(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属膜が形成される複数の溝と、前記複数の溝間に設けられた複数のピラーとを有する基板のうち、前記基板の中央面における前記ピラーの幅と、前記中央面の外周に構成される外周面における前記ピラーの幅の測定データを受信する工程と、
前記ピラーの幅と前記ピラーに隣接して形成される調整膜の幅との和であって、前記中央面における和と前記外周面における和との差分が所定の範囲内となるよう、前記溝に前記調整膜を形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
金属膜が形成される複数の溝と、前記溝間に設けられた複数のピラーとを有する基板に対して、前記中央面における前記ピラーの幅と、前記中央面の外周に構成される外周面に
おける前記ピラーの幅と、を測定する工程と、
前記ピラーの幅と前記ピラーに隣接して形成される調整膜の幅との和であって、前記中央面における和と前記外周面における和との差分が所定の範囲内となるよう、前記溝に前記調整膜を形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
金属膜が形成される複数の溝と、前記複数の溝間に設けられた複数のピラーとを有する基板のうち、前記基板の中央面における前記ピラーの幅と、前記中央面の外周に構成される外周面における前記ピラーの幅の測定データを受信する手順と、
前記ピラーの幅と前記ピラーに隣接して形成される調整膜の幅との和であって、前記中央面における和と前記外周面における和との差分が所定の範囲内となるよう、前記溝に前記調整膜を形成する手順と
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の第一の実施形態について説明する。
【0011】
図1を用いて、半導体装置の製造工程の一工程を説明する。この工程では、一例としてDRAM(Dynamic Random Access Memory)を形成する。以下に具体的なフローおよび半導体装置の構造を説明する。
【0012】
最初に、比較例である一般的な半導体装置の構造について
図17、
図18を用いて説明する。
図17はメモリセルの平面図である。
図18はキャパシタの形成が終了した時点での構造を示しており、
図17のα−α、β−βにおける断面図である。なお、
図17においては、説明の便宜上、主要な配線構造のみ記載し、
図18の一部の構成を省略している。
【0013】
図17は、ウエハ100の中央面100aに設けられる配線群と、中央面100aの外周に構成される外周面100bに設けられる配線群を説明する図である。ウエハ100には、複数のワード線110が設けられる。複数のビット線120は複数のワード線110と交差するように設けられる。更にワード線110、およびビット線120と交差するよう、アクティブ領域130が形成される。
【0014】
アクティブ領域130の一部にはコンタクトプラグ140が接続される。なお、中央面100aにおけるワード線110をワード線110a、ビット線120をビット線120a、アクティブ領域130をアクティブ領域130aと呼ぶ。同様に、外周面100bにおけるワード線110をワード線110b、ビット線120をビット線120b、アクティブ領域130をアクティブ領域130bと呼ぶ。
【0015】
中央面100aにおいて、隣接するワード線110a間では距離L1(a)が維持されるよう構成される。また、外周面100bにおいて、隣接するワード線110b間では距離L1(b)が維持されるよう構成される。
【0016】
図18は
図17のα−α、β−βにおける断面図である。
ウエハ100には複数の溝101が設けられている。溝101の内側には、金属膜としてのワード線110とウエハ100間を絶縁する絶縁膜111が設けられている。さらに、絶縁膜111の内側にはワード線110が設けられている。溝101のうち、ワード線110の上方には、キャップ絶縁膜112が設けられる。
【0017】
隣接する溝101の間には、アクティブ領域130として構成されるピラー131が設けられている。ピラー131の上方にはコンタクトプラグ接続領域132が設けられる。コンタクトプラグ接続領域132には不純物が注入されており、コンタクトプラグ140が接続される。コンタクトプラグ接続領域132は、コンタクト面とも呼ぶ。ピラー131の幅は、中央面100aにおいては幅L1(a)であり、外周面100bにおいては幅L1(b)である。
【0018】
また、溝101の間であって、ピラー131と異なる箇所には、ビット線120と接続されるビット線接続領域121が設けられる。ビット線接続領域121には不純物が注入されており、ビット線120が接続される。なお、本実施形態においては、ウエハ100に形成された構成を含む層を第ゼロ層もしくはM(0)と呼ぶ。
【0019】
ウエハ100の上面には、層間絶縁膜141が設けられる。更に層間絶縁膜141上には、ライナー絶縁膜142が設けられる。ライナー絶縁膜142は、層間絶縁膜141上のほかに、ビット線120を囲むように設けられる。ビット線120の上方にはカバー絶縁膜144が設けられる。更には、ビット線120とコンタクトプラグ140の間には、ビット線120とコンタクトプラグ140の間を絶縁する配線間絶縁膜145が設けられる。なお、本実施形態においては、M(0)上に形成された層、即ち層間絶縁膜141からその上方に設けた層間絶縁膜151の配線間絶縁膜145までの層を第一層、もしくはM(1)と呼ぶ。
【0020】
カバー絶縁膜144、層間絶縁膜145の上部には、層間絶縁膜151が設けられる。層間絶縁膜151はコンタクトプラグ140が貫通され、コンタクトプラグ140上にはコンタクトパッド152が設けられる。コンタクトパッド152上には、円柱状のシリンダポール153が設けられ、シリンダポール153の内部には外側から順に下部電極154、容量絶縁膜155、上部電極156が設けられる。なお、本実施形態においては、M(1)上に形成された層、即ち層間絶縁膜151からその上部電極156までを第二層、もしくはM(2)と呼ぶ。
【0021】
ところで、このような構造の半導体装置の場合、歩留まりを向上させるにあたり、コンタクトプラグ接続領域132の面積を所定の範囲内とすることが望ましい。コンタクト領域132の面積は抵抗値と比例するため、面積にばらつきがあると抵抗値にもばらつきが発生する。そのため、コンタクトプラグへの流れ電流の量等もばらつきが発生してしまう。従って、製品に影響の無い程度で面積を所定の範囲内とすることが望ましい。
【0022】
しかしながら、半導体装置を製造する過程においては、後述するように、中央面100aと外周面100bとでは、ピラー131の幅が異なることがある。ピラー131の幅はコンタクトプラグ接続領域132と比例関係にあるため、コンタクトプラグ接続領域132の面積が中央面100aと外周面100bとで異なってしまう。その結果歩留まりが低下してしまうという問題がある。そこで、本実施形態においては、コンタクトプラグ接続領域の面積を所定の範囲内として、歩留まりを低下させないよう、半導体装置を製造する技術を提供する。
【0023】
以下に
図1から
図16を用いて、本実施形態を説明する。ここでは、M(0)の形成を中心に説明する。
(S102)
図1におけるハードマスク形成工程S102について、
図2、
図3、
図4を用いて説明する。
図2では、ウエハ100上にハードマスク102を形成する。ここでは、
図3に記載のハードマスク形成装置を用いる。ハードマスク102は、例えばシリコン窒化(SiN)膜が用いられる。更に、図示しないレジスト形成装置を用いて、ハードマスク102上にレジスト103を形成する。
【0024】
ところで、ハードマスク102は、中央面100aにおけるハードマスク102aの膜厚と、外周面100bにおけるハードマスク102bの膜厚が異なることがある。これはハードマスク102を形成するハードマスク形成装置の装置構造や経年劣化を原因とすることが一般的に知られている。
【0025】
ここで、一般的なハードマスク形成装置300について
図3を用いて説明する。
図3は一般的な枚葉装置である。ハードマスク形成装置300は、筐体301を有する。筐体301内には、シャフト303に支持された基板載置台302が設けられる。ハードマスク102を形成する際には、基板載置台302上にウエハ100が載置される。筐体301の上壁であって、基板載置台302の上方には、ガス供給管304が設けられる。ガス供給管304は図示しないハードマスク膜形成ガスのガス源が接続される。更に、ガス供給管304には、バルブやマスフローコントローラを有する図示しないガス供給制御部が設けられ、筐体301内に供給するガスの供給を制御している。筐体301の側壁には排気管305が設けられる。排気管305は、例えば基板載置台302よりも下方に設けられる。排気管305には、筐体301内の圧力を調整するAPC(Auto Pressure Controller)306が設けられる。更には、排気管305は排気用ポンプ307に接続される。APC306と排気用ポンプ307によって、筐体301から排気されるガスの量が調整される。
【0026】
APC306等の部品の故障や劣化が起こると、筐体301内の圧力や、ガスの流速が設定値から変動してしまう。初期の設定値は、基板面内を均一に処理する観点から、ハードマスク膜がウエハ100の面内においてフラットになるような値に設定されている。ところが前述のように設定値から変動してしまった場合、フラットなハードマスク膜を形成することが困難となる。具体的には、ハードマスク膜は
図4のような膜厚分布で形成される。例えば、圧力が下降すると分布Aのように中央面100aの膜厚が厚く外周面100aの膜厚が薄い、凸状のハードマスク膜が形成される。一方、圧力が上昇すると分布Bのように中央面100aの膜厚が薄く外周面100bの膜厚が厚い、凹状のハードマスク膜が形成される。
【0027】
(S104)
続いて、露光工程S104を説明する。ハードマスク102上にレジスト103を形成したら、図示しない露光装置に移載する。露光装置では露光処理を行う。露光装置では、
図5に記載のように、ランプ104、露光用マスク105を用いる。ランプ104から照射された光は露光用マスク105を介してレジスト103に照射され、
図5に記載のようにレジスト103に溝で構成されるパターンを形成する。その後、図示しないエッチング装置に移載してエッチング処理を行い、
図6に記載のように、ハードマスク102を所望のパターンに形成する。パターン形成後、レジスト103を除去する。
【0028】
次に、厚みが凹凸状のハードマスク膜102を有するウエハ100に露光処理を行った場合について、
図5、
図6を用いて説明する。ここでは、中央面100aのハードマスク膜102aが薄く、外周面100bのハードマスク102bが厚い凹形状(分布B)のハードマスクを例として説明する。
【0029】
露光処理においては、ランプ104から、露光用マスク105を介してレジスト103に光106を照射し、所望のパターンを形成する。分布Aのような凸状膜や、分布Bのような凹状膜の場合、露光用マスク105からハードマスク膜102aまでの距離Haと、露光用マスク105からハードマスク102bまでの距離Hbが異なる。従って、中央面100aと外周面10bとで焦点深度が異なり、結果レジストに形成されるパターンの幅L2が異なってしまう。分布Bの膜の場合、中央面100aのレジスト103に形成されたパターン幅L2(a)が、外周面100bのレジスト103に形成されたパターン幅L2(b)よりも広くなる。
【0030】
その後、その状態で
図6のようにハードマスク102にパターンを形成する。ここでは、レジストのパターン幅に合わせたパターンが形成されるため、ハードマスク102においても中央面100aと外周面100bとでパターン幅が異なる。中央面100aでは幅L2(a)の溝が形成され、外周面100bでは幅L2(b)の溝が形成される。
【0031】
(S106)
続いて、
図7を用いて溝形成工程S106を説明する。ここでは、ウエハ100を図示しないエッチング装置に移載し、パターニングされたハードマスク102を有する状態で、所定時間エッチング処理を行う。これにより、
図7に記載のように、ウエハ100の全面に溝101が形成される。所望の深さの溝101が形成されたらエッチングを停止し、その後ハードハードマスク102を除去する。ここではハードマスク103のパターン幅の影響を受けるため、溝101の幅もウエハ100の内周と外周とで異なる。
図7においては、中央面100aの溝101aの幅L2(a)は、外周面100bの溝101bの幅L2(b)よりも広くなる。
【0032】
前述したように、溝101の間はピラー131である。従って、溝101の幅が異なるということは、ピラー131の幅も異なる。例えば、
図7においては、中央面100aのピラー131aの幅L3(a)は、外周面100aの溝101bの幅L3(b)よりも狭くなる。
【0033】
所定深さの溝101を形成したら、
図8のようにハードマスク102を除去する。
【0034】
(S108)
続いて、不純物注入工程S108を説明する。ここではウエハ100を図示しない不純物注入装置に移載し、ピラー131の上面に不純物としてのリン(P)や砒素(AS)を注入する。このようにして第一のコンタクトプラグ接続領域132を形成する。
【0035】
(S110)
続いて、ピラー幅測定工程S110を説明する。本工程では、ウエハ100を図示しない測定装置に移載し、ウエハ100面内のピラー131の幅L3を測定する。具体的には、ウエハ100の中央面100aにおけるピラー幅L3(a)と、外周におけるピラー幅L3(b)を測定する。測定データは、例えば
図9のような分布となる。
図9において、分布Cは、ピラー131の幅L3が、中央面100aは広く、外周面100bは狭いいことを示す。これはハードマスク102が分布Aであるときの状態である。また、分布Dは、ピラー131の幅が、中央面100aは狭く、外周面100bは広いことを示す。これはハードマスク102が分布Bであるときの状態である。
【0036】
測定した後、測定データは、後述する基板処理装置900に送信される。なお、本実施形態においては不純物注入工程S108の後に本工程を行ったが、後述する調整膜形成工程S112の前に行われればよく、例えば溝形成工程S106と不純物注入工程S108の間に行ってもよい。
【0037】
(S112)
続いて、
図10を用いて調整膜形成工程S112を説明する。前述のように、ピラー131の上方に形成されたアクティブ領域130の面積のばらつきは所定の範囲内に収まることが望ましい。しかしながら、前述のようにピラー131の幅が異なるため、面積のばらつきが発生する。
【0038】
そこで本工程においては、ウエハ100の面内において、アクティブ領域130の面積のばらつきが所定の範囲内となるよう、ピラー131と隣接するよう、溝101中に調整膜107を形成する。調整膜107を形成することで、ピラー131の幅と調整膜107の幅を足した幅L4を調整する。以下にその調整を行う基板処理装置900と、それを用いた調整方法について説明する。基板処理装置900は、
図11に示されているように、枚葉式基板処理装置として構成されている。
【0039】
(基板処理装置)
基板処理装置900は処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウエハ等のウエハ100を処理する処理室201、搬送室203が形成されている。処理容器202は、上部容器202aと下部容器202bで構成される。上部容器202aと下部容器202bの間には仕切り板204が設けられる。上部処理容器202aに囲まれた空間であって、仕切り板204よりも上方の空間を構成する部屋を処理室と201と呼び、下部容器202bに囲まれた空間であって、仕切り板204よりも下方の空間を搬送室203と呼ぶ。
【0040】
下部容器202bの側面には、ゲートバルブ205に隣接した基板搬入出口206が設けられており、ウエハ100は基板搬入出口206を介して図示しない真空搬送室との間を移動する。下部容器202bの底部には、リフトピン207が複数設けられている。
【0041】
処理室201内には、ウエハ100を支持する基板載置部210が設けられている。基板載置部210は、ウエハ100を載置する載置面211と、載置面211を表面に持つ基板載置台212とを有する。更には、加熱部としてのヒータ213を設ける。加熱部を設けることにより、ウエハ100を加熱させ、ウエハ100上に形成される膜の品質を向上させることができる。
【0042】
基板載置台212はシャフト217によって支持される。シャフト217は、処理容器202の底部を貫通しており、更には処理容器202の外部で昇降機構218に接続されている。昇降機構218を作動させてシャフト217及び基板載置台212を昇降させることにより、基板載置面211上に載置されるウエハ100を昇降させることが可能に構成される。なお、シャフト217下端部の周囲はベローズ219により覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
【0043】
基板載置台212は、ウエハ100の搬送時には、載置面211が基板搬入出口206の位置(ウエハ搬送位置)となるように下降し、ウエハ100の処理時には、ウエハ100が処理室201内の処理位置(ウエハ処理位置)まで上昇する。
【0044】
ヒータ213は、ウエハ100の中心である中心面100aと、外周面100bをそれぞれ個別に加熱制御可能な構成である。例えば、基板載置面211の中心に設けられ、上方から見て周状のセンターゾーンヒータ213aと、同じく周状であり、センターゾーンヒータ213aの外周に設けられたアウトゾーンヒータ213bを有する。センターゾーンヒータ213aはウエハの中心面を加熱し、アウトゾーンヒータ213bはウエハの外周面を加熱する。
【0045】
センターゾーンヒータ213a、アウトゾーンヒータ213bは、それぞれヒータ電力供給線を介してヒータ温度制御部215に接続される。ヒータ温度制御部215は各ヒータへの電力供給を制御することで、ウエハ100の中心面、外周面の温度を制御する。
【0046】
基板載置台213には、ウエハ100の温度を測定する温度測定器216aと温度測定器216bが内包される。温度測定器216aはセンターゾーンヒータ213a近傍の温度を測定するよう、基板載置台212の中心部に設けられる。温度測定器216bはアウトゾーンヒータ213b近傍の温度を測定するよう、基板載置台212の外周面に設けられる。温度測定器216a、温度測定器216bは電気的に温度情報受信部216cに接続される。各温度測定器が発生する電圧や電流は、温度情報受信部216cで温度情報として測定される。温度情報は、温度情報受信部216cから後述するコントローラ280に送信される。コントローラ280は受信した温度情報や上位装置270から受信するピラー幅情報に基づきヒータ温度を制御する。なお、温度測定器216a、温度測定器216b、温度情報受信部216cをまとめて温度検出部216とする。
【0047】
(排気系)
処理室201(上部容器202a)の内壁上面には、処理室201の雰囲気を排気する排気口221が設けられている。排気口221には排気管224が接続されており、排気管224には、処理室201内を所定の圧力に制御するAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力調整器222、真空ポンプ223が順に直列に接続されている。主に、排気口221、排気管224、圧力調整器222により、第1の排気部(排気ライン)が構成される。なお、真空ポンプ223を第1の排気部に含めるように構成しても良い。
【0048】
(バッファ室)
処理室201の上方には、バッファ室232が設けられている。バッファ室232は、側壁232a、天井232bにより構成されている。バッファ室232は、シャワーヘッド234を内包する。バッファ室232の内壁232aとシャワーヘッド234との間には、ガス供給経路235が構成される。即ち、ガス供給経路235はシャワーヘッド234の外壁234bを囲むように設けられる。
【0049】
シャワーヘッド234と処理室201を区画する壁には、分散板234aが設けられる。分散板234aは例えば円盤状に構成される。処理室201側から見ると、
図12のようにガス供給経路235はシャワーヘッド側壁234bと側壁232aの間であって、分散板234の水平方向周囲に設けられた構造となる。
【0050】
バッファ室232の天井232bには、ガス導入管236が貫通されている。更に、ガス導入管238が接続されている。ガス導入管236はシャワーヘッド234に接続される。ガス導入管236、ガス導入管238は後述するガス供給部に接続される。
【0051】
ガス導入管236から導入されたガスはシャワーヘッド234を介して処理室201に供給される。ガス導入管238から導入されたガスはガス供給経路235を介して処理室201に供給される。
【0052】
シャワーヘッド234から供給されたガスはウエハ100の中心に供給される。ガス供給経路235から供給されたガスはウエハ100のエッジに供給される。ウエハの外周面(エッジ)とは、前述のウエハ中心に対して、その外周をいう。
【0053】
(ガス供給部)
続いて、
図13を用いてガス供給部を説明する。
図13のA1は
図11のA1に接続され、
図13のA2は
図11のA2に接続される。即ち、ガス供給管241aはガス導入管236に接続され、ガス供給管242aはガス導入管238に接続される。
【0054】
ガス供給管241aには、上流から合流管240b、マスフローコントローラ241b、バルブ241cが設けられる。マスフローコントローラ241b、バルブ241cによって、ガス供給管241aを通過するガスの流量が制御される。合流管240bの上流には第一の処理ガスのガス源240aが設けられる。
【0055】
第一の処理ガスは、原料ガス、すなわち、処理ガスの一つである。第一の処理ガスは、第一元素を含む。
ここで、第一元素は、例えばシリコン(Si)である。すなわち、第一処理ガスは、例えばシリコン含有ガスである。シリコン含有ガスとしては、例えば、ジシラン(Si
2H
6)ガスを用いる。なお、シリコン含有ガスとしては、ジシランの他に、TEOS(Tetraethyl orthosilicate、Si(OC
2H
5)
4)SiH
2(NH(C
4H
9))
2(ビス ターシャル ブチル アミノ シラン、略称:BTBAS)、テトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH
3)
2]
4、略称:4DMAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C
2H
5)
2]
2H
2、略称:2DEAS)ガス、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH
2[NH(C
4H
9)]
2、略称:BTBAS)ガス等、ヘキサメチルジシラザン(C
6H
19NSi
2、略称:HMDS)やトリシリルアミン((SiH
3)
3N、略称:TSA)、ヘキサクロロジシラン(Si
2Cl
6、略称:HCDS)等を用いることができる。なお、第一処理ガスの原料は、常温常圧で固体、液体、及び気体のいずれであっても良い。第一処理ガスの原料が常温常圧で液体の場合は、ガス供給源240aとMFC241bとの間に、図示しない気化器を設ければよい。ここでは原料は気体として説明する。
【0056】
好ましくは、バルブ241cの下流側に、不活性ガスを供給するための第一の不活性ガス供給管243aが接続される。不活性ガス供給管243aには、上流から不活性ガス源243b、マスフローコントローラ243c、バルブ243dが設けられる。不活性ガスは例えばヘリウム(He)ガスが用いられる。不活性ガスは、ガス供給管241aを流れるガスに添加され、希釈ガスとして使用される。マスフローコントローラ243c、バルブ243dを制御することで、ガス導入管236、シャワーヘッド234を介して供給する処理ガスの濃度や流量を、より最適にチューニングすることができる。
【0057】
ガス導入管238と接続されるガス供給管242aには、上流から合流管240b、マスフローコントローラ242b、バルブ242cが設けられる。マスフローコントローラ242b、バルブ242cによって、ガス供給管242aを通過するガスの流量が制御される。合流管240bの上流には第一の処理ガスのガス源240aが設けられる。
【0058】
好ましくは、バルブ242cの下流側に、不活性ガスを供給するための第二の不活性ガス供給管244aが接続される。不活性ガス供給管244aには、上流から不活性ガス源244b、マスフローコントローラ244c、バルブ244dが設けられる。不活性ガスは例えばヘリウム(He)ガスが用いられる。不活性ガスは、ガス供給管242aを流れるガスに添加され、希釈ガスとして使用される。マスフローコントローラ244c、バルブ244dを制御することで、ガス導入管238、ガス供給経路235を流れるガスの濃度や流量を、より最適にチューニングすることができる。
【0059】
ガス供給管241a、マスフローコントローラ241b、バルブ241c、ガス供給管242a、マスフローコントローラ242b、バルブ242c、合流管240bをまとめてガス供給部と呼ぶ。なお、ガス源240a、ガス導入管236、ガス導入管238をガス供給部に含めても良い。
【0060】
第一の不活性ガス供給管243a、マスフローコントローラ243c、バルブ243d、第二の不活性ガス供給管244a、マスフローコントローラ244c、バルブ244dをまとめて第一不活性ガス供給部と呼ぶ。なお、不活性ガス源243b、不活性ガス源244bを第一不活性ガス供給部に含めても良い。
更には、ガス供給部に第一不活性ガス供給部を含めても良い。
【0061】
以上のように、ガス供給部にマスフローコントローラ、バルブを設けているので、個別にガスの量を制御することができる。また、第一の不活性ガス供給部、第二の不活性ガス供給部のそれぞれにマスフローコントローラ、バルブを設けているので、個別にガスの濃度を制御することができる。
【0062】
(制御部)
基板処理装置900は、基板処理装置900の各部の動作を制御するコントローラ280を有している。
【0063】
コントローラ280の概略を
図14に示す。制御部(制御手段)であるコントローラ280は、CPU(Central Processing Unit)280a、RAM(Random Access Memory)280b、記憶装置280c、I/Oポート280dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM280b、記憶装置280c、I/Oポート280dは、内部バス280eを介して、CPU280aとデータ交換可能なように構成されている。CPU280aは送受信指示部280fを有し、送受信指示部280fが各構成間の情報の送受信を指示する。コントローラ280には、例えばタッチパネル等で構成された入出力装置281や、外部記憶装置282が接続可能に構成されている。更に、上位装置270にネットワークを介して接続される受信部283が設けられる。受信部283は、上位装置270から他の装置の情報を受信することが可能である。
【0064】
記憶装置280cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置280c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプログラムレシピ等が読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ280に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプログラムレシピ,プロセスレシピ,制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プログラムレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM280bは、CPU280aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0065】
I/Oポート280dは、ゲートバルブ、昇降機構、ヒータ、圧力調整器、真空ポンプ等に接続されている。また、各MFC、バルブ等にも接続されていても良い。
【0066】
CPU280aは、記憶装置280cからの制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置281からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置280cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU280aは、読み出されたプロセスレシピの内容に沿うように、ゲートバルブの開閉動作、昇降機構の昇降動作、ヒータへの電力供給動作、圧力調整器の圧力調整動作、真空ポンプのオンオフ制御、マスフローコントローラの流量調整動作、バルブ等を制御可能に構成されている。
【0067】
なお、コントローラ280は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていても良い。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)282を用意し、係る外部記憶装置282を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ280を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置282を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置282を介さずにプログラムを供給するようにしても良い。なお、記憶装置280cや外部記憶装置282は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において、記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置280c単体のみを含む場合、外部記憶装置282単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合が有る。
【0068】
なお、本実施形態の受信部では、上位装置270から他の装置の情報を受信することについて記載したが、それに限るものではない。例えば、他の装置から、直接情報を受信するようにしてもよい。また、入出力装置281で他の装置の情報を入力し、それに基づき制御しても良い。また、他の装置の情報を外部記憶装置に記憶し、その外部記憶装置から他の装置の情報を受信しても良い。
【0069】
続いて、基板処理装置900を用いた調整膜107の形成方法について説明する。
ピラー幅測定工程S110の後、測定されたウエハ100は基板処理装置900に搬入される。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ280により制御される。
【0070】
(基板搬入工程)
ピラー幅測定工程S110でピラー幅の分布が測定されたら、ウエハ100を基板処理装置900に搬入させる。
【0071】
(減圧・昇温工程)
続いて、処理室201内が所定の圧力(真空度)となるように、排気管224を介して処理室201内を排気する。この際、温度センサ216が検出した温度値に基づき、処理室201内が所定の温度となるようにヒータ213への通電量をフィードバック制御する。具体的には、基板載置部210をヒータ213により予め加熱しておき、ウエハ100又は基板載置部210の温度変化が無くなってから所定時間置く。
【0072】
ウエハ100が基板載置部210に載置され、処理室201内の雰囲気が安定した後、マスフローコントローラ241b、マスフローコントローラ242bを稼働させると共に、バルブ241c、バルブ242cの開度を調整する。このとき、マスフローコントローラ243c、マスフローコントローラ244cを稼働させると共に、バルブ243d、バルブ244dの開度を調整しても良い。
【0073】
(ガス供給工程)
ガス供給工程では、所定時間ガス供給部から処理室201にガスを供給する。
【0074】
ガスを供給する際は、上位装置270から受信したピラー幅L3の分布データに応じてガス供給部のマスフローコントローラやバルブを制御し、ウエハ100の中央面に供給する処理ガスの量(もしくは濃度)と外周面に供給する処理ガスの量(もしくは濃度)をそれぞれ制御する。より良くは、上位装置270から受信した測定データに応じて、センターゾーンヒータ213aとアウターゾーンヒータ213bを制御して、ウエハ100の面内の温度分布を制御する。
【0075】
処理室201内に供給されたガスは処理室201内で分解され、溝101内に調整膜107を形成する。
【0076】
所定の時間経過後、各バルブを閉じて、ガスの供給を停止する。
【0077】
このときのヒータ213の温度は、既に形成されている構成に悪影響の無い温度とする。例えば、ウエハ100が300〜450℃の範囲内の所定の温度となるように設定する。
【0078】
不活性ガスとしては、Heガスの他、膜に悪影響の無いガスであれば良く、例えばAr,N2、Ne,Xe等の希ガスを用いても良い。
【0079】
(基板搬出工程)
ガス供給工程が終わった後、ゲートバルブ205を解放し、ウエハ100をゲートバルブ205外へ搬送する。
【0080】
続いて、本装置を用いた調整膜107の幅を制御する方法を説明する。
前述のように、ピラー131の幅は、ウエハ100の中央面100aと外周面100bとで異なる。ピラー幅測定工程S110では、ピラー131の幅の分布を測定する。測定結果は上位装置270を通して、RAM280bに格納される。格納されたデータは記憶装置280c内のレシピと比較され、そのレシピに基づいた装置制御が成され、膜厚分布を調整(チューニング)する。
【0081】
次に、RAM280bに格納されたデータが分布Dである場合を説明する。
【0082】
分布Dは、ピラー131の幅が、中央面100aは狭く外周面100bは広いことを示す。分布Dの場合、本工程では、
図10に記載のように、ウエハ100外周面に形成する調整膜107bの幅を狭くし、ウエハ100中央面に形成する調整膜107aの幅を調整膜107bよりも広くなるよう制御する。具体的には、ガスを供給する際、ウエハ100の外周面に供給するシリコン含有ガスを、ウエハ100中央面よりも少なくするよう制御する。このようにすることで、本半導体装置におけるアクティブ領域130の幅、即ちピラー131の幅と調整膜107の幅を足した幅を、ウエハ100の面内で所定の範囲内とすることができる。言い換えれば、ピラー131の幅と調整膜107の幅を足した幅を、中央面100aと外周面100bとで揃えることができる。
【0083】
このときガス供給部では、マスフローコントローラ241bを制御すると共に、バルブ241cの開度を制御し、シャワーヘッド234から処理室201に供給するシリコン含有ガスの量を制御する。更に、マスフローコントローラ242bを制御すると共に、バルブ242cの開度を制御し、ガス供給経路235から処理室201にシリコン含有ガスを供給する。
【0084】
ウエハ100の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、ガス供給経路235から供給されるガスの暴露量がシャワーヘッド234から供給されるガスの暴露量よりも少なくなるよう制御される。ここでいう暴露量とは、処理ガスの主成分の暴露量をいう。本実施形態においては、処理ガスがシリコン含有ガスであり、主成分はシリコンである。
【0085】
シャワーヘッド234を介して供給されたシリコン含有ガスは、ウエハ100の中央面100a上に供給される。供給されたガスは、
図10に示すように、溝101a表面に調整膜107aを形成する。
【0086】
ガス供給経路235を介して供給されたシリコン含有ガスはウエハ100の外周面100b上に供給される。供給されたガスは、
図10に示すように、溝101b表面に調整膜107bを形成する。
【0087】
前述のように、ウエハ100の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、中央面100a上が外周面100bよりも多くなるので、調整膜107aの幅を調整膜107bよりも広くすることが可能となる。
【0088】
このとき、
図10に示すように、ウエハ100の中央面100aにおいては、ピラー幅L3(a)と調整膜107(a)の幅を足した幅L4(a)は、ピラー幅L3(b)と調整膜107(b)の幅を足した幅L4(b)が略等しくなるよう、調整膜107を形成する。言い換えると、幅L4(a)と幅L4(a)との差は、アクティブ領域の均一性に影響しない所定の範囲内とする。
【0089】
また、別の方法として、ガス供給管241aとガス供給管242aのシリコン含有ガスの供給量を同じとし、替わりにガス供給管241aとガス供給管242aそれぞれのシリコン含有ガスの濃度を制御しても良い。シリコン含有ガスの濃度を制御する際は、第一不活性ガス供給部を制御することで、ガス供給管241a、ガス供給管242aを通過するシリコン含有ガスの濃度を制御する。分布Dの場合、ガス供給管241aを通過するシリコン含有ガスの濃度を高くすると共に、ガス供給管242aを通過するシリコン含有ガスの濃度を、ガス供給管241aを通過するガスの濃度よりも低くする。
【0090】
このようにすることで、ウエハ100の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量に関し、ガス供給経路235から供給されるガス量がシャワーヘッド234から供給されるガス量よりも少なくなるよう、より緻密に制御できる。このように制御することで、より確実に調整膜107aの幅を調整膜107bよりも大きくすることが可能となる。
【0091】
より良くは、ガス供給管241aとガス供給管242aのシリコン含有ガスの供給量を異ならせると共に、濃度を異ならせても良い。このような制御をすることで、単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量をより大きい差分で供給することができる。即ち、調整膜107aと調整膜107bとでより大きい幅差とすることができる。
【0092】
更により良くは、上記のように処理ガスを制御することと並行して、センターゾーンヒータ213aとアウトゾーンヒータ213bを制御しても良い。形成される調整膜107の幅は温度に比例するので、分布Dの場合、アウターゾーンヒータ213bの温度をセンターゾーンヒータ213aよりも低くする。例えばジシランガスのような、温度条件が膜生成効率に大きく寄与するガスを用いて調整膜107を形成する場合に有効である。
【0093】
このように、処理ガス供給量(濃度)と温度を並行して制御すると、より緻密な膜厚制御が可能となる。
【0094】
次に、RAM280bに格納されたデータが分布Cである場合を説明する。分布Cの場合とは、
図9に示すように、ピラー131aの幅がピラー131bの幅よりも広い場合をいう。
【0095】
分布Cの場合、本工程では、中央面100aに形成する調整膜107aの幅を狭くし、外周面100bに形成する調整膜107bの幅を調整膜107aよりも広くするよう制御する。具体的には、ガスを供給する際、中央面100aに供給するシリコン含有ガスを、外周面100bよりも少なくするよう制御する。このようにすることで、本半導体装置におけるアクティブ領域130の幅、即ちピラー131の幅と調整膜107の幅を足した幅を、ウエハ100の面内で所定の範囲内とすることができる。言い換えれば、ピラー131の幅と調整膜107の幅を足した幅を、中央面100aと外周面100bとで揃えることができる。
【0096】
このとき、ガス供給部ではマスフローコントローラ241bを制御すると共に、バルブ241cの開度を制御し、シャワーヘッド234から処理室201に供給するシリコン含有ガスの量を制御する。更に、マスフローコントローラ242bを制御すると共に、バルブ242cの開度を制御し、ガス供給経路235から処理室201にシリコン含有ガスを供給する。ウエハ100の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、シャワーヘッド234から供給されるガスの暴露量がガス供給経路235から供給されるガスの暴露量よりも小さくなるよう制御される。
【0097】
このとき、ウエハ100の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、シャワーヘッド234から供給されるガスの暴露量がガス供給経路235から供給されるガスの暴露量よりも小さくなるよう制御される。
【0098】
シャワーヘッド234を介して供給されたシリコン含有ガスは、ウエハ100の中央面100a上に供給される。供給されたガスは、溝101表面に調整膜107aを形成する。
【0099】
ガス供給経路235を介して供給されたシリコン含有ガスはウエハ100の外周面100b上に供給される。供給されたガスは、溝101表面に調整膜107bを形成する。
【0100】
前述のように、ウエハ100の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、中央面100a上が外周面100bよりも少なくなるので、調整膜107aの幅を調整膜107bよりも小さくすることが可能となる。
【0101】
また、別の方法として、分布Dにおける処理と同様に、ガス供給管241aとガス供給管242aのシリコン含有ガスの供給量を同じとし、替わりにガス供給管241aとガス供給管242aそれぞれのシリコン含有ガスの濃度を制御しても良い。
【0102】
このようにすることで、より確実にウエハ100の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、シャワーヘッド234から供給されるガス量がガス供給経路235から供給されるガス量よりも少なくするよう制御できる。このように制御することで、より確実に調整膜107aの幅を調整膜107bよりも小さくすることが可能となる。
【0103】
より良くは、分布Dにおける処理と同様に、ガス供給管251aとガス供給管252aのシリコン含有ガスの供給量を異ならせると共に、濃度を異ならせても良い。
【0104】
更により良くは、上記のように処理ガスを制御することと並行して、センターゾーンヒータ213aとアウトゾーンヒータ213bを制御しても良い。形成される幅は温度に比例するので、分布Cの場合、センターゾーンヒータ213aの温度をアウターゾーンヒータ213bよりも低くする。例えばジシランガスのような、温度条件が膜生成効率に大きく寄与するガスを用いて調整膜107を形成する場合に有効である。
【0105】
このように、処理ガス供給量(濃度)と温度を並行して制御すると、より緻密な幅の制御が可能となる。
【0106】
以上説明したように、ウエハ100の処理面の単位面積当たりのシリコン含有ガスの量をチューニングすることで、ウエハ100の中央とその外周それぞれで調整膜107の幅を制御することができる。
【0107】
(S114)
続いて、改質工程S114を説明する。本工程では、調整膜107を改質する。ここでいう改質処理とは、酸化処理をいう。
【0108】
基板処理装置900で処理されたウエハ100は、図示しない改質装置に移載される。改質装置は、例えばプラズマ処理装置である。ここでは、例えばプラズマ状態の酸素等の酸素含有ガスをウエハ100上に供給し、調整膜107の表面を酸化する。
図15に示す様に、酸化された調整膜107を酸化改質膜108と呼ぶ。表面を酸化することで、アクティブ領域130やピラー131からのリーク電流の発生を抑制する。酸化処理後、研磨装置等を用いて、調整膜107を研磨し、溝101以外に形成された調整膜107cを除去する。
【0109】
(S116)
続いて、不純物注入工程S116を説明する。ここではウエハ100を不純物注入装置に移載し、調整膜107の上面に不純物としてのリン(P)や砒素(AS)を注入する。このようにすることで、酸化改質膜108の上面(
図16における点線○領域)も第二のコンタクトプラグ接続領域133を形成する。ウエハ100の面内において、第一のコンタクトプラグ接続領域132と第二のコンタクトプラグ接続領域133の面積の和がほぼ等しくなるので、コンタクトプラグ接続領域の面積のばらつきを抑制できる。
【0110】
図16においては、説明の便宜上一部の酸化改質膜108上に形成したが、それに限るものではなく、他の調整膜107上にも第二のコンタクトプラグ接続領域133を形成することは言うまでもない。
【0111】
本工程は改質工程S114の後に実施したが、それに限るものではなく、例えば調整膜形成工程S112と改質工程S114の間に行ってもよい。
【0112】
(S118)
続いて、溝充填工程S118を説明する。ここでいう溝とは、調整膜107が形成された溝101を示す。本工程では、溝101の内側であって、改質酸化膜108上にワード線110、キャップ絶縁膜112が設けられる。なお、ハードマスク形成工程S102から溝充填工程S118までを第ゼロ層形成工程とも呼ぶ。
【0113】
上記のようにM(0)を形成した後、M(0)上に、
図18に記載のM(1)、M(2)を形成する。
【0114】
以上説明した実施形態によれば、主に次の効果を有する。
(A)コンタクトプラグ接続領域の面積のばらつきを抑制できるので、半導体のコンタクトの抵抗値を均一化でき、歩留まりを向上させることができる。
(B)ドーピング領域の均一化を可能とする。