光光度計4と、使用済みの反応容器2を洗浄する洗浄機構3と、自動分析装置100の全体の動作を制御する制御部21とから概略構成されている。自動分析装置100における分析処理においては、分光光度計4が混合液(反応液)の吸光度を測定し、この吸光度から試薬に応じた分析項目の所定成分の濃度等などが算出される。なお、図1においては、図示の簡単のため、自動分析装置100を構成する各機構と制御部21との接続を一部省略して示している。
【0015】
第1の試料分注機構11は、その先端を下方に向けて配置された試料プローブ11aを有しており、試料プローブ11aには、試料用ポンプ19が接続されている。第1の試料分注機構11は、水平方向への回転動作及び上下動作が可能なように構成されており、試料プローブ11aを試料容器15に挿入して試料を吸引し、試料プローブ11aを反応容器2に挿入して試料を吐出することにより、試料容器15からから反応容器2への試料の分注を行う。第1の試料分注機構11の稼動範囲には、試料プローブ11aを洗浄液により洗浄する洗浄槽13および洗浄容器23(試料プローブ洗浄容器)が配置されている。
【0016】
第2の試料分注機構12は、その先端を下方に向けて配置された試料プローブ12aを有しており、試料プローブ12aには、試料用ポンプ19が接続されている。第2の試料分注機構12は、水平方向への回転動作及び上下動作が可能なように構成されており、試料プローブ12aを試料容器15に挿入して試料を吸引し、試料プローブ12aを反応容器2に挿入して試料を吐出することにより、試料容器15からから反応容器2への試料の分注を行う。第2の試料分注機構12の稼動範囲には、試料プローブ12aを洗浄液により洗浄する洗浄槽14および洗浄容器24(試料プローブ洗浄容器)が配置されている。
【0017】
試薬分注機構7,8は、その先端を下方に向けて配置された試薬プローブ7a,8aを有しており、試薬プローブ7a,8aには、試薬用ポンプ18が接続されている。試薬分注機構7,8は、水平方向への回転動作及び上下動作が可能なように構成されており、試薬プローブ7a,8aを試薬ボトル10(試薬容器)に挿入して試薬を吸引し、試薬プローブ7a,8aを反応容器2に挿入して試薬を吐出することにより、試薬ボトル10からから反応容器2への試薬の分注を行う。試薬分注機構7,8の稼動範囲には、試薬プローブ7a,8aを洗浄液により洗浄する洗浄槽32,33が配置されている。
【0018】
攪拌機構5,6は、水平方向への回転動作及び上下動作が可能なように構成されており、反応容器2に挿入することにより試料と試薬の混合液(反応液)の攪拌を行う。攪拌機構5,6の稼動範囲には、攪拌機構5,6を洗浄液により洗浄する洗浄槽30,31が配置されている。また、洗浄機構3には、洗浄液用ポンプ20が接続されている。
【0019】
図2は、洗浄液供給機構の全体構成を模式的に示す図である。
【0020】
図2において、洗浄液供給機構は、第1及び第2の試料分注機構11,12の試料プローブ11a,12aに対して追加洗浄処理(後述)を実施する洗浄容器23,24に洗浄液を供給するものであり、第2の洗浄液を収容した図示しない洗浄液保管タンクから第2の洗浄液を送出する洗浄液供給ポンプ52と、洗浄液供給ポンプ52からの第2の洗浄液をさらに下流側に送出する洗浄液供給シリンジ51と、洗浄液供給ポンプ52から洗浄液供給シリンジ51への第2の洗浄液の流れを制御する電磁弁66と、第1の洗浄液を収容した洗浄液保管タンク53,54の第1の洗浄液の残量を検出する洗浄液残量センサ56,57と、洗浄液保管タンク53,54からの第1の洗浄液を合流する第1の分岐管59と、洗浄液保管タンク53,54から第1の分岐管59への第1の洗浄液の流れをそれぞれ制御する電磁弁64,65と、洗浄液供給シリンジ51および第1の分岐管59からの第1及び第2の洗浄液を合流して洗浄容器23,24に送る第2の分岐管58と、第1の分岐管59から第2の分岐管58への第1の洗浄液の流れを制御する電磁弁63と、第2の分岐管59から洗浄容器23,24への第1及び第2の洗浄液の流れをそれぞれ制御する電磁弁61,62とから概略構成されている。
【0021】
このように構成した洗浄液供給機構においては、洗浄容器23,24に対して洗浄液保管タンク53,54に収容された第1の洗浄液を自動供給することが可能であるとともに、洗浄液供給ポンプ52によって、洗浄容器23,24へ第2の洗浄液を供給することも可能であり、洗浄容器23,24内に貯留される洗浄液を第1の洗浄液から第1の洗浄液に置換する以外にも、第1の洗浄液から第2の洗浄液への置換や、第2の洗浄液から第1の洗浄液へ置換も可能である。
【0022】
ここで、洗浄液供給機構の基本動作について説明する。
【0023】
洗浄容器23内に貯留された洗浄液(例えば、洗浄処理に使用されて汚染された第1の洗浄液)を洗浄液保管タンク53からの綺麗な第1の洗浄液に置換する場合は、まず、電磁弁63,64を開放すると共に、電磁弁61,62,65,66を遮断する。続いて、洗浄液供給シリンジ51を用いて、洗浄液保管タンク53側から第1の洗浄液を吸引する。これにより、第1及び第2の分岐管58,59の一部及び洗浄液供給シリンジ51側の配管内の一部に第1の洗浄液が満たされる。続いて、電磁弁61を開放すると共に、電磁弁62,63,64,65,66を遮断し、洗浄液供給シリンジ51によって分岐管58,59の一部及び洗浄液供給シリンジ51側の配管内の一部に満たされた第1の洗浄液を押し出して洗浄容器23へ供給する。以上の動作により、洗浄容器23内に貯留されていた第1の洗浄液は、供給された第1の洗浄液に押し出される形で排出され、洗浄容器23内に貯留されていた洗浄液は綺麗な第1の洗浄液に置換される。
【0024】
洗浄容器24内に貯留された洗浄液(例えば、洗浄処理に使用されて汚染された第1の洗浄液)を洗浄液保管タンク53からの綺麗な第1の洗浄液に置換する場合は、まず、電磁弁63,64を開放すると共に、電磁弁61,62,65,66を遮断する。続いて、洗浄液供給シリンジ51を用いて、洗浄液保管タンク53側から第1の洗浄液を吸引する。これにより、分岐管58,59の一部及び洗浄液供給シリンジ51側の配管内の一部に第1の洗浄液が満たされる。続いて、電磁弁62を開放すると共に、電磁弁61,63,64,65,66を遮断し、洗浄液供給シリンジ51によって分岐管58,59の一部及び洗浄液供給シリンジ51側の配管内の一部に満たされた第1の洗浄液を押し出して洗浄容器24へ供給する。以上の動作により、洗浄容器24内に貯留されていた第1の洗浄液は、供給された第1の洗浄液に押し出される形で排出され、洗浄容器24内に貯留されていた洗浄液は綺麗な第1の洗浄液に置換される。
【0025】
洗浄容器23内に貯留された洗浄液(例えば、洗浄処理に使用されて汚染された第1の洗浄液)を洗浄液保管タンク54からの綺麗な第1の洗浄液に置換する場合は、まず、電磁弁63,65を開放すると共に、電磁弁61,62,64,66を遮断する。続いて、洗浄液供給シリンジ51を用いて、洗浄液保管タンク54側から第1の洗浄液を吸引する。これにより、分岐管58,59の一部及び洗浄液供給シリンジ51側の配管内の一部に第1の洗浄液が満たされる。続いて、電磁弁61を開放すると共に、電磁弁62,63,64,65,66を遮断し、洗浄液供給シリンジ51によって分岐管58,59の一部及び洗浄液供給シリンジ51側の配管内の一部に満たされた第1の洗浄液を押し出して洗浄容器23へ供給する。以上の動作により、洗浄容器23内に貯留されていた第1の洗浄液は、供給された第1の洗浄液に押し出される形で排出され、洗浄容器23内に貯留されていた洗浄液は綺麗な第1の洗浄液に置換される。
【0026】
洗浄容器24内に貯留された洗浄液(例えば、洗浄処理に使用されて汚染された第1の洗浄液)を洗浄液保管タンク54からの綺麗な第1の洗浄液に置換する場合は、まず、電磁弁63,65を開放すると共に、電磁弁61,62,64,66を遮断する。続いて、洗浄液供給シリンジ51を用いて、洗浄液保管タンク54側から第1の洗浄液を吸引する。これにより、分岐管58,59の一部及び洗浄液供給シリンジ51側の配管内の一部に第1の洗浄液が満たされる。続いて、電磁弁62を開放すると共に、電磁弁61,63,64,65,66を遮断し、洗浄液供給シリンジ51によって分岐管58,59の一部及び洗浄液供給シリンジ51側の配管内の一部に満たされた第1の洗浄液を押し出して洗浄容器24へ供給する。以上の動作により、洗浄容器24内に貯留されていた第1の洗浄液は、供給された第1の洗浄液に押し出される形で排出され、洗浄容器24内に貯留されていた洗浄液は綺麗な第1の洗浄液に置換される。
【0027】
洗浄容器23内に貯留された洗浄液(例えば、第1の洗浄液)を第2の洗浄液に置換する場合は、電磁弁61,66を開放し、電磁弁62,63,64,65を遮断すると共に、洗浄液供給ポンプ52によって洗浄液を送出する。以上の動作により、洗浄容器23内に貯留されていた第1の洗浄液は、供給された第2の洗浄液に押し出される形で排出され、洗浄容器23内に貯留されていた洗浄液は第2の洗浄液に置換される。
【0028】
洗浄容器24内に貯留された洗浄液(例えば、第1の洗浄液)を第2の洗浄液に置換する場合は、電磁弁62,66を開放し、電磁弁61,63,64,65を遮断すると共に、洗浄液供給ポンプ52によって洗浄液を送出する。以上の動作により、洗浄容器24内に貯留されていた第1の洗浄液は、供給された第2の洗浄液に押し出される形で排出され、洗浄容器24内に貯留されていた洗浄液は第2の洗浄液に置換される。
【0029】
なお、洗浄液保管タンク53,54に備えられた、洗浄液残量センサ56,57により液量管理を行うことが可能である。例えば、洗浄液保管タンク53より洗浄液の供給を行っているときに、洗浄液残量センサ56で残量無しの判断が下された場合は、電磁弁64を遮断して、電磁弁65を開放し、洗浄液保管タンク54からの洗浄液の供給に切替える。また、逆の場合も同様であり、洗浄液保管タンク54より洗浄液の供給を行っているときに、洗浄液残量センサ57で残量無しの判断が下された場合には、電磁弁65を遮断して、電磁弁64を開放し、洗浄液保管タンク53からの洗浄液の供給に切替る。以上の動作により、ユーザの洗浄液の管理工数の低減を行い、検体測定中のアラームによる装置停止のリスクも低減することが可能となる。
【0030】
図3は、第1の試料分注機構による試料分注処理の様子を示す図である。また、図4は、第2の試料分注機構による試料分注処理の様子を示す図である。
【0031】
図3に示すように、第1の試料分注機構11の試料プローブ11aは、後述する洗浄処理時において洗浄液の液面位置に位置する部分の外径よりも先端側の外径がより小さくなるように形成されており、洗浄処理時において洗浄液の液面位置に位置するように形成された基部111aと、基部111aよりも先端側であって、基部111aよりも外径が小さくなるように形成された先端部111bと、基部111aと先端部111bとの間に配置され、基部111aと先端部111bの外径を滑らかに繋ぐように形成されたテーパ部111cとを備えている。
【0032】
また、図4に示すように、第2の試料分注機構12の試料プローブ12aも同様の形状を有している。すなわち、試料プローブ12aは、後述する洗浄処理時において洗浄液の液面位置に位置する部分の外径よりも先端側の外径がより小さくなるように形成されており、洗浄処理時において洗浄液の液面位置に位置するように形成された基部112aと、基部112aよりも先端側であって、基部112aよりも外径が小さくなるように形成された先端部112bと、基部112aと先端部112bとの間に配置され、基部112aと先端部112bの外径を滑らかに繋ぐように形成されたテーパ部112cとを備えている。
【0033】
図3においては、試料容器15aに収容された試料を反応容器2に分注する試料分注処理の様子を例示しており、分注対象の試料115aに試料プローブ11aの先端部111bだけを深さH1まで浸漬させる場合を示している。また、図4においては、試料容器15bに収容された試料を反応容器2に分注する試料分注処理の様子を例示しており、分注対象の試料115bに試料プローブ11bの基部112aまで(深さH2まで)浸漬させる場合を示している。
【0034】
図5及び図6は、第1の試料分注機構における追加洗浄処理の様子を示す図であり、図5は洗浄容器に試料プローブを挿入した状態の縦断面図を、図6図5におけるA−A線断面図をそれぞれ示す図である。
【0035】
図5及び図6において、洗浄容器23は、使用する洗浄液に耐性を持った樹脂あるいは金属で形成されている。追加洗浄処理では、洗浄容器23に貯留された洗浄液23a(第1の洗浄液又は第2の洗浄液)に試料プローブ11aを深さH1よりも予め定めた規定値α1だけ深い位置(すなわち、深さH1+α1)まで浸漬させた状態で、洗浄液供給機構により洗浄容器23の下方から洗浄液を供給し、上面から排出することによって試料プローブ11aの洗浄(洗浄処理)、及び、洗浄容器23内の洗浄液の置換(置換処理)を行う。
【0036】
図7図9は、第2の試料分注機構における追加洗浄処理の様子を示す図であり、図7は洗浄容器に試料プローブを挿入した状態の縦断面図を、図8図7におけるB−B線断面図を、図9図7におけるC−C線断面図をそれぞれ示す図である。また、図10は、追加洗浄位置における洗浄容器に対する試料プローブの相対位置を説明する図である。
【0037】
図7図9において、洗浄容器24は、使用する洗浄液に耐性を持った樹脂あるいは金属で形成されている。追加洗浄処理では、洗浄容器24に貯留された洗浄液24a(第1の洗浄液又は第2の洗浄液)に試料プローブ12aを深さH2よりも予め定めた規定値α2だけ深い位置(すなわち、深さH2+α2)まで、言い換えると基部112aまで浸漬させた状態で、洗浄液供給機構により洗浄容器24の下方から洗浄液を供給し、上面から排出することによって試料プローブ12aの洗浄(洗浄処理)、及び、洗浄容器24内の洗浄液の置換(置換処理)を行う。ここで、追加洗浄処理における洗浄容器24と試料プローブ12aの相対位置を追加洗浄位置と定義する。
【0038】
洗浄容器24の内側の形状は、試料プローブ12aの外形に沿うように形成されている。具体的には、洗浄容器24の内側の形状は、試料プローブ12aを洗浄容器24に挿入して追加洗浄位置に配置した場合に、試料プローブ12aの基部112aと対向する洗浄容器24の内壁部124a(第1の内壁部)の距離と、先端部112bと対向する洗浄容器24の内壁部124b(第2の内壁部)の距離とがほぼ同じになるように形成されたうえで、テーパ部112cに沿うようにテーパ部124c(第3の内壁部)を有するように形成されている。なお、テーパ部112cとテーパ部124cとは、必ずしも平行でなくてもよいが、平行であってもよい。
【0039】
図10においては、試料プローブ12a及び洗浄容器24のテーパ部112c,124cを拡大して示している。図10に示すように、追加洗浄位置においては、洗浄容器24のテーパ部124cの上端(位置L2)と下端(位置L4)の間に、試料プローブ12aの先端部の上端(位置L2:試料プローブ12aの先端部112bとテーパ部112cの境界)が位置し、テーパ部124cの上端(位置L2)よりも上方にテーパ部112cの上端(位置L1)が位置する。
【0040】
続いて、第1及び第2の試料分注機構11,12における試料プローブ11a,12aの試料分注処理および洗浄処理について説明する。
【0041】
試料分析中における試料プローブの洗浄処理では、試料ごとに洗浄槽13,14によって試料プローブ11a,12aの外側及び内側の洗浄を行う。しかし、分注した試料が試料プローブ11a,12aに残留してしまった場合には、次に分析する項目の対象試料の分注時に試料を汚染してしまうとともに、分注対象試料を収容した試料容器中の試料をも汚染してしまう(すなわち、クロスコンタミネーションが発生してしまう)。したがって、このようなクロスコンタミネーションの回避・低減を目的として、予め登録された検体種別の試料に対して、予め登録された分析項目の測定依頼があった場合に、その試料を分析する前に試料プローブ11a,12aの追加洗浄処理を行う、キャリーオーバー回避洗浄を実施する。
【0042】
図11は、装置立上の洗浄処理を示すフローチャートである。
【0043】
図11において、制御部21は、装置立上の指示が入力されると(ステップS110)、洗浄容器23,24へ試料プローブ11a,12aを下降させ(ステップS111)、洗浄容器23,24内の洗浄液を第2の洗浄液から第1の洗浄液に置換し(ステップS112)、試料プローブ11a,12aで第1の洗浄液を吸引し(ステップS113)、試料プローブ11a,12aを上昇させ(ステップS114)、洗浄槽13,14に移動させて第2の洗浄液で試料プローブ11a,12aを洗浄し(ステップS115)、その後、スタンバイ状態として(ステップS116)、処理を終了する。
【0044】
図12は、キャリーオーバー回避洗浄を示すフローチャートである。
【0045】
図12において、制御部21は、予め登録された検体種別の試料に対して予め登録された分析項目の測定依頼がなされた試料の吸引・吐出が指示されると(ステップS120)、洗浄容器23,24へ試料プローブ11a,12aを下降させ(ステップS121)、試料プローブ11a,12aで第1の洗浄液を吸引し(ステップS122)、洗浄容器23,24内の洗浄液を綺麗な第1の洗浄液に置換し(ステップS123)、試料プローブ11a,12aを上昇させ(ステップS124)、洗浄槽13,14に移動させて第2の洗浄液で試料プローブ11a,12aを洗浄し(ステップS125)、処理を終了する。
【0046】
図13は、スタンバイ状態からの洗浄処理を示すフローチャートである。
【0047】
図13において、制御部21は、スタンバイ状態で予め定めたN時間経過すると(ステップS130)、洗浄容器23,24内の洗浄液を第1の洗浄液から第2の洗浄液に置換し(ステップS131)、洗浄容器23,24へ試料プローブ11a,12aを下降させ(ステップS132)、洗浄容器23,24内の洗浄液を第2の洗浄液から第1の洗浄液に置換し(ステップS133)、試料プローブ11a,12aで第1の洗浄液を吸引し(ステップS134)、試料プローブ11a,12aを上昇させ(ステップS134)、洗浄槽13,14に移動させて第2の洗浄液で試料プローブ11a,12aを洗浄し(ステップS135)、その後、スタンバイ状態として(ステップS136)、処理を終了する。
【0048】
図14は、装置立下の洗浄処理を示すフローチャートである。
【0049】
図14において、制御部21は、装置立上の指示が入力されると、スタンバイ状態から(ステップS140)、洗浄容器23,24内の洗浄液を第1の洗浄液から第2の洗浄液に置換し(ステップS141)、装置を立下げて(ステップS142)、処理を終了する。
【0050】
図15及び図16は、図11図14に示した洗浄処理に適用可能な追加的な洗浄動作を示す図であり、図15はプローブ吸引・吐出動作のフローチャートであり、図16は洗浄液供給・引戻し動作のフローチャートである。
【0051】
図15において、制御部21は、プローブ吸引・吐出動作が指示されると、まず、洗浄容器23,24へ試料プローブ11a,12aを下降させ(ステップS150)、試料プローブ11a,12aで第1の洗浄液を吸引し(ステップS151)、試料プローブ11a,12aで第1の洗浄液を吐出し(ステップS152−1)、ふたたび試料プローブ11a,12aで第1の洗浄液を吸引する(ステップS153−1)。そして、予め定めた回数Nだけ、ステップS152−1,S153−1の処理を繰り返す(ステップS152−N,S153−N)。その後、試料プローブ11a,12aを上昇させ(ステップS154)、洗浄槽13,14に移動させて第2の洗浄液で試料プローブ11a,12aを洗浄し(ステップS155)、処理を終了する。
【0052】
図16において、制御部21は、洗浄液供給・引戻し動作が指示されると、まず、洗浄容器23,24へ試料プローブ11a,12aを下降させ(ステップS160)、試料プローブ11a,12aで第1の洗浄液を吸引する(ステップS161)。続いて、洗浄容器23,24内の洗浄液の引戻しを行い(ステップS162−1)、ふたたび洗浄容器23,24内に洗浄液を供給する(ステップS163−1)。そして、予め定めた回数Nだけ、ステップS162−1,S163−1の処理を繰り返す(ステップS162−N,S163−N)。その後、試料プローブ11a,12aを上昇させ(ステップS164)、洗浄槽13,14に移動させて第2の洗浄液で試料プローブ11a,12aを洗浄し(ステップS165)、処理を終了する。
【0053】
以上のように構成した本実施の形態の効果を説明する。
【0054】
ところで、洗浄槽に貯留された洗浄液にプローブを挿入して洗浄する場合、プローブの洗浄効果を維持するためには、洗浄槽の洗浄液を汚染されていないものに適宜置換する必要がある。洗浄液の置換効率は、洗浄槽の内壁やプローブの外壁と洗浄液との間に生じる摩擦抵抗によって異なり、その摩擦抵抗は、洗浄槽やプローブの形状によって異なる。
【0055】
図18及び図19は、従来技術における洗浄液の流速の様子を模式的に示す図であり、図17は本実施の形態における洗浄液の流速の様子を示す図である。
【0056】
図18及び図19に示すように、洗浄液の流速は、管内を流れる洗浄液と内壁との間に生じる摩擦抵抗によって、壁際に近い位置になるほど遅いという特性を持っている。そのため、洗浄液置換の際、汚染洗浄液が壁際に残留し易い傾向にあることから、管内を流れる洗浄液の速度を高め、置換効率を向上させる必要がある。
【0057】
これに対して、本実施の形態においては、図17に示すように、試料プローブ12aは、洗浄処理時において洗浄液の液面位置に位置する部分の外径よりも先端側の外径がより小さくなるように形成されており、洗浄容器24の内側の形状は、試料プローブ12aの外形に沿うように形成されているので、試料の分注に用いるプローブの洗浄のための洗浄槽の洗浄液の置換効率を向上することができる。
【0058】
すなわち、図8及び図9に示すように、洗浄液の通過する断面積を減らすことができるので、洗浄容器内を流れる洗浄液の速度を高めることができ、壁面に残留し易い汚染洗浄液を排出し易くすると共に、置換時間の短縮を図ることができる。また、洗浄液へ浸漬したプローブの体積分洗浄液の置換量を削減できるので、洗浄液の無駄使いの低減にもつながる。
【0059】
また、試料プローブ12aは、洗浄容器24の上部方向から突っ込んで洗浄を行うため、洗浄容器24内の汚染濃度は上部の方が濃くなる傾向となるが、洗浄容器24の下部から綺麗な洗浄液を供給し、洗浄液の流れを一定方向とすることにより、洗浄容器24全体を汚染することなく、効率良く洗浄液の置換を行うことができる。
【0060】
<第1の実施の形態の変形例>
第1の実施の形態の変形例を図20を参照しつつ説明する。
【0061】
本変形例は、第1の実施の形態における洗浄液供給機構の構成の一部を変更したものである。
【0062】
図20は、本変形例における洗浄液供給機構の全体構成を模式的に示す図である。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0063】
図20において、洗浄液供給機構は、第1及び第2の試料分注機構11,12の試料プローブ11a,12aに対して追加洗浄処理を実施する洗浄容器23,24に洗浄液を供給するものであり、第2の洗浄液を収容した図示しない洗浄液保管タンクから第2の洗浄液を送出する洗浄液供給ポンプ52と、洗浄液供給ポンプ52からの第2の洗浄液をさらに下流側に送出する洗浄液供給シリンジ51と、洗浄液供給ポンプ52から洗浄液供給シリンジ51への第2の洗浄液の流れを制御する電磁弁66と、第1の洗浄液を収容した洗浄液保管タンク53,54の第1の洗浄液の残量を検出する洗浄液残量センサ56,57と、洗浄液保管タンク53,54からの第1の洗浄液を合流して第2の分岐管58および他の洗浄機構67へ送る第1の分岐管59Aと、第1の分岐管59Aから他の洗浄機構67への第1の洗浄液の流れを制御する電磁弁60と、洗浄液保管タンク53,54から第1の分岐管59への第1の洗浄液の流れをそれぞれ制御する電磁弁64,65と、洗浄液供給シリンジ51および第1の分岐管59からの第1及び第2の洗浄液を合流して洗浄容器23,24に送る第2の分岐管58と、第1の分岐管59から第2の分岐管58への第1の洗浄液の流れを制御する電磁弁63と、第2の分岐管59から洗浄容器23,24への第1及び第2の洗浄液の流れをそれぞれ制御する電磁弁61,62とから概略構成されている。
【0064】
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0065】
以上のように構成した本変形例においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、本変形例においては、洗浄容器23,24とは別の洗浄機構(他の洗浄機構67)への第1の洗浄液の供給ルートを有して構成したので、他の洗浄機構67を備えることが可能である。なお、洗浄容器、洗浄液保管タンク、シリンジについては、複数個設置することも可能であり、装置の仕様に応じて増設することが可能である。
【0067】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図21図32を参照しつつ説明する。
【0068】
本実施の形態は、第1の実施の形態における洗浄容器の内側に、試料プローブを中心へガイドするためのガイド部材を備えたものである。
【0069】
図21図26は、本実施の形態におけるガイド部材について説明する図である。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0070】
図26は、洗浄容器に配置されたガイド部材の一例を示す縦断面図であり、図21図26におけるD−D線断面図である。図24は、図21におけるF部の拡大図である。図22及び図23は、ガイド部材のD−D断面における他の形状例を示す図である。図25は、ガイド部材の縦断面における他の形状例を示す図である。
【0071】
図26において、ガイド部材121aは、洗浄容器24の内側に周方向に間隔を開けて並べて配置された板状部材であって、洗浄容器24に挿入される試料プローブ12aを中心へガイドするためのものであり、洗浄処理時における洗浄容器24内での試料プローブの位置を、洗浄容器の中心として予め定めた範囲に保持する保持部と、保持部よりも上方から洗浄容器24の開口部の範囲において、洗浄容器の外周側から内周側に向けて下方に傾斜して形成された導入部とを有して形成されている。
【0072】
ガイド部材121aは周方向に等間隔に配置されており、数量は3つ以上であれば上限は制限しない。ただし、ガイド部材121a間への試料プローブ12aの進入を防止するために、領域Eの面積は、試料プローブ12aの先端部の断面積よりも小さくする。導入部の傾斜角度は、試料プローブ12aが洗浄容器24の中心へスムーズにガイドされる角度であれば足りるが、例えば、導入部の傾斜と試料プローブ12aの側面のなす角θ1は45度以下となるように形成する。
【0073】
図24のように、ガイド部材121aの洗浄容器24との接続部分にはR加工を施す。これにより、極小領域における洗浄液の滞留を抑制することができ、効率良く洗浄液を置換することができる。また、図22のように、ガイド部材122aの厚みが中心部に向かって薄くなるように形成してもよい。また、図23のように、ガイド部材123aの中心側の端部がR形状を有するように形成してもよい。また、図25のように、ガイド部材125aを導入部のみ形成するように構成しても良い。
【0074】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0075】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、図30図32に示すように、ガイド部材を有しない構成の場合には、試料プローブ12aが洗浄容器24に対して片寄って挿入された場合、試料プローブは洗浄容器24に対して片寄って挿入されてしまうが、本実施の形態のように、ガイド部材を有する構成とした場合には、図27図29に示すように試料プローブを洗浄容器24の中心へ呼び込むことができる
【符号の説明】
【0077】
1 反応ディスク
2 反応容器
3 洗浄機構
4 分光光度計
5,6 攪拌機構
7,8 試薬分注機構
7a,8a 試薬プローブ
9 試薬ディスク
10 試薬ボトル(試薬容器)
11,12 試料分注機構
11a,12a 試料プローブ
13,14 試料プローブ洗浄槽
15,15a,15b 試料容器
16 試料ラック
17 試料搬送機構
18 試薬用ポンプ
19 試料用ポンプ
20 洗浄液用ポンプ
21 制御部
23,24 洗浄容器(試料プローブ洗浄容器)
30,31 攪拌機構洗浄槽
32,33 試薬プローブ洗浄槽
51 洗浄液供給シリンジ
52 洗浄液供給ポンプ
53,54 洗浄液保管タンク
56,57 洗浄液残量センサ
58,59,59A 分岐管
60,61,62,63,64,65,66 電磁弁
67 洗浄機構
100 自動分析装置
111a,112a 基部
111b,112b 先端部
111c,112c テーパ部
121a,122a,123a,125a ガイド部材
124a 内壁部(第1の内壁部)
124b 内壁部(第2の内壁部)
124c テーパ部(第3の内壁部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
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図24
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図26
図27
図28
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図30
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図32