(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、本開示の実施形態の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示の実施形態を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。
各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0010】
(実施形態)
本実施形態の発光装置は、基体と、基体にフリップチップ実装された発光素子と、原子堆積法により形成され、基体と発光素子とを連続的に被覆する保護膜と、を備える。この発光装置では、任意に、保護素子等の電子部品、電子部品を封止する被覆部材、保護膜に被覆された発光素子(及び電子部品)をさらに封止する封止部材等を備えていてもよい。
【0011】
〔基体〕
基体は、発光素子を実装する部材であり、板状であってもよいし、発光素子を収容する凹部を有していてもよい。特に、平板状の基体を用いることが好ましい。平板状の基体を用いることで、凹部を形成する壁による発光素子の光の吸収がないので、出力をより一層向上させることができる。また、小型の発光装置を形成することができ、部材コストや製造コストを削減することができる。さらに、気密性の低下を回避することができる。
【0012】
基体は、通常、発光素子が載置される第1主面と、第1主面の反対側の面である第2主面とを有する。基体は、少なくとも第1主面に、発光素子がフリップチップ実装可能な正負の配線層を有する。
【0013】
実施形態の基体は、平面視で略矩形状であるが、特に限定されない。平面視が略矩形状の基体を用いると、平面視が略矩形状の発光素子を実装する場合、小型の発光装置を形成することができる。
【0014】
基体は、発光素子からの光を反射することができる材料で形成されていることが好ましい。特に、発光素子からの光を60%以上、70%以上反射することが好ましい。また、発光素子の光を吸収しにくい材料で形成されると好適である。例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、木材、パルプ等の絶縁材料、半導体、金属(例えば、銅、銀、金、アルミニウム等)等の導電材料の単一材料及びこれらの複合材料によって形成することができる。なかでも、金属、セラミックス、樹脂等が好ましく、無機材料であるセラミックスがより好ましい。セラミックスとしては、特に放熱性の高い窒化アルミ二ウムが好ましい。
【0015】
配線層は、発光素子と電気的に接続可能なものであれば、特に限定されるものではなく、当該分野で公知の材料によって形成することができる。例えば、銅、アルミニウム、金、銀等の金属を用いることができる。厚みは、数μm〜数百μmとすることができる。配線層は、めっき、スパッタ、その他の公知の方法で形成することができる。
【0016】
〔発光素子〕
発光装置は、紫外光を出射する発光素子を備える。ここで、紫外光とは、例えば、200〜410nmの波長の光を指す。発光素子は単数でも複数でもよく、例えば、それぞれ異なる光を発光する複数の発光素子であってもよい。また、紫外光を発光する発光素子に加えて、可視波長の光及び/又は赤外光を出射する発光素子を備えていてもよい。
【0017】
発光素子は、当該分野で一般的に用いられている発光ダイオード、レーザ等の発光素子を用いることができる。例えば、窒化物系半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaP、GaAsなどのIII−V族化合物半導体、ZnSe、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体を利用することができる。
【0018】
発光素子は、少なくとも、発光層を含む半導体層と、正負の電極とを有する。本実施形態では、発光素子は同一面側に正負の電極を有し、基体にフリップチップ実装される。これにより、発光素子をワイヤ等によって基体の配線層と電気的に接続する場合に比べて、発光素子の周辺にワイヤボンディングのための領域を設ける必要がないので、発光装置の小型化を図ることができる。また、発光素子を複数搭載する場合には、発光素子を密に実装することが可能となり、ピーク放射強度向上させることができる。さらに、ワイヤの材料コストや、ワイヤボンディングの工程コストを削減することができる。
【0019】
その他、発光素子は、半導体層を成長させるための基板を有していてもよい。基板としては、サファイアやスピネル(MgAl
2O
4)のような絶縁性基板、SiC、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジム等の酸化物基板が挙げられる。特に、基板は透光性のものが好ましい。なお、基板はレーザリフトオフ法等を利用して除去されていてもよい。
【0020】
発光素子は、例えば、錫−ビスマス系、錫−銅系、錫−銀系、金−錫系などの半田、AuとSn、AuとSi、AuとGe、AuとCu、AgとCuとをそれぞれ主成分とする合金等の共晶合金、あるいは、銀、金、パラジウムなどの導電性ペースト、バンプ、異方性導電材、低融点金属のろう材等の導電性の接合部材を介して、基体にフリップチップ実装される。特に、紫外光によって劣化しにくい半田、合金等の共晶合金、バンプを用いることが好ましい。
【0021】
〔保護膜〕
保護膜は、発光素子が基体に実装された後に、原子堆積法(以下、「ALD」(Atomic Layer Deposition)ともいうことがある)によって形成され、発光素子と基体の第1主面とを連続的に被覆する。連続的とは、発光素子から基体の第1主面にわたって、隙間がないことを意味する。保護膜は、発光素子と基体の第1主面との間(詳細には、発光素子の電極の側面、電極形成面、及び電極形成面と対向する第1主面)にも設けられる。
このような保護膜は、発光装置の外表面を形成する(すなわち、それのみで発光素子を完全に被覆する)ことができる。したがって、小型でシンプルな構造で、信頼性の高い発光装置を形成することができる。また、発光素子が保護膜のみで被覆されているので、無駄な光吸収が抑えられ、光の取り出しのよい発光装置とすることができる。特に、本実施形態では、発光素子が基体にフリップチップ実装されるため、基体側に半導体層が配置される。これにより、基体側からの水分浸入による半導体層の劣化が問題となるが、保護膜が発光素子の電極形成面側を連続的に被覆することで水分の浸入を阻止し、発光素子の光出力の低下や、クラックの発生による不灯を効果的に阻止することができる。
後述の電子部品が第1主面に実装される場合、保護膜は、発光素子、電子部品、基体の第1主面を連続的に被覆することが好ましい。また、保護膜は、基体の第2主面側に、発光装置をさらに別の実装基板(例えば、回路基板等)に実装するための裏面電極を有する場合、その裏面電極を露出させることが好ましい。
【0022】
保護膜は、1つの材料による単層膜又は多層膜、2以上の異なる材料による多層膜でもよい。多層膜にすると、発光素子の光の取り出しを向上させることが可能である。
保護膜は、例えば、約1nm〜10μmの厚みとすることが好ましい。このような範囲とすると、発光素子を十分に保護しつつ、発光素子の光の吸収を低減させることができる。
【0023】
保護膜は、例えば、無機材料によって形成されることが好ましい。具体的には、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、二酸化珪素(SiO
2)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si
3N
4)等が挙げられるが、特に酸化アルミニウムが好ましい。これにより、発光素子の光の吸収を抑制しつつ、発光素子を水分等から保護できる緻密な保護膜を形成することができる。
【0024】
保護膜は、上述のように原子堆積法によって形成されており、その形態は、SEM等による断面観察によって識別することができる。つまり、原子層の単位で形成された膜として識別することができる。具体的には、保護膜は、それを構成する原子どうしが、水分子等を通過させるような隙間がないよう、互いに隣接して配置される。また、ALD法は、スパッタ、CVD等と異なり、反応成分の直進性が低いので、凹凸等の障害物近傍であっても、全反応成分が同等に成膜部位に供給され、原子層ごとに形成される。その結果、どの領域においても略均一な膜厚及び膜質の良質な保護膜が得られる。
【0025】
保護膜は、例えば、以下の方法によって形成することができる。
まず、原子層堆積装置に、発光素子を実装した基体を導入する。なお、裏面電極は保護膜から露出されるよう、マスク等を形成しておくことが好ましい。続いて、原子層堆積装置内に、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)ガスを導入し、発光素子を実装した基体表面のOH基と、TMAとを反応させる。次に、余剰ガスを排気する。その後、H
2Oガスを導入して、先の反応でOH基と結合したTMAとH
2Oとを反応させる。次に、余剰ガスを排気する。
そして、TMAの反応、排気、OH基との反応及び排気を1サイクルとして繰り返すことにより、所定の膜厚のAl
2O
3の保護膜を形成することができる。
【0026】
〔電子部品〕
電子部品は、発光素子の通電に関与するもの、発光素子の駆動に関連するもの等が包含される。具体的には、コンデンサ、バリスタ、ツェナーダイオード、ブリッジダイオード、チップ抵抗、メルフ抵抗、静電気保護素子等の保護素子、サーミスタ等の温度センサ、温度補償用素子、各種トランジスタ、外部電源を供給するためのコネクタ等の表面実装型の電子部品等が挙げられる。特に、電子部品としてツェナーダイオード等の保護素子を備えると、通電及び駆動における信頼性を向上させた高性能の発光装置を提供することができる。なお、電子部品は、基体にフリップチップ実装されていてもよいし、ワイヤ等で電気的に接続されていてもかまわない。
【0027】
電子部品は、例えば、発光素子が実装される基体の第1主面側に実装されていてもよいし、第1主面とは反対側の第2主面側に配置されていてもよい。
電子部品が第1主面側に配置される場合、第1主面は、発光素子が実装される面と必ずしも同一面に配置されていなくてもよい。例えば、電子部品を載置する領域を凹形状又は凸形状とし、その凹部内又は凸部上に電子部品が配置されていてもよい。
【0028】
電子部品が第2主面側に配置される場合、基体の第1主面において発光素子と電子部品とを実装する面積を確保する必要がないため、さらに発光装置の小型化を図ることができる。第2主面は、平面状であってもよいし、凹部又は凸部を有していてもかまわない。
図3Aに示されるように、第2主面側の凹部の底面に電子部品を配置すると、発光装置をさらに別の実装基板(例えば、回路基板等)に実装する場合に、実装に用いられる半田フラックス等による電子部品の汚染、短絡等を防止することができる。また、後述するように、電子部品を封止する樹脂等の被覆部材を設けやすい。
【0029】
電子部品が、基体の第2主面側に配置される場合、基体の透視平面において、電子部品の中心が、発光素子の中心と離間していることが好ましい。これにより、発光装置の放熱性を向上させることができる。
【0030】
〔被覆部材〕
前述のように、発光装置は、電子部品が第2主面側の凹部に収納される場合、電子部品を封止する被覆部材を備えていてもよい。
【0031】
被覆部材の材料としては、樹脂、ガラス等の無機材料などが挙げられる。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物(シリコーン変性エポキシ樹脂等)、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物(エポキシ変性シリコーン樹脂等)、ハイブリッドシリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂、ユリア樹脂、BTレジン、ポリウレタン樹脂等の樹脂が挙げられる。
ガラスとしては、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、サファイアガラス、フッ化カルシウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、オキシナイトライドガラス、カルコゲナイドガラス等が挙げられる。
【0032】
〔封止部材〕
発光装置は、保護膜で被覆される発光素子をさらに封止する封止部材を有していてもよい。発光素子と電子部品とが基体の第1主面に配置される場合、封止部材は、発光素子だけでなく電子部品も封止してもよい。封止部材は、保護膜で被覆された発光素子及び/又は保護素子を直接被覆していてもよいし、ガスや樹脂等を介していてもよい。封止部材は、例えば窒化アルミ等で形成される基体に接合するよりも、前述の材料で形成される保護膜と接合させる方が容易であり、保護膜上に接合部材等を介して接合することができる。
封止部材を有することで、所望の特性を有する発光装置を形成することができる。また、発光素子をより確実に封止することができ、より信頼性の高い発光装置を得ることができる。
【0033】
封止部材は、前述の被覆部材と同様の材料を母材として用いることができ、例えば、板状のガラス等を好適に用いることができる。封止部材は、光反射性物質又は光吸収剤を含有していてもよい。これにより、耐光性を高めることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系等、プラスチックにおいて通常使用されるものが挙げられる。光吸収剤としては、例えば、紫外線吸収剤又は紫外線遮蔽剤等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化ホウ素、ムライト、酸化マグネシウム、二酸化チタン、繊維状フィラー(ガラス、ガラスファイバー、ワラストナイトなど)、無機フィラー(窒化アルミニウム、カーボン等)等が挙げられる。
光反射性物質又は光吸収剤は、例えば、母材の全重量に対して、10〜95重量%程度含有させることが好ましい。
【0034】
その他、封止部材は、発光素子の光の波長を変換する波長変換部材を含有していてもよい。これにより、所望の発光色の発光装置を形成することができる。
波長変換部材としては、例えば、当該分野で公知の蛍光体を用いることができる。具体的には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn)、硫化物系蛍光体などが挙げられる。波長変換部材は、例えば、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。これらの材料としては、半導体材料を用いることができ、半導体材料としては、例えばII−VI族、III−V族、IV−VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdS
xSe
1−x/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。
【0035】
封止部材は、その表面において、反射防止等の目的で被覆膜が形成されていてもよい。これによって、発光素子から出射された封止部材で反射させることなく、外部に効率的に取り出すことができる。
封止部材の形状、厚み等は、意図する発光装置の大きさ等によって適宜調整することができる。
【0036】
以下に、本発明に係る実施例について、図面に基づいて説明する。
【0037】
(実施例1)
図1Aは、本発明の実施例1に係る発光装置9の断面図である。
図1Bは、本発明の実施例1に係る発光装置の上面図である。なお、上面図とは、発光装置を基体の第1主面側から見た図である。
実施例1の発光装置9は、基体1と、発光素子3と、保護膜4とを有する。
基体1は、例えば、窒化アルミニウムからなり、厚み約0.4mmの平板状とすることができる。基体1は、上面視で略正方形(例えば、1.375mm×1.375mm)とすることができ、第1主面1aに配線層2、第2主面1bに裏面電極2aを有する。配線層2及び裏面電極2aは、例えば厚み約30μmの銅層であり、電気的に導通している。
【0038】
発光素子3としては、例えば、窒化物系半導体からなる半導体層を有し、発光ピーク波長約375nmのものを用いることができる。本実施例の発光素子3は、平面視において略正方形(例えば、1.1mm×1.1mm)である。発光素子3は、接合部材7であるAu−Sn等によって、基体1の第1主面1aにフリップチップ実装される。
【0039】
基体1に実装された発光素子3は、その全表面から基体1の第1主面1a上にわたって連続的に、隙間及び切れ目なく、保護膜4によって被覆される。すなわち、保護膜4は、発光素子3と基体1の第1主面1aとの間(詳細には、発光素子3の電極形成面、電極の側面、電極形成面と対向する第1主面上)にも設けられる。保護膜4は、発光装置9の外表面を構成する。
保護膜4は、原子堆積法により形成されており、水分の浸入を略完全に阻止することができる程度に緻密である。例えば、保護膜4は、厚み約20nmの酸化アルミニウムによって構成することができる。
【0040】
以上のように、実施例1では、平板状の基体1を用いるので、発光素子3の光の吸収を抑制できる。さらに、小型の発光装置9とすることができる。また、発光素子3がフリップチップ実装されるので、発光装置9のさらなる小型化を図ることができる。さらに、ワイヤボンディング工程を行わなくてもよく、ワイヤ等の材料を用いる必要がないため、コストを削減することができる。
【0041】
また、保護膜4が原子堆積法により形成され、発光素子3と基体の第1主面1aとが隙間なく連続的に被覆されるため、保護膜4が発光装置9の外表面を形成する(すなわち、発光素子3を封止する部材が保護膜4のみである)小型でシンプルな構造ながら、信頼性の高い発光装置9を形成することができる。
特に、本実施例では、発光素子3がフリップチップ実装されるので、発光素子3の半導体層が基体1側に配置される。これにより、基体1側からの水分の浸入による発光素子3の劣化が顕著となることがあるが、発光素子3と基体1の間にも緻密な保護膜4が設けられるため、発光素子3の劣化を効果的に防止することができる。
また、保護膜4を薄く均一な膜状とすることができるため、発光素子3に対する保護機能を維持しながら、発光素子3の光の吸収を低減させることができる。
【0042】
(実施例2)
図2Aは、本発明の実施例2に係る発光装置19の断面図である。
図2Bは、本発明の実施例2に係る発光装置19の上面図である。
実施例2の発光装置19は、基体1の第1主面1a側に、発光素子3に加えて電子部品である保護素子8(例えば、平面視で0.23mm×0.23mm)が実装されている以外は、実施例1の発光装置9と実質的に略同様の構成を有する。なお、本実施例の発光装置19の基体1は、上面視で略長方形(例えば、1.8mm×1.375mm)とすることができる。
この発光装置19では、保護膜4は、基体1の第1主面1aから、発光素子3の表面、さらに保護素子8の表面を連続的に被覆している。したがって、発光素子3と第1主面1aとの間、保護素子8と第1主面1aとの間も、保護膜4で被覆される。
【0043】
実施例1の発光装置19においても、実施形態1の発光装置9と同様の効果を得ることができる。さらに、保護素子8を備えることにより、通電及び駆動における信頼性を向上させた高性能の発光装置19を得ることができる。
【0044】
(実施例3)
図3Aは、本発明の実施例3に係る発光装置29の断面図である。
図3Bは、本発明の実施例3に係る発光装置29の底面図である。なお、底面図とは、発光装置を基体の第2主面側から見た図である。
実施例3では、上面視で略正方形(例えば、1.375mm×1.375mm)の基体10の第2主面10bの略中央に凹部10cを有しており、その凹部10cの底面に一対の配線層2が露出する。電子部品である保護素子8は、凹部10cの底面に実装される。より詳細には、保護素子8は、凹部10cの底面の配線層2上に銀ペースト等の接合部材によって実装することができる。また、保護素子8と配線層2とは、例えばAu等のワイヤ5によって電気的に接続されていてもよい。凹部10c内には、例えばシリコーン樹脂からなる被覆部材6が充填されており、保護素子8が封止されている。裏面電極2aは、凹部以外の第2主面10b上に設けられる。本実施例の裏面電極2aは、平面視で、例えば略U字形状に設けることができる。前述の構成以外は、実施例1の発光装置9と略同様の構成を有する。
【0045】
このような構成とすることで、保護素子8が第2主面10b側に実装されるため、発光装置29をより小型化することができる。
また、第2主面10bが凹部10cを有することで、凹部10cに樹脂等の被覆部材6を容易に充填することができる。また、凹部10c及び被覆部材6によって、発光装置29をさらに別の実装基板(例えば、回路基板等)に実装する場合に用いられる半田フラックス等の浸入を防止し、保護素子8の短絡等を確実に防止することができる。
【0046】
(実施例4)
図4は、本発明の実施例4に係る発光装置の底面図である。なお、第1主面側に配置される発光素子の位置を点線で示す。この発光装置は、基体11の第2主面11bの凹部11cが、実施例3で示した凹部10cと比べて、基体の端部側に設けられる。すなわち、基体11の透視平面において、第2主面11bの凹部11cの底面に実装される保護素子8の中心は、第1主面に実装される発光素子3の中心と離間する。また、本実施例の裏面電極2bは、例えば、平面視で略L字形状に設けることができる。前述の構成以外は、実施例3の発光装置29と略同様の構成を有する。
このような構成とすることで、発光装置の放熱性を向上させることができる。
【0047】
(実施例5)
図5Aは、本発明の実施例5に係る発光装置39の斜視図である。
図5Bは、本発明の実施例5に係る発光装置39の上面図である。
実施例5の発光装置39は、基体12の第1主面に凹部12cを備える。凹部12cの底面には配線層2が設けられ、発光素子3及び電子部品である保護素子8が実装される。本実施例の基体12は、例えば、上面視で略正方形(例えば、3.5mm×3.5mm)とすることができる。
実施例5の保護膜4は、発光素子3、保護素子8、基体12の第1主面を連続的に被覆する。本実施形態では、基体12の第1主面だけでなく、基体12の凹部12cを形成する側壁の側面及び上面に、保護膜4を設けてもよい。
【0048】
このような構成とすることで、シンプルな構造で信頼性が高く、且つ光を上方に出射可能な発光装置39を形成することができる。
【0049】
(実施例6)
図6は、本発明の実施例6に係る発光装置49の斜視図である。
実施例6の発光装置49は、封止部材13を有すること以外は、実質的に実施例5の発光装置39と同様の構成を有する。
封止部材13は、例えば、ヘリウムガス等を充填して発光素子3を封止するように、凹部12cの側壁の上面に設けられた保護膜4上に接合することができる。
【0050】
これにより、発光装置49を所望の配光とすることができる。さらに、発光素子3をより確実に封止することができるので、信頼性の高い発光装置とすることができる。