特許第6552404号(P6552404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6552404基板処理方法、基板処理システム、基板処理装置、及び基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552404
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】基板処理方法、基板処理システム、基板処理装置、及び基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190722BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   H01L21/302 102
   H01L21/304 643Z
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-245834(P2015-245834)
(22)【出願日】2015年12月17日
(65)【公開番号】特開2017-112239(P2017-112239A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2017年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】西新 哲也
【審査官】 鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−149410(JP,A)
【文献】 特公昭50−005021(JP,B1)
【文献】 特開2013−021026(JP,A)
【文献】 特開平03−030449(JP,A)
【文献】 特表2014−503986(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0258177(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/302
H01L 21/304
H01L 21/3065
H01L 21/461
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面を処理する表面処理工程と、
前記表面処理工程後の前記基板の裏面の端縁部に前記表面処理で付着した残渣物を被うための被膜を形成する被膜形成工程と、
前記被膜形成工程後の前記基板を搬送容器に収容する基板収容工程と、
を有し、
前記被膜形成工程は、前記基板の裏面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを用いて、前記基板の外周端とそれよりも内周側の平坦な外周縁部に前記被膜を形成することを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
前記被膜形成工程は、前記基板の裏面が前記搬送容器の内部で保持される部分よりも内周側の範囲に前記被膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記被膜形成工程は、前記基板の表面にも前記被膜を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記被膜形成工程は、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを同時に用いて、前記基板の表面に同時に被膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記被膜形成工程は、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを先に用いて、前記基板の表面に先に被膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項6】
基板の表面を処理する表面処理部と、
前記表面処理部で処理した前記基板の裏面の端縁部に前記表面処理で付着した残渣物を被うための被膜を形成する被膜形成部と、
前記被膜形成部で被膜を形成した前記基板を搬送容器に収容する基板収容部と、
前記基板収容部により収容された前記基板を前記搬送容器から取出す基板取出部と、
前記基板取出部で取出した前記基板から前記被膜とともに前記残渣物を除去する被膜除去部と、
を有し、
前記被膜形成部は、前記基板の裏面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを備え、前記ノズルで前記基板の外周端とそれよりも内周側の平坦な外周縁部に前記被膜を形成することを特徴とする基板処理システム。
【請求項7】
基板の表面を処理する表面処理部と、
前記表面処理部で処理した前記基板の裏面の端縁部に前記表面処理で付着した残渣物を被うための被膜を形成する被膜形成部と、
前記被膜形成部で被膜を形成した前記基板を搬送容器に収容する基板収容部と、
を有し、
前記被膜形成部は、前記基板の裏面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを備え、前記ノズルで前記基板の外周端とそれよりも内周側の平坦な外周縁部に前記被膜を形成することを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
前記被膜形成部は、前記基板の裏面が前記搬送容器の内部で保持される部分よりも内周側の範囲に前記被膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記被膜形成部は、前記基板の表面にも前記被膜を形成することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記被膜形成部は、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを備え、前記ノズルを同時に用いて、前記基板の表面に同時に被膜を形成することを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記被膜形成部は、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを備え、前記ノズルを先に用いて、前記基板の表面に先に被膜を形成することを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板処理装置を用いて基板を処理させる基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、
前記基板の表面を処理させる表面処理ステップと、
前記表面処理ステップで処理された前記基板の裏面の端縁部に前記表面処理で付着した残渣物を被うための被膜を形成させる被膜形成ステップと、
前記被膜形成ステップで被膜を形成させた前記基板を搬送容器に収容させる基板収容ステップと、
を有し、
前記被膜形成ステップは、前記基板の裏面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを用いて、前記基板の外周端とそれよりも内周側の平坦な外周縁部に前記被膜を形成することを特徴とする基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
前記被膜形成ステップは、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを同時又は先に用いて、前記基板の表面に同時又は先に被膜を形成することを特徴とする請求項12に記載の基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表面を処理した後に搬送容器に収容して搬送する基板処理方法、基板処理システム、基板処理装置、及び基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体部品やフラットパネルディスプレイなどを製造する際には、半導体ウエハや液晶基板などの基板に対して基板処理装置を用いて洗浄やエッチングなどの各種処理を施す。処理された基板は、搬送容器(キャリア)に複数枚収容されて他の基板処理装置などに搬送される。
【0003】
たとえば、特許文献1に開示された基板処理装置(エッチング装置)では、1枚の基板の表面にプラズマエッチング処理を施して配線パターンを形成し、その後、エッチング処理した複数枚の基板を搬送容器に収容し、その後の洗浄等の処理を行う他の基板処理装置に搬送する。
【0004】
搬送容器には、上下に所定の間隔をあけて支持片が設けられている。そして、搬送容器は、上下に並設された支持片で基板の裏面外周縁部を1枚ずつ支持することで、複数枚の基板を上下に並べて保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−27786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板処理装置で基板の表面を処理すると、処理の残渣物(たとえば、ポリマーなど)が基板から完全に除去されずに基板の端縁部(特に、裏面外周縁部や外側端部など)に残存してしまうことがある。
【0007】
基板の端縁部に残渣物が付着した状態のまま搬送容器に収容して基板の搬送を行うと、搬送容器の内部で基板の端縁部と支持片とが擦れ、上方の基板の端縁部から下方の基板の表面に残渣物が転着し、その後の基板の処理が良好に行えなくなるおそれがある。
【0008】
たとえば、上記プラズマエッチング処理を施す場合、装置の特性上、基板の表面だけでなく基板の端縁部にもプラズマ状の処理気体が回り込み、基板の端縁部にエッチング残渣物が付着することがある。端縁部にエッチング残渣物が付着した状態の基板をそのまま搬送容器に収容して搬送すると、搬送途中において搬送容器の内部でエッチング残渣物が他の基板に転着するおそれがある。
【0009】
そのため、上記プラズマエッチング処理においては、基板の表面へのエッチング性能を犠牲にして基板の端縁部へのエッチング残渣物の付着を低減させる方法や、特定のエッチング残渣物に対してレーザーを用いた高価な装置で除去する方法などが検討されている。しかしながら、エッチング性能の低下や除去できる残渣物の限定などの制約があり、汎用的な解決策とはなっていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明では、基板処理方法において、基板の表面を処理する表面処理工程と、前記表面処理工程後の前記基板の裏面の端縁部に前記表面処理で付着した残渣物を被うための被膜を形成する被膜形成工程と、前記被膜形成工程後の前記基板を搬送容器に収容する基板収容工程とを有し、前記被膜形成工程は、前記基板の裏面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを用いて、前記基板の外周端とそれよりも内周側の平坦な外周縁部に前記被膜を形成することにした。
【0011】
また、前記被膜形成工程は、前記基板の裏面が前記搬送容器の内部で保持される部分よりも内周側の範囲に前記被膜を形成することにした。
【0012】
また、前記被膜形成工程は、前記基板の表面にも前記被膜を形成することにした。
【0013】
また、前記被膜形成工程は、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを同時に用いて、前記基板の表面に同時に被膜を形成することにした。
【0014】
また、前記被膜形成工程は、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを先に用いて、前記基板の表面に先に被膜を形成することにした。
【0015】
また、本発明では、基板処理システムにおいて、基板の表面を処理する表面処理部と、前記表面処理部で処理した前記基板の裏面の端縁部に前記表面処理で付着した残渣物を被うための被膜を形成する被膜形成部と、前記被膜形成部で被膜を形成した前記基板を搬送容器に収容する基板収容部と、前記基板収容部により収容された前記基板を前記搬送容器から取出す基板取出部と、前記基板取出部で取出した前記基板から前記被膜とともに前記残渣物を除去する被膜除去部とを有し、前記被膜形成部は、前記基板の裏面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを備え、前記ノズルで前記基板の外周端とそれよりも内周側の平坦な外周縁部に前記被膜を形成することにした。
【0016】
また、本発明では、基板処理装置において、基板の表面を処理する表面処理部と、前記表面処理部で処理した前記基板の裏面の端縁部に前記表面処理で付着した残渣物を被うための被膜を形成する被膜形成部と、前記被膜形成部で被膜を形成した前記基板を搬送容器に収容する基板収容部とを有し、前記被膜形成部は、前記基板の裏面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを備え、前記ノズルで前記基板の外周端とそれよりも内周側の平坦な外周縁部に前記被膜を形成することにした。
【0017】
また、前記被膜形成部は、前記基板の裏面が前記搬送容器の内部で保持される部分よりも内周側の範囲に前記被膜を形成することにした。
【0018】
また、前記被膜形成部は、前記基板の表面にも前記被膜を形成することにした。
【0019】
また、前記被膜形成部は、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを備え、前記ノズルを同時に用いて、前記基板の表面に同時に被膜を形成することにした。
【0020】
また、前記被膜形成部は、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを備え、前記ノズルを先に用いて、前記基板の表面に先に被膜を形成することにした。
【0021】
また、本発明では、基板処理装置を用いて基板を処理させる基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、前記基板の表面を処理させる表面処理ステップと、前記表面処理ステップで処理された前記基板の裏面の端縁部に前記表面処理で付着した残渣物を被うための被膜を形成させる被膜形成ステップと、前記被膜形成ステップで被膜を形成させた前記基板を搬送容器に収容させる基板収容ステップとを有し、前記被膜形成ステップは、前記基板の裏面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを用いて、前記基板の外周端とそれよりも内周側の平坦な外周縁部に前記被膜を形成することにした。
【0022】
また、前記被膜形成ステップは、前記基板の表面へ向けて被膜形成液を吐出するノズルを同時又は先に用いて、前記基板の表面に同時又は先に被膜を形成することにした。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、基板の搬送時に基板に付着した残渣物が他の基板に転着するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】基板処理システムを示す説明図。
図2】第1の基板処理装置を示す平面図。
図3】表面処理部を示す側面図。
図4】被膜形成部を示す側面図。
図5】第2の基板処理装置を示す平面図。
図6】被膜除去部を示す側面図。
図7】基板処理部を示す側面図。
図8】搬送容器を示す部分拡大正面図。
図9】被膜の形成範囲を示す底面説明図。
図10】基板処理方法を示すフローチャート。
図11】被膜を示す断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る基板処理システム、基板処理装置、基板処理方法、基板処理プログラムの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1に示すように、基板処理システム1は、処理するウエハ(基板)Wがキャリア(搬送容器)Cに収容されて搬送される第1の基板処理装置2と第2の基板処理装置3とを有する。第1の基板処理装置2は、キャリアCで搬送される前のウエハWに対して処理(前処理)を行った後に、ウエハWの端縁部に被膜を形成する。第2の基板処理装置3は、キャリアCで搬送された後のウエハWの端縁部から被膜を除去した後に、ウエハWに対して処理(後処理)を行う。これら第1及び第2の基板処理装置2,3には、それぞれ制御装置4,5が備えられている。制御装置4,5は、たとえばコンピュータであり、制御部6,7と記憶部8,9とを備える。記憶部8,9には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部6,7は、記憶部8,9に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4,5の記憶部8,9にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0027】
なお、基板処理システム1は、ウエハWに対し処理を行う他の基板処理装置を有する構成としてもよい。また、キャリアCの搬送は、搬送装置を設けて自動的に行うようにしてもよく、作業者によって手動的に行うようにしてもよい。さらに、制御装置4,5やそれに格納されるプログラムは、それぞれの第1及び第2の基板処理装置2,3にそれぞれ個別に設けた場合に限られず、基板処理システム1を全体的に制御する一体的な装置やプログラムを設けてもよい。
【0028】
第1の基板処理装置2は、図2に示すように、搬入出ステーション10と処理ステーション11とを備える。搬入出ステーション10と処理ステーション11とは隣接して設けられる。
【0029】
搬入出ステーション10は、キャリア載置部12と搬送部13とを備える。キャリア載置部12には、複数枚のウエハWを水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
【0030】
搬送部13は、キャリア載置部12に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置14を備える。基板搬送装置14は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置14は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いてキャリアCと処理ステーション11との間でウエハWの搬送を行う。
【0031】
処理ステーション11は、搬送部13に隣接して設けられる。処理ステーション11は、表面処理部15と被膜形成部16とを備える。表面処理部15と被膜形成部16は、搬送部13に隣接して並べて設けられる。表面処理部15では、ウエハWに対してエッチング処理を施す。被膜形成部16では、表面処理部15でエッチング処理したウエハWに対して被膜を形成する処理を施す。
【0032】
表面処理部15は、図3に示すように、チャンバ17と基板保持機構18と処理流体供給機構19とを備える。
【0033】
チャンバ17は、基板保持機構18と処理流体供給機構19とを収容する。チャンバ17には、排気装置20が接続される。排気装置20によってチャンバ17の内部は減圧される。
【0034】
基板保持機構18は、チャンバ17の底部に載置台21を備える。載置台21には、ウエハWの表面(上面:回路形成面)を上側にしてウエハWの裏面が載置される。
【0035】
処理流体供給機構19は、チャンバ17の天井部にシャワーヘッド22を備える。シャワーヘッド22には、処理流体供給源23が流量調整器24を介して接続される。
【0036】
そして、表面処理部15では、排気装置20によってチャンバ17の内部を減圧状態にし、処理流体供給源23から供給されるエッチングガスを載置台21に載置されたウエハWの表面に向けて吹き付けて、ウエハWの表面をエッチング処理する。
【0037】
被膜形成部16は、図4に示すように、チャンバ25と基板保持機構26と処理流体供給機構27と処理流体回収機構28とを備える。
【0038】
チャンバ25は、基板保持機構26と処理流体供給機構27と処理流体回収機構28とを収容する。チャンバ25の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)29が設けられる。FFU29は、チャンバ25の内部にダウンフローを形成する。
【0039】
基板保持機構26は、チャンバ25の底部に回転軸30を備える。回転軸30の上端部には、吸引チャック31が設けられる。吸引チャック31は、吸引によってウエハWの裏面を吸着させて、ウエハWを水平に保持する。また、回転軸30には、回転駆動機構32が接続される。基板保持機構26は、吸引チャック31でウエハWを保持した状態で回転駆動機構32によって回転軸30を回転させることによってウエハWを水平に回転させる。
【0040】
処理流体供給機構27は、基板保持機構26で保持されるウエハWの上方側に上側ノズル33を備える。上側ノズル33には、処理流体供給源34が流量調整器35を介して接続される。また、上側ノズル33には、ノズル移動機構36が接続される。ノズル移動機構36は、ウエハWの中央上方の処理位置とウエハWの外周よりも外方の退避位置との間で上側ノズル33を水平に移動させる。処理流体供給機構27は、処理流体供給源34から供給される処理流体(ウエハWに被膜を形成するための被膜形成液)を上側ノズル33からウエハWの表面(上面:回路形成面)に向けて吐出して、ウエハWの表面に被膜を形成する。その際に、ノズル移動機構36を用いて上側ノズル33をウエハWの中央上方から外周部側へ処理流体を吐出しながら移動させることもできる。
【0041】
また、処理流体供給機構27は、基板保持機構26で保持されるウエハWの下方側に下側ノズル37を備える。下側ノズル37には、処理流体供給源38が流量調整器39を介して接続される。処理流体供給機構27は、処理流体供給源38から供給される処理流体(ウエハWに被膜を形成するための被膜形成液)を下側ノズル37からウエハWの端縁部に向けて吐出して、ウエハWの端縁部に被膜を形成する。
【0042】
処理流体回収機構28は、基板保持機構26で保持されるウエハWの外周外方に回収カップ40を備える。回収カップ40は、ウエハWの回転によってウエハWから外周外方へ飛散する処理流体を捕集する。回収カップ40の底部には、排液口41が形成される。回収カップ40によって捕集された処理流体は、排液口41から外部へ排出される。また、回収カップ40の底部には、排気口42が形成される。FFU29から供給された気体(ダウンフロー)は、排気口42から外部へ排出される。
【0043】
そして、被膜形成部16では、基板保持機構26によって回転させたウエハWの表面又は/及び端縁部に処理流体供給機構27から供給される被膜形成液を吐出し、ウエハWの表面又は/及び端縁部に被膜を形成する。
【0044】
上記のように構成された第1の基板処理装置2では、まず、搬入出ステーション10において搬送部13の基板搬送装置14がキャリア載置部12に載置されたキャリアCからウエハWを取り出す。取り出されたウエハWは、基板搬送装置14によって処理ステーション11の表面処理部15に搬入される。表面処理部15に搬入されたウエハWは、表面処理部15でエッチング処理される。その後、ウエハWは、被膜形成部16に搬送され、被膜形成部16でウエハWに被膜が形成される。その後、ウエハWは、基板搬送装置14によって被膜形成部16から搬出され、キャリア載置部12に載置されたキャリアCに収容される。そのため、搬入出ステーション10の搬送部13は、ウエハWをキャリアCに収容するための基板収容部として機能する。
【0045】
第2の基板処理装置3は、図5に示すように、搬入出ステーション43と処理ステーション44とを備える。搬入出ステーション43と処理ステーション44とは隣接して設けられる。
【0046】
搬入出ステーション43は、キャリア載置部45と搬送部46とを備える。キャリア載置部45には、複数枚のウエハWを水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
【0047】
搬送部46は、キャリア載置部45に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置47と受渡部48とを備える。基板搬送装置47は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置47は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部48との間でウエハWの搬送を行う。
【0048】
処理ステーション44は、搬送部46に隣接して設けられる。処理ステーション44は、搬送部49と被膜除去部50と基板処理部51とを備える。被膜除去部50と基板処理部51は、搬送部49の両側に並べて設けられる。
【0049】
搬送部49は、内部に基板搬送装置52を備える。基板搬送装置52は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置52は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いて受渡部48と被膜除去部50又は基板処理部51との間や被膜除去部50と基板処理部51との間でウエハWの搬送を行う。
【0050】
被膜除去部50は、図6に示すように、チャンバ53と基板保持機構54と処理流体供給機構55と処理流体回収機構56とを備える。
【0051】
チャンバ53は、基板保持機構54と処理流体供給機構55と処理流体回収機構56とを収容する。チャンバ53の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)57が設けられる。FFU57は、チャンバ53の内部にダウンフローを形成する。
【0052】
基板保持機構54は、チャンバ53の底部に回転軸58を備える。回転軸58の上端部には、吸引チャック59が設けられる。吸引チャック59は、吸引によってウエハWの裏面を吸着させて、ウエハWを水平に保持する。また、回転軸58には、回転駆動機構60が接続される。基板保持機構54は、吸引チャック59でウエハWを保持した状態で回転駆動機構60によって回転軸58を回転させることによってウエハWを水平に回転させる。
【0053】
処理流体供給機構55は、基板保持機構54で保持されるウエハWの上方側に上側ノズル61を備える。上側ノズル61には、処理流体供給源62が流量調整器63を介して接続される。また、上側ノズル61には、ノズル移動機構64が接続される。ノズル移動機構64は、ウエハWの中央上方の処理位置とウエハWの外周よりも外方の退避位置との間で上側ノズル61を水平に移動させる。処理流体供給機構55は、処理流体供給源62から供給される処理流体(ウエハWから被膜を除去するための被膜除去液)を上側ノズル61からウエハWの表面(上面:回路形成面)に向けて吐出して、ウエハWの表面から被膜を除去する。その際に、ノズル移動機構64を用いて上側ノズル61をウエハWの中央上方から外周部側へ処理流体を吐出しながら移動させることもできる。
【0054】
また、処理流体供給機構55は、基板保持機構54で保持されるウエハWの下方側に下側ノズル65を備える。下側ノズル65には、処理流体供給源66が流量調整器67を介して接続される。処理流体供給機構55は、処理流体供給源66から供給される処理流体(ウエハWから被膜を除去するための被膜除去液)を下側ノズル65からウエハWの端縁部に向けて吐出して、ウエハWの端縁部から被膜を除去する。
【0055】
処理流体回収機構56は、基板保持機構54で保持されるウエハWの外周外方に回収カップ68を備える。回収カップ68は、ウエハWの回転によってウエハWから外周外方へ飛散する処理流体を捕集する。回収カップ68の底部には、排液口69が形成される。回収カップ68によって捕集された処理流体は、排液口69から外部へ排出される。また、回収カップ68の底部には、排気口70が形成される。FFU57から供給された気体(ダウンフロー)は、排気口70から外部へ排出される。
【0056】
そして、被膜除去部50では、基板保持機構54によって回転させたウエハWの表面又は/及び端縁部に処理流体供給機構55から供給される被膜除去液を吐出し、ウエハWの表面又は/及び端縁部から被膜を除去する。
【0057】
基板処理部51は、図7に示すように、チャンバ71と基板保持機構72と処理流体供給機構73と処理流体回収機構74とを備える。
【0058】
チャンバ71は、基板保持機構72と処理流体供給機構73と処理流体回収機構74とを収容する。チャンバ71の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)75が設けられる。FFU75は、チャンバ71の内部にダウンフローを形成する。
【0059】
基板保持機構72は、チャンバ71の底部に回転軸76を備える。回転軸76の上端部には、円板状のターンテーブル77が設けられる。ターンテーブル77の外周端縁上部には、基板保持体78が円周方向に間隔をあけて設けられる。基板保持体78は、上部にウエハWの端縁部を載置させることで、ウエハWを水平に保持する。また、回転軸76には、回転駆動機構79が接続される。基板保持機構72は、基板保持体78でウエハWを保持した状態で回転駆動機構79によって回転軸76を回転させることによってウエハWを水平に回転させる。
【0060】
処理流体供給機構73は、基板保持機構72で保持されるウエハWの上方側にノズル80を備える。ノズル80には、処理流体供給源81が流量調整器82を介して接続される。また、ノズル80には、ノズル移動機構83が接続される。ノズル移動機構83は、ウエハWの中央上方の処理位置とウエハWの外周よりも外方の退避位置との間でノズル80を水平に移動させる。処理流体供給機構73は、処理流体供給源81から供給される処理流体(洗浄液)をノズル80からウエハWの表面(上面:回路形成面)に向けて吐出して、ウエハWの表面を洗浄する。その際に、ノズル移動機構83を用いてノズル80をウエハWの中央上方から外周部側へ処理流体を吐出しながら移動させることもできる。
【0061】
処理流体回収機構74は、基板保持機構72で保持されるウエハWの外周外方に回収カップ84を備える。回収カップ84は、ウエハWの回転によってウエハWから外周外方へ飛散する処理流体を捕集する。回収カップ84の底部には、排液口85が形成される。回収カップ84によって捕集された処理流体は、排液口85から外部へ排出される。また、回収カップ84の底部には、排気口86が形成される。FFU75から供給された気体(ダウンフロー)は、排気口86から外部へ排出される。
【0062】
そして、基板処理部51では、基板保持機構72によって回転させたウエハWの表面に処理流体供給機構73から供給される洗浄液を吐出し、ウエハWの表面を洗浄する。
【0063】
上記のように構成された第2の基板処理装置3では、まず、搬入出ステーション43において搬送部46の基板搬送装置47がキャリア載置部45に載置されたキャリアCからウエハWを取り出す。そのため、搬入出ステーション43の搬送部46は、ウエハWをキャリアCから取り出す基板取出部として機能する。取り出されたウエハWは、基板搬送装置47によって受渡部48に搬送される。その後、ウエハWは、処理ステーション44の基板搬送装置52によって受渡部48から被膜除去部50に搬入され、被膜除去部50でウエハWから被膜が除去される。その後、ウエハWは、基板搬送装置52によって被膜除去部50から基板処理部51に搬入され、基板処理部51で処理される。その後、ウエハWは、基板搬送装置52によって基板処理部51から搬入出ステーション43の受渡部48に搬出される。その後、ウエハWは、基板搬送装置47によって受渡部48からキャリア載置部45に載置されたキャリアCに収容される。
【0064】
基板処理システム1は、以上に説明したように構成しており、第1の基板処理装置2で処理したウエハWをキャリアCに収容し、キャリアCを第2の基板処理装置3に搬送し、第2の基板処理装置3でウエハWの処理を行う。
【0065】
キャリアCは、図8及び図9に示すように、前方に開口を有し、左右及び後方の側壁87,88,89に支持片90が上下に所定の間隔をあけて水平に設けられる。キャリアCは、支持片90の上部にウエハWの端縁部が載置されることでウエハWを水平に保持する。そのため、キャリアCの搬送時には、キャリアCの内部においてウエハWの端縁部と支持片90とが擦れる。第1の基板処理装置2で処理したウエハWの端縁部に残渣物などの汚染物質が付着していると、第1の基板処理装置2から第2の基板処理装置3に搬送する途中でウエハWの端縁部と支持片90とが擦れることで、ウエハWの端縁部に付着した汚染物質が他のウエハWの表面に転着してしまい、第2の基板処理装置3での処理を良好に行えなくなる。そこで、上記基板処理システム1では、ウエハWの端縁部を被膜で被覆した状態でキャリアCに収容し搬送する。
【0066】
以下に、上記基板処理システム1におけるウエハWの処理方法について説明する(図10参照。)。なお、以下に説明する基板処理システム1での基板処理方法は、制御装置4,5の記憶部8,9に記憶された基板処理プログラムにしたがって基板処理システム1(第1の基板処理装置2、第2の基板処理装置3)を制御することで実行される。
【0067】
まず、第1の基板処理装置2は、搬入出ステーション10において搬送部13の基板搬送装置14がキャリア載置部12に載置されたキャリアCからウエハWを取り出した後に、処理ステーション11の表面処理部15に搬入する(基板取出工程:基板取出ステップS1)。
【0068】
次に、第1の基板処理装置2は、表面処理部15でウエハWの表面をエッチング処理する(表面処理工程:表面処理ステップS2)。
【0069】
次に、第1の基板処理装置2は、ウエハWを表面処理部15から被膜形成部16に移送する(基板移送工程:基板移送ステップS3)。
【0070】
次に、第1の基板処理装置2は、被膜形成部16でウエハWに被膜を形成する(被膜形成工程:被膜形成ステップS4)。
【0071】
この被膜形成工程では、上側ノズル33から回転するウエハWの表面中央部に被膜形成液を吐出するとともに、下側ノズル37からウエハWの端縁部に被膜形成液を吐出して、ウエハWの表面及び端縁部に被膜を形成する。なお、上側ノズル33及び下側ノズル37から同時に被膜形成液をウエハWに吐出してウエハWの表面と端縁部とに同時に被膜を形成してもよく、上側ノズル33又は下側ノズル37のいずれか一方から先に被膜形成液をウエハWに吐出してウエハWの表面又は端縁部のいずれか一方から先に被膜を形成してもよい。
【0072】
図11に示すように、被膜91は、ウエハWの表面において、回路パターンが形成される領域92と、それよりも外周側の平坦な領域93と、ウエハWの外周端近傍の傾斜した領域94に形成される。また、被膜91は、ウエハWの外周端の垂直円周面状の領域95に形成される。さらに、被膜91は、ウエハWの裏面において、ウエハWの外周端近傍の傾斜した領域96と、それよりも内周側の平坦な外周縁部の領域97に形成される。ウエハWの裏面においては、キャリアCの内部でウエハWの裏面が保持される部分(図9に示すように、ウエハWの裏面外周端縁とキャリアCの支持片90とが直接接触する領域98)よりも広い範囲(図9に示すように、ウエハWの裏面外周部の領域99)に被膜91を形成する。被膜91は、少なくともウエハWの裏面の端縁部(領域96,97で示す領域)に形成するのが望ましく、ウエハWの表面(領域92,93で示す領域)に形成してもよい。
【0073】
このようにウエハWに被膜91を形成することで、図11に示すように、第1の基板処理装置2の表面処理部15で処理した後のウエハWに残渣物などの汚染物質100が付着していても、汚染物質100が被膜91で被覆されるために、ウエハWの搬送時に汚染物質100が他のウエハWに転着するのを防止できる。
【0074】
なお、被膜91は、ウエハWを被覆しウエハWに悪影響を与えない薄膜であればよく、有機膜でもよく、酸化膜でもよく、SOG(Spin On Glass)などであってもよい。また、被膜91を形成する方法も、ウエハWに被膜形成液を塗布する方法に限られず、プラズマCVDなどを用いた方法でもよい。たとえば、揮発成分が含有されるアクリル樹脂を被膜形成液として用い、ウエハWへの塗布後に揮発成分が揮発して硬化することで被膜91を形成させることができる。この場合には、被膜91の形成時に揮発成分の揮発によって体積収縮が生じ、それに伴ってウエハWから汚染物質100を剥離して被膜91に汚染物質100を取り込むことができる。
【0075】
次に、第1の基板処理装置2は、被膜形成部16で被膜91を形成したウエハWを基板搬送装置14によって被膜形成部16から搬出した後に、搬入出ステーション10のキャリア載置部12に載置されたキャリアCに収容する(基板収容工程:基板収容ステップS5)。
【0076】
キャリアCに収容されたウエハWは、キャリアCごと第1の基板処理装置2から第2の基板処理装置3に搬送される(基板搬送工程:基板搬送ステップS6)。
【0077】
その後、第2の基板処理装置3は、搬入出ステーション43において搬送部46の基板搬送装置47がキャリア載置部45に載置されたキャリアCからウエハWを取り出した後に、受渡部48に搬送する(基板取出工程:基板取出ステップS7)。
【0078】
次に、第2の基板処理装置3は、処理ステーション44の基板搬送装置52によってウエハWを受渡部48から被膜除去部50に搬入する(基板搬入工程:基板搬入ステップS8)。
【0079】
次に、第2の基板処理装置3は、被膜除去部50でウエハWから被膜を除去する(被膜除去工程:被膜除去ステップS9)。
【0080】
この被膜除去工程では、まず、下側ノズル65から回転するウエハWの端縁部に被膜除去液を吐出して、ウエハWの端縁部の被膜を除去し、その後、上側ノズル61からウエハWの表面中央部に被膜除去液を吐出して、ウエハWの表面の被膜を除去する。なお、上側ノズル61及び下側ノズル65から同時に被膜除去液をウエハWに吐出してウエハWの表面と端縁部とから同時に被膜を除去してもよい。ウエハWの端縁部の被膜を表面の被膜よりも先に除去した場合には、ウエハWの端縁部の被膜を除去する際に生じた汚染物質がウエハWの表面側に付着してしまっても、その汚染物質をウエハWの表面から被膜を除去する際に取り除くことができる。
【0081】
被膜除去工程では、被膜形成工程で形成した被膜をウエハWから除去できればよい。被膜を除去する方法は、ウエハWに被膜除去液を塗布する方法に限られず、ウエハWを加熱して被膜を昇華させる方法やアッシングによって除去する方法などでもよい。たとえば、現像液等のアルカリ水溶液やシンナー・IPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤や酸性水溶液を被膜除去液として用いることができる。なお、ウエハWから被膜を剥離させることで被膜を除去する場合には、被膜がウエハWから剥離させた際にウエハWに付着した汚染物質も併せてウエハWから引き剥がすことができる。
【0082】
次に、第2の基板処理装置3は、基板搬送装置52によってウエハWを被膜除去部50から基板処理部51に移送する(基板移送工程:基板移送ステップS10)。
【0083】
次に、第2の基板処理装置3は、基板処理部51でウエハWを洗浄処理する(基板処理工程:基板処理ステップS11)。
【0084】
次に、第2の基板処理装置3は、基板搬送装置52によってウエハWを基板処理部51から搬出し、搬入出ステーション43の受渡部48に搬送する(基板搬出工程:基板搬出ステップS12)。
【0085】
次に、第2の基板処理装置3は、基板搬送装置47によってウエハWを受渡部48からキャリア載置部45に載置されたキャリアCに収容する(基板収容工程:基板収容ステップS13)。
【0086】
キャリアCに収容されたウエハWは、キャリアCごと第2の基板処理装置3から他の装置等に搬送される。
【0087】
以上に説明したように、上記基板処理システム1(第1の基板処理装置2、第2の基板処理装置3)における基板処理方法では、表面を処理したウエハWの端縁部に被膜を形成した後にキャリアCに収容し、その後、ウエハWの被膜を除去する。そのため、ウエハWの表面を処理した際に生じた残渣物などの汚染物質がウエハWの搬送時にキャリアCの内部で他のウエハWに転着するのを防止でき、その後のウエハWの処理を良好に行うことができ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
【0088】
なお、上記基板処理システム1では、第1の基板処理装置2でウエハWの表面に対してエッチング処理を行っているが、これに限られず、ウエハWの表面に対する他の処理であってもよい。また、上記基板処理システム1では、第2の基板処理装置3でウエハWに対して洗浄処理を行っているが、これに限られず、ウエハWに対する他の処理であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
W ウエハ(基板)
C キャリア(搬送容器)
1 基板処理システム
2 第1の基板処理装置
3 第2の基板処理装置
13 搬送部(基板収容部)
15 表面処理部
16 被膜形成部
46 搬送部(基板取出部)
50 被膜除去部
51 基板処理部
91 被膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11