(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記伝熱性部材は、前記ドア框の前記第1の金属部から前記フレーム枠の前記第2の金属部に向かって延びる金属板を備え、前記リーチインドアが閉となったときに、該金属板の端部が前記フレーム枠の前記第2の金属部の所定箇所に接触する請求項1に記載の冷蔵用リーチインドア結露防止構造。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0012】
まず、本発明の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造を説明する前に、従来から一般的に用いられている冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例について説明する。
【0013】
[参考例]
図1は、従来から一般的に用いられている参考例に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。参考例に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、ガラスドア110と、ドア框120と、マグネットガスケット130と、フレーム枠140と、コードヒーター150、151とを備える。
【0014】
ガラスドア110は、庫外側ガラス板111と、庫内側ガラス板112と、スペーサ113とを備える冷蔵用リーチインドアである。ここで、庫外側とは、冷蔵用リーチインドアの外部を意味し、庫内側とは、冷蔵用リーチインドアの内部を意味する。
図1に示されるように、ガラスドア110は、庫外側ガラス板111と庫内側ガラス板112とが対向し、スペーサ113で所定間隔を保った状態で配置される。庫外側ガラス板111及び庫内側ガラス板112は、用途に応じて種々の板厚に構成されるが、例えば、双方とも3mmの板厚に形成される。スペーサ113による間隔も、種々の値とされるが、例えば、19mmに設定され、全体として25mmのガラスドア110として構成される。庫外側ガラス板111と庫内側ガラス板112との間の中空層S1には、KrガスやArガス等の希ガス又は乾燥空気が封入される。
【0015】
ドア框120は、ガラスドア110の周囲を囲んで支持するドア枠であり、ガラスドア110を挟持する挟持部121と、挟持部を支持する金属部122とを有する。挟持部121は、ガラスドア110の端部を断熱するため、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)で構成される。
【0016】
一方、金属部122は、挟持部121との嵌合構造により、前面及び下方から挟持部121を支持し、挟持部121及びガラスドア110を支持する支持部として機能する。支持部122には、結露防止用のコードヒーター150が設置され、コードヒーター150で発生した熱を、挟持部121を介してガラスドア110に伝達し、ガラスドア110が結露するのを防止できる構造となっている。よって、金属部122は、熱伝導性の高い金属材料から構成され、例えば、アルミニウムから構成される。また、例えば、ドア框120の金属部122の下端部の水平方向に延びる金属板の奥行は、36.5mmに設定される。
【0017】
マグネットガスケット130は、ガラスドア110が閉とされたときにシール性を保つとともに、ガラスドア110の開閉を可能とするためのシール部材である。マグネットガスケット130は、ドア框120の庫内側の側面に取り付けられて設けられ、フレーム枠140のガスケット受け面141と対向するように設けられる。マグネットガスケット130は内部に磁石を備え、ガスケット受け面141は磁性体で構成されているため、ガラスドア110が閉となったときには、磁石の磁力によりマグネットガスケット130はガスケット受け面141と吸引し、シール性高くガラスドア110を閉じることができる。
【0018】
フレーム枠140は、ガラスドア110に対するフレームとしての機能を果たすための枠体であり、上述のガスケット受け面141でガスケットを受けるとともに、ガラスドア110の庫内側及び下端側の端部を囲むように設けられる。フレーム枠140は、ポリ塩化ビニル等の樹脂で構成された樹脂部142と、アルミニウム等の金属で構成された金属部143、144を備える。樹脂部142と金属部144とでガスケット受け面141を挟持して支持しており、金属部143はドア框120の下端部を囲むとともに、冷蔵ショーケースの前面を覆っている。また、樹脂部142は庫内側において樹脂部142に取り付けられている。冷蔵用リーチインドアにおいて、結露は、ガラスドア110だけでなく、フレーム枠140にも発生する。より正確には、ガラスドア110よりも、フレーム枠140の方が、ガラスドア110よりも結露が生じ易い。よって、金属部143の水平に延びる部分の下面に、結露防止用のコードヒーター151が設けられている。コードヒーター151で発生した熱は、フレーム枠140、特により結露が生じ易い金属部144の結露を防止するのに寄与する。
【0019】
このように、一般的に用いられている参考例に係る冷蔵用リーチインドアの結露防止構造では、コードヒーター150、151がドア框110とフレーム枠140に1個ずつ別個に設けられており、全体として2つのコードヒーター150、151を要する。コードヒーターは、電力の消費量が大きいため、2つものコードヒーター150、151を設けると、結露防止のために非常に多くの電力を消費することになる。
【0020】
そこで、本発明の実施形態に係る冷蔵用リーチインドアの結露防止構造では、コードヒーターを1個のみ設け、コードヒーターで消費する電力を低減しつつ、ガラスドアの結露を防止することができる冷蔵用リーチインドア結露防止構造を提案する。以下、本発明の実施形態に係る冷蔵用リーチインドアの結露防止構造を具体的に説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。本発明の第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、ガラスドア10と、ドア框20と、マグネットガスケット30と、フレーム枠40と、コードヒーター51と、伝熱性部材60とを有する。
【0022】
ここで、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、ドア框20はコードヒーターを備えておらず、フレーム枠40のみが1個のコードヒーター51を備えている点と、ドア框20とフレーム枠40とを接続する伝熱性部材60が新たに備えられた点で、参考例に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。かかる構成は、ドア框20に設けられているコードヒーターを除去して全体のコードヒーターを1個として消費電力の低減を図るとともに、コードヒーター51からドア框20に熱を伝達するための伝熱性部材60を新たに設け、ドア框20を介してドアガラス10の結露を防止する機能を維持することを意図している。以下、上述の参考例と異なる構成及び機能を含めた全体の構成及び機能について説明する。なお、
図2は、冷蔵用リーチインドアの側断面図であるので、
図2に示される構成要素は、総て紙面に垂直な方向に延在している。
【0023】
ガラスドア10は、庫外側ガラス板11と、庫内側ガラス板12と、スペーサ13とを備える。
図2に示されるように、庫外側ガラス板11と庫内側ガラス板12とが対向し、スペーサ13で所定間隔を保った状態で配置される点は、
図1で説明した参考例に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様である。また、庫外側ガラス板11と庫内側ガラス板12との間の中空層Sには、KrガスやArガス等の希ガス又は乾燥空気が封入される点も、
図1で説明した参考例に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様である。
【0024】
第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造では、庫外側ガラス板11及び庫内側ガラス板12の厚さが1.1mmと薄くなり、ガラスドア10の全体の厚さが21.2mmとなっている点で、25mmの厚さを有する参考例に係るガラスドア110と異なっている。なお、スペーサ13の厚さ、即ち庫外側ガラス板11と庫内側ガラス板12との間隔は、19mmで参考例と同様である。ガラスドア10の全体の厚さが参考例よりも薄く構成されているのは、ガラスドア10を薄く構成したことに伴い、ドア框20の金属部22の奥行きを狭くし、熱の伝達経路を短縮するためであるが、この点も含めて、以下説明する。
【0025】
ドア框20は、ガラスドア10の周囲を囲んで支持するドア枠であり、ガラスドア10の少なくとも下端部を挟持する挟持部21と、挟持部21と嵌合して挟持部21及びガラスドア10を支持する金属部22とを有する。参考例と同様に、挟持部21は、ガラスドア10の端部を断熱するため、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂で構成されてもよい。ガラスドア10の厚さが21.2mmと参考例の25mmよりも薄く構成されているので、ガラスドア10を挟持する挟持部21の奥行幅も、それに伴って薄く構成される。
【0026】
金属部22も、参考例と同様であり、挟持部21との嵌合構造により、前面及び下方から挟持部21を支持し、挟持部21及びガラスドア10を支持する支持部として機能する。また、金属部22は、熱伝導性が高い種々の金属材料から構成されてよく、例えば、アルミニウムから構成されてもよい。
【0027】
金属部22の庫内側の端部からは、伝熱性部材60が下方に延び、途中で水平方向に屈曲し、コードヒーター51を保持しているフレーム枠40の金属部44に接続されている。伝熱性部材60は、熱を伝達するための部材であり、熱伝導性が高い材料から構成される。例えば、伝熱性部材60は、金属部22と同じ材料から構成され、金属部22からフレーム枠40の方に延びて構成されてもよい。コードヒーター51で発生した熱は、伝熱性部材60を介して金属部22の庫内側端部に伝達される。ここで、ガラスドア10及び挟持部21の厚さが薄くなったことに伴い。金属部22の奥行幅は、参考例の36.5mmよりも薄い28.2mmとなっている。これにより、伝熱性部材60から金属部22に伝達した熱は、短縮された熱伝達経路を介してガラスドア10に伝達され、効率的に結露防止を行うことができる。
【0028】
マグネットガスケット30は、ガラスドア10が閉とされたときにシール性を保つとともに、マグネットの吸引力に抗してガラスドア10の開閉を可能とするためのシール部材である。マグネットガスケット30は、ドア框20の庫内側の側面に取り付けられて設けられ、フレーム枠40のガスケット受け面41と対向するように設けられる。ガスケット受け面41は磁性体で構成されているため、ガラスドア10が閉となったときには、マグネットガスケット30の磁力によりガスケット受け面41と吸引し、シール性高くガラスドア10を閉じることができる。
【0029】
フレーム枠40は、ガラスドア10に対するフレームとしての機能を果たすための枠体であり、上述のガスケット受け面41でマグネットガスケット30を受けるとともに、ガラスドア10の庫内側の側面及び下端側の端部を囲むように設けられる。フレーム枠40は、ポリ塩化ビニル等の樹脂で構成された樹脂部42と、アルミニウム等の金属で構成された金属部43、44を備える。樹脂部42と金属部44とでガスケット受け面41を挟持して支持しており、金属部45はドア框20の下端部を囲むとともに、冷蔵ショーケースの前面を覆っている。また、樹脂部42は庫内側において樹脂部42に取り付けられている。
【0030】
金属部44は、ガスケット受け面41を下方から支持している部分が水平面として構成されている以外は、鉛直面で構成されている。金属部44のガスケット受け面41の下方の垂直部の中間地点が、最も結露が生じ易い箇所45である。よって、金属部44は、最も結露が生じ易い箇所45の反対面に、コードヒーター保持部46を有する。コードヒーター保持部46は、コードヒーター51を保持する部分であり、例えば、
図2に示すように、上下でコードヒーター51を挟持して保持する構造を有してもよい。最も結露が生じ易い箇所45にコードヒーター保持部46を設けることにより、ガラスドア10の結露を効果的に防止できる。
【0031】
伝熱性部材60は、上述のように、ドア框20の金属部22の庫内側の端部から金属部44に延びているが、コードヒーター51が保持された箇所の反対面に接触するように配置される。伝熱性部材60は、ガラスドア10が開とされたときには、ドア框20の金属部22と同様、ガラスドア10とともに移動するが、ガラスドア10が閉とされたときには、その先端部60tが金属部44に接触するように構成される。
図2に示されるように、伝熱性部材60は、例えば、ドア框20の金属部22と一体的に形成された金属板として構成されてもよい。
【0032】
このように、ガラスドア10が閉とされたときに、金属板状の伝熱性部材60の先端部60tが、最も結露が生じ易い箇所45に接触することにより、コードヒーター51の熱をドア框20の金属部22に伝達することができ、フレーム枠40のみならず、ガラスドア10の結露をも防ぐことができる。
【0033】
また、コードヒーター51は、コード状のヒーターであり、引き回し及び設置が容易であるため、冷蔵用ショーケースに広く用いられている。なお、コードヒーター51は、設置が可能であれば、他の形態のヒーターであってもよい。
【0034】
第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、フレーム枠40の最も結露し易い箇所45にのみコードヒーター51を1個設け、この熱を伝熱性部材60によりドア框20の金属部22にも伝達するように構成したので、コードヒーターを2個設けた場合よりも消費電力を大幅に削減しつつ、フレーム枠40及びガラスドア10の双方での結露を効果的に防止することができる。
【0035】
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、フレーム枠40aの金属部44aが庫外側に移動し、伝熱性部材61がドア框20aの金属部22aの水平部分の庫内側端部ではなく、水平部分の中間地点から下方に延び、途中で庫内側に屈曲して水平となり、最短距離でフレーム枠40aの金属部44aに接触している点で、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。
【0036】
図3に示される通り、ガラスドア10が閉となったときに、伝熱性部材61が、フレーム枠40aの最も結露し易い箇所45aに接触するように構成され、最も結露し易い箇所45aの反対面にコードヒーター保持部46が設けられ、コードヒーター51が保持されている点は、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様である。よって、コードヒーター51は第1の実施形態よりも庫外側に移動するとともに、伝熱性部材61の長さも短くなったので、コードヒーター51の熱をより効率的にガラスドア10の結露部分に供給することができ、結露防止効果を更に高めることができる。
【0037】
なお、かかる構造上の変更に伴い、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造においては、ドア框20a、ガスケット30a及びフレーム枠40aの形状が第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の対応構成要素と形状等が異なっている。
【0038】
具体的には、ドア框20aは、挟持部21a及び金属部22aが第1の実施形態よりも小型化している。しかしながら、伝熱性部材61の取り付け箇所が金属部22aの水平部分の庫内側端部から中間地点に移動した点を除けば、挟持部21a及び金属部22aを含めたドア框20aの基本的構成は第1の実施形態とほぼ同様である。
【0039】
また、ガスケット30aも、全体が小さくなった点が第1の実施形態と異なっているが、基本的構成は第1の実施形態と同様である。
【0040】
フレーム枠40aは、上述のように、金属部44aの垂直部分が庫外側に移動し、それに伴って、ガスケット受け部41aを支持する箇所以外にも水平に延びる部分47が形成された点を除けば、ガスケット受け部41a、樹脂部42a、金属部43aについては、形状と大きさが多少第1の実施形態と異なる程度で、構成に大きな変更は無い。
【0041】
また、ガラスドア10及びコードヒーター51は、第1の実施形態と同様である。よって、これらには
図2と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0042】
第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、コードヒーター51の設置位置を庫外側に移動させ、伝熱性部材61の長さを最小限の長さに短縮することにより、コードヒーター51の熱を効率的にガラスドア10に伝達し、フレーム枠40aのみならず、ガラスドア10の結露も効果的に防止することができる。
【0043】
[第3の実施形態]
図4は、本発明の第3の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第3の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造とほぼ同様の構成を有するが、伝熱性部材62の先端が折り曲げられた構成を有する点で、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。
【0044】
伝熱性部材62の先端を折り曲げて折り曲げ接触面63を形成することにより、伝熱性部材62を構成する金属板の先端を面接触とすることができ、より確実にコードヒーター51からの熱をドア框20の金属部22に伝達することができる。なお、伝熱性部材62の折り曲げ接触面63は、例えば、曲げ加工により構成してもよい。
【0045】
他の構成要素は、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様であるので、同様の構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0046】
なお、第3の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の伝熱性部材62の先端を折り曲げて折り曲げ接触面63を形成する構成は、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造にも適用可能であるため、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と組み合わせてもよい。
【0047】
第3の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、伝熱性部材62の先端を曲げ加工して折り曲げ接触面63を形成することにより、伝熱性部材62とフレーム枠40の結露が生じ易い箇所45との接触を面接触とすることができ、確実にコードヒーター51の熱をドア框20及びガラスドア10に伝達し、結露を防ぐことができる。
【0048】
[第4の実施形態]
図5は、本発明の第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造においては、独立した伝熱性部材を設けず、ガスケット30bを熱伝導弾性体で構成し、伝熱性部材として機能させる。これに伴い、ドア框20bは、金属部22の庫内側の先端に、鉛直方向上方に折れ曲がる先端面23を有する。また、フレーム枠40bは、金属部44bの下方からガスケット受け面41を支持する水平部分の上方に、庫外側に屈曲してガスケット30bと接触可能に構成された鉛直面48を有する。ドア框20bの先端面23に伝熱性部材として機能するガスケット30bを取り付けることにより、ガラスドア10が閉とされたときには、ガスケット30bとフレーム枠40bの鉛直面48とが接触し、コードヒーター51の熱をドア框20bに伝達させることができる。
【0049】
なお、コードヒーター51は、熱伝達効率を高めるために、ガスケット30bと接触する鉛直面48の反対面に設けられたコードヒーター保持部46bに保持され、最短距離でコードヒーター51の熱をドア框20に伝達可能に構成される。
【0050】
ガスケット30bに用いられる熱伝導弾性体は、用途に応じて種々の材料から構成されてよいが、例えば、シリコーン系の熱伝導シート、エポキシ系の熱伝導接着シート、アクリル系の熱伝導粘着シート等から構成されてもよい。その際、例えば、エポキシ系の熱伝導接着シート又はアクリル系の熱伝導粘着シートを選択すれば、ガスケット30bのドア框20の先端面23への接合も容易に行うことができる。
【0051】
その他の構成要素は、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様であるので、同様の構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0052】
第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、個別の伝熱性部材を設けることなく、ガスケット30bを伝熱性部材として機能させることができるので、部品点数を削減することができる。また、第1乃至第3の実施形態では、金属板の先端部をフレーム枠40、40aに接触させるため、ガラスドア10を閉じる際、伝熱性部材60〜62がフレーム枠40、40aに接触し、音がする可能性があるが、第4の実施形態では、ガスケット30bが熱伝導弾性体により構成されているため、このような接触音の発生を防止することができる。
【0053】
この点、第1乃至第3の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造にも応用することができ、伝熱性部材60〜62の先端部又は伝熱性部材63の折り曲げ接触面が接触する結露が生じ易い箇所45、45aに熱伝導弾性体を設けるようにしてもよい。これにより、熱伝導弾性体を設けることにより、金属同士が直接接触することを防止することができ、金属同士の接触音の発生を防止することができる。なお、この場合、熱伝導弾性体は、用途に応じて種々の材料から構成されたものを選択してよいが、上述のように、シリコーン系の熱伝導シート、エポキシ系の熱伝導接着シート、アクリル系の熱伝導粘着シート等から選択してもよい。
【0054】
[第5の実施形態]
図6は、本発明の第5の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第5の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造とほぼ同様の構成を有するが、フレーム枠40の隙間領域に断熱材70を有する点で、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。このように、フレーム枠40の隙間領域に断熱材70を設置し、冷蔵用リーチインドアの断熱性を高める構成としてもよい。コードヒーター51が1個のみフレーム枠40の金属部44に設けられている点、及びフレーム枠40の金属部44とドア框20の金属部22とが伝熱性部材60で接続されている点は、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同一であるので、消費電力を低減しつつ、フレーム枠40及びガラスドア10の結露を効率的に防止するという利点は維持しつつ、冷蔵用リーチインドアの断熱性を高めるという利点を加えることができる。
【0055】
断熱材70は、用途に応じて種々の断熱材を用いることができるが、例えば、内部を減圧して真空封止した真空断熱材を用いるようにしてもよい。真空断熱材は、一般的な他の断熱材よりも断熱性が高いので、断熱性に優れた冷蔵用リーチインドアに構成することができる。
【0056】
また、
図6においては、フレーム枠40の隙間領域にのみ断熱材70が設けられているが、必要に応じて、ドア框20の隙間領域にも断熱材を設けるようにしてもよい。例えば、庫外側の挟持部21と金属部22とで囲まれた隙間領域や、庫内側の挟持部21と金属部22とマグネットガスケット30とで囲まれた隙間領域にも断熱材を設けるようにしてもよい。この場合においても、真空断熱材を含む種々の断熱材を用いてもよいことは言うまでもない。
【0057】
なお、他の構成要素については、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同一であるので、同様の構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0058】
第5の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、消費電力を削減しつつガラスドア10及びフレーム枠40の結露を効果的に防止することに加え、冷蔵用リーチインドアの断熱性も高めることができる。
【0059】
[第6の実施形態]
図7は、本発明の第6の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第6の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造とほぼ同様の構成を有するが、フレーム枠40aの隙間領域に断熱材71を有する点で、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。このように、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造についても、フレーム枠40aの隙間領域に断熱材71を設置し、冷蔵用リーチインドアの断熱性を高める構成としてもよい。コードヒーター51が1個のみフレーム枠40aの金属部44aに設けられている点、及びフレーム枠40aの金属部44aとドア框20aの金属部22aとが伝熱性部材61を介して最短距離で接続されている点は、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同一である。よって、消費電力を低減しつつ、フレーム枠40a及びガラスドア10の結露を効率的に防止するという利点は維持しつつ、冷蔵用リーチインドアの断熱性を高めるという利点を加えることができる。
【0060】
断熱材71は、フレーム枠40aの隙間領域の高さが第5の実施形態よりも低くなり、水平方向に延びる領域が多くなったことに対応して、第5の実施形態における断熱材70よりも、鉛直部分が短く、水平部分が長く構成されている。このように、断熱材71は、フレーム枠40aの隙間領域の形状、大きさに適合する形状、大きさに構成することができる。
【0061】
断熱材71に、用途に応じて、真空断熱材を含む種々の断熱材を用いることができる点は、第5の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様である。
【0062】
また、必要に応じて、ドア框20の隙間領域にも断熱材を設けるようにしてもよい点、及びこの場合にも真空断熱材を含む種々の断熱材を用いてもよい点も、第5の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様である。
【0063】
なお、他の構成要素については、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同一であるので、同様の構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0064】
第6の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、消費電力を削減しつつガラスドア10及びフレーム枠40aの結露を効果的に防止することに加え、冷蔵用リーチインドアの断熱性も高めることができる。
【0065】
[第7の実施形態]
図8は、本発明の第7の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第7の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造とほぼ同様の構成を有するが、フレーム枠40aの隙間領域に断熱材70を有する点で、第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。このように、第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造についても、フレーム枠40bの隙間領域に断熱材70を設置し、冷蔵用リーチインドアの断熱性を高める構成としてもよい。コードヒーター51が1個のみフレーム枠40bの金属部44bに設けられている点、及びフレーム枠40bの金属部44bの鉛直面48とドア框20bの金属部22の先端面23とがガスケット30bを介して接続されている点は、第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同一である。よって、部品点数を削減しつつ消費電力を低減するとともに、フレーム枠40b及びガラスドア10の結露を効率的に防止するという利点は維持し、更に冷蔵用リーチインドアの断熱性を高めるという利点を加えることができる。
【0066】
断熱材70に、用途に応じて、真空断熱材を含む種々の断熱材を用いることができる点は、第5及び第6の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様である。
【0067】
また、必要に応じて、ドア框20bの隙間領域にも断熱材を設けるようにしてもよい点、及びこの場合にも真空断熱材を含む種々の断熱材を用いてもよい点も、第5及び第6の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様である。
【0068】
なお、他の構成要素については、第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同一であるので、同様の構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0069】
第7の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、部品点数及び消費電力を削減しつつガラスドア10及びフレーム枠40bの結露を効果的に防止することに加え、冷蔵用リーチインドアの断熱性も高めることができる。
【0070】
[第8の実施形態]
図9は、本発明の第8の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第8の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造においては、コードヒーター50が、フレーム枠40dの金属部44dには設けられておらず、ドア框20dの金属部22dにのみ1個だけ設けられている点で、第1乃至第7の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。このように、コードヒーター50は、フレーム枠40dではなく、ドア框20dにのみ設けるようにしてもよい。
【0071】
ドア框20dの金属部22dの水平面上の挟持部21とマグネットガスケット30との間に、突起状のコードヒーター保持部24が設けられ、金属部22dと挟持部21との嵌合構造の突起とコードヒーター保持部24との間にコードヒーター50が保持されている。コードヒーター50で発生した熱は、金属部22dを介してガラスドア10に伝達するとともに、伝熱性部材60を介してフレーム枠40dの金属部44dに伝達する。
【0072】
なお、伝熱性部材60は、ガラスドア10が閉となったときに、フレーム枠40dの金属部44dの結露が生じ易い箇所45に接触するように構成されることが好ましい。金属部44dは、コードヒーター保持部46が除去され、コードヒーター51を保持しなくなった点以外は、第1の実施形態における金属部44と同様の構成を有する。フレーム枠40dのその他の構成は、第1の実施形態におけるフレーム枠40と同様である。また、ドア框20dも、コードヒーター保持部24が金属部22dに新たに設けられ、コードヒーター50を保持している点以外は、第1の実施形態におけるドア框20と同様の構成を有する。
【0073】
また、ドア框20d及びフレーム枠40d以外の構成要素については、第1の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の構成要素と同様であるので、同様の構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0074】
なお、第4の実施形態で説明した伝熱性部材60の先端を折り曲げて折り曲げ接触面63を形成する構成、伝熱性部材60の先端又はフレーム枠40dの最も結露が生じ易い箇所45に熱伝導弾性体を設ける構成、及び第5の実施形態で説明した断熱材70を設ける構成は、第8の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造に適用することが可能である。
【0075】
第8の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、ドア框20dにのみコードヒーター50を設け、伝熱性部材60を介してコードヒーター50の熱をフレーム枠40dの金属部44dに伝達可能に構成することにより、消費電力を低減しつつ、ガラスドア10及びフレーム枠40dの結露を効果的に防止することができる。
【0076】
[第9の実施形態]
図10は、本発明の第9の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第9の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造においても、コードヒーター50が、フレーム枠40eの金属部44eには設けられておらず、ドア框20eの金属部22eにのみ1個だけ設けられている点で、第1乃至第7の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。第9の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造とほぼ同様の構成を有する。このように、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造についても、コードヒーター50を、フレーム枠40eではなく、ドア框20eにのみ設ける構成としてもよい。
【0077】
ドア框20eの金属部22eの水平面上の挟持部21とマグネットガスケット30aとの間に、突起状のコードヒーター保持部24が設けられ、金属部22eと挟持部21との嵌合構造の突起とコードヒーター保持部24との間にコードヒーター50が保持されている点は、第8の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と同様である。コードヒーター50で発生した熱は、金属部22eを介してガラスドア10に伝達するとともに、最小限の長さを有する伝熱性部材61を介してフレーム枠40eの金属部44eに伝達する。
【0078】
第8の実施形態と同様、伝熱性部材61は、ガラスドア10が閉となったときに、フレーム枠40eの金属部44eの結露が生じ易い箇所45aに接触するように構成されることが好ましい。金属部44eは、コードヒーター保持部46が除去され、コードヒーター51を保持しなくなった点以外は、第2の実施形態における金属部44aと同様の構成を有する。フレーム枠40eのその他の構成は、第2の実施形態におけるフレーム枠40aと同様である。また、ドア框20eも、コードヒーター保持部24が金属部22eに新たに設けられ、コードヒーター50を保持している点以外は、第2の実施形態におけるドア框20aと同様の構成を有する。
【0079】
また、ドア框20e及びフレーム枠40e以外の構成要素については、第2の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の構成要素と同様であるので、同様の構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0080】
なお、第4の実施形態で説明した伝熱性部材61の先端を折り曲げて折り曲げ接触面63を形成する構成、伝熱性部材61の先端又はフレーム枠40eの最も結露が生じ易い箇所45に熱伝導弾性体を設ける構成、及び第6の実施形態で説明した断熱材71を設ける構成は、第9の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造に適用することが可能である。
【0081】
第9の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、ドア框20dにのみコードヒーター50を設け、最小限の長さを有する伝熱性部材61を介してコードヒーター50の熱をフレーム枠40eの金属部44eに効率的に伝達可能に構成することにより、消費電力を低減しつつ、ガラスドア10及びフレーム枠40eの結露を効果的に防止することができる。
【0082】
[第10の実施形態]
図11は、本発明の第10の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の一例を示した側断面図である。第10の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造においても、コードヒーター50が、フレーム枠40fの金属部44fには設けられておらず、ドア框20fの金属部22fにのみ1個だけ設けられている点で、第1乃至第7の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造と異なっている。第10の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造とほぼ同様の構成を有する。このように、第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造についても、コードヒーター50を、フレーム枠40bではなく、ドア框20bにのみ設けるようにしてもよい。
【0083】
第8及び第9の実施形態と同様、ドア框20fの金属部22fの水平面上の挟持部21とガスケット30bとの間に、突起状のコードヒーター保持部24が設けられ、金属部22fと挟持部21との嵌合構造の突起とコードヒーター保持部24との間にコードヒーター50が保持される。コードヒーター50で発生した熱は、金属部22fを介してガラスドア10に伝達するとともに、先端面23f及び熱伝導弾性体で構成されたガスケット30bを介して、フレーム枠40fの金属部44fの金属面48fに伝達する。
【0084】
金属部44fは、コードヒーター保持部46が除去され、コードヒーター51を保持しなくなった点以外は、第4の実施形態における金属部44bと同様の構成を有する。フレーム枠40fのその他の構成は、第2の実施形態におけるフレーム枠40bと同様である。また、ドア框20fも、コードヒーター保持部24が金属部22fに新たに設けられ、コードヒーター50を保持している点以外は、第4の実施形態におけるドア框20bと同様の構成を有する。
【0085】
また、ドア框20f及びフレーム枠40f以外の構成要素については、第4の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造の構成要素と同様であるので、同様の構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0086】
なお、第7の実施形態で説明した断熱材70を設ける構成は、第10の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造に適用することが可能である。
【0087】
第10の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造によれば、ドア框20fにのみコードヒーター50を設け、ガスケット30bを介してコードヒーター50の熱をフレーム枠40fの金属部44fに効率的に伝達可能に構成することにより、部品点数及び消費電力を削減しつつ、ガラスドア10及びフレーム枠40fの結露を効果的に防止することができる。
【0088】
第1〜第10の実施形態に係る冷蔵用リーチインドア結露防止構造は、種々の冷蔵ショーケースに適用することができ、冷蔵用リーチインドア、冷蔵対象を収容する収容部としてケース本体、冷蔵対象を冷却する冷却手段を備えることにより、冷蔵用リーチインドア結露防止構造を備えた冷蔵ショーケースを構成することができる。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。