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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれの前記バターは、包装紙を折ることで包まれるとともに、前記包装紙の縁部を折り合わせた合わせ部が前記本体部の前記底板に対する前記開口側となるように前記本体部に収容されている、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の容器入りバター。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ここでの開示内容の中には、その形態にふさわしい容器の具体的な開示がなく、保存性や使いやすさを考慮に入れた具体的な形の最終製品の開示はされておらず、使いやすい形にしたシート状や板状のバターの製品は知られていなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、使用者が定量的に分割しながら、衛生的な保存状態を維持して使用できる、家庭用として使い勝手の良い、容器入りバターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明に係る容器入りバターは、開口を有する箱状に形成された本体部と、前記開口を覆う蓋部と、を有し、紙を基材として形成され
、前記本体部と前記蓋部とが折目を介して接続された容器と、前記容器に複数収容される、板状に形成されたバターと、を備えた容器入りバターであって、複数の前記バターは、厚さ方向に重ねられた状態で、前記本体部の底板から前記開口に向かう方向に重なるように前記本体部に収容され、前記本体部には、手指を挿通させて重ねられた複数の前記バターに触れることができる程度の大きさを有
し、前記蓋部を閉めた際に前記蓋部により蓋われる切り欠き部を有する。
【0008】
本発明に係る容器入りバターは、前記本体部は、前記底板と、第一の内側面板と、側面板と、一対の第二の内側面板とを有し、前記底板は、
矩形状に形成され、互いに平行となる一対の第一の底板側縁部、および、前記第一の底板側縁部に直交する一対の第二の底板側縁部を有し、前記第一の内側面板は、前記一対の第一の底板側縁部の一方から立設し、前記側面板は、前記一対の第一の底板側縁部の他方から立設し、前記一対の第二の内側面板のそれぞれは、前記一対の第二の底板側縁部のそれぞれから立設しており、
前記第一の内側面板および前記側面板は、前記本体部の長手方向に延び、前記一対の第二の内側面板は、前記本体部の短手方向に延び、前記切り欠き部は、前記一対の第二の内側面板のそれぞれに形成されていてもよい。
【0009】
本発明に係る容器入りバターは、前記切り欠き部は、前記一対の第二の底板側縁部から前記一対の第二の底板側縁部と反対側の反対側縁部に向かうにしたがって幅が広くなる台形状に形成されており、前記反対側縁部の一部に接続するように形成されていてもよい。
【0010】
本発明に係る容器入りバターは、前記一対の第二の内側面板のそれぞれは、前記側面板とフラップ板により接続されており、前記フラップ板は、前記切り欠き部と重ならない位置に配置されていてもよい。
【0011】
本発明に係る容器入りバターは、前記切り欠き部は、縁部がミシン目により構成されていてもよい。また、本発明に係る容器入りバターは、前記バターは、厚さが5mm以上20mm以下であり、2枚以上5枚以下の前記バターが前記本体部に収容されていてもよい。
【0012】
本発明に係る容器入りバターは、それぞれの前記バターは、包装紙を折ることで包まれるとともに、前記包装紙の縁部を折り合わせた合わせ部が前記本体部の前記底板に対する前記開口側となるように前記本体部に収容されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のバターは、板状に形成されたバターであって、一方の面には、両端部が前記一方の面の外縁にそれぞれ接続された溝部が形成され、厚さが5mm以上であることを特徴としている。この発明によれば、溝部が形成されていてもバターの曲げ剛性が高くなるため、バターの反りを抑えることができる。
【0014】
また、上記のバターにおいて、前記厚さが20mm以下であることがより好ましい。
本発明のバターを製造する際には、まず、加温された半固体状のバターの原料をノズル部から押し出し、シート状バターを形成する。このシート状バターを冷却し固化させながら加温したカット刃で切断することで、シート状の(板状の)バターが製造される。厚さを20mm以下とすることで、切断時のカット刃の温度低下を抑え、バターの切断面を滑らかにすることができる。
【0015】
また、上記のバターにおいて、前記溝部の深さがバターの厚さの20%以上30%以下が望ましい。これにより、バターを溝部で容易に分割することができ、一方で、製造時の搬送中や、製造後の輸送中にバターが割れてしまうのを防止することができる。
【0016】
また、上記のバターにおいて、前記溝部で分割することにより形成される分割片の質量が5gであることがより好ましい。これにより、2つの分割片を溝部で分割せずに塊として使用することで、一般的にバターがよく使用される10gの塊として使うことができる。さらに、この2つの分割片を溝部で分割することで、10gより小さい5gの分割片として使うことができる。
【0017】
また、上記のバターにおいて、冷蔵または冷凍されていることが好ましい。前記溝部が備えられていることから、例えば−4℃程度で冷蔵、もしくは−20℃程度で冷凍することにより、バターが硬化し、板状のチョコレートのようにパキッと割れやすくなる。これにより、従来と比べて、バターの分割片を作りやすくなる。また、使用時に、パキッと割れる爽快感も楽しめる。
従来のバターでは、冷蔵や冷凍の状態では硬化するため、計量や分割が困難であった。したがって、常温に置く方が柔らかくなり、使い勝手が良かった。これに対し、本発明のバターでは、冷蔵や冷凍の状態のままでも使いやすく、むしろ、冷蔵や冷凍の状態では、バターが硬化し、分割しやすくなって使い勝手が良くなる。このように、従来のバターでは、冷蔵や冷凍の状態のままで使用する発想はあり得ず、冷凍や冷蔵の状態のままで使用するバターは、本発明により初めて完成されたものである。
従来のバターでは、衛生上の問題等から、冷蔵庫あるいは冷凍庫等で保管されてきた。そして、これまでは、その低温の保管状態から取り出した後、計量や分割するために、しばらく常温に放置するか、あるいは加温する等の手間がかかっていた。しかし、本発明のバターでは、冷蔵庫あるいは冷凍庫等で保管した後、そこから取り出して直ぐに使用する方が、むしろ望ましいものであり、従来のバターのような手間や時間が全くかからない。
このように、本発明は、従来とは全く異なる着想にたったものであり、非常に使い勝手の良いバターである。
【0018】
また、本発明の容器入りバターは、上記のいずれかに記載された2枚以上5枚以下のバターと、開口を有する箱状に形成された本体部、および、前記開口を覆う蓋部を有する容器と、を備え、複数の前記バターは、厚さ方向に積層された状態で、前記本体部の底面から前記開口に向かう方向に重なるように前記本体部に収容されていることが望ましい。この発明によれば、バターの枚数を5枚以下とすることで、バターを小型にして収容枚数が増えて容器入りバターの製造コストが増加するのを抑制することができる。さらに、2枚以上のバターを容器に収容することで、直ちに使う分と、直ちに使わずに容器に保存しておく分とに、複数個に積層された(小分けされた)バターを分けて使うことができる。
【0019】
また、上記の容器入りバターにおいて、それぞれの前記バターは、包装紙を折ることで包まれるとともに、前記包装紙の縁部を折り合わせた合わせ部が前記本体部の前記底面に対する前記開口側となるように前記本体部に収容されていることがより好ましい。
一般的に、容器入りバターは本体部に対して蓋部が上方となるように保存される。バターが溶けてしまったときであっても、バターは包装紙に合わせ部を上方となるように包まれて保存されているため、バターが包装紙の合わせ部から外部に流れ出るのを抑えることができる。
【0020】
また、従来のバターでは、開口部が横方向に設置されている箱容器に収納されていることが多かった。この場合、使用するたびに、箱容器から全量を取り出し、使用後に再度収容する必要があり、手間がかかり、使い勝手が良くなかった。
本発明の上記の容器入りバターでは、分割された板状のバターが複数個に積層された形態で、箱容器に収容されているので、実際に使用する分量だけを本体部の開口から取り出すことができ、非常に使い勝手が良い。
【0021】
また、従来のバターでは、冷蔵もしくは冷凍で保管していても、使用するたびに、常温の状態に戻し、計量や分割等をして、使い残しの部分を再度、冷蔵もしくは冷凍で保管する使い方をしていた。この場合、使用するたびに、使い残しの部分が、常温の状態となり、衛生上、望ましくない。
一方、本発明のバターでは、冷蔵もしくは冷凍で保管した後、その直後から使用時に、そのままの状態で使用できる。よって、使い残しの部分も、低温の状態が維持されるので、衛生上の問題は極めて生じにくく、衛生的な保存状態を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る容器入りバターの一実施形態を、
図1から
図7を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の容器入りバター1は、3枚の包装済みバター10と、開口30aを有する箱状に形成された本体部30、および、開口30aを覆う蓋部70を有する紙箱容器(容器)20とを備えている。なお、
図1では、蓋部70が開くとともに、包装紙16の縁部の一部がめくれた状態を示している。
以下では、まず、紙箱容器20について説明する。
【0024】
紙箱容器20は、基材紙の表面に樹脂やニスなどの層などを設けることで油脂の浸透を防止した耐油紙を材料として形成されている。基材紙としては、未晒クラフト紙、晒クラフト紙、白板紙などの各種の板紙を用いることができるが、パルプとしては、古紙パルプを含まない晒クラフトパルプを使用することが好ましい。
紙箱容器20は、所定の弾性を有する材料で形成されている。ここで言う所定の弾性とは、後述する第一の内側面板32の内側面側スリット41近傍や、舌部44が弾性変形する程度の弾性のことを意味する。
【0025】
図2に示すように、本体部30は、矩形状に形成された底板31と、底板31の縁部から向きZ1に立設する第一の内側面板32、側面板33、および一対の第二の内側面板34とを有している。
底板31は、互いに平行となる一対の第一の底板側縁部31a、および、第一の底板側縁部31aに直交する一対の第二の底板側縁部31bを有している。この例では、第一の底板側縁部31aは、第二の底板側縁部31bより長く設定されている。
第一の内側面板32は、一対の第一の底板側縁部31aのうちの一方の第一の底板側縁部31aから立設し、側面板33は他方の第一の底板側縁部31aから立設している。
また、一対の第二の内側面板34は、それぞれの第二の底板側縁部31bから立設している。
第一の内側面板32、側面板33、および一対の第二の内側面板34が立設する高さは、互いに等しく設定されている。
【0026】
図2および
図3に示すように、第一の内側面板32における、底板31の長手方向Xの中央部であって向きZ1の中央部には、長手方向Xに延びる内側面側スリット41が形成されている。なお、
図3は、第一の内側面板32の内側面側スリット41に、後述する挿通片47が挿通された状態を示している。
第一の内側面板32と底板31との接続部における長手方向Xの中央部には、本体部30の内方に向けて凹んだ窪み42が形成されている。
図2および
図4に示すように、第一の内側面板32の向きZ1側の縁部における長手方向Xのそれぞれの端部の近傍には、舌部44が設けられている。舌部44は、第一の内側面板32の外方に配置されている。
【0027】
舌部44は、
図4に示すように、一端44aが第一の内側面板32の縁部に接続されるとともに、他端44bが向きZ1とは反対の向きZ2に延びている。
舌部44の他端44bは、舌部44の一端44a側が第一の内側面板32に接続されていることで、重量以外の外力が作用しない自然状態で第一の内側面板32から離間した位置に保持されている。これにより、舌部44の外方の面は、向きZ2に向かうほど第一の内側面板32から離間する、第一の内側面板32に対する傾斜面となっている。
【0028】
それぞれの第二の内側面板34には、
図2に示すように、第二の内側面板34における向きZ1側の縁部に接続する切断領域R1が設定されている。この例では、切断領域R1は、向きZ1に平行な軸線に対して対称となるとともに向きZ1に向かうにしたがって幅が広くなる略台形状に形成されている。切断領域R1の縁部のうち、第二の内側面板34の縁部に重ならない部分全体には、内側面板切断線61が形成されている。内側面板切断線61は、第二の内側面板34における向きZ1側の縁部に、端部61a、61bの2カ所で接続されている。この例では、内側面板切断線61は、第二の内側面板34を点線状に貫通する孔、いわゆるミシン目で構成されている。
【0029】
第一の内側面板32と第二の内側面板34とは、第二の内側面板34に連設されたフラップ板64を第一の内側面板32の内方の面に貼り付けることで接続されている。
また、側面板33と第二の内側面板34とは、側面板33に連設されたフラップ板51を第二の内側面板34の内方の面に貼り付けることで接続されている。フラップ板51の形状は、切断領域R1に重ならないように設定されている。
【0030】
蓋部70は、底板31と同一形状に形成された天板71と、天板71の縁部から向きZ2に立設する第一の外側面板72、および一対の第二の外側面板74とを有している(一方の第二の外側面板74については、
図1参照。)。
天板71は、ヒンジ折目36を介して側面板33に接続されている。ヒンジ折目36の厚さは、側面板33や天板71より薄く設定されていて、ヒンジ折目36を中心軸として側面板33に対して天板71を容易に回動させることができる。
【0031】
第一の外側面板72は、第一の内側面板32の外方に、内側面側スリット41および舌部44を覆うように配置されている。
図3に示すように、第一の外側面板72の向きZ2側の縁部は、向きZ2において、窪み42に達するまで延びている。
図2および
図3に示すように、第一の外側面板72における、長手方向Xの中央部であって向きZ1の中央部には、向きZ1に凸となるように湾曲した外側面側スリット46が形成されている。外側面側スリット46の向きZ2側の縁部が、向きZ1に延びるように形成された挿通片47となっている。挿通片47は、
図3に示すように、向きZ1側の先端部を第一の内側面板32側に曲げることで、第一の内側面板32の内側面側スリット41に挿通することができる。
【0032】
図2に示すように、第一の外側面板72には、外側面側スリット46を長手方向Xに挟むように、向きZ2側の縁部に接続された第一の貼り付け領域R3が設定されている(一方の第一の貼り付け領域R3については、
図1参照。)。第一の貼り付け領域R3の縁部における第一の外側面板72の縁部に重ならない部分全体には、第一の開封用切断線48が形成されている。
第一の外側面板72は、第一の貼り付け領域R3が第一の内側面板32に貼り付けられている。
【0033】
第二の外側面板74は、第二の内側面板34の外方に、内側面板切断線61を覆うように配置されている。第二の外側面板74には、第二の開封用切断線66が形成されている。
第二の開封用切断線66は、一端66aがヒンジ折目36に接続されるとともに、他端66bが第二の外側面板74における向きZ2側の縁部に接続されている。第二の開封用切断線66は、長手方向Xに見たときに、切断領域R1よりヒンジ折目36側に配置されている。
第二の外側面板74は、長手方向Xに見たときに、第二の開封用切断線66よりも切断領域R1側を第二の非貼り付け領域R6、切断領域R1とは反対側を第二の貼り付け領域R5として、第二の内側面板34に第二の貼り付け領域R5のみを貼り付けられている。
【0034】
第一の開封用切断線48および第二の開封用切断線66は、使用者が蓋部70を開けるときに容易に切断できるように、それぞれの強度が設定されている。
【0035】
第一の外側面板72と第二の外側面板74とは、第二の外側面板74に連設されたフラップ板67を第一の外側面板72の内方の面に貼り付けることで接続されている。
図2および
図4に示すように、フラップ板67における向きZ1側の端部には、切り欠き67aが形成されている。舌部44の他端44bに対して切り欠き67aが向きZ1側に係止されることで、舌部44に対してフラップ板67が向きZ1側に移動するのが規制されている。また、舌部44の弾性力により、第一の外側面板72の内方の面に舌部44の他端44bが当接している。
【0036】
次に、包装済みバター10について説明する。
図1に示すように、包装済みバター10は、板状に形成された本発明のバター11と、バター11を包む包装紙16とを有している。
バター11は、
図5に示す厚さ方向Dに見たときに、前述の底板31よりわずかに小さい矩形状に形成されている。バター11は、厚さ方向Dに見たときに、長辺11aおよび短辺11bが設定されている。この例では、例えば、長辺11aの長さは132mm、短辺11bの長さは62mm、厚さ(厚さ方向Dの長さ。)は7.8mmにそれぞれ設定されている。
バター11の一方の面11cには、長辺11aに平行に縦溝(溝部)12が、短辺11bに平行に横溝(溝部)13がそれぞれ形成されている。
【0037】
縦溝12は、一方の面11cを短辺11bに平行な方向に2等分するように1本形成されている。縦溝12の両端部は、一方の面11cにおいて、短辺11b側の外縁にそれぞれ接続されている。横溝13は、一方の面11cを長辺11aに平行な方向に6等分するように5本形成されている。横溝13の両端部は、一方の面11cにおいて、長辺11a側の外縁にそれぞれ接続されている。
縦溝12、横溝13の深さ(厚さ方向Dの長さ。)は、2mmに設定されている。
バター11の材料としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。この例では、1枚のバター11の質量は約60gとなる。
【0038】
このように構成されたバター11は、
図6に示すように、1本の縦溝12、および5本の横溝13で分割することで12等分されて分割片14が形成される。分割片14の質量は、約5gとなる。
【0039】
包装紙16としては、紙にアルミニウムを蒸着させた公知のアルミパウチ紙などを好適に用いることができる。アルミパウチ紙は、遮光性およびバリア性に優れていて、例えば、バター11が溶けた場合であっても、溶けたバター11が包装紙16を通して流れにくい。
それぞれのバター11は、包装紙16を折ることで包まれ、包装紙16で包まれたバター11が包装済みバター10を構成している。
バター11は、
図1に示すように、包装紙16の縁部を折り合わせた合わせ部16aが、包装紙16において本体部30の底板(底面)31に対する開口30a側に配置されるように本体部30に収容されている。3枚のバター11は、厚さ方向Dに積層された(積み重ねられた)状態で、底板31から開口30aに向かう方向に重なるように、本体部30に収容されている。
【0040】
次に、以上のように構成された容器入りバター1の使用方法について説明する。
使用者は、
図2に示す購入した状態の容器入りバター1の紙箱容器20において、第一の外側面板72の向きZ2側の縁部に指を掛け、第一の内側面板32から第一の外側面板72を離間させるように引っ張りつつ、蓋部70を本体部30から離間するようにヒンジ折目36回りに回動させる(蓋部70を開ける。)。
【0041】
本体部30には窪み42が形成されているため、第一の外側面板72の向きZ2側の縁部が第一の内側面板32から離間している。これにより、第一の外側面板72の向きZ2側の縁部に使用者が指を容易に掛けることができる。また、縦溝12および横溝13の深さが例えば2mm程度である場合、縦溝12、横溝13が形成されている部分においても、バター11が一定の曲げ剛性を有することになる。このため、容器入りバター1を搬送する際に、バター11が縦溝12および横溝13で割れにくくなる。
第一の開封用切断線48および第二の開封用切断線66が切断されるとともに、舌部44とフラップ板67との係止が解除されると、
図1に示すように、本体部30に対して蓋部70が開く。
蓋部70が開いた状態を保持しつつ、第二の内側面板34に設定された切断領域R1を指で摘まんで、
図7に示すように内側面板切断線61を切断することで切断領域R1を除去し、第二の内側面板34に切り欠き65を形成する。
【0042】
切り欠き65に指Fを挿入し、1枚の包装済みバター10を向きZ1に移動させ、開口30aを通して外方に移動させる。
紙箱容器20から1枚の包装済みバター10を取り出したら、蓋部70をヒンジ折目36にて本体部30側に回動させる(蓋部70を閉める。)。
舌部44の外方の面は前述のような傾斜面となっているため、舌部44の外方の面に当接したフラップ板67は、第一の内側面板32に天板71が近づくにしたがって舌部44の外方の面に沿うように案内され、フラップ板67が舌部44の外方の面に係止されるのが防止される。
本体部30の舌部44を蓋部70のフラップ板67が乗り越えると、舌部44の他端44bは舌部44の弾性力により第一の内側面板32から離間するように変形し、第一の外側面板72の内方の面に舌部44の他端44bが当接する。これにより、舌部44の他端44bにフラップ板67の切り欠き67aが確実に係止される。
【0043】
本体部30に収容されている包装済みバター10が重い場合など、必要に応じて、第一の内側面板32の内側面側スリット41に挿通片47を挿通させる。これにより、蓋部70が開くのがより確実に規制され、使用者が蓋部70のみを把持して紙箱容器20を移動させても、蓋部70が開いてしまうことがなくなる。
包装済みバター10を取り出したら、当面使用しない包装済みバター10が収容された紙箱容器20は、冷蔵庫などの冷蔵温度帯に保たれた場所に保管しておく。使用しないバター11の温度が上昇して、バター11の品質が低下するのを防止することができる。
なお、前記したように、容器入りバター1を例えば−20℃程度の冷凍状態で保管することで、バター11を縦溝12、横溝13で分割するときに、板状のチョコレートのようにパキッと割れて爽快感を楽しめるとともに、バター11の保存性も向上させることができる。
【0044】
取り出した包装済みバター10の包装紙16を合わせ部16a側から開くことで、包装済みバター10からバター11を取り出すことができる。
使用者は、使用目的に応じて、バター11を湾曲させることで縦溝12、横溝13でバター11を折って適切な大きさの分割片14に分割する。1つの分割片14の質量は5gなので、例えば、バター11を5g使いたいときは1つの分割片14に分割し、バター11を20g使いたいときは4つの分割片14の塊に分割する。
バター11の厚さを例えば8mm程度に設定すると、バター11の曲げ剛性が一定以上高くなり、バター11を紙箱容器20や包装紙16などから取り出したときや、分割したときに、バター11が反るのが抑えられる。縦溝12、横溝13の深さが例えば2mm程度であると、バター11を湾曲させたときの力が縦溝12、横溝13に集中しやすくなる。
【0045】
得られた分割片14を、加熱された食パンの上に載せる。分割片14は反るのが抑えられているため、食パンの上に分割片14を容易かつ均等に載せることができる。食パンの上に載せられた分割片14は、食パンの熱により溶ける。
取り出した包装済みバター10を使い終えたら、内側面側スリット41から挿通片47を取り外し、上記の手順と同様に、蓋部70を開けて本体部30から収容されている包装済みバター10を取り出すことを繰り返す。
【0046】
なお、本実施形態のバター11は、例えば以下の方法で製造される。
まず、加温されたバター11の原料を、図示しないノズル部から押し出すことで、シート状バターの塊を形成する。このシート状バターを冷却し固化させながら、加熱したカット刃で切断することで、バター11が製造される。
シート状バターが厚いと、カット刃の熱のうちシート状バターに伝達される量が多くなり、切断時のカット刃の温度低下が大きくなり、シート状バターの切断面が滑らかにならない。
バター11の厚さが薄すぎると、バター11の厚さが安定しない。また、厚さが薄すぎると、シート状バターがノズル部から押し出されるときに、シート状バターが反ってしまう恐れがある。ノズル部にジャケット温水などを循環させてノズル部を加温すればシート状バターの反りは解消されるが、加温し過ぎるとバター11が溶ける恐れがあり、また、バター11の風味にも悪影響を及ぼす可能性がある。
【0047】
これに対して、本実施形態のバター11および容器入りバター1によれば、例えば厚さが8mm程度であると、バター11の曲げ剛性が一定以上高くなる。このため、バター11の反りを抑え、食パンなどの対象食品上に分割片14を均等に載せることができる。バター11の曲げ剛性が高くなることで、バター11に折れ、欠けや変形などが生じるのを抑制できる。
バター11の厚さが8mm程度であると、シート状バターからバター11を切断して切り出す時のカット刃の温度低下を抑えることができる。これにより、バター11の切断面を、目視で確認できるような細かい凹凸が形成されることなく滑らかにすることができる。
【0048】
縦溝12、横溝13の深さが2mm程度であると、バター11を湾曲させたときの力が縦溝12、横溝13に集中しやすくなり、包丁などの器具を必要とすることなく、バター11を縦溝12、横溝13で容易に分割することができる。
縦溝12、横溝13の深さが2mmであることで、縦溝12、横溝13が形成されている部分においても、バター11が一定の曲げ剛性を有することになる。このため、容器入りバター1を搬送する際に、バター11が縦溝12、横溝13で割れてしまうのを防止することができる。
【0049】
2つの分割片14を縦溝12、横溝13で分割せずに塊として使うことで、例えば一般的にバターがよく使われる10gの塊とすることができる。さらに、この2つの分割片14を縦溝12、横溝13で分割することで、10gより小さい5gの分割片14とすることができる。このように、10g、そして10gより小さい5gの計量を容易に行うことができる。
容器入りバター1では、開口30aに向かう方向に重ねられた3枚の包装済みバター10を紙箱容器20に収容している。容器入りバター1をこのように構成することで、バター11を小型にして枚数が増えて容器入りバター1の製造コストが増加するのを抑制することができる。さらに、バター11を直ちに使う分と、直ちに使わずに紙箱容器20に保存しておく分とに分けて使うことができる。
【0050】
包装済みバター10は、包装紙16の合わせ部16aが開口30a側に配置されるように本体部30に収容されている。バター11は包装紙16に合わせ部16aが上方となるように包まれて保存されるため、たとえバター11が溶けてしまったときであっても、溶けたバター11が包装紙16の合わせ部16aから外部に流れ出るのを抑えることができる。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更なども含まれる。
例えば、前記実施形態では、3枚の包装済みバター10が紙箱容器20に収容されているとした。しかし、紙箱容器20に収容される包装済みバター10の数はこの限りでなく、2枚、4枚、5枚でもよい。容器入りバター1をこのように構成しても、容器入りバター1の製造コストが増加するのを抑制するとともに、バター11を直ちに使う分と保存しておく分とに分けて使うことができるからである。
【0052】
バター11の厚さは5mm以上20mm以下に設定してもよい。バター11の厚さをこのように設定しても、バター11の反りを抑えるとともに、バター11の切断面を滑らかにすることができるからである。ただし、工業規模の連続生産をするためには、バター11の厚さ(シート状バターの厚さ。)は15mm以下にすることが好ましい。
縦溝12、横溝13の深さは、バター11の厚さの20%以上30%以下が望ましい。縦溝12、横溝13の深さをこのように設定しても、前記実施形態と同様に、バター11を縦溝12、横溝13で容易に分割することができるとともに、搬送中にバター11が縦溝12、横溝13で割れてしまうのを防止することができるからである。また、製造時にバター11に縦溝12、横溝13を確実に形成するためにも、縦溝12、横溝13の深さはバター11の厚さの20%以上30%以下が望ましい。
【0053】
バター11の大きさによっては、縦溝12および横溝13のうち、一方だけ形成されていてもよい。バター11に形成される縦溝12、横溝13の本数も適宜設定可能である。
前記実施形態では、1つの分割片14の質量は約5gとしたがこれに限るものではない。例えば、1つの分割片14の質量を約10gと大きくしてもよいし、約2.5gと小さくしてもよい。
紙箱容器20に、バター11が包装紙16に包まれていない状態で収容されていてもよい。
【0054】
前記実施形態では、本発明のバターについて説明した。しかし、本発明の構成は、バター以外にも、例えば、板状に形成されたチーズなどにも用いることができる。すなわち、バターおよびチーズを含む、板状に形成された油脂食品についても、本発明を好適に用いることができる。