特許第6553340号(P6553340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6553340表示装置、表示パネルのドライバ及び画像データ信号の伝送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553340
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】表示装置、表示パネルのドライバ及び画像データ信号の伝送方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20190722BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20190722BHJP
   H04L 25/38 20060101ALI20190722BHJP
   H04L 25/49 20060101ALI20190722BHJP
   H04L 7/04 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 633D
   G09G3/20 633U
   G09G3/20 632Z
   G09G3/20 612K
   G09G3/20 633B
   H04L25/38 A
   H04L25/49 A
   H04L7/04 100
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-183067(P2014-183067)
(22)【出願日】2014年9月9日
(65)【公開番号】特開2016-57432(P2016-57432A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】中山 晃
(72)【発明者】
【氏名】高橋 敦
【審査官】 越川 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−278233(JP,A)
【文献】 特表平05−503413(JP,A)
【文献】 特開2009−163239(JP,A)
【文献】 特開2009−232462(JP,A)
【文献】 特開2011−221487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
H04L 25/38
H04L 25/49
H04L 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各画素の輝度レベルを示す画素データ片の系列を含む入力画像データに基づき画像表示を行う表示装置であって、
表示パネルに形成されている複数のデータラインに画素駆動電圧を印加するドライバと、
前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列中の少なくとも1の前記画素データ片を含む画素データブロックを有する単位送信ブロックが連続する送信画像データ信号を生成し、これを前記ドライバに送信する制御部と、を含み、
前記制御部は、前記単位送信ブロック毎に前記画素データブロックの先頭部に連結してクロックデータを付加する第1処理部と、
前記クロックデータと前記画素データブロックとの境界でデータ遷移が生じているか否かを判定する第2処理部と、
前記データ遷移が生じていないと判定された場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルを反転させる第3処理部と、
前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片に論理レベルの反転処理が施されているか否かを示す反転フラグを前記クロックデータの直前に付加する第4処理部と、を有し、
前記ドライバは、受信した前記送信画像データ信号に含まれる前記クロックデータのリアエッジ部に位相同期したクロック信号を生成するクロック生成部と、
受信した前記送信画像データ信号に含まれる前記反転フラグが前記反転処理が施されていることを示す場合には、受信した前記送信画像データ信号に含まれる前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の論理レベルを反転させたものを前記クロック信号に応じて取り込んで出力する一方、前記反転フラグが前記反転処理が施されていないことを示す場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片を前記クロック信号に応じて取り込んで出力するデータ取込部と、
前記データ取込部から出力された前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換する階調電圧生成部と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第3処理部は、前記データ遷移が生じていないと判定された場合には前記画素データブロックに含まれる全ての前記画素データ片の全ビットの論理レベルを反転させ、
前記データ取込部は、前記反転フラグが前記反転処理が施されていることを示す場合には前記画素データブロックに含まれる全ての前記画素データ片の全ビットの論理レベルを反転させることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第3処理部は、前記データ遷移が生じていないと判定された場合には前記画素データブロックの先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルだけを反転させ、
前記データ取込部は、前記反転フラグが前記反転処理が施されていることを示す場合には前記画素データブロックの先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルだけを反転させることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2処理部は、前記クロックデータの論理レベルと前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルとが一致している場合には前記データ遷移が生じていないと判定する一方、前記クロックデータの論理レベルと前記先頭ビットの論理レベルとが一致していない場合には前記データ遷移が生じていると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画素データ片の系列は、赤色の輝度レベルを表す第1の画素データ片、緑色の輝度レベルを表す第2の画素データ片、及び青色の輝度レベルを表す第3の画素データ片を含み、
前記画素データブロックは、前記第1〜第3の画素データ片からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画素データ片の系列は、赤色の輝度レベルを表す第1の画素データ片、緑色の輝度レベルを表す第2の画素データ片、及び青色の輝度レベルを表す第3の画素データ片を含み、
前記画素データブロックは、前記第1〜第3の画素データ片のうちの2つの前記画素データ片からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の表示装置。
【請求項7】
画素の輝度レベルを示す画素データ片を少なくとも1つ含む画素データブロックを有する単位送信ブロックが連続する画像データ信号を受信し、受信した前記画像データ信号に基づいて表示パネルを駆動する表示パネルのドライバであって、
前記単位送信ブロック各々の前記画素データブロックの先頭部にクロックデータが連結して付加されており、前記クロックデータの直前には前記画素データ片に対して論理レベルの反転処理が施されているか否かを示す反転フラグが付加されており、
前記ドライバは、
受信した前記画像データ信号に含まれる前記クロックデータに位相同期したクロック信号を生成するクロック生成部と、
受信した前記画像データ信号に含まれる前記反転フラグが前記反転処理が施されていることを示す場合には、受信した前記画像データ信号に含まれる前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルを反転させたものを前記クロック信号に応じて取り込んで出力する一方、前記反転フラグが前記反転処理が施されていないことを示す場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片を前記クロック信号に応じて取り込んで出力するデータ取込部と、
前記データ取込部から出力された前記画素データ片の各々を画素駆動電圧に変換して前記表示パネルの複数のデータラインに印加する階調電圧生成部と、を有することを特徴とする表示パネルのドライバ。
【請求項8】
前記データ取込部は、前記反転フラグが前記反転処理が施されていることを示す場合には前記画素データブロックに含まれる全ての前記画素データ片の全ビットの論理レベルを反転させることを特徴とする請求項7記載の表示パネルのドライバ。
【請求項9】
前記データ取込部は、前記反転フラグが前記反転処理が施されていることを示す場合には前記画素データブロックの先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルだけを反転させることを特徴とする請求項7記載の表示パネルのドライバ。
【請求項10】
前記画素データ片の系列は、赤色の輝度レベルを表す第1の画素データ片、緑色の輝度レベルを表す第2の画素データ片、及び青色の輝度レベルを表す第3の画素データ片を含み、
前記画素データブロックは、前記第1〜第3の画素データ片からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載の表示パネルのドライバ。
【請求項11】
前記画素データ片の系列は、赤色の輝度レベルを表す第1の画素データ片、緑色の輝度レベルを表す第2の画素データ片、及び青色の輝度レベルを表す第3の画素データ片を含み、
前記画素データブロックは、前記第1〜第3の画素データ片のうちの2つの前記画素データ片からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載の表示パネルのドライバ。
【請求項12】
各画素の輝度レベルを示す画素データ片の系列を含む入力画像データに基づく送信画像データ信号を表示パネルのドライバに送信する画像データ信号の伝送方法であって、
前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列中の少なくとも1の前記画素データ片を含む画素データブロックと、前記画素データブロックの先頭部に連結したクロックデータとを含む単位送信ブロック毎に、前記クロックデータと前記画素データブロックとの境界でデータ遷移が生じているか否かを判定する第1ステップと、
前記データ遷移が生じていないと判定された場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルを反転させる第2ステップと、
前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片に論理レベルの反転処理が施されているか否かを示す反転フラグを前記クロックデータの直前に付加する第3ステップと、
前記単位送信ブロックが連続する前記送信画像データ信号を前記表示パネルのドライバに送信する第4ステップと、を有することを特徴とする画像データ信号の伝送方法。
【請求項13】
前記第2ステップは、前記データ遷移が生じていないと判定された場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の全ビットの論理レベルを反転させることを特徴とする請求項12記載の画像データ信号の伝送方法。
【請求項14】
前記第2ステップは、前記データ遷移が生じていないと判定された場合には前記画素データブロックの先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルだけを反転させることを特徴とする請求項12記載の画像データ信号の伝送方法。
【請求項15】
前記第1ステップは、前記クロックデータの論理レベルと前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の先頭ビットの論理レベルとが一致している場合には前記データ遷移が生じていないと判定する一方、前記クロックデータの論理レベルと前記先頭ビットの論理レベルとが一致していない場合には前記データ遷移が生じていると判定することを特徴とする請求項12〜14のいずれか1に記載の画像データ信号の伝送方法。
【請求項16】
前記画素データ片の系列は、赤色の輝度レベルを表す第1の画素データ片、緑色の輝度レベルを表す第2の画素データ片、及び青色の輝度レベルを表す第3の画素データ片を含み、
前記画素データブロックは、前記第1〜第3の画素データ片からなることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1に記載の画像データ信号の伝送方法。
【請求項17】
前記画素データ片の系列は、赤色の輝度レベルを表す第1の画素データ片、緑色の輝度レベルを表す第2の画素データ片、及び青色の輝度レベルを表す第3の画素データ片を含み、
前記画素データブロックは、前記第1〜第3の画素データ片のうちの2つの前記画素データ片からなることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1に記載の画像データ信号の伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置と、表示パネルを駆動するドライバと、表示装置内において画像データをドライバに送信する画像データ信号の伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置としての液晶表示装置には、液晶表示パネルと共に、この液晶表示パネルを駆動する複数のドライバと、当該ドライバの各々に画像データを送出する制御部と、が含まれている。また、近年、高精細画像を表示する為に液晶表示パネルが高解像度化され、それに伴い画像データの伝送周波数が高くなっている。これにより、画像データの伝送時に電磁気的干渉、いわゆるEMI(Electro-Magnetic Interference )が発生し、液晶表示パネルに対する駆動が不安定となる。
【0003】
そこで、画像データの高周波数化に伴って発生するEMIによる悪影響を抑制させる為に、画像データにクロック情報を挿入したものを各ドライバに送信するPPDS(point to point differential signaling)伝送方式を採用した駆動方法が提案された(例えば、特許文献1、2及び3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−163239号公報
【特許文献2】特表2011−513790号公報
【特許文献3】特開2011−221487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、各ドライバ内で画像データ中からクロック情報を認識できるようにする為には、画像データの単位ブロック毎にクロック認識用のデータを挿入する必要があり、これが高速処理の妨げになっていた。
【0006】
本発明は、表示装置内において画像データを高速に伝送することが可能な表示装置、表示パネルのドライバ及び画像データ信号の伝送方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、各画素の輝度レベルを示す画素データ片の系列を含む入力画像データに基づき画像表示を行う表示装置であって、表示パネルに形成されている複数のデータラインに画素駆動電圧を印加するドライバと、前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列中の少なくとも1の前記画素データ片を含む画素データブロックを有する単位送信ブロックが連続する送信画像データ信号を生成し、これを前記ドライバに送信する制御部と、を含み、前記制御部は、前記単位送信ブロック毎に前記画素データブロックの先頭部に連結してクロックデータを付加する第1処理部と、前記クロックデータと前記画素データブロックとの境界でデータ遷移が生じているか否かを判定する第2処理部と、前記データ遷移が生じていないと判定された場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の論理レベルを反転させる第3処理部と、前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片に論理レベルの反転処理が施されているか否かを示す反転フラグを前記クロックデータの直前に付加する第4処理部と、を有し、前記ドライバは、受信した前記送信画像データ信号に含まれる前記クロックデータのリアエッジ部に位相同期したクロック信号を生成するクロック生成部と、受信した前記送信画像データ信号に含まれる前記反転フラグが前記反転処理が施されていることを示す場合には、受信した前記送信画像データ信号に含まれる前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の論理レベルを反転させたものを前記クロック信号に応じて取り込んで出力する一方、前記反転フラグが前記反転処理が施されていないことを示す場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片を前記クロック信号に応じて取り込んで出力するデータ取込部と、前記データ取込部から出力された前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換する階調電圧生成部と、を有する。
【0008】
また、本発明に係る表示パネルのドライバは、画素の輝度レベルを示す画素データ片を少なくとも1つ含む画素データブロックを有する単位送信ブロックが連続する画像データ信号を受信し、受信した前記画像データ信号に基づいて表示パネルを駆動する表示パネルのドライバであって、前記単位送信ブロック各々の前記画素データブロックの先頭部にクロックデータが連結して付加されており、前記クロックデータの直前には前記画素データ片に対して論理レベルの反転処理が施されているか否かを示す反転フラグが付加されており、前記ドライバは、受信した前記画像データ信号に含まれる前記クロックデータに位相同期したクロック信号を生成するクロック生成部と、受信した前記画像データ信号に含まれる前記反転フラグが前記反転処理が施されていることを示す場合には、受信した前記画像データ信号に含まれる前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の論理レベルを反転させたものを前記クロック信号に応じて取り込んで出力する一方、前記反転フラグが前記反転処理が施されていないことを示す場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片を前記クロック信号に応じて取り込んで出力するデータ取込部と、前記データ取込部から出力された前記画素データ片の各々を画素駆動電圧に変換して前記表示パネルの複数のデータラインに印加する階調電圧生成部と、を有する。
【0009】
又、本発明に係る画像データ信号の伝送方法は、各画素の輝度レベルを示す画素データ片の系列を含む入力画像データに基づく送信画像データ信号を表示パネルのドライバに送信する画像データ信号の伝送方法であって、前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列中の少なくとも1の前記画素データ片を含む画素データブロックと、前記画素データブロックの先頭部に連結したクロックデータとを含む単位送信ブロック毎に、前記クロックデータと前記画素データブロックとの境界でデータ遷移が生じているか否かを判定する第1ステップと、前記データ遷移が生じていないと判定された場合には前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片の論理レベルを反転させる第2ステップと、前記画素データブロックの少なくとも先頭に含まれる前記画素データ片に論理レベルの反転処理が施されているか否かを示す反転フラグを前記クロックデータの直前に付加する第3ステップと、前記単位送信ブロックが連続する前記送信画像データ信号を前記表示パネルのドライバに送信する第4ステップと、を有する。

【発明の効果】
【0010】
本発明においては、クロックデータを重畳した画像データ信号を表示パネルのドライバに送信するにあたり、少なくとも1の画素データ片を含む画素データブロックを有する単位送信ブロック毎に、反転フラグ及びクロックデータを画素データブロックの直前に付加する。ここで、クロックデータと画素データブロックとの境界でデータ遷移が生じていない場合には画素データ片の論理レベルを反転させると共に、この反転処理を画素データ片に施したか否かを示す情報を上記反転フラグとして設定する。これにより、クロックデータと画素データブロックの先頭部との境界には、必ずクロック認識用のリアエッジ部が現れるようになり、且つ受信側のドライバでは、反転フラグに基づいて元の画素データ片を復元させることが可能となる。
【0011】
よって、本発明によれば、単位送信ブロック毎に、夫々1ビット周期分の反転フラグ及びクロックデータを付加するだけで良いので、クロックデータを重畳した画像データ信号を高速伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る表示装置の概略構成を示す図である。
図2】入力画像データVDのフォーマットの一例を示す図である。
図3】送信画像データ信号VDTのフォーマットの一例を示す図である。
図4】データドライバ12の内部構成を示すブロック図である。
図5】送信画像データ信号VDTの生成及び送信制御の手順を示すフローチャートである。
図6】クロックデータCDのパルスが正極性であり且つ反転フラグが論理レベル0となる場合における送信画像データ信号VDTの一例を示す図である。
図7】クロックデータCDのパルスが正極性であり且つ反転フラグが論理レベル1となる場合における送信画像データ信号VDTの一例を示す図である。
図8】データ取り込み動作の手順を示すフローチャートである。
図9】反転フラグが論理レベル1となる場合における送信画像データ信号VDTの他の一例を示す図である。
図10】送信画像データ信号VDTのフォーマットの他の一例を示す図である。
図11】送信画像データ信号VDTのフォーマットの他の一例を示す図である。
図12】クロックデータCDのパルスが負極性であり且つ反転フラグが論理レベル0である場合における送信画像データ信号VDTの一例を示す図である。
図13】クロックデータCDのパルスが負極性であり且つ反転フラグが論理レベル1となる場合における送信画像データ信号VDTの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に係る表示装置の概略構成を示す図である。
【0014】
図1において、例えば液晶パネルとしての表示パネル20には、液晶層(図示せぬ)と、2次元画面の水平方向に伸張するn個(nは2以上の整数)の水平走査ラインS1〜Snと、2次元画面の垂直方向に伸張するm個(mは2以上の整数)のデータラインD1〜Dmとが設けられている。水平走査ライン及びデータラインの交叉部の領域には、赤色表示を担う赤表示セルPR、緑色表示を担う緑表示セルPG、又は青色表示を担う青表示セルPBが形成されている。尚、データラインD1〜Dmのうちで(3・t−2)番目(tは自然数)のデータライン、つまりD1、D4、D7、・・・、Dm-2の各々には赤表示セルPRが形成されている。また、データラインD1〜Dmのうちで(3・t−1)番目に配列されているデータライン、つまりD2、D5、D8、・・・、Dm-1の各々には緑表示セルPGが形成されている。また、データラインD1〜Dmのうちで(3・t)番目に配列されているデータライン、つまりD3、D6、D9、・・・、Dmには青表示セルPBが形成されている。
【0015】
図1に示すように、水平走査ラインS1〜Snの各々上において、互いに隣接する3つの表示セル、つまり赤表示セルPR、緑表示セルPG及び青表示セルPBにて1つの画素PX(破線にて囲まれた領域)が形成される。よって、1水平走査ライン上には(m/3)個の画素PXが並置されている。
【0016】
駆動制御部10は、入力画像データVDに同期した走査制御信号を生成し、これを走査ドライバ11に供給する。
【0017】
入力画像データVDは、図2に示すように、各画素の輝度レベルを表す画素データQDの系列からなる。各画素PXには、赤色成分の輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データQDR、緑色成分の輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データQDG及び青色成分の輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データQDBが対応している。すなわち、入力画像データVDには、図2に示すように、夫々がQDR、QDG及びQDBを含む画素データブロックQDSの系列が含まれている。
【0018】
駆動制御部10は、入力画像データVDに基づき、図3に示すデータフォーマットからなる1ビットシリアル形態の送信画像データ信号VDTを生成し、これをデータドライバ12に送信する。
【0019】
送信画像データ信号VDTは、図3に示すように、夫々が反転フラグFLG、クロックデータCD、画素データPDR、画素データPDG及び画素データPDBを含む単位送信ブロックDBの系列からなる。
【0020】
画素データPDR、PDG及びPDBは、1つの画素PXに対応した赤色、緑色及び青色成分各々の輝度レベルを夫々、例えば8ビットで表したものである。つまり、画素データPDR、PDG及びPDBは、入力画像データVDにおける画素データQDR、QDG及びQDBに対応したものである。1つの単位送信ブロックDBには、図3に示すように、1画素分の画素データPDR、PDG及びPDBの系列からなる画素データブロックPDSが含まれている。なお、図3に示す一例では、画素データブロックPDS内においてPDRが先頭になっているが、PDG或いはPDBが先頭であっても良い。
【0021】
クロックデータCDは、かかる画素データブロックPDSの先頭部に連結して設けられている。クロックデータCDは、データドライバ12側でクロックタイミングを認識する為の1ビット周期BTのパルスからなる。このパルスとしては、パルスのリアエッジが論理レベル0から1に遷移する、いわゆる論理レベル0の負極性パルス、或いは論理レベル1から0に遷移する論理レベル1の正極性パルスのいずれであっても良い。
【0022】
反転フラグFLGは、当該クロックデータCDの直前に設けられている。反転フラグFLGは、自身が属する単位送信ブロックDBに含まれる画素データブロックPDSの各画素データ(PDR、PDG、PDB)に論理レベルの反転処理が施されているか否かを示す1ビット周期BTのフラグである。例えば、反転フラグFLGが論理レベル0を示す場合には、画素データブロックPDSの各画素データ(PDR、PDG、PDB)の論理レベルは、入力画像データVDにおける各画素データ(QDR、QDG、QDB)の論理レベルと同一である。一方、反転フラグFLGが論理レベル1を示す場合には、画素データブロックPDSの各画素データ(PDR、PDG、PDB)の論理レベルは、入力画像データVDにおける各画素データ(QDR、QDG、QDB)の論理レベルを反転させたものとなる。
【0023】
走査ドライバ11は、駆動制御部10から供給された走査制御信号に応じて走査パルスを生成し、これを表示パネル20の水平走査ラインS1〜Snに順次択一的に印加する。
【0024】
データドライバ12は、単一の半導体チップ、又は複数の半導体チップに分散して形成されている。データドライバ12は、図4に示すように、データ受信取込部121及び階調電圧生成部122を含む。
【0025】
データ受信取込部121は、駆動制御部10から送信された送信画像データ信号VDTを受信する。
【0026】
データ受信取込部121のクロック生成部121aは、送信画像データ信号VDTの各単位送信ブロックDBに含まれるクロックデータCDを検出し、このクロックデータCDのリアエッジ部に位相同期したデータ取り込み用の周波数を有するクロック信号を生成する。クロック生成部121aは、クロック信号を反転部121b及びデータラッチ121cに供給する。
【0027】
反転部121bは、受信した送信画像データ信号VDTの各単位送信ブロックDBに含まれる反転フラグFLGに基づき、単位送信ブロックDBに含まれる画素データPDR、PDG及びPDBに対して論理レベルの反転処理を施す。すなわち、反転部121bは、反転フラグFLGが論理レベル1を示す場合には、画素データPDR、PDG及びPDB各々の全ビットの論理レベルを反転したものをクロック信号のタイミングでデータラッチ121cに供給する。一方、反転フラグFLGが論理レベル0を示す場合には、反転部121bは、このような論理レベルの反転処理を実施せず、単位送信ブロックDBに含まれる画素データPDR、PDG及びPDBをそのままクロック信号のタイミングでデータラッチ121cに供給する。
【0028】
データラッチ121cは、反転部121bを介して順次供給された画素データPDR、PDG及びPDBを順次、クロック信号に応じたタイミングで取り込む。ここで、1水平走査ライン分、つまりm個の画素データ片(PDR、PDG、PDB)の取り込みが完了する度に、データラッチ121cは、m個の画素データ片に夫々対応した画素データSD1〜SDmを階調電圧生成部122に供給する。
【0029】
階調電圧生成部122は、画素データSD1〜SDmを、夫々が示す輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換する。そして、階調電圧生成部122は、画素データSD1〜SDmに夫々対応した階調電圧を画素駆動電圧G1〜Gmとして表示パネル20のデータラインD1〜Dmに印加する。
【0030】
以下に、駆動制御部10による送信画像データ信号VDTの生成及び送信動作について、クロックデータCDのパルスが正極性のパルスである場合を例にとって説明する。
【0031】
駆動制御部10は、図5に示す送信画像データ信号VDTの生成及び送信フローに従った制御を行う。
【0032】
図5において、先ず、駆動制御部10は、図2に示す入力画像データVD中の画素データブロックQDS毎に、その画素データブロックQDSの先頭のビットを先頭ビットSBとして抽出する(ステップS1)。例えば、図2に示す一例では、駆動制御部10は、画素データブロックQDS毎に、画素データQDRの先頭ビットを先頭ビットSBとして抽出する。
【0033】
次に、駆動制御部10は、画素データブロックQDS毎に、その先頭ビットSBがクロックデータCDの論理レベルと同一の論理レベル1であるか否かを判定する(ステップS2)。つまり、ステップS2では、クロックデータCDと、画素データブロックQDSの先頭部との境界でデータ遷移が生じているか否かを判定するのである。
【0034】
ステップS2において先頭ビットSBが論理レベル1ではないと判定された場合、駆動制御部10は、画素データブロックQDSに含まれる画素データQDR、QDG、QDBを、そのまま画素データPDR、PDG、PDBとし、これらPDR、PDG、PDBからなる画素データブロックPDSを設定する(ステップS3)。つまり、ステップS2において、クロックデータCDと、画素データブロックQDSの先頭部との境界でデータ遷移が生じていると判定された場合には、ステップS3により、画素データブロックQDSに含まれる画素データQDをそのまま画素データPDとし、当該PDからなる画素データブロックPDSを設定するのである。
【0035】
ステップS3の実行後、駆動制御部10は、論理レベルの反転処理が施されていないことを示す論理レベル0の反転フラグFLGを設定する(ステップS4)。
【0036】
一方、ステップS2において先頭ビットSBが論理レベル1であると判定された場合、駆動制御部10は、画素データブロックQDSに含まれる画素データQDR、QDG、QDB各々の全ビット(24ビット)の論理レベルを反転させたものを画素データPDR、PDG、PDBとし、これらPDR、PDG、PDBからなる画素データブロックPDSを設定する(ステップS5)。つまり、ステップS2において、クロックデータCDと、画素データブロックQDSの先頭部との境界でデータ遷移が生じていないと判定された場合には、ステップS5により、画素データブロックQDSに含まれる各画素データQDの全ビットの論理レベルを反転させたものを画素データPDとし、当該PDからなる画素データブロックPDSを設定するのである。
【0037】
ステップS5の実行後、駆動制御部10は、論理レベルの反転処理が施されていることを示す論理レベル1の反転フラグFLGを設定する(ステップS6)。
【0038】
ステップS4又はS6の実行後、駆動制御部10は、設定された反転フラグFLGと画素データブロックPDSとの間に1ビット周期BTの正極性パルスからなる論理レベル1のクロックデータCDを付加して単位送信ブロックDBを生成する(ステップS7)。
【0039】
次に、駆動制御部10は、画素データブロックQDS毎に生成した単位送信ブロックDBが連続する送信画像データ信号VDTをデータドライバ12へ送信する(ステップS8)。
【0040】
図5に示す送信画像データ信号VDTの生成及び送信制御により、駆動制御部10は、例えば、先頭ビットSBが論理レベル0となる画素データブロックQDSに対しては、図6に示すような単位送信ブロックDBを生成する。つまり、クロックデータCDと、画素データブロックQDSの先頭部との境界でデータ遷移が生じる場合には、ステップS3、S4及びS7が実行される。これにより、図6に示すように、論理レベル0の反転フラグFLG、正極性のパルスからなるクロックデータCD、及び画素データブロックQDSと同一ビット群の画素データブロックPDSからなる単位送信ブロックDBが生成される。
【0041】
一方、先頭ビットSBが論理レベル1、つまり、クロックデータCDと、画素データブロックQDSの先頭部との境界でデータ遷移が生じない場合には、駆動制御部10は、図7に示すような単位送信ブロックDBを生成する。すなわち、この際、ステップS5〜S7の実行により、図7に示すように、論理レベル1の反転フラグFLG、正極性のパルスからなるクロックデータCD、及び画素データブロックQDSの全ビットの論理レベルを反転させたビット群を有する画素データブロックPDSからなる単位送信ブロックDBが生成される。
【0042】
そして、駆動制御部10は、上記のように生成した単位送信ブロックDBが連続する送信画像データ信号VDTをデータドライバ12へ送信するのである。
【0043】
次に、データドライバ12のデータ受信取込部121による送信画像データ信号VDTの受信及びデータの取込動作について説明する。
【0044】
送信画像データ信号VDTを受信すると、データ受信取込部121のクロック生成部121aが、送信画像データ信号VDT中から図6又は図7に示されるクロックデータCDを抽出し、そのリアエッジ部EGに位相同期したクロック信号を生成する。
【0045】
ここで、データ受信取込部121の反転部121b及びデータラッチ121cは、図8に示すデータ取り込みフローに従って、当該クロック信号に同期したタイミングで、送信画像データ信号VDTに含まれる画素データPDの取り込みを行う。
【0046】
図8に示すように、先ず、データ受信取込部121の反転部121bは、送信画像データ信号VDTにおける各単位送信ブロックDBから反転フラグFLGを抽出する(ステップS21)。次に、反転部121bは、単位送信ブロックDB毎に、反転フラグFLGが論理レベルの反転処理が施されていることを示す論理レベル1であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0047】
ステップS22において反転フラグFLGが論理レベル1ではないと判定されると、反転部121bは、単位送信ブロックDBから、画素データブロックPDSに含まれる画素データPDR、PDG及びPDBをクロック信号のタイミングで取り込み、これらをデータラッチ121cに供給する。データラッチ121cは、画素データPDR、PDG及びPDBの各々を8ビットパラレルの画素データSDとして、順次クロック信号のタイミングで取り込む(ステップS23)。
【0048】
一方、ステップS22において反転フラグFLGが論理レベル1であると判定された場合、反転部121bは、単位送信ブロックDBから、画素データブロックPDSに含まれる画素データPDR、PDG及びPDBをクロック信号のタイミングで取り込む。そして、これら画素データPDR、PDG及びPDB各々の全ビットの論理レベルを反転させたものをデータラッチ121cに供給する。データラッチ121cは、上記した反転処理が施された画素データPDR、PDG及びPDBの各々を8ビットパラレルの画素データSDとして、順次クロック信号のタイミングで取り込む(ステップS24)。
【0049】
上記ステップS23又はS24の実行により、1水平走査ラインに対応したm個の画素データSD1〜SDmの取り込みが完了したら、データラッチ121cは、これら画素データSD1〜SDmを階調電圧生成部122に送出する(ステップS25)。
【0050】
このように、データ受信取込部121は、単位送信ブロックDB毎にその単位送信ブロックDBに含まれる反転フラグFLGに基づき、この単位送信ブロックDBに含まれる画素データPDR、PDG及びPDBに論理レベルの反転処理が施されているか否かを判定する(S22)。この際、論理レベルの反転処理が施されていない場合には画素データPDR、PDG及びPDBをそのまま3つの画素データSDとして階調電圧生成部122に供給する(S23、S25)。一方、論理レベルの反転処理が施されている場合には画素データPDR、PDG及びPDB各々の全ビットの論理レベルを反転させることにより、入力画像データVDにて示される元の画素データQDR、QDG及びQDBを復元し、これらを画素データSDとして階調電圧生成部122に送出するのである(S24、S25)。
【0051】
以上のように、図1に示す表示装置では、駆動制御部10がクロック認識用のデータを重畳した画像データ信号をデータドライバ12に送信するにあたり、以下のような送信画像データ信号VTを生成する。すなわち、駆動制御部10は、画素データPDR、PDG及びPDBを含む画素データブロックPDSを有する単位送信ブロックDB毎に、画素データブロックPDSの先頭部に連結してクロックデータCDを付加し、このクロックデータCDの直前に反転フラグFLGを付加する。ここで、クロックデータCDと画素データブロックPDSとの境界でデータ遷移が生じない場合には入力画像データとして供給された元の画素データQDの論理レベルを反転させたものを画素データPDとする。一方、データ遷移が生じる場合には、元の画素データQDをそのまま画素データPDとする。また、駆動制御部10は、上記のような論理レベルの反転処理を画素データ片に施したか否かを示す情報を上記反転フラグとして設定する。
【0052】
そして、駆動制御部10は、上記のように形成した単位送信ブロックDBが連続する送信画像データ信号VTを生成し、これをデータドライバ12に送信するのである。
これにより、クロックデータCDと画素データブロックPDSの先頭部との境界には、必ずクロック認識用のリアエッジ部EGが現れるようになり、且つ受信側のデータドライバ12では、反転フラグFLGに基づいて元の画素データ片を復元させることが可能となる。
【0053】
これにより、クロックデータCDと画素データブロックPDSの先頭部との境界には、必ずクロック認識用のリアエッジ部EGが現れるようになり、且つ受信側のデータドライバ12では、反転フラグFLGに基づいて元の画素データ片を復元させることが可能となる。
【0054】
よって、本発明によれば、単位送信ブロックDB毎に、夫々1ビット周期BT分の反転フラグFLG及びクロックデータCDを付加するだけで良いので、クロックデータを重畳した画像データ信号を高速伝送することが可能となる。
【0055】
なお、上記実施例では、クロックデータCDと画素データブロックQDSの先頭ビットSBとの間でデータ遷移が生じていない場合には、画素データブロックQDSに含まれる画素データQDR、QDG及びQDB各々の全ビットの論理レベルを反転させたもので画素データブロックPDSを形成するようにしている。しかしながら、このような場合、画素データブロックQDS中の少なくとも先頭ビットの論理レベルだけを反転させるようにしても良い。
【0056】
例えば、図9に示すように、画素データブロックQDSの先頭の画素データQDRの先頭ビットSBが論理レベル1であった場合には、この先頭ビットSBだけ論理レベルを反転させ、残りの23ビットは夫々の論理レベルを維持させたものを画素データブロックPDSとする。この際、データ受信取込部121の反転部121bでは、反転フラグFLGが論理レベル1である場合に、画素データブロックPDS中の先頭ビットSBの論理レベルだけを反転させるのである。
【0057】
また、上記実施例では、図3に示すように1画素分の3つの画素データPDR、PDG及びPDBで画素データブロックPDSを構成しているが、各単位送信ブロックDBに含まれる画素データPDの数は3つに限定されるものではなく、単一或いは2つ以上であっても良い。
【0058】
例えば、図10に示すように、単一の画素データPDだけで画素データブロックPDSを形成しても良い。つまり、図10に示すように、画素データPDR、PDG、及びPDB各々の先頭部に連結してクロックデータCD及び反転フラグFLGを付加し、夫々を1つの単位送信ブロックDBとして構成するのである。
【0059】
また、図11に示すように、2つの画素データPDで画素データブロックPDSを形成するようにしても良い。つまり、入力画像データVDにおける画素データPDR、PDG、PDBの系列を、隣接する2つの画素データPD毎に区切り、その一対の画素データPDの先頭部に連結してクロックデータCD及び反転フラグFLGを付加し、夫々を1つの単位送信ブロックDBとするのである。
【0060】
更に、図10又は図11に示すデータフォーマットを採用して、前述した図7又は図9に示すような画素データに対する論理レベルの反転処理を実施するようにしても良い。
【0061】
また、上記実施例では、クロックデータCDを論理レベル1に対応した正極性のパルスとしているが、このクロックデータCDとしては、図12及び図13に示すように、論理レベル0に対応した負極性のパルスであっても良い。
【0062】
この際、駆動制御部10は、図12に示すように、入力画像データVDにおける画素データブロックQDSの先頭ビットSBがクロックデータCDのパルスとは異なる論理レベル1である場合には、画素データブロックQDSをそのまま画素データブロックPDSとして単位送信ブロックDBに含ませる。
【0063】
一方、図13に示すように、画素データブロックQDSの先頭ビットSBがクロックデータCDのパルスと同一の論理レベル0である場合には、駆動制御部10は、画素データブロックQDSの全ビットの論理レベルを反転させたものを画素データブロックPDSとして単位送信ブロックDBに含ませる。
【0064】
要するに、駆動制御部(10)は、入力画像データ信号(VD)に含まれる画素データ片(QD)の系列中の少なくとも1の画素データ片を含む画素データブロック(PDS)を有する単位送信ブロック(DB)が連続する送信画像データ信号(VDT)を以下のように生成し、これをドライバ(12)に送信する。
【0065】
すなわち、駆動制御部は、単位送信ブロック毎に上記画素データブロックの先頭部に連結してクロックデータ(CD)を付加する(S7)。また、駆動制御部は、このクロックデータと画素データブロックの先頭部との境界でデータ遷移が生じているか否かを判定(S2)し、データ遷移が生じていないと判定された場合にだけ画素データブロックに含まれる画素データ片の論理レベルを反転させる(S)。更に、駆動制御部は、この画素データブロックに含まれる画素データ片に論理レベルの反転処理が施されているか否かを示す反転フラグ(FLG)をクロックデータの直前に付加する(S4、S6)。
【0066】
このような送信画像データ信号(VDT)を受信すると、ドライバ(12)は、この送信画像データ信号に含まれるクロックデータに位相同期したクロック信号を生成する(121a)。ここで、ドライバは、受信した送信画像データ信号に含まれる反転フラグが反転処理が施されていることを示す場合には、この送信画像データ信号に含まれる画素データ片の論理レベルを反転させたものを上記したクロック信号に応じて取り込んで出力する(121b、121c)。一方、反転フラグが反転処理が施されていないことを示す場合には上記した画素データ片をクロック信号に応じて取り込んで出力する(121b、121c)。そして、上記のように出力された画素データ片の各々を画素駆動電圧(G)に変換して表示パネル(20)のデータライン(D)に印加するのである。
【符号の説明】
【0067】
10 駆動制御部
12 データドライバ
20 表示パネル
121 データ受信取込部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13