特許第6550798号(P6550798)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6550798ロッドレンズアレイの製造方法、ロッドレンズアレイ、及び該ロッドレンズを備える機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6550798
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】ロッドレンズアレイの製造方法、ロッドレンズアレイ、及び該ロッドレンズを備える機器
(51)【国際特許分類】
   B29D 11/00 20060101AFI20190722BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   B29D11/00
   G02B3/00 A
   G02B3/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-41959(P2015-41959)
(22)【出願日】2015年3月4日
(65)【公開番号】特開2016-159560(P2016-159560A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】境 祥平
(72)【発明者】
【氏名】星出 芳彦
(72)【発明者】
【氏名】飯盛 将史
(72)【発明者】
【氏名】笠井 尚吾
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 正俊
(72)【発明者】
【氏名】小澤 覚
【審査官】 ▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−120603(JP,A)
【文献】 特開2012−072235(JP,A)
【文献】 特開平03−276102(JP,A)
【文献】 特開昭62−190264(JP,A)
【文献】 特開2006−058613(JP,A)
【文献】 特開2009−175410(JP,A)
【文献】 特開2010−163576(JP,A)
【文献】 特開平01−129201(JP,A)
【文献】 特開2013−010921(JP,A)
【文献】 特開2001−334698(JP,A)
【文献】 特開平11−147288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 11/00
G02B 1/00 − 1/08
G02B 3/00 − 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドレンズアレイであって、
互いに中心軸が平行となるよう配列された複数本の円柱状レンズと、
前記円柱状レンズを挟持する2枚の板材と、
前記円柱状レンズの中心軸に沿った方向の端面の少なくとも一方と、少なくとも一方の前記板材の前記円柱状レンズと対向する面の外表面とを被覆する硬化被膜と、を備え、
前記硬化被膜は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対しレベリング剤を0.01質量部以上0.90質量部以下含有し、
前記円柱状レンズの端面に設けられた硬化被膜の鉛筆硬度は2H以上であり、
600dpiの環境下におけるMTF値が60%以上であることを特徴とする、ロッドレンズアレイ。
【請求項2】
前記硬化被膜は、前記円柱状レンズの中心部に沿った方向の両端面と、前記2枚の前記板材の前記円柱状レンズと対向する面と、に設けられていることを特徴とする請求項に記載のロッドレンズアレイ。
【請求項3】
請求項又はに記載のロッドレンズアレイを備える機器であって、前記ロッドレンズアレイは、前記硬化被膜が設けられた前記板材が機器に接着固定されており、
前記ロッドレンズアレイと、前記機器との接着強度が1.0kN以上であることを特徴とする機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、CRT(陰極線管)プリンタ、MFP(複合機)、LED(高密度発光ダイオード)プリンタおよびLCD(液晶)プリンタなどの結像素子として用いられる硬化被膜付のロッドレンズアレイの製造方法、硬化被膜付きのロッドレンズアレイ、及び該ロッドレンズアレイを備える機器に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の結像素子として使用されているロッドレンズアレイは、細長い円柱状の合成樹脂製レンズが複数本並列に配列され、各々のレンズ間に接着剤が充填され、さらにこれらが両側面部の板材により挟持されて一体的に構成されている。
【0003】
これまでロッドレンズアレイとしては、無機ガラス製の円柱状レンズが配列されたものが主として使用されてきた。しかし、合成樹脂製のレンズが無機ガラスに比べ、軽量かつ安価に製造でき、加工も容易であるなど種々の利点を有しているため、種々の機器で使用されてきつつある。
【0004】
しかし、合成樹脂製の円柱状レンズは表面の硬度が低いため、機器への取り付け時あるいは使用時における他の物体との接触、衝撃、引っかき、ゴミの拭き掃除などによって、その表面が損傷を受けてロッドレンズアレイの解像度が低下し、結像面に正確な画像を送ることができない場合がある、という欠点があった。
【0005】
そこで、ロッドレンズアレイの合成樹脂製の円柱状レンズの表面に硬化被膜を形成する技術(特許文献1、特許文献2)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平01−129201
【特許文献2】特開平03−276102
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ロッドレンズアレイの端面に硬化被膜を形成した場合に、レンズ端面の硬度が上昇し機械的特性は改善されるものの、光学特性が低下する場合があった。特に、ロッドレンズアレイの小型化の要求に対応するために、円柱状レンズを細径化し小型化を図ったロッドレンズアレイにおいて、硬化被膜を設けた際の光学特性の低下が顕著であった。そこで、本発明者らが検討した結果、ロッドレンズアレイ端面に形成する硬化被膜が凸状の形状となり、硬化被膜がレンズとして作用し、硬化被膜付ロッドレンズアレイの焦点距離等が変動しているためであると見出した。そのため、硬化被膜を形成する場合には、平滑な硬化被膜を形成する必要があり、硬化被膜を平滑にするためには、硬化被膜を形成する樹脂組成物にレベリング剤等の添加物を加える必要がある。
【0008】
また、硬化被膜を形成する方法としては、ロッドレンズアレイの円柱状レンズが細径化しており端面のみに硬化被膜を形成することが難しい場合が多く、ロッドレンズアレイを樹脂組成物に浸漬し、該樹脂組成物を硬化して硬化被膜を形成するディッピング法によりロッドレンズアレイ全面を覆うように硬化被膜を形成する場合がある。
【0009】
しかしながら、本願発明者らが鋭意検討した結果、レベリング剤を上記の樹脂組成物に加えると、硬化被膜付ロッドレンズアレイを他の機器と接着固定する際に、接着強度が大きく低下してしまう場合がある、という問題があることを見出した。
【0010】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであって、ロッドレンズアレイの機械的特性を改善しつつ、光学的性能の低下を抑制でき、さらに筐体との接着強度を好適に維持する硬化被膜付ロッドレンズアレイおよび該ロッドレンズアレイの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、ロッドレンズアレイの製造方法であって、互いに中心軸が平行となる
よう配置された複数本の円柱状レンズを2枚の板材で挟み固定し、前記円柱状レンズの中
心軸方向に沿った方向の端面の少なくとも一方、及び少なくとも一方の前記板材の前記円
柱状レンズと対向する面の外表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化被膜を形
成する方法において、
(1)前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成
物100質量部に対しレベリング剤を0.01質量部以上0.90質量部以下含有し、
(2)前記硬化被膜は、前記円柱状レンズの前記端面の少なくとも一方、及び少なくとも
一方の前記板材の前記外表面を前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物と接液するよう浸
漬させて前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、塗布された前記活性エネルギ
ー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して形成される、ことを特徴とする、ロ
ッドレンズアレイの製造方法が提供される
【0012】
本発明の好ましい態様によれば、ロッドレンズアレイであって、互いに中心軸が平行と
なるよう配列された複数本の円柱状レンズと、前記円柱状レンズを挟持する2枚の板材と
、前記円状レンズの中心軸に沿った方向の端面の少なくとも一方と、少なくとも一方の
前記板材の前記円柱状レンズと対向する面の外表面とを被覆する硬化被膜と、を備えてい
る。
【0013】
本発明の好ましい態様によれば、前記硬化被膜は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
の硬化物からなり、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記活性エネルギー線硬
化性樹脂組成物100質量部に対しレベリング剤を0.01質量部以上0.90質量部以
下含有し、前記円状レンズの端面に設けられた硬化被膜の鉛筆硬度は2H以上であり、
600dpiの環境下におけるMTF値が60%以上であることを特徴とする、ロッドレ
ンズアレイが提供される。
【0014】
また、本発明によれば、上記のロッドレンズアレイを備えた機器であって、前記ロッドレンズアレイは、前記硬化被膜が設けられた前記板材が機器に接着固定されており、前記ロッドレンズアレイと、前記機器との接着強度が1.0kN以上であることを特徴とする機器が提供される。
【発明の効果】
【0015】
このように構成された本発明によれば、他の機器への取り付け時あるいは使用時における他の物体との接触、衝撃、引っかき、ゴミの拭き掃除などによるロッドレンズアレイ表面の損傷を受けにくく、且つ光学的性能が好適に維持され、さらに筐体との接着強度が好適に維持される硬化被膜付ロッドレンズアレイの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】硬化被膜付ロッドレンズアレイの斜視図である。
図2】硬化被膜付ロッドレンズアレイの要部拡大断面図である。
図3】ロッドレンズアレイへの樹脂組成物塗布工程のを示した図である。
図4】ロッドレンズアレイ表面に硬化被膜を形成するためのUV照射工程のを示した図である。
図5】ロッドレンズアレイの主走査方向および副走査方向の共役長(TC)の測定方法の概略図である。
図6】引張試験の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。
図1は、本発明に係る硬化被膜付ロッドレンズアレイの斜視図、図2図1の要部拡大断面図である。図3はロッドレンズアレイへの樹脂組成物塗布工程、図4はロッドレンズアレイ表面に硬化被膜5を形成するためのUV照射工程である。
【0018】
本発明の実施態様に基づく硬化被膜付のロッドレンズアレイ1は、図1および図2に示すように、1列で配列されたロッドレンズアレイ端面に、樹脂組成物の硬化被膜5が形成されている。
【0019】
<ロッドレンズアレイ>
ロッドレンズアレイ1は、円柱状レンズ2を複数配列した配列レンズを2枚の板材3、3´で挟み、接着剤4で固定してなる構造を有する。本発明による一実施形態によるロッドレンズアレイ1は、2枚の板材3、3´の間に固定された複数の円柱状レンズ2を備えている。複数の円柱状レンズ2は、2枚の板材間に、各円柱状レンズ2の中心軸が互いに略平行方向となるように並列配列されている。また、2枚の板材の外表面、各円柱状レンズ2の端面を覆うように、硬化被膜5が形成されている。
【0020】
<硬化被膜>
円柱状レンズ2の軸方向に沿った方向における、ロッドレンズアレイ1の少なくとも1つの端面、好ましくは両端面(以下、単にロッドレンズアレイの端面または円柱状レンズの端面と記載する場合がある。)と、ロッドレンズアレイ1を構成する板材3、3´の外側面(円柱状レンズと対向する面と反対側の主面)の少なくとも一方、好ましくは2枚の板材3、3´の双方の外側面とに、ゴミ付着及び傷つき防止を目的として硬化被膜5が設けられる。なお、硬化被膜5は、ロッドレンズアレイ全体を覆うように設けられることがより好ましい。
【0021】
硬化被膜5のロッドレンズアレイの端面における膜厚は、2〜10μmの範囲であることが好ましく、4〜8μmの範囲であることがより好ましい。本発明者らが鋭意検討した結果、硬化被膜5の膜厚が10μmを超えると、円柱状レンズの配列方向(主走査方向)の共役長TCと、主走査方向と直交する副走査方向の共役長TCとの差ΔTC(=副走査方向TC−主走査方向TC)が大きくなり、ロッドレンズアレイの解像度が低下してしまう傾向にあることを見出した。
【0022】
本発明において、ΔTCは、0.4mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることがより好ましく、0.2mm以下であることがさらに好ましい。ΔTCを0.4mm以下とすることで、硬化被膜5を設けることによりロッドレンズアレイの解像度が低下することを抑制しつつ、ロッドレンズアレイの機械的特性を改善することが可能になる。
【0023】
また、上述のような硬化被膜5を端面に設けることで、種々の環境下での使用においても傷の発生が見られず、また、600dpiの環境下におけるMTF値が60%以上と光学特性も優れたロッドレンズアレイを提供することが可能となる。
【0024】
硬化被膜5は、円柱状レンズ2を構成する樹脂組成物の硬化物と屈折率が近く、円柱状レンズ2を構成する樹脂組成物の硬化物よりも、硬化後の硬度が高いことが好ましい。より具体的には、硬化被膜5の屈折率は約1.5程度であることが好ましく、硬化被膜5を設けたロッドレンズアレイの端面の鉛筆硬度が2H以上、より好ましくは3H以上であることが好ましい。硬化被膜5の鉛筆硬度は、JIS−K5600−5−4:1990(ISO/DIS 15184:1996)に準拠して測定することができる。また、傷つき性については、スチールウール試験等を実施し、端面の傷の有無等で硬化被膜5を設けていないロッドレンズアレイと比較することで評価することができる。
【0025】
<樹脂組成物>
硬化被膜5の形成に用いられる樹脂組成物としては、例えば、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能化合物、弗化アルキルアクリレートの少なくともひとつを主成分として含有してなる樹脂組成物が挙げられる。
【0026】
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能化合物(以下、多官能性アクリル化合物と称する)としては、
(1)多価アルコールと、(メタ)アクリル酸もしくはそのハロゲン化物またはこれらの低級アルキルエステルとの反応によって得られる化合物、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンシオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオベンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジェトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシ(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2−(4−アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2−(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2−(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)−2−(4−アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンならびに(2)グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸と、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸等の多価カルボン酸との反応によって得られる不飽和ポリエステル、等が挙げられる。
【0027】
弗化アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素原子数が2〜14のものが好ましく、例えば2,2,2−1−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、 2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、 1,1,1,3,3,3−へキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、IH,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−へブタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、 1H,1H,2H,2H−ノナデカフルオロドデシル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘンニイコサフルオロテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの中でも2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレートの使用が特に好ましい。 また、これらの樹脂組成物は単独で用いても良く、上記組成物の混合物を用いても良い。例えば、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能化合物を複数混合したものを多官能化合物として用いてもよい。
【0028】
樹脂組成物において弗化アルキル(メタ)アクリレートは、硬化後膜の屈折率を任意に調整する目的で重要な役割を果す。単に、多官能性アクリル化合物だけからなる硬化被膜の場合には、一般に屈折率が高く硬化被膜5の屈折率を1.50以下にすることが困難である。この場合、樹脂組成物に弗化アルキル(メタ)アクリレートを含有させることで、硬化被膜5の屈折率を任意に調整することができる。多官能性アクリル化合物と弗化アルキル(メタ)アクリレートとを併用する場合の配合割合は、ロッドレンズアレイの解像性の低下を抑制しつつ、機械的特性を好適に保つ観点から、多官能性アクリル化合物が20〜99.9重量部、好ましくは30〜95重量部に対して、弗化アルキルアクリレートが80〜0.1重量部、好ましくは70〜5重量部、となる範囲であることが好ましい。
【0029】
さらに樹脂組成物には、硬化被膜の屈折率の調整および密着性の改善のために、単官能性不飽和化合物を併用することができる。併用できる単官能性不飽和化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート等があげられる。これらの単官能性不飽和化合物は、1種以上を樹脂組成物中に30重量%以下の量で配合してもよい。
【0030】
また、樹脂組成物を薄く均一な厚みで塗布する観点から、樹脂組成物の粘度を調整するため、イソプロピルアルコールなどの溶剤を希釈成分として加えることが好ましい。
【0031】
さらに、樹脂組成物6にはレベリング剤が添加される。レベリング剤としては、シリコン系の界面活性剤、より具体的にはビックケミージャパン株式会社の「BYK−307」を用いることができる。
【0032】
本発明者らが鋭意検討した結果、樹脂組成物6にレベリング剤を添加すると平滑性は向上するが、ロッドレンズアレイ1を機器に接着固定する際の接着強度が低下することが明らかになった。これは、硬化被膜形成後にレベリング剤がブリードアウトしてしまうことに起因すると考えられる。本発明においては、レベリング剤の含有量を最適化することで、硬化被膜の平滑性を保ちつつ、且つ硬化被膜付ロッドレンズアレイを他の機器に接着固定する際の接着強度の低下を抑制することが可能であることを見出した。レベリング剤の添加量は、0.01質量部〜0.90質量部とされ、0.04質量部〜0.50質量部であることがより好ましい。レベリング剤の添加量が0.01質量部を下回ると、平滑な硬化被膜を得ることが難しくなる場合があり、0.90質量部を上回ると、硬化被膜5を形成したロッドレンズアレイ1を機器に接着固定することが難しくなる場合がある。レベリング剤の添加量を0.01質量部〜0.90質量部とすることで、硬化被膜の平滑性を保ちつつ、且つ硬化被膜付ロッドレンズアレイを他の機器に接着固定する際の接着強度の低下を抑制することができる。
【0033】
本発明において、ロッドレンズアレイ1と他の機器との接着強度は、1.0kN以上であることが好ましい。接着強度を1.0kN以上とすることで、ロッドレンズアレイ1を機器に組み込んだ後に、意図せずにロッドレンズアレイ1が機器から脱落したり、取り付け位置がずれてしまうことを抑制することができる。
【0034】
<硬化被膜の形成方法>
硬化被膜5を形成する方法としては、硬化被膜5の膜厚を正確に制御できる観点から、樹脂組成物として活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用い、樹脂組成物を塗布後に、UV等の活性エネルギー線を照射して、硬化被膜5を得る方法を用いることが好ましい。また、ロッドレンズアレイ1の表面に樹脂組成物を塗布する方法としては、平滑な塗膜を得る観点から、浸漬塗布方法を用いることが好ましい。以下に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた浸漬塗布方法について、図3を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
まず、ロッドレンズアレイ1を活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物6に浸漬する。ロッドレンズアレイ1を浸漬する方法としては、従来公知の方法を用いることができるが、ロッドレンズアレイ1の長手方向の端部を把持し、垂直方向にロッドレンズアレイ1全体を樹脂組成物6に浸漬する方法が好ましい。その後、ロッドレンズアレイ1の長手方向端部を把持したまま垂直方向に一定速度にて引き上げ、ロッドレンズアレイ1の表面に樹脂組成物を均一に塗布する。
【0036】
上述の浸漬塗布方法においては、ロッドレンズアレイ1を引き上げる際の引き上げ速度を調節することで、形成される硬化被膜5の膜厚を制御可能である。ロッドレンズアレイ1を引き上げる速度は0.1mm/sec以上10mm/sec以下であることが好ましく、1mm/sec以上7mm/sec以下であることがより好ましい。引き上げ速度が0.1mm/secを下回ると、形成される硬化被膜5が過剰に薄くなる可能性がある。また、引き上げ速度が10mm/secを上回ると、形成される硬化被膜5が過剰に厚くなる可能性がある。
【0037】
続いて、図4に示されるように、形成された樹脂組成物の層に対して活性エネルギー線を照射し、硬化被膜5を得る。
【0038】
樹脂組成物の硬化には、α線、β線、γ線、電子線などの放射線、または波長200nm〜500nmの紫外線などの活性エネルギー線を用いることができ、取扱いの簡便性から活性エネルギー線としては紫外線を用いることが好ましい。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、光増感剤を樹脂組成物に含有させておく必要がある。
【0039】
光増感剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、メチルフェニルグリオキシレートなどを挙げることができ、これらの使用量は、樹脂組成物100重量部に対して0.01〜0.9重量部が好ましく、0.05〜0.8質量部がより好ましい。使用量を上記の範囲内とすることで、硬化被膜5の着色を抑制しロッドレンズアレイの光学性能が低下することを抑制しつつ、十分な硬度の硬化被膜5を得ることができる。
【0040】
<板材>
板材3および3´の材料は特に限定されないが、ロッドレンズアレイ1を製造する工程での加工が容易な材料であることが好ましい。板材の材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂等を用いることが好ましく、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂(ABS樹脂等)、ポリエステル系樹脂(PET、PEN、液晶ポリエステル等)、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、これらの組み合わせ等を用いることがより好ましい。また、板材には、添加剤(安定剤、帯電防止剤、離型剤、染料、顔料、遮光剤、補強剤又は充填剤等)を配合してもよい。さらに、板材には、強度の観点から、繊維シート(不織布等)、紙等の補強層を積層してもよい。なお、2枚の板材の構成は、互いに同一であっても異なっていてもよいが、通常、同一である。
【0041】
ロッドレンズアレイ1では、板材3および3´として、カーボンブラック、染料等の遮光剤を含有させた、ベークライト(フェノール樹脂)、ABS樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を用いても良く、染料等の遮光剤が含まれていない紙エポキシ基板等を用いても良い。
【0042】
板材3および3´は、平板状のものであってもよいし、その表面に、円柱状レンズ2を所定の間隔で配置するための目安となるU字状又はV字状等の溝を設けたものであってもよい。
【0043】
板材3および3´の厚みは特に制限されないが、例えば、100μm〜1.5mmであり、好ましくは200μm〜1.2mmであり、さらに好ましくは300μm〜1mmである。
【0044】
<円柱状レンズ>
本発明の硬化被膜付ロッドレンズアレイを構成する合成樹脂製の円柱状レンズ2は、特公昭47−28059号公報に記載されているような、円形断面の中心で屈折率が最も高く、周辺に行くに従って次第に低くなるもので、この屈折率分布により結像作用を有するものである。
【0045】
この円柱状レンズ2は種々の方法で製造し、例えば特公昭57−29682号公報、特公昭47−28059号公報および特願昭60−130873号に記載される方法によって製造される。
【0046】
円柱状レンズ2を構成する樹脂としては、メチルメタクリレートやスチレンを主成分とする樹脂等の透明な樹脂が使用でき、特願昭60−130837号に記載されるポリ弗化ビニリデンまたは弗化ビニリデンを主体とする共重合体とポリメチルメタクリレートまたはメタクリレートを主成分とする共重合体との組成物からなるものが好ましい。この場合、メチルメタクリレートの使用量は組成物中にメチルメタクリレート単位を20〜90重量%含有するようにするのが好ましい。
【0047】
この円柱状レンズ2を用いたロッドレンズアレイは、種々の方法によって形成でき、例えば第4図に示すように、平行に配置した二枚の板材3および3′の間に、円柱状レンズ2を列状に近接して並べ、隣接する各円柱状レンズ2の間に接着剤4を充填して形成される。接着剤4としては、エポキシ系、シリコン系、アクリル系、アスファルト系等の樹脂が使用される。
【0048】
硬化被膜5はレベリング剤を添加した前記樹脂組成物6をロッドレンズアレイ端面にコーティングし、ロッドレンズアレイ表面に紫外線光を照射することで樹脂組成物6を硬化させて形成される。
【0049】
硬化被膜5は、その屈折率nが下記式(1)を満たすものであるように形成されることが好ましい(式中、nは円柱状レンズ2の中心軸上の被膜の屈折率を表わす)。
− 0.1 ≦ n ≦ n + 0.1・・・(1)
【0050】
樹脂組成物6の塗布にあたっては、ロッドレンズアレイ端面を研磨してもよいが、硬化被膜5の屈折率nが上記式(1)を満たすものとして形成された場合には、ロッドレンズアレイの端面の研磨を行わなくともその端面に直塗布することができる。研磨されてないロッドレンズアレイ端面に樹脂組成物6を塗布する場合には、レンズ面と硬化被膜5の境界で起る屈折や反射をなくすために、硬化被膜5の屈折率をレンズの屈折率に、研磨した場合よりもより近づけるようにした方がよい。樹脂組成物6の硬化被膜5の屈折率nを、レンズ中心軸上の屈折率nとレンズ外周部の屈折率nとの間の値とすることが最も好ましい。
【0051】
<TCの測定方法>
次いで、図5を参考に、円柱状レンズの配列方向(主走査方向)の共役長TCと、主走査方向と直交する副走査方向の共役長TCとの間に差について説明する。
【0052】
ここで、共役長TCは、以下のように求める。共役長TCを求めるには、図5に示すように空間周波数6ラインペア/mm(lp/mm)を有するチャート20を用いて、光軸に垂直な両端面を研磨したロッドレンズアレイ1に光源21からの光(カラーフィルター23により波長525nmの光のみを使用し、チャートに均一に光が照射されるよう拡散板24をカラーフィルターとチャートの間に設置する)を、チャート20を通して入射させる。そして、結像面に設置したCCDラインセンサ22により画像を読み取り、その測定光量の最大値(imax)と最小値(imin)を測定し、下記式によりModulation Transfer Function(MTF)を求める。
MTF(%)={(imax−imin)/(imax+imin)}×100 (2)
【0053】
チャート20とロッドレンズアレイ1の入射端との距離と、ロッドレンズアレイ1の出射端とCCDラインセンサ22との距離を等しくした状態で、チャート20とCCDラインセンサ22をロッドレンズアレイ1に対し対称的に動かしてMTFを測定し、MTFが最良になるときの、チャートとCCDラインセンサとの距離を共役長TCとする。ここで空間周波数とは、白ラインと黒ラインとの組み合わせを1ラインとし、このラインの組み合わせが1mmの幅の中に何組設けてあるかを示すものである。
【0054】
主走査方向と副走査方向の共役長TCに関しては図5a、5bのようにチャート20とCCDラインセンサ22の向きを調整することにより測定することができる。たとえば主走査方向のTCを測定する場合(図5a)、チャート20に設けられている白と黒のラインの伸びる方向が主走査方向に対して垂直となる向きにチャート20を設置し、CCDラインセンサ22の画素が並ぶ方向が主走査方向と平行になる向きにCCDラインセンサ22を設置することにより測定することができる。また副走査方向のTCを測定する場合には(図2b)、チャート20とCCDラインセンサ22の向きを、それぞれ主走査方向測定時の向きから90℃回転させて設置することにより測定することができる。以降特に断りがない場合は、主走査方向の測定をする場合には、チャートに設けられている白と黒のラインの伸びる方向が主走査方向に対して垂直となる向きにチャートを設置し、CCDラインセンサの画素が並ぶ方向が主走査方向と平行になる向きにCCDラインセンサを設置することとし、副走査方向の測定をする場合には、チャートに設けられている白と黒のラインの伸びる方向が主走査方向に対して平行となる向きにチャートを設置し、CCDラインセンサの画素が並ぶ方向が主走査方向と垂直となる向きにCCDラインセンサを設置することとする。
【0055】
本発明で得られた硬化被膜5を端面にもつロッドレンズアレイは、使用においても傷の発生が見られず、また、ロッドレンズアレイの解像度も6lp/mmの空間周波数で測定したときのレスポンス関数(MTF値)が60%以上と優れたものである。
【実施例】
【0056】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
【0057】
[実施例1]
ロッドレンズアレイとしては、三菱レイヨン社製ロッドレンズアレイRA84T-P11を用いた。樹脂組成物としては、ハードコート用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物にレベリング剤としてビックケミージャパン株式会社製「BYK−307」を0.04質量部添加したものを用いた。ロッドレンズアレイの長手方向の端部を把持し、ロッドレンズアレイ全体を樹脂組成物に浸漬させ、ロッドレンズアレイの長手方向の端部を把持したまま垂直方向に5mm/secの速度にて引き上げ、ロッドレンズアレイの表面に樹脂組成物を塗布した。その後、形成された樹脂組成物の層に対して紫外線を照射して樹脂組成物を硬化させ、硬化被膜付ロッドレンズアレイを作製した。
【0058】
この硬化被膜付ロッドレンズアレイにて、600dpiの環境下において空間周波数6ラインペア/mmの格子パターンを用いて主走査、副走査の双方のMTFを測定した。MTF≧60%となる光学特性を優れた硬化被膜付ロッドレンズアレイとした。
【0059】
MTF測定後、この硬化被膜付ロッドレンズアレイを用いて引張試験用のワークを作製した。引張試験用のワークとして硬化被膜付ロッドレンズアレイ(高さ4mm×幅60mm×奥行2mm)とアクリル樹脂板(高さ5mm×幅45mm×奥行2mm)を用いた。UV硬化接着剤を硬化被膜付ロッドレンズアレイ上に塗布し、その上にアクリル樹脂板を乗せた状態で紫外線照射装置にてUV硬化接着剤を硬化させた。この際、図6のように硬化被膜付ロッドレンズアレイとアクリル樹脂板は90度交差するように接着し、接着面積は20mm(4mm×5mm)とした。また、紫外線照射装置としてアイグラフィックス(株)のEYE GRANDAGE ECS−401GXを用いた。照射条件はピーク照度106mW/cm、積算照度2200mJ/cm(熱線カットフィルタ有)とした。
【0060】
ワーク作製後、(株)島津製作所のテンシロンAG−IS 10kNを用いて引張試験を実施した。図6のようにワークの硬化被膜付ロッドレンズアレイがアクリル樹脂板の上にある状態にて、硬化被膜付ロッドレンズアレイの長手方向の両端部、アクリル樹脂板の長手方向の両端部をそれぞれ把持し、硬化被膜付ロッドレンズアレイを重力方向の逆方向、アクリル樹脂板を重力方向の正方向に引っ張り、接着強度の測定を行った。接着強度は硬化被膜付ロッドレンズアレイがアクリル樹脂板から離れる際の接着強度にて1.0kN以上あるものを機械的強度の優れた硬化被膜付ロッドレンズアレイとした。
【0061】
また、作成された硬化被膜付ロッドレンズアレイの硬化被膜が設けられた端面の鉛筆硬度の測定を実施した。鉛筆硬度の測定は、JIS K5600−5−4(1999)に準拠し、荷重750g、使用鉛筆:三菱鉛筆Uniの条件で測定を行った。これらの評価結果を表1に示す。なお、表中の接着強度、MTF、鉛筆硬度の評価の記載は下記の通りである。
接着強度(剥離力) ○:1.0kN以上、 ×:1.0kN未満
MTF ○:60%以上、 ×:60%未満
鉛筆硬度 ○:2H以上、 ×:2H以下
【0062】
【表1】
【0063】
[実施例2〜実施例4、比較例1〜比較例2]
樹脂組成物に添加するレベリング剤添加量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして硬化被膜付ロッドレンズアレイを作製し、さらに実施例1と同様の手順にて引張試験を実施した。これらの結果を表1に示す。
【0064】
樹脂組成物へのレベリング剤添加量によって、接着強度および光学性能に影響を与えることが判明し、1.00質量部では接着強度が低下していることが判明した。
比較例1の結果から、レベリング剤が無添加だと接着強度が好適に維持されるが、光学性能が低下することが分かった。
また、比較例2の結果から、レベリング剤を過剰に添加すると光学性能が好適に維持されるが、接着強度が低下することが分かった。
よって、実施例1〜実施例5のようにレベリング剤添加量を0.01〜0.80質量部の範囲で添加することで接着強度と光学性能を好適に維持する硬化被膜付ロッドレンズアレイを製造できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の製造方法によって得られる硬化被膜付ロッドレンズアレイは、他の機器への取り付け時あるいは使用時における他の物体との接触、衝撃、引っかき、ゴミの拭き掃除などによるロッドレンズアレイ表面の損傷を受けにくく、且つ光学的性能が好適に維持され、さらに筐体との接着強度が好適に維持される硬化被膜付ロッドレンズアレイの製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0066】
ロッドレンズアレイ 1
円柱状レンズ 2
板材 3、3´
接着剤 4
硬化被膜 5
樹脂組成物 6
UV光源 7
アクリル樹脂板 10
チャート 20
光源 21
CCDラインセンサ 22
カラーフィルター 23
拡散板 24
図1
図2
図3
図4
図5
図6