特許第6552590号(P6552590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552590
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】スパッタ装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   C23C14/34 L
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-244219(P2017-244219)
(22)【出願日】2017年12月20日
(65)【公開番号】特開2019-108602(P2019-108602A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2018年8月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591065413
【氏名又は名称】キヤノントッキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100131532
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 浩一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155871
【弁理士】
【氏名又は名称】森廣 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(72)【発明者】
【氏名】阿部 大和
(72)【発明者】
【氏名】渡部 新
(72)【発明者】
【氏名】青沼 大介
【審査官】 末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0243428(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/185714(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/132663(WO,A1)
【文献】 特開平05−065634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対向する位置に設けられ、かつスパッタリングの際に回転する円筒状のターゲットと前記基板との間に磁場を形成させた状態でスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方式のスパッタ装置において、
記磁場を形成させる磁石と、該磁石を支持する支持部材とを有し、前記ターゲットの内部に着脱自在に設けられるマグネットユニットと、
前記ターゲットと前記マグネットユニットとの間に形成され、前記ターゲットを冷却する冷却液が流れる環状の第1冷却液流路と、
前記マグネットユニットの内部に設けられ、前記冷却液が流れる第2冷却液流路と、
前記第1冷却液流路から前記第2冷却液流路に向けて、前記冷却液を排出させる気体を送り込む排液装置と、
を備えると共に、
前記排液装置が前記第1冷却液流路から前記第2冷却液流路に向けて前記気体を送り込んでいる間、前記第1冷却液流路と前記第2冷却液流路との接続部位は、環状の前記第1冷却液流路における鉛直方向下方に偏った位置に維持されることを特徴とするスパッタ装置。
【請求項2】
前記接続部位は、前記磁石に対して、前記ターゲットの回転中心軸線を挟んで反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
【請求項3】
ターゲットと、該ターゲットの構成原子による薄膜を形成させる基板との間に磁場を形成させた状態でスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方式のスパッタ装置において、
前記基板に対向する位置に設けられ、かつスパッタリングの際に回転する円筒状の前記ターゲットと、
前記磁場を形成させる磁石と、該磁石を支持する支持部材とを有し、前記ターゲットの内部に着脱自在に設けられるマグネットユニットと、
前記ターゲットと前記マグネットユニットとの間に形成され、前記ターゲットを冷却する冷却液が流れる環状の第1冷却液流路と、
前記マグネットユニットの内部に設けられ、前記冷却液が流れる第2冷却液流路と、
前記第1冷却液流路から前記第2冷却液流路に向けて、前記冷却液を排出させる気体を送り込む排液装置と、
を備えると共に、
前記第1冷却液流路と前記第2冷却液流路との接続部位は、環状の前記第1冷却液流路における鉛直方向下方に偏った位置に配置可能に構成されており、
前記接続部位は、前記磁石に対して、前記ターゲットの回転中心軸線を挟んで反対側に配置されていることを特徴とするスパッタ装置。
【請求項4】
前記接続部位は、環状の前記第1冷却液流路における鉛直方向の真下の位置から±45°の範囲内に配置可能に構成されていることを特徴とする請求項1,2または3に記載のスパッタ装置。
【請求項5】
前記ターゲットの回転中心軸線に平行に伸びる一対の第1配管と、
これら一対の配管から前記第1冷却液流路に向かってそれぞれ伸びる一対の第2配管と、
を備え、
前記第1配管の内部空間と前記第2配管の内部空間によって、前記第2冷却液流路が形成されると共に、
一対の前記第2配管は前記回転中心軸線方向の異なる位置で、一対の前記第1配管に対してそれぞれ接続されており、かつ、一対の前記第2配管が前記第1冷却液流路と接続される位置は、前記回転中心軸線方向に向かって見た場合に重なっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のスパッタ装置。
【請求項6】
前記排液装置によって気体が送り込まれる際に、前記接続部位は、環状の前記第1冷却液流路における鉛直方向下方に偏った位置に配置されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載のスパッタ装置。
【請求項7】
前記ターゲットの内周面と前記マグネットユニットの外周面との間に形成される円筒状の空間により前記第1冷却液流路が構成されると共に、
前記接続部位は、前記マグネットユニットの外周面に形成され、該マグネットユニットの内部に連通する開口部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のスパッタ装置。
【請求項8】
前記排液装置が前記第1冷却液流路から前記第2冷却液流路に向けて前記気体を送り込んでいる間、前記マグネットユニットの回転方向の位置は定められていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のスパッタ装置。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一つに記載のスパッタ装置の使用方法において、
スパッタリングを行う際には、前記磁石を鉛直方向下方に向けて、前記接続部位を前記磁石よりも鉛直方向上方に配置させ、
前記排液装置によって気体を送り込む際には、前記接続部位を前記磁石よりも鉛直方向下方に配置させることを特徴とするスパッタ装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロンスパッタリング方式のスパッタ装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マグネトロンスパッタリング方式のスパッタ装置において、カソードとなるターゲットが、円筒状の部材により構成され、かつスパッタリングが行われる際に回転するように構成される技術が知られている。この技術においては、ターゲット付近のプラズマが高温になり、ターゲットや磁石が加熱されてしまう。ターゲットが高温になると損傷するおそれがあり、磁石が高温になると減磁または消磁してしまう。また、ターゲットが、バッキングチューブと、このバッキングチューブの外周面に接着剤によって接着されるターゲット材料とから構成される場合には、接着剤が融けてしまうおそれもある。そのため、上記のようなスパッタ装置においては、ターゲットや磁石を冷却するための冷却液流路が設けられている。
【0003】
また、上記のようなスパッタ装置においては、磁石等がユニット化されて、円筒状のターゲットの内部に着脱自在に構成される。これにより、磁石等がユニット化されたマグネットユニットのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0004】
しかしながら、メンテナンスの際に、マグネットユニットの内部に冷却液が多く残っているとメンテナンス時に支障を来してしまうため、ターゲット内部からマグネットユニットを取り出す前に、できる限り冷却液を排出させるのが望ましい。図11及び図12を参照して、従来例に係るスパッタ装置における冷却液の排出メカニズムについて説明する。図11及び図12は従来例に係るターゲット内部の冷却液流路の概略構成を示している。
【0005】
従来例に係るターゲット700の内部には、ターゲット700とマグネットユニットとの間に形成される第1冷却液流路R1と、マグネットユニットの内部に設けられる第2冷却液流路R2とが設けられている。冷却液Wを排出させる場合には、第1冷却液流路R1から第2冷却液流路に向けて気体(通常、空気)が送り込まれる(図11及び図12中、実線矢印S参照)。気体が送り込まれる空間が密閉空間の場合には、冷却液Wに圧力がかかり、冷却液Wは第2冷却液流路R2からターゲット700の外部に排出されていく(図11中の点線矢印T参照)。
【0006】
そして、冷却液Wの液面が、第2冷却液流路R2の内部まで下がると、第1冷却液流路R1から第2冷却液流路R2へと抜けていく気体の流路が形成される(図12参照)。これにより、冷却液Wに対して、冷却液Wをターゲット700の外部に押し出す方向の圧力が殆どかからなくなり、冷却液Wの排出がされなくなってしまう。このように、従来例に係るスパッタ装置においては、冷却液が十分排出されないため、メンテナンス時に支障を来していた。
【0007】
なお、このような不具合を解消するために、冷却液流路内で風船部材を膨らませることで、冷却液の排出を促成させる技術も知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このような技術では、風船部材を膨らませるために、別途、機構が必要になるだけでなく、メンテナンス前に風船部材を膨らませるための工程も増えてしまう。従って、コストも増加してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−100568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、冷却液の排出性を高めることのできるスパッタ装置及びその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0011】
すなわち、本発明のスパッタ装置は、
基板に対向する位置に設けられ、かつスパッタリングの際に回転する円筒状のターゲットと前記基板との間に磁場を形成させた状態でスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方式のスパッタ装置において、
記磁場を形成させる磁石と、該磁石を支持する支持部材とを有し、前記ターゲットの内部に着脱自在に設けられるマグネットユニットと、
前記ターゲットと前記マグネットユニットとの間に形成され、前記ターゲットを冷却する冷却液が流れる環状の第1冷却液流路と、
前記マグネットユニットの内部に設けられ、前記冷却液が流れる第2冷却液流路と、
前記第1冷却液流路から前記第2冷却液流路に向けて、前記冷却液を排出させる気体を送り込む排液装置と、
を備えると共に、
前記排液装置が前記第1冷却液流路から前記第2冷却液流路に向けて前記気体を送り込んでいる間、前記第1冷却液流路と前記第2冷却液流路との接続部位は、環状の前記第1冷却液流路における鉛直方向下方に偏った位置に維持されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、排液装置によって気体を送り込むことで、冷却液流路内の冷却液の液面を、第1冷却液流路と第2冷却液流路との接続部位まで下げることができる。そして、第1冷却液流路と第2冷却液流路との接続部位は、環状の第1冷却液流路における鉛直方向下方に偏った位置に配置可能なため、冷却液を十分に排出させることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、冷却液の排出性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明の実施例1に係るスパッタ装置の概略構成図である。
図2図2は本発明の実施例1に係る磁石の配置構成を示す概略図である。
図3図3は本発明の実施例1に係るロータリーカソードの概略構成図である。
図4図4は本発明の実施例1に係るロータリーカソードの概略構成図である。
図5図5は本発明の実施例1に係るスパッタ装置における冷却液の排出メカニズムの説明図である。
図6図6は本発明の実施例1に係るスパッタ装置における冷却液の排出メカニズムの説明図である。
図7図7は本発明の比較例に係るスパッタ装置における冷却液の排出メカニズムの説明図である。
図8図8は本発明の比較例に係るスパッタ装置における冷却液の排出メカニズムの説明図である。
図9図9は本発明の実施例2に係るロータリーカソードの模式的断面図である。
図10図10は本発明の実施例2に係るマグネットユニットの模式的断面図である。
図11図11は従来例に係るスパッタ装置における冷却液の排出メカニズムの説明図である。
図12図12は従来例に係るスパッタ装置における冷却液の排出メカニズムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
(実施例1)
図1図6を参照して、本発明の実施例1に係るマグネトロンスパッタリング方式のスパッタ装置について説明する。
【0017】
<スパッタ装置の全体構成>
図1及び図2を参照して、本実施例に係るスパッタ装置1の全体構成について説明する。図1は本発明の実施例1に係るスパッタ装置の概略構成図であり、スパッタ装置全体を断面的に見た場合の概略構成を示している。なお、図1中の上方は、スパッタ装置1が使用される際の鉛直方向の上方に相当し、図1中の下方は、スパッタ装置1が使用される際の鉛直方向下方に相当する。図2は磁石の配置構成を示す概略図である。
【0018】
本実施例に係るスパッタ装置1は、内部(V)を低圧力状態(通常、真空に近い状態)にすることのできるチャンバ20と、チャンバ20内の上部に設けられるロータリーカソード10とを備えている。ただし、ロータリーカソード10は複数の装置や部材により構成されており、本実施例においては、ロータリーカソード10を構成する複数の装置及び部材のうちの一部は、チャンバ20の外部に設けられており、大気(A)に曝されている。そして、本実施例に係るチャンバ20はアノードとしても機能する。また、チャンバ20内の下部には、薄膜を形成させるための基板40を載置する載置台30が設けられている。なお、載置台30は、基板40を所望の位置に搬送することができるように構成されている。
【0019】
ロータリーカソード10におけるロータリーカソード装置本体100は、カソードとなる円筒状のターゲット110と、ターゲット110の内部に設けられるマグネットユニット130とを備えている。ターゲット110としては、SUSやTiからなるバッキングチューブの外周面にIn等の接着剤によりターゲット材料が接着されたタイプやバッキングチューブとターゲット材料が一体となった一体型タイプのいずれも適用可能である。そして、ターゲット110は、載置台30に載置される基板40に対向する位置に設けられ、かつスパッタリングの際に回転するように構成されている。また、マグネットユニット130は、その内部に磁石134が設けられている。
【0020】
図2図1中の磁石134を下方からみた図である。磁石134は、使用時において、下方に異なる2種類の磁極(第1磁極134aと第2磁極134b)が向くように配置される。図示の例では、第1磁極134aがN極、第2磁極134bがS極の場合を示しているが、第1磁極134aをS極とし、第2磁極134bをN極としてもよい。そして、第2磁極134bは、第1磁極134aとの間に間隔を空けて、かつ第1磁極134aを取り囲むように設けられている。このように、ターゲット110の内部にマグネットユニット130が備えられることにより、ターゲット110と基板40との間には磁場(漏え
い磁場)が形成される。
【0021】
以上のように構成されるスパッタ装置1においては、ターゲット110とアノードであるチャンバ20との間に一定以上の電圧を印加することにより、これらの間にプラズマが発生する。そして、プラズマ中の陽イオンがターゲット110に衝突することで、ターゲット110からターゲット材料の粒子が放出される。ターゲット110から放出された粒子は、衝突を繰り返しながら、放出された粒子のうちターゲット物質の中性の原子が基板40に堆積していく。これにより、基板40には、ターゲット110の構成原子による薄膜が形成される。また、本実施例に係るスパッタ装置1においては、上記の漏えい磁場によって、図1中Pに示す付近(ターゲット110に対して略平行な磁場が形成される付近)にプラズマを集中させることができる。これにより、効率的にスパッタリングが行われるため、基板40へのターゲット物質の堆積速度を向上させることができる。更に、本実施例に係るスパッタ装置1においては、スパッタリングの最中にターゲット110が回転するように構成されている。これにより、ターゲット110の消耗領域(エロ―ジョンによる浸食領域)が一部に集中することはなく、ターゲット110の利用効率を高めることができる。
【0022】
<ロータリーカソード>
特に、図3及び図4を参照して、本実施例に係るロータリーカソード10について、より詳細に説明する。図3及び図4は本発明の実施例1に係るロータリーカソード10の概略構成図であり、ロータリーカソード10を断面的に見た場合の概略構成を示している。また、図3はスパッタリングの際の様子を示し、図4は冷却液を排出する際の様子を示している。なお、図3及び図4においては、ターゲットの回転中心軸線に平行な面で、ロータリーカソード10を切断した断面図を概略的に示しているが、説明の便宜上、特徴的な構成を示すために、切断面の位置は必ずしも同一面ではない。
【0023】
ロータリーカソード10は、ターゲット110を有するロータリーカソード装置本体100と、ターゲット110を回転させる機能を有するエンドブロック200と、ターゲット110を回転自在に支持する機能を有するサポートブロック300とを備えている。また、ロータリーカソード10は、エンドブロック200とサポートブロック300を支持する支持部材400と、ターゲット110を回転させるための第1モータ510と、ターゲット110の内部に設けられるマグネットユニット130を回転させるための第2モータ550とを備えている。なお、ロータリーカソード装置本体100は、上述したチャンバ20(図3及び図4では不図示)の内部(V)に配置されており、エンドブロック200の内部及び第1モータ510,第2モータ520等は、大気(A)に曝されている。
【0024】
<ロータリーカソード本体>
ロータリーカソード装置本体100は、ターゲット110と、ターゲット110の内部に着脱自在に設けられるマグネットユニット130とを備えている。また、ロータリーカソード装置本体100は、ターゲット110に固定され、かつサポートブロック300に回転自在に支持されるサポートブロック側環状部材120も備えている。
【0025】
そして、マグネットユニット130は、円筒状のケース131と、ケース131の一端を塞ぐ第1蓋体132と、ケース131の他端を塞ぐ第2蓋体133とを備えている。そして、ケース131の内部には、磁石134と、磁石134を支持する支持部材135とが備えられている。支持部材135は、その両端が第1蓋体132と第2蓋体133にそれぞれ固定されている。また、ケース131の内部には、ターゲット110の回転中心軸線に平行に伸びる一対の第1配管136と、これら一対の第1配管136からケース131の外周面側に向かって伸び、ケース131の外周面に開口する一対の第2配管137とが備えられている。
【0026】
サポートブロック側環状部材120には、サポートブロック300に形成された貫通孔310に挿入される軸部121が設けられている。この軸部121と貫通孔310との間に軸受Bが設けられることにより、サポートブロック300に対して、サポートブロック側環状部材120は回転することができる。また、サポートブロック側環状部材120には、マグネットユニット130に対して、サポートブロック側環状部材120を回転自在にするための軸受用穴122が設けられている。この軸受用穴122にマグネットユニット130における第1蓋体133に備えられた軸部133aが挿入されている。そして、この軸部133aと軸受用穴122との間の環状隙間に軸受Bが設けられることによって、マグネットユニット130に対して、サポートブロック側環状部材120は回転することができる。また、軸部133aと軸受用穴122との間の環状隙間には、密封装置Sも設けられている。また、サポートブロック側環状部材120とターゲット110は、クランプなどの締結部材123によって固定されている。なお、サポートブロック側環状部材120とターゲット110との間の環状隙間を封止するガスケットGも設けられている。
【0027】
以上のように構成されるロータリーカソード装置本体100において、ターゲット110とマグネットユニット130との間に形成される円筒状の空間が、ターゲット110を冷却する冷却液が流れる環状の第1冷却液流路R1となる。また、マグネットユニット130の内部に設けられる第1配管136の内部空間と第2配管137の内部空間が、冷却液が流れる第2冷却液流路R2となる。なお、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJは、磁石134に対して、ターゲット110の回転中心軸線を挟んで反対側に配置される。このような配置構成により、磁石134の配置を妨げることなく、一対の第2配管137がマグネットユニット130の内部に配される。
【0028】
<エンドブロック>
エンドブロック200は、支持部材400に対して固定されるケース210と、ケース210内に設けられる軸状部材220と、軸状部材220に対して回転自在に設けられるエンドブロック側環状部材230とを備えている。また、軸状部材220とエンドブロック側環状部材230との間には一対の軸受Bが設けられている。これにより、軸状部材220に対して、エンドブロック側環状部材230は回転することができる。また、軸状部材220とエンドブロック側環状部材230との間の環状隙間を封止する密封装置Sも設けられている。また、マグネットユニット130と軸状部材220は、ピンなどの連結部材270によって連結されている。従って、マグネットユニット130が軸状部材220に対して回転することはない。
【0029】
そして、エンドブロック側環状部材230とターゲット110は、クランプなどの締結部材231によって固定されている。なお、エンドブロック側環状部材230とターゲット110との間の環状隙間を封止するガスケットGも設けられている。更に、ケース210とエンドブロック側環状部材230との間にも軸受B及び密封装置Sが設けられている。従って、ケース210に対して、エンドブロック側環状部材230は回転することができ、かつケース210とエンドブロック側環状部材230との間の環状隙間は封止される。また、ケース210と支持部材400との間にもガスケットGが設けられている。従って、ケース210内は大気に曝されているものの、ロータリーカソード装置本体100が配されている空間は低圧力状態(通常、真空に近い状態)に維持される。
【0030】
また、エンドブロック側環状部材230は第1モータ510によって回転するように構成されている。このエンドブロック側環状部材230を回転させる第1駆動機構は、第1モータ510の回転軸に固定される第1プーリ520と、エンドブロック側環状部材230に固定される第2プーリ240と、これら第1プーリ520と第2プーリ240に巻き付けられる第1ベルト530とから構成される。この第1駆動機構によれば、第1モータ
510により第1プーリ520が回転すると、回転動力が第1ベルト530によって第2プーリ240に伝達されて、エンドブロック側環状部材230が回転する。そして、このエンドブロック側環状部材230に固定されたターゲット110もサポートブロック側環状部材120と共に回転する。
【0031】
そして、軸状部材220の内部には、ロータリーカソード装置本体100に設けられた第1冷却液流路R1に繋がる第1流路221と、同じくロータリーカソード装置本体100に設けられた第2冷却液流路R2に繋がる第2流路222が設けられている。これら第1流路221と第2流路222の大部分は、ターゲット110の回転中心軸線と平行に伸びるように設けられている。また、ケース210の内部には、軸状部材220を回転自在に支持しつつ、上記の各部の流路内に冷却液を供給し、かつ流路内から冷却液を排出するためにロータリージョイント260が設けられている。このロータリージョイント260は、軸状部材220と同心的に備えられる円筒状の部材から構成されており、ロータリージョイント260と軸状部材220との間の環状隙間には軸受B及び密封装置Sが複数備えられている。また、ロータリージョイント260には、供給管261と排出管262が接続されている。供給管261の内部は第1流路221の内部と繋がっており、排出管262の内部は第2流路222の内部と繋がっている。
【0032】
また、軸状部材220は第2モータ550によって回転するように構成されている。この軸状部材220を回転させる第2駆動機構は、第2モータ550の回転軸に固定される第3プーリ560と、軸状部材220に固定される第4プーリ250と、これら第3プーリ560と第4プーリ250に巻き付けられる第2ベルト570とから構成される。この第2駆動機構によれば、第2モータ550により第3プーリ560が回転すると、回転動力が第2ベルト570によって第4プーリ250に伝達されて、軸状部材220が回転する。そして、この軸状部材220に固定されたマグネットユニット130も回転する。
【0033】
なお、上述した各部に備えられた複数の密封装置Sは、いずれも密封装置Sの径方向の内側と外側に設けられる2部材の回転を可能としつつ、これら2部材間の環状隙間を封止する機能を備えている。また、スパッタ装置10には、図3及び図4に示すように、冷却液の漏れ防止のために、複数の箇所に、互いに固定される2部材間に、それぞれガスケットGが設けられている。ガスケットGが配置される位置の説明については、適宜、省略している。
【0034】
<スパッタリング>
スパッタ装置1によりスパッタリングが行われる際には、磁石134が鉛直方向下方に向き、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJが磁石134よりも鉛直方向上方に配されるようにマグネットユニット130の回転方向の位置が定められる。なお、図1及び図3はスパッタリングが行われる際の様子を示している。スパッタリングが行われている最中においては、マグネットユニット130は固定され、かつターゲット110は回転し続けている。また、スパッタリングが行われている最中においては、ターゲット110の内部に冷却液が流されている。すなわち、冷却液を供給する冷却液ポンプP1によって、供給管261に冷却液が供給される。供給管261に供給された冷却液は、軸状部材220の内部に設けられた第1流路221からロータリーカソード装置本体100に設けられた第1冷却液流路R1へと流れていく。その後、冷却液は、第2冷却液流路R2から軸状部材220の内部に設けられた第2流路222を通って、排出管262から装置の外部に排出されていく(冷却液の流れ方については、図3中の矢印参照)。なお、冷却液を流す方向は、図3中の矢印とは反対方向となるようにしてもよい。この場合には、図中の排出管262を供給管として、供給管261を排出管とすればよい。
【0035】
<冷却液の排出>
メンテナンス時においては、マグネットユニット130をターゲット110から取り出すに先立って、ターゲット110内の冷却液を排出させる作業が行われる。この作業が行われる際においては、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJが磁石134よりも鉛直方向下方に配されるようにマグネットユニット130の回転方向の位置が定められる(図4参照)。これにより、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJは、環状の第1冷却液流路R1における鉛直方向下方に偏った位置に配置される。ここで、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位は、環状の第1冷却液流路R1における鉛直方向の真下の位置から±45°の範囲内に配置されると好適である。
【0036】
冷却液を排出させる際には、ポンプなどの排液装置P2によって、第1冷却液流路R1から第2冷却液流路R2に向けて、冷却液を排出させる気体(通常、空気)が送り込まれる。より具体的には、排液装置P2によって、供給管261に気体が送り込まれる。なお、供給管261には、冷却液ポンプP1に接続された管と、排液装置P2に接続された管が繋がっており、冷却液を供給する場合と気体を供給する場合とで、供給する対象を切り換えることができるように構成されている。なお、供給する対象を切り換えるための装置については、切換え弁など公知技術を採用すればよいので、ここではその説明は省略する。
【0037】
そして、供給管261に供給された気体は、軸状部材220の内部に設けられた第1流路221からロータリーカソード装置本体100に設けられた第1冷却液流路R1へと流れていく。これにより、冷却液が第2冷却液流路R2から第2流路222を通って、排出管262から排出される。ある程度の冷却液が排出された後、供給管261から供給された気体は、第2冷却液流路R2から第2流路222を通って、排出管262から装置の外部に排出されていく(気体の流れ方については、図4中の矢印参照)。
【0038】
<本実施例に係るスパッタ装置の優れた点>
以上のように構成された本実施例に係るスパッタ装置1によれば、排液装置P2によって気体を送り込むことで、冷却液流路内の冷却液の液面を、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJまで下げることができる。そして、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJは、環状の第1冷却液流路R1における鉛直方向下方に偏った位置に配置されるため、冷却液を十分に排出させることができる。この点について、図5及び図6を参照して、より詳細に説明する。図5及び図6は本実施例に係るスパッタ装置1における冷却液Wの排出メカニズムの説明図であり、ターゲット110の内部の冷却液流路の概略構成を示している。
【0039】
上記の通り、ターゲット110の内部には、ターゲット110とマグネットユニット130との間に形成される第1冷却液流路R1と、マグネットユニット130の内部に設けられる第2冷却液流路R2とが設けられている。冷却液Wを排出させる場合には、第1冷却液流路R1から第2冷却液流路R2に向けて気体が送り込まれる(図5及び図6中、実線矢印S参照)。気体が送り込まれる空間が密閉空間の場合には、冷却液Wに圧力がかかり、冷却液Wは第2冷却液流路R2からターゲット110の外部に排出されていく(図5中の点線矢印T参照)。
【0040】
そして、冷却液Wの液面が、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJまで下がると、第1冷却液流路R1から第2冷却液流路R2へと抜けていく気体の流路が形成される(図6参照)。これにより、冷却液Wに対して、冷却液Wをターゲット110の外部に押し出す方向の圧力が殆どかからなくなり、冷却液Wの排出はされなくなる。
【0041】
以上のように、本実施例に係るスパッタ装置1によれば、冷却液流路内の冷却液Wの液
面を、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJまで下げることができる。これにより、マグネットユニット130の内部の冷却液Wを殆ど排出させることが可能となる。従って、冷却液Wがメンテナンス時に支障となってしまうことを抑制することができる。
【0042】
なお、上記のスパッタ装置1において、第2冷却液流路R2から第1冷却液流路R1に向けて気体を送り込む構成を採用した場合には、冷却液Wを十分に排出させることはできない。この点について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は比較例に係るスパッタ装置における冷却液Wの排出メカニズムの説明図であり、ターゲット110の内部の冷却液流路の概略構成を示している。
【0043】
第2冷却液流路R2から第1冷却液流路R1に向けて気体が送り込まれる場合(図7及び図8中、実線矢印S参照)においても、気体が送り込まれる空間が密閉空間であれば、冷却液Wに圧力がかかり、冷却液Wは第1冷却液流路R1からターゲット110の外部に排出されていく(図7中の点線矢印T参照)。
【0044】
ここで、第2冷却液流路R2内においては、密閉空間が形成されるため、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJに至るまで、冷却液Wは排出される。一方、冷却液W全体の液面が低下すると、第1冷却液流路R1の上方に気体が封じ込められた状態で密閉空間が形成される。そのため、第2冷却液流路R2内の空間から第1冷却液流路R1の上方の密閉空間までの間においては、冷却液Wの中を気泡の状態で気体が送り込まれていく。
【0045】
そして、冷却液Wの液面が、第1冷却液流路R1におけるターゲット110の外側に繋がる部位まで下がると、第2冷却液流路R2から第1冷却液流路R1へと抜けていく気体の流路が形成される(図8参照)。これにより、冷却液Wに対して、冷却液Wをターゲット110の外部に押し出す方向の圧力が殆どかからなくなり、冷却液Wの排出はされなくなる。従って、その後、排液装置P2による気体の供給が停止されると、冷却液Wの一部が第2冷却液流路R2の内部に逆流するため、マグネットユニット130の内部に冷却液Wが残ってしまう。
【0046】
(実施例2)
上記の通り、実施例1に係るスパッタ装置1によれば、冷却液の液面が、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJに至るまで冷却液を排出させることができる。従って、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJは、極力、鉛直方向下方に設定するのが望ましい。
【0047】
上記実施例1では、第2冷却液流路R2を形成するための一対の第1配管136及び一対の第2配管137は同一の構成が採用されている。すなわち、上記実施例の中では詳細には説明していなかったが、第1配管136と第2配管137が接続される位置は、ターゲット110の回転中心軸線が伸びる方向において、同一の位置となるように構成されている。従って、第2配管137がケース131の外周面に開口する位置は、一対の第2配管137について、周方向において異なった位置に配置させる必要がある(図1参照)。従って、上記実施例1に係るスパッタ装置1の場合には、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との2か所の接続部位RJを、ターゲット110の中心軸線から鉛直方向の真下の位置に配置させることは構造上採用し得ない。そのため、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との2か所の接続部位RJは、ケース131における鉛直方向の最下部よりも、少し上方に配置せざるを得ない。
【0048】
そこで、本実施例においては、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との2か所の
接続部位RJを、いずれもケース131における鉛直方向の最下部の位置に配することを可能とするマグネットユニット130について説明する。
【0049】
図9及び図10には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、第1配管と第2配管の配置構成が上記実施例1の場合とは異なっている。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0050】
図9は本発明の実施例2に係るロータリーカソードの模式的断面図(ターゲットの回転中心軸線に垂直な面で切断した断面図)であり、ロータリーカソード装置本体100の主要部について、概略構成を断面的に示した図である。また、図10は本発明の実施例2に係るマグネットユニットの模式的断面図であり、マグネットユニット130の主要部について、概略構成を断面的に示した図である。なお、図10においては、ターゲットの回転中心軸線に平行な面で、マグネットユニット130を切断した断面図を概略的に示しているが、説明の便宜上、特徴的な構成を示すために、切断面の位置は必ずしも同一面ではない。なお、図9及び図10の上方は、冷却液が排出される際の鉛直方向上方に相当し、図9及び図10の下方は、冷却液が排出される際の鉛直方向下方に相当する。なお、スパッタ装置のうちマグネットユニット130以外の構成については、上記実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。
【0051】
本実施例に係るマグネットユニット130においても、上記実施例1の場合と同様に、円筒状のケース131と、ケース131の一端を塞ぐ第1蓋体132と、ケース131の他端を塞ぐ第2蓋体133とを備えている。そして、ケース131の内部には、磁石134と、磁石134を支持する支持部材135とが備えられている。これらケース131,第1蓋体132,第2蓋体133,磁石134及び支持部材135の構成については、上記実施例1と同一であるので、その説明は省略する。
【0052】
そして、本実施例に係るマグネットユニット130においても、ケース131の内部には、ターゲット110の回転中心軸線に平行に伸びる一対の第1配管136a,136bと、これら一対の第1配管136a,136bからケース131の外周面側に向かって伸び、ケース131の外周面に開口する一対の第2配管137a,137bとが備えられている。
【0053】
本実施例の場合には、一対の第2配管137a,137bはターゲットの回転中心軸線方向の異なる位置で、一対の第1配管136a,136bに対してそれぞれ接続されている。そして、一対の第2配管137a,137bが第1冷却液流路R1と接続される位置(第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJ)は、上記の回転中心軸線方向に向かって見た場合に重なっている(図9参照)。
【0054】
以上のように構成されるマグネットユニット130によれば、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との2か所の接続部位RJを、いずれもケース131における鉛直方向の最下部の位置に配することが可能となる。従って、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との2か所の接続部位RJを、実施例1の場合よりも、更に、鉛直方向下方に配置させることが可能となる。これにより、より一層多くの冷却液を排出させることが可能となる。
【0055】
(その他)
上記実施例においては、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJが、磁石134に対して、ターゲット110の回転中心軸線を挟んで反対側に配置される場合の構成を示した。このような構成を採用した理由は、通常、マグネットユニット130
の内部に配置される磁石134が大きな領域を占めることと、冷却液を排出させる際には、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJを極力鉛直方向の下方に配置させたいことに起因する。しかしながら、第1冷却液流路R1と第2冷却液流路R2との接続部位RJと、磁石134とを、ターゲット110の回転中心軸線を含む面によって分けられる2つの領域のうち同じ領域側に配置させることに支障がない場合には、そのような配置構成を採用してもよい。この構成を採用した場合には、マグネットユニットの回転方向の位置は、スパッタリングを行う場合と冷却液を排出させる場合とで変更する必要はない。
【符号の説明】
【0056】
1…スパッタ装置,10…ロータリーカソード,100…ロータリーカソード装置本体,110…ターゲット,130…マグネットユニット,134…磁石,136,136a,136b…第1配管,137,137a,137b…第2配管,200…エンドブロック,300…サポートブロック,P2…排液装置,R1…第1冷却液流路,R2…第2冷却液流路,RJ…接続部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12