【実施例】
【0065】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0066】
実施例1: サーファクチンナトリウムによる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの使用量低減効果
洗浄剤に配合される主要なアニオン性界面活性剤である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)に対する、サーファクチンナトリウム(SFNa)による使用量低減効果を、表面張力測定により検証した。具体的には、まず、バイヤル瓶にLASまたはSFNaと超純水を加え、スターラーで撹拌することにより溶解させ、10mM水溶液を調製した。これら溶液を所定の割合で混合した後、さらに超純水を加えて混合水溶液を希釈した各水溶液を得た。当該各水溶液をシャーレーへ移し変えて一昼夜静置し、高機能表面張力計(協和界面科学社製,「DY−500」)を用い、25℃で表面張力の濃度依存性を測定した。結果を
図1に示す。
【0067】
図1には、LAS単独の場合、および、LASとSFNaとをモル比1:1で混合、すなわちLASとSFNaの合計に対してSFNaを50mol%添加した場合の表面張力の測定結果を示す。
図1より明らかなように、LAS単独の場合に比べて、SFNaを50mol%添加した場合には、極めて低濃度から優れた表面張力低下能を示すことが分かった。
【0068】
また、界面活性剤は表面に吸着し、表面張力を低下させると同時に、飽和吸着に達した後は、表面張力は一定となり水中でミセルと呼ばれる会合体を形成する。通常の界面活性剤は、ミセルを形成することにより洗浄力や油汚れに対する可溶化力を発揮する。ミセルを形成する濃度は臨界ミセル濃度(CMC:Critical Micelle Concentration)と呼ばれ、CMCを低減することができれば、界面活性剤の使用量を削減することができる。
図1の表面張力の測定結果から算出したLAS単独水溶液、LAS/SFNa混合水溶液およびSFNa単独水溶液の臨界ミセル濃度の値を表1に示す。
【0069】
【表1】
表1より、LASとSFNaの合計に対してSFNaを50mol%添加した場合の臨界ミセル濃度は、LAS単独の場合に比べて、約三桁、1/1000程度も低い値になることが判明した。なお、SFNaを50mol%添加した場合のCMCは、SFNa単独系と比べても、1桁程度(約1/10)低い値となっている。これは、嵩高なペプチド構造を有するSFNaとLASとの特異な相乗効果によるものと考えられる。
【0070】
また、
図2には、LAS単独の場合、および、LASとSFNaの合計に対してSFNaをモル比で9:1(10mol%)、99:1(1mol%)、または999:1(0.1mol%)の割合で添加した場合の表面張力の測定結果を示す。
図2より、SFNaを0.1mol%添加した場合では、LASの表面張力の低減効果は認められなかったものの、1mol%および10molの添加した場合では、表面張力の低減効果が確認された。
【0071】
図2の表面張力の測定結果から算出した各水溶液の臨界ミセル濃度の値を表2に示す。
【0072】
【表2】
表2より、LASの臨界ミセル濃度は、SFNaの10mol%の添加で約二桁、1/100程度、1mol%の添加で約一桁、1/10程度も低下することが分かった。
【0073】
これらの結果より、嵩高い環状ペプチド構造を有するSFNaのごく微量の添加により、主要な洗浄成分であるLASの使用量を大幅に低減できることが明らかになった。
【0074】
実施例2: サーファクチンナトリウムによるドデシル硫酸ナトリウムの使用量低減効果
次に、LASと同様に主要な陰イオン界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)に対するサーファクチンナトリウム(SFNa)による使用量低減効果を、表面張力測定により検証した。具体的には、LASの代わりにSDSを用いたこと以外は上記実施例1と同様にして、SDS単独水溶液、SDS/SFNa混合水溶液およびSFNa単独水溶液を調製し、表面張力を測定した。結果を
図3に示す。
【0075】
図3より、SDS単独の場合に比べて、SFNaを50mol%添加した場合には、極めて低濃度から優れた表面張力低下能が認められた。また、
図3の表面張力の測定結果から算出した各水溶液の臨界ミセル濃度の値を表3に示す。
【0076】
【表3】
表3のとおり、SDSとSFNaの合計に対してSFNaを50mol%添加した場合の臨界ミセル濃度は、SDS単独の場合に比べて、LASの場合と同様に約三桁、1/1000程度も低い値になることが判明した。なお、SFNaを50mol%添加した場合のCMCは、SFNa単独の場合と比べても1桁程度(約1/10)低い値となった。
【0077】
また、
図4には、SDS単独の場合、および、SDSとSFNaの合計に対してSFNaをモル比で9:1(10mol%)、99:1(1mol%)、または999:1(0.1mol%)の割合で添加した場合の表面張力の測定結果を示す。
図4より、LASの場合と異なり、SFNaの0.1mol%の添加、すなわちSDSとSFNaの合計に対して1/1000の添加でも、表面張力の低減効果が認められ、1mol%および10mol%の添加では、さらに著しい表面張力の低減効果が確認された。
【0078】
図4の表面張力の測定結果から算出した各水溶液の臨界ミセル濃度の値を表4に示す。
【0079】
【表4】
表4に示す結果のとおり、SDSの臨界ミセル濃度の値は、SFNa10mol%の添加で約二桁、1/100程度、1mol%の添加で約一桁、1/10程度、0.1mol%の添加でも数分の1程度低下することが分かった。これらの結果より、嵩高い環状ペプチド構造を有するSFNaのごく微量の添加により、LAS同様に、幅広い分野で活用されるSDSの使用量も大幅に低減できることが明らかになった。
【0080】
参考例1: サーファクチンナトリウムによるポリオキシエチレンアルキルエーテルの使用量低減効果
次に、LASおよびSDSと同様に、主要な非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(POE−AE)に対するサーファクチンナトリウム(SFNa)による使用量低減効果を、表面張力測定により検証した。具体的には、LASまたはSDSの代わりにPOE−AE(日本乳化剤株式会社製「NEWCOL2308」)を用いたこと以外は上記実施例1および実施例2と同様にして、POE−AE単独水溶液、POE−AE/SFNa混合水溶液およびSFNa単独水溶液を調製し、表面張力を測定した。結果を
図5に示す。
【0081】
図5より、POE−AE単独の場合に比べて、SFNaを50mol%添加した場合には、低濃度から優れた表面張力低下能が認められたものの、その効果はLASやSDSなどの陰イオン界面活性剤に対するものほど顕著ではなかった。また、
図5の表面張力の測定結果から算出した各水溶液の臨界ミセル濃度の値を表5に示す。
【0082】
【表5】
表5のとおり、POE−AEとSFNaの合計に対してSFNaを50mol%添加した場合の臨界ミセル濃度は、LASやSDSの場合は約三桁、1/1000程度も低い値になっていたが、POE−AEの場合、POE−AE単独の場合に比べて約一桁、1/10程度低い値になった。
【0083】
また、
図6には、POE−AE単独の場合、および、POE−AEとSFNaの合計に対してSFNaをモル比で9:1(10mol%)、99:1(1mol%)、または999:1(0.1mol%)の割合で添加した場合の表面張力の測定結果を示す。
図6より、LASやSDSの場合と異なり、POE−AEとSFNaの合計に対してSFNaを10mol%添加した場合においてのみ表面張力の低減効果が確認され、それ以外のSFNaの0.1mol%および1mol%の添加では、表面張力の低減効果が確認されなかった。
【0084】
図6の表面張力の測定結果から算出した各水溶液の臨界ミセル濃度の値を表6に示す。
【0085】
【表6】
表6に示す結果のとおり、POE−AEの臨界ミセル濃度の値は、POE−AEとSFNaの合計に対してSFNaを10mol%添加した場合で1/4程度低下したが、それ以外の1mol%および0.1mol%の添加では、POE−AE単独の場合と比べて変わらないことが判明した。
【0086】
これらの結果より、環状ペプチド構造を有するSFNaによる界面活性剤の使用量低減効果は、非イオン界面活性剤に対しても認められたが、陰イオン界面活性剤ほど顕著でないことが明らかになった。
【0087】
参考例2: サーファクチンナトリウムの固体基板上における配向性
バイヤル瓶にSFNaと超純水を1mMになるように測りとり、スターラーで攪拌することにより溶解させた。この溶液を、パスツールピペットを用いてマイカ基板上に一滴滴下して、室温で風乾させた。SFNaが配向したマイカ基板の表面形状を原子間力顕微鏡(セイコーインスツル社製「SPI4000」)によって観察した。その結果を
図7に示す。
図7(1)中、写真の下のスケールは、写真中の色と縦方向の高さとの関係を示す。
【0088】
図7より、5μm×5μmスケールにおいて、マイカ表面上に特徴的なレイヤー構造の形成が観測された。これはSFNaが会合して層構造を形成していることに由来するものである。層の厚みは約30nmであり、これはSFNaの分子長(約2.5nm)よりも十分長いことから、複数のSFNa分子によって多層構造が形成されていることが明らかになった。マイカ表面は親水性であり、SFNaの親水基である嵩高い環状ペプチド部位がマイカ表面に吸着しているものと考えられる。SFNaの環状ペプチド部位は非常に嵩高く、その分子占有面積が極めて大きいために、少量の添加で固体表面を改質することができる。さらに、SFNaは優れた配向性を示すことから、他の界面活性剤への少量の添加によっても劇的にその性能を向上させることができることが考えられる。
【0089】
参考例3: サーファクチンナトリウムの固体基板上における被膜形成
SFNaの濃度が1mM(1000ppm)になるようにSFNaと超純水をバイヤル瓶に測りとり、スターラーで攪拌することにより溶解させた。この溶液を、パスツールピペットを用いてSUS基板上(日造精密研磨株式会社製,「SUS304」,精密研磨処理品)に一滴滴下して、デシケーター内で乾燥させた。SUS基板の表面形状を原子間力顕微鏡(セイコーインスツル社製「SPI4000」)を用い、タッピングモードによって観察した。また、比較のため、SFNa溶液で処理する前のSUS基板も同様に観察した。SUS基板の原子間力顕微鏡写真を
図8に、SFNa溶液で処理したSUS基板の原子間力顕微鏡を
図9に示す。なお、
図8,9中、各写真の下のスケールは、写真中の色と縦方向の高さとの関係を示す。
【0090】
図8のとおり、SFNa溶液で処理する前のSUS基板の表面には、研磨による数ナノ程度の凹凸の存在が確認できる。それに対して、
図9のとおり、SFNa溶液で処理したSUS基板には凹凸はほとんど認められず、SFNaが会合して層構造を形成していることが観察された。このように、SUS基板上においてもSFNaが被膜を形成することが確認できた。
【0091】
参考例4: サーファクチンナトリウムの固体基板上における被膜形成
SFNaの濃度が0.025mM(25ppm)、0.0125mM(12.5ppm)または0.008mM(8ppm)になるようにSFNaと超純水をバイヤル瓶に測りとり、スターラーで攪拌することにより溶解させた。各溶液を、パスツールピペットを用いてSUS基板上(日造精密研磨株式会社製,「SUS304」,精密研磨処理品)に一滴滴下して、デシケーター内で乾燥させた。各基板の表面を、上記参考例3と同様に原子間力顕微鏡を使ってタッピングモードにより観察し、写真を撮影した。各写真を
図10(1)〜(3)に示す。なお、
図10中、各写真の下のスケールは、写真中の色と縦方向の高さとの関係を示す。
【0092】
図10(1)より明らかなように、SFNaの25ppm水溶液で処理したSUS表面には、
図8にあるSUS基板上の凹凸が確認されずに、特徴的な被膜の形成が観測された。これはSFNaが基板上で会合して層構造を形成していることに由来するものである。また、
図10(2),(3)に示す通り、さらに低濃度であるSFNaの12.5ppm水溶液および8ppm水溶液で処理したSUS表面においても同様の被膜の形成が確認された。このように、SFNaの環状ペプチド部位は非常に嵩高く、その分子占有面積が極めて大きいために、少量の添加で固体表面を改質することができる。また、SFNaは優れた配向性を示すことから、他の界面活性剤への少量の添加によっても劇的にその性能を向上させることができることが考えられる。
【0093】
実施例3: サーファクチンナトリウムによるペルフルオロオクタン酸ナトリウムの使用量低減効果
上記実施例1で用いた直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)および上記実施例2で用いたドデシル硫酸ナトリウム(SDS)と同様に、環境への影響が懸念されている陰イオン界面活性剤であるペルフルオロオクタン酸ナトリウム(PFOSNa)に対するサーファクチンナトリウム(SFNa)による使用量低減効果を、表面張力測定により検証した。
【0094】
PFOSNa水溶液を、株式会社トーケムプロダクツ製のペルフルオロオクタン酸(PFOS)を水酸化ナトリウム水溶液により中和することにより調製した。LASまたはSDSの代わりにPFOSNaを用いたこと以外は上記実施例1および実施例2と同様にして、PFOSNa単独水溶液、PFOSNa/SFNa混合水溶液およびSFNa単独水溶液を調製し、各水溶液の表面張力を測定した。結果を
図11に示す。
【0095】
図11より、PFOSNa単独の場合に比べて、SFNaを50mol%添加した場合には、極めて低濃度から優れた表面張力低下能が認められた。また、
図11の表面張力の測定結果から算出した各水溶液の臨界ミセル濃度の値を表7に示す。
【0096】
【表7】
表7のとおり、PFOSNaとSFNaの合計に対してSFNaを50mol%添加した場合の臨界ミセル濃度は、PFOSNa単独の場合に比べて、LASおよびSDSの場合と同様に約三桁、1/1000程度も低い値になることが判明した。なお、SFNaを50mol%添加した場合の臨界ミセル濃度は、SFNa単独の場合と比べても低い値となった。
【0097】
また、
図12には、PFOSNa単独の場合と、PFOSNaに対してSFNaをモル比で9:1(10mol%)、99:1(1mol%)、または999:1(0.1mol%)の割合で添加した場合の表面張力の測定結果を示す。
図12より、いずれの場合も表面張力の低減効果が認められ、10mol%の添加では、さらに著しい表面張力の低減効果が確認された。
【0098】
図12の表面張力の測定結果から算出した各水溶液の臨界ミセル濃度の値を表8に示す。
【0099】
【表8】
表8に示す結果のとおり、PFOSNaの臨界ミセル濃度の値は、SFNa10mol%の添加で約二桁、1/100程度も低下することが分かった。これらの結果より、嵩高い環状ペプチド構造を有するSFNaの添加により、環境への影響が懸念されているPFOSNaの使用量も大幅に低減できることが明らかになった。
【0100】
実施例4: サーファクチンナトリウムによるラウリン酸ナトリウムの使用量低減効果
ラウリン酸ナトリウム(LaNa)に対するサーファクチンナトリウム(SFNa)による使用量低減効果を、表面張力測定により検証した。具体的には、LaNa(和光純薬工業株式会社製)を用い、LaNa単独の場合と、LaNaに対してSFNaをモル比で9:1(10mol%)、99:1(1mol%)、または999:1(0.1mol%)の割合で添加した場合の水溶液の表面張力を測定した。結果を
図13に示す。
【0101】
図13より、0.1mol%および1mol%のSFNaの添加ではLaNa単独とほとんど変わらなかったが、10mol%の添加では表面張力の低減効果が確認された。また、0.1mol%および1mol%のSFNaの添加では、LaNa単独と同様に、表面張力が測定濃度範囲内において、ゆるやかに減少し続けたことから、それらの臨界ミセル濃度は1.0×10
-2M以上であることが分かった。一方、
図13より、LaNaに対してSFNaを10mol%添加した場合の臨界ミセル濃度は1.5×10
-5Mとなり、LaNa単独の場合に比べて、LASおよびSDSの場合と同様に少なくとも約三桁、1/1000程度も低い値になることが判明した。これらの結果より、嵩高い環状ペプチド構造を有するSFNaの添加により、LaNaの使用量も大幅に低減できることが明らかになった。
【0102】
実施例5: サーファクチンナトリウムと直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)の混合ミセル形成確認
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)にサーファクチンナトリウム(SFNa)を添加した系において、低濃度におけるミセル形成を実際に確認した。具体的には、上記実施例1と同様に、LAS単独、およびLASに対してSFNaをモル比で9:1(10mol%)の割合で添加した各種水溶液を調製した。光散乱光度計(大塚電子社製,製品名「DLS−7000」)を用い、得られた各種濃度の水溶液の散乱光強度を測定した。その際、光源にはArレーザー(λ=488nm)を用い、散乱角度は90度に設定した。なお、得られた散乱光強度と溶媒である超純水の散乱光強度の比、相対散乱光強度を濃度に対してプロットした結果を
図14に示す。
【0103】
一般的にミセル形成に伴って相対散乱光強度は上昇するところ、
図14より明らかなように、LAS単独の場合に比べ、SFNaを10mol%添加した場合には約二桁、1/100程度も低い濃度から相対散乱光強度の急激な上昇が認められた。なお、SFNaを10mol%添加した場合の散乱光強度が上昇する濃度は、上記実施例1の表面張力測定から求められた臨界ミセル濃度とよく一致した。これらの結果より、嵩高い環状ペプチド構造を有するSFNaの添加により、実際に低濃度からミセルが形成されることが明らかになった。
【0104】
実施例6: サーファクチンナトリウムによる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの乳化能における使用量低減効果
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)にサーファクチンナトリウム(SFNa)を添加した系において、低濃度におけるスクアランの乳化能を検証した。具体的には、上記実施例1と同様に、LAS単独、SFNa単独、およびLASに対してSFNaをモル比で9:1(10mol%)の割合で添加した全濃度が1.5×10
-5Mの水溶液を調製した。また、対照として、界面活性剤を添加しない超純水のみも準備した。これら水溶液または超純水1mLとスクアラン(和光純薬工業株式会社製)3mLを試験菅中に測りとり、ボルテックスミキサーで1分間撹拌した。これらの溶液を25℃で1日静置し目視観察した結果を
図15に示す。
【0105】
図15により、LASに対してSFNaを10mol%の割合で添加した場合、スクアランと水が乳化した白濁層(エマルション)が得られ、1日後も安定に存在していたのに対して、LAS(1.5×10
-6M)のみおよびSFNa(1.4×10
-5M)のみ単独で添加した場合では、界面活性剤無添加系と同様に安定なエマルションは得られず、水相と油相の二相に分離したままであった。これらの結果より、嵩高い環状ペプチド構造を有するSFNaの添加により、実際にLASの使用量を大幅に低減できることが明らかになった。