特許第6551659号(P6551659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6551659ポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551659
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】ポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 13/02 20060101AFI20190722BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20190722BHJP
   C08F 112/08 20060101ALI20190722BHJP
   C08F 20/02 20060101ALI20190722BHJP
   C08F 18/04 20060101ALI20190722BHJP
   C08F 2/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   B01J13/02
   C08F2/44 A
   C08F112/08
   C08F20/02
   C08F18/04
   C08F2/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-99949(P2015-99949)
(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公開番号】特開2016-215090(P2016-215090A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年4月10日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度独立行政法人科学技術振興機構研究成果最適展開支援プログラム(A−STEP)シーズ顕在化タイプ「マイクロカプセル化機能性文具の開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正浩
(72)【発明者】
【氏名】岸本 大輝
【審査官】 吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−043977(JP,A)
【文献】 特開2009−076399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 13/02−22
C08F
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱重合又はラジカル重合可能なモノマー分子を多孔性シリカ中空粒子と混合してシリカ中空粒子内に前記モノマー分子を内包させ、その後前記モノマー分子を重合させる工程を含み、前記中空粒子の膜厚は、粒子径に対して5%以下であり、前記中空粒子の平均粒子径は16μm以上、300μm以下であることを特徴とするポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法。
【請求項2】
前記モノマー分子と重合開始剤を多孔性シリカ中空粒子と混合してシリカ中空粒子内に前記モノマー分子と重合開始剤を内包させる、請求項1に記載のポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法。
【請求項3】
前記モノマー分子がスチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸又はその塩、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド、脂肪酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタンプレポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に大きな中空部分を持つシリカ微粒子の当該中空部に、低分子量化合物を導入して様々な分野で利用することは種々検討されてきたが、中空部分に高分子量物質であるポリマーを充填したシリカ微粒子も、これまで注目されてきた。しかしながらその方法のほとんどは、事前にポリマーの微粒子を作製し、その微粒子の周りにシリカを析出させてコアシェル材料を合成する手法であった(非特許文献1)。例えば、特許文献1では、ポリマー微粒子の周りにケイ素アルコキシドを用いてシリカシェルを被覆し、その後、焼成処理により内部のポリマーをカーボンへと変換する方法が提案されている。その他、コアシェルの手法を用いて球状有機ポリマー−シリコン化合物複合粒子を合成する方法(特許文献2)や、コアがポリマーでありシェルがシリカの材料の合成と応用例は数多くある(特許文献3〜6)。また、シリコーンオイルをコア材料とし、殻がシリカである微粒子の例もある(特許文献7)。コア粒子を無機材料の微粒子とし、ケイ素アルコキシドの加水分解により当該無機粒子を被覆した例も知られている(特許文献8〜9)。この際、シリカ原料としてケイ酸ナトリウムを用いた技術も報告されている(特許文献10)。ポリマーをコア材料とした方法では、シリカの中空部分をポリマー粒子が占めるために、微粒子化することや表面をシリカ析出のためにアミノ基等を付けて修飾すること(特許文献1)等の必要があるため、内包させるポリマーに制約がかかる。一方、一度作ったシリカ中空粒子をポリマーと混合あるいは結合させる試みがある。例えば、シリカ中空粒子表面にシランカップリング剤をグラフトして重合の開始点を構築し、そこを基点としてポリマーを成長させる技術である(特許文献11)。この場合は、ポリマーはシリカとシランカップリング剤を介して結合を持っている。
【0003】
上記の技術の多くの目的は、ポリマーのバルク体中にシリカの中空微粒子を閉じ込めて、反射防止機能や断熱機能を発現しようというものがほとんどであるため、ポリマーを内包したシリカ粒子を粉体等として得ようということはほとんど行われていない。さらに、シリカ内部に高度な機能を持ったポリマーを内包させ、当該ポリマーの性能を制御する試みはほとんどなされていない。その例として、粘着性ポリマーをあげることができる。すなわち、粘着剤の持つ粘着性能の発現を任意に制御する、すなわち発現させたくない時には粘着性は無く、発現させたい時に粘着性を持たせる技術への応用である。文具に関する分野では、封書等紙類への糊付けの際に、糊が指に付かない等の機能を持たすことができ、また接着による工作においては、仮止めなどを行い、最終段階で接着させるという作業を可能にする。このような利用における粘着性能を発現させるトリガーとしては、特別な機器を用いない方法、例えば接着面を加圧するなどの方法が有効である。粘着剤がこのような機能をもつ感圧性粘着剤の代表的な方法としては、粘着剤をカプセル材料内に導入し、そのカプセル材料を外部から加圧して破壊させ、内部の粘着剤を放出させることで粘着性能発現のトリガーとする技術がある。一例として、粘着剤や粘着シートに、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、イソシアネート樹脂、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂等に内包させた材料がある(特許文献12)。他には、ポリビニルアルコール、ゼラチン−アラビアゴム、タンパク質や多糖類系を用い、加圧により破壊される微粒子と加熱により破壊される微粒子を組み合わせた粘着剤、粘着シートも知られている(特許文献13)。水/油/水のエマルジョンを用いて、水系粘着剤を、ウレタン樹脂やアクリル樹脂の微粒子内に封入する例もある(特許文献14〜15)。また、可塑剤や粘着付与剤を内包させた微粒子と通常の粘着剤を混合した樹脂組成物を用いた技術もある(特許文献16)。さらに、架橋反応を起こす粘着剤を微粒子に包含させておき、微粒子の破壊を通じて必要な場所でのみ架橋反応を行うことで、転写ミスを低減する技術もある(特許文献17)。
【0004】
一方、コア材料を用いずに、シリカ中空粒子を一段で合成する方法も報告されている(非特許文献2、特許文献18〜19)。この方法は、安価なシリカの原料である水ガラスを用い、簡便な一段法でシリカ中空粒子を合成できるため、ポリマーを内包させるシリカ中空粒子として、特に有用であると考えられる。この中空粒子作製時に、同時に他の物質を取り込むことも可能であり、タンパク質等の生体高分子材料を内包させた例もある(特許文献20、非特許文献3)。しかしながら、この方法は水溶性、あるいは親水性材料にのみ適応できる方法であり、当該方法により水に難溶で疎水的な有機ポリマーをシリカ中空粒子に内包させることはできない。一方、あらかじめ合成しておいたシリカ中空粒子に、種々の有機ポリマーを充填させることができれば、色々な応用が期待できる。例えば、粘着剤の場合、当該材料を破壊することで内部の粘着剤を放出させて粘着性を発現させるという技術を創出できるだろう。しかしながら、出来合いのシリカ中空粒子の内部に、シリカ表面と結合を作らずにポリマーを充填させ、シリカ粒子が破壊等を起こさない状態では内包されたポリマーは外部には放出されない材料の合成方法はこれまで知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-105840
【特許文献2】再表2009/001905
【特許文献3】特開平05-140505
【特許文献4】特開2008-247664
【特許文献5】特開2009-234848
【特許文献6】特開2014-009261
【特許文献7】特開2013-000683
【特許文献8】特開2008-222459
【特許文献9】特開2009-46365
【特許文献10】特表2000-500113
【特許文献11】特開2012-131928
【特許文献12】特開2009-221346
【特許文献13】特開2008-248065
【特許文献14】特開2005-232390
【特許文献15】特開2005-22023
【特許文献16】特開平06-172725
【特許文献17】特開平07-011211
【特許文献18】特許4997395号
【特許文献19】特開2010-053200
【特許文献20】特許第5051490号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Y. Li, J. Shi, Adv. Mater., 26, 3176-3205 (2014)
【非特許文献2】M. Fujiwara, K. Shiokawa, Y. Tanaka, Y. Nakahara, Chem. Mater., 16, 5420-5426 (2004)
【非特許文献3】J. Biomed. Mater. Res. A, 81, 103-112 (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ポリマーをシリカ中空粒子内部に包含させて容易には外部に放出しないが、当該シリカ中空粒子が破壊されることで内部のポリマーを放出、ポリマーがシリカ内部に留まりながらポリマー中の物質を徐々に放出、あるいはシリカ内のポリマーへ物質を吸収する等の高機能な材料作製の技術の基礎を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
内部が中空であり、かつ殻部分に細孔があるシリカの中空粒子内に、モノマー分子を充填し、その状態で重合を行うことで、シリカ中空粒子内部の中空部分にポリマーを生成させる。この際、重合後のポリマーの分子サイズを、シリカ中空粒子の殻中細孔よりも大きくすることで、内包されたポリマーは溶媒洗浄等によってもシリカ中空粒子外部へ放出されなくなる。このポリマーは、シリカ中空粒子に包含されて外部へは容易に放出されないため、その状態ではポリマーの性能は容易には発揮されないが、加圧等の方法によりシリカ粒子を壊すことで内部のポリマーを放出することができる。
【0009】
本発明は、以下のポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法を提供するものである。
項1. 熱重合又はラジカル重合可能なモノマー分子を多孔性シリカ中空粒子と混合してシリカ中空粒子内に前記モノマー分子を内包させ、その後前記モノマー分子を重合させることを特徴とするポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法。
項2. 前記モノマー分子と重合開始剤を多孔性シリカ中空粒子と混合してシリカ中空粒子内に前記モノマー分子と重合開始剤を内包させる、項1に記載のポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法。
項3. 前記モノマー分子がスチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸又はその塩、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド、脂肪酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタンプレポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1又は2に記載のポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、様々なポリマーをシリカ中空粒子の内部に包含するポリマー内包シリカマイクロカプセルを容易に得ることができる。例えば、本発明で得られるポリマー内包シリカマイクロカプセルに粘着性ポリマーを内包した場合、シリカ中空粒子を加圧して押しつぶし内部の粘着剤を外部へ放出させることで粘着性能を発現させることに成功する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】シリカ中空粒子内での重合反応によるポリマーの内包化を用いたポリマー内包シリカマイクロカプセルの製造方法
図2】シリカナノ粒子で殻が構成されたシリカ中空粒子の電子顕微鏡像
図3】塩化アンモニウムを沈殿剤に用いて合成したシリカ中空粒子にスチレンモノマーの重合反応を行ってポリスチレンを内包させたマイクロカプセルの赤外線スペクトル
図4】シリカ中空粒子の電子顕微鏡像
図5】粘着剤内包シリカマイクロカプセルの赤外線スペクトルと電子顕微鏡像
図6】シリカ中空粒子の電子顕微鏡像
図7】粘着剤内包シリカマイクロカプセルの赤外線スペクトルと電子顕微鏡像
図8】粘着剤内包シリカマイクロカプセルの赤外線スペクトルと電子顕微鏡像
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で使用する多孔質のシリカ中空粒子は、殻部分に細孔があり、モノマー分子が中空粒子の外部と中空部とで移動可能である。中空粒子の粒子径や殻中細孔径は、図1に示すポリマー内包性能が発揮されるならば特に限定されない。すなわち、粒子径に関しては、中空部分の容量と関係して内包させたいポリマー分子の重量の割合で決めれば良い。また、殻中細孔径は、モノマー分子は十分に通り抜けることができるサイズであり、重合後のポリマー分子は通らないサイズのものであれば良い。細孔の孔径としては、例えば1nm〜500nm程度、好ましくは1nm〜300nm程度、より好ましくは1nm〜200nm程度、さらに好ましくは1nm〜100nm程度である。シリカ中空粒子の平均粒子径は、例えば1〜300μm程度、好ましくは2〜250μm程度、より好ましくは3〜200μm程度、さらに好ましくは5〜150μm程度、より好ましくは10〜100μm程度である。シリカ中空粒子当たりの細孔の数は、2以上、好ましくは3〜100程度、より好ましくは5〜50程度、さらに好ましくは5〜30程度である。
【0013】
本発明の製造方法の概要を、図1に示す。図1に示すように、ポリマーの前駆体であるサイズの小さなモノマー分子はシリカ中空粒子の殻中細孔を通り抜けて中空部に入ることができる。そして中空粒子内部で当該モノマー分子が重合すれば、ポリマーとなるため分子サイズが増大する。この際、ポリマーの回転半径等の分子サイズが殻中細孔よりも大きくなると、ポリマーはシリカ中空粒子外へ出られなくなり、シリカ中空粒子内に包含されることとなる。
【0014】
本発明で使用するモノマー分子は、モノマー分子としてシリカ中空粒子内に包含され、その後、熱重合又はラジカル重合が可能なものである。このようなモノマー分子としては、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、脂肪酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタンプレポリマーなどが挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。脂肪酸ビニルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられる。
【0015】
シリカ中空粒子1gあたり、モノマー分子は0.01〜0.5g程度使用することができる。モノマー分子にシリカ中空粒子を含浸もしくは浸漬させて、シリカ中空粒子の内部の空間にモノマー分子を包含させることができる。モノマー分子は、シリカ中空粒子の内部の空間の少なくとも一部に充填されていればよく、内部の空間に隙間なく充填されていてもよい。モノマー分子が内部の空間の一部に充填され、内部の空間に隙間がある状態でモノマー分子を重合して内部にポリマーを生成した場合、内部の空隙によりシリカ中空粒子が圧力を受けてより壊れやすくなるので好ましい場合がある。モノマー分子はそれ自体をシリカ中空粒子と接触、含浸もしくは浸漬させてもよいが、溶媒の溶液を使用してもよい。溶媒の溶液をシリカ中空粒子の内部空間に内包させて重合した場合、溶媒はシリカ中空粒子の内部空間から除去されるので、溶媒分の隙間が形成される。この隙間の大きさにより、ポリマー内包シリカマイクロカプセルの壊れやすさ(壊れるときの圧力)を調節することができる。
【0016】
モノマー分子にシリカ中空粒子を含浸もしくは浸漬させるときの温度は特に限定されないが、0℃〜室温程度の温度が挙げられる。モノマー分子が重合しない限り、温度をさらに高くしてもよい。また、含浸もしくは浸漬に必要な時間は、1分から10時間程度である。
【0017】
モノマー分子(溶媒溶液又は無溶媒のモノマー分子、さらに重合開始剤等の添加剤が含まれていてもよい)にシリカ中空粒子を含浸もしくは浸漬させた後、シリカ中空粒子外の過剰なモノマー分子を濾過により除去した後にモノマー分子を重合してもよく、そのまま重合後にシリカ中空粒子外のポリマーを洗浄により除去してもよい。
【0018】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V−40)、過酸化ベンゾイル(BPO)などが挙げられる。熱により重合する場合の温度としては、重合反応が十分に進行するものならば特に限定されないが、例えば60〜200℃程度である。重合開始剤は、モノマー分子と混合してシリカ中空粒子に内包させることができる。重合反応溶液には、溶媒等の添加量は少ないほど良く、多くても溶液の10質量%以下が好ましい。
【0019】
ポリマーの架橋剤は、架橋することでポリマーが3次元の網目構造となり溶媒に溶けなくなるため、添加しない方が好ましく、添加した場合も0.1質量%以下が良い。
【0020】
シリカ中空粒子内にポリマーを内包させ、機械的破壊により内包されたポリマーを放出させてポリマー性能を発現させたい場合は、シリカ中空粒子の仕様は、当該性能に適したものにする必要がある。多くのポリマーの回転半径は、数十から数百nmとなるため、シリカ中空粒子の殻中にある細孔よりも大きい。したがって、細孔径は大きいもので良い。ポリマーをシリカ中空粒子内に内包するためには、殻中細孔径は10〜200nm程度のものが良く、より好ましくは20〜150nm、さらに好ましくは30〜100nmのものが良い。シリカ中空粒子の粒径は特に限定されないが、粘着剤の内包量が高いものほど破壊によってより強い粘着性が発現できるため、10ミクロン以上が好ましく、より好ましくは20ミクロン以上、さらに好ましくは40ミクロン以上である。加圧によってシリカ中空粒子が破壊されて、粘着剤などのポリマー性能を発現するためには、シリカ中空粒子そのものが破壊されやすいものの方が良い。そのためには、シリカ中空粒子の殻の構造が弱いものが良い。また、ポリエーテルエーテルケトン等の芳香物質、ポリアクリル酸ナトリウムなどの吸収性ポリマー類、含硫黄ポリイミドなどの光学特性ポリマー類も、ポリマーの分子サイズとシリカ中空粒子の細孔径を調整した上で、同様の方法で内包させることができる。これら以外のポリマーも同様に内包させることができる。
【0021】
このシリカ中空材料として例示できるものは、殻の膜厚の薄いものの他に、殻にマクロ孔があるものやシリカ微粒子でできているものである。殻の膜厚は、中空構造が維持できる限り粒子径に対して5%以下のものが良く、より好ましくは3%以下である。殻にマクロ孔があるシリカ中空粒子としては、例えば、特許第5429945号のもの、シリカ微粒子でできているものは、特許第5283111号をあげることができる(図2)。重合方法は、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のラジカル開始剤を少量添加したラジカル重合や、加熱による熱重合でも良い。重合反応で溶媒の添加は、機能性ポリマーの充填量を高めるには少ないほど良いが、シリカ中空粒子を破壊しやすくするために、溶媒を加えて除去することも良い。その際の溶媒の量は、2〜20%が良く、より好ましくは5〜15%が良い。重合の反応温度や反応時間は、重合反応が十分に進行するものならば特に限定されない。粘着性ポリマーの場合、架橋剤の添加は粘着剤の粘着性を向上させる目的には適しているが、架橋することでポリマーが3次元の網目構造となり溶媒に溶けなくなるため、少ない方が好ましく、添加した場合も0.1質量%以下が良い。こうして得られた機能性ポリマーや粘着剤ポリマー内包シリカマイクロカプセルは、機能性ポリマーを溶解する有機溶媒で簡単に洗浄することで、粉体として得ることができる。
【実施例】
【0022】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 ポリスチレン内包シリカ中空粒子−1
1.512gのTween85をヘキサンに溶かして液総量72mLとした溶液に、水ガラス3号29.88gにイオン交換水を加えて液総量36mLとした水溶液を加えて、ホモジナイザー(IKA・T25T、ジェネレータS25N−25F)を用いて回転数3200rpmで1分間W/Oエマルジョンを作った。このエマルジョンを、40℃に加熱した2M塩化アンモニウム水溶液252mLに、400rpmで撹拌しながら加えた。そのまま10分撹拌の後、ろ別し、ロート上でエタノール洗浄後、1Lのイオン交換水で30分から1時間撹拌して洗浄し、その後にろ別した。この洗浄操作を計3回行った後、ろ別、ロート上で十分量のエタノールで洗浄後、自然乾燥した。
【0023】
上記の方法で合成したシリカ中空粒子1.02gに、0.5%のAIBNを含んだスチレンモノマー2.58gを一晩冷蔵庫中で含浸させた。その後、シリカ中空粒子上部に浸かっていないスチレンモノマー(約1.44g)を取り除き、窒素雰囲気下80℃に3時間加熱して重合させた。重合終了後、1Lのトルエンを加え、一晩静置した。ろ別後、シクロヘキサン100mLで洗浄した。この作業をもう一度繰り返した後、60℃で乾燥した。こうして得られたポリスチレン内包シリカマイクロカプセルの赤外線スペクトルは図3のように、重合直後と上記のトルエン・シクロヘキサン洗浄後の赤外線スペクトルとでは、800cm-1のシリカ由来の吸収と共にポリスチレン由来の700cm-1の吸収が観測され、その強度に変化はなかった。すなわち、シリカ中空粒子内で重合したポリスチレンは、シリカ中空粒子殻中の細孔サイズより大きくなったため、細孔外部へ放出されなくなったものと考えられる。この試料の熱分析測定より、200から600℃までの重量減少は20%であり、このシリカ中空粒子材料中のポリスチレンの含有量は約20%である。
【0024】
実施例2 ポリスチレン内包シリカ中空粒子−2
1.512gのTween85をヘキサンに溶かして液総量72mLとした溶液に、水ガラス3号29.88gにイオン交換水を加えて液総量36mLとした水溶液を加えて、ホモジナイザー(IKA・T25T、ジェネレータS25N−25F)を用いて回転数3200rpmで1分間W/Oエマルジョンを作った。このエマルジョンを、40℃に加熱した2M炭酸水素アンモニウム水溶液252mLに、400rpmで撹拌しながら加えた。そのまま10分撹拌の後、ろ別し、ロート上でエタノール洗浄後、1Lのイオン交換水で30分から1時間撹拌して洗浄し、その後にろ別した。この洗浄操作を計3回行った後、ろ別、ロート上で十分量のエタノールで洗浄後、自然乾燥した。
【0025】
上記の方法で合成したシリカ中空粒子1.01gに、0.5%のAIBNを含んだスチレンモノマー5.25gを一晩冷蔵庫中で含浸させた。その後、窒素雰囲気下80℃に3時間加熱して重合させた。重合終了後、1Lのトルエンを加え、一晩静置した。ろ別後、シクロヘキサン100mLで洗浄した。この作業をもう一度繰り返した後、60℃で乾燥した。この試料の重合直後と上記のトルエン・シクロヘキサン洗浄後の赤外線スペクトルとでは、800cm-1のシリカ由来の吸収と比べポリスチレン由来の700cm-1の吸収が洗浄後に減少していることが観測された。すなわち、シリカ中空粒子内で重合したポリスチレンはサイズは大きくなったが、シリカ中空粒子殻中の細孔よりも小さいために細孔外部へ放出されたものと考えられる。この洗浄後の試料の熱分析測定より、200から600℃までの重量減少は7%であり、このシリカマイクロカプセル材料中のポリスチレンの含有量は約7%である。
【0026】
実施例3 ポリスチレン内包シリカ中空粒子−3
1.512gのTween85をヘキサンに溶かして液総量72mLとした溶液に、水ガラス3号29.88gにイオン交換水を加えて液総量36mLとした水溶液を加えて、ホモジナイザー(IKA・T25T、ジェネレータS25N−25F)を用いて回転数3200rpmで1分間W/Oエマルジョンを作った。このエマルジョンを、40℃に加熱した2Mの塩化アンモニウム90%と炭酸水素アンモニウム10%の混合水溶液252mLに、400rpmで撹拌しながら加えた。そのまま10分撹拌の後、ろ別し、ロート上でエタノール洗浄後、1Lのイオン交換水で30分から1時間撹拌して洗浄し、その後にろ別した。この洗浄操作を計3回行った後、ろ別、ロート上で十分量のエタノールで洗浄後、自然乾燥した。
【0027】
上記の方法で合成したシリカ中空粒子1.02gに、0.5%のAIBNを含んだスチレンモノマー2.71gを一晩冷蔵庫中で含浸させた。その後、シリカ中空粒子上部に浸かっていないスチレンモノマー(約1.00g)を取り除き、窒素雰囲気下80℃に3時間加熱して重合させた。重合終了後、1Lのトルエンを加え、一晩静置した。ろ別後、シクロヘキサン100mLで洗浄した。この作業をもう一度繰り返した後、60℃で乾燥した。
【0028】
重合直後と上記のトルエン・シクロヘキサン洗浄後の赤外線スペクトルとでは、800cm-1のシリカ由来の吸収と共にポリスチレン由来の700cm-1の吸収が観測され、その強度に特段の変化はなかった。すなわち、この試料の場合も実施例1と同様に、シリカ中空粒子内で重合したポリスチレンは、シリカ中空粒子殻中の細孔サイズより大きくなったため、細孔外部へ放出されなくなったものと考えられる。この試料の熱分析測定より、200から600℃までの重量減少は25%であり、このシリカマイクロカプセル材料中のポリスチレンの含有量は約25%である。表1には、シリカ中空粒子の調製条件、殻中細孔サイズとポリスチレンの含有量の関係をまとめた。
【0029】
【表1】
【0030】
実施例4 粘着剤ポリマー内包シリカマイクロカプセル−1
4.536gのTween85をヘキサンに溶かして液総量72mLとした溶液に、水ガラス3号10.5g、塩化ナトリウム1.4gにイオン交換水で液総量20mLとした水溶液を加えて、ホモジナイザー(ヒスコトロン、NS30U)を用いて回転数600〜700rpmで1分間W/Oエマルジョンを作った。このエマルジョンを、40℃に加熱した2M炭酸水素アンモニウム水溶液252mLに、400rpmで撹拌しながら加えた。そのまま10分撹拌の後、ろ別し、ロート上でエタノール洗浄後、1Lのイオン交換水で30分から1時間撹拌して洗浄し、その後にろ別した。この洗浄操作を計3回行った後、ろ別、ロート上で十分量のエタノールを用い洗浄後、自然乾燥した。こうして得られたシリカナノ粒子で殻が構成されたシリカ中空粒子は、図4に示すような形態である。窒素吸着法による細孔分布測定では、ピーク細孔径は約200nmであった。
【0031】
この中空粒子を16マイクロの篩を用いて、その上部に残った粒径16ミクロン以上の中空粒子に篩分けした。この中空粒子1gを二口フラスコに入れ、次いでメタクリル酸ラウリル5gを加え、一晩冷蔵庫中で十分に染みこませた。その後、窒素雰囲気下、120℃で約25時間加熱して重合させた。室温に放冷後、ヘキサン50mLで2回洗浄し、得られた粉体は自然乾燥した。こうして得られた中空粒子中の粘着性のあるポリメタクリル酸ラウリルの量は、熱分析での200〜600℃の重量減少の結果より、52.33%であった。図5左に示す赤外線スペクトルより、このマイクロカプセルは粘着剤ポリマー由来の約1732cm-1のカルボニルの吸収とシリカ由来の1090cm-1を持ち、シリカ中空粒子と粘着剤ポリマーの複合体であることがわかった。また、図5右の電子顕微鏡像より、一部は壊れているものの、球状粒子が維持されていることも確認できた。
【0032】
こうして得られた粘着剤ポリマー内包シリカマイクロカプセルの粘着性能を、下記の方法により測定した。第一に、各サンプルのタックの発現性について評価を実施した。
(1)コピー用紙短冊(KB39N:コクヨ製、297mm×50mm、約1g)に上記の方法で作製した粘着剤ポリマー内包シリカマイクロカプセルを3mgセットした。
(2)こうしてセットしたサンプルの上から同様のコピー用紙短冊を被せ、さらに接触面積が1cm2の試験冶具(約200g)を3秒間置いて加圧し、被せた短冊を持ち上げることにより、低加重時のタックの発現を確認した。この際、下の短冊が同時に持ち上がれば「タック有」とみなすこととした。
(3)(2)と同様の試験体にて、錘(重さ約5kg)を、接触面積1cm2の上に3秒間置いて加圧し、被せた短冊を持ち上げることにより、高加重時のタックの発現を確認した。上記手順で測定を実施した結果、200g加圧時はタックが発現しなかったが、5kg加圧時にはタックの発現が確認された。
【0033】
第二に、粘着力の測定を実施した。
(1)上記の方法で作製した粘着剤ポリマー内包シリカマイクロカプセル0.1gを、規定のコピー用紙短冊(KB39N:コクヨ製、297mm×50mm、約1g)に塗布面積10mm幅×100cmとなる様に塗り広げた。
(2)こうしてセットしたサンプルの上から同様のコピー用紙短冊を被せ、その上から重量5kgのゴムローラーを50mm/secの速度で2往復転がして加圧した。
(3)加圧後、常態(温度23℃、湿度50%)で40分養生し、オートグラフ(AGS-X、島津製)を用いて、300mm/minの速度にて引き剥がし抵抗力を測定した。測定回数は5回にて実施し、測定チャートの最大凸点5点の平均値を測定値とした。
【0034】
サンプルの引き剥がし抵抗力は約0.3N/cmであった。以上の結果によって、シリカ中空粒子内で重合されたこの粘着剤エマルジョンは、低荷重では粘着性を持たないが、5kg以上の加圧によって潰されて内部の粘着剤がはみ出すことで粘着性が発現される粘着剤であることが確認された。
【0035】
実施例5 粘着剤ポリマー内包シリカマイクロカプセル−2
2.016gのTween85をヘキサンに溶かして液総量96mLとした溶液に、水ガラス3号9.96gにイオン交換水で液総量12mLとした水溶液を加えて、ホモジナイザー(ヒスコトロン、NS30U)を用いて回転数1000rpmで1分間W/Oエマルジョンを作った。このエマルジョンを、40℃に加熱した2M炭酸水素アンモニウム水溶液252mLに、400rpmで撹拌しながら加えた。そのまま10分撹拌の後、ろ別し、ロート上でエタノール洗浄後、1Lのイオン交換水で30分から1時間撹拌して洗浄し、その後にろ別した。この洗浄操作を計3回行った後、ろ別、ロート上で十分量のエタノールで洗浄後、自然乾燥した。窒素吸着法による細孔分布測定では、ピーク細孔径は約12nmであった。図6に、こうして得られたシリカ中空粒子の電子顕微鏡像を示す。
【0036】
この中空粒子を16マイクロの篩を用いて、その上部に残った粒径16ミクロン以上のシリカ中空粒子に篩分けした。この中空粒子0.7gを二口フラスコに入れ、次いでメタクリル酸ラウリル3.15g、メシチレン0.35g、AIBN3.5mgを加え、一晩冷蔵庫中で十分に染みこませた。その後、窒素雰囲気下、120℃で約25時間加熱して重合させた。室温に放冷後、ヘキサン50mLで2回洗浄し、得られた粉体は自然乾燥した。こうして得られた中空粒子中の粘着性のあるポリメタクリル酸ラウリルの量は、熱分析での200〜600℃の重量減少の結果より、52.43%であった。図7左に示す赤外線スペクトルより、この微粒子(マイクロカプセル)は粘着剤ポリマー由来の約1732cm-1のカルボニルの吸収とシリカ由来の1090cm-1を持ち、シリカ中空粒子と粘着剤ポリマーの複合体であることがわかった。また、図7右の電子顕微鏡像より、一部は壊れているものの、球状粒子が維持されていることも確認できた粒子、両者の複合体であることがわかる。
【0037】
この試料を実施例4と同様の方法で性能を測定したところ、200g加圧時はタックが発現せず、5kg加圧時にはタックの発現が確認された。また、5kg加圧時の粘着力は0.1N/cmであり、この粘着剤エマルジョンは、低荷重では粘着性を持たないが、5kg以上の加圧によって潰されて内部の粘着剤がはみ出すことで粘着性が発現される粘着剤であることが確認された。
【0038】
実施例6 粘着剤ポリマー内包シリカマイクロカプセル−3
3.024gのTween85をヘキサンに溶かして液総量144mLとした溶液に、水ガラス3号18.75g、塩化ナトリウム3.44gとイオン交換水で液総量36mLとした水溶液を加えて、ホモジナイザー(ヒスコトロン、NS30U)を用いて回転数800rpmで1分間W/Oエマルジョンを作った。このエマルジョンを、40℃に加熱した2M炭酸水素アンモニウム水溶液252mLに、400rpmで撹拌しながら加えた。そのまま10分撹拌の後、ろ別し、ロート上でエタノール洗浄後、1Lのイオン交換水で30分から1時間撹拌して洗浄し、その後にろ別した。この洗浄操作を計3回行った後、ろ別、ロート上で十分量のエタノールで洗浄後、自然乾燥した。
【0039】
この中空粒子を16マイクロの篩を用いて、その上部に残った粒径16ミクロン以上の中空粒子に篩分けした。この中空粒子1gを二口フラスコに入れ、次いでメタクリル酸ラウリル5gを加え、一晩冷蔵庫中で十分に染みこませた。その後、窒素雰囲気下、140℃で約23時間加熱して重合させた。室温に放冷後、ヘキサン50mLで2回洗浄し、得られた粉体は自然乾燥した。こうして得られた中空粒子中の粘着剤の量は、熱分析での200〜600℃の重量減少の結果より、48.09であった。図8左に示す赤外線スペクトルより、この微粒子(マイクロカプセル)は粘着剤ポリマー由来の約1732cm-1のカルボニルの吸収とシリカ由来の約1090cm-1を持ち、シリカ中空粒子と粘着剤ポリマーの複合体であることがわかった。また、図8右の電子顕微鏡像より、一部は壊れているものの、球状粒子が維持されていることも確認でき、粒子とポリメタクリル酸ラウリルの複合体であることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明により、シリカ中空粒子内に、ポリマー材料を封入する方法が開発できた。得られた材料の応用は、封入するポリマーにより展開でき、例えば粘着性ポリマーを封入した場合は、シリカ中空粒子の破壊という形で粘着性を発現できるようになった。その具体的な応用としては、書類の糊付け作業や製品の組立作業等をあげることができる。また、内包させるポリマー材料を吸水性ポリマーとすることで、シリカ中空粒子の破壊という形で周囲の水分を吸収したり、予め吸収せしめた芳香液の放出をコントロールしたりする効果が期待でき、速乾性インキや芳香材料などへの応用が期待される。なお、シリカ中空粒子内に封入するポリマー材料は上記の例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜選択可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8