特許第6556040号(P6556040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556040
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】バイト切削装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20190729BHJP
   B23Q 3/08 20060101ALI20190729BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   H01L21/304 631
   B23Q3/08 A
   H01L21/68 N
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-238491(P2015-238491)
(22)【出願日】2015年12月7日
(65)【公開番号】特開2017-107906(P2017-107906A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 雅之
(72)【発明者】
【氏名】波岡 伸一
(72)【発明者】
【氏名】生島 充
(72)【発明者】
【氏名】本田 慎一
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−118324(JP,A)
【文献】 特開2004−165582(JP,A)
【文献】 特開2007−019433(JP,A)
【文献】 特開2002−012320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B23Q 3/08
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、該保持面と直交して回転するスピンドルの先端に装着され該チャックテーブルに保持された被加工物を旋回切削する切り刃を有するバイト切削手段と、を備え、中央のデバイス領域と該デバイス領域を囲繞する端材領域とを備える板状の被加工物を旋回切削するバイト切削装置であって、
該チャックテーブルは、
被加工物の該デバイス領域を吸引保持するデバイス保持部と、
該デバイス保持部の周囲に形成され、該端材領域を吸引保持する端材保持部と、
該デバイス保持部と該端材保持部とを支持する支持基台部と、を備え、
該端材保持部は、該支持基台部に着脱自在に固定され、被加工物の該端材領域の形状に応じて交換可能なことを特徴とするバイト切削装置。
【請求項2】
該デバイス保持部と該端材保持部は、該切り刃で切削可能な材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のバイト切削装置。
【請求項3】
該端材保持部の保持面は、該デバイス保持部に隣接する内周側から外周縁側に向かって、該バイト切削手段の該切り刃から離間する方向へ傾斜する傾斜面に形成されている請求項1又は2記載のバイト切削装置。
【請求項4】
該端材保持部の外周に、該デバイス保持部の該保持面より上面が低く設定された突き当て部を更に備え、
該突き当て部は、該端材保持部の該傾斜面に沿って保持される被加工物の外周が突き当たることにより、該チャックテーブルの所定の位置に被加工物を位置付ける請求項3記載のバイト切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を旋回切削するバイト切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
保持面を有するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物の表面と平行な方向に回転するバイトホイールを有する切削ユニットとを備えたバイト切削装置は、チャックテーブルを水平方向に移動させながら、回転するバイトホイールの切り刃を被加工物の表面に作用させることにより、被加工物の表面全面を切り刃で旋回切削することができる(例えば、特開2009-012105号公報参照)。
【0003】
チャックテーブルは、切り刃によって保持面を切削して、切り刃に対し保持面を平坦に形成できるように、切削し易いニッケル等の金属で形成され吸引源に接続された複数の吸引孔を有するチャックテーブル、又はピンチャックテーブルが用いられている(例えば、特開2010−036321号公報参照)。
【0004】
バイト切削装置は、半導体デバイスの表面に形成された50〜100μmの突起状のバンプ(電極)の頭部を平坦に切削するのに用いられたり、金属や樹脂基板で形成されたパッケージ基板の表面を平坦化し、埋没したバンプを露出させたりするために用いられたりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−012105号公報
【特許文献2】特開2010−036321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、バイト切削装置は上述したようにパッケージ基板の表面を平坦化する際に用いられるが、パッケージ基板は同じ大きさの基板を用いて複数のデバイスを形成する場合にも、製品が異なると端材部分のデザイン(特に、バイト切削工程以外の工程で搬送等のために用いる穴の位置)が変わることが多く、端材領域を吸引保持する際にリークが発生するため、端材領域のデザイン毎にチャックテーブルを交換する必要があり、非常にコストがかかるという課題が発生していた。
【0007】
また、厚さ300μm〜1mmという非常に薄く腰のない材料からなる被加工物を旋回切削する場合には、チャックテーブルで被加工物を保持する際に、位置決めするのが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被加工物の端材のデザイン毎にチャックテーブル全体を交換する必要のないバイト切削装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、該保持面と直交して回転するスピンドルの先端に装着され該チャックテーブルに保持された被加工物を旋回切削する切り刃を有するバイト切削手段と、を備え、中央のデバイス領域と該デバイス領域を囲繞する端材領域とを備える板状の被加工物を旋回切削するバイト切削装置であって、該チャックテーブルは、被加工物の該デバイス領域を吸引保持するデバイス保持部と、該デバイス保持部の周囲に形成され、該端材領域を吸引保持する端材保持部と、該デバイス保持部と該端材保持部とを支持する支持基台部と、を備え、該端材保持部は、該支持基台部に着脱自在に固定され、被加工物の該端材領域の形状に応じて交換可能なことを特徴とするバイト切削装置が提供される。
【0010】
好ましくは、チャックテーブルのデバイス保持部と端材保持部は切り刃で切削可能な材料から形成されている。好ましくは、端材保持部の保持面は、デバイス保持部に隣接する内周側から外周縁側に向かって、バイト切削手段の切り刃から離間する方向へ傾斜する傾斜面とされている。
【0011】
好ましくは、該端材保持部の外周に、該デバイス保持部の該保持面より上面が低く設定された突き当て部を更に備え、該突き当て部は、該端材保持部の該傾斜面に沿って保持される被加工物の外周が突き当たることにより、該チャックテーブルの所定の位置に被加工物を位置付ける。
【発明の効果】
【0012】
本願発明のバイト切削装置によると、端材領域を保持する端材保持部を着脱自在に形成したため、被加工物の端材領域のデザインが変わっても、端材保持部だけを交換するだけで対応できるため、コスト増を抑制することができる。
【0013】
更に、チャックテーブルの端材保持部のセルフ切削が可能であるため上面精度も維持することができ、外周に向かって傾斜していることで、被加工物の端材領域部分が厚く出来ている場合でも、端材領域を保持してしまえば加工中に端材が切り刃に接触してしまうことを防止できる。
【0014】
また、デバイス保持部の保持面より上面が低く設定された突き当て部を端材保持部の外周に備えることで、非常に薄い被加工物を旋回切削する装置でも、切り刃が突き当て部に衝突することを防止できると共に、突き当て部に被加工物を突き当てることにより非常に薄く腰の弱い被加工物をチャックテーブル上の所定の位置に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明実施形態に係るバイト切削装置の斜視図である。
図2図2(A)は板状の被加工物の平面図、図2(B)はその断面図である。
図3】板状の被加工物をチャックテーブルに搭載する様子を示す平面図である。
図4図4(A)は端材保持部の平面図、図4(B)は端材保持部の底面図である。
図5図5(A)はチャックテーブルで板状の被加工物を吸引保持する様子を示す一部断面側面図、図5(B)はチャックテーブルで板状の被加工物を保持した状態の一部断面側面図である。
図6】端材領域の異なるデザインの被加工物をチャックテーブル上に搭載する様子を示す平面図である。
図7図7(A)は図6に示した被加工物の端材領域を保持するのに適した第2実施形態に係る端材保持部の平面図、図7(B)はその底面図である。
図8】チャックテーブルの突き当て部に被加工物を突き当てて位置決めしている状態のチャックテーブルの一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係るバイト切削装置2の外観斜視図が示されている。4はバイト切削装置2のベースであり、ベース4の後方にはコラム6が立設されている。コラム6には、上下方向に伸びる一対のガイドレール8が固定されている。
【0017】
この一対のガイドレール8に沿ってバイト切削ユニット(バイト切削手段)10が上下方向に移動可能に装着されている。バイト切削ユニット10は、スピンドルハウジング12と、スピンドルハウジング12を保持する支持部14を有しており、支持部14が一対のガイドレール8に沿って上下方向に移動する移動基台16に取り付けられている。
【0018】
バイト切削ユニット10は、スピンドルハウジング12中に回転可能に収容されたスピンドル18と、スピンドル18を回転駆動するモータ20と、スピンドル18の先端に固定されたホイールマウント22と、ホイールマウント22に着脱可能に装着されたバイトホイール24とを含んでいる。バイトホイール24は、ホイール基台26と、ホイール基台26に着脱可能に装着された切り刃28とを有している。
【0019】
バイト切削装置2は、バイト切削ユニット10を一対の案内レール8に沿って上下方向に移動するボールねじ30とパルスモータ32とから構成されるバイト切削ユニット送り機構34を備えている。パルスモータ32を駆動すると、ボールねじ30が回転し、バイト切削ユニット10が上下方向に移動される。
【0020】
ベース4の上面には凹部4aが形成されており、この凹部4aにチャックテーブル機構36が配設されている。チャックテーブル機構36はチャックテーブル38を有し、図示しない移動機構によりY軸方向に移動される。42は移動機構をカバーする蛇腹である。ベース4の前方側には、バイト切削装置2のオペレータがバイト切削条件等を入力する操作パネル44が配設されている。
【0021】
図2(A)を参照すると、本発明のバイト切削装置で切削加工する板状の被加工物11の平面図が示されている。図2(B)は被加工物11の断面図である。被加工物11は、金属プレートに樹脂を積層した積層プレートであり、パッケージ基板を構成する中間部材である。その厚さは300μm〜1mmという非常に薄く形成されており、非常に腰の弱い材料であり撓み易いという特性を有している。
【0022】
被加工物11は複数のデバイスが搭載されるデバイス領域13と、デバイス領域13を囲繞する端材領域15A,15Bを有している。デバイス領域13は、区分線17により6つのデバイス領域13に分割されており、各デバイス領域13は格子状に形成された分割予定ライン19により区画され、区画された各領域21はデバイスが搭載されるデバイス搭載部となっている。
【0023】
被加工物11のデバイス領域13には、各デバイス搭載部21に搭載されるデバイスに対応して複数のビアホールが形成されており、各ビアホールの上面は樹脂層により被覆されている。
【0024】
端材領域15A,15Bには、被加工物11を他の工程で利用される貫通孔23が形成されている。図2(A)で横方向に伸びる端材領域15Aには2個の貫通孔23が形成されており、縦方向に伸びる端材領域15Bには3個の貫通孔23が形成されている。
【0025】
図3を参照すると、被加工物11をチャックテーブル38に搭載する様子を示す平面図が示されている。図5を合わせて参照すると、チャックテーブル38は、チャックテーブルベース46と、チャックテーブルベース46上に搭載された支持基台部48と、支持基台部48上に着脱可能に固定される端材支持部50A,50Bとを有している。
【0026】
被加工物11のデバイス領域13を吸引保持するデバイス保持部40は、バイトホイール24の切り刃28で切削可能な材料であるアルミニウム合金又はSUSにニッケルメッキを施した材料からなり、デバイス保持部40を上下に貫通する多数の吸引孔41を有している。
【0027】
デバイス保持部40は、被加工物11の区分線17に対応する格子形状の吸引部40aを有しており、吸引部40aによりデバイス保持部40は被加工物11の6個のデバイス領域13に対応して6個のデバイス保持部40に区分されている。ここで注意すべきは、吸引部40aには他のデバイス保持部40より密度が高く吸引孔41が形成されている。
【0028】
図4(A)を参照すると、端材保持部50Aの平面図が示されている。図4(B)は端材保持部50Aの底面図である。図4(A)に示すように、端材保持部50Aはその上面に、中央部分に形成された細長い吸引溝62と、両端部分に形成された吸引溝62aを有している。
【0029】
一方、図4(B)に示すように、端材保持部50Aの底面には、中央部分に細長いザグリ部64が形成されていると共に、両端部分にはザグリ溝64aが形成されている。吸引溝62は複数の貫通孔66でザグリ部64に連通しており、吸引溝62aは図示しない貫通孔によりザグリ部64aに連通している。
【0030】
再び図3を参照すると、チャックテーブル38のチャックテーブルベース46には、5個の負圧開閉弁52a〜52eが取り付けられており、各負圧開閉弁52(52a〜52e)は図5に示すように、吸引源56に接続されている。
【0031】
図3及び図5を参照すると、中央に配設された負圧開閉弁52aが吸引路54を介してデバイス保持部40に連通しており、負圧開閉弁52bは吸引路54を介して図3で上側に配設された端材保持部50Aの吸引溝62,62aに連通しており、負圧開閉弁52cは吸引路54を介して下側に配設された端材保持部50Aの吸引溝62,62aに連通している。
【0032】
更に、負圧開閉弁52dは吸引路54を介して図3で左側に配設された端材保持部50Bの吸引溝に連通しており、負圧開閉弁52eは吸引路54を介して右側に配設された端材保持部50Bの吸引溝に連通している。各負圧開閉弁52a〜52eはそれぞれ独立してその開閉が制御される。
【0033】
図6に示すように、支持基台部48には、端材保持部50Aの貫通孔60に対応して一対のねじ穴61が形成されている。また、端材保持部50Aを、図5に示すように、ねじ68で支持基台部48にねじ止めした際、端材保持部50Aのザグリ部64,64aに連通する複数の吸引孔63が形成されている。
【0034】
図3でデバイス保持部40の左右に配設された端材保持部50Bの構成は上下に配設された端材保持部50Aの構成に類似しており、それぞれ上面に吸引溝が形成され、底面に吸引溝に連通するザグリ部が形成されている。ここでは、図面を参照しての端材保持部50Bの説明は省略する。
【0035】
図3では省略されているが図8に示すように、例えば図3で下側の端材保持部50Aに隣接して突き当て部70がねじ72により支持基台部48に固定されている。突き当て部70の上面の高さはデバイス保持部40の保持面(上面)の高さH未満の高さに設定されている。
【0036】
また、端材保持部50Aの上面は傾斜面50aに形成されている。同様に、端材保持部50Bの上面もデバイス保持部40に隣接する内周側から外周縁側に向かって低くなる傾斜面に形成されている。
【0037】
次に、図3図5及び図8を参照して、腰が弱く非常に撓み易い板状の被加工物11をチャックテーブル38上に吸引保持する方法について説明する。まず、図8に示すように、被加工物11の一端部を端材保持部50Aの傾斜面50aに沿って滑らせて被加工物11を突き当て部70に突き当て、被加工物11をチャックテーブル38の所定の位置に位置付ける。そして、負圧開閉弁52cを開いて突き当て部70が設置された図3で下側の端材保持部50Aの吸引溝62,62aに負圧を導入して被加工物11の一端部を負圧保持部50Aで吸引保持する。
【0038】
次いで、負圧開閉弁52aを開いてデバイス保持部40に負圧を導入し、被加工物11のデバイス領域13をデバイス保持部40で吸引保持する。これと前後して、負圧開閉弁52d,52eをほぼ同時に開いて、端材保持部50Bで被加工物11の両サイドを吸引保持し、最後に負圧開閉弁52bを開いて図3で上側の端材保持部50Aの吸引溝62,62aに負圧を導入して被加工物11の他端部を吸引保持する。
【0039】
このように端材保持部50A,50Bが内側から外側に向かって低くなるように傾斜しているため、被加工物11の端材領域15A,15Bが厚く出来ている場合でも、チャックテーブル38の端材保持部50A,50Bで被加工物11の端材領域15A,15Bを吸引保持してしまえば、被加工物11の切削加工中に端材領域15A,15Bがバイトホイール24の切り刃28に接触してしまうことを防止できる。
【0040】
また、デバイス保持部40の保持面よりもその上面が低く設定された突き当て部70を端材保持部50Aの外側に固定することで、非常に薄い被加工物11を旋削加工する装置でも、突き当て部70が切り刃28に衝突することを防止できると共に、薄く腰のない被加工物11をチャックテーブル38の所定の位置に容易に位置付けることができる。
【0041】
ここで、例えばパッケージ基板を構成する中間部材である図2に示すような積層プレート11は、同じ大きさの基板を用いて複数のデバイスを形成する場合でも、製品が異なると端材部分のデザイン(特にバイト切削以外の工程で搬送等のために用いる孔の位置)が変わることが多い。
【0042】
そこで、本実施形態のチャックテーブル38は、端材領域15A,15Bを保持する端材保持部50A,50Bを着脱自在に構成し、被加工物11の端材領域15A,15Bのデザインが変わっても、端材保持部50A,50Bを交換するだけで端材領域部分のデザインの変更に対応できるようにしたことを特徴とする。
【0043】
これについて、図6を参照して説明する。図6に示す被加工物11Aは端材領域15A´の中央部分に貫通孔25が形成されている。従って、この被加工物11Aの端材領域15A´を上述した実施形態の端材保持部50Aで吸引保持しようとしても、貫通孔25から負圧がリークして被加工物11Aの端材領域15A´を吸引保持することができない。
【0044】
そこで、本実施形態のチャックテーブル38では、端材保持部50Aを支持基台部48から取り外し、図7に示すような、端材保持部50A´に交換する。図7に示す端材保持部50A´は、図7(A)に示すように、被加工物15A´の貫通孔25に対応する部分に吸引溝が形成されておらず、2つの細長い吸引溝62bが形成されている。端材保持部50A´の底面側は、図4(B)に示す端材保持部50Aの底面に類似しており、ザグリ部64には中央部分に貫通孔66が形成されていない点が相違する。
【0045】
従って、端材保持部50A´を端材保持部50Aと交換して支持基台部48に固定すると、吸引溝62bに導入された負圧がリークすることがなく、被加工物11Aの端材領域15A´を吸引保持することができる。
【0046】
このように、チャックテーブル38の端材保持部50A,50Bを着脱自在に構成したことにより、被加工物11の端材領域15Aのデザインが変わっても、端材保持部50Aを端材保持部50A´に交換するだけで対応できるため、チャックテーブル38全体を交換する場合に比較してそのコストを抑制することができる。
【符号の説明】
【0047】
2 バイト切削装置
10 バイト切削ユニット
11 被加工物
13 デバイス領域
15A,15B 端材領域
19 分割予定ライン
21 デバイス搭載部
23,25 貫通孔
24 バイトホイール
28 切り刃
38 チャックテーブル
40 デバイス保持部
46 チャックテーブルベース
48 支持基台部
50A,50A´,50B 端材保持部
52(52a〜52e) 負圧開閉弁
56 吸引源
70 突き当て部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8