(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
データセンタのサーバーとスイッチとの間の通信、または高性能コンピュータシステム(HPC)の機器間通信や機器内通信では、10Gbaud以上の高速差動信号の伝送が行われている。10Gbaud以上の高速差動信号の伝送に使用される差動信号用ケーブルは、従来から数Gbaudレベルの差動信号の伝送に使用されてきた差動信号用ケーブルに比べて、わずかな伝送特性の変化によって、信号伝送が困難になってしまうという問題がある。伝送特性の変化の原因としては、コネクタ部に微小なゴミが付着することや、ハンドリングミス等によってケーブルを過度に小さな曲率半径で曲げてしまうこと等がある。
【0003】
10Gbaud以上の高速差動信号の伝送では、差動信号用ケーブルの伝送特性の変化以外に、送受信回路の故障や、送受信回路の設定の不備、送受信回路とケーブルとを接続するプリント基板の設計及び製造状況(伝送損失、信号レート長、ビア・スタブ特性等)、あるいはコネクタ挿抜の不備等によっても、通信障害が発生する恐れがある。さらに、通信障害は、装置の冷却状態や電源供給の不安定化等、間接的な原因によっても発生する恐れがある。
【0004】
また、10Gbaud以上の高速差動信号の伝送では、送信側回路又は受信側回路で、信号波形を整形するための信号等価(イコライゼーション)を行うのが一般的であるが、イコライザパラメータの最適設定値は、伝送部品の周波数特性によって違ってくる。イコライザパラメータの最適設定値は、送受信回路の自動設定アルゴリズムによって決定されることが多いが、自動設定アルゴリズムは必ずしも差動信号用ケーブルのために最適化されているとは限らないので、自動設定が失敗することもあり得る。
【0005】
以上のような理由から、差動信号用ケーブルを用いた10Gbaud以上の高速差動信号の伝送では、通信障害の原因の特定が難しく、特に、差動信号用ケーブルの故障の検出が難しかった。そのため、差動信号用ケーブルの検査装置及び検査方法が検討されており、従来、例えば、疑似ランダム信号の送受信を行って、ビット誤り率を測定する方法等があった(特許文献1参照)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る、差動信号用ケーブルの特性判定装置の構成を示す図である。差動信号用ケーブルを用いた10Gbaud以上の高速差動信号の伝送で通信障害が発生したとき、その原因が差動信号用ケーブルの故障にあるか否かを判断するため、本発明の特性判定装置を使用する。
【0014】
本実施の形態の特性判定装置100は、送信側筐体10と、受信側筐体20と、送信側筐体10と受信側筐体20とをつなぐ電力線17及び通信線18とを含んで構成されている。送信側筐体10内には、電源装置11、信号送信回路12、コネクタ13、切替スイッチ14,15、及び表示装置16が収容されている。受信側筐体20には、信号受信回路22、コネクタ23、及び表示装置26が収容されている。信号送信回路12、及び信号受信回路22は、IC素子で構成されている。
【0015】
特性判定装置100の使用者は、差動信号用ケーブル1を用いた10Gbaud以上の高速差動信号の伝送で通信障害が発生したとき、差動信号用ケーブル1をその両側の接続機器から取り外し、差動信号用ケーブル1の一端を送信側筐体10のコネクタ13に接続し、他端を受信側筐体20のコネクタ23に接続する。コネクタ13,23は、送信側筐体10及び受信側筐体20から取り外して交換が可能な構成となっている。
【0016】
送信側筐体10内において、電源装置11からの電力は、信号送信回路12及び表示装置16へ供給される。また、電源装置11からの電力は、電力線17を介して、送信側筐体10から受信側筐体20へ供給され、受信側筐体20内において、信号受信回路22及び表示装置26へ供給される。
【0017】
送信側筐体10内の切替スイッチ14,15は、特性判定装置100の使用者が人手で操作するスイッチであり、一方が試験信号の伝送レートの切り替え用、他方が試験信号の出力の切り替え用である。
【0018】
信号送信回路12は、切替スッチ14,15の切り替え状態に応じて、伝送レート又は出力が異なる、予め決められた数の複数の試験信号の内の一つを発生し、発生した試験信号を、コネクタ34から差動信号用ケーブル1へ送信する。試験信号は、PRBS信号(疑似ランダム符号列)であってもよい。また、信号送信回路12は、送信する試験信号の送信条件(伝送レート、出力等)のパラメータを示す信号と、信号受信回路の設定パラメータを、通信線18を介して、受信側筐体20内の信号受信回路22へ送信する。
【0019】
受信側筐体20内の信号受信回路22は、差動信号用ケーブル1により伝送された試験信号を、コネクタ23から受信し、受信した試験信号と、予め用意した複数の試験信号のデータとから、差動信号用ケーブル1による試験信号の通信の成功・不成功を判定する。信号受信回路22の判定動作は、例えば、以下のようにして行われる。
【0020】
図6は、信号受信回路22の構成例を示す図である。信号受信回路22は、信号送信回路12から信号受信回路22に至る試験経路でのアナログ波形の劣化を補償するためのイコライザ回路221と、補償されたアナログ波形をデジタルデータ列に変換するためのクロック・データ・リカバリー(CDR)回路222と、受信デジタルデータを送信デジタルデータと比較して判定結果を出力するための判定回路223とを備えている。
【0021】
信号受信回路22は、内蔵メモリまたは通信線18から設定パラメータを読み込み、設定パラメータにしたがって、イコライザ回路221でアナログ波形を補償し、CDR回路222によってアナログ波形をデジタルデータに変換する。判定回路223は、差動信号用ケーブル1を介して伝送された受信デジタルデータを、送信されたデジタルデータと比較して、統計的なデータ誤りの発生率から、差動信号用ケーブル1による試験信号の通信の成功・不成功を判定する。この際、試験信号は、一定の数学的規則にのっとって決められているので、信号受信回路22は、内蔵メモリまたは通信線18から読み込んだ少数の設定パラメータだけにもとづいて、送信されたデジタルデータ列を正確に復元できる。
【0022】
本発明の信号受信回路22では、イコライザ回路221の設定パラメータを、信号伝送が失敗しやすい条件に設定することによって、一般的な装置よりもビット数の少ない試験信号を使って、簡便に通信の成功・不成功を判定することができる。したがって、本発明の信号受信回路22は、例えば一般的なビットエラーレートの測定を行わなくても、差動信号用ケーブル1を使って信号伝送ができるかどうかを簡易的に判定することができる。
【0023】
送信側筐体10内の表示装置16は、切替スイッチ14,15により切り替えられた、試験信号の伝送レート及び出力を表示する。
図2(a)は表示装置16の表示例を示す図である。本例では、切替スッチ14,15の一方により、試験信号の伝送レートが、DC(直流)、10Gbaud、及び25Gbaudの三段階に切り替えられる。表示装置16は、試験信号の伝送レートが三段階のいずれであるかを、例えば該当する箇所を点灯させて表示する。
【0024】
また、本例では、切替スッチ14,15の他方により、試験信号の出力が、1mW、3mW、10mW,30mW,及び100mWの五段階に切り替えられる。表示装置16は、試験信号の出力が五段階のいずれであるかを、例えば該当する箇所を点灯させて表示する。
【0025】
受信側筐体20内の表示装置26は、信号受信回路22の判定結果を表示する。
図2(b)は表示装置26の表示例を示す図である。まず、表示装置26は、表示装置16と同様に、試験信号の出力が五段階のいずれであるかを、例えば該当する箇所を点灯させて表示する。そして、表示装置26は、DC、10Gbaud、又は25Gbaudのいずれかの伝送レートについて、差動信号用ケーブル1の信号線毎に、信号受信回路22により判定された通信の成功・不成功を、例えば○(通信成功)又は×(通信不成功)等の成功・不成功を示す記号や文字、あるいは成功・不成功を示す色分け等により表示する。
【0026】
なお、送信側筐体10内の表示装置16に、信号受信回路22の判定結果を表示してもよい。その場合、信号受信回路22の判定結果を示す信号が、通信線18を介して、受信側筐体20から送信側筐体10へ送信される。
【0027】
本実施の形態の特性判定装置100を用いて、通信障害の原因が差動信号用ケーブル1の故障にあるか否かを判断する場合、単一の伝送レート及び出力の試験信号についての通信の成功・不成功だけでは、判断の信頼性が十分ではない。そこで、異なる伝送レート又は出力の試験信号についても、通信の成功・不成功を判定し、それらの結果を考慮して、判断の信頼性を向上させることができる。
【0028】
例えば、伝送レート25Gbaud、出力1mWの試験信号で通信が成功と判定された場合は、差動信号用ケーブル1の特性に問題はないと判断することができる。これに対し、伝送レート25Gbaud、出力1mWの試験信号で通信が不成功と判定された場合、伝送レート25Gbaud、出力3mWの試験信号で通信が成功と判定されれば、差動信号用ケーブル1の特性にやや問題があるものの、イコライザのパラメータ設定等を変更することで、通信が成功する可能性があると判断することができる。一方、伝送レートがDCの試験信号で通信が不成功と判断された場合は、差動信号用ケーブル1に破断等の致命的な問題があると判断することができる。
【0029】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用及び効果が得られる。
【0030】
(1)10Gbaud以上の高速差動信号の伝送に用いる差動信号用ケーブル1の伝送特性を、安価で可搬性のある特性判定装置100を用いて、使用状態と同じ環境で、簡易に評価することができる。従って、10Gbaud以上の高速差動信号の伝送で通信障害が発生した場合に、その原因が差動信号用ケーブル1の故障であるか、それ以外のものであるかを、容易に判断することができる。
【0031】
(2)IC素子等からなり、信号の振幅減衰やタイミングのずれ等を補正する信号補正回路を有するアクティブケーブル(ACC)にも、そのような回路を有しないダイレクトアタッチケーブル(DAC)にも対応することができる。
【0032】
(3)差動信号用ケーブル1の両端に接続する一組のコネクタ13,23は、取り外して交換が可能であるので、多数回使用して摩耗した時に交換することで、コネクタ13,23の摩耗に影響されずに判定を行うことができる。
【0033】
(4)コネクタ13、切替スイッチ14,15、及び信号送信回路12を収容する送信側筐体10と、コネクタ23、及び信号受信回路22を収容する送信側筐体20と、送信側筐体10と受信側筐体20とをつないで、信号送信回路12から信号受信回路22へ、試験信号の送信条件のパラメータを示す信号を伝送する通信線18とを備えるので、10Gbaud以上の高速差動信号の伝送で通信障害が発生したとき、差動信号用ケーブル1を、両端の接続機器から取り外したままの使用状態に近い状態で、評価を行うことができる。
【0034】
(5)電源装置11が、送信側筐体10に収容され、電源装置11を収容した送信側筐体10から受信側筐体20へ、電源装置11からの電力を供給する電力線17を備えるので、装置全体の可搬性が向上すると共に、電源装置11が一つで済む。
【0035】
(6)異なる伝送レート又は出力の複数の試験信号について、差動信号用ケーブル1による試験信号の通信の成功・不成功を判定することにより、通信障害の原因が差動信号用ケーブル1の故障にあるか否かの判断を、信頼性高く行うことができる。
【0036】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る、差動信号用ケーブルの特性判定装置の構成を示す図である。本実施の形態の特性判定装置110は、電源装置11を、受信側筐体20内に収容したものである。その他の構成は、
図1に示した第1の実施の形態と同様である。
【0037】
電力線17は、電源装置11を収容した受信側筐体20から送信側筐体10へ、電源装置11からの電力を供給する。
【0038】
(第2の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態について説明した(1)〜(4)、及び(6)の作用及び効果と同様の作用及び効果が得られる。
【0039】
さらに、電源装置11が、受信側筐体20に収容され、電源装置11を収容した受信側筐体20から送信側筐体10へ、電源装置11からの電力を供給する電力線17を備えるので、装置全体の可搬性が向上すると共に、電源装置11が一つで済む。
【0040】
[第3の実施の形態]
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る、差動信号用ケーブルの特性判定装置の構成を示す図である。本実施の形態の特性判定装置120は、電源装置11、信号送信回路12、一組のコネクタ13,23、切替スイッチ14,15、信号受信回路22、及び表示装置26を、共通の筐体30に収容したものである。
【0041】
差動信号用ケーブル1を用いた10Gbaud以上の高速差動信号の伝送で通信障害が発生したとき、その原因が差動信号用ケーブル1の故障にあるか否かを判断するため、特性判定装置120の使用者は、差動信号用ケーブル1をその両側の接続機器から取り外した後、差動信号用ケーブル1を両端が特性判定装置120に向くように曲げて、差動信号用ケーブル1の両端をコネクタ13,23に接続する。
【0042】
筐体30内において、電源装置11からの電力は、信号送信回路12、信号受信回路22、及び表示装置26へ供給される。信号送信回路12は、切替スッチ14,15の切り替え状態に応じて、伝送レート又は出力が異なる、予め決められた数の複数の試験信号の内の一つを発生し、発生した試験信号を、コネクタ34から差動信号用ケーブル1へ送信する。信号受信回路22は、差動信号用ケーブル1により伝送された試験信号を、コネクタ23から受信し、受信した試験信号と、予め用意した複数の試験信号のデータとから、差動信号用ケーブル1による試験信号の通信の成功・不成功を判定する。
【0043】
このとき、信号送信回路12は、送信する試験信号の送信条件のパラメータを示す信号を、筐体30内で信号受信回路22へ直接送信する。信号受信回路22は、信号送信回路12から受信した信号から、予め用意した複数の試験信号のデータの内の一つを選択して、受信した試験信号と一致しているか否かを判断する。
【0044】
(第3の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態について説明した(1)〜(3)、及び(6)の作用及び効果と同様の作用及び効果が得られる。
【0045】
さらに、第1及び第2の実施の形態の電力線17及び信号線18が必要なく、装置をより安価に構成することができる。
【0046】
また、電源装置11が、共通の筐体30に収容されているので、装置全体の可搬性が向上する共に、電源装置11が一つで済む。
【0047】
[第4の実施の形態]
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る、差動信号用ケーブルの特性判定装置の構成を示す図である。本実施の形態の特性判定装置130は、形状の異なる複数組のコネクタ13a,23a及びコネクタ13b,23bと、各組のコネクタに対応した、複数の信号送信回路12a,12b、及び複数の信号受信回路22a,22bと、複数の信号送信回路12a,12b、及び複数の信号受信回路22a,22bを切り替える切替装置40,42とを備えたものである。
【0048】
差動信号用ケーブル1aと差動信号用ケーブル1bとは、両端のコネクタの形状が異なる。特性判定装置130は、差動信号用ケーブル1aの両端のコネクタの形状に対応した形状の一組のコネクタ13a,23aと、差動信号用ケーブル1bの両端のコネクタの形状に対応した形状の一組のコネクタ13b,23bとを備える。なお、本実施の形態では、コネクタ13a,23aとコネクタ13b,23bの二組の形状の異なるコネクタが設けられているが、さらに形状の異なるコネクタの組を設けてもよい。
【0049】
送信側筐体10内には、コネクタ13aに対応して、信号送信回路12aが設けられ、コネクタ13bに対応して、信号送信回路12bが設けられている。また、受信側筐体20内には、コネクタ23aに対応して、信号受信回路22aが設けられ、コネクタ23bに対応して、信号受信回路22bが設けられている。
【0050】
送信側筐体10内の切替スイッチ41は、特性判定装置130の使用者が人手で操作するスイッチである。切替装置40は、切替スッチ41の切り替え状態に応じて、信号送信回路12aと信号送信回路12bとを切り替える。切替装置40は、切り替え結果の情報を示す信号を、通信線18を介して、受信側筐体20へ送信する。受信側筐体20内の切替装置42は、この信号に従って、信号受信回路22aと信号受信回路22bとを切り替える。
【0051】
(第4の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態について説明した(1)〜(6)の作用及び効果と同様の作用及び効果が得られる。
【0052】
さらに、形状の異なる複数組のコネクタ13a,23及びコネクタ13b,23bと、各組のコネクタに対応した、複数の信号送信回路12a,12b、及び複数の信号受信回路22a,22bと、複数の信号送信回路12a,12b、及び複数の信号受信回路22a,22bを切り替える切替装置40,42とを備えるので、形状の異なるコネクタを有する複数の差動信号用ケーブル1a,1bに対応することができる。
【0053】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0054】
[1]伝送レートが10Gbaud以上の高速差動信号の伝送に用いる差動信号用ケーブル(1)の特性判定装置であって、差動信号用ケーブル(1)の両端に接続する一組のコネクタ(13,23)と、差動信号用ケーブル(1)へ供給する試験信号の伝送レート又は出力を切り替える切替スイッチ(14,15)と、切替スッチ(14,15)の切り替え状態に応じて、伝送レート又は出力が異なる、予め決められた数の複数の試験信号の内の一つを発生し、発生した試験信号を、一組のコネクタ(13,23)の一方から差動信号用ケーブル(1)へ送信する信号送信回路(12)と、差動信号用ケーブル(1)により伝送された試験信号を、一組のコネクタ(13,23)の他方から受信し、受信した試験信号と、予め用意した複数の試験信号のデータとから、差動信号用ケーブル(1)による試験信号の通信の成功・不成功を判定する信号受信回路(22)と、信号受信回路(22)の判定結果を表示する表示装置(26)と、信号送信回路(12)、信号受信回路(22)、及び表示装置(26)へ電力を供給する電源装置(11)と、を備えた、差動信号用ケーブルの特性判定装置。
【0055】
[2]一組のコネクタ(13,23)は、取り外して交換が可能である、差動信号用ケーブルの特性判定装置。
【0056】
[3]一組のコネクタ(13,23)の一方、切替スイッチ(14,15)、及び信号送信回路(12)を収容する送信側筐体(10)と、一組のコネクタ(13,23)の他方、及び信号受信回路(22)を収容する送信側筐体(20)と、送信側筐体(10)と受信側筐体(20)とをつなぐ通信線(18)と、を備え、信号送信回路(12)は、送信する試験信号の送信条件のパラメータを示す信号を、通信線(18)を介して、信号受信回路(22)へ送信し、信号受信回路(22)は、通信線(18)を介して受信した信号から、予め用意した複数の試験信号のデータの内の一つを選択して、受信した試験信号と一致しているか否かを判断する、差動信号用ケーブルの特性判定装置。
【0057】
[4]電源装置(11)は、送信側筐体(10)又は受信側筐体(20のいずれかに収容され、電源装置(11)を収容した送信側筐体(10)から受信側筐体(20)へ、または、電源装置(11)を収容した受信側筐体(20)から送信側筐体(10)へ、電源装置(11)からの電力を供給する電力線(17)を備えた、差動信号用ケーブルの特性判定装置。
【0058】
[5]一組のコネクタ(13,23)、切替スイッチ(14,15)、信号送信回路(12)、信号受信回路(22)、表示装置(26)、及び電源装置(11)を収容する共通の筐体(30)を備え、信号送信回路(12)は、送信する試験信号の送信条件のパラメータを示す信号を、筐体(30)内で信号受信回路(22)へ直接送信し、信号受信回路(22)は、信号送信回路(12)から受信した信号から、予め用意した複数の試験信号のデータの内の一つを選択して、受信した試験信号と一致しているか否かを判断する、差動信号用ケーブルの特性判定装置。
【0059】
[6]形状の異なる複数組のコネクタ(13a,23a)及びコネクタ(13b,23b)と、各組のコネクタに対応した、複数の信号送信回路(12a,12b)、及び複数の信号受信回路(22a,22b)と、複数の信号送信回路(12a,12b)、及び複数の信号受信回路(22a,22b)を切り替える切替装置(40,42)と、を備えた、差動信号用ケーブルの特性判定装置。
【0060】
[7]差動信号用ケーブルの特性判定装置(100/110/120/130)を用い、異なる伝送レート又は出力の複数の試験信号について、差動信号用ケーブル(1)による試験信号の通信の成功・不成功を判定する、差動信号用ケーブルの特性判定方法。
【0061】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0062】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、表示装置16及び表示装置26の表示は、以上説明した実施の形態に限らず、複数のランプの点灯及び消灯による表示、あるいは、液晶による文字や記号の表示等であってもよい。