(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、バッテリーセルの収容空間を提供するケースの高温成形後の冷却収縮による変形を抑制でき、組み立てノイズが減少するバッテリーパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題及びそれ以外の課題を解決するために、本発明のバッテリーパックは、バッテリーセルと、互いに結合され、バッテリーセルを収容する第1及び第2ケースと、を備え、前記第1ケースは、前記第1ケースの縁部に沿って延び、その内部でバッテリーセルの収容空間を定義する第1リブであり、前記第1リブは、互いに交互に厚肉部及び薄肉部を備える凹凸部を持つ。
【0007】
例えば、前記第1リブの外部に形成されたフランジ部をさらに備え、前記凹凸部は、前記フランジ部と隣接している第1リブに形成される。
【0008】
例えば、前記フランジ部は、外部機器を収容するためのボスを備える。例えば、前記第1及び第2ケースは、前記フランジ部を露出させるように互いに結合される。
【0009】
例えば、前記凹凸部は、第1リブの全長に沿って延びる。例えば、前記凹凸部は、前記第1リブのコーナー部分に形成される。
【0010】
例えば、前記第1ケースは、第1ベースプレートを備え、前記第1リブは、前記第1ベースプレートから遠ざかる方向に延びる。
【0011】
例えば、前記フランジ部は、前記第1ケースのコーナー部分に形成される。例えば、前記フランジ部は、互いに離れた第1及び第2フランジ部を備える。
【0012】
例えば、前記バッテリーパックは、保護回路モジュールをさらに備え、前記第1リブは、保護回路モジュールの収容空間をさらに定義する。例えば、前記保護回路モジュールは、前記第1及び第2フランジ部の間に形成される。
【0013】
例えば、前記凹凸部は、第1凹凸部及び第2凹凸部を備え、前記第1リブは、前記第1及び第2凹凸部の間の平坦部を備える。
【0014】
例えば、前記平坦部は、前記第1及び第2ケースの結合のための結合手段を収容するための結合孔を備える。
【0015】
例えば、前記バッテリーパックは、前記第1リブからオフセットされた結合プレートをさらに備え、前記結合孔は、前記結合プレートに形成される。
【0016】
例えば、前記平坦部は、前記厚肉部と同じ厚さを持つ。例えば、前記凹凸部は、互いに離れた複数の凹凸部を備える。
【0017】
例えば、前記厚肉部の厚さ及び薄肉部の厚さは、第1ベースプレートの厚さと同一またはそれより薄い。
【0018】
例えば、前記バッテリーパックは、段差を形成するように積層された複数のバッテリーセルを備える。
【0019】
例えば、前記第2ケースは、バッテリーセルの段差形状を収容するように段差部を持つ第2ベースプレートを備える。例えば、前記厚肉部は、前記薄肉部よりバッテリーセルに向かって突出する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、バッテリーケースの高温成形後に冷却収縮による変形が発生せず、バッテリーケースの組み立てノイズが発生しないバッテリーパックが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態によるバッテリーパックについて説明する。
【0023】
図1には、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの分解斜視図が示されている。
図2及び
図3には、
図1に示した第1ケース110及び第2ケース120の斜視図がそれぞれ示されている。参考までに、
図2及び
図3で、第1及び第2ケース110、120は、組み立て軸Cを中心として旋回して互いに対向するように組み立てられる。
【0024】
図面を参照すれば、前記バッテリーパック100は、少なくとも一つ以上複数のバッテリーセル150と、前記バッテリーセル150の収容空間Gを提供するように互いに対向する方向に結合される第1及び第2ケース110、120と、を備える。
【0025】
前記第1及び第2ケース110、120は、その間に少なくとも一つ以上のバッテリーセル150を介して対向するように組み立てられ、バッテリーセル150の収容空間Gを提供する。例えば、前記第1ケース110は、第1ベースプレート111と、第1ベースプレート111から突設して収容空間Gを区切る第1リブ115と、を備える。同様に、前記第2ケース120は、第2ベースプレート121と、第2ベースプレート121から突設して収容空間Gを区切る第2リブ125と、を備える。
【0026】
前記第1及び第2ベースプレート111、121は、扁平な板状に形成され、バッテリーセル150を介して互いに対向して配される。全体的に前記第1及び第2ベースプレート111、121は、互いに対応する形状を持つことができ、長辺方向(x方向)に延びる一対の長辺と、短辺方向(y方向)に延びる一対の短辺とを備える略長方形に形成される。
【0027】
本発明の一実施形態で、前記第1及び第2ベースプレート111、121は、互いに異なる形状に形成される。すなわち、第1ベースプレート111は、長方形に形成され、第2ベースプレート121は、第1ベースプレート111のフランジ部114と対向しない形状を持つ。後述するように、前記フランジ部114は、バッテリーパック100と機器本体(図示せず)との結合を媒介するものであるため、第2ベースプレート121がフランジ部114と機器本体(図示せず)との間に介入しないように、第2ベースプレート121とフランジ部114とは互いに排他的な位置に形成される。
【0028】
言い換えれば、前記第1ベースプレート111のフランジ部114は、第2ベースプレート121から逸脱した位置に形成される。例えば、前記フランジ部114は、第1ベースプレート111の左右両端のコーナー部分に長辺方向(x方向)に沿って形成(部分的に)され、前記第2ベースプレート121は、コーナー部分のフランジ部141を回避して内側に引き込まれた形状、即ち、相対的に長辺方向(x方向)の中央部が突出した形状を持つ。前記第2ベースプレート121の突出部分は、第1ベースプレート111と共に回路収納空間G2を形成するための回路収納部122を形成する。
【0029】
一方、前記第1ベースプレート111は、機器本体(図示せず)に組み立てられることで、全体機器の外観一部を形成し、第1ベースプレート111の下面には、全体機器を支持するためのゴムパッド(図示せず)が形成される。
【0030】
前記第1及び第2リブ115、125は、前記第1及び第2ベースプレート111、121のエッジから突出する。前記第1及び第2リブ115、125は、バッテリーセル150を取り囲んで収容空間Gを区切るように互いに対応する位置に形成される。例えば、前記第1及び第2リブ115、125は、収容空間Gを密閉するように閉ループ状に設けられる。
【0031】
前記第1リブ115は、第1ベースプレート111のエッジに沿って形成されるものの、フランジ部114を迂回してその内側に形成される。すなわち、前記フランジ部114は、直接機器本体(図示せず)と対向して配されて機器本体(図示せず)との結合を媒介するものであるため、バッテリーパック100の収容空間Gは、フランジ部114の結合を妨害しない位置に形成される。すなわち、バッテリーパック100の収容空間Gは、フランジ部114と排他的な位置に形成される。一方、前記第2リブ125は、第2ベースプレート121のエッジに沿って形成される。
【0032】
図2及び
図3を参照すれば、前記第1及び第2リブ115、125には、第1及び第2ケース110、120の結合を媒介する結合手段118、128が形成される。例えば、前記第1及び第2ケース110、120が互いに対向して結合される時、前記第1及び第2リブ115、125は、互いに当接するように組み立てられ、互いに対応する位置に形成された結合手段118、128により互いに結合される。
【0033】
図4ないし
図6にはそれぞれ、
図2のIV部分と、V部分、VI部分を拡大した斜視図が示されており、
図7には、
図3のVII部分を拡大した斜視図が示されている。
【0034】
図面を参照すれば、前記第1及び第2リブ115、125には、第1及び第2ケース110、120の結合のための結合手段118、128が形成される。例えば、前記第1及び第2結合手段118、128は、フック結合を形成する。後述するように、前記第1結合手段118は、第1リブ115からオフセットされた位置に配され、かつ結合孔118’が形成された結合プレートを備える。そして、前記第2結合手段128は、前記結合孔118’に挟み込んで締結される係止爪を備える。第2リブ125側に形成された係止爪(第2結合手段)128が第1リブ115側に形成された結合孔118’にかかって支持されることで、相互離脱が阻止される。
【0035】
以下は、
図2及び
図4ないし
図6を参照して、第1リブ115の凹凸部115aについて説明する。
【0036】
図面を参照すれば、前記第1リブ115には凹凸部115aが形成される。例えば、前記凹凸部115aは、収容空間Gと対向する第1リブ115の内側面に形成される。
【0037】
前記凹凸部115aは、収縮防止のための目的に寄与する。例えば、前記第1及び第2ケース110、120は、高温成形により適正形状に形成される。この時、前記凹凸部115aは、冷却収縮を防止するための目的に寄与する。
【0038】
後述するように、前記凹凸部115aは、第1リブ115の長手方向に沿って厚肉部及び薄肉部が繰り返される凹凸パターンを含むことで、第1リブ115の収縮を防止しつつも適正の厚さを維持し、第1リブ115上に組み立てられる第2リブ125を安定して支持する。
【0039】
前記凹凸部115aは、第1リブ115に沿ってその長さほど全体的に形成されても、第1リブ115の一部区間に対して選択的に形成されてもよい。さらに具体的に本発明の一実施形態で、前記凹凸部115aは、第1リブ115の一部区間に選択的に形成される。本発明の一実施形態で、前記凹凸部115aは、第1リブ115のうちフランジ部114と境界を形成する第1リブ115に形成される。言い換えれば、前記凹凸部115aは、フランジ部114と収容空間Gを区切る第1リブ115に形成される。
【0040】
前記フランジ部114は、バッテリーパック100と機器本体との組み立てを媒介するためのものであり、前記フランジ部114上には組み立て手段114aが形成されている。もし、フランジ部114と境界をなす第1リブ115に収縮変形が発生すれば、フランジ部114に歪み(warpage)をもたらし、これは機器本体との組み立て自体を困難にする。
【0041】
例えば、本発明の一実施形態で、前記フランジ部114には、機器本体との組み立てのための組み立て手段114aとしてボスが形成され、前記組み立て手段114aには、ねじ結合のための締結孔が形成される。フランジ部114に歪みが発生する場合、ボス位置やボスの直立度などが歪曲して機器本体との結合が困難になるため、フランジ部114と当接する第1リブ115に選択的に凹凸部115aを形成する。
【0042】
一方、本発明の他の実施形態で、前記凹凸部115aは、第1リブ115の長手方向に沿って全体的に形成され、この時にも前記凹凸部115aは、第1リブ115の収縮変形を防止して組み立てノイズを改善させる効果を奏するということはいうまでもない。
【0043】
前記フランジ部114と凹凸部115aとの位置関係について、さらに具体的に説明すれば、次の通りである。例えば、前記フランジ部114は、第1ベースプレート111の長辺方向(x方向)に沿って左右両側に第1フランジ部1141及び第2フランジ部1142を備え、前記第1及び第2フランジ部1141、1142を取り囲む第1リブ115に凹凸部115aが形成される。
【0044】
図5を参照すれば、前記フランジ部114は、第1ベースプレート111のコーナー位置に形成され、フランジ部114を取り囲むように屈折した形態の第1リブ115に沿って凹凸部115aが形成される。すなわち、前記凹凸部115aは、フランジ部114を取り囲むように屈折した第1リブ115に沿って形成され、互いに異なる2つの方向(x、y方向)に延びる第1リブ115上にわたって形成される。
【0045】
互いに異なる2つの方向(x、y方向)に分岐される第1リブ115のコーナー部分には、凹凸部115aが設けられる。例えば、前記凹凸部115aは、第1リブ115の長手方向に沿って間歇的な位置に選択的に形成されるが、第1リブ115のコーナー部分には凹凸部115aが形成されることが望ましい。互いに異なる2つの方向(x、y方向)に分岐されるコーナー部分では、高温成形後に冷却収縮時に互いに異なる2つの方向(x、y方向)に収縮応力を受け、これによって収縮応力が集中する。例えば、第1リブ115のコーナー部分では、集中する収縮応力によって、その他の部分に比べて相対的に多い体積収縮が発生する。よって、コーナー部分に凹凸部115aを設けることで、コーナー部分の収縮応力を低減させてフランジ部114に伝播される応力を最小化させることが望ましい。
【0046】
図5とは異なって、
図6では互いに異なる2つの方向(x、y方向)に分岐される第1リブ115のコーナー部分にかけて凹凸部115aが形成されず、いずれか一方向(y方向)に延びる第1リブ115には凹凸部115aが形成され、他の一方向(x方向)に延びる第1リブ115には、実質的に均一な厚さを持つ平坦部115bが形成されている。後述するように、前記平坦部115bには第2ケース120との結合のための第1結合手段118が形成されるので、結合を妨害しないように相対的に滑らかな面を持つ平坦部115bが形成される。一方、
図6で図面番号117は、回路収納空間G2に収納される回路部を固定させるための締結部材を示す。
【0047】
図2を参照すれば、前記凹凸部115aは、第1リブ115の長手方向に沿って間歇的に形成され、前記第1リブ115の凹凸部115aの間には、実質的に均一な厚さを持つ平坦部115bが形成される。
【0048】
前記平坦部115bには第1結合手段118が形成される。前記第1結合手段118は、第2結合手段128と共に締結を形成することで、第1及び第2ケース110、120が互いに離脱しないように結合される。前記平坦部115bは、第1及び第2結合手段118、128の結合位置を提供する。例えば、前記平坦部115bは、第2結合部128との結合を妨害しないように均一な厚さを持つ相対的に滑らかな面を持つ。
【0049】
前記第1結合手段118は、平坦部115bからオフセットされた位置に配され、結合孔118’が形成された結合プレートを備える。例えば、前記第2結合手段128(係止爪)は、平坦部115bと結合プレート118との間を介して結合孔118’に挟み込んで固定され、均一な厚さの滑らかな面を持つ平坦部115bにより進入抵抗を低減させる。前記結合部材118は、平坦部115bからオフセットされた位置で平行に延び、全体的に扁平な斑状に形成される。
【0050】
前記第1結合手段118は、第1リブ115の全長にかけて形成される。ここで、第1リブ115の全長にかけて形成されるというのは、フランジ部114と境界をなす部分に限らず、バッテリーセル150を取り囲むように延びる第1リブ115の全長にかけて形成されるということである。
【0051】
前記第1結合手段118は、第1リブ115の長手方向に沿って間歇的に形成される。前記第1及び第2結合手段118、128は、互いに締結をなすように対応する位置に形成され、第1及び第2ケース110、120間の堅い締結を形成するように、第1及び第2リブ118、128の全長にかけて形成される。
【0052】
例えば、前記第1リブ115の長手方向に沿って間歇的な位置には、第1リブ115と平行に延びる結合プレート(第1結合手段118)が配される。そして、前記結合プレート118には、第2結合手段128(係止爪)が係止される結合孔118’が形成される。前記第2結合手段128は、前記第1リブ115と結合プレート118との間を通じて進入して結合孔118’に結着される。
【0053】
図1を参照すれば、前記フランジ部114は、第1ベースプレート111の長辺方向(x方向)に沿って所定位置に形成され、例えば、長辺方向(x方向)に沿って左右両側のコーナー位置に形成される。例えば、前記フランジ部114は、前記第1ベースプレート111の左右コーナーに形成された第1及び第2フランジ部1141、1142を備える。前記第1フランジ部1141は、第2フランジ部1142より長く延び、長辺方向(x方向)にコーナー位置から相対的に長く延びる。
【0054】
後述するように、前記第1及び第2フランジ部1141、1142の間には、バッテリーセル150の充放電動作を制御するための保護回路モジュール130が収容される回路収納空間G2が設けられる。第1及び第2フランジ部1141、1142間の空間を活用して保護回路モジュール130を収納させることで、全体的なバッテリーパック100の構造をコンパクト化させる。
【0055】
前記フランジ部114は、機器本体との結合を媒介するためのものであり、機器本体との結合のためのボスなどの組み立て手段114aが形成され、前記ボスには、ねじ結合のためのねじ締結孔が形成される。例えば、前記組み立て手段114aは、フランジ部114の上面から上方に突設されるが、締結対象になる機器本体との整合のためのいかなる構造でも形成される。
【0056】
前記フランジ部114には、強度補強部114bが形成される。前記フランジ部114は、機器本体との結合を媒介するためのものであり、機器本体との結合のためのボスなどの組み立て手段114aが形成されるため、フランジ部114に収縮変形などが形成される場合、機器本体との組み立てが困難であるからである。例えば、前記強度補強部114bは、フランジ部114の上面に突設したストライプパターンのリブ構造に形成される。
【0057】
図8は、
図4の凹凸部115aを拡大図示した平面図である。図面を参照すれば、前記凹凸部115aは、第1リブ115の長手方向に沿って厚肉部1151及び薄肉部1152が繰り返される凹凸パターンを含む。例えば、前記厚肉部1151及び薄肉部1152は、互いに異なる第1及び第2厚さt1、t2にそれぞれ形成される。
【0058】
前記凹凸部115aは、収縮防止のための目的に寄与する。例えば、前記第1及び第2ケース110、120は、高温成形により適正形状に形成される。この時、前記凹凸部115aは、冷却収縮を防止するための目的に寄与する。
【0059】
前記凹凸部115aは、第1リブ115の長手方向に沿って厚肉部1151及び薄肉部1152が繰り返される凹凸パターンを含むことで、第1リブ115の収縮を防止しつつも適正の厚さを維持し、第1リブ115上に組み立てられる第2リブ125を安定して支持する。
【0060】
前記第1リブ115は、第1ベースプレート111から突設し、互いに隣接している第1リブ115及び第1ベースプレート111は、厚さの大小関係によって冷却収縮時に互いに応力を作用する。後述するように、第1ベースプレート111より第1リブ115がさらに厚く形成される場合、第1リブ115の体積収縮で第1ベースプレート111が引き寄せられつつ歪みが発生する恐れがあるため、前記凹凸部115aの厚さ、即ち、厚肉部1151及び薄肉部1152の厚さt1、t2は、第1ベースプレート111の厚さと同一またはそれより薄く形成される。
【0061】
本発明の一実施形態で、前記厚肉部1151の第1厚さT1及び薄肉部1152の第2厚さT2は、0.6mm〜0.8mm範囲に設定される。さらに具体的に、前記厚肉部1151の第1厚さT1は0.8mmに、前記薄肉部1152の第2厚さT2は0.6mmに設計される。この時、前記第1ベースプレート111は0.8mm厚さに形成される。
【0062】
図9には、本発明と比較される第1比較例による第1リブ15の構造が示されている。前記第1リブ15は、第1ベースプレート11から上方に突設し、第1ベースプレート11の厚さt01より厚い厚さt02に形成される。前記第1リブ15及び第1ベースプレート11は、高温成形後の冷却により収縮変形を経験し、相対的に厚く形成された第1リブ15が、第1ベースプレート11より相対的に強い収縮応力を受け、第1リブ15が厚さ方向に収縮されつつ第1ベースプレート11を上方に引き上げる。
【0063】
第1リブ15及び第1ベースプレート11は、収縮変形時に相互干渉を引き起こすが、相対的に強い収縮が発生する第1リブ15が体積収縮を引き起こしつつ第1ベースプレート11を引き寄せる。結果的に、第1ベースプレート11は第1リブ15側に凹状になっており、全体的に平坦ではなくて歪曲した形状を持つ、いわゆる歪みが形成される。
【0064】
図10には、本発明と対比される第2比較例による第1リブ15’の形状が示されている。前記第1リブ15’は、第1ベースプレート11’から突設し、第1ベースプレート11’と当接する下部15a’は相対的に薄い厚さに形成され、上部15b’は相対的に厚い厚さに形成される。これは、第1リブ15’の収縮変形と、干渉効果による第1ベースプレート11’の歪みとを考慮したものであるが、第1リブ15’の全長にかけて厚い上部15b’及び薄い下部15a’を形成するのは、第1リブ15’の金型設計を困難にし、第1リブ15’の構造的な強度が弱くなるという短所がある。
【0065】
図11A及び
図11Bには、本発明と対比される第3比較例による第1リブ15”の形状が示されている。
図11A及び
図11Bには、それぞれ収縮変形以前及び以後の第1リブ15”の形状が示されている。
【0066】
前記第1リブ15”は、第1ベースプレート11”から突設し、前記第1リブ11”は、全体的に薄く形成される。第1リブ15”の収縮変形及び第1リブ15”の金型設計を含む量産過程を考慮したものであるが、バッテリーパックの緩い結合をもたらして組み立てノイズを生じ、組み立て強度を弱める短所がある。
【0067】
さらに具体的に、第1リブ15”は、バッテリーパックの組み立て時に第2リブ25”と当接し、第2リブ25”を支持する支持構造を提供する。収縮変形により、前記第1リブ15”が第2リブ25”より薄く収縮されることで、第1リブ15”と第2リブ25”との当接面積が減少し、緩い結合を形成する。例えば、第1リブ15”が第2リブ25”と精巧な整合を形成せずに第2リブ25”より薄く収縮されることで、第1リブ15”の組み立て位置が正確に定義されずに組み立てノイズを引き起こす。
【0068】
図8に示した本発明の一実施形態では、第1リブ115を全体的に厚く形成するか、または全体的に薄く形成するものではなく、第1リブ115の長手方向に沿って厚肉部1151及び薄肉部1152が繰り返して交互する凹凸部115aを形成することで、前記第1ないし第3比較例による問題点を根本的に解消することができ、第1リブ115の冷却収縮を低減させつつも金型設計などの量産性問題をもたらさず、また第2リブ125との結合による組み立てノイズの問題を発生させない。
【0069】
図8を参照すれば、前記凹凸部115aと隣接している位置、すなわち、凹凸部115aの間には平坦部115bが形成される。前記平坦部115bは、第1リブ115の長手方向に沿って均一な第3厚さt3を持つ。
【0070】
例えば、平坦部115bの第3厚さt3は、凹凸部115aのうち厚肉部1151と同じ厚さ(第1厚さ)t1に形成されうるが、相対的に厚く形成されることで第2リブ125と当接する面積を増大させ、特に結合位置の第2リブ125を安定して支持する。但し、本発明はこれに限定されず、例えば、前記平坦部115bの第3厚さt3は、厚肉部1151の厚さT1と薄肉部1152の厚さT2との間の範囲で定められる。
【0071】
以下、
図1を参照して本発明の一実施形態によるバッテリーパック100の全体構造について説明する。
【0072】
前記第1及び第2ケース110、120は、少なくとも一つ以上複数のバッテリーセル150を介在して互いに対向する方向に組み立てられ、バッテリーセル150の収容空間Gを区切る。例えば、前記第1ケース110は、バッテリーセル150の第1主面150aと対向して配される第1ベースプレート111と、第1ベースプレート111で突設してバッテリーセル150を取り囲む第1リブ115と、を備える。類似して、第2ケース120は、バッテリーセル150の第2主面150bと対向して配される第2ベースプレート121と、第2ベースプレート121から突設してバッテリーセル150を取り囲む第2リブ125と、を備える。
【0073】
前記バッテリーセル150の第1及び第2主面150a、150bとは、バッテリーセル150が略六面体に形成されるとする時に最も大きい面積を占める面であり、第1及び第2主面150a、150bは互いに逆の位置に配される。
【0074】
前記第1及び第2ケース110、120によって区画される収容空間Gは、バッテリーセル150の収納のためのセル収納空間G1と、バッテリーセル150充放電動作を制御するための回路部の収納のための回路収納空間G2と、を備える。
【0075】
例えば、前記セル収納空間G1は、収容空間Gの大部分の面積を占め、全体バッテリーパック100に要求される出力性能を合わせるために適当数のバッテリーセル150を収容する。例えば、本発明の一実施形態で、前記セル収納空間G1には6個のバッテリーセル150が収容される。
【0076】
バッテリーセル150の配置に関して、バッテリーセル150は、互いに平行に(side by side)同じレベルをなすように並列に配され、いずれか一つのバッテリーセル150上に他のバッテリーセル150が積もって互いに異なる上位/下位レベルをなすように積層される。このようなバッテリーセル150の並列配置または積層配置は互いに混用される。
【0077】
例えば、本発明の一実施形態で、互いに平行に配された4個のバッテリーセル150が1層を形成し、その上に2個のバッテリーセル150が2層を形成する。さらに具体的に、第1ケース110上に4個のバッテリーセル150が平行に配され、このように配された4個のバッテリーセル150上に、左右両端に2個のバッテリーセル150が積層される。
【0078】
隣接するバッテリーセル150が互いに異なる層数に積層された時、隣接するバッテリーセル150の第2主面150bは、互いに高さ段差150cを形成する。そして、前記第2主面150b上に配される第2ケース120は、第2主面150bのプロファイルに整合される段差120a形状を持つ。さらに具体的に、前記第2ケース120は、長辺方向(x方向)に沿って左右両端が上方にオフセットされた段差120aを持つ。このような第2ケース120の段差120aは、選択的に2層に積層された左右両端のバッテリーセル150に密着されてバッテリーセル150を堅く位置固定させ、無駄使いの空間なしに全体バッテリーパック100をコンパクト化するためのものである。
【0079】
前記バッテリーセル150は、再充電可能な二次電池であり、例えば、リチウム−イオン電池で構成される。前記バッテリーセル150は、電極組み立て体(図示せず)及び電極組み立て体を収容する外装材151を備える。図面に図示されてはいないが、前記電極組み立て体(図示せず)は、例えば、正極板と負極板及びこれらの間に介在されたセパレータを積層した後、ゼリーロール状に巻き取って形成される。前記外装材151は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されるが、これらに限定されるものではない。
【0080】
前記バッテリーセル150の外部には、バッテリーセル150と保護回路モジュール130との電気的な連結を媒介する柔軟性回路基板140(FPCB;Flexible Printed Circuit Board)が配される。前記柔軟性回路基板140は、バッテリーセル150から生成された電力を引き出すか、または外部充電器(図示せず)からの充電電力を入力するための配線を提供する。前記柔軟性回路基板140は、バッテリーセル150の電極組み立て体(図示せず)と電気的な連結を形成し、電極組み立て体の電力を外部に引き出す。
【0081】
前記柔軟性回路基板140は、互いに隣接して配されたバッテリーセル150を電気的に結束させる役割を行うが、例えば、互いに隣接して配されたバッテリーセル150らを直列接続するために、互いに逆の極性同士で連結するか、または互いに隣接するように配されたバッテリーセル150を並列接続するために、互いに同じ極性同士で連結する。前記直列接続または並列接続は混用されてもよく、例えば、上下方向に積層されたバッテリーセル150を並列接続すると同時に、互いに平行に配されたバッテリーセル150を直列接続する。
【0082】
前記柔軟性回路基板140は、複数のバッテリーセル150らを電気的に結束させ、充放電経路を形成するための配線を備え、外部環境からの絶縁のための絶縁フィルムを備える。
【0083】
前記収容空間Gの一側には回路収納空間G2が設けられる。前記回路収納空間G2には、バッテリーセル150充放電動作を制御するための保護回路モジュール130が収容される。例えば、前記保護回路モジュール130は、バッテリーセル150充放電動作を制御するためのものであり、例えば、各バッテリーセル150の状態をモニタリングするためにバッテリーセル150の電流、温度などの状態変数を測定し、バッテリーセル150充放電を制御する。また、過充電、過放電または過電流などの誤動作を予め捕捉して過熱及び爆発を防止するための安全動作を行う。
【0084】
前記保護回路モジュール130は、バッテリーセル150充放電経路上に配されて充放電経路の開閉を制御することができ、このためにスイッチング素子などを含む。前記保護回路モジュールの一側には、機器本体への電力の供給のためのコネクタ(図示せず)が設けられる。
【0085】
前記回路収納空間G2は、バッテリーセル150と電気的に連結された保護回路モジュール130を収容するためのものであり、バッテリーセル150との接続のために、バッテリーセル150の端子が向かう収容空間Gのエッジ側に配される。この時、回路収納空間G2の両側には第1及び第2フランジ部1141、1142が配される。第1及び第2フランジ部1141、1142と回路収納空間G2とを効率的に配置することで、無駄使いの空間なしにバッテリーパック100をコンパクト化させる。
【0086】
本発明は図面に示した実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。よって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。