特許第6558605号(P6558605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6558605
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】放電加工用電極線
(51)【国際特許分類】
   B23H 7/08 20060101AFI20190805BHJP
   C22C 18/02 20060101ALN20190805BHJP
   C22F 1/16 20060101ALN20190805BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20190805BHJP
【FI】
   B23H7/08
   !C22C18/02
   !C22F1/16 B
   !C22F1/00 613
   !C22F1/00 625
   !C22F1/00 631B
   !C22F1/00 691B
   !C22F1/00 691C
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-21485(P2018-21485)
(22)【出願日】2018年2月9日
(62)【分割の表示】特願2016-521807(P2016-521807)の分割
【原出願日】2014年11月7日
(65)【公開番号】特開2018-99773(P2018-99773A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2018年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】辻 隆之
(72)【発明者】
【氏名】黒田 洋光
(72)【発明者】
【氏名】徳光 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】木村 孝光
(72)【発明者】
【氏名】芝 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】松崎 寛
(72)【発明者】
【氏名】小室 裕一
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 慎悟
【審査官】 竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−318434(JP,A)
【文献】 特開平10−128623(JP,A)
【文献】 特開2001−259931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23H 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅又は銅合金からなる芯材の外周が亜鉛を含む被覆層により被覆されており、
前記被覆層は、前記芯材上の外周を被覆する銅−亜鉛系合金のγ相からなる内層と、前記内層の外周を被覆する銅−亜鉛系合金のε相からなる外層とを有し、
ボビンに巻き取られた状態で100℃、8時間の熱処理を行い、鉛直に垂らしたときの鉛直方向に沿った軸に対する反り量が40mm/m〜80mm/mである放電加工用電極線。
【請求項2】
前記外層は、最外層である請求項1に記載の放電加工用電極線。
【請求項3】
前記芯材は、黄銅からなる請求項1又は2に記載の放電加工用電極線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電加工用電極線及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銅又は銅合金からなる芯材の外周に亜鉛被覆を有する放電加工用電極線(例えば特許文献1〜3参照)は、銅又は銅合金からなる芯材のみの放電加工用電極線に比べて、被加工物の加工部分の面精度が良いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−126950号公報
【特許文献2】特許3549663号公報
【特許文献3】米国特許8,067,689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の亜鉛被覆を有する放電加工用電極線によると、ボビン等に巻きつけコイル状で熱処理をして製造した場合、曲り癖が強く付くため、放電加工の際の自動結線性が低下する。例えば、上記の亜鉛被覆を有する放電加工用電極線が放電加工中に何らかの影響で断線した場合、加工していた被加工物の加工部分へ放電加工用電極線を自動で、素早く(高速度で)挿通することが難しい。特に、被加工物の厚さが厚い場合等において、放電加工用電極線を自動で挿通する距離が長くなると、放電加工用電極線を自動で結線することがさらに難しくなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、芯材の外周に亜鉛被覆を有する放電加工用電極線において放電加工の際の自動結線性に優れる放電加工用電極線を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、下記の放電加工用電極線を提供する。
【0007】
[1]銅又は銅合金からなる芯材の外周が亜鉛を含む被覆層により被覆されており、前記被覆層は、前記芯材上の外周を被覆する銅−亜鉛系合金のγ相からなる内層と、前記内層の外周を被覆する銅−亜鉛系合金のε相からなる外層とを有し、鉛直に垂らしたときの鉛直方向に沿った軸に対する反り量が40mm/m〜80mm/mである放電加工用電極線。
[2]前記外層は、最外層である前記[1]に記載の放電加工用電極線。
[3]前記芯材は、黄銅からなる前記[1]又は[2]に記載の放電加工用電極線。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、芯材の外周に亜鉛被覆を有する放電加工用電極線において放電加工の際の自動結線性に優れる放電加工用電極線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る放電加工用電極線の構造を示す横断面図である。
図2A】X線回折強度の測定結果を示しており、各焼鈍温度におけるε相(CuZn)の(0001)強度の測定結果である。
図2B】X線回折強度の測定結果を示しており、各焼鈍温度におけるγ相(CuZn)の(332)強度の測定結果である。
図2C】X線回折強度の測定結果を示しており、各焼鈍温度におけるη相(Zn)の(100)強度の測定結果である。
図3】実施例及び比較例の真直性の評価結果を示すグラフである。
図4】真直性の測定方法を示す図である。
図5】真直性と自動結線性の関係性の評価を行うための装置の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔放電加工用電極線〕
図1は、本発明の実施の形態に係る放電加工用電極線の構造を示す横断面図である。
本発明の実施の形態に係る放電加工用電極線10は、図1に示されるように、銅又は銅合金からなる芯材1の外周が亜鉛を含む被覆層2により被覆されており、被覆層2は、芯材1上の外周を被覆する銅−亜鉛系合金のγ相を含む内層2Aと、内層2Aの外周を被覆する銅−亜鉛系合金のε相を含む外層2Bとを有し、ε相の(0001)X線回折強度が、γ相の(332)X線回折強度の2倍よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
芯材1は、銅又は銅合金からなる。銅合金としては特に限定されるものではないが、黄銅であることが好ましい。
【0012】
芯材1の外周に設けられた亜鉛を含む被覆層2は、亜鉛めっき又は亜鉛合金めっき、好ましくは、亜鉛めっきを施すことにより設けられる。
【0013】
被覆層2は、芯材1上の外周を被覆する銅−亜鉛系合金のγ相を含む内層2Aと、内層2Aの外周を被覆する銅−亜鉛系合金のε相を含む外層2Bとを有する。γ相とは、一般的に、CuZnで表され、Cu濃度が45〜35質量%程度、Zn濃度が55〜65質量%程度のCu−Zn合金である。また、ε相とは、一般的に、CuZnで表され、Cu濃度が24〜12質量%程度、Zn濃度が76〜88質量%程度のCu−Zn合金である。ε相を含む外層2Bは、最外層であることが好ましい。β相からなる層やη相からなる層は、有していないことが好ましいが、本発明の効果を奏する限りにおいて存在していてもよい。なお、γ相を含む内層2Aは、γ相を内層中に85質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことが最も好ましい。また、ε相を含む外層2Bは、ε相を外層中に85質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%含むことが最も好ましい。
【0014】
被覆層2は、外層2B中のε相の(0001)X線回折強度が、内層2A中のγ相の(332)X線回折強度の2倍よりも大きい。ε相の(0001)X線回折強度は、γ相の(332)X線回折強度の3倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。上限は特に限定されるものではないが、20倍以下であることが好ましい。ε相の(0001)X線回折強度は、500〜1200cpsであることが好ましく、600〜1100cpsであることがより好ましい。また、γ相の(332)X線回折強度は、30〜550cpsであることが好ましく、400〜500cpsであることがより好ましい。X線回折強度は、薄膜法(入射X線を低角度(例えば10°)に固定させることによりX線の侵入深さを浅くして表面層の分析感度を高める手法)により測定したピーク強度を比較したものである。
【0015】
被覆層2の厚さは、全体として、1〜20μmであることが好ましい。層厚比は、外層2B/内層2A=4/1〜1/1であることが好ましい。
【0016】
本発明の実施の形態に係る放電加工用電極線10を鉛直に垂らしたときの鉛直方向に沿った軸に対する反り量は、80mm/m以下であることが好ましい。また、放電加工用電極線10の長手方向における上記反り量の最大値と最小値の差が30mm/m以下であることが好ましい。
【0017】
〔放電加工用電極線の製造方法〕
本発明の実施の形態に係る放電加工用電極線の製造方法は、銅又は銅合金からなる芯材の外周が亜鉛を含む被覆層により被覆されている放電加工用電極線の製造方法において、前記芯材の外周に亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきを1回施す工程と、めっきを施した前記芯材を伸線する工程と、伸線後に、前記被覆層が銅−亜鉛系合金のγ相を含む内層と、前記内層の外周を被覆する銅−亜鉛系合金のε相を含む外層とを有し、前記ε相の(0001)X線回折強度が、前記γ相の(332)X線回折強度の2倍よりも大きくなる熱処理条件で熱処理を施す工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきを1回施す工程及び伸線する工程は、公知の方法により行なうことができる。
【0019】
伸線後に熱処理を施す工程を経ることにより、前述の本発明の実施の形態に係る放電加工用電極線を製造することができる。熱処理条件は、好ましくは、100〜120℃、3〜24時間、より好ましくは100〜120℃、3〜18時間の範囲内で、前述の内層2A及び外層2Bを形成できるように調整する。熱処理温度及び時間は、電極線の径や被覆層の厚さによって、適宜、調整する。例えば、100℃で熱処理する場合、電極線の径がφ0.20であれば、6〜10時間程度が好ましく、電極線の径がφ0.25であれば、10〜17時間程度が好ましい。また、例えば、100℃で熱処理する場合、被覆層の厚さが1.5μm未満であれば、3〜7時間程度が好ましく、被覆層の厚さが1.5μm以上であれば、7〜18時間程度が好ましい。
【0020】
〔本発明の実施形態の効果〕
本発明の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)芯材の外周に亜鉛被覆を有する放電加工用電極線において真直性が改善されたことにより放電加工の際の自動結線性に優れる放電加工用電極線及びその製造方法を提供できる。例えば、黄銅線のみからなる放電加工用電極線に匹敵する自動結線のし易さを持つ放電加工用電極線を得ることができる。また、亜鉛濃度の高いε相を含む外層2Bを最外層に設けることにより、放電加工特性が更に優れる放電加工用電極線を得ることができる。(2)被加工物の他の加工部位へ加工作業を切り替える段取り工程において、被加工物のごく僅かな大きさの孔へ自動で素早く放電加工用電極線を挿通させることができるため、加工作業の切り替えが行いやすい。
(3)1回のめっき工程で製造できるため生産性に優れる。
(4)コイル状に巻いた状態で熱処理(焼鈍)しても巻き癖の少ない放電加工用電極線が得られるため、自動結線性が改善されるのみならず、生産性にも優れる。
【0021】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0022】
〔X線回折強度の測定〕
下記の方法により放電加工用電極線を製造し、X線回折強度の測定を行なった。図2A〜Cは、X線回折強度の測定結果を示しており、図2Aは各焼鈍温度におけるε相(CuZn)の(0001)強度の測定結果であり、図2Bは各焼鈍温度におけるγ相(CuZn)の(332)強度の測定結果であり、図2Cは各焼鈍温度におけるη相(Zn)の(100)強度の測定結果である。なお、図2A〜Cにおける25℃のプロットは、焼鈍しなかった放電加工用電極線の測定結果である。
【0023】
芯材1としての黄銅線(線径:1.2mm)上に電解亜鉛めっき法により厚さ約10μmの亜鉛めっき層を形成した。亜鉛めっきを施した芯材1を線径が0.20mm(めっき層1.7μm)になるまで伸線した後、ボビン(F10:胴径100mm)に巻き取り、この状態で焼鈍を行ない、各10kgの放電加工用電極線を製造した。焼鈍条件は、40〜160℃(40、60、80、100、120、160℃)、3時間及び8時間である。
【0024】
図2A及び2Bより、焼鈍温度120℃以下において、焼鈍時間3時間及び8時間のいずれも、ε相の(0001)X線回折強度が、γ相の(332)X線回折強度の2倍よりも大きいことが分かる。なお、8時間焼鈍品は、焼鈍温度100℃でη相(Zn)の(100)X線回折強度が0となり、3時間焼鈍品は、焼鈍温度120℃でη相(Zn)の(100)X線回折強度が0となった(図2C)。η相は純Zn相であり、軟らかいため摩耗粉が出やすく、放電加工機のパスライン上でカスとして溜まる。そのため、η相は熱処理で無くした方が良く、そのためには100℃以上の熱処理が必要であることが分かる。
上記より100℃〜120℃の熱処理が最適である。
【0025】
〔真直性の評価〕
下記の方法により放電加工用電極線を製造し、真直性の評価を行なった。図3は、実施例及び比較例の真直性の評価結果を示すグラフである。また、図4は、真直性の測定方法を示す図である。
【0026】
芯材1としての黄銅線(線径:1.2mm)上に電解亜鉛めっき法により厚さ約10μmの亜鉛めっき層を形成した。亜鉛めっきを施した芯材1を線径が0.20mm(めっき層1.7μm)になるまで伸線した後、ボビン(F350:胴径340mm)に巻き取り、この状態で焼鈍を行ない、各300kgの放電加工用電極線を製造した。焼鈍条件は、100℃、8時間(実施例1)、160℃、3時間(比較例1)である。
【0027】
真直性は、図4に示すように、放電加工用電極線を鉛直に垂らしたときの鉛直方向に沿った軸に対する1mあたりの反り量(図4において「D」(幅)として示される)を測定することで評価した。ボビン外側の放電加工用電極線から順におよそ10〜15kgおきに反り量を測定した。ボビン内側ほど径が小さくなるため、反り量が大きくなる。
【0028】
図3より、実施例1では、反り量が全長に亘って、80mm/m以下(40〜70mm/mの範囲内)であったことが分かる。反り量の最大値と最小値の差が30mm/m以下であった。一方、比較例1では、反り量が60〜100mm/mの範囲内であり、ボビン外側から75kgあたりの電極線から反り量が80mm/m以上となった。
【0029】
〔真直性と自動結線性の関係性の評価〕
下記の方法により放電加工用電極線を製造し、真直性(反り量=幅)が自動結線率に及ぼす影響について評価を行なった。図5は、真直性と自動結線性の関係性の評価を行うための装置の概略を示す図である。
【0030】
(実施例)
芯材1としての黄銅線(線径:1.2mm)上に電解亜鉛めっき法により厚さ約10μmの亜鉛めっき層を形成した。亜鉛めっきを施した芯材1を線径が0.25mm(めっき層2.1μm)になるまで伸線した後、ボビン(F−350:胴径340mm)に巻き取り、この状態で焼鈍を行ない、その後、ボビン(P−5RT:胴径100mm)に巻き替え、各5kgの放電加工用電極線を製造した。焼鈍条件は、100℃、8時間で設定し、真直性(反り量)が40〜80mmの放電加工用電極線を製造した。
【0031】
(比較例)
芯材1としての黄銅線(線径:1.2mm)上に電解亜鉛めっき法により厚さ約10μmの亜鉛めっき層を形成した。亜鉛めっきを施した芯材1を線径が0.25mm(めっき層2.1μm)になるまで伸線した後、ボビン(F−350:胴径340mm)に巻き取り、この状態で焼鈍を行ない、その後、ボビン(P−5RT:胴径100mm)に巻き替え、各5kgの放電加工用電極線を製造した。焼鈍条件は、160℃、3時間で設定し、真直性(反り量)が90〜110mmの放電加工用電極線を製造した。
【0032】
製造した実施例又は比較例の電極線10を図5に示すように装置にセットし、加工物20の加工を行なった。具体的には、電極線10を上部ガイドダイス22A及び下部ガイドダイス22Bに通し、加工物20に孔20aをあける加工を行なった。上部ノズル21A及び下部ノズル21Bは、電極線10を孔20aに自動挿入することを助長するジェット水流を噴射する(約2kgf/cm2の水圧とΦ2mmの水柱によって電極線を覆い、下穴への挿入を助ける役目をする)ものである。上部ノズル21Aの下端から下部ノズル21Bの上端までの距離が図5に示すZ軸高さHであり、加工機の大きさによって0.1mm〜1500mmに設定可能である。本実施例では、加工機は三菱電機社製の商品名:FK−Kを用い、下穴をΦ3mmに固定し、Z軸高さHを50、100、150mmに設定してそれぞれ試験を行った。Z軸高さが大であるほど、自動結線が困難となる。断線した電極線10は、ローラー23及び回収ローラー24を介して、スクラップワイヤ25として回収した。
【0033】
測定回数は、連続50回とし、Z軸高さ50、100、150mmのいずれにおいても自動結線率80%以上が実用上問題の無いレベルであると定義した。なお、結線は1回失敗すると自動的にリトライされるが、1回で成功した場合のみを成功としてカウントした。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1より、真直性(反り量)80mm以下の電極線において、Z軸高さ50、100、150mmのいずれにおいても自動結線率80%以上であったことが分かる。すなわち、本発明の放電加工用電極線では、自動で挿通する距離が長くなった場合でも、高い自動結線率を維持することができる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々に変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1:芯材、2:被覆層、2A:内層(γ相)、2B:外層(ε相)
10:電極線
20:加工物、20a:孔
21A:上部ノズル、21B:下部ノズル
22A:上部ガイドダイス、22B:下部ガイドダイス
23:ローラー、24:回収ローラー、25:スクラップワイヤ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5