(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有機材料は、ポリマーであり、該ポリマーは、ポリオレフィンまたはそのコポリマー、ポリスチレンまたはそのコポリマー、ポリウレタンまたはそのコポリマー、エポキシド、オキセタンもしくはテトラヒドロフランの重合によって得られるポリエーテルまたはそのコポリマー、ポリエステルまたはそのコポリマー、ポリカーボネートまたはそのコポリマー、ポリ(塩化ビニル)またはそのコポリマー、ポリ(塩化ビニリデン)またはそのコポリマー、ポリスルホンまたはそのコポリマー、ポリ(ビニルアセテート)またはそのコポリマー、ポリ(ビニルアルコール)またはそのコポリマー、ポリ(ビニルアセタール)またはそのコポリマー、あるいはポリアミドまたはそのコポリマーである、請求項2に記載の組成物。
成分c)として、成分b)とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤またはアミン系酸化防止剤である更なる添加剤を含む、請求項8に記載の組成物。
成分d)として、成分b)とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤またはアミン系酸化防止剤である第二の更なる添加剤を含むが、但し、成分d)が成分c)とは異なる化合物である、請求項8から10までのいずれか1項に記載の組成物。
前記有機材料は、ポリマーであり、該ポリマー中への導入が行われ、かつ部分的または完全な導入は、135℃から350℃の間の温度で行われる、請求項12に記載の方法。
請求項1に定義される式I−P、I−OまたはI−Mの化合物の、酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料を酸化、熱または光による分解に対して安定化するための使用。
成分c)として、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであるフェノール系酸化防止剤を含む、請求項16に記載の添加剤組成物。
成分d)として、成分b)とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤またはアミン系酸化防止剤である第二の更なる添加剤を含むが、但し、成分d)が成分c)とは異なる化合物である、請求項16または17に記載の添加剤組成物。
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定化されるべき有機材料と、安定化剤としての特定の群の3−フェニル−ベンゾフラン−2−オンジホスファイト誘導体とを含む組成物に関する。更なる実施形態は、前記特定の群の3−フェニル−ベンゾフラン−2−オンジホスファイト誘導体による有機材料の保護方法、該誘導体の安定化のための使用、該特定の群の3−フェニル−ベンゾフラン−2−オンジホスファイト誘導体、該誘導体を含む添加剤組成物、該添加剤組成物の製造方法およびそれに関連する中間体である。
【0002】
国際公開第80/01566号パンフレット(WO80/01566A)は、安定化剤としてのベンゾフラン−2−オンまたはインドリン−2−オン誘導体を開示している。
【0003】
米国特許第5428162号(US5428162)は、安定化剤として、とりわけ、ジ(C
1〜C
6−アルキル)ホスホネート基によって置換された3−フェニル−3H−ベンゾフラン−2−オン誘導体、例えば以下に示される化合物番号120(=2−[4−(5−メチル−2−オキソ−3H−ベンゾフラン−3−イル)フェノキシ]エチル2−ジエトキシホスホリルアセテート)
【化1】
を開示している。
【0004】
欧州特許出願公開第2500341号明細書(EP2500341A)は、安定化剤として、とりわけ、オキソカルボニルフェニルまたはとりわけフェノール性基を含むオキソカルボニル基によって置換された、3−フェニル−3H−ベンゾフラン−2−オン誘導体、例えば以下に示される化合物CT−500、CT−501またはCT−502
【化2】
を開示している。
【0005】
目下、特定の群のベンゾフラン−2−オンジホスファイト誘導体が、熱、光および/または酸化による分解に対して有機材料を安定化させるために適していることが判明した。
【0006】
本発明は、
a)酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料と、
b)式I−P、I−OまたはI−M
【化3】
[式中、
R
1Pは、部分式II−P、II−OもしくはII−M
【化4】
の1つを表すか、
R
1Oは、部分式II−OもしくはII−Mの1つを表すか、または
R
1Mは、部分式II−Mを表し、
R
4、R
5、R
6およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
P2、R
P3、R
P5およびR
P6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
O1、R
O2、R
O5およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、かつ
R
M1、R
M3、R
M5およびR
M6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである]の化合物と、
を含む組成物に関する。
【0007】
式I−P、I−OまたはI−Mの化合物は、少なくとも1つの不斉炭素原子を、すなわちベンゾフラン−2−オン構造単位の3位の炭素原子を有する。更なる不斉炭素原子は、少なくとも4つの炭素原子を有するアルキル置換基中に存在してよい。3つの異なる置換基で置換されたリン原子は、温度に依存して不斉リン原子をもたらしうる制約された反転を示しうる。本発明は、これらのエナンチオマー、生ずるジアステレオマーまたはそれらの混合物のいずれか1つに関する。
【0008】
C
1〜C
8−アルキルは、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、1−メチル−エチル、n−ブチル、1−メチル−プロピル、2−メチル−プロピル、1,1−ジメチル−エチル、n−ペンチル、1−メチル−ブチル、3−メチル−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−ペンチル、2−メチル−ペンチル、4−メチル−ペンチル、2−エチル−ブチル、n−ヘプチル、1−メチル−ヘキシル、n−オクチル、1−メチル−ヘプチル、2−エチル−ヘキシル、5,5−ジメチル−ヘキシルまたは1,1,3,3−テトラメチル−ブチルである。C
1〜C
4−アルキルまたはC
8−アルキルが好ましく、メチル、エチル、1−メチル−エチル、1−メチル−プロピル、1,1−ジメチル−エチルまたは1,1,3,3−テトラメチル−ブチルが特に好ましい。C
1〜C
4−アルキルが好ましく、メチル、エチル、1−メチル−エチル、1−メチル−プロピル、1,1−ジメチル−エチルが特に好ましく、メチル、1−メチル−プロピルまたは1,1−ジメチル−エチルが殊に好ましい。
【0009】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料は、例えばポリマー、オリゴヒドロキシ化合物、ワックス、脂肪または鉱油である。
【0010】
ポリマーは、天然、半合成もしくは合成のポリマーであってよい。天然ポリマーは、更なる合成的変性をせずに天然源から単離される。合成ポリマーは、天然源から単離されたポリマー部を含まない。半合成ポリマーは、少なくとも1つの天然ポリマー部を含み、その際、該天然ポリマー部は、合成的に変性されてよく、かつ/またはモノマーと反応することで、半合成ポリマーが形成されうる。
【0011】
ポリマーは熱可塑性であってよい。すなわち、該ポリマーは、高められた温度で、例えば135℃〜350℃の範囲、特に150℃〜340℃の範囲の温度で新たな形状に成形されうる。
【0012】
コポリマーは、少なくとも2つの異なるモノマーが共重合されているポリマーである。1つのモノマーの質量含分が、全てのモノマーの質量に対して50%を上回るコポリマーが好ましい。
【0013】
好ましくは、ポリマーは、1つ以上の連続したモノマー単位によって特徴付けられ、かつ少なくとも1つの他のモノマー単位もしくは他の反応物と共有結合している少なくとも3つのモノマー単位を含む分子による単純重量過半数の部分を含むとともに、同一の分子量の分子による単純重量過半数より少ない部分からなる分子からなる物質である。そのような分子は、分子量の差が主にモノマー単位の数の差に帰せられる分子量分布を有していなければならない。この定義の内容においては、モノマー単位は、ポリマー中の反応された形のモノマーを意味する。
【0014】
ポリマーの例は、以下の通りである。
【0015】
1. モノオレフィンのポリマーおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ−1−エン、ポリ−4−メチルペンタ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンもしくはポリブタジエンならびにシクロオレフィンのポリマー、例えばシクロペンテンもしくはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合により架橋されていてよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度および高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度および超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
【0016】
ポリオレフィン、すなわち先の段落に例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンは、種々の方法、特に以下の方法によって製造できる:
a) ラジカル重合(通常は、高圧および高められた温度下で)
b) 周期律表の第IVb族、第Vb族、第VIb族(例えばクロム)もしくは第VIII族の1種のもしくは1種より多くの金属を通常含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は、通常は、1種もしくは1種より多くの配位子、一般に酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールを有し、それらはπ配位またはσ配位されていてよい。これらの金属錯体は、遊離形または基材上に、一般に活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナもしくは酸化ケイ素上に固定化されていてよい。これらの触媒は、重合媒体中に可溶性または不溶性であってよい。前記触媒は、それ自体で重合において使用できるか、または更に活性化剤を、一般的に金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物もしくは金属アルキルオキサンを使用でき、前記金属は、周期律表の第Ia族、第IIa族および/または第IIIa族の元素である。前記活性化剤は、適宜、更なるエステル基、エーテル基、アミン基もしくはシリルエーテル基で変性されてよい。これらの触媒系は、通常は、フィリップス(Phillips)触媒、スタンダード・オイル・インディアナ(Standard Oil Indiana)触媒、ツィーグラー(ナッタ)触媒、TNZ(デュポン)触媒、メタロセン触媒またはシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0017】
2. 前記1)で挙げたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)ならびに異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0018】
3. モノオレフィンおよびジオレフィンの互いのコポリマーまたはそれらと他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブタ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えばエチレン/ノルボルネン、例えばCOC)、エチレン/1−オレフィンコポリマー(その際、1−オレフィンはインサイチューで生成される)、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)ならびにエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンもしくはエチリデン−ノルボルネンとのターポリマーおよびそのようなコポリマーの互いの混合物およびそのようなコポリマーと前記1)に挙げたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互もしくはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマーならびにそれと他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0019】
2種のモノオレフィンの特別なコポリマーは、パイプグレードのポリプロピレンランダムコポリマーであり、前記コポリマーは、90質量%を上回るプロピレンと、10質量%を下回る、一般に2〜6質量%のエチレンの重合から得られる。
【0020】
4. 炭化水素樹脂(例えばC
5〜C
9)であって、その水素化された変性物(例えば粘着剤)およびポリアルキレンおよびデンプンの混合物を含む樹脂。
【0021】
前記1)〜4)のホモポリマーおよびコポリマーは、任意の立体構造を有してよく、前記構造は、シンジオタクチック構造、アイソタクチック構造、ヘミアイソタクチック構造もしくはアタクチック構造を含み、その際、アイソタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0022】
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0023】
6. ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレンの全ての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンから誘導される芳香族ホモポリマーおよびコポリマーならびにそれらの混合物。ホモポリマーおよびコポリマーは、任意の立体構造を有してよく、前記構造は、シンジオタクチック構造、アイソタクチック構造、ヘミアイソタクチック構造もしくはアタクチック構造を含み、その際、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0024】
6a. 上述のビニル芳香族モノマーと、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニルおよび塩化ビニルまたはアクリル酸誘導体およびそれらの混合物から選択されるコモノマーを含むコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレートを含むコポリマー、耐衝撃強さのスチレンコポリマーと別のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーもしくはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの混合物ならびにスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンもしくはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのブロックコポリマー。
【0025】
6b. 前記6.)で挙げたポリマーの水素化から誘導される水素化された芳香族ポリマー、特にアタクチックポリスチレンの水素化によって製造されたポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含むポリマー(しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と呼ばれる)。
【0026】
6c. 前記6a.)で挙げられるポリマーの水素化から誘導される水素化された芳香族ポリマー。
【0027】
ホモポリマーおよびコポリマーは、任意の立体構造を有してよく、前記構造は、シンジオタクチック構造、アイソタクチック構造、ヘミアイソタクチック構造もしくはアタクチック構造を含み、その際、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0028】
7. ビニル芳香族モノマー、例えばスチレンもしくはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンもしくはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン、ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(もしくはメタクリロニトリル)、ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート、ポリブタジエン上のスチレンおよび無水マレイン酸、ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸、ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイミド、ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレートもしくはポリアルキルメタクリレート上のスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリルならびにそれらと前記6)に列記されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASAもしくはAESポリマーとして知られるコポリマー混合物。
【0029】
8. ハロゲン含有ポリマー、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、塩素化および臭素化されたイソブチレン−イソプレンのコポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化もしくはスルホ塩素化されたポリエチレン、エチレンおよび塩素化されたエチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモポリマーおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンならびにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0030】
9. α,β−不飽和酸およびそれらの誘導体から誘導されるポリマー、例えばポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリルであって、ブチルアクリレートで耐衝撃改質されたポリマー。
【0031】
10. 前記9)で挙げたモノマーの互いのまたは前記モノマーと他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリル/ビニルハロゲン化物コポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0032】
11. 不飽和アルコールおよびアミンから誘導されるポリマーまたはそれらのアシル誘導体またはアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン、ならびにそれらと前記1)で挙げられたオレフィンとのコポリマー。
【0033】
12. 環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0034】
13. ポリアセタール、例えばポリオキシメチレンおよびコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン、熱可塑性ポリウレタン、アクリレートもしくはMBSで変性されたポリアセタール。
【0035】
14. ポリフェニレンオキシドおよびスルフィドならびにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーもしくはポリアミドとの混合物。
【0036】
15. ポリウレタン、例えばポリオールおよび脂肪族もしくは芳香族のポリイソシアネートから合成されたポリウレタン、例えば一方でヒドロキシ末端ポリエーテル、ポリエステルもしくはポリブタジエンと、他方で脂肪族もしくは芳香族のポリイソシアネートとから誘導されるポリウレタンならびにそれらの前駆体。
【0037】
ヒドロキシル末端ポリエーテルは公知であり、かつ例えばエポキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシドもしくはエピクロロヒドリンのそれら自体との、例えばBF
3の存在下での重合によって、またはこれらのエポキシドの単独でのもしくは混合物としてのまたは連続的に反応性水素原子を含む出発成分との、例えば水、アルコール、アンモニアもしくはアミン、例えばエチレングリコール、プロピレン 1,3−および1,2−グリコール、トリメチロールプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン、アニリン、エタノールアミンもしくはエチレンジアミンとの付加反応によって製造される。スクロースポリエーテルも本発明によれば好適である。多くの場合において、主として(ポリエーテル中に存在するOH基全てに対して90質量%まで)第一級OH基を含む前記ポリエーテルが好ましい。更に、ビニルポリマーにより変性されたポリエーテルであって、例えばスチレンおよびアクリロニトリルのポリエーテルの存在下での重合によって形成されたポリエーテルは、OH基を含むポリブタジエンと同様に適している。
【0038】
特に、ポリオール化合物は、400〜10000、特に800〜10000の分子量を有し、かつ1つより多くのヒドロキシル基を有する、特に2〜8個のヒドロキシル基を、殊に2〜4個のヒドロキシル基を有する化合物である。
【0039】
好適なポリイソシアネートは、脂肪族のもしくは芳香族の、例えばエチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン 1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン 1,3−および1,4−ジイソシアネートおよびまた任意の所望のこれらの異性体の混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4−および2,6−ヘキサヒドロトリレンジイソシアネートおよびまたこれらの異性体の任意の所望の混合物、ヘキサヒドロ−1,3−および/または−1,4−フェニレンジイソシアネート、ペルヒドロ−2,4’−および/または−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートおよびまたこれらの異性体の任意の所望の混合物、ジフェニルメタン 2,4’−および/または−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン 1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン 4,4’,4’’−トリイソシアネート、ポリフェニル−ポリメチレンポリイソシアネートであって、アニリン−ホルムアルデヒド縮合に引き続きホスゲン化によって得られたもの、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、過塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド基を含むポリイソシアネート、アロファネート基を含むポリイソシアネート、イソシアヌレート基を含むポリイソシアネート、ウレタン基を含むポリイソシアネート、アシル化されたウレア基を含むポリイソシアネート、ビウレット基を含むポリイソシアネート、エステル基を含むポリイソシアネート、前記イソシアネートとアセタールとの反応生成物ならびにポリマー脂肪酸基を含むポリイソシアネートである。
【0040】
また、イソシアネート基を含む蒸留残分をそのままでまたは前記の1種以上のポリイソシアネート中に溶解させて使用することも可能であり、それらは、イソシアネートの工業的製造の過程で得られる。更に、前記のポリイソシアネートの任意の所望の混合物を使用することが可能である。
【0041】
好ましくは、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネートならびにこれらの異性体の任意の所望の混合物(「TDI」)、ポリフェニル−ポリメチレン−ポリイソシアネートであってアニリン−ホルムアルデヒド縮合に引き続きホスゲン化することによって製造されたもの(「粗製MDI」)またはカルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、ウレア基もしくはビウレット基を含むポリイソシアネート(「変性ポリイソシアネート」)。
【0042】
前記ポリウレタンは、均質なポリウレタンであっても、または多孔質であってもよい。
【0043】
16. ジアミンおよびジカルボン酸から、および/またはアミノカルボン酸もしくは相応のラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド、ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸および/またはテレフタル酸とから製造された、改質剤としてのエラストマーを有するもしくは有さないポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミドならびにまた上述のポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマーまたは化学結合したもしくはグラフトしたエラストマーとの、またはポリエーテルとの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマーならびにEPDMもしくはABSで変性されたポリアミドもしくはコポリアミド、およびプロセシングの間に縮合されるポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0044】
17. ポリウレア、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンゾイミダゾール。
【0045】
18. ジカルボン酸およびジオールからおよび/またはヒドロキシカルボン酸または相応のラクトンもしくはラクチドから誘導されるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートおよびポリヒドロキシベンゾエートならびにヒドロキシ末端ポリエーテルから誘導されるコポリエーテルエステルおよびまたポリカーボネートもしくはMBSで変性されたポリエステル。コポリエステルは、例えばそれらに制限されないが、ポリブチレンスクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリブチレンスクシネート/カーボネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/オクタノエートコポリマー、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/ヘキサノエート/デカノエートターポリマーを含んでよい。更に、脂肪族ポリエステルは、例えばそれらに制限されないが、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、特にポリ(プロピオラクトン)、ポリ(ブチロラクトン)、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)およびポリ(カプロラクトン)、ポリエチレンスクシネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリヘキサメチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケートおよびポリ乳酸(PLA)ならびにポリカーボネートもしくはMBSで変性された相応のポリエステルのクラスを含んでよい。用語「ポリ乳酸(PLA)」は、好ましくはポリ−L−ラクチドのホモポリマーおよびそれと他のポリマーとのブレンドもしくはアロイのいずれか、乳酸もしくはラクチドと他のモノマー、例えばヒドロキシカルボン酸、例えばグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸とのコポリマーおよびそれらの環式形を表す。前記用語「乳酸」または「ラクチド」は、L−乳酸、D−乳酸、それらの混合物および二量体、すなわちL−ラクチド、D−ラクチド、メソラクチドおよびそれらの任意の混合物を含む。
【0046】
19. ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
【0047】
20. ポリケトン。
【0048】
21. ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0049】
22. 一方でアルデヒドと、他方でフェノール、ウレアおよびメラミンとから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、ウレア/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0050】
23. 乾燥性および非乾燥性アルキド樹脂。
【0051】
24. 飽和のおよび不飽和のジカルボン酸と架橋剤としての多価アルコールおよびビニル化合物とのコポリエステルから誘導される不飽和ポリエステル樹脂およびまたその低可燃性のハロゲン含有改質物。
【0052】
25. 置換されたアクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレートから誘導された架橋可能なアクリル樹脂。
【0053】
26. アルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂であって、メラミン樹脂、ウレア樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートもしくはエポキシ樹脂で架橋された前記樹脂。
【0054】
27. 脂肪族、脂環式、複素環式もしくは芳香族のグリシジル化合物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂、例えばビスフェノールAおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物であって、慣用の硬化剤で、例えば無水物もしくはアミンで、促進剤を用いてまたは用いずに架橋された前記樹脂。
【0055】
28. 天然ポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチンおよびそれらの化学的に変性された同族誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースおよび酪酸セルロースまたはセルロースエーテル、例えばメチルセルロースならびにロジンおよびそれらの誘導体。
【0056】
29. 前記ポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMもしくはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0057】
30. 天然ゴムもしくは合成ゴムの水性エマルジョン、例えば天然ラテックスまたはカルボキシル化されたスチレン/ブタジエンコポリマーのラテックス。
【0058】
オリゴヒドロキシ化合物は、2つ以上のヒドロキシル基を有するが、経済協力開発機構のポリマーについての定義によるポリマーではない。オリゴヒドロキシ化合物の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,2−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、グリセロール、ペンタエリトリトール、D−フルクトース、D−グルシトール、マンニトールもしくはサッカロースである。
【0059】
ワックスは、例えば蝋酸とアルコールとのエステル、例えばC
22〜C
34−モノカルボン酸のC
15〜C
36−モノアルコール、トリテルペンアルコールまたはステロイドアルコールでエステル化されたエステルである。そのようなエステルは、例えばカルナウバ蝋、蜜蝋またはホホバオイル中に含まれる。更なる種類のワックスは、例えばC
1化学を基礎とするフィッシャー・トロプシュワックスである。
【0060】
脂肪は、グリセロールおよび脂肪族の飽和もしくは不飽和のカルボン酸のエステル、例えばモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロールまたはトリアシルグリセロールである。好ましくは、前記カルボン酸は直鎖状である。
【0061】
鉱油は、脂肪族の液状飽和炭化水素であって、原油、コールタール、ビチューメンタール、木材または泥炭からの蒸留によって得られる炭化水素である。前記鉱油は、液状、半固体または固体であってよい。固体の場合には、鉱物脂肪と呼ばれる。鉱油のための例は、ベンジン、ディーゼルオイル、燃料オイル、ビチューメンまたはケロシンである。好ましい鉱油は、直鎖状または分枝鎖状の飽和C
8〜C
22−炭化水素である。特に好ましいのは、飽和のC
8〜C
14−炭化水素である。
【0062】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)とを含む組成物であって、前記有機材料が、ポリマー、オリゴヒドロキシ化合物、ワックス、脂肪または鉱油である組成物が好ましい。
【0063】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)とを含む組成物であって、前記有機材料が、ポリマー、特に合成ポリマーもしくは半合成ポリマー、殊に合成もしくは半合成の熱可塑性ポリマーである組成物が好ましい。
【0064】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)とを含む組成物であって、前記有機材料が、ポリマーであり、該ポリマーは、ポリオレフィンもしくはそのコポリマー、ポリスチレンもしくはそのコポリマー、ポリウレタンもしくはそのコポリマー、ポリエーテルであってエポキシド、オキセタンもしくはテトラヒドロフランの重合によって得られるポリエーテルまたはそのコポリマー、ポリエステルまたはそのコポリマー、ポリカーボネートまたはそのコポリマー、ポリ(塩化ビニル)またはそのコポリマー、ポリ(塩化ビニリデン)もしくはそのコポリマー、ポリスルホンもしくはそのコポリマー、ポリ(ビニルアセテート)もしくはそのコポリマー、ポリ(ビニルアルコール)またはそのコポリマー、ポリ(ビニルアセタール)またはそのコポリマー、あるいはポリアミドまたはそのコポリマーである組成物が好ましい。
【0065】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)とを含む組成物であって、前記有機材料が、ポリオレフィンもしくはそのコポリマー、ポリスチレンもしくはそのコポリマー、またはポリウレタンもしくはそのコポリマーであり、特に前記有機材料が、ポリオレフィンもしくはそのコポリマー、またはポリスチレンもしくはそのコポリマーである組成物が好ましい。
【0066】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)とを含む組成物であって、前記有機材料が、ポリオレフィンまたはそのコポリマーである組成物が好ましい。
【0067】
上述の組成物における式I−P、I−OまたはI−Mの化合物に好ましいのは以下の通りである。
【0068】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
4およびR
6は、水素であり、かつ
R
5およびR
7は、互いに独立して、水素またはC
1〜C
8−アルキル、特に水素またはC
1〜C
4−アルキルである、化合物が好ましい。
【0069】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
4、R
6およびR
7は、水素であり、かつR
5は、水素またはC
1〜C
8−アルキル、特に水素またはC
1〜C
4−アルキルである、化合物が好ましい。
【0070】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
P2およびR
P6は、互いに独立して、水素もしくはC
1−アルキルであり、R
P3およびR
P5は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、
R
O1およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、R
O2は、水素もしくはC
1−アルキルであり、R
O5は、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、
R
M1は、水素もしくはC
1−アルキルであり、R
M3およびR
M5は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、かつR
M6は、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである、化合物が好ましい。
【0071】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
P2およびR
P6は、水素であり、かつR
P3およびR
P5は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、
R
O1は、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、R
O2は、水素であり、R
O5およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、
R
M1およびR
M3は、水素もしくはC
1−アルキルであり、R
M5は、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、かつR
M6は、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである、化合物が好ましい。
【0072】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
P2およびR
P6は、水素であり、かつR
P3およびR
P5は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、ここで、R
P3およびR
P5の一方はC
4−アルキルではなく、
R
O1は、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、R
O2は、水素であり、R
O5は、水素もしくはC
1〜C
3−アルキルであり、かつR
O6は、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、かつ
R
M1およびR
M3は、水素もしくはC
1−アルキルであり、R
M5は、水素もしくはC
1〜C
3−アルキルであり、かつR
M6は、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである、化合物が好ましい。
【0073】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
P2およびR
P6は、水素であり、かつR
P3およびR
P5の一方は、水素であるが、もう一方は、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、
R
O1は、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、R
O2は、水素であり、R
O5は、水素もしくはC
1−アルキルであり、かつR
O6は、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、かつ
R
M1、R
M3およびR
M5は、水素であり、かつR
M6は、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである、化合物が好ましい。
【0074】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
1Pは、部分式II−Pを表し、
R
1Oは、式II−Oを表し、かつ
R
1Mは、部分式II−Mを表す、化合物が好ましい。
【0075】
式I−P、I−OまたはI−Mで示される化合物であって、式I−PまたはI−Oで示され、その式中、R
1PまたはR
1Oは、部分式II−Mを表さない、化合物が好ましい。
【0076】
式I−P、I−OまたはI−Mで示される化合物であって、式I−PまたはI−Oで示され、その式中、
R
1Pは、部分式II−PもしくはII−Oの1つを表し、
R
1Oは、部分式II−Oを表す、化合物が好ましい。
【0077】
式I−P、I−OまたはI−Mで示される化合物であって、式I−Pで示され、その式中、
R
1Pは、部分式II−Pを表す、化合物が好ましい。
【0078】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、式I−Oで示され、その式中、
R
1Oは、部分式II−Oを表す、化合物が好ましい。
【0079】
式I−P、I−OまたはI−Mの化合物について上述した好ましい事項は、式I−P、I−OまたはI−Mの3つの構造単位に個別に当てはまる。これらの構造単位は、R
4、R
5、R
6およびR
7を含むベンゾフラン−2−オン単位、R
P2、R
P3、R
P5、R
P6、R
O1、R
O2、R
O5、R
O6、R
M1、R
M3、R
M5およびR
M6を含むフェニレン結合単位、ならびにR
1P、R
1OおよびR
1Mを含むそれ以外のリン原子に接した単位を含む。3つの構造単位について上述した好ましい事項は組み合わせることができる。それらの例を以下に提供する。
【0080】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
1Pは、部分式II−P、II−OもしくはII−Mの1つを表し、
R
1Oは、部分式II−OもしくはII−Mの1つを表し、
R
1Mは、部分式II−Mを表し、
R
4およびR
6は、水素であり、
R
5およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
P2およびR
P6は、互いに独立して、水素もしくはC
1−アルキルであり、
R
P3およびR
P5は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、
R
O1およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
O2は、水素またはC
1−アルキルであり、
R
O5は、水素またはC
1〜C
4−アルキルであり、
R
M1は、水素またはC
1−アルキルであり、
R
M3およびR
M5は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、かつ
R
M6は、水素またはC
1〜C
8−アルキルである、化合物が好ましい。
【0081】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、その式中、
R
1Pは、部分式II−Pを表し、
R
1Oは、部分式II−Oを表し、
R
1Mは、部分式II−Mを表し、または
R
4、R
5、R
6およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
P2、R
P3、R
P5およびR
P6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
O1、R
O2、R
O5およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、かつ
R
M1、R
M3、R
M5およびR
M6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである、化合物が好ましい。
【0082】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、式I−PまたはI−Oで示され、その式中、
R
1Pは、部分式II−PもしくはII−Oの1つを表し、
R
1Oは、部分式II−Oを表し、
R
4、R
5、R
6およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
P2、R
P3、R
P5およびR
P6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、かつ
R
O1、R
O2、R
O5およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである、化合物が好ましい。
【0083】
式I−P、I−OまたはI−Mで示され、式I−PまたはI−Oで示され、その式中、
R
1Pは、部分式II−PもしくはII−Oの1つを表し、
R
1Oは、部分式II−Oを表し、
R
4およびR
6は、水素であり、
R
5およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
P2およびR
P6は、水素であり、
R
P3およびR
P5は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
4−アルキルであり、ここで、R
P3およびR
P5の一方はC
4−アルキルではなく、
R
O1は、水素またはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
O2は、水素であり、
R
O5は、水素またはC
1〜C
3−アルキルであり、かつ
R
O6は、水素またはC
1〜C
4−アルキルである、化合物が好ましい。
【0084】
式I−Pの化合物であって、化合物(103)もしくは(104)である化合物、または式I−Oの化合物であって、化合物(101)もしくは(102)である化合物が好ましい。これらの化合物の構造は、それぞれの合成例S−1〜S−4に示されている。
【0085】
成分b)、すなわち式I−P、I−OまたはI−Mの化合物の、成分a)、すなわち酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料に対して使用される量は、酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい特定の有機材料および所望の保護の程度に伴い変化する。
【0086】
酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい有機材料を成分a)として含み、かつ式I−P、I−OまたはI−Mの化合物を成分b)として含む組成物であって、成分b)が、成分a)の質量に対して0.0005%〜10%、特に0.001〜2%、殊に0.005〜1%の量で含まれている組成物が好ましい。
【0087】
任意に、成分a)としての有機材料と成分b)としての式I−P、I−OまたはI−Mの化合物とを含む組成物は、成分c)として更なる添加剤を含有する。
【0088】
更なる添加剤は、以下の一覧から選択できる。
【0089】
1. 酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール類、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状または側鎖で分岐したノニルフェノール、例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル−1’−テトラデシル−メチル)フェノールおよびそれらの混合物。
【0090】
1.2. アルキルチオメチルフェノール類、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0091】
1.3. ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン類、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0092】
1.4. トコフェロール類、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)。
【0093】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル類、例えば2,2’−チオビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−s−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0094】
1.6. アルキリデンビスフェノール類、例えば2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチル−シクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−t−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0095】
1.7. O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0096】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート類、例えばジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0097】
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0098】
1.10. トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0099】
1.11. ベンジルホスホネート類、例えばジメチル−2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0100】
1.12. アシルアミノフェノール類、例えば4−ヒドロキシラウルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0101】
1.13. β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価もしくは多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、直鎖状と分枝鎖状のC
7〜C
9−アルカノールの混合物、オクタデカノール、直鎖状および分枝鎖状のC
13〜C
15−アルカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシルエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0102】
1.14. β−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価もしくは多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン。
【0103】
1.15. β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価もしくは多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0104】
1.16. 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価もしくは多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0105】
1.17. β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard XL−1(登録商標)、Uniroyalにより供給)。
【0106】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0107】
1.19. アミン系酸化防止剤、例えばN,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−t−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−t−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、t−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化とジアルキル化のt−ブチル/t−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化とジアルキル化のノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化とジアルキル化のドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化とジアルキル化のイソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化とジアルキル化のt−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化とジアルキル化のt−ブチル/t−オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化とジアルキル化のt−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール。
【0108】
2. 紫外線吸収剤および光安定化剤。
【0109】
2.1. 2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−s−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−t−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【化5】
[式中、R’は、3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニルである]、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0110】
2.2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクチルオキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4’−トリヒドロキシ−および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0111】
2.3. 置換された安息香酸または非置換の安息香酸のエステル、例えば4−t−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0112】
2.4. アクリル酸エステル類、例えばエチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリンおよびネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート)。
【0113】
2.5. ニッケル化合物、例えば2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば追加の配位子、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミンもしくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンを有するまたは有さない1:1錯体もしくは1:2錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルエステルもしくはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシムの、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールの、追加の配位子を有するまたは有さないニッケル錯体。
【0114】
2.6.立体障害アミン類、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−t−オクチルアミノ−2,6−ジ−クロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状もしくは環式の縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)スクシネート、ビス−[2,2,6,6−テトラメチル−1−(ウンデシルオキシ)ピペリジン−4−イル]カーボネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状および環式の縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびにN,N−ジブチルアミンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンおよびエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンもしくは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−ピペリジン−4−イル)−ヘキサン−1,6−ジアミンおよび2,4−ジクロロ−6−{n−ブチル−(2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−ピペリジン−4−イル)−アミノ}−[1,3,5]トリアジンのホルマール縮合生成物であるオリゴマー化合物の2−クロロ−4,6−ビス−(ジ−n−ブチルアミノ)−[1,3,5]トリアジンで末端封鎖されたものの混合物、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−ヘキサン−1,6−ジアミンおよび2,4−ジクロロ−6−{n−ブチル−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミノ}−[1,3,5]トリアジンのホルマール縮合生成物であるオリゴマー化合物の2−クロロ−4,6−ビス−(ジ−n−ブチルアミノ)−[1,3,5]トリアジンで末端封鎖されたものの混合物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(Clariant;CAS登録番号106917−31−1]、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス−[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)−アミノ)−s−トリアジン。
【0115】
2.7. オキサミド類、例えば4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキシアニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキシアニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキシアニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキシアニリドおよびそれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブトキシアニリドとの混合物、o−メトキシとp−メトキシで二置換されたオキサニリドの混合物およびo−エトキシとp−エトキシで二置換されたオキサニリドの混合物。
【0116】
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0117】
3. 金属不活性化剤、例えばN,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0118】
4. 式I−P、I−OまたはI−Mの化合物とは異なるホスファイトおよびホスホナイト、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(t−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0119】
以下のホスファイトが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos 168、BASFの登録商標)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【化6】
【0120】
【化7】
【0121】
5. ヒドロキシルアミン類およびアミンN−オキシド類、例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンであって水素化獣脂アミンから誘導されたアミン、N,N−ビス(水素化ナタネ油アルキル)−N−メチル−アミンN−オキシドもしくはトリアルキルアミンN−オキシド。
【0122】
6. ニトロン類、例えばN−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化獣脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0123】
7. チオ相乗剤、例えばジラウリルチオジプロピオネート、ジミストリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートおよびペンタエリトリトールテトラキス−[3−(n−ラウリル)−プロピオン酸エステル]。
【0124】
8. ペルオキシド捕捉剤、例えばα−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステルもしくはトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾールもしくは2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシル二硫化物、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0125】
9. ポリアミド安定化剤、例えば銅塩とヨウ化物との組み合わせ、および/またはリン化合物ならびに二価マンガンの塩。
【0126】
10. 酸捕捉剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモンおよびピロカテコール酸亜鉛。
【0127】
11. 式I−P、I−OまたはI−Mとは異なる、ベンゾフラノン類およびインドリノン類、例えば米国特許出願公開第4,325,863号明細書(US−A−4,325,863);米国特許出願公開第4,338,244号明細書(US−A−4,338,244);米国特許出願公開第5,175,312号明細書(US−A−5,175,312);米国特許出願公開第5,216,052号明細書(US−A−5,216,052);米国特許出願公開第5,252,643号明細書(US−A−5,252,643);独国特許出願公開第4316611号明細書(DE−A−4316611);独国特許出願公開第4316622号明細書(DE−A−4316622);独国特許出願公開第4316876号明細書(DE−A−4316876);欧州特許出願公開第0589839号明細書(EP−A−0589839)もしくは欧州特許出願公開第0591102号明細書(EP−A−0591102)に開示されるもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−t−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−t−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−t−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オンおよび3−(2−アセトキシ−4−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)−フェニル)−5−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)−ベンゾフラン−2−オン。
【0128】
12. 成核剤、例えば無機物質、例えばタルク、金属酸化物、例えば二酸化チタンもしくは酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩もしくは硫酸塩、有機化合物、例えばモノカルボン酸もしくはポリカルボン酸ならびにそれらの塩、例えば4−t−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムもしくは安息香酸ナトリウム、ポリマー化合物、例えばイオン性コポリマー(イオノマー)、Irgaclear XT 386(BASFの登録商標)、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)−ソルビトールおよび1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0129】
13. 充填剤および強化材、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、ハイドロタルサイト、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、木粉および他の天然産物の粉もしくは繊維、合成繊維。
【0130】
14. 他の添加剤、例えば可塑剤、滑沢剤、レオロジー添加剤、触媒、流動調節剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤および発泡剤。
【0131】
また驚くべきことに、式I−P、I−OまたはI−Mの多くの化合物と更なる添加剤とを組み合わせることは、熱、光および/または酸化による分解に対して有機材料を安定化するために、特にフェノール系酸化防止剤または、式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトを更なる添加剤として組み合わせて非常に有効であることが判明した。しばしば、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物の存在は、更なる添加剤の質量に対してたかだか1対1置換の過剰で、更なる添加剤の量を減らすことができることが判明している。
【0132】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料を成分a)として含み、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物を成分b)として含み、かつ更なる添加剤を成分c)として含む組成物が好ましい。
【0133】
成分b)の成分c)に対する質量比が、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、特に2:1〜1:10である組成物が好ましい。
【0134】
成分b)の成分c)に対する質量比が、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、殊に2:1〜1:10であり、かつ成分b)および成分c)の全体量は、成分a)の質量に対して80%未満、特に50%である組成物が好ましい。
【0135】
成分b)の成分c)に対する質量比が、4:1〜1:20であり、特に2:1〜1:10であり、かつ成分b)および成分c)の全体量が、成分a)の質量に対して0.005%から50%の間であり、特に0.005%から10%の間であり、更に具体的には0.005%から1%の間である組成物が好ましい。
【0136】
成分c)として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定化剤、ニッケル化合物、金属不活性化剤、式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、ヒドロキシルアミンもしくはアミンN−オキシド、チオ相乗剤、ペルオキシド捕捉剤、成核剤、充填剤または強化材である更なる添加剤を含む組成物が好ましい。
【0137】
成分c)として、式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤またはアミン系酸化防止剤である更なる添加剤を含む組成物が好ましい。
【0138】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)と、フェノール系酸化防止剤もしくは式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトである更なる添加剤c)とを含む組成物が好ましい。
【0139】
成分c)としてフェノール系酸化防止剤を含む組成物が好ましい。
【0140】
成分c)として、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであるフェノール系酸化防止剤を含む組成物が好ましい。
【0141】
特に関連のあるフェノール系酸化防止剤は、示される通り
【化8】
の化合物であり、その化合物に関して、1つの化学名は、テトラキス−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル]メタンもしくはその一方でテトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオニルオキシメチル]メタンである。それは、市販品であるIrganox 1010(BASF社の登録商標)に含まれる。
【0142】
特に関連のあるもう一つのフェノール系酸化防止剤は、示される通り
【化9】
の化合物であり、その化合物に関して、1つの化学名は、ステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートまたはその一方でステアリル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートである。それは、市販品であるIrganox 1076(BASF社の登録商標)に含まれる。
【0143】
成分c)として、テトラキス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタンまたはステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートであるフェノール系酸化防止剤を含む組成物が好ましい。
【0144】
成分c)として、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物とは異なる、ホスファイトまたはホスホナイトを含む組成物が好ましい。
【0145】
特に関連のあるホスファイトは、示される通り
【化10】
の化合物であり、その化合物に関して、1つの化学名は、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトである。それは、市販品であるIrgafos 168(BASFの登録商標)に含まれる。
【0146】
成分c)として、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトであるホスファイトを含む組成物が好ましい。
【0147】
任意に、酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料を成分a)として含み、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物を成分b)として含み、かつ更なる添加剤を成分c)として含む組成物は、成分d)として第二の更なる添加剤を含有する。
【0148】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料を成分a)として含み、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物を成分b)として含み、かつ更なる添加剤を成分c)として含み、かつ成分d)として第二の更なる添加剤を含む組成物が好ましい。
【0149】
成分b)の成分d)に対する質量比が、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、特に2:1〜1:10である組成物が好ましい。
【0150】
成分b)の成分d)に対する質量比が、10:1〜1:30であり、特に4:1〜1:20、殊に2:1〜1:10であり、かつ成分b)、成分c)および成分d)の全体量が、成分a)の質量に対して0.005%から50%の間であり、特に0.005%から10%の間であり、更に具体的には0.005%から1%の間である組成物が好ましい。
【0151】
成分a)と、成分b)と、成分c)としての式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤からなる群から選択される更なる添加剤と、成分d)として第二の更なる添加剤とを含むが、但し、成分d)が成分c)と異なる化合物である組成物が好ましい。
【0152】
成分a)と、成分b)と、成分c)と、成分d)とを含む組成物であって、成分c)および成分d)が、互いに独立して、式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤またはアミン系酸化防止剤であるが、但し、成分d)が成分c)とは異なる化合物である組成物が好ましい。
【0153】
成分a)と、成分b)と、成分c)としてのフェノール系酸化防止剤と、成分d)としてのアミン系酸化防止剤とを含む組成物が好ましい。
【0154】
成分a)と、成分b)と、成分c)としてのフェノール系酸化防止剤と、成分d)としての式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトとを含む組成物が好ましい。
【0155】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)と、フェノール系酸化防止剤である更なる添加剤c)と、式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトである第二の更なる添加剤d)とを含む組成物が好ましい。
【0156】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物b)と、テトラキス−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル]メタンもしくはステアリル β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートであるフェノール系酸化防止剤である更なる添加剤c)と、式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトである第二の更なる添加剤d)とを含む組成物が好ましい。
【0157】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)と、フェノール系酸化防止剤である更なる添加剤c)と、トリス(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイトであるホスファイトである第二の更なる添加剤d)とを含む組成物が好ましい。
【0158】
酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料a)と、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物b)と、テトラキス−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル]メタンもしくはステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートであるフェノール系酸化防止剤である更なる添加剤c)と、トリス(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイトであるホスファイトである第二の更なる添加剤d)とを含む組成物が好ましい。
【0159】
成分a)としての酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料および成分b)としての式I−P、I−OまたはI−Mの化合物についての前記の好ましい事項は、組成物について記載される。これらの好ましい事項は、本発明の更なる実施形態にも当てはまる。これらの更なる実施形態では、成分c)としての更なる添加剤の任意の存在も、成分d)としての第二の更なる添加剤の任意の存在も含まれている。
【0160】
本発明の更なる一実施形態は、酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい有機材料、すなわち成分a)の保護方法であって、
− 該有機材料、すなわち成分a)を準備するステップと、
− 前記準備された有機材料中に式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物、すなわち成分b)を導入するか、または前記有機材料上に前記化合物を適用するステップと、
を含む方法に関する。
【0161】
前記の成分b)の導入もしくは適用は、加工装置で、特に撹拌機を備えた、好ましくは閉じられていてよい加熱可能なコンテナ中で行うことができる。撹拌機を備えた加熱可能なコンテナは、例えば混練機、押出機、混合機または撹拌槽である。その特定の例は、一軸スクリュー押出機、逆回転および共回転の二軸スクリュー押出機、遊星歯車押出機、リング押出機またはコニーダである。少なくとも1つのガス除去区画であって、真空を適用できるかおよび/または酸素含量が低いもしくは酸素が存在しない雰囲気に、例えば窒素雰囲気下に置くことができる前記区画を含む加工装置を使用することもできる。成分b)は、前記加工装置中に直接的に添加することができる。
【0162】
成分b)は、成分a)の任意の加工段階に導入または適用することができる。成分a)がポリマーである場合に、その段階は、特に加工装置中での成分a)の成形作業の前またはその間である。
【0163】
成分b)は、乾燥粉末の形で、粉末の圧縮形で、例えば造粒物の形で、溶融物の形で、カプセル化された形で、例えばワックス中もしくは補助ポリマー中にカプセル化された形で、または湿式混合物の形で、例えば溶液、分散液もしくは懸濁液、例えば不活性溶媒、水もしくはオイル中の溶液、分散液もしくは懸濁液の形で導入または適用できる。分散剤または懸濁剤は、成分b)の湿式混合物の場合に存在してよい。
【0164】
成分b)は、成分a)へと吹き付けることによって導入または適用することができる。
【0165】
成分a)がポリマーである場合に、成分b)を成分a)へと導入もしくは適用する更なる手法は、相応の出発材料、例えば成分a)のモノマーの重合の前、その間またはその直後での添加である。例えば、重合触媒の失活の間に吹き付けることが特に好ましい。架橋が成分a)の形成の間に行われる場合には、架橋の前の導入または適用が好ましい。
【0166】
成分a)がポリマーである場合には、導入または適用の方法は、好ましくは、成形法、特に射出成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、回転成形法、スラッシュ成形法または押出成形法である。
【0167】
酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい有機材料がポリマーであり、
− 該酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい有機材料を準備するステップと、
− 式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物を前記準備された有機材料中に導入するステップであって、部分的もしくは完全な導入が135〜350℃、好ましくは150℃〜140℃、特に180℃〜330℃、殊に190℃〜320℃の範囲の温度で行われるステップと
を含む方法が好ましい。
【0168】
成分b)が押出機へと、ポリマーである成分a)の加工の間に導入または適用される方法が好ましい。
【0169】
更なる添加剤および任意の第二の更なる添加剤、すなわち成分c)もしくは成分c)およびd)の場合に、成分b)および更なる添加剤または第二の更なる添加剤は、成分a)へと個々にまたは互いに混合して導入または適用できる。所望であれば、個々の成分は、互いに、成分a)中に導入する前に、例えば乾式配合、圧縮、溶融、ワックスもしくは補助ポリマーによるカプセル化によって、または溶液、分散液もしくは懸濁液の形の、例えば不活性溶媒、水もしくはオイル中の前記形の湿式混合物として混合することができる。
【0170】
成分b)および更なる添加剤および任意に第二の更なる添加剤は、また、成分a)へと、成分b)、更なる添加剤、任意に第二の更なる添加剤および補助ポリマーとしてのマスターバッチポリマーを含むマスターバッチ(「濃縮物」)の形で添加することもできる。成分b)および更なる添加剤および任意に第二の更なる添加剤は、マスターバッチ中に、該マスターバッチの質量に対して1%〜40%、好ましくは2%〜20%の濃度で導入される。マスターバッチポリマー含量は、100質量%のマスターバッチに対する差異である。前記マスターバッチポリマーは、成分a)がポリマーである場合に、必ずしもそれと同じポリマーである必要は無い。
【0171】
本発明の更なる一実施形態は、
a)酸化的分解、熱的分解または光誘発性分解を受けやすい有機材料と、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
を含む組成物から製造される物品に関する。
【0172】
ポリマーである成分a)と成分b)とを含む組成物から有利には製造される物品は、造形物品であってよい。造形物品のための例は、以下のものである。
【0173】
I−1)浮かぶデバイス、海上用途、ポンツーン、ブイ、甲板、桟橋、ボート、カヤック、オール用のプラスチック用材および砂浜補強。
【0174】
I−2)自動車用途、特にバンパ、ダッシュボード、バッテリ、リアライニングおよびフロントライニング、フード下の成形部材、ハットシェルフ、トランクライニング、内装ライニング、エアバッグカバー、装備品(ライト)用の電子成形品、ダッシュボード用の板材、ヘッドランプガラス、計器板、外装ライニング、椅子張り、自動車ライト、ヘッドライト、駐車灯、リアライト、停止灯、内部装備品および外部装備品、ドアパネル、ガスタンク、フロントガラス、リアウィンドウ、シート裏張り、外装パネル、電線絶縁、シーリング用の押出異形材、クラッディング、柱カバー、シャシー部材、排気系、燃料フィルタ/充填剤、燃料ポンプ、燃料タンク、車体側面用成形品、コンバーチブル天板、外部ミラー、外部装備品、留め具/固定具、フロントエンドモジュール、ガラス、ヒンジ、ロックシステム、荷台/屋根上荷台、圧縮部材/打ち抜き部材、シーリング、側面衝撃保護、消音体/防音体およびサンルーフ。
【0175】
I−3)道路交通デバイス、特に標識用支柱、道路標識用の支柱、カーアクセサリー、ワーニングトライアングル、医療用ケース、ヘルメット、タイヤ。
【0176】
I−4)飛行機、鉄道、内燃動車(車、オートバイ、トラック)用の、調度品を含むデバイス。
【0177】
I−5)宇宙用途のためのデバイス、特にロケットおよび人工衛星、例えば再突入シールド。
【0178】
I−6)建築およびデザイン用のデバイス、採掘用途、防音システム、路上待避所およびシェルター。
【0179】
II−1)一般的な電気/電子デバイス(パソコン、電話、携帯電話、プリンタ、テレビセット、音響デバイスおよび映像デバイス)における用具、ケースおよびカバー、植木鉢、衛星TV用アンテナおよびパネルデバイス。
【0180】
II−2)鋼鉄またはテキスタイルなどの他の材料のための外被。
【0181】
II−3)エレクトロニクス産業用のデバイス、特にプラグ、特にコンピュータプラグ用の絶縁体、電機部品および電子部品用のケース、プリント基板およびチップ、チェックカードまたはクレジットカードなどの電子データ記憶用の材料。
【0182】
II−4)電気機器、特に洗濯機、タンブラー、オーブン(電子レンジ)、皿洗い機、ミキサーおよびアイロン。
【0183】
II−5)ライト用カバー(例えば街頭、ランプシェード)。
【0184】
II−6)ワイヤおよびケーブルにおける用途(半導体、絶縁体およびケーブル外被)。
【0185】
II−7)コンデンサ用フォイル、冷蔵庫、加熱装置、空調機、電子機器の封止、半導体、コーヒーマシンおよび真空掃除機。
【0186】
III−1)工業用品、例えば歯車(ギア)、スライド式取り付け部品、スペーサ、ねじ、ボルト、ハンドルおよびノブ。
【0187】
III−2)ローターブレード、換気扇および風車ベーン、ソーラーデバイス、水泳プール、水泳プールカバー、プール内張り、池用内張り、クローゼット、ワードローブ、区分壁、スラットウォール、折り畳み壁、屋根、シャッター(例えばロールシャッター)、取付具、パイプ間の接続具、スリーブおよびコンベヤベルト。
【0188】
III−3)衛生用品、特にシャワー室、便座、カバーおよびシンク。
【0189】
III−4)保健衛生用品、特におむつ(赤ん坊、成人の失禁)、女性用保健衛生用品、シャワーカーテン、ブラシ、マット、タブ、携帯用トイレ、歯ブラシおよび便器。
【0190】
III−5)水、廃水および化学薬品用のパイプ(架橋または非架橋)、ワイヤおよびケーブルの保護用のパイプ、ガス、オイルおよび下水用のパイプ、樋、縦樋および下水システム。
【0191】
III−6)任意の形状の異形材(窓板)および羽目板。
【0192】
III−7)ガラス代用品、特に押出もしくは同時押出されたプレート、建造物(一体構造、二重壁もしくは多重壁)、航空機、学校用のガラス、押出シート、建築用ガラス、電車、輸送機関、衛生用品および温室のための窓フィルム。
【0193】
III−8)プレート(壁、カッティングボード)、押出コーティング(印画紙、テトラパックおよびパイプコーティング)、サイロ、木材代用品、プラスチック板材、木材複合体、壁、表面、家具、装飾フォイル、床材(内装および外装用途)、床、踏み板およびタイル。
【0194】
III−9)給気用および排気用のマニホルド。
【0195】
III−10)セメント用途、コンクリート用途、コンポジット用途およびカバー、羽目板およびクラッディング、手すり、手すり子、キッチン天板、屋根、屋根板、タイルおよび幌。
【0196】
IV−1)プレート(壁およびカッティングボード)、トレイ、人工芝、合成芝(例えばAstroTurf(登録商標))、スタジアムの競技場(屋外競技場)用の人工カバー、スタジアムの競技場(屋外競技場)用の人工床およびテープ。
【0197】
IV−2)長繊維および短繊維の織布、繊維(絨毯/衛生用品/ジオテキスタイル/モノフィラメント;フィルタ;ワイプ/カーテン(シェード)/医療用途)、ばら繊維(ガウン/防護衣などの用途)、ネット、ロープ、ケーブル、糸、紐、スレッド、安全シートベルト、衣類、下着、手袋;ブーツ、ゴム靴、女性用下着、衣服、水着、運動着、傘(パラソル、日よけ)、パラシュート、パラグライダー、帆、「バルーンシルク(balloon−silk)」、キャンプ用品、テント、空気ベッド、サンベッド、バルクバッグおよびバッグ。不織布、例えば医療用布および関連服飾品、工業用服飾品、アウトドア布、室内調度品および建築用布。
【0198】
IV−3)屋根、トンネル、ゴミ捨て場、池、ゴミ捨て場用のメンブレン、絶縁材、カバーおよびシール、壁屋根用メンブレン、ジオメンブレン、水泳プール、カーテン(シェード)/日よけ、オーニング、キャノピー、壁紙、食品包装材およびラッピング(フレキシブルおよびソリッド)、医療用包装(フレキシブルおよびソリッド)、エアバッグ/安全ベルト、アームレストおよびヘッドレスト、絨毯、中央制御盤、ダッシュボード、コックピット、ドア、オーバーヘッドコンソールモジュール、ドアトリム、ヘッドライナー、屋内照明、屋内ミラー、パーセルシェルフ、リアラゲッジカバー、シート、ステアリングコラム、ステアリングホイール、テキスタイルおよびトランクトリム。
【0199】
V)フィルム(包装、ゴミ捨て場、ラミネート、農業および園芸、温室、マルチ、トンネル、サイレージ)、ベールラップ、水泳プール、ゴミ袋、壁紙、ストレッチフィルム、ラフィア、淡水化フィルム、バッテリーおよびコネクタ。
【0200】
VI−1)食品包装およびラッピング(フレキシブルおよびソリッド)、ボトル。
【0201】
VI−2)貯蔵システム、例えば箱(クレート)、ラゲッジ、チェスト、家庭用箱、パレット、棚、トラック、ねじ受け、パックおよび缶。
【0202】
VI−3)カートリッジ、シリンジ、医療用途、あらゆる輸送用コンテナ、ゴミ箱およびくず入れ、ゴミ袋、ビン、ゴミ入れ、ゴミ用ポリ袋、ウィーリー・ビン、汎用容器、水/使用済み水/化学薬品/ガス/オイル/ガソリン/ディーゼル用のタンク、タンク内張り、箱、クレート、バッテリーケース、樋、医療用デバイス、例えばピストン、眼部用途、診断デバイスおよび医薬品ブリスター用の包装。
【0203】
VII−1)押出コーティング(印画紙、テトラパック、パイプコーティング)、任意の種類の家庭用品(例えば用具、サーモスボトル/衣類ハンガー)、固定システム、例えばプラグ、ワイヤおよびケーブルクランプ、ジッパー、ファスナー、ロックおよびスナップクロージャー。
【0204】
VII−2)支持デバイス、余暇のための物品、例えばスポーツデバイスおよびフィットネスデバイス、体操マット、スキーブーツ、インラインスケート、スキー、ビッグフット、競技面(例えばテニス場)、ボトルおよび缶のためのねじ蓋、蓋および栓。
【0205】
VII−3)一般家具、発泡された物品(クッション、衝撃吸収材)、フォーム、スポンジ、皿洗い布、マット、ガーデンチェア、スタジアムシート、テーブル、カウチ、おもちゃ、組み立てキット(ボード/フィギュア/ボール)、おもちゃの家、てすりおよびおもちゃの乗り物。
【0206】
VII−4)光学データ記憶および磁気データ記憶のための材料。
【0207】
VII−5)台所用品(食べる、飲む、調理する、貯蔵する)。
【0208】
VII−6)CD、カセットテープおよびビデオテープ用の箱、DVD電子商品、あらゆる種類の事務用具(ボールペン、スタンプおよびインクパッド、マウス、棚、レール)、あらゆる容量および内容のボトル(飲料、洗剤、香水を含む化粧品)および接着テープ。
【0209】
VII−7)履き物(靴/靴底)、インソール、スパッツ、接着剤、構造接着剤、食品箱(果実、野菜、肉類、魚類)、合成紙、ボトル用のラベル、カウチ、人工関節(ヒト)、印刷版(フレキソ印刷)、プリント回路板およびディスプレイ技術。
【0210】
VII−8)充填物を含むポリマー(タルク、白亜、陶土(カオリン)、ウォラストナイト、顔料、カーボンブラック、TiO
2、マイカ、ナノ複合物、ドロマイト、珪酸塩、ガラス、アスベスト)のデバイス。
【0211】
フィルム、パイプ、異形材、ボトル、タンク、容器または繊維である造形物品である物品が好ましい。
【0212】
成形された造形物品が好ましい。特に、成形は、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、回転成形、スラッシュ成形または押出成形によって行われる。
【0213】
本発明の更なる一実施形態は、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物、すなわち成分b)の、酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい有機材料、すなわち成分a)を酸化、熱もしくは光による分解に対して安定化するための使用に関する。
【0214】
成分b)を、フォームの形のポリウレタンをスコーチに対して安定化するために用いる使用が好ましい。
【0215】
式I−P、I−OまたはI−Mの化合物の、更なる添加剤と組み合わせての、酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい有機材料を酸化、熱もしくは光による分解に対して安定化するための使用が好ましい。
【0216】
式I−P、I−OまたはI−Mの化合物の、フェノール系酸化防止剤または式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトである更なる添加剤と組み合わせての、酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい有機材料を酸化、熱もしくは光による分解に対して安定化するための使用が好ましい。
【0217】
式I−P、I−OまたはI−Mの化合物の、フェノール系酸化防止剤である更なる添加剤および式I−P、I−OまたはI−Mの化合物とは異なるホスファイトまたはホスホナイトである第二の更なる添加剤と組み合わせての、酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい有機材料を酸化、熱もしくは光による分解に対して安定化するための使用が好ましい。
【0218】
式I−P、I−OまたはI−Mの化合物の、フェノール系酸化防止剤である更なる添加剤および式I−P、I−OまたはI−Mの化合物とは異なるホスファイトまたはホスホナイトである第二の更なる添加剤と組み合わせての、酸化的分解、熱的分解もしくは光誘発性分解を受けやすい、ポリオレフィンまたはそのコポリマーである有機材料を酸化、熱もしくは光による分解に対して安定化するための使用が好ましい。
【0219】
成分a)の加工は、成分a)を、熱へと、例えば135℃〜350℃の範囲の温度へと、特に150℃〜340℃の温度へと、成分a)の加工の時間の間に短時間晒すこととして特徴付けられる。加工時間は、例えば可使時間に対して短い、例えば1週間超に対しては1時間未満である。使用は、一般に、加工の間の温度より低い、例えば0℃〜50℃の温度で行われる。
【0220】
成分b)を、成分a)を加工の間の酸化的分解もしくは熱的分解に対して安定化するために用いる使用が好ましい。
【0221】
本発明の更なる一実施形態は、式I−P、I−OまたはI−M
【化11】
[式中、
R
1Pは、部分式II−P、II−OもしくはII−M
【化12】
の1つを表し、
R
1Oは、部分式II−OもしくはII−Mの1つを表し、または
R
1Mは、部分式II−Mを表し、
R
4、R
5、R
6およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
P2、R
P3、R
P5およびR
P6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
O1、R
O2、R
O5およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、かつ
R
M1、R
M3、R
M5およびR
M6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである]の化合物に関する。
【0222】
本発明の更なる一実施形態は、添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤からなる群から選択される更なる添加剤と、
を含む前記組成物に関する。
【0223】
成分b)の成分c)に対する質量比が、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、特に2:1〜1:10である組成物が好ましい。
【0224】
成分b)の成分c)に対する質量比が、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、特に2:1〜1:10である添加剤組成物が好ましい。
【0225】
添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)フェノール系酸化防止剤または式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトである更なる添加剤と、
を含む添加剤組成物が好ましい。
【0226】
添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)フェノール系酸化防止剤である更なる添加剤と、
を含む添加剤組成物が好ましい。
【0227】
添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトである更なる添加剤と、
を含む添加剤組成物が好ましい。
【0228】
添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)テトラキス−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル]メタン、ステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートまたはトリス−(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイトである更なる添加剤と、
を含む添加剤組成物が好ましい。
【0229】
成分d)として第二の更なる添加剤を含む添加剤組成物が好ましい。
【0230】
添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤からなる群から選択される更なる添加剤と、
d)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイト、酸捕捉剤、フェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤からなる群から選択される第二の更なる添加剤と、
を含むが、但し、成分c)が成分d)とは異なる化合物である添加剤組成物が好ましい。
【0231】
成分b)の成分c)に対する質量比は、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、特に2:1〜1:10であり、かつ成分b)の成分d)に対する質量比が、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、殊に2:1〜1:10である組成物が好ましい。
【0232】
成分b)の成分c)に対する質量比は、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、特に2:1〜1:10であり、かつ成分b)の成分d)に対する質量比が、10:1〜1:30、特に4:1〜1:20、殊に2:1〜1:10である添加剤組成物が好ましい。
【0233】
添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)フェノール系酸化防止剤である更なる添加剤と、
d)式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトである第二の更なる添加剤と、
を含む添加剤組成物が好ましい。
【0234】
添加剤組成物であって、
b)式Iの化合物と、
c)テトラキス−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル]メタンまたはステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートである更なる添加剤と、
d)式I−P、I−OもしくはI−Mの化合物とは異なるホスファイトもしくはホスホナイトである第二の更なる添加剤と、
を含む添加剤組成物が好ましい。
【0235】
添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)フェノール系酸化防止剤である更なる添加剤と、
d)トリス−(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイトである第二の更なる添加剤と、
を含む添加剤組成物が好ましい。
【0236】
添加剤組成物であって、
b)式I−P、I−OまたはI−Mの化合物と、
c)テトラキス−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル]メタンまたはステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートである更なる添加剤と、
d)トリス−(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイトである第二の更なる添加剤と、
を含む添加剤組成物が好ましい。
【0237】
本発明の更なる一実施形態は、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物の製造方法に関する。製造のための基本的な合成アプローチは、適切なハロゲン置換されたリン誘導体を、それぞれのヒドロキシ置換されたベンゾフラノン誘導体と、塩基および場合により溶剤、特に非プロトン性溶剤の存在下で反応させることである。
【0238】
ハロゲンは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。塩素原子または臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
【0239】
前記塩基がピリジン、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムである方法が好ましい。
【0240】
非プロトン性溶剤は、例えばジクロロエタンまたはトルエンである。
【0241】
式I−P
【化13】
の化合物の製造方法であって、
− 式S−IN−P
【化14】
の化合物と、式PS−IN−P
【化15】
の化合物とを、
塩基および場合により非プロトン性溶剤の存在下で反応させて、式IN−P
【化16】
の化合物を得るステップと、
− 式IN−Pの化合物と、式S1−IN−P
HO−R
1P (S1−IN−P)
の化合物とを、塩基および場合により非プロトン性溶剤の存在下で反応させて、式I−Pの化合物を得るステップと、
を含み、前記式中、
R
1Pは、部分式II−P、II−OもしくはII−M
【化17】
の1つを表し、
R
4、R
5、R
6およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
P2、R
P3、R
P5およびR
P6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
O1、R
O2、R
O5およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
M1、R
M3、R
M5およびR
M6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、かつ
Z
1P-INおよびZ
2P-INは、互いに独立して、ハロゲンである、製造方法が好ましい。
【0242】
式I−Pの化合物の製造方法では、式S−IN−Pの化合物と式PS−IN−Pの化合物とを反応させるステップおよび式IN−Pの化合物と式S1−IN−Pの化合物とを反応させるステップは、ある一定量の化合物IN−Pが形成されたら並行して行うことができる。
【0243】
式I−O
【化18】
の化合物の製造方法であって、
− 式S−IN−O
【化19】
の化合物と、式PS−IN−O
【化20】
の化合物とを、
塩基および場合により非プロトン性溶剤の存在下で反応させて、式IN−O
【化21】
の化合物を得るステップと、
− 式IN−Oの化合物と、式S1−IN−O
HO−R
1O (S1−IN−O)
の化合物とを、塩基および場合により非プロトン性溶剤の存在下で反応させて、式I−Oの化合物を得るステップと、
を含み、前記式中、
R
1Oは、部分式II−OもしくはII−M
【化22】
の1つを表し、
R
4、R
5、R
6およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
O1、R
O2、R
O5およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
M1、R
M3、R
M5およびR
M6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、かつ
Z
1O-INおよびZ
2O-INは、互いに独立して、ハロゲンである、製造方法が好ましい。
【0244】
式I−Oの化合物の製造方法では、式S−IN−Oの化合物と式PS−IN−Oの化合物とを反応させるステップおよび式IN−Oの化合物と式S1−IN−Oの化合物とを反応させるステップは、ある一定量の化合物IN−Oが形成されたら並行して行うことができる。
【0245】
式I−M
【化23】
の化合物の製造方法であって、
− 式S−IN−M
【化24】
の化合物と、式PS−IN−M
【化25】
の化合物とを、
塩基および場合により非プロトン性溶剤の存在下で反応させて、式IN−M
【化26】
の化合物を得るステップと、
− 式IN−Mの化合物と、式S1−IN−M
HO−R
1M (S1−IN−M)
の化合物とを、塩基および場合により非プロトン性溶剤の存在下で反応させて、式I−Mの化合物を得るステップと、
を含み、前記式中、
R
1Mは、部分式II−M
【化27】
を表し、
R
4、R
5、R
6およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
M1、R
M3、R
M5およびR
M6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、かつ
Z
1M-INおよびZ
2M-INは、互いに独立して、ハロゲンである、製造方法が好ましい。
【0246】
式I−Mの化合物の製造方法では、式S−IN−Mの化合物と式PS−IN−Mの化合物とを反応させるステップおよび式IN−Mの化合物と式S1−IN−Mの化合物とを反応させるステップは、ある一定量の化合物IN−Mが形成されたら並行して行うことができる。
【0247】
式PS−IN−P、PS−IN−OおよびPS−IN−Mは、同じ化合物を包含しているが、式I−P、I−OまたはI−Mの化合物のための反応スキームにおいては明りょうにするために個別的に取り扱われている。更に、式S1−IN−Pは、R
1Pが部分式II−Pである場合に、式S−IN−Pと同様である。式S1−IN−Pは、R
1Pが部分式II−Oである場合に、式S−IN−Oと同様である。式S1−IN−Pは、R
1Pが部分式II−Mである場合に、式S−IN−Mと同様である。式S1−IN−Oは、R
1Oが部分式II−Oである場合に、式S−IN−Oと同様である。式S1−IN−Oは、R
1Oが部分式II−Mである場合に、式S−IN−Mと同様である。式S1−IN−Mは、R
1Mが部分式II−Mである場合に、式S−IN−Mと同様である。
【0248】
本発明の更なる一実施形態は、式IN−P、IN−OまたはIN−M
【化28】
[式中、
Z
1P-IN、Z
1O-INおよびZ
1M-INは、互いに独立して、ハロゲンであり、
R
4、R
5、R
6およびR
7は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
P2、R
P3、R
P5およびR
P6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、
R
O1、R
O2、R
O5およびR
O6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルであり、かつ
R
M1、R
M3、R
M5およびR
M6は、互いに独立して、水素もしくはC
1〜C
8−アルキルである]の中間体化合物に関する。
【0249】
以下の実施例は、本発明を更に説明するものであるが、本発明を制限するものではない。パーセンテージ値は、特に記載がない限り、質量%である。
【0250】
合成例
該合成手順は、窒素雰囲気下で行われる。
【0251】
特に記載がない限り、出発材料は、例えばAldrich社から市販されている。
【0252】
例S−1:化合物(101)の合成
【化29】
【0253】
5.0g(15ミリモル)の化合物(201)(欧州特許出願公開第2500341号明細書(EP2500341A)の第8頁の例1により得ることができる)を、40mLの乾燥ジクロロエタン中で65℃で加熱する。その溶液に、まず1.41g(18ミリモル)の乾燥ピリジンを添加し、次いで25分以内に1.96g(7ミリモル)の化合物(301)(Lucasら,Tetrahedron Lett.2005,46,3347に従って得ることができる3,9−ジクロロ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン)を添加する。該反応物を、還流下で3時間にわたり撹拌し、室温に冷却し、濾過する。溶剤の除去後に、ガラス様の残留物が得られ、それを更に真空下で70℃で乾燥させる。4.18g(理論値の65%)の化合物(101)が白色のガラス様固体として得られる。
【0254】
31P−NMR(トルエン−d
8):116ppm
1H−NMR(トルエン−d
8):4.4ppm(s,2H,ラクトン環のCH)
MS(LC/MS,ACPIポジティブモード):[M+1]
+=870。
【0255】
例S−2:化合物(102)の合成
【化30】
【0256】
化合物(102)は、例1と同様にして、化合物(202)(欧州特許出願公開第2500341号明細書(EP2500341A)の第8頁の例1に従って相応の4−t−オクチル−フェノールを使用することによって得ることができる)から製造され、非晶質固体として理論値の69%の収率で得られる。
【0257】
31P−NMR(トルエン−d
8):116ppm
1H−NMR(トルエン−d
8):4.3ppm(s,2H,ラクトン環のCH)
MS(LC/MS,ACPIポジティブモード):[M+1]
+=1094。
【0258】
例S−3:化合物(103)の合成
【化31】
【0259】
化合物(103)は、例1と同様にして、化合物(203)(欧州特許出願公開第0648765号明細書(EP0648765A)の第30頁の化合物115に従って得ることができる)から製造され、非晶質固体として理論値の81%の収率で得られる。
【0260】
31P−NMR(トルエン−d
8):122ppm
1H−NMR(トルエン−d
8):4.3ppm(s,2H,ラクトン環のCH)
MS(LC/MS,ACPIポジティブモード):[M+1]
+=926。
【0261】
例S−4:化合物(104)の合成
【化32】
【0262】
化合物(104)は、例1と同様にして、化合物(204)(国際公開第80/01566号パンフレット(WO80/01566)に従って得ることができる)から製造され、非晶質固体として理論値の87%の収率で得られる。
【0263】
31P−NMR(トルエン−d
8):123ppm
1H−NMR(トルエン−d
8):4.3ppm(s,2H,ラクトン環のCH)
MS(LC/MS,ACPIポジティブモード):[M+1]
+=1010。
【0264】
適用例
以下の既知の安定化剤を、本発明による化合物に加えて部分的に使用する。
【0265】
AO−1は、Irganox 1010(BASF社の登録商標)であり、それは、ペンタエリトリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含有する。
【0266】
AO−2は、Irganox 1076(BASF社の登録商標)であり、それは、オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを含有する。
【0267】
Phos−1は、Irgafos 168(BASF社の登録商標)であり、それは、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを含有する。
【0268】
CaStは、酸捕捉剤として作用する市販のステアリン酸カルシウムである。
【0269】
ZnOは、酸捕捉剤として作用する市販の酸化亜鉛である。
【0270】
例A−1:ポリプロピレンホモポリマーの安定化
様々な添加剤を、本質的に全く添加剤を含まないMoplen HF 501 N(LyondellBasell社の登録商標、ポリプロピレンホモポリマー、粉末、メルトフローレート10g/10分(230℃/2.16kg))と表A−1による組成でブレンドする。そのブレンドは、ターブラ・ミキサーを使用して実施される。
【0271】
それらの入念にブレンドした配合物を、次いで一軸スクリュー押出機において、より低い温度(200℃)で窒素下に溶融配合する。それを、該表A−1では未通過の押出と示している。これは、酸化的分解によるポリマーへの損害が最小限の良好な溶融混合を保証する。
【0272】
得られた未通過の押出物を、一軸スクリュー押出機を用いて、より高い温度(280℃)で外気にさらして複数回にわたり押出する。より高い温度での酸素(空気)の存在と組み合わせての押出は、ポリマー分解速度を高める。これらの過酷な押出条件は、安定化系に負荷をかけ、それにより区別が可能となる。未通過の、1番目の通過の、3番目の通過の、および5番目の通過の押出物のペレット化試料を回収し、密封されたプラスチックバッグ中で室温で貯蔵ボックス中で暗所において貯蔵する。
【0273】
メルトフローレート:試料を、分子量(質量)の保持について試験する。これは、メルトフローレート保持(ASTM−1238に準じて)によってGoettfert MPD02で測定される。試験条件は、230℃および2.16kgである。メルトフローレートは、10分間で規定のオリフィスから流出するポリマーのグラム数で測定され、グラム/10分(デシグラム/分)として示される。結果を表A−1に示す。
【0274】
表A−1
【表1】
【0275】
低濃度の本発明による化合物(110ppm)、フェノール系酸化防止剤(500ppm)および典型的なホスファイト系溶融加工安定化剤(210ppm)からなる組成物は、該フェノール系酸化防止剤(500ppm)および該典型的なホスファイト系溶融加工安定化剤(210ppmもしくは750ppm)の通常の二元ブレンドと比べて、メルトフローレートの保持によって測定される良好な性能をもたらす。本発明による化合物を含む前記三元ブレンドは、より低い濃度(820ppm)で、該通常の二元ブレンドのより高い濃度(1250ppm)と比べて良好なまたはより良好な性能をもたらす。
【0276】
例A−2−1〜例A−2−4:
ポリマー加工実験
様々な添加剤を、それぞれの表A−2−1〜表A−2−4による組成において、安定化添加剤を本質的に一切含まない指定され利用される粒状ポリマーと一緒に配合する。その配合は、ヘンシェルミキサー、ターブラーミキサーまたはキッチンエイドミキサーを使用して実施される。
【0277】
それらの入念に配合した配合物を、二軸スクリュー押出機において210℃(410°F)のより低い温度で窒素下に溶融配合する。それを、該表では未通過の押出と示している。これは、酸化的分解によるポリマーへの損害が最小限の良好な溶融混合を保証する。
【0278】
得られた未通過の押出物を、マドック混合部を備えた一軸スクリュー押出機を用いて、260℃(500°F)または280℃(535°F)のより高い温度で外気にさらして複数回にわたり押出する。より高い温度での酸素(空気)の存在と組み合わせての押出は、ポリマー分解速度を高める。未通過の、1回目の通過の、3番目の通過の、および5回目の通過の押出物のペレット化試料を回収し、密封されたプラスチックバッグ中で室温で貯蔵ボックス中で暗所において貯蔵する。
【0279】
メルトフローレート:試料を、分子量(質量)の保持について試験する。これは、メルトフローレート保持によってASTM−1238に準じてTinius−Olsen社製の押出式プラストメーターで測定される。ポリプロピレン型ポリマー試料の場合、試験条件は、230℃および2.16kgである。ポリエチレン型ポリマー試料の場合、試験条件は、190℃および2.16kgまたは21.6kgである。メルトフロー比は、21.6kgでのメルトフローレートを、2.16kgでのメルトフローレートで割ったものとして計算される。メルトフローレートは、10分間で規定のオリフィスから流出するポリマーのグラム数で測定され、グラム/10分(デシグラム毎分)として示される。
【0280】
オーブンエージング:幾つかの試料を、酸化的安定性についてポリマーの融点未満でポリマー分解を加速させるためにオーブンエージングを使用して試験する。これは、1mm(40mil)の圧縮成形されたプラークを、炉内での135℃または150℃の高められた温度への曝露を均質にするために回転式コンベヤを備えたBlue M型強制通風炉に置くことによって行われる。破壊は、該プラークを3〜4日毎に折り曲げることによりそのプラークが酸化的分解によりパキッと折れるまでの脆化までの日数によって測定される。その時間は日数で示される。
【0281】
酸化誘導時間:幾つかの試料を、酸化的安定性について該ポリマーの融点より高い温度で、酸化的環境(酸素)中で190℃の高い温度でポリマー溶融物における安定化剤の活性を測定する手段として酸化誘導時間(OIT)を使用して試験する。試験は、示差走査熱量計(DSC)で実行される。走査は、10℃/分の加熱速度で窒素下に50℃から190℃まで収集され、次いで酸素に切り替えて等温条件で維持して破局的酸化となるまで収集される。破局的酸化(強い発熱として観察される)の始まるまでの時間を分で示す。
【0282】
例A−2−1:成形グレードのチーグラー・ナッタ系のポリプロピレンホモポリマーの安定化
塊状/スラリー相重合法からの4dg/分のメルトフローレートを有する成形グレードのチーグラー・ナッタ系のポリプロピレンホモポリマー(zn−PP−ホモポリマー)を評価する。
【0283】
表A−2−1
【表2】
【0284】
低濃度の本発明による化合物(103)(105ppm)、フェノール系酸化防止剤(500ppm)および典型的なホスファイト系溶融加工安定化剤(220ppm)からなる組成物は、該フェノール系酸化防止剤(500ppm)および該典型的なホスファイト系溶融加工安定化剤(500ppmもしくは1000ppm)の通常の二元ブレンドと比べて、メルトフローレートの保持によって測定される良好な性能をもたらす。本発明による化合物を含む前記三元ブレンドは、より低い濃度(825ppm)で、該通常の二元ブレンドのより高い濃度(1000ppmまたは1500ppm)と比べて良好なまたはより良好な性能をもたらす。135℃または150℃でのオーブンエージングにより測定したときに観察されるフェノール系酸化防止剤によりもたらされる長期熱的安定性に対する有害作用は存在しない。
【0285】
例A−2−2:成形グレードのチーグラー・ナッタ系のポリプロピレンコポリマーの安定化
塊状/スラリー相重合法からの3dg/分のメルトフローレートを有する成形グレードのチーグラー・ナッタ系のポリプロピレンコポリマー(zn−PP−コポリマー;コモノマーとして約2質量%のエチレン)を評価する。
【0286】
表A−2−2
【表3】
【0287】
低濃度の本発明による化合物(103)(105ppm)、フェノール系酸化防止剤(500ppm)および典型的なホスファイト系溶融加工安定化剤(220ppm)からなる組成物は、該フェノール系酸化防止剤(500ppm)および該典型的なホスファイト系溶融加工安定化剤(500ppmもしくは1000ppm)の通常の二元ブレンドと比べて、メルトフローレートの保持によって測定される良好な性能をもたらす。本発明による化合物を含む前記三元ブレンドは、より低い濃度(825ppm)で、該通常の二元ブレンドのより高い濃度(1000ppmまたは1500ppm)と比べてほぼ良好なまたはより良好な性能をもたらす。135℃または150℃でのオーブンエージングにより測定したときに観察されるフェノール系酸化防止剤によりもたらされる長期熱的安定性に対する有害作用は存在しない。
【0288】
例A−2−3:フィルムグレードのチーグラー・ナッタ系の線状低密度ポリプロピレンコポリマーの安定化
気相重合法からの190℃および2.16kgで2dg/分のメルトフローレートを有するフィルムグレードのチーグラー・ナッタ系のポリエチレンコポリマー(zn−LLDPE−コポリマー;コモノマーとしてブテン、密度0.92g/cm
3)を評価する。
【0289】
表A−2−3
【表4】
【0290】
低濃度の本発明による化合物(103)(100ppm)と組み合わせて、フェノール系酸化防止剤(200ppm)および通常のホスファイト系溶融加工安定化剤(300ppm)からなる組成物は、該フェノール系酸化防止剤(200ppm)および該通常のホスファイト系溶融加工安定化剤(500ppmもしくは1300ppm)の典型的な二元ブレンドと比べて、メルトフローレートの保持によって測定される良好な性能をもたらす。前記三元ブレンドは、より低い濃度(600ppm)で、該通常の二元ブレンドのより高い濃度(700ppm〜1300ppm)と比べて良好なまたはより良好な性能をもたらす。該フェノール系酸化防止剤によりもたらされる酸化的安定性に対する有害作用は、酸化誘導時間によって測定されるように観察されない。
【0291】
例A−2−4:成形グレードのCrベースの高密度ポリエチレンの安定化
気相重合法からの190℃および2.16kgで0.3dg/分のメルトフローレートを有する成形グレードのクロム触媒型ポリエチレン(Cr−HDPE;密度0.955g/cm
3)を評価する。
【0292】
表A−2−4
【表5】
【0293】
低濃度の本発明による化合物(103)(110ppm)と組み合わせて、フェノール系酸化防止剤(500ppm)および通常のホスファイト系溶融加工安定化剤(220ppm)からなる組成物は、該フェノール系酸化防止剤(500ppm)および該通常のホスファイト系溶融加工安定化剤(500ppmもしくは1000ppm)の通常の二元ブレンドと比べて、メルトフローレートの保持によって測定される良好な性能をもたらす。前記三元ブレンドは、より低い濃度(830ppm)で、該通常の二元ブレンドのより高い濃度(1000ppm〜1500ppm)と比べてほぼ良好なまたはより良好な性能をもたらす。該フェノール系酸化防止剤によりもたらされる酸化的安定性に対する有害作用は、酸化誘導時間によって測定されるように観察されない。