特許第6556994号(P6556994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556994
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20190729BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20190729BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20190729BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M2/34 B
   H01M2/30 D
   H01M2/04 A
   H01M2/06 A
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-219380(P2014-219380)
(22)【出願日】2014年10月28日
(65)【公開番号】特開2015-198080(P2015-198080A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2017年9月25日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0038015
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】權 ▲ミン▼亨
(72)【発明者】
【氏名】李 致▲ヨン▼
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−174683(JP,A)
【文献】 特開2011−233399(JP,A)
【文献】 特開2012−138343(JP,A)
【文献】 特開2009−283335(JP,A)
【文献】 特開2013−175439(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/105491(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0323234(US,A1)
【文献】 特開2013−020965(JP,A)
【文献】 特開2008−130549(JP,A)
【文献】 特開2010−097822(JP,A)
【文献】 特開2012−195278(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0029191(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0330581(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/04
H01M 2/06
H01M 2/08
H01M 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリを内蔵するケースと、
前記ケースの開口に結合され、短絡ホールが形成されたキャッププレートと、
前記キャッププレートに貫通設置され、前記電極アセンブリに電気的に連結される第1電極端子および第2電極端子と、
前記短絡ホールで前記キャッププレートに固定され、前記第1電極端子と前記第2電極端子とを前記電極アセンブリの外部で電気的に分離または短絡させるメンブレンと、
前記第1電極端子に電気的に連結され、前記メンブレンの一側に離隔配置されるコネクションプレートと、
前記コネクションプレートとキャッププレートとの間に配置された上部絶縁部材と、
前記キャッププレートに固定され、前記上部絶縁部材を貫通して支持する固定部材とを含み、
前記コネクションプレートには、前記メンブレンに向かって突出し、内側に管形状の円筒部が形成され、前記円筒部には、内側排出口の形成された内側インシュレーティング部材が挿入設置され、前記内側インシュレーティング部材には、キャップが嵌合結合されたことを特徴とする、二次電池。
【請求項2】
前記固定部材は、前記キャッププレートから突出した突起からなることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記固定部材は、柱部と、前記柱部よりも大きい幅の横断面を有するヘッド部とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記キャッププレートには、ねじ溝が形成され、前記固定部材は、前記ねじ溝にねじ結合されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記固定部材は、前記キャッププレートに溶接で固定されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記上部絶縁部材の長さ方向の一側端部には、突出した支持フランジが形成され、前記固定部材は、前記支持フランジを貫通して設けられたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記上部絶縁部材は、前記キャッププレートと当接する底板と、前記底板から離隔して前記底板に対向する上板と、前記底板と前記上板とを連結する側壁とを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記コネクションプレートは、前記上部絶縁部材内に挿入され、前記上部絶縁部材は、インサート射出で形成されたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記コネクションプレートは、前記第1電極端子に連結されるプレート部を含み、前記円筒部は、前記プレート部から前記メンブレンに向かって突出し、前記短絡ホールの内面と離隔して前記短絡ホールに配置されたことを特徴とする、請求項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記内側インシュレーティング部材は、前記円筒部の内面に密着して上側が開放される第1挿入部と、前記第1挿入部の内側で前記第1挿入部の直径方向に離隔して設けられた第1バリアとを含み、
前記第1バリアと前記第1挿入部との間、または前記第1バリア同士の間に溝が形成されることを特徴とする、請求項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記キャップは、
前記第1挿入部の開放側に挿入され、前記に挿入される第2バリアと、
前記第2バリアの一側に連結され、前記第1挿入部を覆う蓋部とを含むことを特徴とする、請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記第1バリアは、複数形成され、前記第1挿入部内に前記を複数形成し、前記第2バリアは、複数形成され、前記に結合されることを特徴とする、請求項11に記載の二次電池。
【請求項13】
前記第1バリアの端部は、前記蓋部の内面との間に第1間隔を形成し、
前記第2バリアの端部は、前記の底面との間に第2間隔を形成することを特徴とする、請求項11または12に記載の二次電池。
【請求項14】
前記第1バリアと前記第2バリアは、
一側で内部圧力が所定の値以上となった場合に外部に前記ケース内部のガスを排出可能に結合され、他の一側で第3間隔を形成することを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項15】
前記内側インシュレーティング部材は、前記第3間隔に連結される上部排出口を備えることを特徴とする、請求項14に記載の二次電池。
【請求項16】
前記第1挿入部および前記第1バリアは、同心の円筒形状に形成されることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項17】
前記第1挿入部および前記第2バリアは、同心の円筒形状に形成されることを特徴とする、請求項16に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は、一次電池とは異なり、充電および放電を繰り返し行う電池である。小容量の二次電池は、携帯電話やノートパソコンおよびビデオカメラのように携帯可能な小型電子機器に用いられ、大容量の二次電池は、ハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源として用いられる。
【0003】
二次電池は、セパレータ(separator)の両面に正極(positive electrode)および負極(negative electorde)を備えて形成される電極アセンブリと、電極アセンブリを内蔵するケースと、ケースの開口を密閉するキャッププレートと、キャッププレートに貫通設置され、電極アセンブリに電気的に連結される負極端子および正極端子とを含む。
【0004】
端子の下部には、端子とキャッププレートとを電気的に絶縁させる上部絶縁部材が設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記上部絶縁部材は、端子よりも広く形成されるが、上部絶縁部材の長さ方向の端部がキャッププレートから離隔する問題が発生することがある。特に、上部絶縁部材が一方向に長く形成される場合、上部絶縁部材の長さ方向の端部がキャッププレートから離隔する問題はより頻繁に発生し得る。この場合、上部絶縁部材とキャッププレートの隙間に液体などの異物が侵入する問題が発生し得る。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、外部からの異物および水分の侵入を防止することができる、新規かつ改良された、二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電極アセンブリを内蔵するケースと、前記ケースの開口に結合され、短絡ホールが形成されたキャッププレートと、前記キャッププレートに貫通設置され、前記電極アセンブリに電気的に連結される第1電極端子および第2電極端子と、前記短絡ホールで前記キャッププレートに固定され、前記第1電極端子と前記第2電極端子とを前記電極アセンブリの外部で電気的に分離または短絡させるメンブレンと、前記第1電極端子に電気的に連結され、前記メンブレンの一側に離隔配置されるコネクションプレートと、前記コネクションプレートとキャッププレートとの間に配置された上部絶縁部材と、前記キャッププレートに固定され、前記上部絶縁部材を貫通して支持する固定部材とを含む、二次電池が提供される。
【0008】
ここで、前記固定部材は、前記キャッププレートから突出した突起からなってよい。また、前記固定部材は、柱部と、前記柱部よりも大きい横断面を有するヘッド部とを含むことができる。
【0009】
また、前記キャッププレートには、ねじ溝が形成され、前記固定部材は、前記ねじ溝にねじ結合されてよい。また、前記固定部材は、前記キャッププレートに溶接で固定されてよい。
【0010】
また、前記上部絶縁部材の長さ方向の一側端部には、突出した支持フランジが形成され、前記固定部材は、前記支持フランジを貫通して設けられてよい。また、前記上部絶縁部材は、前記キャッププレートと当接する底板と、前記底板から離隔して前記底板に対向する上板と、前記底板と前記上板とを連結する側壁とを含むことができる。
【0011】
また、前記コネクションプレートは、前記上部絶縁部材内に挿入され、前記上部絶縁部材は、インサート射出で形成されてよい。また、前記コネクションプレートには、前記メンブレンに向かって突出し、内側に管形状の円筒部が形成され、前記円筒部には、内側排出口の形成された内側インシュレーティング部材が挿入設置され、前記内側インシュレーティング部材には、キャップが嵌合結合されてよい。
【0012】
また、前記コネクションプレートは、前記第1電極端子に連結されるプレート部を含み、前記円筒部は、前記プレート部から前記メンブレンに向かって突出し、前記短絡ホールの内面と離隔して前記短絡ホールに配置されてよい。また、前記内側インシュレーティング部材は、前記円筒部の内面に密着して上側が開放される第1挿入部と、前記第1挿入部の内側で前記第1挿入部の直径方向に離隔して相互間に収容溝を形成する第1バリアとを含むことができる。
【0013】
また、前記キャップは、前記第1挿入部の開放側に挿入され、前記収容溝に挿入される第2バリアと、前記第2バリアの一側に連結され、前記第1挿入部を覆う蓋部とを含むことができる。
【0014】
また、前記第1バリアは、複数形成され、前記第1挿入部内に前記収容溝を複数形成し、前記第2バリアは、複数形成され、前記収容溝に結合されてよい。また、前記第1バリアの端部は、前記蓋部の内面との間に第1間隔を形成し、前記第2バリアの端部は、前記収容溝の底面との間に第2間隔を形成することができる。
【0015】
また、前記第1バリアと前記第2バリアは、一側で内部圧力の上昇した場合に外部に内部圧力を排出できるような緩さで結合され、他の一側で第3間隔を形成することができる。また、前記上部絶縁部材は、前記蓋部の少なくとも一側に形成され、前記第3間隔に連結される上部排出口を備えることができる。
【0016】
また、前記第1挿入部および前記第1バリアは、同心の円筒形状に形成されてよい。また、前記第1挿入部および前記第2バリアは、同心の円筒形状に形成されてよい。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、外部からの異物および水分の侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態にかかる二次電池の斜視図である。
図2図1のII−II線に沿った断面図である。
図3】コネクションプレートと上部絶縁部材を示した縦断面図である。
図4図2のコネクションプレートと内側インシュレーティング部材およびキャップの分解斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態にかかる二次電池の部分断面図である。
図6】内側インシュレーティング部材とキャップの作動状態図である。
図7】本発明の第1実施形態にかかる上部絶縁部材の切開斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態にかかる二次電池の一部を示した断面図である。
図9】本発明の第2実施形態にかかるキャッププレートと上部絶縁部材を示した分解斜視図である。
図10】本発明の第3実施形態にかかる二次電池の一部を示した断面図である。
図11】本発明の第3実施形態にかかるキャッププレートと上部絶縁部材を示した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。図面において、本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0020】
<1.第1の実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる二次電池の斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1および図2を参照すれば、第1実施形態にかかる二次電池101は、充電および放電作用する電極アセンブリ10と、電極アセンブリ10を内蔵するケース15と、ケース15の開口を密閉するキャッププレート20と、キャッププレート20の端子ホールH1、H2に設けられ、電極アセンブリ10に連結される第1電極端子21および第2電極端子22と、キャッププレート20と第1電極端子21とを電気的に分離または連結するメンブレン43とを含む。
【0021】
キャッププレート20は、第2電極端子22に電気的に連結される。便宜上、第1電極端子21を負極端子とし、第2電極端子22を正極端子とする。電極アセンブリ10は、絶縁体であるセパレータ13の両面に負極11および正極12を配置し、負極11、セパレータ13、および正極12をゼリーロール状に巻き取って形成される。
【0022】
負極11および正極12はそれぞれ、金属板の集電体に活物質を塗布したコーティング部11a、12aと、活物質を塗布せずに露出した集電体に形成される無地部11b、12bとを含む。
【0023】
負極11の無地部11bは、巻き取られる負極11に沿って負極11の一方の端部に形成される。正極12の無地部12bは、巻き取られる正極12に沿って正極12の一方の端部に形成される。したがって、負・正極11、12の無地部11b、12bは、電極アセンブリ10の両端にそれぞれ配置される。
【0024】
ケース15は、内部に電極アセンブリ10と電解液を収容する空間を設定するように略直方体からなり、外部と内部空間とを連結する開口を直方体の一面に形成する。開口は、電極アセンブリ10をケース15の内部に挿入できるようにする。
【0025】
キャッププレート20は、薄い板からなり、ケース15の開口に溶接されてケース15を密閉する。キャッププレート20は、電解液注入口201と、ベントホール202と、短絡ホール42とをさらに備える。
【0026】
電解液注入口201は、ケース15にキャッププレート20を結合して溶接した後、ケース15の内部に電解液の注入を可能にする。電解液の注入後、電解液注入口201は、密封キャップ203で密封される。
【0027】
ベントホール202は、二次電池の内部圧力を排出できるようにベントプレート204で密閉される。二次電池の内部圧力が設定圧力に達すると、ベントプレート204が切開されてベントホール202を開放する。ベントプレート204には、切開を誘導する切欠205が形成されている。
【0028】
一方、負・正極端子21、22は、キャッププレート20に貫通設置される。より具体的には、負・正極端子21、22は、キャッププレート20を貫通する端子ホールH1、H2に設けられ、電極アセンブリ10に電気的に連結される。つまり、第1電極端子21は、電極アセンブリ10の負極11に電気的に連結され、第2電極端子22は、電極アセンブリ10の正極12に電気的に連結される。したがって、電極アセンブリ10は、第1電極端子21および第2電極端子22を通してケース15の外部に引き出される。
【0029】
負・正極端子21、22は、キャッププレート20の端子ホールH1、H2にそれぞれ設けられるリベットターミナル21a、22aと、キャッププレート20の内側でリベットターミナル21a、22aに一体に広く形成されるフランジ21b、22bと、キャッププレート20の外側に配置され、リベットターミナル21a、22aにリベッティングまたは溶接で連結されるプレートターミナル21c、22cとを含む。
【0030】
負・正極ガスケット36、37は、負・正極端子21、22のリベットターミナル21a、22aとキャッププレート20の端子ホールH1、H2の内面との間にそれぞれ挿入され、負・正極端子21、22のリベットターミナル21a、22aとキャッププレート20との間をシーリングする。負・正極ガスケット36、37は、フランジ21b、22bとキャッププレート20の内面との間にさらに延長設置され、フランジ21b、22bとキャッププレート20との間をさらにシーリングする。
【0031】
負・正極リードタブ61、62は、負・正極端子21、22を電極アセンブリ10の負・正極11、12の無地部11b、12bにそれぞれ電気的に連結する。つまり、負・正極リードタブ61、62をリベットターミナル21a、22aの下端に結合して下端をコーキング(caulking)することにより、負・正極リードタブ61、62は、フランジ21b、22bに支持されながら、リベットターミナル21a、22aの下端に導電構造で連結される。
【0032】
負・正極下部絶縁部材71、72は、負・正極リードタブ61、62とキャッププレート20との間にそれぞれ設けられ、負・正極リードタブ61、62とキャッププレート20とを電気的に絶縁させる。また、負・正極下部絶縁部材71、72は、一側でキャッププレート20に結合され、他の一側で負・正極リードタブ61、62とリベットターミナル21a、22aおよびフランジ21b、22bを囲むため、これらの連結構造を安定させる。
【0033】
一方、第2電極端子22は、プレートターミナル22cとキャッププレート20との間に介在するトッププレート32をさらに含む。正極ガスケット37は、第2電極端子22のリベットターミナル22aとトッププレート32との間にさらに延長挿入され、リベットターミナル22aとトッププレート32とが電気的に直接連結されるのを防止する。つまり、リベットターミナル22aは、プレートターミナル22cを通してトッププレート32に電気的に連結される。したがって、トッププレート32、キャッププレート20、およびケース15は、第2電極端子22に電気的に連結されて正極に帯電する。
【0034】
図3は、コネクションプレートと上部絶縁部材を示した縦断面図であり、図4は、図2のコネクションプレートと内側インシュレーティング部材およびキャップの分解斜視図であり、図5は、本発明の第1実施形態にかかる二次電池の部分断面図である。
【0035】
図3図5を参照すれば、キャッププレート20に形成される短絡ホール42には、短絡ホール42を密閉し、内圧によって反転変形するメンブレン43が設けられる。メンブレン43は、板状からなり、下へ膨らむように設けられる。二次電池の内部圧力が上昇すると、下へ膨らんだ部分が上へ膨らむように変形してコネクションプレート44と電気的に連結される。メンブレン43は、キャッププレート20を介して正極に帯電し、コネクションプレート44は、第1電極端子21と電気的に連結されて負極11に帯電する。これにより、メンブレン43が反転してコネクションプレート44と当接すると、外部短絡が発生する。
【0036】
第1電極端子21には、コネクションプレート44が連結設置されるが、コネクションプレート44は、第1電極端子21に電気的に連結され、メンブレン43の一側に離隔配置される。内部圧力の上昇によってメンブレン43が反転する時、メンブレン43とコネクションプレート44とが円滑に短絡するために、コネクションプレート44は、メンブレン43の対向側に短絡突起45を備える。
【0037】
コネクションプレート44は、第1電極端子21の下面と当接して第1電極端子21に連結されるプレート部441と、プレート部441からメンブレン43に向かって突出し、短絡ホール42の内面と離隔して短絡ホール42の内側に配置される管形状の円筒部442とを含む。円筒部442の下部には、円筒部442を横切る底443が形成され、底443に貫通ホールH44が形成されている。
【0038】
一方、円筒部442には、内側インシュレーティング部材81が挿入設置されるが、内側インシュレーティング部材81は、メンブレン43の反転時、内圧を排出し、外部の異物および水分の侵入を遮断するキャップ90の結合を可能にする。内側インシュレーティング部材81には、キャップ90が嵌合結合されるが、キャップ90は、メンブレン43の反転時、内部圧力を排出し、通常は、第1通気ホール824から異物が排出口に流入するのを遮断する。
【0039】
二次電池内においてガスが発生し、ケース内部の圧力が上昇する場合があるが、高い圧力状態で充電と放電を繰り返すと、二次電池が高温になったり破損したりする場合がある。本実施形態では、上述のように内部圧力の排出を行うことで、二次電池が高温になったり破損したりすることを防ぐことができる。
【0040】
方、コネクションプレート44とキャッププレート20との間には、上部絶縁部材82が設けられるが、上部絶縁部材82は、キャッププレート20上において、正極に帯電するキャッププレート20と、第1電極端子21のリベットターミナル21aに連結されるコネクションプレート44とを電気的に絶縁させる。
【0041】
内側インシュレーティング部材81は、円筒部442に挿入される第1挿入部811と、第1挿入部811の内部に備えられる第1バリア812とを含む。第1挿入部811は、貫通ホールH44、底443、および円筒部442の内面に密着して上側が開放される構造に形成される。第1バリア812は、第1挿入部811の内側で第1挿入部811の直径方向に離隔して相互間に収容溝813を形成する。また、内側インシュレーティング部材81の中央には、内側排出口H80が形成され、内側インシュレーティング部材81の上端には、上部排出口H81が形成される。内側排出口H80は、第1ベリアによって囲まれ、内側インシュレーティング部材81の中央を貫通するように形成される。上部排出口H81は、内側インシュレーティング部材81の上端に溝形態に形成され、複数個が離隔形成される。
【0042】
キャップ90は、内側インシュレーティング部材81に対応して結合されるように、第2バリア92と、第1挿入部811を覆う蓋部91とを含む。第2バリア92は、第1挿入部811の開放側に挿入され、内側インシュレーティング部材81の収容溝813に挿入される。蓋部91は、第2バリア92の一側に連結され、第1挿入部811を覆うようになる。
【0043】
一例として、内側インシュレーティング部材81の第1バリア812は、複数形成され、第1挿入部811内に収容溝813を複数形成する。これに対応するキャップ90の第2バリア92は、複数形成され、収容溝813に結合される。
【0044】
この時、キャップ90は、外部から内側インシュレーティング部材81に異物および水分が侵入するのを防止しながら、メンブレン43の反転時、内側インシュレーティング部材81の内側排出口H80を通して内部圧力の排出を可能にする。
【0045】
内側インシュレーティング部材81において、第1挿入部811および第1バリア812は、同心の円筒形状に形成される。また、第1挿入部811および第2バリア92は、同心の円筒形状に形成される。したがって、キャップ90の第2バリア92は、内側インシュレーティング部材81の収容溝813に結合できる。
【0046】
図6は、外部短絡部の作動状態図である。図5および図6を参照すれば、内側インシュレーティング部材81において、第1バリア812の端部は、蓋部91の内面との間に第1間隔G1を形成し、キャップ90において、第2バリア92の端部は、収容溝813の底面との間に第2間隔G2を形成する。
【0047】
内側インシュレーティング部材81にキャップ90を結合する時、第1バリア812と第2バリア92は、結合公差(図示せず)を有するように緩く結合されるため、相互間に、メンブレン43の反転時、内部圧力を排出できる。
【0048】
内側インシュレーティング部材81の上端には、外側に拡張したフランジ部815が形成され、フランジ部815には、第3間隔G3に連結される上部排出口H81が形成される。上部排出口H81は、フランジ部815で切開された構造に形成され、内側インシュレーティング部材81の上端に等間隔に複数個配置される。
【0049】
結合公差(遊び)は、第1間隔G1および第2間隔G2に連結されるため、内側インシュレーティング部材81の内側排出口H80は、上部排出口H81を通して外部に内部圧力を排出できるように連結される。
【0050】
これに加えて、第1バリア812と第2バリア92は、一側で緩く結合され、他の一側で第3間隔G3を形成することができる。第3間隔G3は、結合公差と共に、第1間隔G1および第2間隔G2に連結されるため、内部インシュレーティング部材81の内側排出口H80は、上部排出口H81を通して外部に内部圧力を排出できるようにより円滑に連結される。
【0051】
二次電池の内部圧力の上昇によって、メンブレン43が反転してコネクションプレート44の短絡突起45に短絡すると、電極アセンブリ10に充電されていた電流は、メンブレン43とコネクションプレート44を通して放電される。
【0052】
メンブレン43の反転により、内部圧力は、内側インシュレーティング部材81の内側排出口H80を通して第1間隔G1、第3間隔G3、第2間隔G2および第3間隔G3を順次に経由して、上部排出口H81に排出される。
【0053】
また、第1バリア812と第2バリア92が複数形成され、これにより、収容溝813が複数形成される。したがって、内側排出口H80と上部排出口H81との間の経路が長くなる。つまり、内側インシュレーティング部材81の第1バリア812とキャップ90の第2バリア92は、内部圧力の排出経路を長くし、また、異物および水分の流入経路を長くする。したがって、外部短絡部40は、内部圧力を円滑に排出しながら、異物および水分の侵入を効果的に遮断することができる。
【0054】
例えば、キャップ90は、ポリプロピレン(PP;polypropylene)樹脂、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)樹脂、ポリカルボシラン(PSC;polycarbosilane)前駆体、またはポリカーボネート−ABS(PC−ABS;PC−acrylonitrile butadiene styrene)混合樹脂で形成されてよい。
【0055】
図7に示されているように、上部絶縁部材82は、キャッププレート20と当接する底板821と、底板821から離隔した上板822と、底板821と上板822とを連結する側壁825とを含む。
【0056】
例えば、上部絶縁部材82は、インサート射出で形成されてよい。
【0057】
底板821は、長方形の板形態からなり、キャッププレート20上でキャッププレート20と当接するように配置される。底板821には、リベットターミナル21aが挿入される端子ホール821aと、短絡ホール42上に配置され、短絡ホール42と連通した第1通気ホール824とが形成される。また、第1通気ホール824の周りには、下部に突出して短絡ホール42に挿入されるガイドリブ823が形成される。
【0058】
上板822は、底板821から離隔して底板821に対向し、底板821と上板822との間にコネクションプレート44が挿入される。上板822には、プレートターミナル21cが挿入される開口822bが形成され、開口822bは、端子ホール821aの上部に位置する。また、上板822には、内側インシュレーティング部材81およびキャップ90が挿入され、第1通気ホール824と連通した第2通気ホール822aが形成される。
【0059】
側壁825は、底板821の周りに沿って延びて形成され、底板821から上部に突出して底板821と上板822とを連結する。一方、底板821の長さ方向の一側端部には、支持フランジ826が形成され、支持フランジ826には、固定部材25の貫通する固定ホール828が形成される。
【0060】
図5に示されているように、固定部材25は、キャッププレート上から突出形成され、リベット形態からなる。固定部材25は、キャッププレートと一体に形成され、キャッププレートから突出した突起からなる。
【0061】
固定部材25は、固定ホール828に挿入された状態で加圧されて固定ホール828に固定される。固定部材25の上端には、広く拡張したヘッド部25aが形成され、固定部材25のヘッド部25a以外の部分には、柱部(図示せず)が形成される。固定ホール828の上部には、側に拡張した段差溝827が形成され、ヘッド部25aは、上記段差溝827に挿入される。固定部材25を固定ホール828に挿入した状態で固定部材25の上端を叩いたり加圧したりすると、固定部材25の上端には広く拡張したヘッド部25aが形成され、ヘッド部25aは、支持フランジ826がキャッププレート20から離脱するのを防止することができる。
【0062】
このように、本実施形態によれば、上部絶縁部材82を貫通して支持する固定部材25が設けられるため、上部絶縁部材82が長くなっても、上部絶縁部材82がキャッププレート20から離隔して浮く現象を防止することができる。
【0063】
<2.第2の実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態にかかる二次電池の一部を示した断面図であり、図9は、本発明の第2実施形態にかかるキャッププレートと上部絶縁部材を示した分解斜視図である。
【0064】
図8および図9を参照して説明すれば、本実施形態にかかる二次電池は、キャッププレート220と上部絶縁部材280、および固定部材270を除いては、上記第1実施形態にかかる二次電池と同一の構造からなるので、同一の構造に関する重複説明は省略する。
【0065】
キャッププレート220は、薄い板からなり、ケース15の開口に溶接されてケース15を密閉する。キャッププレート220には、第1電極端子21が挿入される端子ホール221と、メンブレン43が設けられる短絡ホール226とが形成される。端子ホール221には、リベットターミナル21aが挿入設置され、短絡ホール226には、キャッププレート220と第1電極端子21とを電気的に分離または連結するメンブレン43が設けられる。一方、キャッププレート220には、固定部材270が挿入されるねじ溝225が形成されるが、ねじ溝225の内面には、ねじ加工されてねじ山が形成される。
【0066】
上部絶縁部材280は、コネクションプレート44とキャッププレート220との間に設けられ、キャッププレート220上において、正極に帯電するキャッププレート220と、負極に帯電するコネクションプレート44とを電気的に絶縁させる。
【0067】
上部絶縁部材280は、キャッププレート220と当接する底板281と、底板281から離隔した上板282と、底板281と上板282とを連結する側壁285とを含む。
【0068】
底板281は、長方形の板形態からなり、キャッププレート220上でキャッププレート220と当接するように配置される。底板281には、リベットターミナル21aが挿入される端子ホール281aと、短絡ホール226上に配置され、短絡ホール226と連通した第1通気ホール284とが形成される。また、第1通気ホール284の周りには、下部に突出して短絡ホール226に挿入されるガイドリブ283が形成される。一方、底板281の長さ方向の一側端部には、支持フランジ286が形成され、支持フランジ286には、固定部材270の貫通する固定ホール288が形成される。
【0069】
上板282は、底板281から離隔して底板281に対向し、底板281と上板282との間にコネクションプレート44が挿入される。上板282には、プレートターミナル21cが挿入される開口282bが形成され、開口282bは、端子ホール281aの上部に位置する。また、上板282には、内側インシュレーティング部材81およびキャップ90が挿入され、第1通気ホール284と連通した第2通気ホール282aが形成される。側壁285は、底板281の周りに沿って延びて形成され、底板281から上部に突出して底板281と上板282とを連結する。
【0070】
固定部材270は、ねじ溝225に挿入されるねじからなるが、棒272と、棒272の上端に形成されたヘッド部271と、棒272でねじ加工された部分であるねじ結合部273とを含む。ヘッド部271には、工具が挿入できるように溝が形成され、棒272よりも大きい横断面を有するように形成される。固定部材270は、固定ホール288を貫通してねじ溝225にねじ結合で固定される。固定部材270がキャッププレート220に固定されると、上部絶縁部材280の端部がキャッププレート220から離脱するのを防止することができる。
【0071】
<3.第3の実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態にかかる二次電池の一部を示した断面図であり、図11は、本発明の第3実施形態にかかるキャッププレートと上部絶縁部材を示した分解斜視図である。
【0072】
図10および図11を参照して説明すれば、本実施形態にかかる二次電池は、キャッププレート230と固定部材290を除いては、上記第2実施形態にかかる二次電池と同一の構造からなるので、同一の構造に関する重複説明は省略する。
【0073】
キャッププレート230は、薄い板からなり、ケース15の開口に溶接されてケース15を密閉する。キャッププレート230には、第1電極端子21が挿入される端子ホール231と、メンブレン43が設けられる短絡ホール236とが形成される。端子ホール231には、リベットターミナル21aが挿入設置され、短絡ホール236には、キャッププレート230と第1電極端子21とを電気的に分離または連結するメンブレン43が設けられる。一方、キャッププレート230には、固定部材290が挿入される支持ホール238が形成される。
【0074】
固定部材290は、固定ホール288を貫通して支持ホール238に挿入される。固定部材290は、棒292と、棒292の上端に形成されたヘッド部291とを含み、ヘッド部291は、棒292よりも大きい横断面を有するように形成される。固定部材290は、支持ホール238の下端まで延びて設けられ、固定部材290は、キャッププレート230の下面に溶接で固定される。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0076】
例えば、上記第2実施形態では固定部材がねじ結合により固定され、上記第3実施形態では固定部材が溶接により固定されるものとしたが、固定部材は、ねじ結合と溶接の組み合わせによって固定されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
101:二次電池
10:電極アセンブリ
11:負極
12:正極
11a、12a:コーティング部
11b、12b:無地部
13:セパレータ
15:ケース
20、220、230:キャッププレート
201:電解液注入口
202:ベントホール
203:密封キャップ
204:ベントプレート
205:切欠
21:第1電極端子
22:第2電極端子
21a、22a:リベットターミナル
21b、22b:フランジ
21c、22c:プレートターミナル
25、270、290:固定部材
25a、271、291:ヘッド部
32:トッププレート
40:外部短絡部
42、226、236:短絡ホール
43:メンブレン
44:コネクションプレート
441:プレート部
442:円筒部
443:底
45:短絡突起
81:内側インシュレーティング部材
811:第1挿入部
812:第1バリア
813:収容溝
815:フランジ部
82、280:上部絶縁部材
821、281:底板
821a、281a:端子ホール
822、282:上板
822a、282a:第2通気ホール
822b、282b:開口
823、283:ガイドリブ
824、284:第1通気ホール
825、285:側壁
826、286:支持フランジ
827:段差溝
828、288:固定ホール
90:キャップ
91:蓋部
92:第2バリア
221、231:端子ホール
272、292:棒
273:ねじ結合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11