特許第6551210号(P6551210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551210
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20190722BHJP
【FI】
   H01L33/62
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-245023(P2015-245023)
(22)【出願日】2015年12月16日
(65)【公開番号】特開2016-119466(P2016-119466A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2018年5月24日
(31)【優先権主張番号】特願2014-258806(P2014-258806)
(32)【優先日】2014年12月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】三木 倫英
【審査官】 皆藤 彰吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−028757(JP,A)
【文献】 特開2013−197471(JP,A)
【文献】 特開2012−212850(JP,A)
【文献】 特開2016−207948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面を有するリードと、前記リードを保持する成形樹脂と、を備えたパッケージと、
前記パッケージに載置された発光素子と、
前記発光素子を封止する封止部材と、を備えた発光装置であって、
前記リードは、金属板と、該金属板の表面に形成されたメッキと、を有し、
前記メッキは、前記金属板の上面及び側面に連続的に設けられ第1メッキと、前記金属板の下面に設けられ第2メッキと、を有し、
前記第1メッキは、Ni、Au、Ag、を含み、
前記第2メッキは、Ni、Auを含まないことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
上面及び下面を有するリードと、該リードを保持する成形樹脂と、を備えたパッケージと、
前記パッケージに載置された発光素子と、
前記発光素子を封止する封止部材と、を備えた発光装置であって、
前記リードは、金属板と、該金属板の表面に形成されたメッキと、を有し、
前記メッキは、前記金属板の上面及び側面に連続的に設けられ第1メッキを有し、
前記第1メッキは、Ni、Au、Ag、を含み、
前記金属板の下面は、メッキを有しておらず、前記発光装置の下面において露出していることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
前記第1メッキは、Pdを含む請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1メッキは、前記金属板の側面に形成されている請求項2又は請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第2メッキは、Agを含む請求項1、3、4のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第2メッキのAgは、前記第1メッキのAgと一体である請求項5に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子(以下、「発光素子」とも称する)を用いたLED(Light Emitting Diode)などの発光装置として、樹脂とリードから構成されるパッケージを用いたものが知られている。リードは、銅や鉄などの金属板を母材とし、その表面にメッキが形成されている。
【0003】
発光装置に用いられるリードは、銀などの高い反射率の材料をメッキとして用いられることが多い。この銀を母材である金属板の表面に形成し易くするために、下地としてあらかじめ別の材料でメッキすることが知られている。(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−71471号公報
【特許文献2】特開2008−192837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
下地として用いられるPd(パラジウム)やAu(金)は高価な材料であり、コストアップの一因となっている。しかしながら、これらの下地は、反射率の高い銀をメッキするためのものであり、コストを低減させるために下地を形成しないと、反射率の高いメッキが得られない。
【0006】
そこで、本発明は、反射率の低下を抑制しつつ、コストを抑制したリードを用いた発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、リードと、リードを保持する成形樹脂と、を備えたパッケージと、パッケージに載置された発光素子と、発光素子を封止する封止部材と、を備えた発光装置であって、リードは、金属板と、金属板の表面に形成されたメッキと、を有し、メッキは、リードの上面に設けられる第1メッキと、リードの下面に設けられる第2メッキと、を有し、第1メッキは、Ni、Au、Ag、を含み、第2メッキは、Ni、Auを含まないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上により、反射率の低下を抑制しつつ、コストを抑制したリードを用いた発光装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本発明の実施形態に係る発光装置を例示する概略断面図である。
図1B図1Aの発光装置の斜視図である。
図1C図1BのXの拡大図である。
図2】本発明の実施形態に係る発光装置を例示する概略断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る発光装置を例示する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明は、発光装置を以下に限定するものではない。
【0011】
また、本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。尚、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0012】
発光装置は、パッケージと、パッケージに実装された発光素子と、発光素子を封止する封止部材と、を含む。パッケージは、リードと、成形樹脂と、を備える。リードは、金属板と、金属板の表面に形成されたメッキと、を備える。メッキは、リードの上面に設けられる第1メッキと、リードの下面に設けられる第2メッキと、を有する。第1メッキは、Ni、Au、Agを含む。第2メッキは、Ni、Auを含まない。
【0013】
リードの上面は、発光素子が載置される側の面、すなわち、発光素子からの光が照射される側の面であり、反射率の高い銀メッキを備えることで、効率よく光を取り出すことができる。リードの下面は、発光素子からの光が照射されない側の面であり、反射率の高い銀メッキは必要ではない。そのため、Agの下地層として用いられるAu等の高価な材料をリードの下面に含まないようにすることでメッキにかかるコストを低減することができる。
以下、各部材について詳説する。
【0014】
<パッケージ>
パッケージは、リードと、リードを保持する成形樹脂と、を備える。パッケージは、平板形状、または、発光素子が載置可能な凹部が設けられた形状等とすることができる。平板状のパッケージの場合は、その上面にリードの上面が露出されている。凹部を備えたパケージの場合は、凹部の底面にリードの上面が露出されている。
【0015】
[リード]
リードは、発光装置の電極として機能するものであり、少なくとも正極用リードと負極用リードの2つのリードを備える。リードは所定の形状にパターニングされた板状の金属部材であり、母材となる金属板と、その表面に形成されたメッキとを有する。
【0016】
(金属板)
金属板は、エッチング、プレス、パンチ、ブラスト等の加工方法で所望の形状にパターニングされる。一枚のリードで、複数の発光装置を得ることができるよう、金属板は同じパターンを複数有するように加工される。各パターンは、発光装置として用いられる際に、電極端子として機能する正負一対のリードや、放熱部材として機能する放熱部などとして機能する部位を含み、更に、各パターンを連結させる連結部やその他の部位などを有する。また、切り欠き、凹部、孔などを有していてもよい。このような加工は、メッキの前、またはメッキの後に行うことができ、好ましくは、メッキの前に行う。
【0017】
金属板の材料としては、例えば、例えば、Fe、Ni、Cu、Al等の金属又はこれらの合金が挙げられる。これらは単層であってもよいし、積層構造(例えば、クラッド材)であってもよい。主成分としては、Fe、Cuを用いるのが好ましく、特にCuを主成分として用いるのが好ましい。また、微量含有元素としてSiやPなどの非金属が含まれていてもよい。
【0018】
金属板の厚みは、例えば、100〜1000μm程度が好ましく、更に、200〜500μm程度が好ましい。また、金属板の全てがこの厚みであってもよく、一部が薄くなってもよい。特に、パターニングした際に縁となる部分は、側面の下面側に凹部を備えたような形状、換言すると、側面の上面側に凸部を備えた形状としてもよい。この凸部の厚みは、他の部分(例えば発光素子の直下等)の厚みの1/2〜1/5程度の厚みとすることができる。このような形状とすることで、パッケージとした際に、成形樹脂とリードとの密着性を向上させることができる。また、リードがパッケージの下面に露出するように配置される場合は、このようなリードの縁に設けられた凸部及び凹部により、成形樹脂からリードが脱落するのを防ぐアンカー効果を得られることができる。
【0019】
(メッキ)
金属板の上面には、第1メッキが設けられる。第1メッキはNi(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)を含む。金属板の下面には第2メッキが設けられる。第2メッキは、Ni、Auを含まないメッキである。
【0020】
尚、第1メッキ及び第2メッキをそれぞれ形成する前に、前処理として、リード表面の有機物質を除去するために、脱脂工程を設けるのが好ましい。更に、脱脂工程に次いで、酸処理などによりリードの表面活性化を行うのが好ましい。
【0021】
(第1メッキ)
第1メッキはNi(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)を含む。好ましくは、さらにPd(パラジウム)を含む。積層構造としては、金属板/Ni/Au/Ag、金属板/Ni/Pd/Au/Agの順に積層させた構造が好ましい。
【0022】
また、第1メッキは、金属板の側面に設けられていてもよい。例えば、パターニングされた金属板の下面の全面をレジストで覆い、メッキ浴に浸漬することで、金属板の上面及び側面に連続する第1メッキが形成される。
【0023】
第1メッキが金属板の上面と側面とに連続して形成されることで、金属板の上面のみに第1メッキが形成される場合に比して、金属板の上面の第1メッキ中の卑金属の腐食を抑制することができる。
【0024】
金属板の側面の上面側に凸部を備える場合、その凸部の側面、及び下面にも第1メッキが形成されることが好ましい。また、金属板の側面の凸部の下にある凹部の側面にも第1メッキが形成されることが好ましい。
【0025】
また、リードは、発光装置の側面に露出されている部分を備えている。例えば、発光装置の集合体を切断することで個片化された発光装置とする場合、発光装置の側面は切断面からなる。つまり、成形樹脂の切断面とリードの切断面とで、発光装置の側面が形成される。メッキは、成形樹脂を形成する前、すなわちリードフレームの状態で形成されるため、個片化することで現れるリードの側面(発光装置の側面に露出された側面)はメッキで覆われていない。メッキは、側面において、金属板の周囲を囲むように形成されている。ここで露出されているメッキは、第1メッキであり、Niを含んでいる。Niは金属板のCuよりも硬いため、切断部分にNiを含むメッキを備えることで、Cuのバリが出にくい。
【0026】
(第2メッキ)
第2メッキは、Ni、Auを含まない。好ましくはさらにPdも含まない。本明細書において、Ni、Auを含まないとは、第2メッキ膜を形成する際、メッキ材料としてNi、Auを意図的に用いない又は添加しないことを意味する。よって、これらNi、Auが不純物として含有される可能性を排除するものではない。これらの金属は、主として高反射率のAgメッキを形成するための下地層として機能するため、発光素子からの光が照射されない下面側に形成されるメッキから除外することで、メッキにかかるコストを抑制することができる。また、これらの金属を含まないことで、放熱性を向上させることができる。
【0027】
第2メッキとしては、例えば、Cu、Al、Ag等が挙げられる。第2メッキにAgを有する場合、第1メッキのAgと一体とすることができる。第2メッキは、1層又は2層以上の複数層としてもよい。例えば、第2メッキがAgの1層であり、金属板がCuである場合、AgとCuとが直接接することになる。
【0028】
Agは、レジストを設けたままメッキすると高反射率のメッキが形成しにくい場合があるため、リードの上面側にAgメッキをする前に、リードの下面に形成しているレジストを除去しておくと、下面にも形成される。つまり、Agは金属板の上面、側面、下面の全面にわたって形成される。このように、第1メッキと第2メッキとが、その一部のメッキ(ここではAg)が共有されるように、一体的に設けられていてもよい。
【0029】
また、リード12の下面には、メッキを有していなくてもよい。
【0030】
また、成形樹脂を形成した後にメッキ(第3メッキ)を有していてもよい。第3メッキとしては、例えば、Pb、Sn、Ag、Cu、Bi等を含むメッキ(半田メッキ)などを形成してもよい。このように成形後にメッキを形成するとリードの下面は成型樹脂の下面よりも突出した形状となり、二次実装時に安定した接合強度を保つことができる。また、成形後に形成させるため、必要部分にのみメッキを形成することができ、部材を削減することができる。
【0031】
第1メッキ、第2メッキは、それぞれ総膜厚は、1〜10μm程度が好ましく、更に、1.5〜6μmが好ましい。各メッキの厚みは、目的や用途に応じて適宜選択することができる。例えば、Niは0.5〜5μm程度、Pdは0.005〜0.05μm程度、Auは0.001〜0.5μm程度、Agは1〜5μm程度などが挙げられる。第3メッキを有する場合、第3メッキは、1〜20μm程度が好ましく、さらに1〜10μm程度が好ましい。
【0032】
[成形樹脂]
成形樹脂は、発光装置とした際に、2つのリードを一体的に保持する保持部材として機能し、さらに、光反射性や遮光性など、光学特性を制御する部材として機能する。成形樹脂は、一対のリードの間に設けられ、正負用のリードが互いに接触しないようにする絶縁部材としても機能する。
【0033】
成形樹脂に用いられる樹脂材料としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂が挙げられる。具体的には、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂組成物、変成エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、変成シリコーン樹脂組成物、シリコーン変成エポキシ樹脂、エポキシ変成シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、変成ポリイミド樹脂組成物、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート等の樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂が挙げられ、これらの中から少なくとも1つを含む樹脂とすることができる。特に、熱硬化性樹脂が好ましい。なかでも、発光装置とする場合、成形樹脂は、発光素子からの光に対する反射率が60%以上であるものが好ましく、より好ましくは70%、80%又は90%以上であるものが好ましい。
【0034】
また、成形樹脂には、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、ムライトなどの光反射材が含有されていてもよい。これにより、発光素子からの光を効率よく反射させることができる。また、カーボンブラック等の黒色材料が含有されてもよい。光反射材又は黒色材料は、樹脂成形法や樹脂流動性などの成形条件によって、また反射率や機械強度などの特性等によって適宜調整することができる。例えば、酸化チタンを用いる場合は、成形樹脂の全重量に対して、10〜40重量%、さらに15〜35重量%含有させることが好ましい。
【0035】
<発光素子>
発光素子は、素子基板上に積層された、発光層を含む半導体層から構成される。あるいは、素子基板上に発光層を含む半導体層を積層した後に基板を除去することにより得られる半導体層から構成されていてもよい。
【0036】
素子基板としては、特に限定されるものではなく、例えば、窒化物半導体層を成長させるために通常用いられるものが挙げられる。なかでも、透光性の基板が好ましい。ここでの透過性とは、発光素子から出射される光の60%、65%、70%又は80%程度以上を透過し得る性質を指す。素子基板としては、サファイア、スピネル、NGO、LiAlO2、LiGaO3、GaN等が挙げられる。なかでも、酸化物からなる素子基板が好ましく、ウルツ鉱型結晶からなる素子基板がより好ましく、特にサファイアがさらに好ましい。
【0037】
素子基板上に積層される半導体層は、少なくとも発光構造を有するものが好ましい。具体的には、半導体層は、例えば、基板上に、任意にバッファ層等の1層又は複数層を介して、第1半導体層(n型又はp型半導体層)、発光層及び第2半導体層(p型又はn型半導体層)がこの順に積層されて構成されるものが挙げられる。
【0038】
半導体層は、第2半導体層側から厚み方向に一領域が除去され、つまり、部分的に除去され、そこから第1半導体層が露出しており、この露出した領域以外の第1半導体層の他の領域上に、発光層および第2半導体層が順に積層されて構成されている。
半導体層を構成する第1半導体層、発光層及び第2半導体層としては、特に限定されるものではなく、例えば、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系化合物半導体が好適に用いられる。これらの窒化物半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層は、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
【0039】
発光素子が有する一対の電極は、半導体層の同一面側に配置されている。これらの一対の電極は、上述した第1半導体層及び第2半導体層と、それぞれ、電流−電圧特性が直線又は略直線となるようなオーミック接続されるものであれば、単層構造でもよいし、積層構造でもよい。このような電極は、当該分野で公知の材料及び構成で、任意の厚みで形成することができる。例えば、十数μm〜300μmが好ましい。
【0040】
特に、発光素子の一対の電極がそれぞれ接合部材を介してリードと電気的に接続される場合には、一対の電極の最も半導体層側の層として、反射層(めっき膜、DBR膜)を配置することが好ましい。
【0041】
また、発光素子として、あらかじめ蛍光体層を形成した白色発光素子、発光素子の側面を樹脂又は金属などの反射層で被覆して上面に蛍光体層を形成した白色発光素子を用いてもよい。さらに、発光素子から実装面に配置される電極の厚みを厚くして、その周囲に樹脂(白色樹脂)などの応力緩和層を備えた発光素子を用いることもできる。
【0042】
<接合部材>
発光素子の一対の電極は、接合部材を介して、又はワイヤを介してリードと電気的に接続されている。
【0043】
接合部材としては、例えば、絶縁性接合部材又は導電性接合部材を用いることができる。絶縁性接合部材としては、樹脂が挙げられ、透明樹脂、もしくは白色樹脂などが挙げられる。導電性接合部材としては、共晶材料又は半田が挙げられる。好ましい共晶材料としては、AuとSnを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金などが挙げられる。半田としては、AgとCuとSnとを主成分とする合金、CuとSnとを主成分とする合金、BiとSnとを主成分とする合金などが挙げられる。これらの中でもAu−Snの共晶合金が好ましい。Au−Snの共晶合金を用いると、発光素子の電極に対する熱圧着による劣化を低減させることができ、リードに対して強固に接合させることができる。
【0044】
<封止部材>
封止部材は、発光素子、保護素子、ワイヤなど、パッケージに実装される電子部品を、塵芥、水分、外力などから保護する部材である。封止部材の材料としては、発光素子からの光を透過可能な透光性を有し、且つ、それらによって劣化しにくい耐光性を有するものが好ましい。具体的な材料としては、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等の、発光素子からの光を透過可能な透光性を有する絶縁樹脂組成物を挙げることができる。また、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂及びこれらの樹脂を少なくとも1種以上含むハイブリッド樹脂等も用いることができる。さらにまた、これらの有機物に限られず、ガラス、シリカゾル等の無機物も用いることができる。このような材料に加え、所望に応じて着色剤、光拡散剤、光反射材、各種フィラー、波長変換部材(蛍光部材)などを含有させることもできる。封止部材の充填量は、上記電子部品が被覆される量であればよい。
【0045】
封止部材の外表面の形状は、配光特性などに応じて種々選択することができる。例えば、上面を凸状レンズ形状、凹状レンズ形状、フレネルレンズ形状などとすることで、指向特性を調整することができる。また、封止部材に加えて、レンズ部材を設けてもよい。さらに、蛍光体入り成形体(例えば蛍光体入り板状成形体、蛍光体入りドーム状成形体等)を用いる場合には、封止部材として蛍光体入り成形体への密着性に優れた材料を選択することが好ましい。蛍光体入り成形体としては、樹脂組成物の他、ガラス等の無機物を用いることが出来る。
【0046】
蛍光体としては、例えば、酸化物系、硫化物系、窒化物系の蛍光体などが挙げられる。例えば、発光素子として青色発光する窒化ガリウム系発光素子を用いる場合、青色光を吸収して黄色〜緑色系発光するYAG系、LAG系、緑色発光するSiAlON系(βサイアロン)、赤色発光するSCASN、CASN系、KSF系蛍光体(K2SiF6:Mn)、硫化物系蛍光体等の蛍光体の単独又は組み合わせが挙げられる。
【0047】
なお、発光装置には、ツェナーダイオード、ブリッジダイオードなどの保護素子等を有してもよい。
【0048】
(実施形態1)
図1Aは、実施形態1にかかる発光装置100を示す断面図である。図1B図1Aの発光装置100の斜視図であり、図1C図1BのXの拡大図である。発光装置100は、凹部を備えたパッケージ10と、パッケージ10の凹部の底面に実装された発光素子140と、発光素子140を覆うよう、凹部に充填された封止部材120と、を含む。発光素子140は、ワイヤ160を介してリード12と電気的に接続されている。パッケージ10は、正負一対の電極となる2つのリード12と、リード12を保持し、底面と側壁とを備えた成形樹脂14と、を備える。リード12は、上面の一部が凹部の底面で露出されており、下面は略全面が露出して発光装置100の下面となるように配置されている。図1Bに示すように、リードは、発光装置100の側面に露出している露出部12aを備えている。
【0049】
リード12は、母材である金属板2と、金属板2の表面に形成されたメッキ4と、を備える。メッキ4は、リードの上面に設けられる第1メッキ4Aと、リードの下面に設けられる第2メッキ4Bと、を有する。第1メッキ4Aは、Ni/Au/Agが、この順に積層された構成である。第2メッキ4Bは、Ni、Auを含まず、Agを含む。
図1Cに示すように、発光装置100の側面に露出されているリードの露出部12aは、第1メッキ4Aが金属板2の周囲を囲むように形成されている。
【0050】
このような構成することで、リードの反射率の低下を抑制しつつ、コストを抑制した発光装置とすることができる。また、露出されているリードの切断部分にNiを含むメッキを備えることで、金属板2のバリの発生を防止することができる。
【0051】
(実施形態2)
図2は、実施形態2にかかる発光装置200を示す断面図である。実施形態2は、金属板の下面にメッキを有していない点が実施形態1と異なる。リード12は、下面は略全面が露出して発光装置の下面となっており、メッキではなく金属板2がそのまま発光装置の下面において露出されている。
【0052】
このような構成することで、リードの反射率の低下を抑制しつつ、コストを抑制した発光装置とすることができる。
【0053】
(実施形態3)
図3は、実施形態3にかかる発光装置300を示す断面図である。実施形態3は、金属板の下面に第3メッキ(成形後に形成するメッキ)を備えている点が実施形態3と異なる。リード12は、その下面に第3メッキ4Cが形成されており、第3メッキ4Cの下面は、成形樹脂の下面よりも突出して設けられる。第3メッキは、Snを含むメッキであり、厚みは0.1〜100μm程度である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る発光装置は、照明用光源、各種インジケーター用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源、液晶のバックライト用光源、センサー用光源、信号機等、種々の発光装置に使用することができる。また、所謂サイドビュー型の発光装置など、リードを用いる全ての発光装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
100、200、300 発光装置
10 パッケージ
12 リード
2 金属板
4 メッキ
4A 第1メッキ
4B 第2メッキ
4C 第3メッキ
12a 露出部
14 成形樹脂
120 封止部材
140 発光素子
160 ワイヤ
図1A
図1B
図1C
図2
図3